説明

液晶媒体

【課題】アクティブマトリックスを備えたECB、PA LCD、FFSまたはIPS効果に基づく電気−光学ディスプレイに適している、負の誘電異方性(Δε)を有する極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体の提供。
【解決手段】6〜45Pa・sの範囲のγ/Δnの値、60℃を越える透明点および−2.3以下のΔεを有する媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶媒体およびその液晶ディスプレイ、特に、アクティブマトリックス(AMDまたはAMLCD;ctive atrix addressed iquid rystal isplays)によって駆動される液晶ディスプレイにおける使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特に好ましくは、薄膜トランジスタ(TFT)またはバリスタを備えたアクティブマトリックスを使用するディスプレイである。このタイプのAMDは、いろいろなアクティブ電子スイッチング素子を使用することができる。最も汎用されるのは、3端子スイッチング素子を使用するディスプレイである。このタイプの3端子素子としては、MOS(etal xide ilicon)トランジスタまたは上述のTFTまたはバリスタである。TFTにおいて、いろいろな半導体材料、大部分はシリコンで、あるいはカドミニウムセレナイドが使用される。特に、多結晶シリコンまたはアモルファスシリコンが使用される。3端子電子スイッチング素子とは対照的に、例えばMIM (etal nsulator etal)ダイオード、リングダイオードまたはバックトゥーバックダイオードのような2端子スイッチング素子のマトリックスもまたAMDにおいて採用される。
【0003】
このタイプの液晶ディスプレイにおいて、液晶は、その光学特性が電圧の印加により可逆的に変化する誘電体として使用される。媒体として液晶を使用する電気光学ディスプレイは、当業者に公知である。これら液晶ディスプレイはいろいろな電気−光学効果を使用する。
【0004】
最も汎用される慣用のディスプレイは、TN効果(wisted ematic;約90°にねじれたネマチック構造を有する)、STN効果(uperwisted ematic)、またはSBE効果(uperwisted irefringence ffect)を使用する。これらおよび類似の電気−光学効果においては、正の誘電異方性(Δε)を有する液晶媒体が使用される。
【0005】
正の誘電異方性を有する液晶媒体を必要とするこれら従来のディスプレイとは対照的に、負の誘電異方性を有する液晶媒体を使用するその他の電気−光学効果も存在する。例えば、ECB効果(lectrically ontrolled irefringence)およびその下位様式のDAP(eformation of ligned hases)、VAN(ertically ligned ematics)、MVA(ultidomain ertical lignment)、ASV(dvanced uper iew)、PVA(atterned ertical alignment)およびCSH(olour uper omeotropics)である。
【0006】
電気的制御複屈折率の原理、ECB(電気制御複屈折率)効果、またはDAP(整列相の変形:deformation of aligned phases)効果は、1971年に最初に記載された(M.F.SchieckelおよびK.Fahrenschon、「Deformation of nematic liquid crystals with vertical orientation in electrical fields」, Appl. Phys. Lett. 19 (1971), 3912)。その後、J. F. カーン (J. F. Kahn、Appl. Phys. Lett. 20 (1972), 1193) およびG.ラブルニーおよびJ.ロバート (G.Labrunie and J.Robert、J. Appl. Phys. 44 (1973), 4869)による報文が発行された。
【0007】
J.ロバートおよびF.クラーク(J. Robert and F. Clerc 、SID 80 Digest Techn. Papers (1980), 30), J.ダシェーネ(J. Duchene、Displays 7 (1986), 3) およびH.シャット(H. Schad 、SID 82 Digest Techn. Papers (1982), 244)の報文では、ECB効果に基づく高情報量の表示装置に使用可能なためには、液晶相が、高い弾性定数比K/K値、高い光学異方性値Δn、−0.5以下の誘電異方性Δε値を有していなければならないことが示された。ECB効果に基づく電気光学表示素子はホメオトロピックのエッジ配向を有している。
【0008】
ディスプレイモードにより、誘電的に正または誘電的に負の媒体中で色素を使用するゲスト/ホストディスプレイと同じように、近年急速に採用されるIPS効果は、誘電的に正および誘電的に負の両方の液晶媒体を使用することができる。
液晶ディスプレイのさらに有望なタイプは、いわゆる軸対称微小領域(axially symmetric microdomain)略してASM)ディスプレイであり、それは好ましくはプラズマアレイ(PA LCD;“lasma ddressed iquid rystal isplays”から)により駆動される。
【0009】
前述の液晶ディスプレイ、および同様の効果を利用するすべての液晶ディスプレイの中で使用される液晶媒体は、一般に、対応する誘電異方性を有する化合物を含有する。即ち、誘電的に正の媒体の場合には正の誘電異方性を有する化合物、誘電的に負の媒体の場合には負の誘電異方性を有する化合物を含有する。
【0010】
先行技術の液晶媒体は、比較的低い複屈折率の値、比較的高い動作電圧(しきい値電圧(V)は、しばしば比較的高く、ある例では、2.3 Vより大きい)および比較的長い応答時間を有しており、それは特にビデオ対応ディスプレイには不十分である。さらに、それらは、通常、高い動作温度に不適当であり、および/または低温安定性(LTS)が不十分である。従って、例えばネマチック相はしばしば−20℃までしから広がらなかったり、ある場合では−10℃までしか広がっていなかった。
【0011】
大部分は、先行技術の液晶媒体は比較的好ましくないΔn値を有し、それはしばしば、0.11より著しく小さかったり、ある場合は0.10より小さかった。しかし、そのような小さなΔn値は、特に、例えばVANディスプレイには、特に有利ではない。それは、4μm以上の比較的大きな層厚を有するセルの使用が必要であるので、それにより多くの用途で受け入れられない程長い応答時間になるからである。従って、ねじれのないダイレクタ配向の場合には、約0.30μmのd・Δnが採用される。
【0012】
しかし、非常に小さな層厚さを有するセルの使用すると、しばしばディスプレイでの生産収率が低下する。高速スイッチングディスプレイのためには、Δn値は、0.075から0.15の範囲が好ましくは望まれる。これは、ECBディスプレイの場合、およびIPSディスプレイの場合にも当てはまる。
【0013】
先行技術の応答時間は、すでに述べたように、しばしば長すぎるので、液晶媒体の粘度を改良し、低下させなければならない。これは、特に、回転粘度γ、特に低温度でのその値について当てはまる。流動粘度ν20の低下により、一般に、液晶のホメオトロピックエッジ配向を有するディスプレイの場合に(例えばECBおよびVANディスプレイの場合)、非常に望ましい応答時間の短縮がもたらされる。
【0014】
電気光学表示素子中でのこの効果の工業的応用のためには、LC相は多くの要求を満たさなければならない。ここで特に重要なものは、水分、空気、並びに熱、赤外線、可視および紫外領域の放射線並びに直流および交流電界などの物理的影響に対する化学的安定性である。
【0015】
さらに、工業的に使用できる液晶相は、適切な温度範囲の液晶メソフェーズ相と低粘度が必要である。
【0016】
現在まで開示された液晶メソフェーズを有する多数の化合物の中で、単一化合物でこれらのすべての要求を見たすものはなかった。従って、LC相として使用できる材料を得るためには、一般に、2から25種類、好ましくは3から18種類の化合物の混合物が調製される。しかし、従来は著しく負の誘電異方性および適切な長期安定性を有する液晶材料を入手できなかったので、理想的な相は、このように容易には達成できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ECB効果および任意にIPSまたはPALCD効果に基づくディスプレイは、特定のモード、特定の構成に使用される液晶混合物には、特にΔnおよびΔε値および回転および流動粘度に関し、特定かつ複雑なマッチングを必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
驚くべきことに、特定のγとΔnまたはその2乗の比を有する負の異方性を有する液晶混合物が、先行技術による媒体の不都合を有していないか、または非常に低減された程度のみで有することが分かった。発明に従う本混合物の概念により、ECB効果に広く採用され得る負の混合物が、種々のモードのために使用できることが容易に可能になる。発明の混合物は、MVAおよびPVA構成におけるVANディスプレイ、加えて、IPS、FFSおよびPALCDの用途に適している。
【0019】
本発明は、このように、負の誘電異方性(Δε)を有する極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体に関し、それは、6〜45Pa・sの範囲のγ/Δnの値、60℃を越える透明点および−2.3以下のΔεを有する事実による特徴づけられる。
【0020】
この出願において示されるγ/Δn比のすべての値は、他に述べない限り、[Pa×s]単位を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の混合物は、ECBディスプレイでの短い応答時間、広いネマチック相および比較的高い電圧保有率(HR)によって特徴づけられる。このタイプのγ/Δn比を有する発明の混合物は、さらに非常に好ましい容量性しきい値と同時に非常に良い低温安定性を示す。
【0022】
本発明は、従って、液晶混合物、特にECB、PALCDおよびIPS効果に基づくディスプレイのための液晶混合物の使用、および本発明の混合物を含む対応するディスプレイにも関する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の混合物の概念の好ましい実施形態を以下に示す。
【0024】
本発明の混合物は、6〜30、好ましくは6〜22のγ/Δnを好ましくは有する。
【0025】
光学異方性Δnの値は、好ましく0.08〜0.12の範囲である。特に、Δn=0.08±0.01、さらにはΔn=0.10±0.005、およびΔn=0.12±0.01を有する混合物が好ましい。
【0026】
本発明の混合物は好ましくは65℃以上、特に69℃以上の透明点を有することが好ましい。
【0027】
しきい値V(容量性)は好ましくは、1.8〜2.3Vの範囲である。
【0028】
温度安定性(LTS)は好ましくは、−20℃以下、特に−30℃以下、非常に好ましくは−40℃以下の温度において、少なくとも1000時間である。
【0029】
要求されるγ/Δn比を満たす混合物は、好ましくは、Δn、Δεおよび透明点により、表に示されるように、次の回転粘度を有する。
【0030】
1.透明点70℃±5℃およびΔε−3.0±0.6
【0031】
【表1】

γ/Δn比の値は、好ましくは8.6〜18.5の範囲である。しきい値は、好ましくは2.3V未満、特に2.0〜2.3Vの範囲である。
【0032】
2.透明点70℃±5℃およびΔε−4.0±0.4
【0033】
【表2】


γ/Δn比の値は、好ましくは9.5〜20.0の範囲である。しきい値は、好ましくは2.1V未満、特に1.8〜2.1Vの範囲である。
【0034】
3. 透明点70℃±5℃およびΔε−5.0±0.6
【0035】
【表3】

γ/Δn比の値は、好ましくは12.0〜22.0の範囲である。Δnの値が0.08±0.005である場合、この値は26〜28の範囲であってもよい。しきい値は、好ましくは1.9V未満、特に1.7〜1.8Vの範囲である。
【0036】
4.透明点90℃±5℃およびΔε−3.0±0.6
【0037】
【表4】

γ/Δn比の値は、好ましくは12.0〜23.0の範囲である。しきい値は、好ましくは2.6V未満、特に2.30〜2.55Vの範囲である。
【0038】
5.透明点90℃±5℃およびΔε−4.0±0.4
【0039】
【表5】


γ/Δn比の値は、好ましくは14.5〜22.0の範囲である。しきい値は、好ましくは2.25V未満、特に2.00〜2.25Vの範囲である。
【0040】
6.透明点90℃±5℃およびΔε−5.0±0.6
【0041】
【表6】

γ/Δn比の値は、好ましくは18.0〜25.0の範囲である。Δnの値が0.08±0.005である場合、この値は40〜45の範囲であってもよい。しきい値は、好ましくは2.0V未満、特に1.8〜2.0Vの範囲である。
【0042】
透明点75〜85℃を有する本発明の混合物のそれぞれは、上述の70±5℃および90±5℃についての限界の間のγ/Δn値およびγの値を有する。
【0043】
組成に関して、本発明の混合物の好ましい実施形態を以下に述べる。
【0044】
a)式IA、IBおよび/またはIIの化合物の少なくとも2つを含有する液晶媒体。
【0045】
【化1】

式中、RおよびRは、互いに独立して、それぞれH、無置換、CNまたはCFでモノ置換、またはハロゲンで少なくともモノ置換されている15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基を表し、但し、これらの基において1または2以上のCH基は、独立して、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【0046】
【化2】

−C≡C−、−OCF−、−CFO−、−OC−O−または−O−CO−で置換されていても良く、
vは1〜6を表す。
【0047】
およびRは、好ましくは直鎖アルキルまたは直鎖アルケニルを表す。
【0048】
好ましい混合物、n値0.08〜0.09を有するものは、次式の4つの化合物を有する。
【0049】
【化3】


b)さらに、式IIIの化合物を1種以上含有することを特徴とする液晶媒体。
【0050】
【化4】


31およびR32は、互いに独立して、12個までの炭素原子を有する直鎖アルキル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【0051】
【化5】


を表し、
Zは、単結合、−C−、−CH=CH−、−(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CHCHCH−、−CHCHCH=CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−C−、−CHFCF−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CH−を表す。
【0052】
発明の混合物は、50重量%まで、中性の化合物、好ましくは式IIIの化合物から選ばれるものを含むことができる。
【0053】
c)式IAおよび/またはIBで表される化合物を、4、5または6種以上、好ましくは2または3種含有する液晶媒体。
【0054】
d)式IAおよびIBの中のRおよびRが、好ましくは次の意味:直鎖アルキル、ビニル、1E−アルケニルまたは3−アルケニルを有する液晶媒体。
【0055】
もし、Rおよび/またはRが、アルケニルを表すとき、それは好ましくは、CH=CH、CH−CH=CH、C−CH=CH、CH=CH−CまたはCH−CH=CH−Cである。
【0056】
化合物IA、IBおよびIIにおいて、vは、好ましくは2、3または4を表す。
【0057】
e)混合物全体に対する式IAおよび/またはIBの化合物の割合が、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも25重量%、非常に好ましくは30重量%以上である液晶媒体。
【0058】
f)混合物全体に対する式IIの化合物の割合が、少なくとも10重量%である液晶媒体。
【0059】
g)少なくとも2種、好ましくは3種の式IIの化合物、特に、式:
【0060】
【化6】

を含有する液晶媒体。
【0061】
は、好ましくはエチル、プロピルまたはペンチルを表す。
【0062】
h)混合物全体に対する式IIIの化合物の割合が、少なくとも5重量%である液晶媒体。
【0063】
i)式IIIa〜IIIjから選ばれる化合物をさらに含有する液晶媒体。
【0064】
【化7】

【0065】
【化8】

式中、alkylおよびalkylは、互いに独立してそれぞれ1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基、および
alkenylおよびalkenylは、互いに独立してそれぞれ2〜6個の炭素原子を有する直鎖アルケニル基、好ましくはビニル、1E−アルケニルまたは3E−アルケニルを表す。
【0066】
発明の媒体は、好ましくは、式IIIa、式IIIbおよび/または式IIIeの化合物の少なくとも1つ、好ましくは5重量%を越え、特に10重量%を越え、非常に好ましくは20重量%を越える量で含有する。
【0067】
特に式IIIeおよびIIIfの好ましい化合物を以下に述べる。
【0068】
【化9】

【0069】
【化10】

j)式IIIeの少なくとも3つ化合物、好ましくは次の群から選ばれる化合物を含有する液晶媒体。
【0070】
【化11】

【0071】
【化12】

混合物、好ましくはΔn=0.08(±0.005)を有する混合物中のIIIe−1、IIIe−2および/またはIIIe−3の化合物の割合は、好ましくは20重量%以上、特に30重量%以上である。alkylは、好ましくはn=3、4または5であるC2n+1を表す。
【0072】
さらに、好ましい媒体は、式:
【0073】
【化13】


の化合物を、好ましくは20重量%を越える濃度で、特に30重量%を越える濃度で含有し、好ましくは式:
【0074】
【化14】

の化合物と組み合わせて含有する。後者の化合物(複数)は、好ましくは混合物中に、5〜40重量%の量で存在する。
【0075】
k)実質的に、10〜40重量%の1種または2種以上の式IAおよびIBの化合物、および10〜40重量%の1種または2種以上の式IIの化合物からなる液晶媒体。
【0076】
l)下式の4環化合物の1種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0077】
【化15】


式中、RおよびRは、互いに独立してそれぞれ、請求項1のRに示される意味を有し、そして、
wおよびxは、互いに独立して、それぞれ1〜6を表す。
【0078】
m)特に好ましい媒体は、式In−a〜In−dの化合物の群から選ばれるインダン化合物を1種または2種以上含有する。
【0079】
【化16】

【0080】
【化17】


式中、alkylおよびalkylは、互いに独立して、それぞれ1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基を表し、そして、alkenylは、2〜6個の炭素原子を有する直鎖アルケニルを表す。
【0081】
alkylは、好ましくはCH、Cまたはn−Cを表す。
【0082】
発明の混合物は、好ましくは式In−aまたはIn−b、特に式In−aの化合物を含有する。混合物全体におけるインダン化合物の割合は、少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%である。
【0083】
n)次の式の化合物の1種または2種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0084】
【化18】

【0085】
【化19】

【0086】
【化20】

式中、R13〜R27は、互いに独立して、それぞれRに示した意味を有し、zおよびmは、互いに独立してそれぞれ1〜6を表す。Rは、H、CH、Cまたはn−Cを表し、xは、0、1、2または3を表す。
【0087】
これらの化合物は、好ましくは、混合物全体にそれぞれ、少なくとも5重量%の量で存在する。
【0088】
0.08〜0.12の範囲のΔnを有する混合物は、好ましくは式:
【0089】
【化21】


の化合物を、5重量%以上、好ましくは10重量%以上の濃度で含有する。
【0090】
このタイプの混合物は、さらには、式IIの化合物を2重量%以上の量で含有する。
【0091】
式:
【0092】
【化22】

の化合物は、0.07〜0.10、特に0.07〜0.09の範囲のΔn値を有する混合物に特に適している。R27が好ましくはアルキルを表すこれらの化合物は、好ましくは5〜20重量%の濃度で採用される。
【0093】
o)式T−1〜T−22のフッ素化ターフェニル類の1種または2種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0094】
【化23】

【0095】
【化24】

【0096】
【化25】


式中、RはRについて示された意味を有する。
【0097】
Rは、好ましくは、それぞれ1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル、アルコキシまたはアルキルアルコキシ、2〜6個の炭素原子を有するアルケニルまたはアルケニルオキシである。Rは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシである。
【0098】
発明の媒体は、好ましくは、式T−1〜T−22のターフェニル化合物を2〜30重量%、特に5〜20重量%の量で含有する。
【0099】
特に、式T−1、T−2、T−3およびT−22の化合物が好ましい。これらの化合物において、Rは、好ましくはそれぞれ1〜5個の炭素原子を有するアルキルを表し、加えてアルコキシを表す。
【0100】
ターフェニルは、好ましくはΔnが0.10以上の混合物中で、式IA、IBおよびIIの化合物と併用して採用される。好ましい混合物は、2〜20重量%のターフェニル化合物、そして5〜30重量%の式IIの化合物を含有する。
【0101】
p)式B−1〜B−4のビフェニル化合物の1種または2種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0102】
【化26】

【0103】
【化27】


式中、alkyl、alkyl、alkenylおよびalkenylは上述の意味を有する。
【0104】
混合物全体における式B−1〜B−4のビフェニル化合物の割合は、好ましくは少なくとも3重量%、特に5重量%以上である。
【0105】
式B−1〜B−4の化合物の中で、式B−1およびB−4の化合物が特に好ましい。
【0106】
好ましいビフェニル化合物は、同様に、
【0107】
【化28】


である。
【0108】
q)式E−1〜E−3のエステル化合物の1種または2種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0109】
【化29】


式中、alkylおよびalkylは、上述の意味を有する。
【0110】
混合物全体におけるエステル化合物の割合は、好ましくは少なくとも10重量%、特に30重量%以上である。
【0111】
E−1〜E−3の化合物の中で、化合物E−1が特に好ましい。
【0112】
r)式To−1およびTo−2のトラン化合物の1種または2種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0113】
【化30】


式中、Rおよびalkylは上述の意味を有する。
【0114】
混合物全体におけるTo−1および/またはTo−2のトラン化合物の割合は、好ましくは少なくとも5重量%、特に20重量%以上である。
【0115】
To−1およびTo−2の化合物において、Rは、好ましくは直鎖アルキルまたはアルコキシを表す。
【0116】
s)式N−1およびN−2のニトリル化合物の1種または2種以上をさらに含有する液晶媒体。
【0117】
【化31】

式中、Rおよびalkylは上述の意味を有する。
【0118】
混合物全体におけるニトリル化合物の割合は、好ましくは少なくとも5重量%、特に25重量%以上である。
【0119】
t)少なくとも10重量%、好ましくは15重量%以上、特に20重量%以上の式B−4の化合物を含有する液晶媒体。このタイプの化合物は、0.12以上のΔnを有する混合物中で好ましく使用される。式B−4のビフェニル化合物は、好ましくは、式IIおよび/またはB−1の化合物と組み合わせて使用される。
【0120】
0.12以上のΔnを有する好ましい混合物は、式B−4の化合物に加えて、少なくとも15重量%の式IIの化合物および/または5重量%以上の式B−1の化合物を含有する。
【0121】
式B−4の化合物は、さらに好ましくはターフェニル化合物、好ましくはT−1、T−2および/またはT−3と組み合わせて使用される。
【0122】
u)式Z−1〜Z−10の少なくとも1つを含有する液晶媒体。
【0123】
【化32】

【0124】
【化33】


式中、Rおよびalkylは上述の意味を有し、pは1または2である。媒体は、好ましくは5重量%以上、特に10重量%以上の量でこれらを含有する。
【0125】
特に好ましい媒体は、式Z−1〜Z−7の化合物の1種または2種以上と、加えて、式IIの化合物を1種、2種または3種以上を含有する。このタイプの混合物は、好ましくは10重量%以上の式IIの化合物を含有し、任意成分として式IAの化合物を含有する。
【0126】
v)少なくとも式:
【0127】
【化34】


の化合物の少なくとも1種を含有する液晶媒体。
【0128】
式IB−Mの好ましい化合物は、IB−M1〜IB−M3の化合物である。
【0129】
【化35】


発明の混合物は、好ましくは少なくとも1つの式IB−Mの化合物、特にIB−M1、IB−M2および/またはIB−M3と、少なくとも1つの
【0130】
【化36】


の化合物を含有する。
【0131】
w)少なくとも、
【0132】
【化37】

および/または
【0133】
【化38】

の化合物の少なくとも1つを、好ましくは5〜20重量%の量で、特に式T−1〜T−21の化合物の1種または2種以上との組み合わせにて含有する液晶媒体。
【0134】
x)式T−1の化合物の少なくとも1つ、および式T−4の化合物の少なくとも1つを含有する液晶媒体。
【0135】
y)式:
【0136】
【化39】

の化合物の少なくとも1種と、式:
【0137】
【化40】


の化合物の少なくとも1種とを含有する液晶媒体。
【0138】
発明は、さらに、誘電体として請求項1〜17の液晶媒体を含むECB効果に基づくアクティブマトリックス駆動を有する電気光学ディスプレイに関する。
【0139】
液晶混合物は、好ましくは少なくとも60Kのネマチック相範囲を有し、20℃において30mm・s−1までの、好ましくは25mm・s−1未満の流動粘度ν20を有する。
【0140】
発明の液晶混合物は、約−2.3〜−8.0、特に約−3.0〜−6.0、非常に特に好ましくは−3.0以下〜−5.0のΔεを有する。
【0141】
回転粘度γは、好ましくは200mPa・s未満、特に190mPa・s未満である。
【0142】
z)式O−1〜O−11の化合物の少なくとも1種を含有する液晶媒体。
【0143】
【化41】

【0144】
【化42】

式中、RおよびRは上述の意味を有し、RおよびRは、好ましくは互いに独立して、それぞれ直鎖アルキル、加えてアルケニルを表す。
【0145】
発明の好ましい液晶媒体は、テトラヒドロナフチルまたはナフチルユニットを含む2.3未満のΔεを有する物質(例えば、式N−1〜N−5の化合物)の1種又は2種以上を含有する。
【0146】
【化43】

式中、RおよびRは互いに独立して、それぞれ上述の意味を有し、好ましくは直鎖アルキル、直鎖アルコキシまたは直鎖アルケニルを表し、そしてZ、ZおよびZは互いに独立して、それぞれ、−C−、−CH=CH−、−(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CHCHCH−、−CHCHCH=CH−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−C−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CH−または単結合を表す。
【0147】
液晶混合物の複屈折率Δnは、通常、0.07と0.16の間であり、好ましくは0.08と0.12の間である。
【0148】
発明の混合物は、例えば、VAN、MVA、(S)−PVA、ASVのようなすべてのVA−TFT用途に適している。それらは、加えて、負のΔεを有するIPS(lane witching)およびFFS(ringe ield witching)LCD用途に適している。
【0149】
発明の液晶相の式IA、IB、IIおよびIIIのそれぞれの成分は、公知であるか、その合成方法は、文献に記載されている標準的な方法であるので、当業者は先行技術から容易に引き出すことができる。
【0150】
本発明のディスプレイ中のネマチック液晶混合物は、一般に2つの成分AおよびBを含有し、それら自身は1または2種以上の個別の化合物からなる。
【0151】
成分Aは、明らかに負の誘電異方性を有し、ネマチック相に≦−2.3の誘電異方性を与える。それは好ましくは式IAおよび/またはIBおよびIIの化合物を含有する。
【0152】
成分Aの割合は、好ましくは45から100%の間であり、特に60から100%の間である。
【0153】
成分Aについては、≦−0.8のΔεの値を有する1(または2以上)の個別の化合物が好ましく選ばれる。この値は、混合物全体の中で、成分Aの割合が少ないほど、より負の値でなければならない。
【0154】
成分Bは、明確なネマトゲン性と20℃にて30mm・s−1以下、好ましくは25mm・s−1以下の流動粘度を有する。
【0155】
成分Bの中の特に好ましい個別の化合物は、20℃にて18mm・s−1以下、好ましくは12mm・s−1以下の極度の低粘度のネマチック液晶である。成分Bは、モノトロピック的にまたはエナンチオトロピック的にネマチックであり、スメクチック相を有さず、液晶混合物の中で、非常に低温までスメクチック相の発現を抑制することができる。例えば、もしネマトゲン性の高いいろいろな物質が、スメクチック液晶混合物に添加されるとすると、達成されるスメクチック相抑制の程度を通して、これらの物質のネマトゲン性が比較できる。多くの好ましい物質が文献から当業者に知られている。特に好ましいものは式IIIの化合物であり、加えて式B−1〜B−4、O−1およびO−2の化合物である。
【0156】
加えて、これら液晶相はまた18を超えた、好ましくは18から25の成分を含んでもよい。相は、式IAおよび/またはIB、II、および任意にIIIの化合物を、好ましくは4から15種、特に5から12種を含む。
【0157】
式IAおよび/またはIB、IIおよびIIIの化合物に加えて、その他の構成成分が、例えば混合物全体の45%まで存在していてもよいが、好ましくは35%まで、特に10%までである。
【0158】
その他の構成成分として、好ましくはネマチックまたはネマトジェニック物質から選ばれる。特に好ましくは、アゾキシベンゼン類、ベンジリデンアニリン類、ビフェニル類、ターフェニル類、フェニルもしくはシクロヘキシルベンゾエート類、フェニルもしくはシクロヘキシルシクロヘキサンカルボキシレート類、フェニルシクロヘキサン類、シクロヘキシルビフェニル類、シクロヘキシルシクロヘキサン類、シクロヘキシルナフタレン類、1,4−ビス−シクロヘキシルビフェニル類またはシクロヘキシルピリミジン類、フェニル−もしくはシクロヘキシルジオキサン類、ハロゲン化されていてもよいスチルベン類、ベンジルフェニルエーテル類、トラン類および置換されたケイ皮酸類からなる群から選択される。
【0159】
このタイプの液晶性相の成分として適当な最も重要な化合物は式IVによって特徴付けられる。
【0160】
−L−G−E−R10 IV
式中、LおよびEはそれぞれ、1,4−ジ置換ベンゼンおよびシクロヘキサン環、4,4’−ジ置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサンおよびシクロヘキシルシクロヘキサン環系、2,5−ジ置換ピリミジンおよび1,3−ジオキサン環、2,6−ジ置換ナフタレン、ジ−およびテトラヒドロナフタレン、キナゾリンおよびテトラヒドロキナゾリンからなる群より選ばれる炭素環またはヘテロ環であり、
Gは、−CH=CH−、−N(O)=N−、−CH−CQ−、−CH=N(O)−、−C≡C−、−CH−CH−、−CO−O−、−CH−O−、−CO−S−、−CH−S−、−CH=N−、−COO−Phe−COO−、−CFO−、−CF=CF−、−OCF−、−OCH−、−(CH−、−(CHO−またはC−C単結合であり、
Qはハロゲン、好ましくはCl、または−CNであり、
およびR10は、炭素数18まで、好ましくは8までのアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルカノイルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシであるが、これらの基の一つは、CN、NC、NO、NCS、CF、OCF、F、ClまたはBrを表してもよい。
【0161】
これらの化合物の大部分では、RおよびR10は互いに異なっており、これらの基の1つは通常アルキルまたはアルコキシ基である。提案されている置換基の他の異種のものも公知である。これらの物質、混合物の多くは、それ自身、商業的に入手可能である。これらすべての物質は文献公知の方法によって合成可能である。
【0162】
当業者にとっては言うまでもなく、本発明のVA、IPS、FFSまたはPALCD混合物は、例えばH、N、O、ClおよびFが対応する同位体で置換されている化合物を含有してもよい。
【0163】
本発明の液晶ディスプレイの構造は、例えば、ヨーロッパ特許EP−A−0240379に記載されている従来の構成に対応する。
【0164】
式式IA、IB、IIおよびIIIの化合物の他に、本発明の混合物は好ましくは上述の化合物の1種または2種以上を含有する。
【0165】
次の略号を使用する(nおよびm=1〜6、z=1〜6)。
【0166】
【化44】

【0167】
【化45】

【0168】
【化46】

【0169】
【化47】

【0170】
【化48】

【0171】
【化49】

【0172】
【化50】

【0173】
【化51】


本発明に従って使用できる液晶混合物は、それ自体公知の方法で合成される。一般に、より少ない量で使用される成分が、主要な組成を構成する成分中で、好ましくは加温されて溶解される。さらに、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール等の有機溶媒の液晶成分溶液を混合して、完全に混合した後、例えば蒸留によって溶媒を再度除去することも可能である。
【0174】
本出願において、用語「誘電的に正の化合物」は、Δε>1.5を有する化合物を表し、用語「誘電的に中性の化合物」は、−1.5≦Δε≦1.5を有する化合物を表し、用語「誘電的に負の化合物」は、Δε<−1.5を有する化合物を意味する。化合物の誘電異方性は、液晶ホスト中に10%のの化合物を溶解し、ホメオトロピックおよびホモジニアス表面配向を有する20μm厚の少なくとも1つのテストセルで1kHzにて、この混合物の容量を測定することで決定される。測定電圧は、典型的には0.5V〜1.0Vであるが、常にそれぞれの液晶混合物の容量性しきい値より低い電圧である。
【0175】
誘電的に正および誘電的に中性の化合物については、混合物ZLI−4792が、誘電的に中性および誘電的に負の化合物については、混合物ZLI−2857(両方ともメルク社、ドイツ国)が、それぞれホスト混合物として使用される。化合物の誘電率は、注目している化合物の添加によるそれぞれのホスト混合物の誘電定数の変化から決定される。その値を、注目している化合物の濃度100%に外挿する。
【0176】
本出願において「しきい値電圧」という用語は、明示的に別のことを述べなければ、慣用の光学的しきい値に関し、そして10%相対的コントラスト(V10)について与えられる。
【0177】
しかし、本発明において、負の誘電異方性を有する液晶混合物については、特に明示的に述べなければ、用語「しきい値電圧」は、フレデリクスしきい値としても知られる容量性しきい値電圧(V)に使用する。
【0178】
本出願において、他に特に述べなければ、全ての濃度は、重量パーセントで示され、対応する混合物または成分に関連付けられる。すべての物理的な特性は、「Merk Liquid Crystals、Physical Properties of Liquid Crystals」Status誌、1997年11月刊、メルク社(ドイツ国)により決定され、および他に特に述べなければ、20℃の温度に対して与えられる。Δnについては、589.3nmの波長で、Δεは1kHzにて決定される。
【0179】
負の誘電異方性を有する液晶媒体については、しきい値電圧は、容量性しきい値V(フレデリクスしきい値としても知られる)として、配向層SE1211(日産化学)によりホメオトロピック配向した液晶を備えたメルクKGaA製のテストセル中にて、決定される。
【0180】
誘電体は、当業者に公知で文献記載の添加剤、例えばUV吸収剤、酸化防止剤およびフリーラジカル捕捉剤等をさらに含んでもよい。例えば0〜15%で多色性染料を添加することができる。さらに加えて、導電性を改良するために、導電性塩、好ましくはエチルジメチルドデシルアンモニウム4−ヘキソキシベンゾエート、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレートまたはクラウンエーテル(例えば、Haller et al., Mol. Cryst. Liq. Cryst. Volume 24, pages 249−258 (1973)を参照のこと)を添加することができる。あるいは、誘電異方性、粘度および/またはネマチック相の配向性を変更・改良するために物質が添加されてもよい。そのような物質は、ドイツ特許DE−A2209127、2240864、2321632、2338281、2450088、2637430および2853728に記載されている。
【0181】
本発明による液晶媒体は、必要により、慣用の濃度でキラルドーパントをさらに含むことができる。これらのドーパントの濃度は合計で、混合物全体の量を基礎として0%〜10%の範囲、好ましくは、0.1%〜6%である。それぞれ使用される個別の化合物の濃度は、好ましくは0.1%〜3%の範囲である。これらおよび類似の添加物の濃度は、本出願の液晶媒体の液晶成分および化合物の濃度の値および範囲には考慮されない。
【0182】
表Aは、発明の混合物に添加できる可能性のあるドーパントを示す。
【0183】
表A
【0184】
【化52】

【0185】
【化53】

【0186】
【化54】


本発明の混合物に、好ましくは0から10重量%の量で添加可能な安定剤を表Bに示す。
【0187】
表B
【0188】
【化55】

【0189】
【化56】

【0190】
【化57】

【0191】
【化58】

【0192】
【化59】


組成物は、複数の化合物、好ましくは3〜30、より好ましくは6〜20、および最も好ましくは10〜16の化合物からなる。これらの化合物は、慣用的な方法で混合される。一般に、より少ない量で使用される化合物の所定量を、より大きい量として用いられる化合物に溶解する。温度がより高い濃度で用いられる化合物の透明点を越える場合には、溶解の課程の完了を観察するのは、特に容易である。しかしながら、他の慣用の方法、たとえば、いわゆるプレ混合物の使用や、いわゆるマルチ・ボトル・システムにより媒体を調製することもできる。
【0193】
適正な添加剤により、本発明の液晶相は、今日知られているECB、VAN、IPS、GHまたはASM−PA LCDディスプレイのどのタイプにおいても採用できるように、変更することができる。
【0194】
次の例は、制限することなく本発明を説明することを意図するものである。例において、液晶物質の融点T(C,N)、スメクチック(S)からネマチック(N)への遷移T(S,N)および透明点T(N,I)は、摂氏度により示される。
【0195】
さらに、
は、20℃におけるしきい電圧、容量性(V)を表し、
Δnは、20℃にて589nmで測定された光学異方性を表し、
Δεは、20℃、1kHzでの誘電異方性を表し、
cp.は、透明点(℃)を表し、
γは、20℃で測定した回転粘度(mPa・s)を表し、
LTSは、テストセルの中で試験された低温安定性を表し、
HR(20)は、20℃での電圧保持率[%]を表し、
HR(100)は、100℃にて5分後の電圧保持率[%]を表し、
HR(UV)は、UV暴露の後の電圧保持率[%]を表す。
【0196】
電圧保持率を測定するために、Al−3046配向層を備えたセルを使用した。
【0197】
しきい電圧の測定に使用したディスプレイは、20μmギャップで離された2枚の平行外板を有しており、これら外板の内側には、液晶がその表面でホメオトロピック配向するようにSE−1211(日産化学)の配向層を有する電極層が設けられている。
【実施例】
【0198】
使用例
【0199】
【表1】

【0200】
【表2】

【0201】
【表3】

【0202】
【表4】

【0203】
【表5】

【0204】
【表6】

【0205】
【表7】

【0206】
【表8】

【0207】
【表9】

【0208】
【表10】

【0209】
【表11】

【0210】
【表12】

【0211】
【表13】

【0212】
【表14】

【0213】
【表15】

【0214】
【表16】

【0215】
【表17】

【0216】
【表18】

【0217】
【表19】

【0218】
【表20】

【0219】
【表21】

【0220】
【表22】

【0221】
【表23】

【0222】
【表24】

【0223】
【表25】

【0224】
【表26】

【0225】
【表27】

【0226】
【表28】

【0227】
【表29】

【0228】
【表30】

【0229】
【表31】

【0230】
【表32】

【0231】
【表33】

【0232】
【表34】

【0233】
【表35】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
6〜45の範囲のγ/Δnの比の値、60℃を越える透明点および−2.3以下のΔεを有することを特徴とする、負の誘電異方性を有する極性化合物の混合物に基づいた液晶媒体。
【請求項2】
60〜90℃の透明点を有することを特徴とする請求項1記載の液晶媒体。
【請求項3】
−2.3〜−5.5のΔε値を有することを特徴とする請求項1または2記載の液晶媒体。
【請求項4】
70℃±5℃の透明点および−3.0±0.6のΔεを有し、次の所定のΔn値において、次の回転粘度γを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【表1】

【請求項5】
70℃±5℃および−4.0±0.4のΔεを有し、次の所定のΔn値において、次の回転粘度γを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【表2】

【請求項6】
70℃±5℃および−5.0±0.6のΔεを有し、次の所定のΔn値において、次の回転粘度γを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【表3】

【請求項7】
90℃±5℃および−3.0±0.6のΔεを有し、次の所定のΔn値において、次の回転粘度γを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【表4】

【請求項8】
90℃±5℃および−4.0±0.4のΔεを有し、次の所定のΔn値において、次の回転粘度γを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【表5】

【請求項9】
90℃±5℃および−5.0±0.6のΔεを有し、次の所定のΔn値において、次の回転粘度γを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶媒体。
【表6】

【請求項10】
1.8〜2.3Vの範囲のしきい値(容量性)を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項11】
式IA、IBおよび/またはIIの化合物の少なくとも2つを含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液晶媒体。
【化1】

(式中、
およびRは、互いに独立して、それぞれ無置換、CNまたはCFでモノ置換、またはハロゲンで少なくともモノ置換されている15個までの炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基を表し、但し、これらの基において1または2以上のCH基は、独立して、O原子同士が直接結合しないようにして、−O−、−S−、
【化2】

−C≡C−、−CFO−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−または−O−CO−O−で置換されていても良く、
vは1〜6を表す。)
【請求項12】
さらに、式IIIの化合物を1種以上含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液晶媒体。
【化3】


(式中、R31およびR32は、互いに独立して、12個までの炭素原子を有する直鎖アルキル、アルキルアルコキシまたはアルコキシ基を表し、
【化4】


を表し、
Zは、単結合、−C−、−CH=CH−、−(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−CH=CHCHCH−、−CHCHCH=CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−、−OCO−、−C−、−CHFCF−、−CF=CF−、−CH=CF−、−CF=CH−、−CH−を表す。)
【請求項13】
式IA、IBおよび/またはIIで表される化合物を、1、2、3、4、5または6種含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項14】
混合物全体に対する式IAおよび/またはIBの化合物の割合が、少なくとも10重量%であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項15】
混合物全体に対する式IIの化合物の割合が、少なくとも10重量%であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項16】
混合物全体に対する式IIIの化合物の割合が、少なくとも5重量%であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項17】
10〜40重量%の1種または2種以上の式IAおよびIBの化合物、および10〜40重量%の1種または2種以上の式IIの化合物から実質的になることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の液晶媒体。
【請求項18】
誘電体として、請求項1〜17のいずれかに記載の液晶媒体を有することを特徴とする、ECB、PALCD、FFSまたはIPS効果に基づくアクティブマトリックスを備えた電気光学ディスプレイ。

【公開番号】特開2012−177118(P2012−177118A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−71842(P2012−71842)
【出願日】平成24年3月27日(2012.3.27)
【分割の表示】特願2007−519689(P2007−519689)の分割
【原出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】