説明

液晶性スチリル誘導体、その製造方法及びそれを用いた液晶性半導体素子

【課題】電気的な活性化エネルギーが小さく、安定性に優れた共役系構造を有する有機化合物を提供する。
【解決手段】液晶性スチリル誘導体は下記一般式(1)で表される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス材料、薄膜トランジスター、メモリー素子等の有機半導体材料として有用な液晶性スチリル誘導体、その製造方法及びそれを用いた液晶性半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンや化合物半導体に替わる半導体素材として有機物半導体が注目されている。従来の半導体による半導体素子は高真空下、高温下の製造プロセスが不可欠であるため製造コストの低減が困難である。これに対し、有機物が半導体素材として使用できれば、半導体塗液の塗布や室温域での真空蒸着等の単純なプロセスによって半導体素子が形成可能となる。
【0003】
本発明者らは、先に下記一般式で表される液晶相としてスメクチック相を有する液晶性化合物は、スメクチック相の液晶状態で電圧を印加するか、又はスメクチック相からの相転移で生じる固体状態で電圧を印加することにより、光励起なしで優れた電荷輸送能を有することから、該スチリル誘導体を、例えば有機エレクトロルミネッセンス材料や薄膜トランジスター等の有機半導体素子に用いることを提案した(例えば、特許文献1〜5参照。)。
【0004】
【化3】

【0005】
一般に、有機物は分子性物質であるため、無機材料に比較して光、熱、大気(O2、H2O)等に対して敏感で、化学反応を伴って分解を起こし易いという大きな問題点があり、これは有機物を材料として用いる際の極めて深刻な問題となる。光や酸素などによる材料の分解は、たとえ微量であっても、とりわけ、電気特性には大きな影響を与える可能性があり、特に電極付近の電気的な刺激が強い部分でも使用できるような耐久性の優れた化合物の開発が望まれていた。
【0006】
前記のスチリル誘導体とは別に、本発明者らは、スチリル基の繰り返し単位が4であるスチリル誘導体を、有機エレクトロルミネッセンス素子用の発光物質として用いることを提案した(特許文献6参照)。このスチリル誘導体は青色よりも長波長で発光するという特徴を有しているが、溶媒の種類によっては溶解性が十分でない場合がある。
【0007】
【特許文献1】特開2004−6271号公報
【特許文献2】国際公開第2004/85360号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2004/85359号パンフレット
【特許文献4】特開2004−311182号公報
【特許文献5】特開2005−142233号公報
【特許文献6】特開2005−272351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って本発明の目的は、耐久性が要求される有機半導体素子の部位に対しても好適に使用できる新規な液晶性化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする液晶性スチリル誘導体を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0010】
【化4】

【0011】
また本発明は、前記スチリル誘導体の好ましい製造方法として、下記一般式(3)で表される4−スチリルベンズアルデヒド化合物と下記一般式(4)で表されるホスホニウム塩を反応させることを特徴とする製造方法を提供するものである。
【0012】
【化5】

【0013】
更に本発明は、前記の液晶性スチリル誘導体を含む液晶性材料を用いてなることを特徴とする液晶性半導体素子を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば新規な液晶性スチリル誘導体及びその製造方法が提供される。かかるスチリル誘導体は一般式(1)においてスチリル基の繰り返し単位が2であるものに比べ、更に長い共役系構造を有しているので電気的な活性化エネルギーが小さく、電気的安定性に優れる。従って、有機半導体素子の電極付近等の電気的な刺激が特に強い部分でも好適に使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の液晶性スチリル誘導体は、長い直線的共役系構造部分を持つ液晶性化合物である。本発明のスチリル誘導体は、液晶状態でスメクチック相を有する化合物である。本発明のスチリル誘導体は、一般式(1)においてスチリル基の繰り返し単位が3であることによって特徴付けられる。この特徴によって本発明の液晶性スチリル誘導体は耐久性に優れたものになり、一般式(1)と基本骨格が同じでスチリル基の繰り返し単位が2の化合物に比べ、例えば、電気的な活性化エネルギーが小さく、電気的安定性に優れる。また、スチリル基の繰り返し単位が2の化合物に比べ、各種溶媒への溶解性に優れる。
【0016】
一般式(1)中、R1及びR2は、同一の又は異なる直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、F、−C(O)O(CH2m−CH3、−C(O)−(CH2m−CH3又は一般式(2)で表される不飽和結合を有する基である。アルキル基としては、炭素数1〜18のものが好ましく用いられる。具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。これらのうち、炭素数4〜18のアルキル基が好ましい。特に、アルキル基が一般式CH3−(CH2x−CH(CH3)−(CH2y−CH2−(式中、xは0〜7の整数、yは0〜7の整数を示す)で表される分岐状のアルキル基であると、各種溶媒への溶解性を向上させることができるので好ましい。とりわけx=0で且つy=0の場合であるイソブチル基が好ましい。
【0017】
アルコキシ基としては、一般式Cn2n+1O−で表される式中のnが1〜20の整数、特に4〜18の整数であることが好ましい。具体的にはメチルオキシ基、エチルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等が挙げられる。特に、アルコキシ基が一般式CH3−(CH2x−CH(CH3)−(CH2y−CH2−O−(式中、xは0〜7の整数、yは0〜7の整数を示す)で表される分岐状のアルコキシ基であると、各種溶媒への溶解性を向上させることができるので好ましい。とりわけx=0で且つy=0の場合であるイソブチルオキシ基が好ましい。
【0018】
−C(O)O(CH2m−CH3、−C(O)−(CH2m−CH3中、mは1〜18の整数、特に6〜14の整数であることが好ましい。
【0019】
一般式(2)で表される不飽和結合を有する基におけるR3は水素原子又はメチル基を示す。Bは、−(CH2m−、−(CH2m−O−、−CO−O−(CH2m−、−CO−O−(CH2m−O−、−C64−O−、−CO−を示す。mは1〜18の整数、特に6〜14の整数であることが好ましい。
【0020】
一般式(1)で表される液晶スチリル誘導体においてはR1とR2とは同一の基であってもよく、或いは異なる基であってもよい。特にR1とR2は一方が又は両方が直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基、特にイソブチル基又はイソブチルオキシ基であることが好ましい。また、R1とR2は一方が又は両方が直鎖状ヘプチル基又は直鎖状デシルオキシ基であることも好ましい。
【0021】
一般式(1)で表される液晶性スチリル誘導体は、シス体若しくはトランス体でもよく、又は両者の混合物であってもよい。
【0022】
一般式(1)で表される液晶性スチリル誘導体は、一般式(3)で表される4−スチリルベンズアルデヒド化合物と一般式(4)で表されるホスホニウム塩を反応させることによって好適に製造される。
【0023】
なお、本発明で用いられる原料物質である一般式(3)で表される4−スチリルベンズアルデヒド化合物、及び一般式(4)で表されるホスホニウム塩を得る方法は、例えば、国際公開第2004/85398号パンフレット、国際公報第2004/3862号パンフレット、国際公報第2004/85360号パンフレット、特開2005−272351号公報に記載されている。
【0024】
例えば、一般式(1)においてR1及びR2が何れもイソブチル基であるスチリル誘導体を得る場合には、一般式(3)として4−(4−イソブチルスチリル)ベンズアルデヒドを用い、一般式(4)として4−(4−イソブチルスチリル)ベンズホスホニウムブロマイドを用いればよい。
【0025】
具体的には、一般式(1)においてR1及びR2が何れもイソブチル基である液晶性スチリル誘導体を得る場合には、例えば出発物質として4−イソブチルベンジルアルデヒドを用い、以下の反応スキーム1に従い(8)〜(17)の化合物を合成することで目的物質を得ることができる。
【0026】
【化6】

【0027】
反応スキーム1においては、先ず4−イソブチルベンジルアルデヒドにNaBH4等の塩基をメタノール溶媒中で作用させて、4−イソブチルベンジルアルコール(8)を得る。得られた4−イソブチルベンジルアルコール(8)に、室温のベンゼン中で三臭化リンを作用させて、4−イソブチルベンジルブロマイド(9)を得る。化合物(9)に、室温のベンゼン中でトリフェニルホスフィンを作用させて、4−イソブチルベンズホスホニウムブロマイド(10)を得る。化合物(10)に50℃のメタノール中でテレフタルアルデヒドを作用させて4−(4−イソブチルスチリル)ベンズアルデヒド(11)を得る。
【0028】
得られた化合物(11)はシス体とトランス体との混合物である。この混合物を必要によりトルエン、キシレン中で環流させながらヨウ素を作用させてトランス体(12)を得る。この場合、ヨウ素の添加量は化合物(11)に対して好ましくは0.001〜0.1倍モル、更に好ましくは0.005〜0.01倍モルであり、加熱処理温度は100〜180℃、好ましくは130〜150℃である。本発明において前記化合物(11)及び/又は化合物(12)は前記一般式(3)で表される4−スチリルベンズアルデヒド化合物に相当する化合物である。
【0029】
得られたトランス体(12)にLiAlH4等の塩基をエーテル、アルコール等の溶媒中で作用させて4−(4−イソブチルスチリル)ベンズアルコール(13)を得る。化合物(13)に、室温のベンゼン中で三臭化リンを作用させて、4−(4−イソブチルスチリル)ベンジルブロマイド(14)を得る。化合物(14)を、室温のベンゼン中でトリフェニルホスフィンを作用させて、4−(4−イソブチルスチリル)ベンズホスホニウムブロマイド(15)を得る。本発明において、この化合物(15)は前記一般式(4)で表されるホスホニウム塩に相当する化合物である。
【0030】
次いで、前記4−(4−イソブチルスチリル)ベンズアルデヒド(化合物(11)又は化合物(12))の好ましくはトランス体(12)と前記4−(4−イソブチルスチリル)ベンズホスホニウムブロマイド(15)とを塩基の存在下、アルコール等の溶媒中で反応させる。
【0031】
使用できる塩基は、例えば、水素化ナトリウム等の金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルコキシド、ピリジン、カリウムクレゾラート、アルキルリチウム等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いられる。塩基の添加量は化合物(15)に対して0.8〜5倍モル、好ましくは1倍モル程度で十分である。反応条件は化合物(12)に対する化合物(15)のモル比は0.9〜1.1倍モル、好ましくは1程度で十分である。反応温度は0〜150℃、好ましくは30〜80℃で5時間以上、好ましくは10〜30時間反応を行う。反応終了後、濾過、所望により洗浄後、乾燥してスチレン誘導体(16)を得る。
【0032】
このスチリル誘導体(16)はシス体とトランス体との混合物である。この混合物を必要によりトルエン、キシレン中で還流させながらヨウ素を作用させて目的物質であるトランス体(17)を得る。ヨウ素の添加量は化合物(15)に対して好ましくは0.001〜0.1倍モル、更に好ましくは0.005〜0.01倍モルであり、加熱処理温度は100〜180℃、好ましくは130〜150℃である。
【0033】
このようにして得られた各種スチリル誘導体は、一般式(1)と基本骨格が同じでスチリル基の繰り返し単位が2の化合物に比べ、例えば、電気的な活性化エネルギーが小さく、電気的安定性に優れ、また、これを有機EL素子用の発光物質として用いた場合に約430nmで発光するものになる。これに対して、スチリル基の繰り返し単位が2の化合物は、本発明のスチリル誘導体の発光波長よりも短波長である約420nmの青色で発光する。また、本発明のスチリル誘導体は電荷輸送性を利用した光センサ、光導電体、空間変調素子、薄膜トランジスター、電子写真感光体の電荷輸送物質、ホトリソグラフティブ、太陽電池、非線形光学材料、有機半導体コンデンサー、その他のセンサー等の材料として用いることができる。特に本発明の液晶性スチリル誘導体は、有機エレクトロルミネッセンス材料、薄膜トランジスター、メモリー素子等の有機半導体材料として特に有用である。
【0034】
また、本発明の一般式(1)で表される液晶性スチリル誘導体は、スメクチック相の液晶状態で電圧を印加するか、又はスメクチック相からの相転移で生じる固体状態で電圧を印加する等のより、導電性を発現させることができる。また、該液晶性スチリル誘導体は、1種又は2種以上で使用することができ、また、他の長い直線的共役系構造部位を持つ、例えば、下記一般式(6a)〜(6f)で表される長い直線的共役構造部位を持つ液晶性化合物との混合物として使用してもよい。
【0035】
【化7】

【0036】
前記一般式(6a)〜(6g)で表される長い直線的共役構造部分を持つ液晶化合物の式中のR4及びR5は、直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。前記アルキル基としては、炭素数3〜20のものが好ましく用いられる。アルキル基の具体例としては、例えば、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。特に、分岐状のアルキル基が一般式CH3−(CH2x−CH(CH3)−(CH2y−CH2−(式中、xは0〜7の整数、yは0〜7の整数を示す)で表されるアルキル基の場合は各種溶媒への溶解性を向上させることができる。前記アルコキシ基としては、一般式Cn2n+1O−で表される式中のnが3〜20の整数であることが好ましい。特に、分岐状のアルコキシ基が一般式CH3−(CH2x−CH(CH3)−(CH2y−CH2−O−(式中、xは0〜7の整数、yは0〜7の整数を示す)で表されるアルコキシ基の場合は各種溶媒への溶解性を向上させることができる。また、式中のAは下記一般式(7a)〜(7e)の基が挙げられる。
【0037】
【化8】

【0038】
本発明にかかる液晶性半導体素子は、一般式(1)で表される液晶性スチリル誘導体を含む液晶性材料を用いてなることを特徴とするものである。前記液晶性材料は、一般式(1)で表される1種又は2種以上の液晶性スチリル誘導体を多くの場合5重量%以上、好ましくは30重量%以上、特に好ましくは70重量%以上含有し液晶相としてスメクチック相を有する材料である。
【0039】
一般式(1)の液晶性スチリル誘導体と併用して含有させることができる液晶性化合物としては、前記一般式(6a)〜(6g)の長い直線的共役構造部分を持つ液晶性化合物が挙げられる。
【0040】
本発明において前記液晶材料は、前記一般式(1)で表されるスチリル誘導体の1種又は2種以上及びそれ以外の必要な成分を溶媒に溶解した後、溶媒を加熱、減圧等で除去するか、前記一般式(1)で表されるスチリル誘導体の1種又は2種以上及びそれ以外の必要な成分とを混合し、加熱溶融するか、又はスパッタリング、真空蒸着、斜方真空蒸着等を行うことにより調製することができる。この中、本発明の前記液晶材料は真空蒸着法又は斜方真空蒸着法により100nm〜1000μmの薄膜としたものであることが好ましい。これは、蒸着時の薄膜の状態が粗であるため、蒸着によって形成した薄膜は、加熱処理することにより液晶分子が再配列しやすく、このため該液晶材料を後述するように加熱処理して一旦スメクチック相の液晶状態としたものは、他の製法により得られるものより液晶分子のスメクチック相の分子配列の記憶が向上し室温域に戻った状態でもスメクチック相の分子配列がほぼ完全に保持された固体状態のものが得られ、この固体状態のものを用いることにより、優れた導電性を持った液晶材料を得ることができるからである。
【0041】
更に、本発明において、前記液晶材料の薄膜は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性気体の雰囲気下に該液晶性材料のスメクチック液晶状態の温度範囲に加熱処理を加えて分子配向を制御して作成されたものであることが優れた導電性を有する液晶材料にすることができる点で特に好ましい。
【0042】
前記液晶材料を加熱処理してスメクチック相とする温度は、該液晶材料自体がスメクチック相の液晶相を示す範囲であればよい。また、加熱処理の時間等は特に制限されるものではなく、1〜60分、好ましくは1〜10分程度で十分である。
【0043】
本発明の液晶性半導体素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)や薄膜トランジスタ素子として有用である。
【0044】
以下、図を参照しながら本発明の液晶性半導体素子について説明する。図1〜図4は本発明の液晶性半導体素子の一実施形態を示す模式図である。図1の素子は、透明な基板1上に陽極2、バッファ層3、導電性液晶層4及び陰極5が順次積層されてなるものである。この素子は特に有機エレクトロルミネッセンス素子として好適に用いることができる。基板1は通常有機エレクトロルミネッセンス素子に常用で用いられるガラス基板等が用いられる。陽極2には、必要により光を取り出すため透明な材料で、仕事関数が大きいものが用いられ、例えばITO膜が好適である。陰極5は仕事関数の小さい金属、例えば、Al、Ca、LiF、Mgやこれらの合金の薄膜により形成する。
【0045】
導電性液晶層4は本発明の液晶材料が用いられ、一般式(1)のスチリル誘導体自体が緑色の発光性を有するため導電性液晶層4は発光層やキャリア輸送層の機能を有するものとなる。なお、この場合、該液晶材料のスメクチック相からの相転移で生じる固体状態を維持する範囲内でさらに少量の発光材料を添加することができる。用いることができる発光材料としては、ジフェニルエチレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジアミノカルバゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾキサゾール誘導体、芳香族ジアミン誘導体、キナクリドン系化合物、ペリレン系化合物、オキサジアゾール誘導体、クマリン系化合物、アントラキノン誘導体、DCM−1等のレーザー発振用色素、各種の金属錯体、低分子蛍光色素や高分子蛍光材料等が挙げられる。
【0046】
本発明の液晶半導体素子において、この導電性液晶層4が室温域(5〜40℃)で前記液晶材料の各成分を同時又は別々に真空蒸着又は斜方真空蒸着させた後、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体の雰囲気下に該液晶材料のスメクチック液晶状態温度範囲に加熱処理を加えて作成されたものであることが特に好ましい。
【0047】
バッファ層3は、必要により設置され、陽極2からの正孔注入のエネルギー障壁を低下させることを目的とし、例えば銅フタロシアニン、PEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート)や、その他フェニルアミン系、スターバースト型アミン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が用いられる。また、陰極5側に電子注入を目的とするバッファ層を設けてもよい。
【0048】
図2の素子は、本発明の液晶半導体素子を有機エレクトロルミネッセンス素子(EL素子)として用いる場合に好適な一実施形態を示す模式図である。この素子は、透明基板1上に陽極2、バッファ層3、液晶性化合物層4、有機物発光層6及び陰極5が順次積層されてなるもので、発光層6が導電性液晶層でない点が、図1の実施形態と相違する。発光層6には従来の各種の有機発光材料、例えばジフェニルエチレン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ジアミノカルバゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾキサゾール誘導体、芳香族ジアミン誘導体、キナクリドン系化合物、ペリレン系化合物、オキサジアゾール誘導体、クマリン系化合物、アントラキノン誘導体、DCM−1等のレーザー発振用色素、各種の金属錯体、低分子蛍光色素や高分子蛍光材料等が用いられる。
【0049】
この実施形態において導電性液晶層4は本発明の液晶材料を用い、また、この導電性液晶層4は室温域(5〜40℃)で前記液晶材料の各成分を同時又は別々に真空蒸着又は斜方真空蒸着させた後、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体の雰囲気下に該液晶材料のスメクチック液晶状態温度範囲に加熱処理を加えて作成されたものであることが好ましい。
【0050】
この場合、導電性液晶層4は主にキャリア輸送層として機能するが、従来のアモルファス型の有機化合物に比して、キャリア輸送性が高いため層厚を大にし得るとともに、キャリアの注入効率を高めて駆動電圧を低下させるという効果も期待できる。
【0051】
これらの有機エレクトロルミネッセンス素子において、導電性液晶層4の厚みを100nm〜100μmの範囲で任意に設計することができる。
【0052】
図3の素子は、本発明の液晶半導体素子を薄膜トランジスタ素子として用いる場合に好適な一実施形態を示す模式図である。この薄膜トランジスタ(以下、「TFT」と呼ぶ。)は、基板1上にゲート7を挟んでソース8及びドレイン9が対向して形成された電界効果型のTFTであり、ゲート7を覆うように絶縁膜10が形成され、絶縁膜10の外側にソース8とドレイン9を通電させるチャンネル部11を備える。基板1にはガラス、アルミナ焼結体などの無機材料、ポリイミド膜、ポリエステル膜、ポリエチレン膜、ポリフェニレンスルフィド膜、ポリパラキシレン膜等の絶縁性材料が用いられる。ゲート7はポニアニリン、ポリチオフェン等の有機材料、金、白金、クロム、パラジウム、アルミニウム、インジウム、モリブデン、ニッケル等の金属、これらの金属の合金、ポリシリコン、アモルファスシリコン、錫酸化物、酸化インジウム、インジウム、錫酸化物等が用いられる。絶縁膜10には、有機材料を塗布して形成したものであることが好ましく、使用される有機材料としては、ポリクロロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリビニルクロライド、ポリフッ化ビニリデン、シアノエチルプルラン、ポリメチルメタクリレート、ポリサルフォン、ポリカーボネート、ポリイミド等が用いられる。ソース8とドレイン9には、金、白金、透明導電膜(インジウム・スズ酸化物、インジウム・亜鉛酸化物等)等が用いられる。そしてチャンネル部11は本発明の液晶材料が用いられ、チャンネル部11は室温域(5〜40℃)で前記液晶材料の各成分を同時又は別々に真空蒸着又は斜方真空蒸着させた後、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体の雰囲気下に該液晶材料のスメクチック液晶状態温度範囲に加熱処理を加えて作成されたものであることが好ましい。また、必要により電子受容性物質や電子供与性物質と併用することにより、p型又はn型の性質をより強調することができる。かかる液晶材料からなるチャンネル部11にゲート7から電界をかけることにより、その内部の正孔又は電子の量を制御してスイッチング素子としての機能を付与することができる。また、絶縁膜10の材料として、例えばポリイミドを用い、これにラビング処理を施した後、その外層の導電性液晶層を形成することにより、この導電性液晶層の配向性を一層高めることが可能になる。これにより、TFTの作動電圧の低下や高速作動化を図ることができる。さらに、このラビング処理のラビングの方向は、ソース8とドレイン9間の電流流路の方向(例えば両者の中心間を結ぶ線の方向)と直角の方向であることが望ましい。これにより長い直線的共役構造部分を持つ液晶化合物の側鎖部分がソースとドレイン間の電流流路と直角に配列し、共役コア部分が近接して配向されるため、キャリアの輸送性が著しく大になり、シリコン等の半導体レベルの導電性を示すことになる。
【0053】
図4の素子は、本発明の液晶半導体素子を用いた実施形態の一つの薄膜トランジスタ素子を備える有機エレクトロルミネッセンス素子の断面構造を示す模式図である。
【0054】
この素子はエレクトロルミネッセンス素子本体と同じ基板1上に、スイッチング素子としてTFTが形成されているものであり、このTFTは前記薄膜トランジスタが用いられる。すなわち、エレクトロルミネッセンス素子本体に隣接して、基板1上にゲート7を挟んでソース8及びドレイン9が対向して形成されている。ゲート7を覆うように絶縁膜10が形成され、絶縁膜10の外側にソース8とドレイン9を導通させるチャンネル部11が形成されているが、このチャンネル部11に、前記液晶材料が用いられる。マトリックス方式の画素駆動であるから、ゲート7およびソース8は、それぞれx、yの信号線に接続され、ドレイン9はエレクトロルミネッセンス素子の一方の極(この例では陽極)に接続されている。
【0055】
このチャンネル部11の液晶材料には、エレクトロルミネッセンス素子本体の導電性液晶層4と同一の液晶材料を用いることができ、これと一体に形成することができる。これにより、アクチィブマットリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス素子において、素子本体とTFTを同時に形成することができ、その製造コストの一層の低減を図ることができる。
【0056】
チャンネル部11と導電性液晶層4の液晶材料は室温域(5〜40℃)で前記液晶材料の各成分を同時又は別々に真空蒸着又は斜方真空蒸着させた後、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性気体の雰囲気下に該液晶材料のスメクチック液晶状態温度範囲に加熱処理を加えて作成されたものであることが好ましい。
【実施例】
【0057】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
【0058】
〔実施例1〕
下記反応式に従って化合物(16)及び化合物(17)を合成した。
【0059】
【化9】

【0060】
化合物(12)0.26g(0.001mol)をメタノール90mlに溶かしたものをA液とした。化合物(15)0.58g(0.001mol)をメタノール30mlに溶かしたものをB液とした。B液をA液に加え、次に28%ナトリウムメトキシド0.19gをゆっくり滴下し窒素雰囲気中で50℃で24時間攪拌下に反応を行った。反応終了後、反応液を濾過し、沈殿をエタノール溶液、次に蒸留水で洗浄し、乾燥して化合物(16)の黄色固体0.16g(収率32.3%)を得た。
【0061】
化合物(16)0.16g(3×10-4mol)とヨウ素3mg、p−キシレン13mlを加え、120℃で4時間還流した。次いで室温まで冷却し、濾過し沈殿物を冷ヘキサン、次いで冷エタノールで洗浄し化合物(17)を得た。収量は0.12g、収率は75.0%で、性状は薄黄色固体であった。同定データとして、1H−NMR(CDCl3)及びFT−IR(KBr)の分析データを表1及び表2にそれぞれ示す。また、励起波長が320nmでの蛍光スペクトルの最大ピーク波長は430.8nmであった。
【0062】
【表1】

【0063】
【表2】

【0064】
〔実施例2〕
下記反応式に従って化合物(21)、化合物(22)及び化合物(26)を合成した。
【0065】
【化10】

【0066】
化合物(20)4.89g(0.083mol)とテレフタルアルデヒド16.7g(0.12mol)をエタノール100mlに溶解した。この溶液に28%ナトリウムメトキシド16g(0.083mol)を滴下し、次に50℃で24時間攪拌下に反応を行った。反応終了後、クロロホルムで抽出し、次に減圧下に溶媒を除去し、ヘキサンで洗浄して化合物(21)を得た。
【0067】
化合物(21)8.21g(0.03mol)とヨウ素22.4mg、p−キシレン40mlを加え、120℃で4時間還流した。次いで室温まで冷却し、濾過し沈殿物を冷ヘキサン、次いで冷エタノールで洗浄し化合物(22)を得た。収量は6.68g、収率は81.4%で、性状は薄黄色固体であった。次いで、下記反応式に従って化合物(26)を合成した。化合物(26)中、C1021O−基は直鎖状のものであった。
【0068】
【化11】

【0069】
化合物(22)0.16g(4.3×10-4mol)をメタノール20mlに溶解したものをA液とした。化合物(25)0.3g(4.3×10-4mol)をメタノール50mlに溶解したものをB液とした。B液をA液に加えて、次いで28%ナトリウムメトキシド0.08g(4.3×10-4mol)をゆっくり滴下し、窒素雰囲気中で50℃で24時間攪拌下に反応を行った。反応終了後、反応液を濾過し、沈殿をエタノール溶液で洗浄し、乾燥して化合物(26)の黄色固体0.08g(収率32.3%)を得た。同定データとして、1H−NMR(CDCl3)及びFT−IR(KBr)の分析データを表3及び表4にそれぞれ示す。また、励起波長が320nmでの蛍光スペクトルの最大ピーク波長は430.10nmであった。
【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
〔実施例3〕
下記反応式に従って化合物(27)を合成した。化合物(27)中、C1021O−基は直鎖状のものであった。
【0073】
【化12】

【0074】
化合物(22)0.2g(5.6×10-4mol)をメタノール90ml及びクロロホルム10mlを含む溶液に溶かしこれをA液とした。化合物(15)0.33g(5.6×10-4mol)をメタノール30mlに溶かしたものをB液とした。B液をA液を加え、次に28%ナトリウムメトキシド0.11gをゆっくり滴下し窒素雰囲気中で50℃で24時間攪拌下に反応を行った。反応終了後、反応液を濾過し、沈殿をエタノール溶液、蒸留水で洗浄し乾燥して化合物(27)の黄色固体0.16g(収率47.9%)を得た。同定データとして、1H−NMR(CDCl3)及びFT−IR(KBr)の分析データを表5及び表6にそれぞれ示す。また、励起波長が320nmでの蛍光スペクトルの最大ピーク波長は430.10nmであった。
【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
〔実施例4〕
下記反応式に従って化合物(29)及び(30)を合成した。化合物(29)及び(30)中、C715−基は直鎖状のものであった。
【0078】
【化13】

【0079】
化合物(5)0.73g(2.4×10-3mol)をメタノール30mlに溶かしたものをA液とした。化合物(15)1.4g(2.4×10-3mol)をメタノール50mlに溶かしたものをB液とした。B液をA液に加え、次いで28%ナトリウムメトキシド0.46gをゆっくり滴下し窒素雰囲気中で65℃で24時間攪拌下に反応を行った。反応終了後、反応液を濾過し、沈殿をエタノール溶液、次に蒸留水で洗浄し、乾燥して化合物(29)の黄色固体0.24g(収率11.4%)を得た。
【0080】
化合物(29)0.24g(5.0×10-4mol)とヨウ素1mg、p−キシレン8mlを加え、120℃で4時間還流した。次いで室温まで冷却し、濾過し沈殿物を冷ヘキサン、次いで冷エタノールで洗浄し化合物(30)を得た。収量は0.20g、収率は83.3%で、性状は黄色固体であった。同定データとして、1H−NMR(CDCl3)及びFT−IR(KBr)の分析データを表7及び表8にそれぞれ示す。また、励起波長が320nmでの蛍光スペクトルの最大ピーク波長は430.10nmであった。
【0081】
【表7】

【0082】
【表8】

【0083】
〔液晶性化合物としての物性評価〕
前記実施例1〜3で得られた化合物の相転移を表9に示す。また、実施例4の化合物については、偏光顕微鏡によりその透過光を観察した結果、該化合物は基板に対して垂直配向をとる液晶相としてスメクチック相を有する液晶性化合物であることを確認した。
【0084】
【表9】

【0085】
〔液晶性半導体素子の作製及び評価〕
〔有機エレクトロルミネッセンス素子〕
寸法2×2mm、厚さ0.7mmのガラス基板上(図1の符号1)にスパッタリング法により厚さ160nmのITO膜(図1の符号2)を形成した。その上にPEDOT−PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート)をスピンコーティングし、基板上の不要な部分をイソプロパノールを用いて除去し、次いで150℃で30分間熱処理し、PEDOT−PSSを硬化させてPEDOT−PSS層(膜厚0.1μm、図1の符号3)を得た。
【0086】
次いで、この基板を真空蒸着装置に取り付け、前記実施例1で得られたスチリル誘導体を30mgサンプルボートに入れ、蒸着装置に取り付けた。基板と試料との距離を15cmとして、室温(25℃)で真空計を見て気化状態を確認しながら真空蒸着を行った。蒸着終了後、窒素ガスを乾燥剤を通して導入し大気圧に戻した。蒸着した基板を基板加熱処理装置を用いて290℃で3分間加熱処理後、自然冷却し導電性液晶層(膜厚300nm、図1の符号4)を得た。
【0087】
次ぎに、その上にアルミニウム金属の陰極(図1の符号5)を、真空蒸着法により形成した。陰極の厚さは100nmであった。
【0088】
この素子を25℃で各電圧毎の電流量を測定し、その結果を図5に示す。図5の結果より、本発明の導電性液晶材料は室温域(25℃)で閾値電圧が5V程度の低い電圧で優れた導電性を発現する。また、この素子の蛍光スペクトルを暗所中で観察した結果、緑色の発光が観察された。
【0089】
〔薄膜トランジスタ素子〕
金製のドレイン電極(図3の符号9)とソース電極(図3の符号8)、及びシリコンのゲート電極(図3の符号7)がついた基板に前記実施例1で得られたスチリル誘導体を30mgサンプルボートに入れ、蒸着装置に斜めに取り付けた。基板と試料との距離を15cmとして、室温(25℃)で真空計を見て、気化状態を確認しながら斜方真空蒸着を行った。蒸着終了後、窒素ガスを、乾燥剤を通して導入し大気圧に戻した。蒸着した基板を、基板加熱処理装置を用いて290℃で3分間加熱処理後、自然冷却したところ良好な導電性液晶層(図3の符号11)を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の液晶性半導体素子を用いた実施形態の一つの有機エレクトロルミネッセンス素子の断面構造を示す模式図である。
【図2】本発明の液晶性半導体素子を用いた実施形態の一つの有機エレクトロルミネッセンス素子の断面構造を示す模式図である。
【図3】本発明の液晶性半導体素子を用いた実施形態の一つの薄膜トランジスタ素子の断面構造を示す模式図である。
【図4】本発明の液晶性半導体素子を用いた実施形態の一つの薄膜トランジスタ素子を備える有機エレクトロルミネッセンス素子の断面構造を示す模式図である。
【図5】実施例1で調製したスチリル誘導体を含む導電性液晶材料を用いた素子の電圧と電流量の関係を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1.基板
2.陽極
3.バッファ層
4.導電性液晶層
5.陰極
6.発光層
7.ゲート
8.ソース
9.ドレイン
10.絶縁膜
11.チャンネル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されることを特徴とする液晶性スチリル誘導体。
【化1】

【請求項2】
一般式(1)中のR1及びR2が同一の又は異なる直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルコキシ基である請求項1記載の液晶性スチリル誘導体。
【請求項3】
一般式(1)中のR1及びR2が同一の又は異なるCH3−(CH2x−CH(CH3)−(CH2y−CH2−又はCH3−(CH2x−CH(CH3)−(CH2y−CH2−O−(式中、xは0〜7の整数、yは0〜7の整数を示す)で表される分岐状のアルキル基又はアルコキシ基である請求項2記載の液晶性スチリル誘導体。
【請求項4】
一般式(1)中のR1又はR2がイソブチル基又はイソブチルオキシ基である請求項2記載の液晶性スチリル誘導体。
【請求項5】
一般式(1)中のR1又はR2が直鎖状ヘプチル基又は直鎖状デシルオキシ基である請求項2記載の液晶性スチリル誘導体。
【請求項6】
有機半導体材料として用いられる請求項1ないし5の何れかに記載の液晶性スチリル誘導体。
【請求項7】
下記一般式(3)で表される4−スチリルベンズアルデヒド化合物と下記一般式(4)で表されるホスホニウム塩とを反応させることを特徴とする請求項1記載の液晶性スチリル誘導体の製造方法。
【化2】

【請求項8】
請求項1記載の液晶性スチリル誘導体を含む液晶性材料を用いてなることを特徴とする液晶性半導体素子。
【請求項9】
前記液晶材料は室温域(5〜40℃)で真空蒸着又は斜方真空蒸着させて得られる液晶材料の薄膜を不活性気体の雰囲気下に該液晶性材料のスメクチック液晶状態の温度範囲に加熱処理を加えて作成されたものである請求項8記載の液晶性半導体素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−217309(P2007−217309A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37149(P2006−37149)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(304023994)国立大学法人山梨大学 (223)
【出願人】(000230593)日本化学工業株式会社 (296)
【Fターム(参考)】