説明

液晶表示パネル

【課題】 薄型化しても電極端子部の曲げに対する強度が十分であり、しかも水分や溶剤の付着に起因する電極の腐食や断線などを防止することが可能で、信頼性が優れた液晶表示パネルの提供。
【解決手段】 一方の面に電極が設けられ、他方の面に偏光板が設けられてなる第一及び第二のガラス基板3,4が電極側の面を対向して配設され、これら基板3,4間に液晶6が挟まれ、基板3の電極1の端子にフレキシブルプリント基板7が接続されてなる液晶表示パネルであって、基板3は表示面よりも突出する突出部3aを有し、該基板3に設けられた電極1ならびに偏光板8は突出部3aまで延設され、フレキシブルプリント基板7は突出部3aに位置する電極1の端子に接続され、基板4に設けられた偏光板9は前記表示面よりも延設され、基板4の偏光板9と基板3の突出部3aとの間に形成された空隙部に樹脂10が充填されてなる液晶表示パネル。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示により報知を行う携帯用電子機器に実装される液晶表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示パネルの例としては、特願昭58―177476号に記載されたようなものがある。図7、特願昭58―177476号の平面型表示パネルの例を示すものである。この平面型表示パネルは、薄膜EL表示パネルの外囲器を構成するガラス基板21と背面ガラス板22がシール材23で貼着され、これらガラス基板21と背面ガラス板22間の空隙部に薄膜EL素子24が収納され、該薄膜EL素子24のマトリックス電極構造を構成する電極線は外囲器外方に延設され、ガラス基板21周縁部に配列されている電極取り出し用端子25aに連結され、この端子25aにフレキシブルプリント基板26が半田27により接続され、さらに前記電極取り出し用端子25aとフレキシブルプリント基板26との接続部を含むガラス板21の上面がディスペンサーにより塗布した樹脂28で被覆されてなるものである。前記ガラス基板21の一部は、背面ガラス板22より突出しており、この突出部に電極取り出し用端子25aとフレキシブルプリント基板26との接続部が位置している。また、図8は、特開昭59―175613号の平面型表示パネルのその他の例を示すもので、図7R>7に示した平面型表示パネルと異なるところは、樹脂28上に補強板29が設けられたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような液晶表示パネルが実装される携帯用電子機器は、より小型化することが要望されており、そのため液晶表示パネルを薄型にする必要がある。しかしながら従来の液晶表示パネルにあっては、薄型にすると、電子機器のケースに実装できなくなったり、あるいは実装方法に制約が発生してしまうという問題があった。その理由は、ガラス基板21上に樹脂28をディスペンサーなどで一定量を塗布しているが、パネルを薄型化する場合は、図9に示すように樹脂28の厚みが厚くなり、ガラス基板22の外面側に設けられた偏光板39外面と面一にならず、液晶表示パネルの厚みより厚い凸部28aができてしまうからである。なお、図9中、符号25bは、ガラス板22の内面側に設けられた電極、38はガラス基板21の外面側に設けられた偏光板、46はガラス基板21とガラス板22との間に挟まれた液晶である。
【0004】また、従来の液晶表示パネルにおいては、図8に示したように樹脂28上に補強板29等の部品を別個に追加しなければならず、部品数が多くなってしまう。その理由は、液晶表示パネルを薄型化にともなって、樹脂28の塗布量を少なくすると、フレキシブルプリント基板26の上下左右の動きに対する電極端子25aの強度が弱くなるためである。さらに、従来の液晶表示パネルにおいては、電極端子25aの信頼性が低いという欠点があった。その理由は、液晶表示パネルの薄型化に伴って樹脂28の塗布量を少なくすると、電極端子25aが樹脂28で覆われないところができてしまうことがあり、不測の事態により水分や溶剤が入った場合、樹脂28で覆われていない電極端子28に前記水分等が付着して腐食し、断線してしまうことがあるからである。
【0005】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、薄型化しても電極端子部の曲げに対する強度が十分であり、しかも水分や溶剤の付着に起因する電極の腐食や断線などを防止することが可能で、信頼性が優れた液晶表示パネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、一方の面に電極が設けられ、他方の面に偏光板が設けられてなる第一及び第二のガラス基板が電極側の面を対向して配設され、これら第一及び第二のガラス基板間に液晶が挟まれ、第一のガラス基板の電極端子にフレキシブルプリント基板が接続されてなる液晶表示パネルであって、前記第一のガラス基板は表示面よりも突出する突出部を有し、該第一のガラス基板に設けられた電極ならびに偏光板は前記突出部まで延設され、前記フレキシブルプリント基板は前記突出部に位置する電極端子に接続され、前記第二のガラス基板に設けられた偏光板は前記表示面よりも延設され、該第二のガラス基板の偏光板と前記第一のガラス基板の突出部との間に形成された空隙部に樹脂が充填されてなることを特徴とする液晶表示パネルを前記課題の解決手段とした。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の液晶表示パネルにおいて、第一及び第二のガラス基板に代えて第一及び第二の可撓性フィルム基板が用いられることを特徴とする液晶表示パネルを前記課題の解決手段とした。また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の液晶表示パネルにおいて、第一及び第二のガラス基板に代えて第一及び第二の熱可塑性樹脂基板が用いられることを特徴とする液晶表示パネルを前記課題の解決手段とした。
【0008】また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の液晶表示パネルにおいて、前記空隙部に充填される樹脂が、シリコン系樹脂であることを特徴とする液晶表示パネルを前記課題の解決手段とした。また、請求項5記載の発明は、請求項1、2又は3記載の液晶表示パネルにおいて、前記空隙部に充填される樹脂が、エポキシ系樹脂であることを特徴とする液晶表示パネルを前記課題の解決手段とした。また、請求項6記載の発明は、請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示パネルにおいて、前記フレキシブルプリント基板がヒートシールコネクタであることを特徴とする液晶表示パネルを前記課題の解決手段とした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶表示パネルの一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、請求項1記載の液晶表示パネルの一実施形態(第一の実施形態)を示す断面図である。この第一の実施形態の液晶表示パネルは、一方の面に電極1が設けられ他方の面に偏光板8が設けられてなる第一のガラス基板3と、一方の面に電極2が設けられ他方の面に偏光板9が設けられてなる第二のガラス基板4とが、電極1、2を対向して配設され、これら第一及び第二のガラス基板3,4はシール材5により貼着され、さらにこれら第一及び第二のガラス基板3,4間の空隙部に液晶26が封入され、第一のガラス基板3の電極1の端子にフレキシブルプリント基板7が接続されることにより概略構成されている。
【0010】前記第一のガラス基板3は表示面よりも突出する突出部3aを有し、該第一のガラス基板3に設けられた電極1ならびに偏光板8は前記突出部3aまで延設されている。すなわち、前記電極1の幅方向の長さは、第一のガラス基板3の幅方向および/または長さ方向の長さより僅かに短い程度である。また、前記偏光板8の幅方向および/または長さ方向の長さは、第一のガラス基板3と略同じ長さである。
【0011】前記フレキシブルプリント基板7は、前記突出部3aに位置する電極1の端子に接続されている。前記第二のガラス基板4に設けられた偏光板9は、前記表示面よりも延設されて前記偏光板8と同様に第一のガラス基板3と略同じ長さのものである。そして、この第一の実施形態の液晶表示パネルは、該第二のガラス基板4の偏光板9と前記第一のガラス基板3の突出部3aとの間に形成された空隙部に樹脂10が充填されており、この樹脂10により電極1の端子とフレキシブルプリント基板7との接続部11が覆われており、また、この樹脂10により第一のガラス基板3と接続部11と偏光板9とが固着、一体化されている。なお、前記偏光板8としては、大きさを確保できれば良いので 半透過もしくは全反射の反射板と同時成形されたものでも良い。
【0012】この第一の実施形態の液晶表示パネルにあっては、特に、第二のガラス基板4の偏光板9と前記第一のガラス基板3の突出部3aとの間に形成された空隙部に樹脂10が充填されたことにより、偏光板9と第一のガラス基板3の間に樹脂10が挟まれており、樹脂10を塗布した部分が液晶表示パネルの厚さよりも厚くならないため、従来の液晶表示パネルのようにパネルより厚みの厚い凸部ができることが改善され、樹脂10の厚さが液晶表示パネルの厚さよりも厚くなることがないので、液晶表示パネルの薄型化が可能であり、携帯用電子機器のケースに実装でき、また、実装方法の制約もなくなるという利点がある。従って、このような液晶表示パネルが実装された携帯用電子機器は、小型化が可能である。また、ガラス基板3と、電極1の端子とフレキシブルプリント基板7との接続部11と、偏光板9とが、前記樹脂10により固着、一体化されているので、電極1の端子部の厚さが従来よりも厚くなったかたちとなり、フレキシブルプリント基板7の上下左右の動きに対する電極1の端子部の強度が向上するので、従来の液晶表示パネルのように別個の補強板を設けなくてもよい。さらに、電極1の端子が全て樹脂10で覆われているので、水分や溶剤が電極1の端子に付着することを防止でき、これら水分や溶剤の進入に起因する電極1の腐食や断線がなくなり、電極1の端子部の信頼性を向上させることができる。
【0013】つぎに、請求項2記載の液晶表示パネルの一実施形態について説明する。図2は、請求項2記載の液晶表示パネルの一実施形態(第二の実施形態)を示す断面図である。この第二の実施形態の液晶表示パネルが、図1の第一の実施形態の液晶表示パネルと異なるところは、第一及び第二のガラス基板3,4に代えて第一及び第二の可撓性フィルム基板3A,4Aが用いられた点である。前記可撓性フィルム基板3A,4Aをなす材料としては、ポリエーテルサルフォンフィルム等の高分子フィルムが用いられる。この第二の実施形態の液晶表示パネルにあっては、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の液晶表示パネルとほぼ同様の作用効果がある。
【0014】つぎに、請求項3記載の液晶表示パネルの一実施形態について説明する。図3は、請求項3記載の液晶表示パネルの一実施形態(第三の実施形態)を示す断面図である。この第三の実施形態の液晶表示パネルが、図1の第一の実施形態の液晶表示パネルと異なるところは、第一及び第二のガラス基板3,4に代えて第一及び第二の熱可塑性樹脂基板3B,4Bが用いられた点である。前記熱可塑性樹脂基板3B,4Bをなす材料としては、ポリカーボネイト樹脂等の高分子材料が用いられる。この第三の実施形態の液晶表示パネルにあっては、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の液晶表示パネルとほぼ同様の作用効果がある。
【0015】つぎに、請求項4記載の液晶表示パネルの一実施形態について説明する。図4は、請求項4記載の液晶表示パネルの一実施形態(第四の実施形態)を示す断面図である。この第四の実施形態の液晶表示パネルが、図1の第一の実施形態の液晶表示パネルと異なるところは、第二のガラス基板4の偏光板9と前記第一のガラス基板3の突出部3aとの間に形成された空隙部に充填される樹脂10がシリコン系樹脂10Aである点である。この第四の実施形態の液晶表示パネルにあっては、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の液晶表示パネルとほぼ同様の作用効果がある。
【0016】つぎに、請求項5記載の液晶表示パネルの一実施形態について説明する。図5は、請求項5記載の液晶表示パネルの一実施形態(第五の実施形態)を示す断面図である。この第五の実施形態の液晶表示パネルが、図1の第一の実施形態の液晶表示パネルと異なるところは、第二のガラス基板4の偏光板9と前記第一のガラス基板3の突出部3aとの間に形成された空隙部に充填される樹脂10がエポキシ系樹脂10Bである点である。この第五の実施形態の液晶表示パネルにあっては、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の液晶表示パネルとほぼ同様の作用効果がある。
【0017】つぎに、請求項6記載の液晶表示パネルの一実施形態について説明する。図6は、請求項6記載の液晶表示パネルの一実施形態(第六の実施形態)を示す断面図である。この第六の実施形態の液晶表示パネルが、図1の第一の実施形態の液晶表示パネルと異なるところは、フレキシブルプリント基板7がヒートシールコネクタ7Aである点である。この第六の実施形態の液晶表示パネルにあっては、前述の構成としたことにより、第一の実施形態の液晶表示パネルとほぼ同様の作用効果がある。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の液晶表示パネルによれば、特に、第二のガラス基板の偏光板と前記第一のガラス基板の突出部との間に形成された空隙部に樹脂が充填されたことにより、偏光板と第一のガラス基板の間に樹脂が挟まれており、樹脂を塗布した部分が液晶表示パネルの厚さよりも厚くならないため、従来の液晶表示パネルのようにパネルより厚みの厚い凸部ができることが改善され、樹脂の厚さが液晶表示パネルの厚さよりも厚くなることがないので、液晶表示パネルの薄型化が可能であり、携帯用電子機器のケースに実装でき、また、実装方法の制約もなくなるという利点がある。従って、このような液晶表示パネルが実装された携帯用電子機器は、小型化が可能である。また、第一のガラス基板と、電極端子とフレキシブルプリント基板との接続部と、偏光板とが、前記樹脂により固着、一体化されているので、電極端子部の厚さが従来よりも厚くなったかたちとなり、フレキシブルプリント基板の上下左右の動きに対する電極端子部の強度が向上するので、従来の液晶表示パネルのように別個の補強板を設けなくてもよい。さらに、電極端子が全て樹脂で覆われているので、水分や溶剤が電極端子に付着することを防止でき、これら水分や溶剤の付着に起因する電極の腐食や断線がなくなり、電極端子部の信頼性を向上させることができる。また、請求項2から6記載の液晶表示パネルにあっては、前述の構成にしたより、前記請求項1記載の液晶表示パネルとほぼ同様の作用効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1記載の液晶表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の請求項2記載の液晶表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明の請求項3記載の液晶表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
【図4】 本発明の請求項4記載の液晶表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
【図5】 本発明の請求項5記載の液晶表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
【図6】 本発明の請求項6記載の液晶表示パネルの一実施形態を示す断面図である。
【図7】 従来の液晶表示パネルの例を示す断面図である。
【図8】 従来の液晶表示パネルのその他の例を示す断面図である。
【図9】 従来の液晶表示パネルの問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1,2…電極、3…第一のガラス基板、4…第二のガラス基板、3A…第一の可撓性フィルム基板、4A…第二の可撓性フィルム基板、3B…第一の熱可塑性樹脂基板、4B…第二の熱可塑性樹脂基板、5…シール材、6…液晶、7…フレキシブルプリント基板、7A…ヒートシールコネクタ、3a…突出部、8,9…偏光板、10…樹脂、10A…シリコン系樹脂、10B…エポキシ系樹脂、11…接続部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方の面に電極が設けられ、他方の面に偏光板が設けられてなる第一及び第二のガラス基板が電極側の面を対向して配設され、これら第一及び第二のガラス基板間に液晶が挟まれ、第一のガラス基板の電極端子にフレキシブルプリント基板が接続されてなる液晶表示パネルであって、前記第一のガラス基板は表示面よりも突出する突出部を有し、該第一のガラス基板に設けられた電極ならびに偏光板は前記突出部まで延設され、前記フレキシブルプリント基板は前記突出部に位置する電極端子に接続され、前記第二のガラス基板に設けられた偏光板は前記表示面よりも延設され、該第二のガラス基板の偏光板と前記第一のガラス基板の突出部との間に形成された空隙部に樹脂が充填されてなることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項2】 請求項1記載の液晶表示パネルにおいて、第一及び第二のガラス基板に代えて第一及び第二の可撓性フィルム基板が用いられることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項3】 請求項1記載の液晶表示パネルにおいて、第一及び第二のガラス基板に代えて第一及び第二の熱可塑性樹脂基板が用いられることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項4】 請求項1、2又は3に記載の液晶表示パネルにおいて、前記空隙部に充填される樹脂が、シリコン系樹脂であることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項5】 請求項1、2又は3記載の液晶表示パネルにおいて、前記空隙部に充填される樹脂が、エポキシ系樹脂であることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示パネルにおいて、前記フレキシブルプリント基板がヒートシールコネクタであることを特徴とする液晶表示パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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