説明

液晶レンズおよびそれを含む表示装置

【課題】光経路を調節する液晶レンズおよびそれを含む表示装置を提供する。
【解決手段】液晶レンズは、互いに対向する第1電極および第2電極、第1電極および第2電極の間に介在し、上面および下面が平坦な液晶層、および第2電極と液晶層間に介在した誘電層を含み、誘電層は第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、第1サブ誘電層は第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んでなり、第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での単位パターンの高さと第2平坦区間での単位パターンの高さが異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶レンズおよびそれを含む表示装置に関し、より詳細には光経路を調節する液晶レンズおよびこれを含む表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、多様な方式で光を出射して映像を表示する。表示装置の光を出射する方式は、表示装置の種類を区分する基準になることもある。各光出射方式については、出射される光の輝度を効果的に制御し、表示品質を向上させるための多様な研究が競争的に行われている。
【0003】
近年、光輝度制御とは別に、光経路制御により3次元映像を実現する立体映像表示装置に関する研究が注目を浴びている。左眼映像を観察者の左眼に、右眼映像は観察者の右眼に提供すると、観察者はこれを立体で認識できることを基本原理としている。偏光方式、時分割方式などのメガネ方式や、パララックス−バリアー方式、レンチキュラ(lenticular)またはマイクロレンズ方式およびブリンキングライト(blinking light)方式などが主に研究されている。
【0004】
一方、3次元映像を長時間視聴するとめまいを感じることがある。また、視聴者が3次元映像コンテンツだけでなく2次元映像コンテンツの視聴を所望する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許公開第2008−0105572号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
モード別に光経路を異なるように制御できると、2次元映像および3次元映像をいずれも表示することが可能である。光経路を自在に制御することは、表示装置だけでなく、光を利用する多様な応用分野を創り出すことができる。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、光経路の調節が可能な液晶レンズを提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする他の課題は、光経路の調節が可能な表示装置を提供することにある。
【0009】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態による液晶レンズは、互いに対向する第1電極および第2電極と、前記第1電極および前記第2電極の間に介在し、上面および下面が平坦な液晶層、および前記第2電極と前記液晶層との間に介在した誘電層を含み、前記誘電層は第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、前記第1サブ誘電層は前記第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んでなり、前記第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの前記単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる。
【0011】
前記課題を解決するための本発明の他の実施形態による液晶レンズは、第1電極と、前記第1電極上の液晶層と、前記液晶層上の誘電層であって、少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの前記単位パターンは上面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる誘電層、および前記誘電層の上面にコンフォーマルするように形成された第2電極を含む。
【0012】
前記他の課題を解決するための本発明の一実施形態による表示装置は、光提供装置、および前記光提供装置上に配置された液晶レンズであって、互いに対向する第1電極および第2電極、前記第1電極および前記第2電極の間に介在し、上面および下面が平坦な液晶層、および前記第2電極と前記液晶層との間に介在した誘電層を含み、前記誘電層は第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、前記第1サブ誘電層は前記第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んでなり、前記第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの前記単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる液晶レンズを含む。
【0013】
前記また他の課題を解決するための本発明の一実施形態による液晶レンズの製造方法は、第1電極上に誘電層であって、第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、前記第1サブ誘電層は前記第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んでなり、前記第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの前記単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる誘電層を形成し、前記誘電層上に液晶層および第2電極を配置することを含む。
【0014】
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば少なくとも次のような効果がある。
【0016】
すなわち、本発明の実施形態による液晶レンズによれば、多様な光経路の調節が可能である。したがって、表示装置、太陽電池、イメージセンサなど光を利用した多様な素子に適用することができる。また、本発明の実施形態による液晶レンズを採用した表示装置の場合、多様な光経路の調節が可能であるため、2D/3Dスイッチングが可能であり、3次元映像と2次元映像いずれも表示することができる。さらに、焦点距離の調節が容易であるため、簡便に3次元映像視聴可能視点を探すことができる。
【0017】
本発明による効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による表示装置の概略的な構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図3】図2に示す誘電層の位置別誘電率を図示するグラフである。
【図4】本発明の一実施形態による液晶レンズの第1モードの動作を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態による液晶レンズの第1モードで液晶層の水平方向位置別屈折率を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態による液晶レンズの第2モードの動作を示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態による液晶レンズの第2モードで液晶層の水平方向位置別屈折率を示すグラフである。
【図8A】隣接する液晶分子による液晶分子方位角の影響を説明するための概念図である。
【図8B】隣接する液晶分子による液晶分子方位角の影響を説明するための概念図である。
【図9】本発明の他の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図10】図9に示す誘電層の水平位置別電気抵抗を図示するグラフである。
【図11】本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図12】図11に示す誘電層の水平位置別電気抵抗を図示するグラフである。
【図13】本発明のまた他の実施形態に他の液晶レンズの断面図である。
【図14】図13に示す誘電層の水平位置別電気抵抗を図示するグラフである。
【図15】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図16】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図17】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図18】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図19】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図20】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図21】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図22】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図23】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図24】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図25】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図26】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図27】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図28】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図29】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの断面図である。
【図30】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの斜視図である。
【図31】本発明の多様な実施形態による液晶レンズの斜視図である。
【図32】本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。
【図33】第2モードでの表示装置の例示的な動作を説明するための断面図である。
【図34】本発明の一実施形態による液晶レンズの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図35】本発明の他の実施形態による液晶レンズの製造方法を説明するための工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の利点および特徴、並びにそれらを達成する方法は、添付する図面とともに、後述する実施形態を参照することによって明確になる。しかし、本発明の目的は、以下に開示される実施形態に限定されず、異なる多様な実施形態によっても達成可能である。したがって、以下の実施形態は、単に、本発明の開示を十全たるものとし、当業者に本発明の範囲を認識させるために提供するものである。本発明の範囲は、あくまで請求項に記載された発明によってのみ規定される。
【0020】
素子(elements)または層が、他の素子または層の「上(on)」と指称されるものは、他の素子の真上だけでなく、中間に他の層または他の素子を介在した場合をすべて含む。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を指す。
【0021】
第1、第2などが、多様な素子、構成要素を説明するために使用される。しかしながら、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は単に一つの構成要素を構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1素子は、本発明の技術的思想内で第2素子あり得ることはもちろんである。
【0022】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置の概略的な構成図である。図1を参照すると、表示装置30は光提供装置20および光提供装置20の一側に配置された液晶レンズ10を含む。
【0024】
光提供装置20は液晶レンズ10に光を提供する。光提供装置20が液晶レンズ10に提供する光は光提供装置20からの出射光および/または液晶レンズ10から入射されて光提供装置20により反射する反射光を含んでもよい。
【0025】
光提供装置20は表示パネルを含む。いくつかの実施形態において、表示パネルはOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED、無機EL(Electro Luminescent display)、FED(Field Emission Display)、SED(surface−conduction electron−emitter display)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などのように自発光表示パネルであってもよい。他のいくつかの実施形態において、表示パネルはLCD(Liquid Crystal Display)、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display:EPD)などのような非発光表示パネルであってもよい。表示パネルが非発光表示パネルの場合、光提供装置20はバックライトアセンブリのような光源をさらに含んでもよい。
【0026】
液晶レンズ10は光提供装置20の一側に配置され光提供装置20から出射された光の入射を受ける。液晶レンズ10は入射された光の経路や位相などの光特性を少なくとも部分的に変調する。いくつかの実施形態において、液晶レンズ10の光特性変調はモードによって異なる。例えば、第1モードで液晶レンズ10は光特性を変調させないが、第2モードで液晶レンズ10は光特性を変調させてもよい。モード別に光変調特性を異なるように変調すると、光提供装置20の表示パネルから出射される画像をモード別に異なるように変調することができ、それにより液晶レンズ10を介して出射される画像をモード別に異なるように制御することができる。このような液晶レンズ10のモード別の選択的光変調特性は後述するように、2D/3Dスイッチングが可能なディスプレイを実現できるようにする。
【0027】
以下、本発明の一実施形態による液晶レンズについてより詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態による液晶レンズの断面図である。図2において、Xは水平方向をYは垂直方向を示す。図2を参照すると、液晶レンズ1100は互いに対向する第1電極110と第2電極120、第1電極110と第2電極120の間に介在した液晶層130および誘電層141を含む。
【0028】
第1電極110は第1基板101上に形成されてもよい。第2電極120は第2基板102上に形成されてもよい。第1基板101および第2基板102は透明基板であってもよい。例えば、第1基板101および第2基板102は透明なプラスチック基板、透明なガラス基板、または透明な石英基板などで形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1基板101および第2基板102のうち少なくとも一つはフレキシブル基板であってもよい。
【0029】
第1電極110と第2電極120は各々透明な導電性物質からなる。例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZO(Zinc Oxide)、IO(Indium Tin)、TiO(Titanium Oxide)などのような酸化物からなる。また他の例として、CNT(Carbon Nanotube)、金属ナノワイヤー(metal nanowire)、導電性高分子(Conductive Polymer)などの物質を含んでもよい。第1電極110と第2電極120が必ず同一物質で形成される必要はない。
【0030】
第1電極110は第1電圧を印加受け、第2電極120は第2電圧の印加を受ける。したがって、第1電極110の上面と第2電極120の下面の間には第1電圧と第2電圧の差に相応する所定の電界が形成され得る。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態で、第1電極110および第2電極120は各々パターニングされない全面(whole surface)電極であってもよい。第1電極110および第2電極120は相互平行になるように配置されてもよい。
【0032】
第1電極110および第2電極120の間には液晶層130および誘電層141が介在する。図2は第1電極110上に液晶層130が積層され、液晶層130の上に誘電層141が積層された例を図示する。
【0033】
液晶層130の上面(130_1)と下面(130_2)は実質的に平坦であってもよい。液晶層130の上面(130_1)と下面(130_2)が平坦であれば、容易に液晶分子135を均一に分布させることができる。さらに液晶層130の上面(130_1)および下面(130_2)は相互平行であってもよい。
【0034】
上面(130_1)と下面(130_2)により定義された空間内で液晶層130は複数の液晶分子135を含む。このような液晶分子135は液晶層130の全領域にかけて均一な密度で分布され得る。本実施形態で、液晶分子135は正の誘電率異方性を有し、水平方向に初期配向されている。ここで、水平方向に配向されているとは、液晶分子135の長軸が水平方向に平行になるように置かれる状態であり、例えば液晶分子135の方位角が0°である状態を意味する。
【0035】
本発明の他のいくつかの実施形態で、液晶分子135は負の誘電率異方性を有し得る。この場合、液晶分子135は垂直方向に初期配向されてもよい。ここで、垂直方向に初期配向されているとは、液晶分子135の方位角が90°である場合だけでなく、所定角度だけプレチルト角を有する場合を含む。このような観点から、垂直方向に初期配向された液晶分子135の方位角は例えば、80〜90°であってもよい。
【0036】
図示していないが、第1電極110と液晶層130の下面(130_1)の間には液晶層130内の液晶分子135らを初期配向する第1配向膜が介在してもよい。また、液晶層130の上面(130_1)と誘電層141の下面(141_2)の間には第2配向膜(図示せず)が介在してもよい。
【0037】
誘電層141は第1サブ誘電層141aおよび第2サブ誘電層141bを含む。第1サブ誘電層141aと第2サブ誘電層141bは互いに異なる誘電率を有してもよい。例えば、第1サブ誘電層141aの誘電率はε1であり、第2サブ誘電層141bの誘電率はε1より小さいε2であってもよい。誘電層141の上面および下面は平坦な面であってもよい。さらに、誘電層141の上面(141_1)および下面(141_2)は相互平行になるように配置されてもよい。図2において、誘電層141の上面(141_1)は第2サブ誘電層141bの上面として構成され、誘電層141の下面(141_2)は第1サブ誘電層141aの下面および第2サブ誘電層141bの下面として構成される。
【0038】
第1サブ誘電層141aは少なくとも一つの単位パターンを含んでもよい。各単位パターンは相互離隔してもよい。各単位パターンは実質的に同一形状を有してもよい。各単位パターンの配列は均一なものであってもよい。すなわち、各単位パターンは特定ピッチで配列されてもよい。この場合、隣接する単位パターン間の隔離距離も同一になる。
【0039】
第1サブ誘電層141aの複数の単位パターンのうち少なくとも一つは一面が平坦な複数の平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)を含む。図2に示す実施形態で、単位パターンは上面が第1平坦区間ないし第5平坦区間(f1−f5)の5個の平坦区間を含む。単位パターンの下面を基準に複数の平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)のうち少なくとも2個は下面から上面までの距離が互いに異なる。すなわち、単位パターンの高さが互いに異なる2以上の平坦区間が存在する。
【0040】
より詳細に説明すると、第1平坦区間(f1)での第1サブ誘電層141aの単位パターンの高さ、第2平坦区間(f2)での高さ、第3平坦区間(f3)での高さ、第4平坦区間(f4)での高さ、および第5平坦区間(f5)での高さのうち少なくとも2個はその値が互いに異なる。図2において、隣接する平坦区間では高さが互いに異なる。ただし、隣接しない平坦区間では高さが同一な場合もある。例えば、第1平坦区間(f1)の高さと第5平坦区間(f5)の高さが互いに同一であり、第2平坦区間(f2)の高さと第4平坦区間(f4)の高さが相互同一であってもよい。
【0041】
隣接する平坦区間は垂直側壁(141a_s)により接続されている。第1サブ誘電層141aの下面が平坦であり、上面と互いに平行であれば、垂直側壁(141a_s)の長さは隣接する平坦区間の間の高さの差を示し得る。
【0042】
複数の平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)と垂直側壁(141a_s)は互いに連結されて実質的に階段形状を構成することができる。
【0043】
第1サブ誘電層141a上には第2サブ誘電層141bが形成される。第2サブ誘電層141bは第1サブ誘電層141aを完全に覆う形状で形成されてもよい。
【0044】
第1サブ誘電層141aの複数の単位パターンを中心に複数の単位レンズ区間(L1、L2)が定義され得る。第1単位レンズ区間(L1)は第1単位パターンを含む区間で定義され得る。図2でP0地点とP1地点の間の区間がそれに該当する。第1単位レンズ区間(L1)に隣接する第2単位レンズ区間(L2)は前記第1単位パターンに隣接する第2単位パターンを含む区間で定義され得る。図2において、P1地点とP2地点の間の区間がそれに該当する。単位パターンが同一な形状で形成され、特定ピッチで均一に配列されていれば、第1単位レンズ区間(L1)と第2単位レンズ区間(L2)の境界(P1)は前記第1単位パターンと前記第2単位パターンの離隔された空間の中心に設定され得る。
【0045】
各単位レンズ区間(L1、L2)は後述するように第1電極110および第2電極120に印加される電圧によって凸レンズ、凹レンズなどの光学レンズと類似の光学的特性を示す。各単位レンズ区間(L1、L2)の光学特性は第1電極110および第2電極120に印加される電圧により変わる。すなわち、各単位レンズ区間(L1、L2)は可変レンズとして機能することができる。
【0046】
単一光学レンズは単一光変調特性を示す。例えば、凸レンズの場合、光がレンズ面に入射する位置によって屈折される程度などに差異があるが、これらが集まって、例えば集光という統合的な一つの光変調特性を示す。このような観点から、液晶レンズ1100の各単位レンズ区間(L1、L2)は光学レンズに対応する別途の光変調特性を有し得る。すなわち、第1単位レンズ区間(L1)は第1光変調特性を、第2単位レンズ区間(L2)は第2光変調特性を示し得る。第1光変調特性と第2光変調特性は実質的に同一なものであってもよい。例えば、第1光変調特性と第2光変調特性はいずれも同一な凸レンズの光学特性を示し得る。この場合、第1単位レンズ区間(L1)および第2単位レンズ区間(L2)は光学的に2個の同一な凸レンズを配列したように動作することができる。
【0047】
各単位レンズ区間(L1、L2)の光変調特性を詳細に説明するために図2、図3〜図7を参照する。
【0048】
一つの単位レンズ区間(L1、L2)内で、誘電層141の上下面(141_1、141_2)の間の電気抵抗は平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)によって異なる。特定水平位置での第1サブ誘電層141aの高さをd1とし、第2サブ誘電層141bの高さをd2とし、全体誘電層141の上下面(141_1、141_2)が平坦でかつ平行であると仮定すると次の等式が成立する。
【0049】

【0050】
ただし、前記式1でDは全体誘電層141の上下面(141_1、141_2)の間の距離であり、常数である。
【0051】
各水平位置での電気抵抗(R)は次の式2によって求めることができる。
【0052】

【0053】
ただし、前記式2で、R1は第1サブ誘電層141aの電気抵抗を、R2は第2サブ誘電層141bの電気抵抗を、Aは断面積を示す。
【0054】
前記式1及び式2を利用すると次のような式3を導き出すことができる。
【0055】

【0056】
前記式3でε1、ε2、D、Aはいずれも定数として取り扱われ得るため、誘電層141の電気抵抗(R)は第1サブ誘電層141aの高さ(d1)によって変わることが分かる。ε2がε1より小さければ(ε1−ε2)は正数であるため、誘電層141の電気抵抗(R)は第1サブ誘電層の高さ(d1)が大きいほど大きくなる。
【0057】
図2に示す実施形態の場合、第1サブ誘電層141aの高さ(d1)は平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)によって異なる。したがって、誘電層141の電気抵抗は第1サブ誘電層141aの平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)によって異なる。例えば、図3に図示するように、誘電層141の水平方向に沿った電気抵抗グラフは第1サブ誘電層141aのパターンと類似のパターンに描かれる。
【0058】
前記のような構成を有する液晶レンズ1100の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第1モードの動作を示す概略図である。図5は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第1モードで液晶層の水平方向位置別屈折率を示すグラフである。
【0059】
図4および図5を参照すると、液晶レンズ1100の第1モードは液晶層130の液晶分子135を水平方向(X)の位置に関係なくいずれも同一方位角で配列するモードである。例えば、第1モードは第1電極110と第2電極120に同一電圧が印加されることによって実現できる。第1電極110と第2電極120に同一電圧が印加されれば、誘電層141および液晶層130に印加される電位差(V1)は0Vである。液晶層130に電圧が印加されないため、液晶分子135は初期配向方向の水平方向を維持する。したがって、液晶レンズ1100に入射された光は液晶層130の水平方向位置と関係がなく同一屈折率を感じる。したがって、液晶層130に入射された光は液晶層130内で光の進行経路を変更せず直進する。
【0060】
液晶層130を通過した光が誘電層141に到達するとき、誘電層141の屈折率が液晶層130の屈折率と同一であれば光は誘電層141を光学的に他の物質と認識しない。したがって、光経路を変更せず光をそのまま透過させる。仮に、液晶層130の屈折率と誘電層141の屈折率が異なっても液晶層140を垂直に透過した大多数の光は屈折率が互いに異なる界面で周波数の変移のみを起こすで光経路は変更されない。したがって、図5に図示するように、液晶レンズ1100に入射された光は液晶層130と誘電層141をそのまま通過する。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第2モードの動作を示す概略図である。図7は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第2モードで液晶層の水平方向位置別屈折率を示すグラフである。
【0062】
図6および図7を参照すると、液晶レンズ1100の第2モードは液晶層130の液晶分子135が水平方向位置に応じて少なくとも部分的に異なる方位角を有するように配列するモードである。例えば、第1電極110と第2電極120に互いに異なる電圧を印加し、その間に所定の電界を形成すれば第2モードが駆動される。第2モードでも第1電極110の上面と第2電極120の下面の間は水平方向(X)に沿って位置別電界が同一である。しかし、液晶層130の観点からは上下面(131_1、131_2)の電界が水平方向(X)の位置別に、より具体的には第1サブ誘電層141aの平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)別に異なる。
【0063】
より具体的に説明すると、第1電極110と第2電極120の間には液晶層130と誘電層141が介在する。液晶層130の下面(130_2)は第1電極110と隣接するため、水平方向(X)の位置に関係なく第1電圧がそのまま印加されることができる。しかし、液晶層130の上面(130_1)は第1電極110との間では液晶層130を介在し、第2電極120との間で誘電層141を介在する。電圧分配原則に従い液晶層130の上面(130_1)は第1電極110に印加される第1電圧と第2電極120に印加される第2電圧の間値に該当する電圧が印加される。ここで、誘電層140の電気抵抗が高ければ、液晶層130の上面(130_1)に印加される電圧は相対的に第1電圧との差が小さくなり、誘電層141の電気抵抗が低くければ、液晶層130の上面(130_1)に印加される電圧は相対的に第1電圧との差異が大きくなる。
【0064】
しかし、図3を参照して説明したように、誘電層141は水平方向(X)に平坦区間(f1、f2、f3、f4、f5)によって電気抵抗が異なるため、液晶層130の上面に印加される電圧も異なる。誘電層141の電気抵抗が大きい区間では相対的に第1電圧との差異が小さい電圧が印加される。すなわち、液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界の大きさが小さくなる。誘電層140の電気抵抗が小さい区間では相対的に第1電圧との差が小さい電圧が印加されるため、液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界のサイズが大きくなる。
【0065】
前述したように本実施形態で液晶分子135は正の誘電率異方性を有するため、電界が大きいほど電界方向にさらに多く回転する。したがって、液晶分子135の配列は誘電層140の電気抵抗が小さい区間では液晶分子135が垂直方向に多く回転して、誘電層141の電気抵抗が大きい区間では液晶分子135が相対的に少なく回転する。
【0066】
一方、一つの平坦区間内では水平位置に関係なく第1サブ誘電層141aの高さ(d1)が一定であるため、液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界も一定である。したがって、液晶層130の電界は一つの平坦区間全体にかけて液晶分子135の方位角は同一に維持させようとする。ただし、液晶分子135の方位角は該当電界だけでなく、隣接する液晶分子135の方位角や隣接する電界からも影響を受け得る。より詳細な説明のために図8Aおよび図8Bを参照する。図8Aおよび図8Bは隣接する液晶分子による液晶分子方位角の影響を説明するための概念図である。
【0067】
先に、図8Aを参照すると、液晶層が互いに隣接する第1区間(S1)および第2区間(S2)に区分され、第1区間(S1)と第2区間(S2)に各々互いに異なる電圧が印加できると仮定する。第1区間(S1)と第2区間(S2)に同一に0Vの電圧が印加されれば液晶分子135は回転せず、本来の水平配向を維持する。
【0068】
図8Bに図示するように、第1区間(S1)は0Vを印加し、第2区間(S2)は液晶分子135を垂直に回転させ得る電圧(V21)を印加すれば、印加された電界によって第1区間(S1)の液晶分子135は本来の0°の方位角を維持しようとし、第2区間(S2)の液晶分子135は90°の方位角で回転しようとする。しかし、実際液晶分子135の動きは印加される電圧だけでなく、隣接する液晶分子135の回転からも影響を受ける。特に第1区間(S1)と第2区間(S2)の境界に位置する第1区間(S1)の液晶分子135は電界によっては各々0°の方位角を強要されるが、隣接した第2区間(S2)の液晶分子135は90°で回転しようとするため、その回転動きによって第1区間(S1)の液晶分子135も共に回転することができる。一方、境界に位置する第2区間(S2)の液晶分子135も電界による回転力の一部を隣接する第1区間(S1)の液晶分子135に提供するため、実際の回転角度は90°より小さくなることもある。このような方式で、たとえ液晶分子135に直接印加される電界は階段式で急激に変化しても、液晶分子135の方位角は隣接する他の液晶分子135の回転によって影響を受けると、方位角のサイズが緩やかに変更され得る。このような現象は隣接する電界の影響によっても発生し得る。すなわち、第1区間(S1)に印加された電圧は隣接する第2区間(S2)にも一部影響を与え、極端な電界の変化を緩やかに変える。
【0069】
再び、図6を参照すると、図8Bと同じ理由で液晶分子135が一つの平坦区間内に位置しても、すべての方位角が一定であるものではなく、周辺液晶分子135の方位角や周辺電界の影響により全体的に緩やかに方位角が変化し得る。
【0070】
一方、液晶分子135は屈折率に対して異方性を有する。すなわち、液晶分子135は光学的に長軸方向の光に対する常光線(ordinary ray)屈折率(no)と、短縮方向の光に対する異常光線(extraordinary ray)屈折率(ne)の二つの種類の屈折率を有する。ここで、常光線屈折率(no)は異常光線屈折率(ne)より低くてもよい。例えば、液晶分子の常光線屈折率(no)は1.5であり、液晶分子の異常光線屈折率(ne)は1.7であってもよい。
【0071】
したがって、液晶分子135が水平配列されていれば、光は異常光線屈折率(ne)を感じるため相対的に屈折率が高くなる。これに対し、液晶分子135が垂直方向に回転すると、光は相対的により小さい常光線屈折率(no)を感じるため相対的に屈折率がより低くなる。したがって、図6のような液晶分子の方位角配列を有する液晶層135の水平方向の位置による屈折率は図7のような分布を示し得る。
【0072】
光は屈折率が均一な物質内では直線進行するが、図7のように物質内で屈折率が漸進的に変わるグリーン(GRIN、Gradient Index)レンズ構造では屈折率が低い媒質から屈折率が高い媒質側へ光経路が曲がる。前記グリーンレンズの構造および動作原理については米国特許第5、790、314号に開示されており、前記特許に開示された内容は本明細書に十分に開示されているため援用して統合される。
【0073】
したがって、第2モードで液晶層130を通過する光は高屈折率の媒質側に光経路が曲がって図6のような光進行経路を示し得る。図6の光進行経路の変調はあたかも凸レンズを通過した光進行経路と類似する。すなわち、第2モードで液晶レンズ1100の液晶層130は別途の凸レンズなしでも光を集光することができる。
【0074】
液晶層130を通過した光は誘電層141の界面に到るが、液晶層130を通過しながら曲がった光は誘電層141に所定の入射角で入射する。誘電層141が液晶層130と実質的に同一屈折率を有する場合、光経路の変化なしで進行する。誘電層141が液晶層140と異なる屈折率を有する場合、界面で光は屈折する。仮に、誘電層141の屈折率が液晶層130より小さければスネルの法則に従い入射角よりより大きい角で屈折して集光する焦点距離を減らすであろう。逆に、誘電層141の屈折率が液晶層130より大きければその逆になることは自明である。
【0075】
第1電圧と第2電圧のサイズは第1モードと第2モードを決定するだけでなく、同一な第2モード内でも光変調特性を異なるように制御する。前述したように、第1電極110と第2電極120に同一な電圧が印加されれば液晶レンズ1100は第1モードとして駆動される。一方、第1電圧と第2電圧の差が非常に大きい場合にも第1モードとして駆動され得る。例えば、極端に第1電圧と第2電圧の差が無限大であると仮定すると、液晶層130の上面(130_1)に印加される電圧が水平方向(X)の位置によって異なっても液晶層130の上面(130_1)の電圧と液晶層130の下面(130_2)の電圧差の絶対値が非常に大きいため、すべての液晶分子135が垂直方向に回転することができる。すなわち、液晶層130のすべての液晶分子135の方位角が90°であり、同一であるため、液晶層130を通過する光は水平方向の位置と関係がなくいずれも常光線の屈折率を感じる。この場合グリーンレンズが構成されないため、光は液晶層130内で曲がらず直進する。
【0076】
一方、第1電圧と第2電圧が異なる値を有するが、その差が非常に小さいため、液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界の最大値が液晶分子130を回転させるためのしきい電界レベルを越えなければ、この場合にもすべての液晶分子130が水平配向を維持することができる。したがって、グリーンレンズが構成されないため、光は液晶層内で曲がらず直進する。
【0077】
以上により、液晶レンズ130の第2モードを駆動する条件は、単に第1電圧と第2電圧が異なることで満たされるものではなく、第1電圧と第2電圧の差が所定範囲内になければならないことが分かる。すなわち、第1電圧と第2電圧の差によって液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界の最大値が液晶分子135を回転させるためのしきい電界レベルより大きくなければならなく、同時に第1電圧と第2電圧の差によって液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界の最小値は液晶分子135を垂直回転させ得る電界より小さくなければならない。
【0078】
一方、液晶レンズ1100が第2モードで駆動されても、第1電圧および第2電圧の差によって屈折率の分布が異なる場合もある。すなわち、第1電圧および第2電圧の差は図7に例示されたグリーンレンズの曲率を多様に制御する。これにより互いに異なる焦点距離が調節されることは自明である。
【0079】
前記のような第1モードと第2モードを駆動する細部条件や、第2モードの焦点距離制御方法などは本技術分野の当業者であれば、以上で開示された内容を参照して誘電体の誘電率、液晶分子の種類などに応じて第1電圧と第2電圧を適切に調節することによって簡単に実現できるものであるため、本発明が曖昧になることを避けるために具体的な例示は省略する。
【0080】
以上の実施形態では液晶レンズ1100が2個の単位レンズ区間(L1、L2)を有するものを例示しているが、3個以上の単位レンズ区間を含んでもよいことはもちろんである。これは以下の実施形態において同様である。
【0081】
以下、本発明の多様な実施形態による液晶レンズについて説明する。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態において、液晶レンズは第1単位レンズ区間と第2単位レンズ区間で互いに異なる光変調特性を有し得る。図9〜図11は、このような特性を有する液晶レンズを例示する。
【0083】
図9は、本発明の他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図10は、図9に示す誘電層の水平位置別電気抵抗を図示するグラフである。図9および図10を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1101は誘電層142が第1サブ誘電層142aおよび第2サブ誘電層142bを含む。ここで、第1単位レンズ区間(L1)の第1サブ誘電層142aの高さが最大になる平坦区間の水平位置と第2単位レンズ区間(L2)の第1サブ誘電層142aの高さが最大になる平坦区間の水平位置が互いに相異なる。すなわち、第1単位レンズ区間(L1)で第1サブ誘電層142aの高さが最大になる平坦区間はおおよそP0地点とP1地点の中間地点を基準に右側に偏っている。これに対し、第2単位レンズ区間(L2)で第1サブ誘電層142aの高さが最大になる平坦区間はP1地点とP2地点の中間地点を基準に左側に偏っている。これにより、図10に図示するように、第1単位レンズ区間(L1)での光進行経路は図6と比較したとき、右側に偏ることに対し、第2単位レンズ区間(L2)での光進行経路は相対的に左側に偏る。
【0084】
図11は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図12は、図11に示す誘電層の水平位置別電気抵抗を図示するグラフである。図11および図12を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1102は誘電層143が第1サブ誘電層143aおよび第2サブ誘電層143bを含む。ここで、第1単位レンズ区間(L1)での第1サブ誘電層143aの高さの最大値と第2単位レンズ区間(L2)での第1サブ誘電層143aの高さの最大値が互いに異なる。これにより、図12に図示するように第1単位レンズ区間(L1)の誘電層143の電気抵抗グラフの曲率が第2単位レンズ区間(L2)の誘電層143の電気抵抗グラフの曲率より大きい。
【0085】
したがって、液晶層130の上下面(131_1、131_2)に印加される電界の水平方向変化率も第1単位レンズ区間(L1)がより大きい。これにより、図11に図示するように第2モード駆動時第1単位レンズ区間(L1)の液晶分子135が水平位置別方位角の差がより大きくなり、液晶分子135の屈折率の変化率も大きくなって光進行経路が第2単位レンズ区間(L2)でよりもさらに大きく曲がり得る。したがって、第1単位レンズ区間(L1)での光焦点距離が第2単位レンズ区間(L2)での光焦点距離より短くなる場合もある。
【0086】
図13は、本発明のまた他の実施形態に他の液晶レンズの断面図である。図14は、図13に示す誘電層の水平位置別電気抵抗を図示するグラフである。図13および図14を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1103は誘電層144が第1サブ誘電層144aおよび第2サブ誘電層144bを含む。ここで、第1サブ誘電層144aが第2サブ誘電層144bの上部に配置される点が図2に示す実施形態と異なる。したがって、第1単位レンズ区間(L1)で誘電層144の上下面の電気抵抗がP0地点からP1方向に行くほど減少してまた増加する、下に凸の放物線グラフを描く。第2単位レンズ区間(L2)の場合も実質的に同一なグラフを形成する。前述したように、グリーンレンズ構造では屈折率が低い媒質から屈折率が高い媒質側に光経路が曲がるため、図13の液晶層130は第2モードであたかも凹レンズと類似の光進行経路の変調を誘発する。すなわち、第2モードで液晶レンズの液晶層130は別途の凹レンズなしでも光を発散または拡散することができる。
【0087】
図15は、本発明のまた他の実施形態に他の液晶レンズの断面図である。図15を参照すると、本実施形態は液晶層130と誘電層145の積層順序が変わってもよい場合を例示する。すなわち、本実施形態による液晶レンズ1104は図2に示す実施形態とは異なって第1サブ誘電層145aおよび第2サブ誘電層145bを含む誘電層145が液晶層130の下部に位置する。このように、液晶層130と誘電層145の積層順序が変わっても、液晶層130に印加される電界には影響がない。したがって、図2に示す実施形態と実質的に同一電気抵抗分布を示し、これにより第2モードでの液晶分子135の方位角も図2と実質的に同一に維持することができる。
【0088】
一方、本実施形態は下部から入射された光が液晶層130より誘電層145を先に通過するため、第1サブ誘電層145aと第2サブ誘電層145bの屈折率が異なっても、垂直入射した光は誘電層145で進行方向が変更されず直進する。したがって、液晶分子135の方位角のみ調節すれば誘電層130の屈折率に影響されず光の進行方向を制御することができる。
【0089】
図16は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図16を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1105は第1サブ誘電層146aの上面の一部が誘電層146の上面を構成する点が図2に示す実施形態と異なる。前記構造によって第2サブ誘電層146bの上面は平坦面で成されるが、第1サブ誘電層146aの平坦な上面領域によって部分的に断絶される。このような構成においても誘電層146が平坦区間別に互いに異なる電気抵抗を示すため、図2に示す実施形態と実質的に同一電気抵抗分布を示し得る。したがって、グリーンレンズ構造が形成されるため、凸レンズと類似の光学特性を示し得る。
【0090】
図17は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図17を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1106は第1サブ誘電層147aの単位パターンが互いに離隔されず連結されている点が図2に示す実施形態と異なる。このような構成においても誘電層147が平坦区間別に互いに異なる電気抵抗を示すため、図2に示す実施形態と実質的に同一な電気抵抗分布を示し得る。したがって、グリーンレンズ構造が形成されるため、凸レンズと類似の光学特性を示し得る。未説明の符号である147bは第2サブ誘電層を指し示す。
【0091】
図18は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図18を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1107は第1サブ誘電層148aの隣接する平坦区間を連結するのが側壁ではなく、斜線部(148a_s)である点が図2に示す実施形態と異なる。側壁が斜線部(148a_s)で代替されれば、電気抵抗の変化がより緩やかになる。したがって、より効果的なグリーンレンズ構造を形成することができる。未説明の符号である148bは第2サブ誘電層を示す。
【0092】
図19は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図19を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1108は第1サブ誘電層149aの形状は図2に示す実施形態と同一であるが、第1サブ誘電層149aが第2サブ誘電層149b内に埋もれて配置された点が図2に示す実施形態とは異なる。第1サブ誘電層149aの配置が異なるにもかかわらず、第1サブ誘電層149aを含む区間での第1サブ誘電層149aの高さ(d1)は図2に示す第1サブ誘電層141aの高さ(d1)と同一である。また、同区間で第2サブ誘電体149bの高さの総和は図2に示す第2サブ誘電体141bの高さ(d2)と同一である。したがって、誘電層149の全体誘電率および電気抵抗は図2に示す実施形態と実質的に同一であるため、同一方法で動作するものであることが簡単に分かる。
【0093】
図20は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図20を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1109は第1サブ誘電層150aが第3サブ誘電層150cを覆っている点から図14の実施形態とは異なる。したがって、誘電層150は水平位置別に第1サブ誘電層150aと第2サブ誘電層150bを含む区間も含むが、第1サブ誘電層150a、第2サブ誘電層150bおよび第3サブ誘電層150cをすべて含む区間も含み、ここでの誘電層150の誘電率は3個のサブ誘電層(150a、150b、150c)の誘電率および該当高さを共に考慮する。
【0094】
このように、サブ誘電層(150a、150b、150c)の数が増加すれば、多様な誘電率組合を実現できるため、誘電層150の誘電率分布の微細チューニングが容易である。
【0095】
図21は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図21を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1110は第1サブ誘電層151aおよび第2サブ誘電層151bの形状および相対的な配置は図2に示す実施形態と実質的に同一であるが、第1サブ誘電層151aと第2サブ誘電層151bの下に上下面が平坦でかつ平行な第3サブ誘電層151cを含む点が図2に示す実施形態とは異なる。水平位置別誘電層151の全体電気抵抗は第1サブ誘電層151aおよび第2サブ誘電層151bだけでなく、第3サブ誘電層151cの誘電率および高さによって影響を受ける。実質的な水平位置別電気抵抗分布は図3と類似する。本実施形態では第1サブ誘電層151aおよび第2サブ誘電層151bの下に第3サブ誘電層151cが形成される場合を例示するが、第3サブ誘電層151cが第1サブ誘電層151aおよび第2サブ誘電層151bの上に積層されてもよく、下および上に共に積層されてもよい。
【0096】
図22は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図26を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1111は誘電層152が第1サブ誘電層152aおよび第2サブ誘電層152bだけではなく、その上に第3サブ誘電層152cおよび第4サブ誘電層152dをさらに含む点が図2に示す実施形態とは異なる。第1サブ誘電層152aおよび第2サブ誘電層152bの形状および配置は図2と実質的に同一である。第3サブ誘電層152cおよび第4サブ誘電層152dの形状および配置は第1サブ誘電層152aおよび第2サブ誘電層152bの形状および配置と実質的に同一である。すなわち、図22の実施例は図2に示す誘電層141を2階で積層した形態を例示する。したがって、図2に示す液晶レンズ1111より実質的に同一な屈折率分布を有するが、屈折率変化量の勾配はより大きいグリーンレンズを構成することができる。一方、第3サブ誘電層152cおよび第4サブ誘電層152dの誘電率は第1サブ誘電層152aおよび第2サブ誘電層152bの誘電率とそれぞれ同一であってもよく、異なってもよい。
【0097】
図23および図24は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図23の液晶レンズ1112は第3サブ誘電層153cの単位パターンのサイズおよびピッチが第1サブ誘電層153aより小さい場合を例示する。具体的に第3サブ誘電層153cの単位パターンのサイズおよびピッチが第1サブ誘電層153aの半分の例である。このような構造は誘電層153の全体誘電率をより細密に制御するのに有利である。未説明の符号である153bおよび153dは各々第2サブ誘電層および第4サブ誘電層である。
【0098】
図24の液晶レンズ1113は第3サブ誘電層154cの単位パターンが第1サブ誘電層154aとサイズは同一であるが交錯した配列を有する場合を例示する。このような構造によってより多様な誘電率分布の制御が可能になる。未説明符号である154bおよび154dは各々第2サブ誘電層および第4サブ誘電層である。
【0099】
図25は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図25を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1114は第3サブ誘電層155cおよび第4サブ誘電層155dが液晶層130の下にさらに形成されている点が図2に示す実施形態とは異なる。第1電極110は第3サブ誘電層155cおよび第4サブ誘電層155dの下に配置される。第1サブ誘電層155aおよび第2サブ誘電層155bは図2と実質的に同一である。したがって、本実施形態の電気光学的構造は図2と実質的に同一であるため、彼と実質的に類似のグリーンレンズを実現することができる。
【0100】
図26は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図30を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1115は第2電極121が誘電層156と液晶層130の間に配置されず、誘電層156内に、具体的には第1サブ誘電層156aと第2サブ誘電層156bの間に配置される点が図2に示す実施形態と異なる。第1サブ誘電層156aの上面が階段形状を成すため、第1サブ誘電層156aの上面にコンフォーマルに形成される第2電極121も階段形状を成すように形成され得る。第2電極121と液晶層130の上面(130_1)の間には第2サブ誘電層156bなしで第1サブ誘電層156aのみが介在する。
【0101】
第1サブ誘電層156aの誘電率が水平方向(X)に沿って同一であっても、第1サブ誘電層156aの高さ(d1)は平坦区間別に水平方向(X)に沿って相異なる。したがって、平坦区間別に他の電気抵抗分布を有する。すなわち、第1サブ誘電層156aの高さ(d1)が最も低い平坦区間は電気抵抗も最も低いが、その高さが増加するほど電気抵抗も大きくなる。したがって、水平方向(X)に沿って液晶層130の上面に印加される電圧も相異なることが分かる。その結果、第2モード駆動時、水平方向別に液晶分子135の方位角が相異なるようになり、グリーンレンズ構造を実現することができる。
【0102】
本実施形態で第2サブ誘電層156bの誘電率は液晶層130に印加される電界に影響を与えない。したがって、第2サブ誘電層156bは省略してもよい。
【0103】
図27は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図27を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1116は液晶層130の下に上面が階段形状である第3サブ誘電層157cと第3サブ誘電層157cを覆う第4サブ誘電層157dが配置され、第1電極111が第3サブ誘電層157cと第4サブ誘電層157dの間に形成された点が図26の実施形態とは異なる。
【0104】
本実施形態では水平方向に沿って液晶層130の上面だけではなく、下面に印加される電圧も相異なる場合もある。したがって、液晶層130の上下面に形成される電界の差が倍になり得、これによりグリーンレンズ構造の実現がしやすくなる。
【0105】
図28は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図28を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1117は第2基板102上に光学レンズ160をさらに含む点が図2に示す実施形態とは異なる。すなわち、本実施形態による液晶レンズ1117は図2に示す液晶レンズ1100上に断面が凸レンズ形状である光学レンズ160を積層した構造を例示する。光学レンズ160の単位レンズは第1サブ誘電層141aの単一パターンらと実質的に同一ピッチで配列されてもよい。光学レンズ160の光変調特性は液晶層130などによって実現されるグリーンレンズ構造と組合わせて光経路を変調することができる。例えば、グリーンレンズが集光特性を示す場合、凸レンズは焦点距離をより短くすることができる。仮に、グリーンレンズが発散特性を示す場合、凸レンズの集光特性がこれを相殺することによって光の発散や集光程度を緩和させることができる。さらに、発散および集光が正確に相殺されるように制御されると、グリーンレンズを介して発散された光が直進するように経路を変更することができる。適用される光学レンズ160が凹レンズであれば、これとは逆の効果があることは自明である。
【0106】
より多様な光制御のためには光学レンズ160の単位レンズのサイズやピッチを第1サブ誘電層141aの単位パターンのそれと異なるように設計することができる。
【0107】
図29は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図29を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1118は第1サブ誘電層158aが複数の積層膜(158a_1、158a_2、158a_3)で構成された点から図2に示す実施形態とは異なる。
【0108】
第1積層膜(158a_1)上に第2積層膜(158a_2)が形成され、第2積層膜(158a_2)上に第3積層膜(158a_3)が形成される。各積層膜(158a_1、158a_2、158a_3)の上面は平坦であってもよい。第2積層膜(158a_2)は第1積層膜(158a_1)の上面を少なくとも部分的に露出してもよい。このように露出された第1積層膜(158a_1)の上面は平坦区間として作用する。同様に、第3積層膜(158a_3)は第2積層膜(158a_2)の上面を少なくとも部分的に露出し、また他の平坦区間を提供することができる。第3積層膜(158a_3)が最上位積層膜の場合、第3積層膜の上面はまた他の平坦区間となる。
【0109】
本実施形態の場合にも、誘電層158の電気抵抗分布は図2と実質的に同一である。したがって、グリーンレンズ構造を構成することができる。
【0110】
各積層膜(158a_1、158a_2、158a_3)は誘電率が相互同一であってもよいが、異なってもよい。各積層膜(158a_1、158a_2、158a_3)の誘電率を多様に適用すれば、誘電層158の電気抵抗に対するより微細なチューニングが可能になる。未説明の符号である158bは第2サブ誘電層である。
【0111】
図30は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの斜視図である。図30の実施形態による液晶レンズ1119は誘電層159が第1方向(X)および第2方向(Y)に垂直した第3方向(Z)に沿って実質的に同一なパターンを維持している場合を例示する。すなわち、本実施形態で第1サブ誘電層159aは第3方向(Z)に沿って延長されたレンチキュラタイプで形成される。したがって、あたかもレンチキュラレンズの場合のように、第3方向(Z)に沿って液晶レンズの光変調特性も均一に維持することができる。未説明の符号である159bは第2サブ誘電層である。
【0112】
図31は、本発明のまた他の実施形態による液晶レンズの斜視図である。図31の実施形態による液晶レンズ1120は誘電層160が第1方向(X)および第2方向(Y)に垂直した第3方向(Z)に沿ってパターンが変わる場合を例示する。すなわち、本実施形態において、第3方向(Z)に沿っても複数の単位パターンが配列される。第1サブ誘電層160aはマイクロレンズタイプで形成される。したがって、実質的にマイクロレンズと類似の光変調特性を示すことを理解することができる。未説明の符号である160bは第2サブ誘電層である。
【0113】
図30および図31の実施形態は先立って断面図の例をあげて説明した多様な実施形態と組合わせて適用することができる。
【0114】
以上で説明した液晶レンズは、図1を参照して説明したように、光提供装置と共に表示装置を構成することができる。のみならず、光経路を自在に変更および制御できるため、太陽電池、イメージセンサなど光を利用した多様な素子にも適用することができる。
【0115】
以下では液晶レンズが表示パネルと共に使用され、2D/3Dスイッチングが可能なディスプレイを実現する具体的な例を詳細に説明する。
【0116】
図32は、本発明の一実施形態による表示装置の断面図である。図33は、第2モードでの表示装置の例示的な動作を説明するための断面図である。図32および図33は液晶レンズとして図2に示す実施形態による液晶レンズを採用し、光提供装置として液晶表示パネルを適用した例を図示する。
【0117】
図32および図33を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置300は液晶表示パネル200および液晶レンズ1101を含む。
【0118】
液晶表示パネル200は互いに対向する下部基板210と上部基板220、およびこれらの間に介在した液晶分子層230を含む。
【0119】
下部基板210上にはマトリックス形態で配列されるように定義された複数の画素領域(PA1−PA12)ごとに画素電極211が形成されている。画素電極211は薄膜トランジスタのようなスイッチング素子に連結され、個別に画素電圧の印加を受ける。
【0120】
上部基板220の下には画素電極211と対向する共通電極224が配置されている。上部基板220には画素領域(PA1−PA12)別に対応してR、GおよびBカラーフィルタ221が配置されてもよい。画素領域(PA1−PA12)の境界にはブラックマトリックス222が形成されてもよい。カラーフィルタ221および共通電極224の間には平坦化膜223が介在してもよい。
【0121】
下部基板210と上部基板220の間には液晶分子層230が介在する。液晶分子層230の液晶分子235は画素電極211と共通電極224の間に形成される電界によって回転し、液晶表示パネル200の透過率を制御する。
【0122】
下部基板210および上部基板220の外側には各々偏光板(図示せず)が付着されてもよい。いくつかの実施形態で、液晶レンズ1101の第1基板101の外側面にも偏光板(図示せず)が付着してもよい。この場合、上部基板220上の偏光板は省略してもよい。
【0123】
液晶表示パネル200の下側にはバックライトアセンブリ(図示せず)が配置されてもよい。
【0124】
液晶表示パネル200上には液晶レンズ1101が配置される。図面では液晶レンズ1101が液晶表示パネル200と離隔され配置された例を図示しているが、これに制限されるものではなく、液晶レンズ1101が液晶表示パネル200に付着されてもよい。
【0125】
液晶レンズ1101の各単位レンズ区間(L1、L2)は液晶表示パネル200の複数の画素領域(PA1−PA12)に対応するように配置してもよい。図32は6個の画素領域と一つの単位レンズ区間が相互対応する場合を例示する。すなわち、一つの単位レンズ区間の幅内にR、G、B、R、G、Bの6個の画素領域が配列される。
【0126】
このような表示装置300で、液晶レンズ1101を第1モードで駆動すると、液晶レンズ1101が光経路を特別に変調しないため、表示装置300は2次元映像を表示することができる。これに対し、液晶レンズ1101を第2モードで駆動すると、表示装置300は3次元映像を表示することができる。より具体的に説明するため図33を参照する。
【0127】
図33を参照すると、第2モードでの液晶レンズ1110の光学特性は図2および図3を参照して説明したように、凸レンズのそれと類似する。したがって、各単位レンズ区間(L1、L2)の中央部を基準に左側に配列されたR、G、B3個の画素領域から単位レンズ区間に入射された光はあたかも凸レンズの左側領域を通過するように光経路が変調するため、右側方向に曲がって行く。これに対し、各単位レンズ区間の中央部を基準に右側に配列されたR、G、B3個の画素領域から単位レンズ区間に入射された光はあたかも凸レンズの右側領域を通過するように光経路が変調するため、左側方向に曲がって行く。前記光が各々観察者の左眼(E1)および右眼(E2)に入力されれば、観察者は3次元映像を認識することができる。
【0128】
図32および図33の実施形態では一つの単位レンズ区間の幅内に6個の画素領域を配列することを例示したが、一つの単位レンズ区間の幅内により多い画素領域を配列することもでき、この場合また点3次元映像駆動が可能になる。また、前述したように液晶レンズの第1電極および第2電極に印加される電圧を調節すれば、液晶レンズの焦点距離を変えることができるため、3次元視聴が可能な時点距離を調節することができる。例えば、観察者がリモコンを介して表示装置に視点転換モードを作動させ、その応答として液晶レンズの第1電極および第2電極に印加される電圧が順次に変わり、視点が前後方に移動するようにすれば、簡単に3次元映像視聴可能視点を見つけることができる。
【0129】
本発明の他のいくつかの実施形態で、液晶表示パネルの共通電極に印加される共通電圧は液晶レンズの第1電極に印加される第1電圧または第2電極に印加される第2電圧と同一であってもよい。この場合、駆動回路が単純になる。
【0130】
また、本発明の他のいくつかの実施形態で、液晶表示パネルの上部基板は液晶レンズの第1基板と共有される。したがって、液晶表示パネルの上部基板および液晶レンズの第1基板のうちいずれか一つは省略してもよい。さらに、液晶表示パネルの共通電極と液晶レンズの第1電極のうちいずれか一つを省略し、残りの一つは共有してもよい。
【0131】
図32および図33の実施形態では光提供装置として液晶表示パネル200を適用したのを例示したが、前述したように、OLED、LED、無機EL、FED、SED、PDP、CRT、電気泳動表示装置などを適用してもよい。これに対する実施形態は当業者であれば、図32および図33の実施形態から非常に簡単に類推することができる。したがって、本発明が曖昧になることを避けるため具体的な説明を省略する。
【0132】
また、図32および図33の実施形態では液晶レンズとして図2に示す実施形態による液晶レンズ1101を採用した場合を例示したが、その他の本発明の多様な実施形態による液晶レンズを適用できるのは自明である。
【0133】
続けて、本発明の実施形態による液晶レンズの製造方法について説明する。図34は、本発明の一実施形態による液晶レンズの製造方法を説明するための工程断面図である。
【0134】
図34を参照すると、先に、第1基板101上に第1電極110を形成する。次いで、第1電極110上に第1サブ誘電層用物質層を積層し、これをパターニングして複数の単位パターンを含む第1サブ誘電層141aを形成する。ここで、前記パターニングは写真エッチング工程を利用して行われる。次いで、第1サブ誘電層141a上に第2サブ誘電層用物質層を積層し、必要に応じて平坦化して第2サブ誘電層を形成し、その次に、第2サブ誘電層上に液晶層および第2電極が形成された第2基板を積層することによって液晶レンズ製造することができる。
【0135】
本実施形態では第1基板101上の第1電極110上に第1サブ誘電層用物質層を積層したものを例示したが、第2基板上の第2電極上に第1サブ誘電層用物質層を形成して後続手続を進めてもよい。
【0136】
図35は、本発明の他の実施形態による液晶レンズの製造方法を説明するための工程断面図である。
【0137】
図35を参照すると、先に、第1基板101上に第1電極110を形成する。次いで、第1電極110上に第2サブ誘電層用物質層を積層し、これをパターニングして複数のリセス領域171aを含む第2サブ誘電層141bを形成する。ここで、前記パターニングは写真エッチング工程を利用して行われる。次いで、第2サブ誘電層141bのリセス領域171aに第1サブ誘電層用物質層を充填し、必要に応じて平坦化して複数の単位パターンを含む第1サブ誘電層を形成し、次に、第1および第2サブ誘電層上に液晶層および第2電極が形成された第2基板を積層することによって液晶レンズを製造することができる。
【0138】
本実施形態では第1基板101上の第1電極110上に第2サブ誘電層用物質層を積層したことを例示したが、第2基板上の第2電極上に第2サブ誘電層用物質層を形成して後続手続を進めてもよい。
【0139】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更しない範囲で他の具体的な形態で実施され得ることを理解することができる。したがって、上記実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0140】
110 第1電極
120 第2電極
130 液晶層
135 液晶分子
141 誘電層
1100 液晶レンズ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1電極および第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極の間に介在し、上面および下面が平坦な液晶層、および前記第2電極と前記液晶層との間に介在した誘電層を含み、
前記誘電層は第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、
前記第1サブ誘電層は前記第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んでなり、
前記第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、
少なくとも一つの前記単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる液晶レンズ。
【請求項2】
前記誘電層は上面および下面が平坦である請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項3】
前記誘電層の上面、および前記各平坦区間は互いに平行である請求項2に記載の液晶レンズ。
【請求項4】
前記単位パターンの断面は階段形状を含む請求項2または3のいずれかに記載の液晶レンズ。
【請求項5】
前記第2平坦区間は前記第1平坦区間に隣接し、前記第1平坦区間と前記第2平坦区間は垂直側壁または斜線部によって連結される請求項2〜4のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項6】
前記第1サブ誘電層の屈折率および前記第2サブ誘電層の屈折率が互いに異なる請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項7】
前記第1サブ誘電層の前記一面は前記第2誘電層によって覆われている請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項8】
前記第1サブ誘電層の前記各単位パターンは相互離隔され、前記第1サブ誘電層の前記各単位パターンは前記第2サブ誘電層によって囲まれている請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項9】
前記第1サブ誘電層の前記各単位パターンは同一な形状で形成され、水平方向に沿って均一に配列される請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項10】
前記第1電極および第2電極は各々前面電極である請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項11】
前記第1電極および前記第2電極は相互平行になるように配置されている請求項10に記載の液晶レンズ。
【請求項12】
前記第2基板上に配置された光学レンズをさらに含む請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項13】
少なくとも一つの前記単位パターンは一面および他面が平坦な第1積層膜および第2積層膜を含み、
前記第2積層膜は前記第1積層膜の一面を部分的に露出するように前記第1積層膜の一面上に形成され、
前記第1平坦区間は前記第2積層膜によって前記第1積層膜の一面が露出された領域が位置する区間を含み、前記第2平坦区間は前記第2積層膜の一面が位置する区間の少なくとも一部を含む請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項14】
前記第1積層膜および前記第2積層膜は誘電率が同一である請求項13に記載の液晶レンズ。
【請求項15】
第1電極と、
前記第1電極上の液晶層と、
前記液晶層上の誘電層であって、少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの前記単位パターンは上面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる誘電層、および
前記誘電層の上面にコンフォーマルするように形成された第2電極を含む液晶レンズ。
【請求項16】
光提供装置、および
前記光提供装置上に配置された液晶レンズであって、
互いに対向する第1電極および第2電極、
前記第1電極および前記第2電極の間に介在し、上面および下面が平坦な液晶層、および
前記第2電極と前記液晶層との間に介在した誘電層を含み、
前記誘電層は第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、
前記第1サブ誘電層は前記第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んで成り、
前記第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、
少なくとも一つの前記単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる液晶レンズを含む表示装置。
【請求項17】
前記光提供装置は表示パネルを含む請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記表示パネルはOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED、無機EL(Electro Luminescent display)、FED(Field Emission Display)、SED(surface−conduction electron−emitter display)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、および電気泳動表示装置(Electrophoretic Display、EPD)のうちずれか一つである請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示パネルはマトリックス形態で配列された複数の画素領域を含み、
前記第1サブ誘電層は相互連結された複数個の単位パターンを含み、
前記各単位パターンの幅内に2以上の前記画素領域が配置される請求項17に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示パネルはマトリックス形態で配列された複数の画素領域を含み、
前記第1サブ誘電層は相互離隔された複数個の単位パターンを含み、
前記各単位パターンのピッチごとに2以上の前記画素領域が配置される請求項17に記載の表示装置。
【請求項21】
水平方向に沿って前記第1サブ誘電層の高さおよび前記第2サブ誘電層の高さの和が一定である請求項16に記載の表示装置。
【請求項22】
前記第1サブ誘電層の屈折率および前記第2サブ誘電層の屈折率が異なる請求項16に記載の表示装置。
【請求項23】
第1電極上に誘電層であって、第1サブ誘電層、および第2サブ誘電層を含み、前記第1サブ誘電層は前記第2サブ誘電層と誘電率が異なる物質を含んでなり、前記第1サブ誘電層は少なくとも一つの単位パターンを含み、少なくとも一つの前記単位パターンは一面が平坦な複数の平坦区間を含み、複数の平坦区間のうち第1平坦区間での前記単位パターンの高さと第2平坦区間での前記単位パターンの高さが異なる誘電層を形成し、
前記誘電層上に液晶層および第2電極を配置することを含む液晶レンズの製造方法。
【請求項24】
前記誘電層を形成することは、前記第1電極上に前記第1サブ誘電層の前記単位パターンを形成し、
前記単位パターン上に前記第2サブ誘電層を積層することを含む請求項23に記載の液晶レンズの製造方法。
【請求項25】
前記誘電層を形成することは、前記第1電極上にリセスされた領域を含む第2サブ誘電層を形成し、
前記リセスされた領域内に前記第1サブ誘電層を充填することを含む請求項23に記載の液晶レンズの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−15809(P2013−15809A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238972(P2011−238972)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】