説明

液晶表示装置及びその液晶表示装置を使用した車載用ナビゲーション装置

【課題】 表示有効領域が大きく、額縁部の占める面積が小さい液晶表示装置及びこの液
晶表示装置を用いた車載用ナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】 液晶表示パネル11と、管状バックライト光源と、周囲に管状バックライ
ト光源収納部を備え、前記管状バックライト光源収納部の前記液晶表示パネル11と対向
する側に前記管状バックライト光源を覆う庇を有する導光板と、前記液晶表示パネルの隣
り合う周辺にそれぞれ設けられたゲートドライバIC12a接続部及びソースドライバI
C12b接続部と、を備えた液晶表示装置において、前記液晶表示パネルの前記ゲートド
ライバIC接続部及び前記ソースドライバIC接続部が設けられた各辺が隣接する角11
fを切除する。
この切除した角11fにより生じた空間に車載用ナビゲーション装置の可変抵抗器ない
しは回転切換えスイッチ等の回動式操作手段を配置することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその液晶表示装置を使用した車載用ナビゲーション装置に
関し、特に前面に回動式操作手段を配設する際に、この回動式操作手段の配置部分を工夫
して、所定の規格の中で、或は装置の所謂額縁と呼ばれる部分を大きくすることなく、液
晶表示パネルの有効表示領域の拡大を図った液晶表示装置及びその液晶表示装置を使用し
た車載用ナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、テレビジョン装置などの表示装置として、低
消費電力で薄型、軽量である液晶表示装置が多く使用されるようになってきている。
【0003】
これらの表示装置の中で車載用ナビゲーション装置の表示装置については、特に1DI
Nサイズ(縦50mm、横178mm)あるいは2DINサイズ(縦100mm、横17
8mm)といった規格化された小さなスペースに配置しながらも液晶表示パネルの有効表
示領域の拡大と共に狭額縁化が特に要求されている。
【0004】
またこれらの規格化されたサイズ以外の車載用ナビゲーション装置においても、装置自
体はできるだけ設置場所を必要としないよう、上記と同様な要求がなされている。
【0005】
車載用ナビゲーション装置に使用される液晶表示装置は、通常、液晶表示パネル、拡散
シートやプリズムシートなどの光学シート、導光板、反射シート、これらのものを囲む樹
脂枠、導光板の側端面に近接するバックライト光源、それらを収納して背面を覆う底板及
び液晶表示パネル前面の周囲と組立体の側面をカバーする前面枠を有し、また、液晶表示
パネルのいわゆる額縁部にはゲートドライバIC及びソースドライバICがCOG(Chip
On Glass)方式により直接実装あるいは箔状電極を有する樹脂フィルムに実装するTA
B方式により設けられ、これらの各ドライバICに接続された制御回路が搭載された制御
回路基板により駆動されるようになっている。
【0006】
すなわち、車載用ナビゲーション装置に使用される液晶表示装置10Aは、例えば図8
の分解斜視図に示したように、液晶セルを駆動するゲートドライバIC12a及びソース
ドライバIC12bをCOG方式により直接基板上に実装した液晶表示パネル11と、液
晶表示パネルの一辺において各ドライバICに接続され、それらの各ドライバICを制御
するコントローラその他の電子部品を搭載した制御回路基板(図示せず)に接続するため
のフレキシブル印刷配線(FPC)基板13と、液晶表示パネル11の背面に配置した例
えば3枚の光学シート15a〜15cと、矩形平板状のアクリル樹脂製の導光板17と、
導光板の背面に配置した白色の反射板18と、反射板の背面を覆う底板(ケース)19が
組み合わせられ、これらの構成部材が樹脂枠14に、その枠の上側には液晶表示パネル1
1を支持し、下側にはその他の構成部材が嵌め込まれて収納され、底板19と嵌合するよ
うに液晶表示パネル11の前面から前面枠22をはめ込んで組立てられる。
【0007】
そして、導光板17の周囲には、その側端面に沿ってL字状ないしはU字状の管状バッ
クライト光源21が樹脂枠14と反射板18との隙間に配置されている。この管状バック
ライト光源21は、透明な導光板17の入光面であるサイドエッジ(側端面)に管状バッ
クライト光源21の出射面が平行になるよう配置されている。FPC13は、液晶表示パ
ネル11の樹脂枠14の側面を回して裏面に導かれ、反射板18の背面に設けられた図示
しない制御回路基板に取付けられるようになっている。
【0008】
このような構成の最近の液晶表示装置10Aにおいては、液晶表示パネル11の有効表
示領域を大きくしていわゆる額縁部分を少しでも狭くするため、例えば下記特許文献1に
も示されているように、液晶表示パネルの配線を引き回して一辺に全ての電極端子を集約
させ、片側実装対応を可能にしたものが多く使用されている。
【0009】
一方、車載用ナビゲーション装置の利用者が装置を操作する手段は、比較的省スペース
で操作可能な点などから、押しボタン式のスイッチが通常用いられている。しかしながら
押しボタン式のスイッチは、利用者にとって低級感を与えたり、微妙な操作が難しかった
りするなどの問題点もあり、高級感を与えるため及び操作の感覚上の問題点に対応するた
めに回動操作型の可変抵抗器や切換えスイッチを用いたいという要望もある。
【0010】
この場合、操作パネルは、従来例のように押しボタン式のスイッチのみを用いるのであ
れば比較的簡単に1DINサイズあるいは2DINサイズ等の狭い領域にまとめることが
できるが、回動操作を必要とする可変抵抗器用や回転式スイッチ等の回動式操作手段が搭
載されると、これらの回動式操作手段の物理的固定のためにある程度の大きさや奥行きが
必要となるので、外形寸法の規定された車載用ナビゲーション装置ではこれらの回動式操
作手段の配置が問題となっている。
【0011】
このような回動式操作手段は、液晶表示パネル11や対向する導光板17などの外側に
位置するように設けられるが、車載用ナビゲーション装置に使用される液晶表示装置10
Aは、前面枠22を狭くして液晶表示パネル11の有効表示領域を大きくする狭額縁化の
要請があるため、前面枠を外した図9の平面図に示したように、矩形状の液晶表示パネル
11においてゲートドライバIC12a及びソースドライバIC12bが配置された周辺
11a、11bを除くと、液晶表示パネルの周辺11c、11dでは液晶表示パネルの周
囲との間にほとんど距離的な余裕のない切り詰めた配置がなされている。
【0012】
このように、液晶表示パネル11の有効表示領域Deの輝度を高めるために管状バック
ライト光源21としてU字状ないしL字状の管状バックライト光源を使用した場合には、
矩形状の導光板17も、液晶表示パネル11や光学シート15a〜15cを外した状態の
平面図である図10に示したように、構造的にみると液晶表示パネル11のゲートドライ
バIC12a及びソースドライバIC12bが存在する側と対向する側17a、17bは
、ゲートドライバIC12a及びソースドライバIC12bが存在しない側17c、17
dに比較して、導光板の有効発光領域Reとバックライト光源21との間に若干の距離的
な余裕がある。
【0013】
一方、液晶表示装置10Aと車載用ナビゲーション装置(図示せず)の外周との間には
、上部はCDないしDVDスロットなどの配置のためほとんどスペースがない。そこで、
回動式操作手段及びその他のスイッチ手段は、液晶表示パネル11の外側でかつ対向する
導光板17の外側に位置するように、車載用ナビゲーション装置の下部に設けられるが、
取り付けができるのは導光板の際までであり、それ以上接近させることができない。した
がって、少なくとも回動式操作手段の取り付け面積は縮小できないため、液晶表示パネル
11の有効表示領域Deの拡大と額縁部分の狭小化には繋がらず、また有効表示領域De
の拡大と額縁部分の狭小化を行うと回動操作スイッチは使用できないという問題がある。
【特許文献1】特開2003−66474号公報(図4、〔0046〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
以上述べたように、車載用ナビゲーション装置においては、装置全体としてコンパクト
であり、その液晶表示装置は有効表示領域が大きく、いわゆる額縁部分が狭く、前面に配
置される回動式操作手段及びその他のスイッチ手段の占める面積が小さい物が求められて
いる。またその回動式操作手段及びその他のスイッチ手段の取り付けは、確実で信頼性の
高いものであることが必要である。
【0015】
本願の発明者は、前記の問題点を解決すべく種々検討を行った結果、車載用ナビゲーシ
ョン装置の液晶表示装置において、液晶表示パネルの有効表示領域に影響のない片隅を切
除することによって、回動式操作手段の配置を容易に液晶表示パネルの有効表示領域近傍
にまで近づけることができることを見出した。すなわち、本願の発明者は、液晶表示パネ
ルの有効表示領域を確保するとともに、回動式操作手段が配置される部分として液晶表示
パネルの有効表示領域の周囲の余白部分に着目し、このスペースを有効に活用することに
よって上述の従来例の問題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至
ったものである。
【0016】
すなわち、本発明の第1の目的は、液晶表示パネルの狭額縁化を図ることができ、液晶
表示パネルの有効表示領域の大きい液晶表示装置を提供することにある。
【0017】
また、本発明の第2の目的は、液晶表示パネルの有効表示領域を大きくして、回動式操
作手段の配置、取り付けをコンパクトにできるようにした車載用ナビゲーション装置を提
供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の前記第1の目的は以下の構成により達成し得る。すなわち、請求項1に係る液
晶表示装置の発明は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの隣り合う周辺にそれぞれ
設けられたゲートドライバIC接続部及びソースドライバIC接続部と、を備えた液晶表
示装置において、前記液晶表示パネルの前記ゲートドライバIC接続部が設けられた辺及
び前記ソースドライバIC接続部が設けられた辺が隣接する角を切除したことを特徴とす
る。
【0019】
また請求項2に係る液晶表示装置の発明は、液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルの
隣り合う周辺にそれぞれ設けられたゲートドライバIC接続部及びソースドライバIC接
続部と、前記液晶表示パネルの下方に配置された導光板と、
前記導光板の周辺に配置されたバックライト光源と、を備えた液晶表示装置において、
前記液晶表示パネルの前記ゲートドライバIC接続部が設けられた辺及び前記ソースドラ
イバIC接続部が設けられた辺が隣接する角を切除したことを特徴とする。
【0020】
なお、本発明における「角を切除」とは、角部の破損防止のために設けられる「面取り
」の範疇を越えて大きく切除することを意味する。
【0021】
また請求項3に係る発明は、請求項2に記載の液晶表示装置において、前記導光板は、
前記液晶表示パネルの切除した角の部分に対応する位置が削られていることを特徴とする

【0022】
また請求項4に係る発明は、請求項2に記載の液晶表示装置において、前記導光板には
、前記バックライト光源と前記液晶表示パネルとの間に前記バックライト光源を覆う庇が
形成され、前記バックライト光源は、前記液晶表示パネルの切除した角の部分にも位置し
ており、該液晶表示パネルの切除した角の部分において、前記庇は削られていることを特
徴とする。
【0023】
また請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れかに記載の液晶表示装置において、
前記ゲートドライバIC及びソースドライバICは、前記液晶表示パネルの前記ゲートド
ライバIC接続部が設けられた辺及び前記ソースドライバIC接続部が設けられた辺に直
接実装、箔状電極を有する樹脂フィルムに実装、又は、液晶表示パネルとは別体の制御回
路基板に実装されていることを特徴とする。
【0024】
また請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示装置を使用
した車載用ナビゲーション装置において、前記液晶表示パネルの角を切除した部分に、前
記ナビゲーション装置の回動式操作手段位置するように配設したことを特徴とする。
【0025】
また請求項7に係る発明は、請求項6に記載の車載用ナビゲーション装置において、前
記回動式操作手段が、可変抵抗器又は切換えスイッチであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、上記のような構成を備えることにより以下に述べるような優れた効果を奏す
る。すなわち、請求項1或は請求項2に係る発明によれば、ゲートドライバICの接続部
とソースドライバICの接続部が液晶表示パネルのそれぞれ別の辺に設けられた液晶表示
パネルを用いる液晶表示装置において、ゲートドライバICの接続部とソースドライバI
Cの接続部が設けられた二つの辺が隣接して繋がる角を切除したので、この切除部分に液
晶表示パネルの厚さに対応する空間が生じる。したがって、有効表示領域に影響を与えな
い、ゲートドライバICの接続部が設けられた辺とソースドライバICの接続部が設けら
れた辺とが隣接する箇所において、矩形の角に占められていた部分を有効に利用できるよ
うになるので、この切除部分に操作手段を配置することができるようになる。
【0027】
また、請求項3、請求項4に係る発明によれば、前記液晶表示パネルの切除された角の
部分に位置する導光板または庇の部分は本来無用のものであるため、この部分を切除する
ことにより液晶表示装置の厚さに対応する空間が生じるため、より大きな設置場所を必要
とする回動式操作手段を配置するためのスペースが得られる。
【0028】
また、請求項5に係る発明によれば、前記ゲートドライバIC及びソースドライバIC
は、前記液晶表示パネルの額縁部に直接実装するいわゆるCOG方式でも、箔状電極を有
する樹脂フィルムに実装するいわゆるTAB方式でも、さらには、液晶表示パネルとは別
体の制御回路基板に実装する方式のものにも適用することができ、液晶表示装置のサイズ
に応じて適切な方式のものを採用することが可能となる。
【0029】
さらに、請求項6に係る発明によれば、ゲートドライバICの接続部とソースドライバ
ICの接続部が液晶表示パネルのそれぞれ別の辺に設けられ、これらの接続部が設けられ
た二つの辺が隣接して繋がる角を切除した液晶表示パネルを有する液晶表示装置を用いた
ので、液晶表示パネルの有効表示領域に影響を与えないで、矩形の角に占められていた部
分を大きく切除して切除部分を有効に利用できるようになるため、この切除部分に回動式
操作手段を確実に取付配置することができるようになる。したがって、液晶表示パネルの
有効表示領域を変化させずに液晶表示装置の額縁を狭小化することができ、全体としてコ
ンパクトな車載用ナビゲーション装置が得られる。
【0030】
また、請求項7に係る発明によれば、回動式操作手段として可変抵抗器や切換えスイッ
チを使用することができるため、高級感を与えることができるとともに操作者に好感触を
与えることができる車載用ナビゲーション装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係る液晶表示装置及びその液晶表示装置を使用した車載用ナビゲーショ
ン装置の実施例を添付の図面を参照して詳細に説明するが、本実施例の液晶表示装置10
の基本的構成は図8に示した従来例の液晶表示装置10Aと実質的に同一であるので、同
一の構成部分には同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略する。ただし、以下に
示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためにゲートドライバIC及びソースドラ
イバICの実装方式としてCOG方式を採用した液晶表示パネルを用いた液晶表示装置及
び車載用ナビゲーション装置を例示するものであるが、本発明をこの実施例に特定するこ
とを意図するものではなく、本発明は特許請求範囲に示した技術思想を逸脱することなく
種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0032】
実施例1として、本発明に係る液晶表示装置の一具体例を図1〜図5を用いて説明する
。なお、図1は実施例1の液晶表示装置の分解斜視図であり、図2は実施例1の液晶表示
装置における前面枠を外した液晶表示パネルの正面平面図であり、図3は実施例1の液晶
表示装置における液晶表示パネルや光学シートを外した状態の平面図であり、図4は図2
のA−A拡大断面図であり、また図5は図2のB−B拡大断面図である。
【0033】
よく知られているように、液晶表示パネル11は、画素電極を設けたセル基板11Aと
その対向基板11Bと、図示しないがそれらの基板間に配向膜を介して保持された液晶層
を備え、セル基板11Aとその対向基板11Bはシール材によって貼り合わされている。
また、図3に示すように、液晶表示パネル11の下方に配置された導光板17の周辺にU
字型の冷陰極管などのバックライト光源21が配置され、反射板18、底板19とともに
バックライトを構成している。
【0034】
導光板17は、アクリル樹脂、ポリカーボネート、AS、PET等の光透過率の高い透
明樹脂板あるいは透明ガラス板より構成されている。この導光板17は、液晶表示パネル
11の有効表示領域Deよりもわずかに大きな有効発光領域Reを有する略直方体の板で
あり、その周囲には液晶表示パネルと対向する側にバックライト光源を覆うように庇23
が設けられて、管状バックライト光源収納部24を形成している。
【0035】
また、管状バックライト光源収納部24の側端面には庇23の下に2辺にまたがるL字
型管状バックライト光源又は3辺にまたがるU字型管状バックライト光源が配置され、バ
ックライト光源21に接続されるケーブル25が配線されている。導光板17の前面は発
光面であり光透過率の高い半透明のポリカーボネートなどからなる複数枚の光学シート1
5a〜15cが設けられ、バックライト光源21からの光を均一に拡散させるようになっ
ている。
【0036】
また導光板17の裏面には光を乱反射させるようにスクリーン印刷によって散点状の加
工や傷やエンボス加工が施されている。導光板17の裏面側には白色ポリエステル、ある
いはポリエステルフィルムに銀蒸着膜を施した反射板18が配置されている。
【0037】
この場合、前面枠を外した図2の平面図に示したように、矩形状の液晶表示パネル11
においてゲートドライバIC12a及びソースドライバIC12bが配置された周辺11
a、11bを除くと、液晶表示パネルの周辺11c、11dでは液晶表示パネルの周囲と
の間にほとんど距離的な余裕のない切り詰めた配置がなされている。このため、導光板1
7も液晶表示パネル11と同じような配置となり、例えば図2のA−A拡大断面図である
図4に示したように、液晶表示パネル11のドライバIC12bが存在する側17bでは
、点線で示した導光板の有効発光領域Reとバックライト光源21との間に距離があるが
、液晶表示パネル11のドライバIC12a及び12bが存在しない側17dでは、図2
のB−B拡大断面図である図5に示したように、導光板の有効発光領域Reとバックライ
ト光源21との間にほとんど距離的な余裕がない。
【0038】
したがって、図3では、導光板17は庇23の部分が透視状態で示されているが、その
2辺17cと17dの周辺に設けた管状バックライト光源収納部24の庇23bを乳白色
に成形することにより、辺17c、17dにおいてはU字型のバックライト光源21が表
面からは視ることができないようにすると、この部分に輝線が見えなくなるので好ましい
。また、他の2辺17a、17b側では、導光板の有効発光領域Reとバックライト光源
21との間に余裕があるため、バックライト光源21の部分が正面から庇23を透して透
視できるようにしても、この部分に輝線が見えることがない。
【0039】
なお、内側の点線17eから内部は液晶表示パネルの有効表示領域Deに対向する導光
板17の有効発光領域Reである。また、バックライト光源21にはケーブル25を介し
て外部接続用のコネクタ26が接続されている。管状バックライト光源21の両端と途中
の要所はランプホルダー27により保持されている。
【0040】
実施例1の液晶表示装置10においては、液晶表示パネル11として、図2に示したよ
うに、ゲートドライバIC12aとソースドライバIC12bが直接セル基板11Aのそ
れぞれ別の辺11a、11bに配置実装されたものを用いている。この液晶表示パネル1
1は、セル基板11A上に形成された走査線及び信号線の電極端子に、ゲートドライバI
C12aとソースドライバIC12bが一方向導電性の接着剤を用いてCOG方式によっ
て接続され、セル基板11Aのそれぞれ別の辺11a、11bに実装されたものである。
【0041】
そして、実施例1の液晶表示パネル11は、図2に示したように、ゲートドライバIC
12a及びソースドライバIC12bが実装された二つの辺11a、11bが隣接し繋が
る角の切除部分11fを設けている。
【0042】
この液晶表示パネルの切除部分11fは、典型的な例としては三角形、つまり切断した
断片で言えば、その形状が三角形状となっているものである。しかし切断した断片4分の
1円形、四角形または扇形のように、必要に応じて好適な形状に切除することができる。
【0043】
かかる構成によれば、液晶表示パネル11の有効表示領域Deに影響を与えないで、そ
の外郭をなす矩形の角に切除部分11fを設けたから、この切除部分11fに液晶表示パ
ネル11の厚さに対応する空間が生じる。したがって、この切除部分11fに各種の操作
手段を配置することができ、また可変抵抗器や回転スイッチ等の回動式操作手段を配置す
れば、表示に無効な領域を狭くして、この空間を有効に利用でき、液晶表示パネル11の
有効表示領域Deを変えることなく額縁の狭小化ができるので、特に車載用ナビゲーショ
ン装置の表示装置として有用な液晶表示装置を提供できる訳である。
【0044】
この場合、液晶表示パネル11の角の切除部分11fに対向する部分の導光板17にも
切除部分17fを設けることができる。特に実施例においては、導光板17の角における
有効発光領域Reを損なわないようするために、そのバックライト光源を覆う庇23を、
バックライト光源21の屈曲部分のぎりぎりまで削って切除部分17fとしている。
【0045】
このように、液晶表示パネル11の角の切除部分11fに対向する部分の導光板17に
も切除部分17fを設けることにより、これらの切除部分11f及び17fに液晶表示装
置10の厚さに対応する空間が生じるから、この空間に高品質な厚さのある可変抵抗器や
回転スイッチ等の回動式操作手段を配置することができるようになるため、高品質の車載
用ナビゲーション装置の表示装置として有用な液晶表示装置が得られる。なお庇23が完
全になくなるまで削る必要はなく、あくまでも液晶表示パネル11の切除部分11fに対
応させて削ってあればよい。
【0046】
以上には、液晶表示パネル11及び導光板17の角の切除について述べたが、もちろん
これらの切除に伴って、拡散シート、プリズムシート等の光学シート15a〜15c、反
射板18及び底板19などのそれらの角に対応する部分も同様に切除されることは言うま
でもない。
【実施例2】
【0047】
実施例2として、実施例1で作製された液晶表示装置を用いた本発明に係る車載用ナビ
ゲーション装置の一具体例を図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は実施例2の車
載用ナビゲーション装置の正面斜視図であり、図7は図6の車載用ナビゲーション装置の
背面斜視図である。
【0048】
図6及び図7に示した車載用ナビゲーション装置40は、液晶表示装置として実施例1
で説明した液晶表示パネル11とそれに対応する角部を切除した導光板17とを有する液
晶表示装置10を使用したものである。この車載用ナビゲーション装置40の前面には液
晶表示パネル11が、そのケース41の上部にはデータ入力用のCDあるいはDVD用ス
ロット42が、そして液晶表示パネル11の少なくとも一側面側にはそれぞれ各種操作用
の複数の押しボタンスイッチ43が設けられ、押しボタンスイッチの下部には回動式操作
手段44の操作用ダイアル44’が設けられている。なお回動式操作手段44の具体的な
ものとしては、音量を調整するためのものや、周波数を調整するものや、表示画面を切換
えるものなどである。
【0049】
背面には、FPC基板13a、13bが液晶表示装置10の背面に導かれて底板19の
背面に取付けられており、図示しないコネクタを介して外部制御回路基板に接続されてい
る。
【0050】
液晶表示装置10は、この場合、4個の固定用ブラケット45でケース41に固定され
ている。車載用ナビゲーション装置10の回動式操作手段44は、ゲートドライバICと
ソースドライバICがそれぞれ別の辺に配置実装された液晶表示パネル11の前記二つの
辺が隣接し繋がる角の切除部分11fに配設されており、車載用ナビゲーション装置を全
体としてコンパクトとし、液晶表示パネル11の有効表示領域Deを変化させることなく
液晶表示パネル11の額縁部の占める面積を減らすことができる。
【0051】
なお、以上の実施例にかかわらず、切除部の形状は、適宜設計することができることは
もちろんである。また、角を切除した液晶表示パネルと矩形の導光板が組み合わされた液
晶表示装置は、表示装置などが矩形ではなく他の形であってもかまわない。
【0052】
以上には液晶表示装置としては、液晶表示パネル11が、ゲートドライバIC12aと
ソースドライバIC12bがCOGによってセル基板にそれぞれ別の辺に実装されている
例で説明したが、ドライバICが一つの辺に集中された液晶表示パネルの場合には液晶表
示パネルの切除量が少ないので所期の効果が得られ難い。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1の液晶表示装置の分解斜視図である。
【図2】実施例1の液晶表示装置における前面枠を外した液晶表示パネルの正面平面図である。
【図3】実施例1の液晶表示装置における液晶表示パネルや光学シートを外した状態の平面図である。
【図4】図2のA−A拡大断面図である。
【図5】図2のB−B拡大断面図である。
【図6】実施例2の車載用カーナビゲーション装置の正面斜視図である。
【図7】実施例2の車載用カーナビゲーション装置の背面斜視図である。
【図8】従来の液晶表示装置の分解斜視図である。
【図9】従来の液晶表示装置における前面枠を外した液晶表示パネルの正面平面図である。
【図10】従来の液晶表示装置における液晶表示パネルや光学シートを外した状態の平面図である。
【符号の説明】
【0054】
10、10A 液晶表示装置
11 液晶表示パネル
11f 液晶表示パネル切除部
12a、12b ドライバIC
13a、13b フレキシブル印刷回路基板
14 樹脂枠
15a〜15c 光学シート
17 導光板
17f 導光板切除部
18 反射板
19 底板
21 管状バックライト光源
22 前面枠
23 庇
24 管状バックライト光源収納部
40 車載用カーナビゲーション装置
43 押しボタンスイッチ
44 回動式操作手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの隣り合う周辺にそれぞれ設けられたゲートドライバIC接続部及
びソースドライバIC接続部と、
を備えた液晶表示装置において、
前記液晶表示パネルの前記ゲートドライバIC接続部が設けられた辺及び前記ソースド
ライバIC接続部が設けられた辺が隣接する角を切除したことを特徴とする液晶表示装置

【請求項2】
液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの隣り合う周辺にそれぞれ設けられたゲートドライバIC接続部及
びソースドライバIC接続部と、
前記液晶表示パネルの下方に配置された導光板と、
前記導光板の周辺に配置されたバックライト光源と、
を備えた液晶表示装置において、
前記液晶表示パネルの前記ゲートドライバIC接続部が設けられた辺及び前記ソースド
ライバIC接続部が設けられた辺が隣接する角を切除したことを特徴とする液晶表示装置

【請求項3】
前記導光板は、前記液晶表示パネルの切除した角の部分に対応する位置が削られている
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記導光板には、前記バックライト光源と前記液晶表示パネルとの間に前記バックライ
ト光源を覆う庇が形成され、
前記バックライト光源は、前記液晶表示パネルの切除した角の部分にも位置しており、
該液晶表示パネルの切除した角の部分において、前記庇は削られていることを特徴とす
る請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記ゲートドライバIC及びソースドライバICは、前記液晶表示パネルの前記ゲート
ドライバIC接続部が設けられた辺及び前記ソースドライバIC接続部が設けられた辺に
直接実装、箔状電極を有する樹脂フィルムに実装、又は、液晶表示パネルとは別体の制御
回路基板に実装されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の液晶表示装
置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の液晶表示装置を使用した車載用ナビゲーション
装置において、前記液晶表示パネルの角を切除した部分に、前記ナビゲーション装置の回
動式操作手段位置するように配設したことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記回動式操作手段が、可変抵抗器又は切換えスイッチであることを特徴とする請求項
6に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−178135(P2006−178135A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370564(P2004−370564)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(304053854)三洋エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】