説明

液晶レンズ及び表示装置

【課題】光経路を調節する液晶レンズおよびこれを含む表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明に係る液晶レンズは、互いに対向する第1電極および第2電極と、第1電極および第2電極間に配設され、上面および下面が平坦な液晶層と、第2電極と液晶層との間に配設された誘電層を含み、誘電層は、誘電層の上面および下面間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶レンズ及び表示装置に関するものであり、より詳細には、光経路を調節することが可能な液晶レンズ及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、多様な方式で光を出射して映像を表示する。表示装置の光を出射する方式は表示装置の種類を区分する基準になることもある。各光出射方式については、出射される光の輝度を効果的に制御し、表示品質を向上させるための多様な研究が競争的に行われている。
【0003】
近年、光輝度制御とは別に、光経路制御により3次元映像を実現する立体映像表示装置に関する研究が注目を浴びている。この立体映像表示装置は、左眼映像を観察者の左眼に提供するとともに、右眼映像を観察者の右眼に提供することで、観察者は映像を立体的に認識できるという点を基本原理としている。偏光方式、時分割方式などのメガネ方式や、パララックス−バリアー方式、レンチキュラ(lenticular)またはマイクロレンズ方式およびブリンキングライト(blinking light)方式などのメガネを不要にした方式が、主に研究されている。
【0004】
一方、3次元映像を長時間視聴するとめまいを感じることがある。また、視聴者が3次元映像コンテンツだけでなく2次元映像コンテンツの視聴を所望する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第2008−0105572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光経路をモード別に異なるように制御できると、2次元映像および3次元映像をいずれも表示することが可能である。また、光経路を自在に制御することにより、表示装置だけでなく、光を利用する多様な応用分野を創り出すことができる。
【0007】
そこで、本発明は、上記内容に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、光経路の調節をすることが可能な、液晶レンズ及び当該液晶レンズを含む表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、前記第2電極と前記液晶層との間に配設された誘電層とを含み、前記誘電層は、前記誘電層の上面と下面との間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む液晶レンズが提供される。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、前記第2電極と前記液晶層との間に配設され、第1誘電率を有する第1サブ誘電層
及び当該第1誘電率と異なる第2誘電率を有する第2サブ誘電層を含む誘電層と、を含み、前記誘電層は、前記水平方向に沿って前記第1サブ誘電層と前記第2サブ誘電層のうち少なくとも一つの高さが変化する区間を含む液晶レンズが提供される。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、第1電極と、前記第1電極上に形成されて上下面が平坦な液晶層と、前記液晶層上に形成され、上面が曲面を含む誘電層と、前記誘電層の上面にコンフォーマルに形成された第2電極とを含む液晶レンズが提供される。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、光提供装置と、前記光提供装置上に配置された液晶レンズとを備え、前記液晶レンズは、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、前記第2電極と前記液晶層との間に配設された誘電層とを含み、前記誘電層は、前記誘電層の上面と下面との間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む表示装置が提供される。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、光提供装置と、前記光提供装置上に配置された液晶レンズとを備え、前記液晶レンズは、互いに対向する第1電極及び第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、前記第2電極と前記液晶層との間に配設され、第1誘電率を有する第1サブ誘電層及び当該第1誘電率と異なる第2誘電率を有する第2サブ誘電層を含む誘電層とを含み、前記誘電層は、前記水平方向に沿って前記第1サブ誘電層と前記第2サブ誘電層のうち少なくとも一つの高さが変化する区間を含む表示装置が提供される。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、光提供装置と、前記光提供装置上に配置された液晶レンズとを備え、前記液晶レンズは、第1電極と、前記第1電極上に形成され、上下面が平坦な液晶層と、前記液晶層上に形成され、上面が曲面を含む誘電層と、前記誘電層の上面にコンフォーマルに形成された第2電極とを含む表示装置が提供される。
【0014】
その他、本発明の実施形態の具体的な内容は、以下に示す詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも次のような効果がある。
【0016】
本発明に係る液晶レンズによれば、多様な光経路の調節が可能である。したがって、表示装置、太陽電池、イメージセンサなど光を利用した多様な素子に適用することができる。また、本発明に係る液晶レンズを採用した表示装置の場合、多様な光経路の調節が可能であるため、2D/3Dスイッチングが可能であり、3次元映像と2次元映像いずれも表示することができる。さらに、焦点距離の調節が容易であるため、簡便に3次元映像視聴可能視点を探すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図3A】図2の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【図3B】図2の誘電層の位置ごとのエラスタンスを示すグラフである。
【図4】本発明の一実施形態に係る液晶レンズの第1モードの動作を示す概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る液晶レンズの第1モードで液晶層の水平方向位置ごとの屈折率を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態に係る液晶レンズの第2モードの動作を示す概略図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る液晶レンズの第2モードで液晶層の水平方向位置ごとの屈折率を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図9】図8の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【図10】本発明の更に別の実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図11】図10の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【図12】本発明の更に別の実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図13】図12の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【図14】本発明の更に別の実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図15】図14の誘電層の位置ごとのエラスタンスの分布を示すグラフである。
【図16】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図17】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図18】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図19】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図20】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図21】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図22】図21の誘電層製造の例示的な一方法を説明するための断面図である。
【図23】図21の誘電層製造の例示的な他の方法を説明するための断面図である。
【図24】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図25】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図26】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図27】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図28】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図29】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図30】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図31】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図32】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図33】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図34】本発明の多様な実施形態に係る液晶レンズの断面図である。
【図35】本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図36】第2モードにおける表示装置の例示的な動作を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
なお、本発明の実施形態に係る課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【0020】
また、本発明の実施形態に係る効果は、以上で例示された内容によって制限されず、さらに多様な効果が本明細書内に含まれている。
【0021】
素子(elements)又は層が、他の素子又は層の「上(on)」にあると称されるものは、他の素子又は層の直上だけでなく、中間に他の層又は他の素子を介在した場合をすべて含む。
【0022】
第1、第2などといった表記が、多様な素子、構成要素を説明するために使用される。しかしながら、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことはもちろんである。これらの用語は、単に一つの構成要素を構成要素と区別するために使用されるものである。したがって、以下で言及される第1素子は、本発明の技術的思想の範囲内で第2素子あり得ることはもちろんである。
【0023】
本明細書においてエラスタンス(elastance)とは、キャパシタンス(capacitance)の逆数(1/C)を意味する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置の概略構成図である。図1を参照すると、表示装置30は、光提供装置20及び光提供装置20の一側に配置された液晶レンズ10を含む。
【0025】
光提供装置20は、液晶レンズ10に光を提供する。光提供装置20が液晶レンズ10に提供する光は、光提供装置20からの出射光及び/又は液晶レンズ10から入射して光提供装置20で反射される反射光を含んでもよい。
【0026】
光提供装置20は、表示パネルを含んでもよい。いくつかの実施形態において、表示パネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED、無機ELディスプレイ(Electro Luminescent display)、FED(Field Emission Display)、SED(surface−conduction electron−emitter display)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などのような自発光表示パネルである。他のいくつかの実施形態において、表示パネルはLCD(Liquid Crystal Display)、電気泳動表示装置(Electrophoretic Display、EPD)などのような非発光表示パネルである。表示パネルが非発光表示パネルである場合、光提供装置20は、バックライトアセンブリのような光源を更に含んでもよい。
【0027】
液晶レンズ10は、光提供装置20の一側に配置されており、光提供装置10から出射された光が入射する。液晶レンズ10は、入射した光の経路や位相などの光特性を、少なくとも部分的に変調する。いくつかの実施形態で、液晶レンズ10の光特性変調は、モードによって異なってもよい。例えば、第1モードで液晶レンズ10は光特性を変調しないが、第2モードで液晶レンズ10は光特性を変調し得る。モード別に光変調特性を異なるように変調すると、光提供装置20の表示パネルから出射される画像をモード別に異なるように変調することができ、それにより液晶レンズ10を介して出射される画像を、モード別に異なるように制御することができる。このような液晶レンズ10のモード別の選択的光変調特性は、後述するように、2D/3Dスイッチングが可能なディスプレイを実現可能なものにする。
【0028】
以下、本発明の一実施形態による液晶レンズについて、より詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る液晶レンズの断面図である。図2を参照すると、液晶レンズ1100は、互いに対向する第1電極110及び第2電極120と、第1電極110と第2電極120との間に配設された液晶層130及び誘電層140と、を含む。
【0029】
第1電極110及び第2電極120は、各々透明な導電性物質により形成される。この第1電極110及び第2電極120は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZO(Zinc Oxide)、IO(Indium Oxide)、TiO(Titanium Oxide)等のような酸化物で形成されてもよい。また他の例として、第1電極110及び第2電極120は、CNT(Carbon Nanotube)、金属ナノワイヤー(metal nanowire)、導電性高分子(Conductive Polymer)等の物質を含んでもよい。なお、第1電極110と第2電極120とは、必ず同一物質で形成される必要はなく、第1電極110の形成に用いられる物質と、第2電極120の形成に用いられる物質とは、異なっていてもよい。
【0030】
第1電極110は、第1電圧の印加を受け、第2電極120は、第2電圧の印加を受ける。したがって、第1電極110の上面110aと第2電極120の下面120bとの間には、第1電圧と第2電圧との差分に相応する所定の電界が形成され得る。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態で、第1電極110及び第2電極120は、各々パターニングされない全面(whole surface)電極であってもよい。第1電極110及び第2電極120は、互いに平行になるように配置されてもよい。
【0032】
第1電極110及び第2電極120の間には、液晶層130及び誘電層140が配設される。図2では、第1電極110上に液晶層130が積層され、液晶層130上に誘電層140が積層された例を図示しているが、液晶層130と誘電層140との積層順序は、変更可能である。
【0033】
液晶層130の上面(130_1)と下面(130_2)は、実質的に平坦な面を有し得る。液晶層130の上面(130_1)と下面(130_2)が平坦な方が、液晶分子135を均一に分布するためには有利である。更に、液晶層130の上面(130_1)及び下面(130_2)は、互いに平行であってもよい。
【0034】
上面(130_1)と下面(130_2)により定義された空間内で、液晶層130は複数の液晶分子135を含む。このような液晶分子135は、液晶層130の全領域にわたって均一な密度で分布され得る。本実施形態で、液晶分子135は、正の誘電率異方性を有し、水平方向に初期配向されている。ここで、水平方向に配向されているとは、液晶分子135の長軸が水平方向に平行になるように配置される状態であり、例えば液晶分子135の方位角が0°である状態を意味する。
【0035】
本発明の他のいくつかの実施形態で、液晶分子135は、負の誘電率異方性を有していてもよい。この場合、液晶分子135は垂直方向に初期配向されていてもよい。ここで、垂直方向に初期配向されているとは、液晶分子135の方位角が90°である場合だけでなく、所定角度だけプレチルト角を有する場合をも含む。このような観点から、垂直方向に初期配向された液晶分子135の方位角は、例えば、80〜90°であってもよい。
【0036】
誘電層140は、少なくとも一つの誘電物質を含み、構成される。液晶レンズ1100の水平方向を第1方向(X)とし、第1方向に垂直な方向である厚さ方向、すなわち液晶層130と誘電層140とが積層される方向を第2方向(Y)とするとき、誘電層140の上面(140_1)と下面(140_2)との間のキャパシタンス(C)は、第1方向(X)に沿って位置ごとに少なくとも部分的に異なっていてもよい。すなわち、誘電層140は、第1方向(X)に沿って誘電層140の上面(140_1)と下面(140_2)との間のキャパシタンス(C)が変化する区間を含む。誘電層140の上面(140_1)と下面(140_2)との間の距離が第1方向(X)に沿って同一に維持される場合、例えば誘電層140の上面(140_1)と下面(140_2)が各々平坦であり、相互に平行である場合には、位置ごとに異なるキャパシタンス(C)は、位置ごとに異なる誘電率によって実現することができる。
【0037】
液晶レンズ110は、誘電層140のキャパシタンス(C)の分布又は誘電率の分布によって、2以上の単位レンズ区間(L1、L2)を含んでもよい。各単位レンズ区間(L1、L2)は、第1電極110及び第2電極120に印加される電圧によって、凸レンズ、凹レンズなどの光学レンズと類似の光学的特性を示し得る。各単位レンズ区間(L1、L2)の光学特性は、第1電極110及び第2電極120に印加される電圧に応じて変化し得る。すなわち、各単位レンズ区間(L1、L2)は、可変レンズとして機能することができる。
【0038】
単一光学レンズは、単一光変調特性を有すものと理解することができる。例えば、凸レンズの場合、光がレンズ面に入射する位置によって、光が屈折する程度などに差異があるが、これらが集まって、例えば集光という統合的な一つの光変調特性を有すものと理解することができる。このような観点から、液晶レンズ1100の各単位レンズ区間(L1、L2)は、光学レンズに対応する別途の光変調特性を示すことができる。すなわち、第1単位レンズ区間(L1)は、第1光変調特性を示し、第2単位レンズ区間(L2)は、第2光変調特性を示すことができる。第1光変調特性と第2光変調特性は、実質的に同一なものであってもよい。例えば、第1光変調特性と第2光変調特性は、いずれも同一凸レンズの光学特性を示すことができる。この場合、第1単位レンズ区間(L1)及び第2単位レンズ区間(L2)は、光学的に二つの同一凸レンズを配列したように動作することができる。
【0039】
図2、及び、図3〜図7を参照して、各単位レンズ区間(L1、L2)の光変調特性を詳細に説明する。
【0040】
図3Aは、図2の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。図3Bは、図2の誘電層の位置ごとのエラスタンスを示すグラフである。図2及び図3Aを参照すると、第1単位レンズ区間(L1)で誘電層140の誘電率は、P地点からP方向に向かうに従い減少してその後増加するという、下に凸の放物線形状グラフを描く。第2単位レンズ区間(L2)で誘電層の誘電率は、P地点からP2方向に向かうに従い減少してその後増加するという、下に凸の放物線形状グラフを描く。第1単位レンズ区間(L1)の放物線形状グラフと第2単位レンズ区間(L2)の放物線形状グラフとは、互に同一であってもよい。すなわち、各単位レンズ区間ごと(L1、L2)に水平方向のそれぞれ同一の位置に応じた誘電率の分布が相互同一であってもよい。この場合、本実施形態の第1単位レンズ区間(L1)と第2単位レンズ区間(L2)とは、実質的に同一な電気、光学的特性を示すことができる。誘電層140の上面(140_1)と下面(140_2)との間の距離が第1方向(X)に沿って一定であれば、誘電層140のキャパシタンスは、誘電率に比例するため、キャパシタンスの位置ごとのグラフも図3Aと実質的に同一パターンを示す。したがって、誘電層140キャパシタンスの逆数であるエラスタンス(1/C)の分布に関するグラフは図3Bに示すように、誘電層140の誘電率分布のグラフを逆さにしたものと実質的に同一である。したがって、エラスタンス(1/C)は誘電率が最小である水平地点で最大となる。
【0041】
また、各単位レンズ区間ごと(L1、L2)に水平方向のそれぞれ同一の位置に応じた誘電率が同一であれば、水平方向のそれぞれ同一の位置に応じたキャパシタンスまたはエラスタンスの分布も相互に同一であり得る。
【0042】
前記のような構成を有する液晶レンズ1100の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第1モードの動作を示す概略図である。図5は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第1モードで液晶層の水平方向位置ごとの屈折率を示すグラフである。
【0043】
図4及び図5を参照すると、液晶レンズ1100の第1モードは、液晶層130の液晶分子135を水平方向である第1方向(X)の位置に関係なくいずれも同一方位角に配列するモードである。例えば、第1モードは、第1電極110と第2電極120に同一電圧が印加されることによって実現することができる。第1電極110と第2電極120に同一電圧が印加されると、誘電層140及び液晶層130に印加される電位差(V)は0Vである。液晶層130に電圧が印加されないため、液晶分子135は、初期配向方向の水平方向を維持する。したがって、液晶レンズ1100に入射した光は、図5に示すように液晶層130の水平方向位置に関係がなく、同一屈折率の影響を受ける。したがって、液晶層130に入射した光は、液晶層130内で光進行経路を変えず、直進する。
【0044】
液晶層130を通過した光が誘電層140に到達するとき、誘電層140の屈折率が液晶層130の屈折率と同一であれば、光は誘電層140を光学的に他の物質として認識しない。したがって、誘電層140は、光経路を変更することなく、光をそのまま透過させる。仮に、液晶層130の屈折率と誘電層140の屈折率とが異なっていても、液晶層140を垂直透過した大多数の光は屈折率が互いに異なる界面で波長の変移のみを起こすだけであり、光経路は変更されない。さらに、誘電層140が2以上の互いに異なる物質からなるとしても、これらが同一の屈折率を有すると、その界面で光経路は変更されない。2以上の屈折率を有する物質からなるとしても、光がその界面に垂直入射した場合、光経路は変更されない。したがって、図4に示すように、液晶レンズ1100に入射した光は、液晶層130と誘電層140とをそのまま通過する。
【0045】
図6は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第2モードの動作を示す概略図である。図7は、本発明の一実施形態による液晶レンズの第2モードで液晶層の水平方向位置ごとの屈折率を示すグラフである。
【0046】
図6及び図7を参照すると、液晶レンズ1100の第2モードは、液晶層130の液晶分子135が水平方向位置に応じて少なくとも部分的に異なる方位角を有するように配列するモードである。例えば、第1電極110と第2電極120とに互いに異なる電圧を印加し、第1電極110及び第2電極120の間に所定の電界を形成すると、第2モードが駆動されることとなる。第2モードにおいても、第1電極110の上面110aと第2電極120の下面120aとの間は、水平方向に沿って位置ごとの電界は同一である。しかし、液晶層130の観点からは、上下面(130_1、130_2)の電界が水平方向の位置ごとに異なる。
【0047】
より詳細に説明すると、第1電極110と第2電極120との間には、液晶層130及び誘電層140が存在する。液晶層130の下面(130_2)は、第1電極110と隣接するため、水平方向の位置に関係なく第1電圧がそのまま印加される。しかし、液晶層130の上面(130_1)は、第1電極110との間では液晶層130を介在し、第2電極120との間では誘電層140を介在する。液晶層130は、上面(130_1)と下面(130_2)との間で第1キャパシタンスを有する第1キャパシタを構成し、誘電層140は、上面(130_1)と下面(130_2)との間で第2キャパシタンスを有す第2キャパシタを構成する。等価回路上では、第1キャパシタと第2キャパシタとは、直列に連結する。なお、直列に連結された複数のキャパシタにかかる電圧は、各キャパシタのキャパシタンスの大きさ(C)に反比例し、エラスタンス(1/C)に比例する。
【0048】
液晶層130の上面(130_1)、すなわち誘電層の下面(140_2)には、第1電極110に印加される第1電圧と第2電極120に印加される第2電圧との間の値に該当する電圧が印加されるが、誘電層140のキャパシタンスが大きければ、相対的に誘電層140の上下面に印加される電圧の大きさが小さい。したがって、液晶層130上面(130_1)に印加される電圧は、相対的に第1電圧との差分が大きくなる。同様に、誘電層140のキャパシタンスが小さければ、液晶層130上面(130_1)に印加される電圧は相対的に第1電圧との差分が小さい。
【0049】
しかし、図3Aおよび図3Bを参照して説明したように、誘電層140は、水平方向に誘電率やキャパシタンスが異なるため、液晶層130の上面(130_1)に印加される電圧も異なる。誘電層140の誘電率が高い区間(キャパシタンスが大きい区間)では、液晶層の上面(130_1)に相対的に第1電圧との差異が大きい電圧が印加される。その結果、液晶層130の上下面(130_1、130_2)に印加される電界の大きさが大きくなる。誘電層140の誘電率が低い区間(キャパシタンスが小さい区間)では、液晶層130の上面(130_1)に相対的に第1電圧との差異が小さい電圧が印加されるため、液晶層130の上下面(130_1、130_2)に印加される電界のサイズが小さくなる。
【0050】
前述したように、本実施形態において液晶分子135は正の誘電率異方性を有するため、電界が大きいほど電界方向にさらに多く回転する。したがって、液晶分子135の配列は、図6に図示するように、誘電層140の誘電率が低い区間では液晶分子135が垂直方向に多く回転し、誘電層140の誘電率が高い区間では液晶分子135の回転が相対的に少ない。
【0051】
一方、液晶分子135は、屈折率に対しても異方性を有する。すなわち、液晶分子135は、光学的に長軸方向の光に対する常光線(ordinary ray)屈折率(n)と、短縮方向の光に対する異常光線(extraordinary ray)屈折率(n)という二つの種類の屈折率を有する。ここで、常光線屈折率(n)は、異常光線屈折率(n)より低くてもよい。例えば、液晶分子135の常光線屈折率(n)は約1.5であり、液晶分子135の異常光線屈折率(n)は約1.7であってもよい。
【0052】
したがって、液晶分子135が水平配列されていれば、光は、異常光線屈折率(n)の影響を受けるため、相対的に屈折率が高くなる。これに対し、液晶分子135が垂直方向に回転すると、光は相対的により小さい常光線屈折率(n)の影響を受けるため、相対的に屈折率がより低くなる。したがって、液晶層130の第1方向(X)の位置に応じた屈折率は、図7のような分布を示すこととなる。図7を図3Bと比べると、屈折率の分布のグラフは、キャパシタンスの逆数であるエラスタンスの分布のグラフと実質的に同一である。したがって、屈折率は、キャパシタンスが最小である水平地点で最大となる。
【0053】
光は、屈折率が均一な媒質内では直線進行するが、図7のように媒質内で屈折率が漸進的に変わるグリン(GRIN、Gradient Index)レンズ構造では、屈折率が低い媒質から屈折率が高い媒質側に光経路が曲がる。前記グリンレンズの構造及び動作原理については、米国特許第5、790、314号に開示されており、前記特許の開示内容は、本明細書に十分に開示されているため、援用して統合される。
【0054】
したがって、第2モードで液晶層130を通過する光は、高屈折率の媒質側に光経路が曲がり、図6のような光進行経路を示すこととなる。図6の光進行経路の変調は、凸レンズを通過した光進行経路と類似する。すなわち、第2モードでは、液晶レンズ1100の液晶層130は、別途の凸レンズがなくとも光を集光することができる。
【0055】
液晶層130を通過した光は、誘電層140の界面に到るが、液晶層130を通過しながら曲がった光は、誘電層140に対して所定入射角で入射する。誘電層140が液晶層130と実質的に同一屈折率を有する場合、光は、光経路の変化なく進行する。誘電層140が液晶層130と異なる屈折率を有する場合、界面で光は屈折する。仮に、誘電層140の屈折率が液晶層130より低ければ、スネルの法則に基づき、入射角よりより大きい角で屈折し、集光される焦点距離を減らす。逆に、誘電層140の屈折率が液晶層130より高ければ、その逆になることは自明である。
【0056】
第1電圧と第2電圧のサイズ(大きさ)は、第1モードと第2モードを決定するだけでなく、同一の第2モード内でも光変調特性を異なるように制御する。前述したように、第1電極110と第2電極120に同一電圧が印加されると、液晶レンズ1100は、第1モードとして駆動する。一方、第1電圧と第2電圧との差が非常に大きい場合にも、第1モードとして駆動することができる。例えば、極端な例として、第1電圧と第2電圧との差異が無限大であると仮定すると、液晶層130の上面(130_1)に印加される電圧が水平方向の位置に応じて異なったとしても、液晶層130の上面(130_1)の電圧と液晶層130の下面(130_2)の電圧差の絶対値が非常に大きいため、すべての液晶分子135が垂直方向に回転することができる。すなわち、液晶層130のすべての液晶分子135の方位角が90°であり、同一であるため、液晶層130を通過する光は水平方向の位置と関係がなくいずれも常光線の屈折率の影響を受ける。この場合、グリンレンズが構成されないため、光は液晶層130内で曲がらずに直進することとなる。
【0057】
一方、第1電圧と第2電圧が異なる値を有するが、その差異が非常に小さい場合には、液晶層130の上下面(130_1、130_2)に印加される電界の最大値が液晶分子135を回転させるための閾値電界レベルを超過しなければ、この場合にもすべての液晶分子130が水平配向を維持することができる。したがって、グリンレンズが構成されないため、光は液晶層130内で曲がらずに直進する。
【0058】
以上により、液晶レンズ130の第2モードを駆動する条件は、単に第1電圧と第2電圧が異なることで満たされるのではなく、第1電圧と第2電圧との差異が所定範囲内でなければならないことが分かる。すなわち、第1電圧と第2電圧との差異によって液晶層130の上下面(130_1、130_2)に印加される電界の最大値は、液晶分子135を回転させるための閾値電界レベルより大きくなければならず、同時に第1電圧と第2電圧との差異によって液晶層130の上下面(130_1、130_2)に印加される電界の最小値は、液晶分子135を垂直(方位角が90°)に回転させ得る電界より小さくなければならない。
【0059】
一方、液晶レンズ1100が第2モードで駆動されても、第1電圧及び第2電圧との差異により、屈折率の分布が異なる場合もある。すなわち、第1電圧及び第2電圧の差異は、図7に例示するグリンレンズの曲率を多様に制御する。これにより、互いに異なる焦点距離を調整できることは自明である。
【0060】
前記のような第1モードと第2モードとを駆動する詳細な条件や、第2モードの焦点距離制御方法などは、本技術分野の当業者であれば、以上で開示した内容を参照して誘電体の誘電率、液晶分子の種類などにより第1電圧と第2電圧を適切に調節することによって簡単に実現できるものである。そのため、本発明が曖昧になることを避けるために、具体的な例示は省略する。
【0061】
以上の実施形態では、液晶レンズ1100が2個の単位レンズ区間(L1、L2)を有するものを例示したが、3個以上の単位レンズ区間を有し得ることはもちろんであり、これは以下の実施形態でも同様である。
【0062】
以下、本発明の多様な実施形態による液晶レンズについて説明する。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態で、液晶レンズは、第1単位レンズ区間と第2単位レンズ区間とで互いに異なる光変調特性を有することができる。図8〜図11は、このような特性を有する液晶レンズを例示する。
【0064】
図8は、本発明の他の実施形態による液晶レンズの断面図である。図9は、図8の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【0065】
図8及び図9を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1101は、第1単位レンズ区間(L1)の誘電層140aの誘電率最小値を与える水平位置と、第2単位レンズ区間(L2)の誘電層140aの誘電率最小値を与える水平位置とが互いに異なる。すなわち、第1単位レンズ区間(L1)において誘電率の最小値は、P地点とP地点の中間地点を基準に右側に存在する。これに対し、第2単位レンズ区間(L2)において誘電率140の最小値は、P地点とP地点の中間地点を基準に左側に存在する。これにより、図8に図示するように、第1単位レンズ区間(L1)での光進行経路は、図6と比較すると、右側に偏ることに対し、第2単位レンズ区間(L2)での光進行経路は、相対的に左側に偏る。
【0066】
図10は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。図11は、図10の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【0067】
図10及び図11を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1102は、第1単位レンズ区間(L1)の誘電層140bの誘電率最大値と第2単位レンズ区間(L2)の誘電層140bの誘電率最大値とが互いに異なる。これにより、図11に図示するように第1単位レンズ区間(L1)の誘電層140bの誘電率のグラフ曲率が、第2単位レンズ区間の誘電層140bの誘電率のグラフ曲率より大きい。
【0068】
したがって、第1単位レンズ区間(L1)の誘電率変化量が大きく、これにより液晶層130上下面(130_1、130_2)に印加される電界の水平方向の変化率も、第1単位レンズ区間(L1)がより大きい。その結果、図10に図示するように、第2モード駆動時の第1単位レンズ区間(L1)の液晶分子135は、水平位置ごとの方位角の差異がさらに大きくなり、液晶分子135の屈折率の変化率も大きくなり、光進行経路が第2単位レンズ区間(L2)より、更に多く曲がるようになる。したがって、第1単位レンズ区間(L1)での光焦点距離が、第2単位レンズ区間(L2)での光焦点距離より短くなる。
【0069】
図面に図示していないが、本発明のいくつかの他の実施形態による液晶レンズの場合、第1単位レンズ区間の誘電層は、図3に例示されているように水平位置に応じて異なる誘電率を有するが、第2単位レンズ区間の誘電層は水平位置に関係なく同一誘電率を有し得る。この場合、液晶レンズの第1単位レンズ区間は、第2モードで凸レンズと類似の光変調特性を有するが、第2単位レンズ区間の場合、内部で光変調が行われない第1モードのみが駆動されるであろう。
【0070】
図12は、本発明の更に別の実施形態に係る液晶レンズの断面図である。図13は、図12の誘電層の位置ごとの誘電率を示すグラフである。
【0071】
図12及び図13を参照すると、本実施形態に係る液晶レンズ1103は、第1単位レンズ区間(L1)で誘電層140cの誘電率がP地点からP方向に向かうに従い増加してその後減少するという、上に凸の放物線形状グラフを描く。第2単位レンズ区間(L2)の場合も、実質的に同一のグラフを形成する。したがって、屈折率の分布は、下に凸のグラフを形成する。前述したように、グリンレンズ構造では、屈折率が低い媒質から屈折率が高い媒質側に光経路が曲がるため、図12の液晶層130は、第2モードであたかも凹レンズと類似の光進行経路の変調を誘発する。すなわち、第2モードで液晶レンズの液晶層130は、別途の凹レンズがなくても光を発散または拡散することができる。
【0072】
なお、以上で説明した実施形態は、相互多様に組み合わせてもよい。
【0073】
引き続き、水平方向に沿って誘電層の誘電率を異なるように調整する具体的な実施形態について説明する。以前の実施形態と同一の構成又は部材に対しては同一図面符号を付与し、その説明を省略又は簡略にするものとする。
【0074】
図14は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。図15は、図14の誘電層の位置ごとのエラスタンス(1/C)を示すグラフである。
【0075】
図14を参照すると、本実施形態による液晶レンズは、互いに対向する第1電極110及び第2電極120、第1電極110及び第2電極120間に配設された液晶層130及び誘電層141を含む。誘電層141は、第1サブ誘電層141a及び第2サブ誘電層141bを含む。
【0076】
第1電極110は、第1基板101上に形成されてもよい。第2電極120は、第2基板102上に形成されてもよい。第1基板101及び第2基板102は、透明基板であってもよい。例えば、第1基板101及び第2基板102は、透明なプラスチック基板、透明なガラス基板、又は、透明な石英基板等で形成されてもよい。いくつかの実施形態で、第1基板101及び第2基板102のうち少なくとも一つは、フレキシブル基板であってもよい。
【0077】
第1電極110上には、液晶層130が形成される。液晶層130の上面(130_1)と下面(130_2)とは、実質的に平坦である。更に、液晶層130の上面(130_1)及び下面(130_2)は、相互に平行であってもよい。図示していないが、第1電極110と液晶層130の下面(130_1)との間には、液晶層130内の液晶分子135を初期配向する第1配向膜が存在してもよい。
【0078】
液晶層130上には、誘電層141が形成される。液晶層130の上面(130_1)と誘電層141の下面(141_2)との間には、第2配向膜(図示せず)が存在してもよい。誘電層141の上面(141_1)と下面(141_2)とは、各々平坦であってもよく、さらには平行であってもよい。
【0079】
誘電層141は、第1サブ誘電層141a及び第2サブ誘電層141bを含む。第1サブ誘電層141aと第2サブ誘電層141bとは、互いに異なる誘電率を有する。例えば、第1サブ誘電層141aの誘電率はεであり、第2サブ誘電層141bの誘電率はεより大きいεであってもよい。
【0080】
またいくつかの実施形態において、第1サブ誘電層141aと第2サブ誘電層141bの屈折率は相互に同一であってもよい。第1サブ誘電層141aと第2サブ誘電層141bの誘電率が互いに異なるとしても、その屈折率が相互に同一であれば、第1サブ誘電層141aと第2サブ誘電層141bとの界面で光の入射角と関係なく光経路が屈折されないこともある。
【0081】
第1サブ誘電層141aの下面と上面との間の距離(換言すれば、第1サブ誘電層141a断面の高さ(d))は、水平方向の位置に応じて異なってもよい。例えば、第1サブ誘電層141aの下面は平坦であるが、第1サブ誘電層141aの上面が曲面で構成されると、水平方向の位置に応じて高さが異なる。例示的な第1サブ誘電層141aの形状は、その断面が半球形または凸レンズ形状である。図示していないが、第1サブ誘電層の形状が凹レンズ形状の場合もある。
【0082】
第1サブ誘電層141a上には、第2サブ誘電層141bが形成される。第2サブ誘電層141bは、第1サブ誘電層141aを完全に覆う形状で形成されてもよい。
【0083】
第1サブ誘電層141aの配列は、液晶レンズ1110を2以上の単位レンズ区間(L1、L2)に区分する基準になる。図14のように第1サブ誘電層141aが相互連結された凸レンズ形状の単位パターンが複数個配列された場合、各パターンに単位レンズ区間が付与され得る。第1サブ誘電層141aの各パターンが実質的に同一であれば、各単位レンズ区間の電気光学特性は実質的に同一であることは自明である。図14の断面図では、複数の凸レンズ形状のパターンが点(N)で連結されており、連結点(N)が液晶層130の上面(130_1)の真上に位置しているが、これとは異なって連結点(N)が液晶層130の上面(130_1)から離隔して位置し、各凸パターンの下段部が面に連結されていても同一である。
【0084】
一方、一つの単位レンズ区間(L1、L2)内で、誘電層141の上下面(141_1、141_2)の間のキャパシタンスは、水平位置に応じて異なる。各水平位置での第1サブ誘電層141aの高さをdとし、第2サブ誘電層141bの高さをdとし、全体誘電層141の上下面(141_1、141_2)が平坦でかつ平行であると仮定すると、次の等式(式1)が成立する。
【0085】
D=d+d ・・・(式1)
【0086】
ここで、前記式1において、Dは、全体誘電層141の上下面(141_1、141_2)の間の距離であり、定数である。
【0087】
各水平位置での誘電層141の上下面(141_1、141_2)の間のエラスタンス(1/C)は、次の式2によって求めることができる。
【0088】
1/C=1/C+1/C=(d/εS)+(d/εS) ・・・(式2)
【0089】
ここで、前記式2において、Cは第1サブ誘電層141aのキャパシタンスを示し、Cは第2サブ誘電層141bのキャパシタンスを示し、Sは断面積を示す。
【0090】
前記式1と式2を利用すると、以下の式3が導出される。
【0091】
1/C=(dε+dε)/εεS={(ε−ε)d+Dε}/εε
・・・(式3)
【0092】
前記式3において、ε、ε、D、Sは、いずれも定数として取り扱われ得るため、誘電層141のキャパシタンス(C)およびエラスタンス(1/C)は、第1サブ誘電層141aの高さ(d)に応じて変化することが分かる。εがεより大きければ(ε−ε)は正数であるため、誘電層141のエラスタンス(1/C)は、第1サブ誘電層141aの高さ(d)が大きいほど大きくなる。
【0093】
したがって、図14に図示する液晶レンズ1110において、誘電層141のエラスタンス(1/C)のグラフは、図15のように第1サブ誘電層141aのパターンと類似のパターンで描かれる。これは、図3bで説明した図2の液晶レンズ誘電層140の位置ごとのエラスタンス(1/C)の分布グラフと類似する。したがって、図14の液晶レンズ1110も、図2に示す液晶レンズ1100と実質的に同一な電気、光学的特性を示すものであることを、簡単に理解することができる。
【0094】
本実施形態では、εがεより大きい場合を例にあげたが、同一構造でεがεより小さい場合もある。このような場合には、上記式2から次のような式4が導出される。
【0095】
1/C=(dε+dε)/εεS={(ε−ε)d+Dε}/εε
・・・(式4)
【0096】
前記式4において、ε、ε、D、Sは、すべて定数として取り扱われ得るため、誘電層141のキャパシタンス(C)およびエラスタンス(1/C)は、第2サブ誘電層141bの高さ(d)に応じて変化することが分かる。εがεより大きいので(ε−ε)は正数である。したがって、誘電層141のキャパシタンスの逆数であるエラスタンス(1/C)は、第2サブ誘電層141bの高さ(d)が大きいほど大きくなる。しかし、前記式1において、dとdの和は一定であるため、dが大きくなるほどdは小さくなる。したがって、誘電層141のエラスタンス(1/C)は、第1サブ誘電層141aの高さ(d)が小さいほど大きくなる。
【0097】
したがって、本実施形態でεがεより大きければ、液晶レンズ1110の誘電層141のエラスタンス(1/C)のグラフは、図3bで説明した図2の液晶レンズ誘電層140のエラスタンス(1/C)の分布グラフを逆さにしたのと類似に図示されるであろう。この場合、液晶レンズ1110は、図12の液晶レンズ1103と実質的に同一な電気、光学的特性を示すものであることを、簡単に予想できる。
【0098】
図16は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0099】
図16を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1111は、第1サブ誘電層142aの上面が部分的に曲面で構成されるが、一部は平坦面を有するように構成され、第2サブ誘電層142bは、第1サブ誘電層142aを部分的に覆うが、第1サブ誘電層142aの平坦面は覆わない構造で形成される点が、図14の実施形態と異なる。また、第2サブ誘電層142bの上面は平坦面で構成されるが、第1サブ誘電層142aの平坦な上面領域では断絶されている。したがって、誘電層142の上面(142_1)の構成要素は、第2サブ誘電層142bの平坦な上面だけではなく、第1サブ誘電層142aの平坦な上面を共に含む。誘電層142の下面(142_2)は、第2サブ誘電層142bの下面で構成される。
【0100】
第1サブ誘電層142aの上面が曲面を構成する第1区間(CS)で、誘電層142のエラスタンス(1/C)の分布は、図14の実施形態と実質的に同一である。これに対し、第1サブ誘電層142aの上面が平坦面を成す第2区間(PS)は、第2サブ誘電層142bは存在せず、第1サブ誘電層142aのみが存在する。また、第2区間(PS)での第1サブ誘電層142aの高さも一定であるため、この第2区間(PS)の誘電層142全体のキャパシタンス(C)は、同一になる。したがって、εがεより大きいという仮定のもとで、本実施形態の誘電層142のエラスタンス(1/C)グラフは、第1区間(CS)では上に凸の曲線を描くが、第2区間(PS)では区間軸に平行な直線形態になる。
【0101】
このようなエラスタンス(1/C)分布を有する場合、少なくとも第1区間(CS)では液晶層130に印加される電界が水平位置ごとに異なるため、第2モード駆動時の水平位置ごとの液晶分子135は、異なる方位角を有するように配列される。したがって、少なくとも第1区間(CS)ではグリンレンズ構造が形成されるため、凸レンズと類似の光学特性を示すことができる。
【0102】
一方、第2区間(PS)は、液晶層130に印加される電界が水平位置ごとに同一である。したがって、液晶層130の電界は、第2区間全体にかけて液晶分子135の方位角を同一に維持させようとする。ただし、液晶分子135の方位角は該当電界だけではなく、隣接する液晶分子135の方位角や隣接する電界からも影響を受け得る。
【0103】
例えば、順次に隣接する第1〜第3水平地点で液晶分子135が各々初期配向角0°で配置されており、第1水平地点の液晶分子135は電界によって20°の方位角を有するように設計されており、第2水平地点及び第3水平地点での液晶分子135は電界によって10°の方位角を有するように設計されていると仮定する。この場合、第2水平地点の液晶分子135がたとえ電界によっては10°だけ回転するようになっているとしても、隣接する第1水平地点液晶分子135の回転によって物理的に影響を受けることとなり、その結果、第2水平地点の液晶分子135は、20°よりは小さいが10°よりは大きい方位角で回転することができる。したがって、設計された電界によれば、方位角が水平方向に沿って階段式に急激に変わる場合でも、液晶分子135が隣接する他の液晶分子135の回転によって影響を受けると、方位角のサイズが緩やかに変更され得る。このような現象は、隣接する電界の影響によっても発生し得る。
【0104】
図16の実施形態でも、前記のような液晶分子135や隣接する電界の影響によって、第1区間(CS)と第2区間(PS)の境界部では、誘電率分布より実際の液晶分子135の方位角の大きさが、緩やかに変更される場合もある。水平方向に液晶分子135の方位角が変化すると、前述したグリン構造がよりうまく生成され、誘電層142内で光の進行方向が曲がるようにすることに有用である。
【0105】
図17は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0106】
図17を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1112は、図14の実施形態と比較すると、誘電層143の構造が上下逆になっている点が異なる。すなわち、第1サブ誘電層143aは上面が平坦であり、下面が曲面構造を成す断面が凸レンズの形状で形成される。第2サブ誘電層143bは、第1サブ誘電層143aの下方で第1サブ誘電層143aを覆う。図17の誘電層143構造でも、水平方向に沿って異なる誘電率が実現されるため、液晶レンズ1112は水平方向に沿って異なる屈折率を有するグリン構造を形成する。ここで、第1サブ誘電層143aの誘電率はεであり、第2サブ誘電層143bの誘電率はεより大きいεである場合、本実施形態の液晶レンズ1112は、水平方向誘電層143のエラスタンス(1/C)の分布が図15とは逆に下に凸の放物線グラフを描くことはもちろんである。
【0107】
図18は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0108】
図18を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1113は、第1サブ誘電層144aの断面が梯形形状(台形形状)の場合を例示する。梯形形状は、互いに平行となるように対向する第1辺(144a_1)及び第2辺(144a_2)と、この2つの辺の間を連結する斜線部(144a_3)を含む。
【0109】
斜線部(144a_3)を含む区間(AS)では、図17と同様に第1サブ誘電層144aと第2サブ誘電層144bとを含む全体誘電層144のキャパシタンス(C)が、水平位置ごとに異なる。曲面を成してはいないが、この区間(AS)でキャパシタンス(C)の差異による液晶分子135の方位角が異なるように配列され、液晶レンズの屈折率変化を誘導する。したがって、グリンレンズ構造が形成されるため、光経路を曲げるようにする光学的レンズとして作用することができる。
【0110】
一方、第1辺(144a_1)が含まれた区間(AS)では、第1サブ誘電層144aの高さ(d)と第2サブ誘電層144bの高さ(d)が一定であるため、同一の全体誘電率及びキャパシタンス(C)を示す。したがって、液晶層130の電界は、第1辺(144a_1)が含まれた区間(AS)全体にかけて液晶分子135の方位角を同一に維持させようとすると考えられる。ただし、図16を参照して説明したように、液晶分子135の方位角は該当電界だけではなく、隣接する液晶分子135の方位角や隣接する電界からも影響を受け得るため、この区間(AS)でも液晶分子135方位角のサイズが緩やかに変化し得るため、グリンレンズ構造が形成されることができる。
【0111】
図18の実施形態は、また、第1サブ誘電層144aが互いに離隔して分離された複数の単位パターンを含む場合を例示する。第1サブ誘電層144aの各単位パターンは、第2サブ誘電層144bによって囲まれている。
【0112】
第1サブ誘電層144aの単位パターンが相互に分離しているため、水平方向に第1サブ誘電層144aが存在することなく第2サブ誘電層144bのみが存在する区間(BS)が存在する。ここで、第2サブ誘電層144bのみが存在する区間(BS)は、誘電率が同一であり、これによりキャパシタンス(C)も同一である。したがって、同区間(BS)での液晶層130の電界は、液晶分子135を同一方位角で維持させようとすると考えられる。ただし、図16を参照して説明したように、液晶分子135の方位角は該当電界だけではなく、隣接する液晶分子135の方位角や隣接する電界からも影響を受け得るため、この区間(BS)でも液晶分子135方位角のサイズが緩やかに変化することができる。
【0113】
第2サブ誘電層144bのみが存在する区間(BS)の左右には、第1サブ誘電層144aの単位パターンが各々配置される。左右に位置する第1サブ誘電層144aの単位パターンが同一形状であれば、第2サブ誘電層144bのみが存在する区間(BS)での液晶分子135の方位角は、同区間(BS)の中心(CP)から実質的に対称に分布する。したがって、液晶レンズ1113は、第2サブ誘電層144bのみが存在する区間(BS)の中心を境界にし、互いに異なる単位レンズ区間(L1、L2)に区分され得る。
【0114】
結局、本実施形態による液晶レンズ1113の第2モードでの屈折率分布は、区間ごとに屈折率変化率の差異はあるが、全体的に図17の液晶レンズ1112と実質的に類似する。したがって、所定のグリンレンズとして動作することができる。
【0115】
図19は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0116】
図19を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1114は、第1サブ誘電層145aの断面形状が長方形の点で、図18の実施形態と異なる。長方形は、互いに平行に対向する第1辺(145a_1)及び第2辺(145a_2)を含むことは台形と同様であるが、この2つの辺の間を連結する辺が斜めではなく、第1辺(145a_1)及び第2辺(145a_2)に対して垂直な辺(145a_3)である点が異なる。
【0117】
したがって、液晶層130は、第1サブ誘電層145aが形成されている区間(AS)では第1サブ誘電層145aの高さ(d)と第2サブ誘電層(d)の高さが同一であるため、同一の全体誘電率及びキャパシタンス(C)を示す。第1サブ誘電層145aが存在しない区間(BS)は、前記の区間(AS)とは異なるが区間(BS)にかけては同一な全体誘電率及びキャパシタンス(C)を示す。すなわち、第1サブ誘電層145aの第1辺(145a_1)及び第2辺(145a_2)に垂直な辺(145a_3)を境界とし、全体誘電率及びキャパシタンス(C)が急激に変わり、その他の地点では、全体誘電率及びキャパシタンス(C)の変化はない。
【0118】
ただし、この場合にも図16を参照して説明したように、液晶分子135の方位角が該当電界だけではなく、隣接する液晶分子135の方位角や隣接する電界からも影響を受け得る。したがって、第1サブ誘電層145aの第1辺(145a_1)および第2辺(145a_2)に垂直した線(145a_3)を中心に、液晶分子135方位角が緩やかに変化し得、グリンレンズ構造が形成されることができる。
【0119】
図20は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0120】
図20を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1115は、第1サブ誘電層146aの形状は図19の実施形態と同一であるが、第1サブ誘電層146aが第2サブ誘電層146b内に埋もれて配置されている点が、図19の実施形態とは異なる。
【0121】
本実施形態において、第1サブ誘電層146aの配置に差異があるにもかかわらず、第1サブ誘電層146aを含む区間(AS)での第1サブ誘電層146aの高さ(d)は、図19の第1サブ誘電層145aの高さ(d)と同一である。また、同区間(AS)で第2サブ誘電体146bの高さの総合は、図19の第2サブ誘電体(145b)の高さと同一である。したがって、誘電層146の全体誘電率及びキャパシタンス(C)は図19と実質的に同一であり、これにより同一方式で動作することが簡単に分かる。
【0122】
図21は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0123】
図21を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1116の誘電層147は、誘電層の媒質147b及び当該媒質147に含まれたドーパント147aを含む。ドーパント147aは、誘電層の媒質147b内で水平位置に応じて異なる密度分布を有する。
【0124】
誘電層147の誘電率は、誘電層の媒質147b自らの誘電率だけでなく、媒質に含まれるドーパント147aの含有量及びドーパント147aの誘電率によっても影響を受ける。例えば、ドーパント147aとして導電性物質を使用する場合、ドーパント147aの含有量が多いほど、誘電層の媒質147bの誘電率に対する誘電層147の誘電率が小さくなる。ドーパント147aの誘電率が誘電層の媒質147bの誘電率より高い場合、誘電層147の誘電率は、誘電層の媒質147bの誘電率に対して大きくなる。
【0125】
ドーパント147aによる誘電率変化は、ドーパント147aの含有量が増加するほどより大きくなる。したがって、ドーパント147aの含有量が水平位置に応じて異なれば、誘電層147の水平位置ごとに他の誘電率を実現することができる。ドーパント147aの誘電率と含有量及び分布を制御すると、以前に例示された多様な実施形態と実質的に同一の水平方向誘電率分布を有する誘電層147を形成することができる。
【0126】
図22は、図21に示す誘電層製造の例示的な一方法を説明するための断面図である。図22を参照すると、第2基板102上に第2電極120を形成し、その上に誘電層の媒質147bを形成した後、マスク310を介してドーパント147aをイオン注入する。マスク310のオープン部312を介して誘電層の媒質147bに注入されたドーパント147aは、熱処理などを経て拡散する。このとき、熱処理時間などを調整すると、周辺への拡散程度を制御することができ、これにより水平方向への誘電層147内のドーパント147aの密度分布を制御することができる。
【0127】
図23は、図21の誘電層製造の例示的な他の方法を説明するための断面図である。図23を参照すると、第2基板102上に第2電極120を形成し、その上に誘電層の媒質147bを形成した後、誘電層の媒質147b上にマスクパターン320を形成する。マスクパターン320はオープン部を露出するかまたは少なくとも水平方向により高さが異なる形状で形成する。マスクパターンは、例えばフォトレジストで形成され得る。
【0128】
次に、ドーパント147aをイオン注入する。このとき、ドーパント147aの含有量及び/又は注入エネルギーを調節すると、ドーパント147aの注入の深さを制御することができる。ドーパント147aの注入深さをマスクパターン320の最大高さより小さく設計すると、水平方向ごとに互いに異なるドーパント147aの密度分布を制御することができる。
【0129】
図24は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0130】
図24を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1117は、第1サブ誘電層148aが第3サブ誘電層148cを覆っている点で、図14の実施形態と異なる。したがって、誘電層148は、水平位置ごとに第1サブ誘電層148aと第2サブ誘電層148bとを含む区間も有するが、第1サブ誘電層148a、第2サブ誘電層148b及び第3サブ誘電層148cをすべて含む区間も有しており、この区間での誘電層148の誘電率は、3個のサブ誘電層(148a、148b、148c)の誘電率及び該当高さを共に考慮する。
【0131】
このように、サブ誘電層(148a、148b、148c)の数が増加すると、多様な誘電率の組み合わせを実現できるため、誘電層148の誘電率分布の微細チューニングに有利である。
【0132】
図25は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0133】
図25を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1118は、第1サブ誘電層149a並びに第2サブ誘電層149bの形状及び相対的な配置は、図14の実施形態と実質的に同一であるが、第1サブ誘電層149aと第2サブ誘電層149bの下方に、上下面が平坦でありかつ平行な第3サブ誘電層149cを含む点が、図14の実施形態と異なる。水平位置での誘電層149の全体誘電率及びキャパシタンス(C)は、第1サブ誘電層149a及び第2サブ誘電層149bだけではなく、第3サブ誘電層149cの誘電率及び高さによって影響を受ける。但し、第3サブ誘電層149cは水平位置別の高さが同一であるため、実質的な水平位置での誘電率の分布は、図15と類似する。本実施形態では、第1サブ誘電層149a及び第2サブ誘電層149bの下に第3サブ誘電層149cが形成される場合を例示しているが、第3サブ誘電層149cが第1サブ誘電層149a及び第2サブ誘電層149bの上に積層されてもよく、下方及び上方共に積層されてもよい。
【0134】
図26は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0135】
図26を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1119は、誘電層150が第1サブ誘電層150a及び第2サブ誘電層150bだけではなく、その上に第3サブ誘電層150c及び第4サブ誘電層150dをさらに含む点が、図14の実施形態と異なる。第1サブ誘電層150a並びに第2サブ誘電層150bの形状及び配置は、図14と実質的に同一である。第3サブ誘電層150c並びに第4サブ誘電層150dの形状及び配置は、第1サブ誘電層150a並びに第2サブ誘電層150bの形状及び配置と実質的に同一である。すなわち、図26の実施形態は、図14の誘電層141を2層で積層した形態を例示する。したがって、図14の液晶レンズ1110より実質的に同一な屈折率分布を有するが、屈折率変化量の勾配がより大きいグリンレンズを構成することができる。一方、第3サブ誘電層150c及び第4サブ誘電層150dの誘電率は、第1サブ誘電層150a及び第2サブ誘電層150bの誘電率と各々同一な場合もあり、異なる場合もある。
【0136】
図27及び図28は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0137】
図27の液晶レンズ1120は、第3サブ誘電層151cの単位パターンのサイズ及びピッチが、第1サブ誘電層151aより小さい場合を例示する。具体的には、第3サブ誘電層151cの単位パターンのサイズ及びピッチが、第1サブ誘電層151aの半分の例である。このような構造は、誘電層151の全体誘電率をより細密に制御するのに有利である。符号151b及び151dは、各々第2サブ誘電層及び第4サブ誘電層を指し示すものである。
【0138】
図28の液晶レンズ1121は、第3サブ誘電層152cの単位パターンが第1サブ誘電層152aとサイズは同一であるが交錯配列(千鳥配列)を有する場合を例示する。このような構造によって、より多様な誘電率分布の制御が可能になる。符号152b及び152dは、各々第2サブ誘電層および第4サブ誘電層を指し示すものである。
【0139】
図29は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0140】
図29を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1122は、第3サブ誘電層153c及び第4サブ誘電層153dが液晶層130の下に形成されている点が、図26の実施形態と異なる。第1電極110は、第3サブ誘電層153c及び第4サブ誘電層153dの下に配置される。第1サブ誘電層153a及び第2サブ誘電層153bは、図26と実質的に同一である。したがって、本実施形態の電気光学的構造は、図26と実質的に同一であるため、これと実質的に類似であるグリンレンズを実現することができる。
【0141】
図26〜図29の実施形態では、第1サブ誘電層と第3サブ誘電層の単位パターンがいずれも上に凸の曲面を有する場合を例示したが、第1サブ誘電層と第3サブ誘電層の単位パターンのうち少なくとも一つ、さらにはすべてが、図17の実施形態のように下に凸の曲面を有し得ることはもちろんである。
【0142】
図30は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0143】
図30を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1123は、第2電極121が誘電層154と液晶層130上に配置されず、誘電層154内に、具体的には、第1サブ誘電層154aと第2サブ誘電層154bとの間に配置される点が、図17の実施形態と異なる。第1サブ誘電層154aの上面が曲面を成すため、第1サブ誘電層154aの上面にコンフォーマル(conformal)に形成される第2電極121も曲面を成すように形成され得る。第2電極121と液晶層130の上面(130_1)との間には、第2サブ誘電層154bが存在することなく第1サブ誘電層154aのみが存在する。
【0144】
第1サブ誘電層154aの誘電率が水平方向に沿って同一であっても、第1サブ誘電層154aの高さ(d)は水平方向に沿って異なる。したがって、水平方向ごとに異なるエラスタンス(1/C)の分布を有する。すなわち、第1サブ誘電層154aの高さ(d)が最も低い区間はエラスタンス(1/C)値も最も小さいが、その高さが増加するほどエラスタンス(1/C)値も大きくなる。したがって、水平方向に沿って液晶層130の上面(130_1)に印加される電圧も異なることが分かる。その結果、第2モード駆動時、水平方向ごとに液晶分子135の方位角が異なり、グリンレンズ構造を実現することができる。
【0145】
本実施形態で第2サブ誘電層154bの誘電率は、液晶層130に印加される電界に影響を与えない。したがって、第2サブ誘電層154bは省略されてもよい。
【0146】
図31は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0147】
図31を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1124は、液晶層130の下に、上面が曲面である第3サブ誘電層155cと、第3サブ誘電層155cを覆う第4サブ誘電層155dとが配置され、かつ、第1電極111が第3サブ誘電層155cと第4サブ誘電層155dとの間に形成されている点が、図30の実施形態と異なる。第3サブ誘電層155c、第4サブ誘電層155d及び第1電極111は、液晶層130の下で第1サブ誘電層155a、第2サブ誘電層155b及び第2電極121と実質的に同一な形状及び配列で配置されてもよい。
【0148】
本実施形態では、水平方向に沿って液晶層130の上面(130_1)だけではなく、下面(130_2)に印加される電圧も異なってもよい。したがって、液晶層130の上下面(130_1、130_2)に形成される電界の差異が倍になり得て、これによりグリンレンズ構造の実現が容易になる。
【0149】
図32は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの断面図である。
【0150】
図32を参照すると、本実施形態による液晶レンズ1125は、第2電極120の上、具体的には、第2基板102上に光学レンズ160をさらに含む点が、図14の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態による液晶レンズ1125は、図14の液晶レンズ1110上に断面が凸レンズ形状である光学レンズ160を積層した構造を例示する。光学レンズ160の単位レンズは、第1サブ誘電層141aの単一パターンと実質的に同一なピッチで配列されてもよい。光学レンズ160の光変調特性は、液晶層130などによって実現されるグリンレンズ構造と組み合わせて光経路を変調することができる。例えば、グリンレンズが集光特性を示す場合、凸レンズは焦点距離をさらに短くすることができる。仮に、グリンレンズが発散特性を示す場合、凸レンズの集光特性がこれを相殺することによって、光の発散や集光程度を緩和できる。さらに、発散及び集光が正確に相殺されるように制御されると、グリンレンズを介して発散された光が直進するように経路を変更することができる。適用される光学レンズ160が凹レンズであれば、これと反対の効果があることは自明である。
【0151】
より多様な光制御のため、光学レンズ160の単位レンズのサイズやピッチを、第1サブ誘電層141aの単位パターンのサイズやピッチと異なるように設計することができる。本発明の他のいくつかの実施形態で、光学レンズ160は第1電極110の下、例えば第1基板101の下に配置されてもよい。
【0152】
図33は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの斜視図である。
【0153】
図33の実施形態による液晶レンズ1127は、誘電層156が、第1方向(X)及び第2方向(Y)に直交する第3方向(Z)に沿って実質的に同一パターンを維持している場合を例示する。すなわち、本実施形態で第1サブ誘電層156aは、第3方向(Z)に沿って延長されたレンティキュラタイプで形成される。したがって、あたかもレンティキュラレンズの場合のように、第3方向(Z)に沿って液晶レンズの光変調特性も均一に維持することができる。符号156bは、第2サブ誘電層である。
【0154】
図34は、本発明の更に別の実施形態による液晶レンズの斜視図である。
【0155】
図34の実施形態による液晶レンズ1128は、誘電層157が第1方向(X)及び第2方向(Y)に直交する第3方向(Z)に沿ってパターンが変わる場合を例示する。すなわち、本実施形態で、第3方向(Z)に沿っても複数の単位パターンが配列される。第1サブ誘電層157aは、マイクロレンズタイプで形成される。したがって、実質的にマイクロレンズと類似の光変調特性を有すことがわかる。符号157bは、第2サブ誘電層である。
【0156】
図33及び図34の実施形態は、前記の断面図を例にあげて説明した多様な実施形態と組み合わせて適用されてもよい。
【0157】
以上で説明した液晶レンズは、図1を参照して説明したように、光提供装置と共に表示装置を構成することができる。のみならず、光経路を自在に変更および制御できるため、太陽電池、イメージセンサなど光を利用した多様な素子にも適用することができる。
【0158】
以下では、液晶レンズが表示パネルと共に使用され、2D/3Dスイッチングが可能なディスプレイを実現する具体的な例を詳細に説明する。
【0159】
図35は、本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。図36は、第2モードにおける表示装置の例示的な動作を説明するための断面図である。図35及び図36は、液晶レンズとして図14の実施形態による液晶レンズを採用し、光提供装置として液晶表示パネルを適用した例を図示する。
【0160】
図35及び図36を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置300は、液晶表示パネル200及び液晶レンズ1110を含む。
【0161】
液晶表示パネル200は、互いに対向する下部基板210及び上部基板220、並びにこれらの間に配設された液晶分子層230を含む。
【0162】
下部基板210上には、マトリックス形態で配列されるように定義された複数の画素領域(PA1−PA12)ごとに画素電極211が形成されている。画素電極211は、薄膜トランジスタのようなスイッチング素子に接続し、個別的に画素電圧の印加を受ける。
【0163】
上部基板220の下には、画素電極211と対向する共通電極224が配置されている。上部基板220には、画素領域(PA1−PA12)別に対応してR、GおよびBカラーフィルタ221が配置されてもよい。画素領域(PA1−PA12)の境界には、ブラックマトリックス222が形成されてもよい。カラーフィルタ221及び共通電極224の間には、平坦化膜223が存在してもよい。
【0164】
下部基板210と上部基板220との間には、液晶分子層230が存在する。液晶分子層230の液晶分子235は、画素電極211と共通電極224との間に形成される電界によって回転して、液晶表示パネル200の透過率を制御する。
【0165】
下部基板210及び上部基板220の外側には、各々偏光板(図示せず)を取り付けてもよい。いくつかの実施形態で、液晶レンズ1110の第1基板101の外側面にも、偏光板(図示せず)を取り付けてもよい。この場合、上部基板220上の偏光板は省略してもよい。
【0166】
液晶表示パネル200の下側には、バックライトアセンブリ(図示せず)が配置されてもよい。
【0167】
液晶表示パネル200上には、液晶レンズ1110が配置される。図面では液晶レンズ1110が液晶表示パネル200と離隔して配置された例を図示しているが、これに制限されるものではなく、液晶レンズ1110が液晶表示パネル200に取り付けられてもよい。
【0168】
液晶レンズ1110の各単位レンズ区間(L1、L2)は、液晶表示パネル200の複数の画素領域(PA1−PA12)に対応するように配置されてもよい。図35は、6個の画素領域と一つの単位レンズ区間が相互対応する場合を例示する。すなわち、一つの単位レンズ区間の幅内にR、G、B、R、G、Bの6個の画素領域が配列される。
【0169】
このような表示装置で、液晶レンズ1110を第1モードで駆動すると、液晶レンズ1110が光経路を特別に変調させないため、表示装置300は2次元映像を表示することができる。これに対し、液晶レンズ1110を第2モードで駆動すると、表示装置300は3次元映像を表示することができる。より詳細な説明のため、図36を参照する。
【0170】
図36は第2モードにおける表示装置の例示的な動作を説明するための断面図である。
【0171】
図36を参照すると、第2モードにおける液晶レンズ1110の光学特性は、図14及び図15を参照して説明したように凸レンズの光学特性と類似する。したがって、各単位レンズ区間(L1、L2)の中央部を基準に左側に配列されたR、G、B3個の画素領域から単位レンズ区間に入射された光はあたかも凸レンズの左側領域を通過するように光経路が変調するため、右側方向に曲がって行く。これに対し、各単位レンズ区間の中央部を基準に右側に配列されたR、G、B3個の画素領域から単位レンズ区間に入射された光はあたかも凸レンズの右側領域を通過するように光経路が変調するため、左側方向に曲がって行く。前記光が各々観察者の左眼(E1)及び右眼(E2)に入力されると、観察者は3次元映像を認識することができる。
【0172】
図35及び図36の実施形態では、一つの単位レンズ区間の幅内に6個の画素領域を配列することを例示したが、一つの単位レンズ区間の幅内にさらに多い画素領域を配列してもよく、この場合、多視点3次元映像駆動が可能になる。また、前述したように液晶レンズの第1電極及び第2電極に印加される電圧を調節すると、液晶レンズの焦点距離を変えることができるため、3次元視聴が可能な視点の距離を調節することができる。例えば、観察者がリモコンを介して表示装置に視点転換モードを作動させ、その応答として液晶レンズの第1電極及び第2電極に印加される電圧が順次に変わり、視点が前後方に移動するようにすると、簡単に3次元映像視聴可能視点を見つけることができる。
【0173】
本発明の他のいくつかの実施形態で、液晶表示パネルの共通電極に印加される共通電圧は、液晶レンズの第1電極に印加される第1電圧又は第2電極に印加される第2電圧と同一であってもよい。この場合、駆動回路がシンプルになる。
【0174】
また、本発明の他のいくつかの実施形態で、液晶表示パネルの上部基板は、液晶レンズの第1基板と共有してもよい。したがって、液晶表示パネルの上部基板及び液晶レンズの第1基板のうちいずれか一つは、省略してもよい。さらに、液晶表示パネルの共通電極と液晶レンズの第1電極のうちいずれか一つを省略して共有してもよい。
【0175】
図35及び図36の実施形態では、光提供装置として液晶表示パネル200を適用したのを例示したが、前述したように、OLED、LED、無機EL、FED、SED、PDP、CRT、電気泳動表示装置などを適用してもよい。これについての実施形態は当業者であれば、図35及び図36の実施形態から簡単に類推できるものであるため、本発明が曖昧になることを避けるために、具体的な説明を省略する。
【0176】
また、図35及び図36の実施形態では、液晶レンズとして図14の実施形態による液晶レンズ1110を採用した場合を例示したが、その他の本発明の多様な実施形態による液晶レンズを適用できることは自明である。
【0177】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0178】
110 第1電極
120 第2電極
130 液晶層
135 液晶分子
140 誘電層
1100 液晶レンズ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、
前記第2電極と前記液晶層との間に配設された誘電層と、
を含み、
前記誘電層は、前記誘電層の上面及び下面間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む
ことを特徴とする、液晶レンズ。
【請求項2】
前記水平方向に対する前記誘電層の上面及び下面間のキャパシタンスの分布は、上に凸形状又は下に凸形状の放物線形状である
ことを特徴とする、請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項3】
前記誘電層は上下面が平坦である
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の液晶レンズ。
【請求項4】
前記液晶レンズは、第1光変調特性を示す第1単位レンズ区間及び第2光変調特性を示す第2単位レンズ区間を含む
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項5】
前記第1光変調特性及び前記第2光変調特性は、互いに同一のものである
ことを特徴とする、請求項4に記載の液晶レンズ。
【請求項6】
前記液晶レンズは、複数の単位レンズ区間を含み、
前記誘電層は、それぞれの前記単位レンズ区間ごとに前記上面及び前記下面間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項7】
前記単位レンズ区間ごとに、前記水平方向のそれぞれ同一の位置に応じた前記誘電層の上面及び下面間のキャパシタンスの分布が互いに同一である
ことを特徴とする、請求項6に記載の液晶レンズ。
【請求項8】
前記第1電極及び前記第2電極に互いに異なる電圧が印加されると、前記各単位レンズ区間の液晶層は、各々グリンレンズ構造を形成する
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の液晶レンズ。
【請求項9】
前記第1電極及び第2電極は、各々全面電極である
ことを特徴とする、請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項10】
前記第1電極及び前記第2電極は、互いに平行になるように配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項11】
前記誘電層は、誘電層の媒質と、前記誘電層の媒質内の水平位置に応じて密度分布が異なるドーパントと、を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の液晶レンズ。
【請求項12】
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極および前記第2電極間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、
前記第2電極と前記液晶層との間に配設され、第1誘電率を有する第1サブ誘電層及び当該第1誘電率と異なる第2誘電率を有する第2サブ誘電層を含む誘電層と、
を備え、
前記誘電層は、前記水平方向に沿って前記第1サブ誘電層と前記第2サブ誘電層のうち少なくとも一つの高さが変化する区間を含む
ことを特徴とする、液晶レンズ。
【請求項13】
水平方向に沿って前記第1サブ誘電層の高さ及び前記第2サブ誘電層の高さの和が一定である
ことを特徴とする、請求項12に記載の液晶レンズ。
【請求項14】
前記第1サブ誘電層の屈折率及び前記第2サブ誘電層の屈折率は同一である
ことを特徴とする、請求項12又は13に記載の液晶レンズ。
【請求項15】
前記第1サブ誘電層は、相互に連結された複数個の単位パターンを含む
ことを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項16】
前記複数の単位パターンのうち少なくとも一つは、当該単位パターンの断面が曲線部を有する
ことを特徴とする、請求項15に記載の液晶レンズ。
【請求項17】
前記第1サブ誘電層は、相互に離隔した複数個の単位パターンを含む
ことを特徴とする、請求項12〜16のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項18】
前記第1サブ誘電層の各単位パターンは、前記第2サブ誘電層によって囲まれている
ことを特徴とする、請求項17に記載の液晶レンズ。
【請求項19】
前記第1サブ誘電層の複数の単位パターンのうち少なくとも一つは、当該単位パターンの断面が半球形、台形、凸レンズ又は凹レンズ形状である
ことを特徴とする、請求項18に記載の液晶レンズ。
【請求項20】
前記誘電層は、上下面が平坦である
ことを特徴とする、請求項12〜19のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項21】
前記第1電極及び第2電極は、各々全面電極である
ことを特徴とする、請求項12〜20のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項22】
前記第1電極及び前記第2電極は、相互に平行になるように配置されている
ことを特徴とする、請求項21に記載の液晶レンズ。
【請求項23】
前記第1電極の下、又は、前記第2電極の上に配置された光学レンズをさらに含む
ことを特徴とする、請求項12〜22のいずれか1項に記載の液晶レンズ。
【請求項24】
第1電極と、
前記第1電極上に形成されて上下面が平坦な液晶層と、
前記液晶層上に形成され、上面が曲面を含む誘電層と、
前記誘電層の上面にコンフォーマルに形成された第2電極と、
を備える
ことを特徴とする、液晶レンズ。
【請求項25】
前記誘電層は、相互に連結された複数個の単位パターンを含む
ことを特徴とする、請求項24に記載の液晶レンズ。
【請求項26】
前記第1電極及び第2電極は、各々全面電極である
ことを特徴とする、請求項24又は25に記載の液晶レンズ。
【請求項27】
光提供装置と、
前記光提供装置上に配置された液晶レンズと、
を備え、
前記液晶レンズは、
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、
前記第2電極と前記液晶層との間に配設された誘電層と、
を有し、
前記誘電層は、前記誘電層の上面と下面との間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む
ことを特徴とする、表示装置。
【請求項28】
前記光提供装置は、表示パネルを含む
ことを特徴とする、請求項27に記載の表示装置。
【請求項29】
前記表示パネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED、無機EL(Electro Luminescent display)、FED(Field Emission Display)、SED(surface−conduction electron−emitter display)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)及び電気泳動表示装置(Electrophoretic Display、EPD)のうちいずれか一つである
ことを特徴とする、請求項28に記載の表示装置。
【請求項30】
前記表示パネルは、マトリックス形態で配列された複数の画素領域を含み、
前記前記液晶レンズは、複数の単位レンズ区間を含み、
前記誘電層は、前記各単位レンズ区間に前記上面及び前記下面間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含み、
前記各単位レンズ区間の幅内に2以上の前記画素領域が配置される
ことを特徴とする、請求項28又は29に記載の表示装置。
【請求項31】
前記単位レンズ区間それぞれは、前記水平方向のそれぞれ同一の位置に応じた前記誘電層の上面と下面との間のキャパシタンスの分布が相互に同一である
ことを特徴とする、請求項30に記載の表示装置。
【請求項32】
前記水平方向に対する前記誘電層の上面と下面との間のキャパシタンスの分布は、上に凸形状または下に凸形状である放物線形状となる
ことを特徴とする、請求項27〜31のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項33】
前記液晶レンズは、複数の単位レンズ区間を含み、
前記誘電層は、前記各単位レンズ区間に前記上面と前記下面との間のキャパシタンスが水平方向に沿って変化する区間を含む
ことを特徴とする、請求項30に記載の表示装置。
【請求項34】
光提供装置と、
前記光提供装置上に配置された液晶レンズと、
を備え、
前記液晶レンズは、
互いに対向する第1電極及び第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配設され、上面及び下面が平坦な液晶層と、
前記第2電極と前記液晶層との間に配設され、第1誘電率を有する第1サブ誘電層及び当該第1誘電率と異なる第2誘電率を有する第2サブ誘電層を含む誘電層と、
を有し、
前記誘電層は、前記水平方向に沿って前記第1サブ誘電層と前記第2サブ誘電層のうち少なくとも一つの高さが変化する区間を含む
ことを特徴とする、表示装置。
【請求項35】
前記光提供装置は、表示パネルを含む
ことを特徴とする、請求項34に記載の表示装置。
【請求項36】
前記表示パネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED、無機EL(Electro Luminescent display)、FED(Field Emission Display)、SED(surface−conduction electron−emitter display)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)及び電気泳動表示装置(Electrophoretic Display、EPD)のうちいずれか一つである
ことを特徴とする、請求項35に記載の表示装置。
【請求項37】
前記表示パネルは、マトリックス形態で配列された複数の画素領域を含み、
前記第1サブ誘電層は、相互に連結された複数個の単位パターンを含み、
前記各単位パターンの幅内に2以上の前記画素領域が配置される
ことを特徴とする、請求項35又は36に記載の表示装置。
【請求項38】
前記表示パネルは、マトリックス形態で配列された複数の画素領域を含み、
前記第1サブ誘電層は、相互に離隔した複数個の単位パターンを含み、
前記各単位パターンのピッチごとに2以上の前記画素領域が配置される
ことを特徴とする、請求項35又は36に記載の表示装置。
【請求項39】
水平方向に沿って前記第1サブ誘電層の高さ及び前記第2サブ誘電層の高さの和が一定である
ことを特徴とする、請求項34〜38のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項40】
前記第1サブ誘電層の屈折率及び前記第2サブ誘電層の屈折率は、同一である
ことを特徴とする、請求項34〜39のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項41】
光提供装置と、
前記光提供装置上に配置された液晶レンズと
を備え、
前記液晶レンズは、
第1電極と、
前記第1電極上に形成され、上下面が平坦な液晶層と、
前記液晶層上に形成され、上面が曲面を含む誘電層と、
前記誘電層の上面にコンフォーマルに形成された第2電極と、
を有する
ことを特徴とする、表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−3588(P2013−3588A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−135059(P2012−135059)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】