説明

液晶媒体および液晶装置

【課題】正のネマチック媒体を含む液晶媒体および液晶装置を提供する。
【解決手段】式Iで例示される化合物を含む液晶媒体であって、好ましくは、1種類以上の誘電的に正の化合物、1種類以上の誘電的に負の化合物、および、任意成分として1種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に正のネマチック媒体(この媒体は、特に、2周波数アドレス用に有用である。)、並びにこれらの媒体を含む液晶装置、特に、高速スイッチ光学的装置、例えば、電気光学的シャッターとして動作可能な装置。


(Rは、アルキル等、またはアルコキシ、L11およびL12は、HまたはF等、XはCNまたはNCSである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶媒体、好ましくは、1種類以上の誘電的に正の化合物、1種類以上の誘電的に負の化合物、および、任意成分として1種類以上の誘電的に中性の化合物を含む誘電的に正のネマチック媒体(この媒体は、特に、2周波数アドレス用に有用である。)、並びにこれらの媒体を含む液晶装置、特に、高速スイッチ光学的装置、例えば、電気光学的シャッターとして動作可能な装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)は、情報を表示するために広く使用されている。LCDは、投射型ディスプレイ用の他、直視ディスプレイ用にに使用されている。殆どのディスプレイ用に使用されている電気光学的モードは、依然として、ツイストネマチック(TN:Twisted Nematic)モードおよびその種々の変形タイプである。このモードに加え、スーパーツイストネマチック(STN:Super Twisted Nematic)モード、およびより最近では、光学補償ベンド(OCB:Optically Compensated Bend)モードおよび電気制御複屈折(ECB:Electrically Controlled Birefringence)モードおよびそれらの種々の変形タイプが、例えば、垂直配向ネマチック(VAN:Vertically Aligned Nematic)モード、パターン化ITO垂直配向ネマチック(PVA:Patterned ITO Vertically Aligned Nematic)モード、ポリマー安定化垂直配向ネマチック(PSVA:Polymer Stabilized Vertically Aligned Nematic)モードおよびマルチドメイン垂直配向ネマチック(MVA:Multi Domain Vertically Aligned Nematic)モード、および他のモードとして、次第に使用されつつある。これら全てのモードは、基板と液晶層とのそれぞれに実質的に垂直な電界を使用する。また、これらのモードに加え、例えば、インプレーンスイッチ(略してIPS:In Plane Switching)モード(例えば、ドイツ国特許第40 00 451号明細書(特許文献1)および欧州特許第0 588 568号明細書(特許文献2)に開示されている通り)およびフリンジフィールドスイッチ(FFS:Fringe Field Switching)モードなどの基板と液晶層とのそれぞれに実質的に平行な電界を採用する電気光学的モードもある。特に、後者の電気光学的モード(このモードは、良好な視野角特性および改良された応答時間を有する。)が最新のデスクトップモニター向けのLCD用に、およびテレビ用およびマルチメディア用途向けのディスプレイ用にすら次第に使用されつつあり、よって、TN−LCDと競合している。
【0003】
ディスプレイにおける液晶の各種の電気光学的効果の良く確立されたこれらの用途に加えて、液晶を使用する幾つかの他の電気光学的装置がある。中でも、これらは、それぞれ、プリンター、スキャナーヘッド、波面補正器、および、最後に重要なものとして、電気光学的シャッターである。後者は、カメラの他に、技術的装置においても、また最近では、3次元(略して、3D)画像を表示可能なディスプレイ用のシャッターにおいても適用できる。そのような3Dディスプレイは、一人の観察者または多数の観察者のいずれか一方の目に情報を配信する別個の光学的チャネルを区別するための電気光学的シャッターを使用する。それぞれのディスプレイ用のかなり直接的な実施形態は、眼鏡を使用し、観察者やそれぞれの観察者たちが着用する。ガラス上において、これらの眼鏡のそれぞれは対応する目の「オン」および「オフ」のための画像のスイッチを担う。
【0004】
もう一つの実施形態は、ディスプレイ全体の前において単一のシャッターを使用する。しかしながら、ピクセルに分割されたシャッターを備える設計も実証されてきた。
【0005】
そのようなディスプレイのためには、液晶シャッターは特に速い応答時間を示さなければならない。多くの場合、これらの高速応答時間は、例えば、小さいセル間隙を有する液晶セルを使用する、高温において液晶セルを動作させる、または「オーバードライブ」を使用するなどの従来の手法によって単純に達成することはできない。
【0006】
特に、「オン」の状態から「オフ」の状態に装置をスイッチするための応答時間を著しく向上させなければならない。殆どの典型的な電気光学的効果においては、「オン」の状態から「オフ」の状態へのスイッチは、アドレス電圧の印加を中断した際の液晶媒体における内部回復力によってもたらされる。よって、アドレス方式がこのスイッチ挙動に影響する可能性はない。比較的大きい弾性定数を有する液晶材料を適用することで、それぞれの応答速度が増加する限定的な可能性があるのみである。
【0007】
しかしながら、これらの装置の応答時間を単に向上させるより現実的に有益な方法は、所謂「2周波数」(または「二重周波数」)アドレスを使用することである。この場合、以下の誘電的挙動によって特徴付けられる特別な液晶媒体が使用される。この媒体は、動作温度においてアドレス電圧の一定の周波数において、液晶のダイレクターに平行な誘電定数(ε)と液晶のダイレクターに垂直な誘電定数(ε)との間に正の誘電異方性(Δε≡ε−ε)を有することで特徴付けられる。アドレス電圧の周波数を増加させると誘電異方性は減少し(誘電緩和のため)、誘電異方性は、その符号を正から負に変える。よって、電界によって液晶ダイレクターに与えられるトルクの方向が変化する。
【0008】
所謂「緩和周波数」において、誘電異方性は、その符号を変える。前記緩和周波数より低い周波数において液晶媒体は誘電的に正であり、結果として、電界が十分に高い電界強度を有しているとすれば、ダイレクターは、それ自身を、電界の方向に平行に配向させる。(電気光学的効果によっては、顕著な閾値を有する電気光学的特徴を示す。)前記緩和周波数より高い周波数においては、液晶媒体は誘電的に負であり、結果として、ダイレクターは、それ自身を、電界の方向に垂直に配向させる。
【0009】
この挙動によって、液晶セルにおける電極の所定の形態を用いて、液晶媒体の緩和周波数より低いかまたは高いかのいずれかの動作電圧を印加することにより、液晶媒体のダイレクターをスイッチする方向を、例えば、表面に垂直から平行におよび同様にその逆に反転させることができることが明らかに自明である。よって、それぞれの装置を「オン」にスイッチする、および、「オフ」にスイッチする両方のプロセスを電界によって駆動する。結果として、能動的に、即ち、印加する動作電圧によって制御して、ダイレクターの配向の変化の両方向をスイッチできる。対応する装置は、「オン」にスイッチする、および、「オフ」にスイッチする両者について特に短い応答時間によって特徴付けられる。
【0010】
本発明による液晶(LC:liquid crystal)は、好ましくは、2周波数アドレスを使用する改良されたLC装置において使用される。それらは、高速スイッチ電気光学的装置として、例えば、シャッターとして動作するために特に有用である。
【0011】
これらの用途のために、向上された特性を備える新たな液晶媒体が必要とされている。よって、向上された挙動を備える液晶媒体が必要とされている。それらの回転粘度は可能な限り低くなければならない。このパラメータに加え、媒体は、適切に広い範囲のネマチック相、好ましくは0.100〜0.350の範囲内の適切な複屈折率(Δn)および適切に高い誘電異方性(Δε)を示さなければならない。Δεは、合理的に低い動作電圧が可能になるために十分高くなければならない。好ましくは、合理的に低い動作電圧の容易に入手可能な装置を使用できるために、Δεは1.0以上でなければならない。しかしながら、Δεは、好ましくは、10以下でなければならない。更に、媒体は2周波数アドレスに適用できるために十分に低い周波数の緩和周波数と、液晶ダイレクターに垂直な十分に大きい誘電異方性とを示さなければならない。同時に、εは、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上、最も好ましくは7.0以上でなければならない。しかしながら、εは、好ましくは10以下でなければならない。
【0012】
本発明によるディスプレイは、好ましくは、アクティブマトリクスにより、好ましくは薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)のマトリクスによりアドレスされるアクティブマトリクスLCD、略してAMD(Active Matrix LCD)である。しかしながら、本発明の液晶は、他の既知のアドレス手法のディスプレイにおいても有益に使用できる。
【0013】
LCD、特に、TN−ディスプレイに適する液晶組成物は既に広く既知である。しかしながら、これらの組成物は著しい欠点を有する。それらの殆どは、他の欠陥を有することに加え、好ましくない高い応答時間および/または多くの用途にとって低すぎるコントラスト比に至る。また、これらの組成物は、殆どにおいて一般的に、特に、熱、湿気、または、光、特にUVによる照射への曝露に対して、特に、これらのストレス要因の1つ以上が互いに組み合わされた場合に不十分な信頼性および安定性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】ドイツ国特許第40 00 451号明細書
【特許文献2】欧州特許第0 588 568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
よって、電気光学的装置において速い応答時間に至る広いネマチック相範囲、適切な光学異方性Δn、適切に高い値のΔεおよびεおよび適切な緩和周波数、および、最後に重要なものとして、良好な信頼性などの実用的用途に適切な向上された特性を備える液晶媒体に対する多大な要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
驚くべきことに、適切な相範囲、適切に高い値のΔε、ε、適切な緩和周波数、および適切なΔnを備え、先行技術からの材料の欠点を示さないか、または、少なくとも格別により低い程度にしか欠点を示さない液晶媒体を実現できることが見出された。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本出願によるこれらの向上された液晶媒体は、少なくとも、
−1種類、2種類または3種類以上の式Iの化合物と、
−式IIおよびIIIの化合物群より選択される1種類以上の化合物、好ましくは、それらのそれぞれの1種類以上の化合物と、
−任意成分として、式IVおよびVの群より選択される1種類または2種類以上の化合物、好ましくは、これらの式の少なくとも一方の1種類以上の化合物と
を含む。
【0018】
【化1】

式中、
は、1〜7個のC原子のアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子のアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、
【0019】
【化2】

11およびL12は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、好ましくは、L11はFであり、L12はHまたはFであり、より好ましくは、L12はHであり、
はCNまたはNCS、好ましくは、CNである。
【0020】
【化3】

式中、
21、R22、R31およびR32は、それぞれ互いに独立に、1〜7個のC原子のアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子のアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、好ましくは、R21およびR31は、それぞれ互いに独立に、アルキルまたはアルケニルであり、およびR22およびR32は、それぞれ互いに独立に、アルキルまたはアルコキシであり、
【0021】
【化4】

【0022】
【化5】

mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0または1である。
【0023】
【化6】

式中、
41〜R52は、それぞれ互いに独立に、上式IIにおいてRに与えられる意味を有し、好ましくは、R41がアルキルでR42がアルキルまたはアルコキシであるか、または、R41がアルケニルでR42がアルキルであり、好ましくは、R51がアルキルでR52がアルキルまたはアルケニルであるか、または、R51がアルケニルでR52がアルキルまたはアルケニル、好ましくはアルキルであり、
【0024】
【化7】

【0025】
【化8】

【0026】
【化9】

【0027】
【化10】

41〜Z52は、それぞれ互いに独立に、および、Z41および/またはZ51が2回存在する場合は、これらもそれぞれ互いに独立に、−CHCH−、−COO−、trans−CH=CH−、trans−CF=CF−、−CHO−、−CFO−、−C≡C−または単結合であり、好ましくは、Z41およびZ42の少なくとも一方およびZ51およびZ52の少なくとも一方は、それぞれ単結合であり、
pおよびqは、それぞれ互いに独立に、0、1または2であり、
pは、好ましくは、0または1である。
【0028】
本発明の好ましい実施形態において、本出願による液晶媒体は、そのサブ式I−1〜I−3の化合物群より選択され、好ましくは式I−2およびI−3より選択され、最も好ましくは式I−2の1種類以上の式Iの化合物を含む。
【0029】
【化11】

式中、RおよびXは上式Iにおいて与えられるそれぞれの意味を有し、Rは、好ましくは、n−アルキルであり、Xは、好ましくは、CNである。
【0030】
本発明の更に好ましい実施形態において、本発明による媒体は、そのサブ式II−1およびII−2の群より選択される式IIの1種類以上の化合物および/または、そのサブ式III−1およびIII−2の群より選択される式IIIの1種類以上の化合物を含む。
【0031】
【化12】

式中、パラメータは、それぞれ上で式IIおよび式IIIにおいて与えられるそれぞれの意味を有し、R21およびR31は、好ましくは互いに独立に、n−アルキルであり、R22は、好ましくは、n−アルキルまたはアルコキシであり、R32は、好ましくは、アルコキシである。
【0032】
本発明の好ましい実施形態において、本発明による媒体は、式II−1の化合物、好ましくはR21がn−アルキルであり、R22がアルコキシである式II−1の化合物の1種類以上と、式II−2の化合物、好ましくはR21がn−アルキルであり、R22がn−アルキルまたはアルコキシ、最も好ましくはn−アルキルである式II−2の化合物の1種類以上とを含む。
【0033】
本発明の更に好ましい実施形態において、本発明による媒体は、式III−1の化合物、好ましくはR31がn−アルキルであり、R32がアルコキシである式III−1の化合物の1種類以上と、式III−2の化合物、好ましくは、R31がn−アルキルであり、R32がアルコキシである式III−2の化合物の1種類以上とを含む。
【0034】
本発明の更により好ましい実施形態において、本発明による媒体は、式II−1の化合物、好ましくはR21がn−アルキルであり、R22がアルコキシである式II−1の化合物の1種類以上と、式II−2の化合物、好ましくはR21がn−アルキルであり、R22がn−アルキルまたはアルコキシ、最も好ましくは、n−アルキルである式II−2の化合物の1種類以上と、式III−2の化合物、好ましくはR31がn−アルキルであり、R32がアルコキシである式III−2の化合物の1種類以上とを含む。
【0035】
好ましくは、本発明による媒体は、式IVの化合物、好ましくは、そのサブ式IV−1〜IV−9の化合物群より選択され、より好ましくは、式IV−1〜IV−4の化合物群より選択され、最も好ましくは、式IV−1およびIV−3の化合物群より選択される式IVの1種類以上の化合物を含む。
【0036】
【化13】

式中、R41およびR42は、一般的には、上式IVにおいて与えられるそれぞれの意味を有し、特に、式IV−1およびIV−5において、R41は、好ましくは、アルキルまたはアルケニル、好ましくは、n−アルキルまたは1−E−アルケニルであり、R42は、好ましくは、アルキル、アルコキシまたはアルケニル、好ましくは、n−アルキルまたはアルコキシである。
【0037】
好ましくは、媒体は、式IV−1およびIV−3の化合物群より選択される1種類以上の化合物、最も好ましくは、それぞれ式IV−1およびIV−3の1種類以上の化合物を含む。
【0038】
式IV−1の好ましい化合物は、式CC−n−m、CC−n−Om、CC−n−VおよびCC−n−Vmの化合物、より好ましくは、式CC−n−O1、CC−3−VおよびCC−3−V1の化合物である。式IV−3の好ましい化合物は、式CP−n−m、CP−n−Om、CP−V−nおよびCP−nV−mの化合物、より好ましくは、式CP−n−mおよびCP−n−Omの化合物である。これらの略号(頭文字)の定義は表A〜Cにおいて説明されており、下表Dにおいて図示されている。
【0039】
好ましい実施形態において、本発明による液晶媒体は、そのサブ式V−1〜V−4の化合物群より選択される式Vの1種類以上の化合物を含む。
【0040】
【化14】

式中、R51およびR52は上式Vにおいて与えられるそれぞれの意味を有し、R51は、好ましくはアルキル、より好ましくはn−アルキルであり、式V−1において、R52は、好ましくはアルケニル、好ましくは3−アルケニル、最も好ましくは−(CH−CH=CH−CHであり、式V−3において、R52は、好ましくはアルキルまたはアルケニル、好ましくはn−アルキルまたは3−アルケニル、最も好ましくは−(CH−CH=CH−CHであり、式V−3〜V−4において、R52は、好ましくはアルキルであり、式V−4において、「F0/1」は、好ましくはFである。
【0041】
式V−1の好ましい化合物は、式PP−n−2VおよびPP−n−2Vmの化合物、より好ましくは、式PP−1−2V1の化合物である。式V−2の好ましい化合物は式PTP−n−Omの化合物であり、特に、PTP−1−O2、PTP−2−O1およびPTP−3−O1が好ましい。式V−3の好ましい化合物は、式PGP−n−m、PGP−n−2VおよびPGP−n−2Vm、より好ましくは、式PGP−2−m、PGP−3−mおよびPGP−n−2Vの化合物である。式V−4の好ましい化合物は式PPTUI−n−mの化合物であり、特に、PPTUI−3−2、PPTUI−3−3、PPTUI−3−4およびPPTUI−4−4が好ましい。また、これらの略号(頭文字)の定義も表A〜Cにおいて説明されており、下表Dにおいて図示されている。
【0042】
好ましくは、本発明による液晶媒体は、式I〜V、より好ましくは、式I〜IVの化合物群より選択される化合物を含み、より好ましくは大部分がこれらより成り、より好ましくは本質的にこれらより成り、最も好ましくは完全にこれらより成る。
【0043】
他に明らかに定義しない限り、本出願において「含む」は、組成物の含有物に関して、言及する項目、例えば、媒体または成分が、当該の成分(1種類)または成分(複数種類)または化合物(1種類)または化合物(複数種類)を、好ましくは10%以上、最も好ましくは20%以上の総濃度で含有することを意味する。
【0044】
他に明らかに定義しない限り、本出願において、用語「大部分が成る」は、言及する項目が、55%以上、好ましくは60%以上、最も好ましくは70%以上の当該の成分(1種類)または成分(複数種類)または化合物(1種類)または化合物(複数種類)を含有することを意味する。
【0045】
他に明らかに定義しない限り、本出願において、用語「本質的に成る」は、言及する項目が、80%以上、好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の当該の成分(1種類)または成分(複数種類)または化合物(1種類)または化合物(複数種類)を含有することを意味する。
【0046】
他に明らかに定義しない限り、本出願において、用語「完全に成る」は、言及する項目が、98%以上、好ましくは99%以上、最も好ましくは100.0%の当該の成分(1種類)または成分(複数種類)または化合物(1種類)または化合物(複数種類)を含有することを意味する。
【0047】
また、本発明による媒体において、明らかには上述されていない他のメソゲン化合物も任意成分として有益に使用できる。その様な化合物は当業の専門家に既知である。
【0048】
本発明による液晶媒体は、好ましくは85℃以上、より好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上、最も好ましくは100℃以上の透明点を有する。
【0049】
本発明による液晶媒体のΔnの値は、589nm(Na)および20℃において、好ましくは0.100以上〜0.350以下の範囲内、より好ましくは0.120以上〜0.250以下の範囲内、最も好ましくは0.125以上〜0.220以下の範囲内である。
【0050】
本発明による液晶媒体のΔεの値は、1kHzおよび20℃において、好ましくは1.0以上、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.5以上、最も好ましくは3.0以上であり、一方、好ましくは10以下、より好ましくは7以下、より好ましくは、2.0以上〜5.0以下の範囲内、最も好ましくは2.5〜4.5の範囲内である。
【0051】
本発明による液晶媒体のεの値は、1kHzおよび20℃において、好ましくは4.0以上、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上、最も好ましくは7.0以上であり、一方、好ましくは10以下、より好ましくは9.0以下、より好ましくは、5.0以上〜8.0以下の範囲内、最も好ましくは6.0〜7.5の範囲内である。
【0052】
好ましくは、本発明の媒体のネマチック相は、キラルドーパントなしで、少なくとも0℃以下〜80℃以上、より好ましくは少なくとも−20℃以下〜85℃以上、最も好ましくは少なくとも−20℃以下〜100℃以上、特に少なくとも−30℃以下〜85℃以上にわたる。
【0053】
液晶媒体は、好ましくは、比較の目的のために1.0μm以上〜1.1μm以下の範囲内の光学的レタデーション(d・Δn)を有するグーチおよびタリーによる第2次透過極小において動作するTNディスプレイにおいて、特徴付けられる。
【0054】
好ましくは、液晶媒体は、50%〜100%、より好ましくは70%〜100%、より好ましくは80%〜100%、特には90%〜100%の式I、II、III、IVおよびV、好ましくは、式I、II、IIIおよびIVの化合物を全体で含有する。
【0055】
より好ましくは、液晶媒体は、式I、II、III、IVおよびV、より好ましくは、式I、IIIおよびIV、または、式I、II、IIIおよびIVの化合物を含み、より好ましくは大部分がこれらより成り、より好ましくは本質的にこれらより成り、最も好ましくは完全にこれらより成る。
【0056】
本発明による媒体において、式Iの化合物は、好ましくは、混合物全体の1%〜35%、より好ましくは2%〜30%、より好ましくは5%〜25%、最も好ましくは10%〜20%の総濃度において使用される。
【0057】
本発明による媒体において、式IIおよびIIIの化合物は、好ましくは、混合物全体の30%〜70%、より好ましくは35%〜65%、より好ましくは40%〜60%、最も好ましくは45%〜55%の総濃度において共に使用される。
【0058】
本発明による媒体において、式IIの化合物は、好ましくは、混合物全体の0%〜45%、より好ましくは0%〜40%、最も好ましくは0%〜35%の総濃度において使用される。
【0059】
本発明による媒体において、式IIIの化合物は、好ましくは、混合物全体の0%〜65%、より好ましくは0%〜60%、最も好ましくは0%〜55%の総濃度において使用される。
【0060】
本発明による媒体において、式IVの化合物は、好ましくは、混合物全体の15%〜50%、より好ましくは25%〜45%、最も好ましくは30%〜40%の総濃度において使用される。
【0061】
媒体において、式Vの化合物は、好ましくは、混合物全体の0%〜30%、好ましくは0%〜25%、最も好ましくは0%〜10%の総濃度において使用される。
【0062】
本発明の好ましい実施形態において、式IIの化合物は、好ましくは、混合物全体の15%〜45%、より好ましくは20%〜40%、最も好ましくは25%〜35%の総濃度において媒体中で使用される。
【0063】
本発明の好ましい実施形態において、式IIIの化合物は、好ましくは、混合物全体の5%〜35%、より好ましくは10%〜30%、最も好ましくは15%〜25%の総濃度において媒体中で使用される。
【0064】
好ましくは、本発明による媒体は、媒体のコレステリックピッチを調節するためにキラルドーパントとして1種類以上のキラル化合物を更に含む。本発明による媒体におけるキラル化合物の総濃度は、好ましくは0.1%〜15%、より好ましくは0.1%〜10%、最も好ましくは0.1%〜3%の範囲内である。
【0065】
任意成分として、本発明による媒体は、物理的特性を調節するために更なる液晶化合物を含むことができる。そのような化合物は専門家に既知である。本発明による媒体において、更なる液晶化合物の濃度は、好ましくは0%〜30%、より好ましくは0.1%〜20%、最も好ましくは1%〜15%である。
【0066】
好ましくは、本発明による媒体は、
−式I−2、および/または
−式II−1、好ましくは、式CY−n−Om、および/または
−式II−2、好ましくは、式CCP−n−mおよび/またはCCY−n−Om、および/または
−式III−1、好ましくは、式PTY−n−Om、および/または
−式III−2、好ましくは、式CPTY−n−Om、および/または
−式IV−1、好ましくは、式CC−v−nおよび/またはCC−n−Om、および/または
−式IV−3、好ましくは、式CP−n−Omおよび/またはCP−n−m
の1種類以上の化合物を含む。
【0067】
本出願において、用語「誘電的に正」はΔεが3.0より大きい化合物または成分に使用され、「誘電的に中性」はΔεが−1.5以上3.0以下、「誘電的に負」はΔεが−1.5未満に使用される。Δεは、1kHzの周波数および20℃において決定される。それぞれの化合物の誘電異方性は、ネマチックホスト混合物中のそれぞれ個々の化合物の10%溶液の結果より決定される。それぞれの化合物のホスト混合物中における溶解度が10%未満の場合、得られる混合物が少なくとも化合物の特性を決定できるのに十分安定となるまで化合物の濃度を1/2ずつ下げていく。しかしながら、結果の有意性を可能な限り高く保つために、好ましくは少なくとも5%に濃度を保つ。テスト混合物の容量は、ホメオトロピックおよびホモジニアス配向のセルの両方において決定される。両タイプのセルのセル間隙は、ほぼ20μmである。印加される電圧は1kHzの周波数、および、典型的には、0.5V〜1.0Vの二乗平均平方根値の矩形波であるが、それぞれのテスト混合物の容量閾値よりも電圧が常に低くなるよう選択される。
【0068】
Δεは(ε−ε)と定義され、一方、εavは(ε+2ε)/3である。ホスト混合物として、誘電的に正の化合物には混合物ZLI−4792が、誘電的に中性および誘電的に負の化合物には混合物ZLI−3086(両者ともドイツ国メルク社製)が、それぞれ使用される。化合物の誘電率は、注目する化合物を添加した際のホスト混合物のそれぞれの値における変化より決定される。その値を、興味ある化合物の濃度100%に外挿する。
【0069】
20℃の測定温度においてネマチック相を有する成分は、そのままで測定され、他の全ては化合物と同様に処理される。
【0070】
両方について他に明言しない限り、本出願における用語「閾電圧」は光学的閾値を言い、10%相対的コントラスト(V10)について与えられ、用語「飽和電圧」は光学的飽和を言い、90%相対的コントラスト(V90)について与えられる。フレデリクス閾値(VFr)とも呼ばれる容量的閾電圧(V)は、明らかに述べる場合にのみ使用する。
【0071】
本出願で与えられるパラメータの範囲は、他に明言しない限り、全て限界値を含む。
【0072】
本出願を通して他に明言しない限り、全ての濃度は質量パーセントで与えられ、それぞれ混合物全体に関するものであり、全ての温度は摂氏度(摂氏)で与えられ、全ての温度差は摂氏度で与えられる。全ての物理的特性は、「Merck Liquid Crystals、Physical Properties of Liquid Crystals」、1997年11月、ドイツ国メルク社に従って決定されているか、決定され、他に明言しない限り、20℃の温度において与えられる。光学異方性(Δn)は、589.3nmの波長で決定される。誘電異方性(Δε)は、1kHzの周波数で決定される。閾電圧のほかに他の全ての電気光学的特性も、ドイツ国メルク社で調製された試験セルによって決定された。Δεの決定のための試験セルは、ほぼ20μmのセル間隙を有していた。電極は、1.13cmの面積および保護リングを有する円形ITO電極であった。配向層は、ホメオトロピック配向(ε)用には日本国JSR(Japan Synthetic Rubber:日本合成ゴム社)製JALS2096−R1、また、平面ホモジニアス配向(ε)用にはJSR製ポリイミドAL−1054であった。容量は、0.3Vrmsの電圧を有する正弦波を使用する周波数応答解析装置Solatron1260によって決定した。使用される試験セルは、グーチおよびタリーによる第1次透過極小に一致する光学的レタデーション有するために選択されるセル間隙以下、典型的には約0.45μm−1を有する。電気光学的測定において使用される光は、白色光であった。使用した装置構成は、ドイツ国カールスルーエ市Autronic Melchers社製の商業的に入手可能な機器であった。特性電圧は、垂直観察の下で決定した。閾値(V10)、中間灰色(V50)および飽和(V90)電圧は、それぞれ10%、50%および90%相対コントラストで決定した。
【0073】
応答時間は、相対コントラストが0%から90%に変化する時間(t90−t)について、即ち、遅延時間(t10−t)を含む立ち上がり時間(τon)として、相対コントラストが100%から10%に戻り変化する時間(t100−t10)について減衰時間(τoff)として、および、全応答時間(τtotal=τon+τoff)として、それぞれ与えられる。
【0074】
本発明による液晶媒体は、通常の濃度において更なる添加剤を含有することができる。これらの更なる構成成分の総濃度は、全混合物を基礎として、0%〜10%、好ましくは0.1%〜6%の範囲内である。使用される個々の化合物の濃度は、それぞれ、好ましくは、0.1%〜3%の範囲内である。本出願において、これらおよび同様の添加剤の濃度は、液晶媒体の液晶成分および化合物の濃度の値および範囲については考慮されない。また、このことは混合物において使用される二色性色素の濃度についても当てはまり、二色性色素は、ホスト混合物の化合物および成分の濃度をそれぞれ特定する場合には考慮されない。それぞれの添加剤の濃度は、常に、最終的にドープされた混合物に対して与えられる。
【0075】
本発明による液晶媒体は、複数種類の化合物、好ましくは3〜30種類、より好ましくは4〜20種類、非常に好ましくは4〜16種類の化合物から成る。これらの化合物は、従来の様式において混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所望の量を、より多い量で使用される化合物中に溶解する。より高濃度において使用される化合物の透明点より温度が高い場合、溶解工程の完了を特に容易に観察できる。しかしながら、他の従来法によって、例えば、化合物の同族または共晶混合物でもよいが、所謂プレミックスを使用して、または、例えば、それらの構成成分がそれら自身で使用可能な状態の混合物である所謂マルチボトル系を使用して媒体を調製することも可能である。
【0076】
これらの媒体は1種類より多いキラルドーパントを含んでもよい。媒体が2種類以上のキラルドーパントを含む場合、例えば、コレステリックピッチ(従って、選択反射の波長)の温度依存性を補償する既知の方法の1つにおいて、ドーパントを有益に選択できる。この場合、ホスト混合物によっては、同一の符号のらせん誘起力(HTP:Helical Twisting Power)を有するキラルドーパントのほかに、このパラメータが反対の符号であるキラルドーパントも使用できる。
【0077】
それぞれのホスト混合物において誘発されるキラルピッチの温度依存性が小さい単一のキラルドーパントを使用する本発明の実施形態がより好ましい。
【0078】
適切な添加剤を加えることにより、TN−、TN−AMD、ECB−AMD、VAN−AMD、IPSおよびOCB LCDなどのように液晶媒体をそのまま使用して、および特に、PDLC、NCAP、PN LCD、特にはASM−PA LCDなどのように液晶媒体を複合系において使用して、全ての既知のタイプの液晶ディスプレイにおいて、液晶媒体が使用できるように本発明による液晶媒体を改変できる。
【0079】
液晶の融点T(C,N)、スメクチック(S)からネマチック(N)相への転移T(S,N)および透明点T(N,I)は、摂氏度で与えられる。
【0080】
本出願および特に以下の例において、液晶化合物の構造は、「頭文字」とも呼ばれる略号によって表される。略号の対応する構造への変換は、以下の3つの表A〜Cに従い単純である。
【0081】
全ての基C2n+1、C2m+1およびC2l+1は、好ましくは、それぞれ、n、mおよびl個のC原子の直鎖状のアルキル基であり、全ての基C2n、C2mおよびC2lは、好ましくは、それぞれ、(CH、(CHおよび(CHであり、−CH=CH−は、好ましくは、それぞれ、トランス−Eビニレンである。
【0082】
表Aには環要素のために使用される記号が、表Bには結合基のための記号が、表Cには分子の左側または右側の末端基のための記号が列記されている。
【0083】
表Dには、それらのそれぞれのコードと共に例示分子構造が列記されている。
【0084】
【表1】

【0085】
【表2】

【0086】
【表3】

【0087】
【表4】

式中、nおよびmはそれぞれ整数であり、3つの点「...」は、この表の他の記号のための余白を示す。
【0088】
好ましくは、本発明による液晶媒体は、式Iの化合物(1種類または複数種類)に加え、以下の表の式の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0089】
【表5】

【0090】
【表6】

表Eには、本発明による液晶媒体において好ましく使用されるキラルドーパントを列記する。
【0091】
【表7】

【0092】
【表8】

本発明の好ましい実施形態において、本発明による媒体は、表Eの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0093】
表Fには、本発明による液晶媒体において好ましく使用される安定剤を列記する。
【0094】
【表9】

【0095】
【表10】

【0096】
【表11】

【0097】
【表12】

【0098】
【表13】

本発明の好ましい実施形態において、本発明による媒体は、表Fの化合物群より選択される1種類以上の化合物を含む。
【0099】
本発明による液晶媒体は、好ましくは、
−表Dの化合物群より選択される4種類以上、好ましくは6種類以上の化合物、好ましくは、
−表Dの式の群より選択される7種類以上、好ましくは8種類以上の化合物、好ましくは、3種類以上の異なる式の化合物を含む。
【実施例】
【0100】
以下に与えられる例は、本発明を一切制限することなく本発明を説明する。
【0101】
しかしながら、物理的特性および組成物は、いかなる特性が達成でき、それらをいかなる範囲で改変できるかを、専門家のために表示する。よって、特に、好ましくは達成できる種々の特性の組み合わせが、このように専門家のために十分に規定される。
【0102】
以下の表において与えられる組成物および特性で、液晶混合物が実現される。それらの光学的性能を含むそれらの物理的特性が調べられる。
【0103】
<例1>
【0104】
【表14】

この混合物は、2周波数アドレスのTNセルにおける動作に非常に適している。また、高速スイッチ電気光学的装置における使用にも適している。
【0105】
アドレス電圧の電界の周波数を増加させると、混合物Aの誘電異方性は、その符号を変える。1kHzの周波数においてΔεは正であり、500kHzにおいて負である。このことは、以下の表である表2において示される。
【0106】
【表15】

<例2>
【0107】
【表16】

この混合物は、2周波数アドレスのTNセルにおける動作に非常に適している。また、高速スイッチ電気光学的装置における使用にも適している。
【0108】
<例3>
【0109】
【表17】

この混合物は、2周波数アドレスのTNセルにおける動作に非常に適している。また、高速スイッチ電気光学的装置における使用にも適している。
【0110】
<例4>
【0111】
【表18】

この混合物は、2周波数アドレスのTNセルにおける動作に非常に適している。また、高速スイッチ電気光学的装置における使用にも適している。
【0112】
<例5>
【0113】
【表19】

この混合物は、2周波数アドレスのTNセルにおける動作に非常に適している。また、高速スイッチ電気光学的装置における使用にも適している。
【0114】
<例6>
【0115】
【表20】

この混合物は、2周波数アドレスのTNセルにおける動作に非常に適している。また、高速スイッチ電気光学的装置における使用にも適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−式Iの1種類以上の化合物と、
−式IIおよびIIIの化合物群より選択される1種類以上の化合物と、
−任意成分として、式IVおよびVの群より選択される1種類以上の化合物と、
−任意成分として、1種類以上のキラル化合物と
を含むことを特徴とする液晶媒体。
【化1】

(式中、
は、1〜7個のC原子のアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子のアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、
【化2】

11およびL12は、それぞれ互いに独立に、HまたはFであり、
はCNまたはNCSである。)
【化3】

(式中、
21、R22、R31およびR32は、それぞれ互いに独立に、1〜7個のC原子のアルキルまたはアルコキシ、または、2〜7個のC原子のアルケニル、アルケニルオキシまたはアルコキシアルキルであり、
【化4】

【化5】

mおよびnは、それぞれ互いに独立に、0または1である。)
【化6】

(式中、
41、R42、R51およびR52は、それぞれ互いに独立に、上式IIにおいてR21に与えられる意味を有し、
【化7】

【化8】

41〜Z52は、それぞれ互いに独立に、および、Z41および/またはZ51が2回存在する場合は、これらもそれぞれ互いに独立に、−CHCH−、−COO−、trans−CH=CH−、trans−CF=CF−、−CHO−、−CFO−、−C≡C−または単結合であり、
pおよびqは、それぞれ互いに独立に、0、1または2である。)
【請求項2】
前記媒体における式Iの化合物の総濃度が、1%以上〜35%以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の液晶媒体。
【請求項3】
式I−1〜I−3の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶媒体。
【化9】

(式中、パラメータRおよびXは、式Iについて請求項1において与えられるそれぞれの意味を有する。)
【請求項4】
式I−2の1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の液晶媒体。
【請求項5】
式II−1およびII−2の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化10】

(式中、パラメータR21およびR22は、請求項1において式IIについて与えられるそれぞれの意味を有する。)
【請求項6】
式III−1およびIII−2の化合物群より選択される1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【化11】

(式中、パラメータR31およびR32は、請求項1において式IIIについて与えられるそれぞれの意味を有する。)
【請求項7】
請求項1において与えられる通りの式IVおよび/または式Vの1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶媒体。
【請求項8】
式IVの1種類以上の化合物を含むことを特徴とする請求項7に記載の液晶媒体。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶媒体を含むことを特徴とする液晶装置。
【請求項10】
2周波数アドレスによりアドレス可能であることを特徴とする請求項9に記載の液晶装置。
【請求項11】
高速スイッチ光学装置として(例えば、シャッターとして)動作可能であることを特徴とする請求項9または10に記載の液晶装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の液晶装置における請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶媒体の使用。
【請求項13】
式Iの1種類以上の化合物、式IIおよび/またはIIIの1種類以上の化合物、および、任意成分として式IVおよび/またはVの1種類以上の化合物(全て請求項1において与えられる通り)を混合することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶媒体を調製する方法。
【請求項14】
請求項10または11に記載の1個以上の液晶装置を含む電気光学的ディスプレイ。
【請求項15】
請求項10または11に記載の装置を使用して3D情報を表示する方法。

【公開番号】特開2011−208141(P2011−208141A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69294(P2011−69294)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】