説明

液晶表示装置および液晶テレビジョン装置

【課題】光源を点滅させてバックライトの輝度を調整する構成において、輝度の高い安定性を得ることが可能で、かつ、電源トランスが音鳴きすることを抑制することが可能な液晶表示装置および液晶テレビジョン装置を提供する。
【解決手段】この液晶テレビジョン装置100(液晶表示装置)は、画像を表示可能な液晶表示パネル111と、5個の第1LED112aと5個の第2LED112bとを含み液晶表示パネル111に光を照射するバックライト112と、1次側の電圧をバックライト111に供給する2次側の電圧に変換する電源トランス14と、第1LED112aおよび第2LED112bに供給される電力(電流)を制御してそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置および液晶テレビジョン装置に関し、特に、バックライトを備える液晶表示装置および液晶テレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックライトを備える液晶表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、画像を表示可能な液晶パネル(液晶表示パネル)と、3つの発光素子(光源)を含み液晶パネルに光を照射するバックライトと、3つの発光素子をそれぞれ繰り返し点滅させる制御を行うバックライト制御装置(制御部)とを備えた液晶表示装置が開示されている。この液晶表示装置では、バックライト制御装置により3つの発光素子のうちいずれか1つを消灯するのと同時に別の1つを点灯させるようにして3つの発光素子を順番に点滅させることによって、バックライトの輝度を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−251533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の液晶表示装置では、3つの発光素子(光源)のうちいずれか1つを消灯するのと同時に別の1つを点灯させるようにして3つの発光素子を順番に点滅させることによって、バックライトの輝度を調整するので、3つの発光素子のうちいずれか1つの発光素子の消灯のタイミングと別の1つの発光素子の点灯のタイミングとを厳密に一致させるのが困難であり、消灯のタイミングと点灯のタイミングとが少しでもずれると、瞬間的に両方とも消灯または点灯状態になり、設計した輝度(片方のみ点灯)とは異なる輝度になってしまうため輝度の安定性が低いという問題点がある。
【0006】
また、従来、光源に電力を供給するために電圧を変換する電源トランスを備えた構成において、バックライトの光源を点滅させる際に、電源トランスの負荷変動が大きくなると電源トランスが音鳴きをしてしまうという問題点もある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、光源を点滅させてバックライトの輝度を調整する構成において、輝度の高い安定性を得ることが可能で、かつ、電源トランスが音鳴きすることを抑制することが可能な液晶表示装置および液晶テレビジョン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この発明の第1の局面による液晶表示装置は、画像を表示可能な液晶表示パネルと、複数の光源を2分割した一方の第1光源と他方の第2光源とを含み液晶表示パネルに光を照射するバックライトと、1次側の電圧をバックライトに供給する2次側の電圧に変換する電源トランスと、第1光源および第2光源に供給される電力を制御してそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部とを備え、制御部は、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように第1光源および第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている。
【0009】
この第1の局面による液晶表示装置では、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の消灯および点灯のタイミングとがそれぞれ互いに重ならないようにすることによって、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の消灯および点灯のタイミングとが少しずれた場合にも、設計に反して瞬間的に第1光源および第2光源が両方とも消灯または両方とも点灯状態になることがないので、瞬間的に設計した輝度とは異なる輝度になってしまうのを抑制することができる。これにより、輝度の高い安定性を得ることができる。また、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとがそれぞれ互いに重ならないようにすることによって、光源の点滅に伴う電源トランスの負荷変動のタイミングを分散して一度に生じる負荷変動を小さくすることができるので、電源トランスが音鳴きすることを抑制することができる。これにより、輝度の高い安定性を得ることができ、かつ、電源トランスが音鳴きすることを抑制することができる。また、複数の光源を2分割した一方の第1光源および複数の光源を2分割した他方の第2光源に供給される電力を制御してそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部を設けることによって、制御部が2つの光源を制御するだけで輝度を調整することができるので、制御部による制御を簡単にすることができる。
【0010】
この第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、制御部は、第1光源および第2光源をそれぞれ所定の周期で点滅させるとともに、第1光源を点灯させるタイミングと第2光源を点灯させるタイミングとが所定の時間だけ互いにずれるように制御することによって、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように第1光源および第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させるように構成されている。このように構成すれば、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとを容易に互いに重ならないようにすることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、第1光源を点灯させるタイミングと第2光源を点灯させるタイミングとが所定の周期の半周期分だけ互いにずれるように第1光源および第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとを確実に互いに重ならないようにすることができる。
【0012】
この第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、制御部は、第1光源および第2光源を点滅させる周波数が音の可聴域内の周波数になるように第1光源および第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させるとともに、第1光源および第2光源を点滅させることによる電力変化の周波数が音の可聴域外の周波数になるように制御を行うように構成されている。このように構成すれば、電源トランスの負荷変動により電源トランスから音が発生したとしても、電源トランスから発生する音を実質的に聴こえないようにすることができる。
【0013】
この第1の局面による液晶表示装置において、好ましくは、第1光源および第2光源は、それぞれ、複数の第1発光素子および複数の第2発光素子を有し、制御部は、複数の第1発光素子の点灯および消灯のタイミングと複数の第2発光素子の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように複数の第1発光素子および複数の第2発光素子をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、冷陰極蛍光ランプなどに比べて消費電力が少ない発光素子を用いることにより、第1光源および第2光源を点滅させることによる電力変化をより小さくすることができるので、電源トランスの負荷変動をより小さくすることができる。
【0014】
この発明の第2の局面による液晶テレビジョン装置は、画像を表示可能な液晶表示パネルと、テレビジョン信号を受信するチューナと、複数の光源を2分割した一方の第1光源と他方の第2光源とを含み液晶表示パネルに光を照射するバックライトと、1次側の電圧をバックライトに供給する2次側の電圧に変換する電源トランスと、第1光源および第2光源に供給される電力を制御してそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部とを備え、制御部は、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように第1光源および第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている。
【0015】
この第2の局面による液晶テレビジョン装置では、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の消灯および点灯のタイミングとがそれぞれ互いに重ならないようにすることによって、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の消灯および点灯のタイミングとが少しずれた場合にも、設計に反して瞬間的に第1光源および第2光源が両方とも消灯または両方とも点灯状態になることがないので、瞬間的に設計した輝度とは異なる輝度になってしまうのを抑制することができる。これにより、輝度の高い安定性を得ることができる。また、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとがそれぞれ互いに重ならないようにすることによって、光源の点滅に伴う電源トランスの負荷変動のタイミングを分散して一度に生じる負荷変動を小さくすることができるので、電源トランスが音鳴きすることを抑制することができる。これにより、輝度の高い安定性を得ることができ、かつ、電源トランスが音鳴きすることを抑制することができる。このような効果は、特に、静音化が望まれる液晶テレビジョン装置において有効である。また、複数の光源を2分割した一方の第1光源および複数の光源を2分割した他方の第2光源に供給される電力を制御してそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部を設けることによって、制御部が2つの光源を制御するだけで輝度を調整することができるので、制御部による制御を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1および第2実施形態による液晶テレビジョン装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1および第2実施形態による液晶テレビジョン装置のバックライトの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置の第1LEDを点滅させるための電流の変化を示した図である。
【図4】本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置の第2LEDを点滅させるための電流の変化を示した図である。
【図5】本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置の第1LEDおよび第2LEDを点滅させた際のトータルの電流の変化を示した図である。
【図6】本発明の第2実施形態による液晶テレビジョン装置の第1LEDを点滅させるための電流の変化を示した図である。
【図7】本発明の第2実施形態による液晶テレビジョン装置の第2LEDを点滅させるための電流の変化を示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態による液晶テレビジョン装置の第1LEDおよび第2LEDを点滅させた際のトータルの電流の変化を示した図である。
【図9】本発明の第1および第2実施形態の変形例による液晶テレビジョン装置のバックライトの構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置100の構成について説明する。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「液晶表示装置」の一例である。
【0019】
本発明の第1実施形態による液晶テレビジョン装置100は、図1に示すように、液晶表示部11と、制御部12と、電源13と、電源トランス14と、ドライバ15と、チューナ16と、デコーダ17とを備えている。
【0020】
液晶表示部11は、液晶表示パネル111と、バックライト112とを含んでいる。液晶表示パネル111は、チューナ16を介して受信されたテレビジョン信号に基づいてデコーダ17で処理された画像を表示可能に構成されている。
【0021】
バックライト112は、液晶表示パネル111に向けて光を照射するように構成されている。具体的には、バックライト112は、図2に示すように、5個の第1LED(発光ダイオード)112aと5個の第2LED112bとを含み、第1LED112aおよび第2LED112bから出力された光を液晶表示パネル111に向けて照射するように構成されている。これにより、液晶表示パネル111が、明るく、かつ、鮮明な画像を表示することが可能に構成されている。なお、第1LED112aは、本発明の「第1光源」および「第1発光素子」の一例であり、第2LED112bは、本発明の「第2光源」および「第2発光素子」の一例である。
【0022】
第1LED112aおよび第2LED112bは、それぞれ、ドライバ15を介して制御部12に接続されている。また、第1LED112aおよび第2LED112bは、ドライバ15から供給される電流の有無により点滅可能に構成されている。バックライト112は、第1LED112aおよび第2LED112bが点灯している時間と消灯している時間の割合により輝度が調整可能に構成されている。具体的には、バックライト112は、第1LED112aおよび第2LED112bの点灯している時間の割合が長くなれば輝度が上がり、点灯している時間の割合が短くなれば輝度が下がるように構成されている。
【0023】
制御部12は、液晶テレビジョン装置100の各部を制御するように構成されている。また、制御部12は、電源13から電源トランス14を介して電力が供給されるように構成されている。また、制御部12は、ドライバ15を介して、第1LED112aおよび第2LED112bに供給される電流を制御して、第1LED112aおよび第2LED112bをそれぞれ点滅させる制御を行うように構成されている。
【0024】
電源13は、1次側に配置されて外部から供給される100Vの電圧を電源トランス14に供給可能に構成されている。電源トランス14は、電源13から出力された100Vの電圧を2次側に配置された制御部12に入力される5Vの電圧に変換可能に構成されている。また、電源トランス14は、制御部12に出力される電力(電流)に応じて動作するように構成されている。具体的には、制御部12およびドライバ15を介してバックライト112に供給される電流が大きくなると電源トランス14の負荷が大きくなり、バックライト112に供給される電流が小さくなると電源トランス14の負荷が小さくなるように構成されている。つまり、バックライト112に供給される電流の変化が大きくなると電源トランス14の負荷変動が大きくなるように構成されている。
【0025】
ドライバ15は、制御部12により制御されて、バックライト112の第1LED112aおよび第2LED112bに電流を供給するように構成されている。チューナ16は、テレビジョン信号を受信可能に構成されている。デコーダ17は、チューナ16が受信したテレビジョン信号を処理して液晶表示パネル111が表示可能な画像にするように構成されている。
【0026】
次に、図3〜図5を参照して、液晶テレビジョン装置100のバックライト112の第1LED112aおよび第2LED112bを点滅させた際の電流の変化について説明する。
【0027】
第1LED112aは、図3に示すように、制御部12により供給される電流が制御されている。具体的には、5個の第1LED112aは、時間t1〜t5において、時間t1〜t4の間では電流Iが供給され、時間t4〜t5の間では電流の供給が停止される。また、5個の第1LED112aは、時間t1〜t5を1周期として、同様に電流の供給と停止が繰り返される。これにより、5個の第1LED112aは、所定の周波数(たとえば、音の可聴域内の10kHz)で点灯と消灯とが繰り返される。また、ここでは、1周期のうち第1LED112aが点灯している時間の割合を表すデューティ比が3/4になっている。
【0028】
第2LED112bは、図4に示すように、制御部12により供給される電流が制御されている。また、第2LED112bは、第2LED112bの点灯および消灯のタイミングが、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと重ならないように点滅するように電流が供給されている。具体的には、5個の第2LED112bは、時間t3〜t7において、時間t3〜t6の間では電流Iが供給され、時間t6〜t7の間では電流の供給が停止される。また、5個の第2LED112bは、時間t3〜t7を1周期として、同様に電流の供給と停止が繰り返される。これにより、5個の第2LED112bは、第1LED112aと同じ所定の周波数(たとえば、音の可聴域内の10kHz)で第1LED112aに対して半周期ずれて点灯と消灯とが繰り返される。また、ここでは、1周期のうち第2LED112bが点灯している時間の割合を表すデューティ比が3/4になっている。
【0029】
ここで、第1実施形態では、図5に示すように、バックライト112には、ドライバ15から電流が供給される。詳細には、バックライト112には、第1LED112aに供給される電流と第2LED112bに供給される電流の合計の電流が供給される。時間t1〜t2では、第1LED112aおよび第2LED112bの両方に同じ電流Iが供給されている。時間t2〜t3では、第1LED112aにのみ電流Iが供給されている。以後も第1LED112aおよび第2LED112bの両方に電流Iが供給されている場合と、どちらか一方のみに電流Iが供給されている場合とが繰り返される。つまり、バックライト112に供給される電流の変化は、時間t1〜t3を1周期として、電流2Iが供給されている期間と電流Iが供給されている期間とが繰り返される。これにより、第1LED112aおよび第2LED112bの両方に同時に電流を供給(停止)する場合に比べて、バックライト112に供給される電流の変化を1/2にすることができる。
【0030】
また、バックライト112に供給される電力(電流)変化の周波数(たとえば、音の可聴域外の20kHz)が第1LED112aおよび第2LED112bの点滅の周波数(たとえば、音の可聴域内の10kHz)の2倍となる。これにより、制御部12は、第1LED112aおよび第2LED112bを音の可聴域内の周波数(たとえば、10kHz)で点滅させるとともに、バックライトに供給される電力(電流)変化を音の可聴域外の周波数(たとえば、20kHz)になるように制御することができる。
【0031】
第1実施形態では、上記のように、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの消灯および点灯のタイミングとがそれぞれ互いに重ならないようにすることによって、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの消灯および点灯のタイミングとが少しずれた場合にも、設計に反して瞬間的に第1LED112aおよび第2LED112bが両方とも消灯または両方とも点灯状態になることがないので、瞬間的に設計した輝度とは異なる輝度になってしまうのを抑制することができる。これにより、輝度の高い安定性を得ることができる。また、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの点灯および消灯のタイミングとがそれぞれ互いに重ならないようにすることによって、第1LED112aおよび第2LED112bの点滅に伴う電源トランス14の負荷変動のタイミングを分散して一度に生じる負荷変動を小さくすることができるので、電源トランス14が音鳴きすることを抑制することができる。これにより、輝度の高い安定性を得ることができ、かつ、電源トランス14が音鳴きすることを抑制することができる。このような効果は、特に、静音化が望まれる液晶テレビジョン装置100において有効である。また、複数の光源を2分割した一方の第1LED112aおよび複数の光源を2分割した他方の第2LED112bに供給される電力を制御してそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部12を設けることによって、制御部12が2つの光源を制御するだけで輝度を調整することができるので、制御部12による制御を簡単にすることができる。
【0032】
また、第1実施形態では、制御部12を、第1LED112aおよび第2LED112bをそれぞれ所定の周期で点滅させるとともに、第1LED112aを点灯させるタイミングと第2LED112bを点灯させるタイミングとが半周期分だけ互いにずれるように第1LED112aおよび第2LED112bをそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成することによって、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの点灯および消灯のタイミングとを確実に互いに重ならないようにすることができる。
【0033】
また、第1実施形態では、制御部12を、第1LED112aおよび第2LED112bを点滅させる周波数が音の可聴域内の周波数(たとえば、10kHz)になるように第1LED112aおよび第2LED112bをそれぞれ交互に繰り返し点滅させるとともに、第1LED112aおよび第2LED112bを点滅させることによる電力(電流)変化の周波数が音の可聴域外の周波数(たとえば、20kHz)になるように制御を行うように構成することによって、電源トランス14の負荷変動により電源トランス14から音が発生したとしても、電源トランス14の負荷変動による電源トランス14から発生する音を実質的に聴こえないようにすることができる。
【0034】
また、第1実施形態では、5個の第1LED112aおよび5個の第2LED112bを光源として設けることによって、冷陰極蛍光ランプなどに比べて消費電力が少ないLEDを用いることにより、光源を点滅させることによる電力変化をより小さくすることができるので、電源トランス14の負荷変動をより小さくすることができる。
【0035】
(第2実施形態)
次に、図1、図2および図6〜図8を参照して、本発明の第2実施形態による液晶テレビジョン装置100について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、1周期のうち第1LED112aおよび第2LED112bが点灯している時間の割合を表すデューティ比が1/2である液晶テレビジョン装置100について説明する。
【0036】
図1および図2に示すように、第2実施形態による液晶テレビジョン装置100は、第1実施形態と同様の構成をしている。なお、液晶テレビジョン装置100は、本発明の「液晶表示装置」の一例である。
【0037】
図6〜図8を参照して、液晶テレビジョン装置100のバックライト112の第1LED112aおよび第2LED112bを点滅させた際の電流の変化について説明する。
【0038】
ここで、第2実施形態では、第1LED112aは、図6に示すように、制御部12により供給される電流が制御されている。具体的には、5個の第1LED112aは、時間t1〜t5において、時間t1〜t3の間では電流Iが供給され、時間t3〜t5の間では電流の供給が停止される。また、5個の第1LED112aは、時間t1〜t5を1周期として、同様に電流の供給と停止が繰り返される。これにより、5個の第1LED112aは、所定の周波数(たとえば、100Hz)で点灯と消灯とが繰り返される。また、ここでは、1周期のうち第1LED112aが点灯している時間の割合を表すデューティ比が1/2になっている。
【0039】
第2LED112bは、図7に示すように、制御部12により供給される電流が制御されている。また、第2LED112bは、第2LED112bの点灯および消灯のタイミングが、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと重ならないように点滅するように電流が供給されている。具体的には、5個の第2LED112bは、時間t2〜t6において、時間t2〜t4の間では電流Iが供給され、時間t4〜t6の間では電流の供給が停止される。また、5個の第2LED112bは、時間t2〜t6を1周期として、同様に電流の供給と停止が繰り返される。これにより、5個の第2LED112bは、第1LED112aと同じ所定の周波数(たとえば、100Hz)で第1LED112aに対して所定の時間ずれて(ここでは、1/4周期遅れて)点灯と消灯とが繰り返される。また、ここでは、1周期のうち第2LED112bが点灯している時間の割合を表すデューティ比が1/2になっている。
【0040】
バックライト112には、図8に示すように、ドライバ15から電流が供給される。詳細には、バックライト112には、第1LED112aに供給される電流と第2LED112bに供給される電流の合計の電流が供給される。具体的には、バックライト112は、時間t2〜t6において、時間t2〜t3では、第1LED112aおよび第2LED112bの両方に同じ電流Iが供給され、時間t3〜t4では、第2LED112bにのみ電流Iが供給され、時間t4〜t5では、第1LED112aおよび第2LED112bの両方とも電流が停止され、時間t5〜t6では、第1LED112aにのみ電流Iが供給される。また、バックライト112に供給される電流の変化は、時間t2〜t6を1周期として、同様に電流の変化が繰り返される。これにより、第1LED112aおよび第2LED112bの両方に同時に電流を供給(停止)する場合に比べて、バックライト112に供給される電流の瞬間的な変化を1/2にすることができる。また、バックライト112に供給される電力(電流)変化の周波数(たとえば、100Hz)は、第1LED112aおよび第2LED112bの点滅の周波数(たとえば、100Hz)と等しくなる。
【0041】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0042】
上記のように、第2実施形態の構成においても、上記第1実施形態と同様に、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないようにすることによって、輝度の高い安定性を得ることができ、かつ、電源トランス14が音鳴きすることを抑制することができる。
【0043】
さらに、第2実施形態では、上記のように、制御部12を、第1LED112aおよび第2LED112bをそれぞれ所定の周期で点滅させるとともに、第1LED112aを点灯させるタイミングと第2LED112bを点灯させるタイミングとが所定の時間だけ互いにずれるように制御することによって、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように第1LED112aおよび第2LED112bをそれぞれ交互に繰り返し点滅させるように構成することによって、第1LED112aの点灯および消灯のタイミングと第2LED112bの点灯および消灯のタイミングとを容易に互いに重ならないようにすることができる。
【0044】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0045】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0046】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の液晶表示装置の一例として液晶テレビジョン装置を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、液晶テレビジョン装置以外の液晶表示装置に適用してもよい。たとえば、パーソナルコンピュータ(PC)用の液晶ディスプレイやカーナビゲーションシステムに搭載される液晶モニタ等に本発明の液晶表示装置を適用してもよい。
【0047】
また、上記第1実施形態では、第1光源としての第1LEDおよび第2光源としての第2LEDが1周期のうち点灯している時間の割合を表すデューティ比が3/4である例を示し、上記第2実施形態では、デューティ比が1/2である例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、デューティ比が3/4および1/2以外であってもよい。
【0048】
また、上記第1実施形態では、第1光源としての第1LEDおよび第2光源としての第2LEDを所定の周波数(たとえば、10kHz)で点滅させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、10kHz以外の周波数で第1光源および第2光源を点滅させてもよい。
【0049】
また、上記第2実施形態では、第1光源としての第1LEDおよび第2光源としての第2LEDを所定の周波数(たとえば、100Hz)で点滅させる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、100Hz以外の周波数で第1光源および第2光源を点滅させてもよい。
【0050】
また、上記第1実施形態では、第1光源としての第1LEDおよび第2光源としての第2LEDを点滅させることによる電力変化の周波数が音の可聴域外の周波数(たとえば、20kHz)になる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1光源および第2光源を点滅させることによる電力変化の周波数が20kHz以外の可聴域外の周波数になってもよい。
【0051】
また、上記第1実施形態では、第1光源としての第1LEDを点灯させるタイミングと第2光源としての第2LEDを点灯させるタイミングとが第1光源および第2光源が点滅する周期の半周期分だけ互いにずれている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならなければ、第1光源を点灯させるタイミングと第2光源を点灯させるタイミングとが第1光源および第2光源が点滅する周期の半周期分以外の所定の時間だけ互いにずれるようにしてもよい。
【0052】
また、上記第2実施形態では、第1光源としての第1LEDを点灯させるタイミングと第2光源としての第2LEDを点灯させるタイミングとが第1光源および第2光源が点滅する周期の1/4周期分だけ互いにずれている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならなければ、第1光源を点灯させるタイミングと第2光源を点灯させるタイミングとが第1光源および第2光源が点滅する周期の1/4周期分以外の所定の時間だけ互いにずれるようにしてもよい。ただし、第2実施形態のようにデューティ比が1/2の場合は、第1光源の点灯および消灯のタイミングと第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないようにするために、第1光源を点灯させるタイミングと第2光源を点灯させるタイミングとが第1光源および第2光源が点滅する周期の半周期分以外の所定の時間だけ互いにずれるようにする必要がある。
【0053】
また、上記実施形態では、第1光源および第2光源として、それぞれLEDを用いる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1光源および第2光源として、それぞれLED以外の光源を用いる構成であってもよい。たとえば、図9に示すように、第1光源および第2光源として、それぞれCCFL(冷陰極蛍光ランプ)などを光源として用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
12 制御部
14 電源トランス
16 チューナ
100 液晶テレビジョン装置(液晶表示装置)
111 液晶表示パネル
112 バックライト
112a 第1LED(第1光源、第1発光素子)
112b 第2LED(第2光源、第2発光素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示可能な液晶表示パネルと、
複数の光源を2分割した一方の第1光源と他方の第2光源とを含み、前記液晶表示パネルに光を照射するバックライトと、
1次側の電圧を前記バックライトに供給する2次側の電圧に変換する電源トランスと、
前記第1光源および前記第2光源に供給される電力を制御して、それぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1光源の点灯および消灯のタイミングと前記第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように前記第1光源および前記第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている、液晶表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1光源および前記第2光源をそれぞれ所定の周期で点滅させるとともに、前記第1光源を点灯させるタイミングと前記第2光源を点灯させるタイミングとが所定の時間だけ互いにずれるように制御することによって、前記第1光源の点灯および消灯のタイミングと前記第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように前記第1光源および前記第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させるように構成されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1光源を点灯させるタイミングと前記第2光源を点灯させるタイミングとが前記所定の周期の半周期分だけ互いにずれるように前記第1光源および前記第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている、請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1光源および前記第2光源を点滅させる周波数が音の可聴域内の周波数になるように前記第1光源および前記第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させるとともに、前記第1光源および前記第2光源を点滅させることによる電力変化の周波数が音の可聴域外の周波数になるように制御を行うように構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1光源および前記第2光源は、それぞれ、複数の第1発光素子および複数の第2発光素子を有し、
前記制御部は、前記複数の第1発光素子の点灯および消灯のタイミングと前記複数の第2発光素子の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように前記複数の第1発光素子および前記複数の第2発光素子をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
画像を表示可能な液晶表示パネルと、
テレビジョン信号を受信するチューナと、
複数の光源を2分割した一方の第1光源と他方の第2光源とを含み、前記液晶表示パネルに光を照射するバックライトと、
1次側の電圧を前記バックライトに供給する2次側の電圧に変換する電源トランスと、
前記第1光源および前記第2光源に供給される電力を制御して、それぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1光源の点灯および消灯のタイミングと前記第2光源の点灯および消灯のタイミングとが互いに重ならないように前記第1光源および前記第2光源をそれぞれ交互に繰り返し点滅させる制御を行うように構成されている、液晶テレビジョン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−252158(P2012−252158A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124593(P2011−124593)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】