説明

液晶ポリエステル成形体の製造方法

【課題】低比重で表面平滑性に優れる液晶ポリエステル成形体を製造しうる方法を提供する。
【解決手段】液晶ポリエステル100質量部に対して体積平均粒径15〜30μmの中空体15〜35質量部が配合されてなる液晶ポリエステル組成物を、金型温度140℃以上で射出成形することにより、液晶ポリエステル成形体を製造する。中空体は、ガラスバルーンであることが好ましく、中空体の耐圧強度は、60MPa以上であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ポリエステルは、耐熱性が高く、成形性にも優れることから、機械部品、家電部品、通信機器部品、OA部品、自動車部品等の各種製品・部品を製造するための成形材料として用いられている。近年、これら製品・部品として軽量すなわち低比重のものが求められることが多く、その成形材料として、液晶ポリエステルに中空体を配合してなる液晶ポリエステル組成物が種々検討されている。また、その成形は、形状の自由度が高いことから、射出成形により行われることが多く、例えば特許文献1〜3には、液晶ポリエステルに中空体を配合してなる液晶ポリエステル組成物を、金型温度130℃で射出成形することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−172479号公報
【特許文献2】特開2001−310323号公報
【特許文献3】特開2009−114418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜3に記載の方法では、得られる液晶ポリエステル成形体が、その表面に中空体が露出し易いためか、表面平滑性に劣ることがあり、例えば、他の部材と接触したときに、それを傷つけることがある。そこで、本発明の目的は、低比重で表面平滑性に優れる液晶ポリエステル成形体を製造しうる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明は、液晶ポリエステル100質量部に対して体積平均粒径15〜30μmの中空体15〜35質量部が配合されてなる液晶ポリエステル組成物を、金型温度140℃以上で射出成形する液晶ポリエステル成形体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低比重で表面平滑性に優れる液晶ポリエステル成形体を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
【0008】
液晶ポリエステルの典型的な例としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる化合物とを重合(重縮合)させてなるもの、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる化合物とを重合させてなるもの、及びポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを重合させてなるものが挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのそれぞれの一部又は全部に代えて、その重縮合可能な誘導体を用いてもよい。
【0009】
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重縮合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基やアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの、カルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるものが挙げられる。芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重縮合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるものが挙げられる。芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重縮合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるものが挙げられる。
【0010】
液晶ポリエステルは、下記式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有するものであることが好ましく、さらに、下記式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有するものであることがより好ましい。
【0011】
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
【0012】
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基(−NH−)を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
【0013】
(4)−Ar4−Z−Ar5
【0014】
(Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
【0015】
ここで、ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子が挙げられる。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられ、その炭素数は通常1〜10である。アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は通常6〜20である。アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は通常1〜10である。
【0016】
繰返し単位(1)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位であり、Ar1としては、p−フェニレン基(p−ヒドロキシ安息香酸に由来)及び2,6−ナフチレン基(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来)が好ましい。
【0017】
繰返し単位(2)は、芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位であり、Ar2としては、p−フェニレン基(テレフタル酸に由来)、m−フェニレン基(イソフタル酸に由来)及び2,6−ナフチレン基(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来)が好ましい。
【0018】
繰返し単位(3)は、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位であり、Ar3としては、p−フェニレン基(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来)及び4,4’−ビフェニリレン基(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来)が好ましい。
【0019】
繰返し単位(1)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量を各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、好ましくは30モル%以上であり、より好ましくは30〜80モル%であり、さらに好ましくは40〜70モル%である。繰返し単位(1)の含有量が多いほど、液晶ポリエステルの液晶性が向上し易いが、あまり高いと、液晶ポリエステルの溶融温度が高くなり、成形し難くなる。
【0020】
繰返し単位(2)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下であり、より好ましくは10〜35モル%であり、さらに好ましくは15〜30モル%である。
【0021】
繰返し単位(3)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下であり、より好ましくは10〜35モル%であり、さらに好ましくは15〜30モル%である。
【0022】
繰返し単位(2)と繰返し単位(3)との含有割合は、[繰返し単位(2)]/[繰返し単位(3)](モル/モル)で表して、0.9/1〜1/0.9であることが、液晶ポリエステルの分子量が高くなり易く、液晶ポリエステルの耐熱性や強度が向上し易いので、好ましい。
【0023】
繰返し単位(3)は、X及びYがそれぞれ酸素原子であること、すなわち、芳香族ジオールに由来する繰返し単位であることが、液晶ポリエステルの溶融時の粘度が低くなり易いので、好ましい。
【0024】
液晶ポリエステルは、原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。前記溶融重合は、触媒の存在下に行ってもよく、この触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
【0025】
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が270〜400℃であることが好ましく、300〜380℃であることがより好ましい。液晶ポリエステルの流動開始温度が高いほど、液晶ポリエステルの耐熱性や強度が向上し易いが、あまり高いと、液晶ポリエステルの溶融温度が高くなり、成形し難くなる。
【0026】
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管レオメータを用い、9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下において、4℃/分の昇温速度で液晶ポリエステルの加熱溶融体をノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48,000ポイズ)を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
【0027】
本発明では、前述のような液晶ポリエステルに中空体を配合してなる液晶ポリエステル組成物を、成形材料として用いる。
【0028】
中空体は、バルーンとも呼ばれ、その材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、シラス等の無機材料、尿素樹脂、フェノール樹脂等の有機材料が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を混合して用いてもよい。中でも、耐熱性や強度の点から、ガラスが好ましく、よって、中空体としては、ガラスバルーン好ましい。
【0029】
ガラスバルーンの表面には、液晶ポリエステルとのなじみを良くするために、アミノシラン、ウレイドシラン、エポキシシラン等のシランカップリング剤で予備処理して、液晶ポリエステルに親和性のある官能基を持たせてもよい。
【0030】
中空体の粒径は、成形体の表面平滑性の点から、体積平均値で表して、15〜30μmであり、好ましくは15〜25μmである。中空体の粒径があまり小さいと、中空体の高比重化により、成形体の低比重化が不十分になる。また、中空体の粒径があまり大きいと、成形体表面に露出する中空体の体積が大きくなり、表面平滑性が損なわれ、接触する相手部材を傷つけ易くなる。中空体の体積平均粒径は、レーザー回折法により測定することができる。
【0031】
中空体の配合量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、15〜35質量部である。中空体の配合量があまり少ないと、軽量化の効果が小さく、中空体の配合量があまり多いと、成形体表面に露出する中空体の体積が大きくなり、表面平滑性が損なわれ、接触する相手部材を傷つけ易くなる。また、射出成形時に液晶ポリエステル組成物の粘度が上昇し易く、微小成形品や薄肉大判の成形品の製造が困難になる。
【0032】
中空体の耐圧強度は、60MPa以上であることが好ましい。耐圧強度高いほど、噛み合い率の高いスクリューを用いた高剪断混練や、ピーク圧力として60MPa以上の高圧、高剪断がかかる微小成形品や薄肉大判の成形品を製造する高圧、高速射出成形においても、中空体の破損が少なく、好ましい。中空体の耐圧強度は、グリセロール法により測定することができ、具体的には、一定量のガラスバルーンとグリセロールを混合し、空気が入らないように密閉し、加圧した際の体積変化を観察し、破損率が10%を超えたときの圧力を耐圧強度として求めることができる。
【0033】
中空体の市販品の例としては、住友スリーエム(株)の「S60HS」及び「iM30K」並びにポッターズ・バロティーニ社の「60P18」がある。
【0034】
液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリエステル、中空体及び必要に応じて用いられる充填剤や添加剤を、ヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練することにより製造することが好ましく、この溶融混練によってペレット化してもよい。
【0035】
こうして得られる液晶ポリエステル組成物を、本発明では、金型温度140℃以上で射出成形する。これにより、低比重で表面平滑性に優れる成形体を得ることができる。金型温度は、あまり高いと、金型に液晶ポリエステルが貼り付き易くなるので、180℃≧であることが好ましい。
【0036】
こうして得られる液晶ポリエステル成形体は、低比重で表面平滑性に優れ、断熱性にも優れている。液晶ポリエステル成形体は、比重が1〜1.3g/cm3であることが好ましく、表面粗さが、十点平均粗さRzで表して、2〜9μmであることが好ましい。
【0037】
液晶ポリエステル成形体として得られる製品・部品の例としては、機械部品、家電部品、通信機器部品、OA部品、自動車部品、光学部品、基板部品及び摺動部品が挙げられる。
【実施例】
【0038】
実施例1〜6、比較例1〜4
〔液晶ポリエステル〕
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸621g(4.5モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル279g(1.5モル)、テレフタル酸149.4g(0.9モル)、イソフタル酸99.6g(0.6モル)及び無水酢酸841.5g(8.25モル)を仕込み、反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、窒素ガス気流下で30分かけて150℃まで昇温し、この温度を保持して30分還流させた。その後、留出する副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら3時間30分かけて315℃まで昇温し、トルクの上昇が認められた時点で、内容物を取り出し、室温まで冷却した。得られた固形物を、粗粉砕機で粉砕し、窒素雰囲気下、室温から230℃まで1時間かけて昇温した後、230℃から250℃まで50分かけて昇温し、次いで250℃で10時間保持することにより、固相重合を行い、液晶ポリエステルを得た。
【0039】
〔中空体〕
中空体として、次のものを用いた。
中空体(1):ポッターズ・バロティーニ(株)の「110P8」(材質:ガラス、体積平均粒径:12μm、耐圧強度:69MPa)
中空体(2):住友スリーエム(株)の「S60HS」(材質:ガラス、体積平均粒径:30μm、耐圧強度:124MPa)
中空体(3):住友スリーエム(株)の「K46」(材質:ガラス、体積平均粒径:40μm、耐圧強度:41MPa)
【0040】
〔液晶ポリエステル組成物〕
液晶ポリエステル100質量部に対して、表1に示す中空体を表1に示す量で配合した後、同方向2軸押出機(池貝鉄工(株)の「PCM−30」)を用いて、340℃で混練してペレット化し、液晶ポリエステルを得た。
【0041】
〔液晶ポリエステル成形体〕
得られた液晶ポリエステル組成物を、表1に示す金型温度で射出成形し、ASTM4号ダンベル(厚さ2.5mm)を得た。このASTM4号ダンベルの比重を、ASTM D792に準拠して測定し(23℃)、結果を表1に示した。なお、ASTM4号ダンベルの代わりに、64mm×64mm×厚さ15mmの試験片や、長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.4mmの試験片を用いても、同等の結果となった。
【0042】
また、得られた液晶ポリエステル組成物を、十点平均粗さRzが1.5μmである金型を用いて、表1に示す金型温度で射出成形し、64×64×3mm厚の試験片を得た。この試験片の十点平均粗さRzを、JIS B0601−1994に準拠して測定し、結果を表1に示した。
【0043】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶ポリエステル100質量部に対して体積平均粒径15〜30μmの中空体15〜35質量部が配合されてなる液晶ポリエステル組成物を、金型温度140℃以上で射出成形する液晶ポリエステル成形体の製造方法。
【請求項2】
前記液晶ポリエステルが、下記式(1)で表される繰返し単位と、下記式(2)で表される繰返し単位と、下記式(3)で示される繰返し単位とを有する液晶ポリエステルである請求項1に記載の液状組成物。
(1)−O−Ar1−CO−
(2)−CO−Ar2−CO−
(3)−X−Ar3−Y−
(Ar1は、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基を表す。Ar2及びAr3は、それぞれ独立に、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記式(4)で表される基を表す。X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子又はイミノ基を表す。Ar1、Ar2又はAr3で表される前記基にある水素原子は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar4−Z−Ar5
(Ar4及びAr5は、それぞれ独立に、フェニレン基又はナフチレン基を表す。Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基を表す。)
【請求項3】
前記液晶ポリエステルが、それを構成する全繰返し単位の合計量に対して、前記式(1)で表される繰返し単位を30〜80モル%、前記式(2)で表される繰返し単位を10〜35モル%、前記式(3)で示される繰返し単位を10〜35モル%有する液晶ポリエステルである請求項2に記載の液状組成物。
【請求項4】
Ar1が、p−フェニレン基又は2,6−ナフチレン基であり、Ar2が、p−フェニレン基、m−フェニレン基又は2,6−ナフチレン基であり、Ar3が、p−フェニレン基又は4,4’−ビフェニリレン基であり、X及びYが、それぞれ酸素原子である請求項2又は3に記載の液状組成物。
【請求項5】
前記中空体が、ガラスバルーンである請求項1〜4のいずれかに記載の液晶ポリエステル成形体の製造方法。
【請求項6】
前記中空体の耐圧強度が、60MPa以上である請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ポリエステル成形体の製造方法。

【公開番号】特開2012−30476(P2012−30476A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171792(P2010−171792)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】