液晶パネルの接続方法及びその装置
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は液晶パネル(以下LCDと略す)の接続方法及びその装置に関し、特に異方性導電膜を用いた接続方法及びその装置に関する。
〔従来の技術〕
LCDは、TV,OA装置等各種の表示装置として広く使われている。そのLCDを電気的に動作させるための一方法として配線部材の端子部とLCDの端子部とを異方性導電膜を用いて接続させる方法がある。従来のこの接続方法について第3図および第4図を用いて説明する。
第4図(a)に圧着前のLCD端子部2、異方性導電膜3、配線部材の端子部5の断面図を示す。
LCD端子部2のLCD端子17は、一般にITO膜又はCr膜が用いられ、スパッタリング等で成膜される。その膜厚はITO膜で200〜1000Å、Cr膜で600〜3000Åである。又、配線部材の端子部5の配線部材端子14は一般に銅箔で作られ、その表面にNiメッキし更に金メッキが施される場合もある。又銅箔の表面に半田メッキされる場合もある。端子14の厚みは一般的に10〜80μmである。配線部材端子14は接着剤13でベース材である10〜50μmのポリイミド等に接着されている。
異方性導電膜3は、導電粒子15と、熱可塑性の接着樹脂16とから構成されている。第4図(b)に示すように、LCDの端子部2と配線部材の端子部5とを接続する場合、両端子部2,5間に異方性導電膜3を介在させて熱圧着することにより、接着樹脂16が溶けて導電粒子15がLCD端子17と配線部材端子14に接触し電気的接続を行うものである。
次に第3図の従来の接続装置を用いて接続の手順を示す。
まず作業テーブル12上にLCD1の端子部2を置き、その上に異方性導電膜3、次に配線部材4の端子部5を順に積層する。それぞれの端子の位置を合わせた後、加熱ヒータ7で加熱されたヘッド6が、シリンダ9によって端子部に加圧接触して熱圧着させる。温度コントローラ8は加熱ヒータ7に接続され、ヘッド6を一定の温度に保つように制御する。
タイマー付圧力コントローラ10はシリンダ9に接続され、圧縮空気11の圧力、加圧動作時間をコントローラしてシリンダ9に供給することより、ヘッド6にかかる圧力及び熱圧接の時間を規定の値に保つようになっている。ヘッド6の熱が配線部材4の端子部5より異方性導電膜3に伝わり、熱可塑性の接着樹脂16が溶け、加圧されているので、徐々に端子間に移動して端子間の空気を押し出して接着樹脂で埋めつくして圧着が完了する。
〔発明が解決しようとする課題〕
圧着機の設定条件には、温度、圧力、時間の三つがある。位置合せの仮付のために行う仮圧着は一般に異方性導電膜の温度80〜100℃、圧力1〜3kg/cm2、時間3〜5秒に設定される。又、本圧着は一般に、温度120〜180℃、圧力30〜60kg/cm2、時間12〜20秒に設定される。
この本圧着の設定条件は作業が始まる前に予め条件出しが行なわれ、配線部材のロット内のベース材の厚みのバラツキ、端子の厚みのロット内のバラツキ等を考慮して多少高目の温度を設定する。又、圧着機を繰返し動作することにより、ヘッド6から伝導熱で熱が奪われるので、加熱ヒータ7からは多目に熱が供給される。このような場合に配線部材のロットが変更になり、ベース材の厚みや端子の厚みが薄いものになると、多量の熱により接着樹脂が溶け、端子間の空気を押し出す前に端子の縁を塞いでしまい、空気が端子間にとじ込められてしまい、第4図(c)に示すように圧着後、気泡18が発生する。この現象はヘッド6にかかる圧着が大きくても同様に発生する。この気泡18の数は2.5×1.0mm2当り0〜20個と、非常にバラツキがある。この気泡18は接着面積が小さくなるので、接着温度を低下させるだけでなく、接触抵抗値の増大、場合によっては接続不良となることもある。
また、圧着後、温度、サイクルにより膨張、収縮を繰り返し、気泡周辺の接着樹脂の接着温度が低下し、最終的に端子間が電気的不導通になる不具合も発生させ、信頼性を低下させる原因になっている。
本発明の目的は前記課題を解決した液晶パネルの接続方法及びその装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するため、本発明に係る液晶パネルの製造方法においては、液晶パネルと配線部材とを異方性導電膜を介して接続する液晶パネルの接続方法であって、 真空雰囲気中にて、前記液晶パネルの接続端子部と配線部材の接続端子部とを異方性導電膜を介して熱圧着するものである。
また、本発明に係る液晶パネルの製造装置においては、作業テーブルと、ヘッドと、外囲器とを有する液晶パネルの接続装置であって、 前記作業テーブルは、異方性導電膜を介して積層された液晶パネルと配線部材とを支持するものであり、 前記ヘッドは、設定された温度、圧力、時間の圧着条件の下に、前記液晶パネルと配線部材とを圧着するものであり、 前記外囲器は、少なくとも異方性導電膜を介して接合される液晶パネルの接続端子部と配線部材の接続端子部とを包囲し、その内部が真空排気されるものであるものである。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図により説明する。
(実施例1)
第1図は本発明の実施例1を示す構成図である。
図において、作業テーブル12上に液晶パネル(LCD)1と配線部材4とが載置され、液晶パネル1と配線部材4とはそれぞれの端子部2,5が異方性導電膜3を介して上下に積層される。
また、外囲器21はその底部が開口され、その開口端縁21aに装着した気密保持用ゴム22にて液晶パネル1と配線部材4とに作業テーブル12に圧下保持するとともに、LCD1と配線部材4の各端子部2,5を包囲している。外囲器21には真空ポンプ24がゴムホース25を介して接続されている。
ヘッド6は外囲器21内に昇降可能に支持され、シリンダ9に接続されている。ヘッド6はその周面に加熱ヒータ7が装着され、加熱ヒータ7は外囲器21に気密に取付けられた電流導入端子23を介して温度コントローラ8に接続されている。また、シリンダ9はタイマー付圧力コントローラ10に接続されている。
まず、作業テーブル12上にLCD1の端子部2を置き、その上に異方性導電膜3、配線部材4の端子部5を順に積層し、それぞれの端子部の位置合わせを行った後に、外囲器21によりLCD1の端子部2及び配線部材4の端子部5を包囲し、外囲器21の内部を真空ポンプ24により真空排気し、その真空度を低真空に保つ。
この真空雰囲気にて、加熱ヒータ7で加熱されたヘッド6をシリンダ9によって端子部2,5に加圧接触して熱圧着させる。温度コントローラ8は加熱ヒータ7に接続され、ヘッド6を一定の温度に保つように制御される。
タイマー付圧力コントローラ10はシリンダ9に接続され、圧縮空気11の圧力、加圧動作時間をコントロールしてシリンダ9に流すことにより、ヘッド6にかかる圧力、及び熱圧接の時間を規定の値に保つようになっている。ヘッド6の熱が配線部材4の端子部5より異方性導電膜3に伝わり、熱可塑性の接着樹脂16が溶け加圧されているので、徐々に端子2,5間に移動して端子間の空気を押し出して接着樹脂で埋めつくし圧着が完了する。
本発明によれば、LCD1の端子部2と配線部材4の端子部5とを真空雰囲気中にて熱圧着するため、接着樹脂16が溶けて端子部2,5間を埋めつくす際に、空気が存在しないため、第4図(b)に示すように、端子部2,5間を完全に接着樹脂16にて埋めつくすことが可能となる。本発明の方法によれば、気泡が2.5×10mm2当り、0であった。
(実施例2)
第2図は本発明の実施例2による接続装着を示す構成図である。
本実施例は、作業テーブル12、ヘッド6、シリンダ9、温度コントローラ8、タイマー付圧力コントローラ10を全体的に外囲器21により包囲したものである。
本実施例によれば、外囲器21の周辺からのリークが無くなり、低真空を容易に保つことができるという利点がある。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明はLCDの端子部、異方性導電膜、配線部材の端子部を真空雰囲気に配置することにより、接着樹脂が溶けて端子間に流れるときに空気が無いので、端子間を完全に接着樹脂で埋めつくすことができ、気泡を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1を示す断面図、第2図は本発明の実施例2を示す断面図、第3図は従来例を示す断面図、第4図(a)は圧着前の状態を示す断面図、第4図(b)は圧着後の正常な状態を示す断面図、第4図(c)は圧着後の異常な圧着の状態を示す断面図である。
1……液晶パネル(LCD)
2……LCDの端子部、3……異方性導電膜
4……配線部材、5……配線部材の端子部
6……ヘッド、7……加熱ヒータ
8……温度コントローラ、9……シリンダ
10……タイマー付圧力コントローラ
11……圧縮空気、12……作業テーブル
16……接着樹脂、21……外囲器
22……ゴム、23……電流導入端子
24……真空ポンプ、25……ゴムホース
【特許請求の範囲】
【請求項1】液晶パネルと配線部材とを異方性導電膜を介して接続する液晶パネルの接続方法であって、真空雰囲気中にて、前記液晶パネルの接続端子部と配線部材の接続端子部とを異方性導電膜を介して熱圧着することを特徴とする液晶パネルの接続方法。
【請求項2】作業テーブルと、ヘッドと、外囲器とを有する液晶パネルの接続装置であって、前記作業テーブルは、異方性導電膜を介して積層された液晶パネルと配線部材とを支持するものであり、前記ヘッドは、設定された温度、圧力、時間の圧着条件の下に、前記液晶パネルと配線部材とを圧着するものであり、前記外囲器は、少なくとも異方性導電膜を介して接合される液晶パネルの接続端子部と配線部材の接続端子部とを包囲し、その内部が真空排気されるものであることを特徴とする液晶パネルの接続装置。
【第1図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【特許番号】第2536226号
【登録日】平成8年(1996)7月8日
【発行日】平成8年(1996)9月18日
【国際特許分類】
物理学 | 光学 | 光の強度,色,位相,偏光または方向の制御,例.スイッチング,ゲーテイング,変調または復調のための装置または配置の媒体の光学的性質の変化により,光学的作用が変化する装置または配置;そのための技法または手順;周波数変換;非線形光学;光学的論理素子;光学的アナログ/デジタル変換器 | 電極をセル端子に接続する導体
【出願番号】特願平2−91869
【出願日】平成2年(1990)4月6日
【公開番号】特開平3−289627
【公開日】平成3年(1991)12月19日
【出願人】(999999999)日本電気株式会社
【参考文献】
【文献】特開平1−252931(JP,A)
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