説明

液晶表示装置及びその製造方法

【課題】液晶表示装置及びその製造方法において、コントラスト比を向上可能とすることを目的とする。
【解決手段】第1の基板、第1の配向層、ストライプ状の第1の電極、コレステリック液晶を有する液晶層、ストライプ状の第2の電極、第2の配向層、及び第2の基板が積層され、第1の配向層は第1の電極間で液晶層のコレステリック液晶と接し、第2の配向層は第2の電極間で液晶層のコレステリック液晶と接するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各企業及び各大学等において、電子ペーパー等の液晶表示装置の開発が盛んに進められている。電子ペーパーが期待されている応用市場として、電子ブックを筆頭に、モバイル端末機器のサブディスプレイやIC(Integrated Circuit)カードの表示部等、多用な応用携帯機器が提案されている。電子ペーパーの有力な表示方式の一つに、コレステリック相が形成される液晶組成物を用いた表示素子がある。コレステリック相が形成される液晶組成物は、コレステリック液晶、或いは、カイラルネマティク液晶と呼ばれるが、以下の説明ではコレステリック液晶と言う。コレステリック液晶は、半永久的な表示保持特性(又は、メモリ性)、鮮やかなカラー表示特性、高コントラスト特性、及び高解像度特性等の優れた特長を有する。
【0003】
図1は、コレステリック液晶を用いたフルカラー表示が可能な液晶表示素子の一般的な断面構成を模式的に示す図である。図1に示す液晶表示素子1は、表示面から順に、青色(B)表示部2Bと、緑色(G)表示部2Gと、赤色(R)表示部2Rとが積層された構造を有する。図1において、上方の基板側が表示面であり、実線の矢印で示す外光は基板上方から表示面に向かって入射するようになっている。尚、基板上方に観測者の目及びその観察方向を破線の矢印で模式的に示している。
【0004】
B表示部2Bは、一対の上下基板21Ba,21Bb間に封入された青色(B)用液晶層22Bと、B用液晶層22Bに所定のパルス電圧を印加するパルス電圧源23Bとを有している。G表示部2Gは、一対の上下基板21Ga,21Gb間に封入された緑色(G)用液晶層22Gと、G用液晶層22Gに所定のパルス電圧を印加するパルス電圧23G源とを有している。R表示部2Rは、一対の上下基板21Ga,21Gb間に封入された赤色(R)用液晶層22Rと、R用液晶層22Rに所定のパルス電圧を印加するパルス電圧源23Rとを有している。R表示部2Rの下基板21Rbの裏面には光吸収層24が配置されている。
【0005】
各B,G,R用液晶層22B,22G,22Rに用いられているコレステリック液晶は、ネマティック液晶にキラル性の添加剤(カイラル材とも言う)を例えば数十wt%の含有率で添加した液晶混合物である。ネマティック液晶にカイラル材を数十wt%含有させると、ネマティック液晶分子を強く螺旋状に捻ったコレステリック相を形成することができる。このため、コレステリック液晶はカイラルネマティック液晶とも呼ばれる。
【0006】
コレステリック液晶は、双安定性(又は、メモリ性)を備えており、液晶に印加する電界強度を制御することでプレーナ状態、フォーカルコニック状態、又はそれらの混合による中間的な状態のいずれかの状態をとることがでる。又、コレステリック液晶は、一旦プレーナ状態、フォーカルコニック状態、又はそれらの中間的な状態になると、その後は無電界下においても安定してその状態を保持する。
【0007】
プレーナ状態は、例えば上下基板間に所定の高電圧を印加して液晶層に強電界を与え、液晶をホメオトロピック状態にした後に急激に電界をゼロにすることにより得られる。フォーカルコニック状態は、例えば上記高電圧より低い所定電圧を上下基板間に印加して液晶層に電界を与えた後、急激に電界をゼロにすることにより得られる。フォーカルコニック状態は、プレーナ状態から上下基板間に徐々に電圧を印加することでも得ることができる。プレーナ状態とフォーカルコニック状態の中間的な状態は、例えばフォーカルコニック状態が得られる電圧より低い電圧を上下基板間に印加して液晶層に電界を与えた後、急激に電界をゼロにすることにより得られる。
【0008】
このコレステリック液晶を用いた液晶表示素子の表示原理を、B表示部2Bを例にとって図2と共に説明する。図2(a)は、B表示部2BのB用液晶層22Bがプレーナ状態におけるコレステリック液晶の液晶分子25Bの配向状態を示す図である。図2(a)に示すように、プレーナ状態での液晶分子25Bは、基板21Ba(又は、21Bb)の面内方向とは垂直方向に順次回転して螺旋構造を形成し、螺旋構造の螺旋軸は基板面と略垂直になる。
【0009】
プレーナ状態では、液晶分子の螺旋ピッチに応じた所定波長の光が選択的に液晶層で反射される。液晶層の平均屈折率をnとし、螺旋ピッチをpとすると、反射が最大となる波長λは、λ=n・pで表される。従って、B表示部2BのB用液晶層22Bでプレーナ状態時に青色の光を選択的に反射させるには、例えばλ=480nmとなるように平均屈折率n及び螺旋ピッチpを決める。平均屈折率nは液晶材料及びカイラル材を選択することで調整可能であり、螺旋ピッチpは、カイラル材の含有率を調整することにより調節することができる。
【0010】
図2(b)は、B表示部2BのB用液晶層22Bがフォーカルコニック状態におけるコレステリック液晶の液晶分子25Bの配向状態を示す図である。図2(b)に示すように、フォーカルコニック状態での液晶分子25Bは、基板21Ba(又は、21Bb)の面内方向に順次回転して螺旋構造を形成し、螺旋構造の螺旋軸は基板面と略平行になる。フォーカルコニック状態では、B用液晶層22Bに反射波長の選択性は失われ、入射光の殆どが透過する。透過光はR表示部2Rの下基板21Rb裏面に配置された光吸収層24で吸収されるので暗(黒)表示が実現できる。
【0011】
プレーナ状態とフォーカルコニック状態の中間の状態においては、その状態に応じて反射光と透過光の割合を調整できるので、反射光の強度を変えることができる。
【0012】
このように、コレステリック液晶では、螺旋状に捻られた液晶分子の配向状態で光の反射量を制御することができる。
【0013】
上記のB用液晶層22Bと同様にして、プレーナ状態のG用液晶層22G及びR用液晶層22Rに夫々緑及び赤の光を選択的に反射させるコレステリック液晶を夫々封入することで、フルカラー表示が可能な液晶表示素子を作製することができる。以上のようにコレステリック液晶を用い、赤、緑、青の光を選択的に反射する液晶表示部を積層することで、メモリ性のあるフルカラー表示の液晶表示素子を作製してカラー液晶装置を実現することが可能となり、画面書換え時以外は消費電力がゼロの状態でカラー表示を行うことができる。
【0014】
コレステリック液晶の選択反射を利用した液晶表示装置は、消費電力がゼロの状態でカラー表示が可能である。このような液晶表示装置のプレーナ(明)状態とフォーカルコニック(暗)状態は、電圧印加波形の制御により選択可能であり、画素部分は電圧印加波形によりプレーナ状態とフォーカルコニック状態を選択できる。しかし、電極と電極の間の非画素部分では、液晶に電圧を印加できないため、プレーナ状態とフォーカルコニック状態を制御することができない。非画素部分がプレーナ状態であるか、或いは、フォーカルコニック状態であるかは、表示特性、特にコントラスト比に大きな影響を及ぼす。一般に、フィルム基板、或いは、ガラス基板は、非画素部分がプレーナ状態となるため、コントラスト比の低下を招いてしまう。
【0015】
非画素部分を暗状態にする手法としては、ブラックマトリクス(BM)と呼ばれる黒い格子(又は、マスク)を非画素部分上に設ける手法が知られている。しかし、例えば耐熱温度が比較的低い基板を用いた場合、BMの作製及び/又は接着に熱処理を用いることができない。例えばフィルム基板の場合、耐熱温度は例えば150℃であるが、この耐熱温度以下でのBMの作製及び/又は接着は困難である。更に、フィルム基板のように柔軟性を有する基板(即ち、フレキシブル基板)を用いた場合には、フィルム基板の伸縮によりBMのフィルム基板に対する位置ずれが発生しやすく、非画素部分が狭くなるにつれてマスクの精度が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2004−212418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来のコレステリック液晶を用いた液晶表示装置では、コントラスト比を向上することは難しい。
【0018】
そこで、本発明は、コントラクト比を向上可能なコレステリック液晶を用いた液晶表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一観点によれば、第1の基板と、前記第1の基板上に設けられた第1の配向層と、前記第1の配向層上に設けられたストライプ状の第1の電極と、ストライプ状の第2の電極と、前記第1及び第2の電極間に配置されコレステリック液晶を有する液晶層と、前記第2の電極上に設けられた第2の配向層と、前記第2の配向層上に設けられた第2の基板を備え、前記第1の配向層は前記第1の電極間で前記液晶層のコレステリック液晶と接しており、前記第2の配向層は前記第2の電極間で前記液晶層のコレステリック液晶と接していることを特徴とする液晶表示装置が提供される。
【0020】
本発明の一観点によれば、第1の基板上の第1の配向層の上に第1の透明電極層を形成する工程と、前記第1の透明電極層をパターニングしてストライプ状の第1の電極を形成して前記第1の配向層を前記第1の電極間で露出する工程と、第2の基板上の第2の配向層の上に第2の透明電極層を形成する工程と、前記第2の透明電極層をパターニングしてストライプ状の第2の電極を形成して前記第2の配向層を前記第2の電極間で露出する工程と、前記第1及び第2の基板をシール材を介して貼り合わせる工程と、前記第1及び第2の基板間にコレステリック液晶を注入して封止することで液晶層を形成する工程を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0021】
開示の液晶表示装置及びその製造方法によれば、コントラスト比を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】コレステリック液晶を用いたフルカラー表示が可能な液晶表示素子の一般的な断面構成を模式的に示す図である。
【図2】コレステリック液晶を用いた液晶表示素子の表示原理を説明する図である。
【図3】液晶表示装置の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例における液晶表示素子の構成の一例を示す断面図である。
【図5】非画素領域を説明する平面図である。
【図6】プレチルト角と反射率の関係を説明する図である。
【図7】本発明の第2実施例における液晶表示素子の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
開示の液晶表示装置及びその製造方法では、非画素領域のコレステリック液晶をフォーカルコニック(暗)状態に安定化させるために、第1及び第2の配向層を形成する。コレステリック液晶で形成された液晶層は、第1及び第2の電極間に挟まれている。第1及び第2の配向層は、第1及び第2の電極の外側、即ち、液晶層とは反対側に形成され、非画素領域においてコレステリック液晶と接する。
【0024】
例えば、第1及び第2の配向層の非画素領域におけるコレステリック液晶に対するプレチルト角は、画素領域におけるコレステリック液晶に対するプレチルト角より大きい。
【0025】
以下に、開示の液晶表示装置及びその製造方法の各実施例を図面と共に説明する。
【実施例】
【0026】
(第1実施例)
図3は、液晶表示装置の構成の一例を示す図である。図3に示す液晶表示装置の構成は、本発明の各実施例において使用可能である。図3乃至図5及び図7において、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0027】
コレステリック液晶を用いたフルカラー表示が可能な液晶表示装置300は、図3に示す如く接続された液晶表示素子31、データ電極駆動回路311、走査電極駆動回路312、及び制御回路313を有する。液晶表示素子31は、青色(B)表示部(又は、表示パネル)32B、緑色(G)表示部(又は、表示パネル)32G、及び赤色(R)表示部(又は、表示パネル)32Rを有する。後述する図4に示すように、B表示部32Bはプレーナ状態で青色の光を反射するB用液晶層22Bを備え、G表示部32Gはプレーナ状態で緑色の光を反射するG用液晶層22Gを備え、R表示部32Rはプレーナ状態で赤色の光を反射するR用液晶層22Rを備える。
【0028】
制御回路313は、例えばCPU(Central Processing Unit)の如きプロセッサで形成可能であり、表示するべき画像のデータ(以下、画像データと言う)に基づいてデータ電極駆動回路311及び走査電極駆動回路312を制御する。データ電極駆動回路311は、制御回路313の制御下でB,G,Rの各表示部32B,32G,32Rの下電極(又は、データ電極)42Bb,42Gb,42Rbに画像データに応じた電圧を印加して駆動する。走査電極駆動回路312は、制御回路313の制御下でB,G,Rの各表示部32B,32G,32Rの上電極(又は、走査電極)42Ba,42Ga,42Raに走査周波数に応じたパルス電圧を印加して駆動する。データ電極駆動回路311及び走査電極駆動回路312によるB,G,Rの各表示部32B,32G,32Rの駆動方法自体は周知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0029】
この例では、B,G,Rの各表示部32B,32G,32Rの駆動系が共通化されたデータ電極駆動回路311及び走査電極駆動回路312が設けられているが、B,G,Rの各表示部32B,32G,32Rの駆動系を別々に設けても良いことは言うまでもない。
【0030】
図4は、本発明の第1実施例における液晶表示素子の構成の一例を示す断面図である。各表示部32B,32G,32Rの構成は同じであるため、以下の説明ではB表示部32Bの構成について説明する。図4では、B表示部32Bの上基板21Baの上方から表示面に向かって入射するものとする。このため、R表示部32Rの下基板21Rbの裏面には、(可視)光吸収層24が設けられている。このため、B,G,R用の各液晶層22B,22G,22Rの全てがフォーカルコニック状態の際に、液晶表示装置300の表示画面には黒色が表示される。光吸収層24は、必要に応じて設ければ良い。
【0031】
尚、図4では表示部32B,32G間、及び、表示部32G,32R間に間隙があるが、表示部32B,32Gは接しているのが好ましい。同様に、表示部32G,32Rも接しているのが好ましい。
【0032】
図4において、B表示部32Bは、下基板21Bb、下基板21Bb上に設けられた第1の配向層41Bb、第1の配向層41Bb上に設けられたストライプ状の下電極42Bb、下電極42Bbと直交する方向に延びるストライプ状の上電極42Ba、上下電極42Ba,42Bb間に配置されコレステリック液晶を有するB用液晶層22B、上電極42Ba上に設けられた第2の配向層41Ba、及び第2の配向層41Ba上に設けられた上基板21Baを有する。上下電極42Ba,42Bb(及び第1及び第2の配向層41Bb,41Ba)の周縁部には、シール材43Bが設けられている。上下電極42Ba,42Bb(及び第1及び第2の配向層41Bb,41Ba)及びシール材43Bにより封止された空間には、青色を選択的に反射するように調整されたB用コレステリック液晶が封入されることでB用液晶層22Bが形成されている。第1の配向層41Bbは、下電極42Bb間でB用液晶層22BのB用コレステリック液晶と接しており、第2の配向層41Baは上電極42Ba間でB用液晶層22BのB用コレステリック液晶と接している。
【0033】
B表示部32Bの上下基板21Ba,21BbのB用液晶層22B側に設けられた上下電極42B1,42Bbは、この例では320ドット×240ドットのQVGA(Quarter Video Graphics Array)表示ができるように0.24mmのピッチで形成されている。上下電極42B1,42Bbは、例えばインジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物(IZO:Indium Zinc Oxide)、銀のナノワイヤ等の透明導電膜で形成可能である。
【0034】
又、B用液晶層22Bの厚さ(セルギャップ)を均一に保持するために、樹脂製又は無機酸化物製の球状、柱状等のスペーサ(図示せず)をB用液晶層22B内に複数設けても良い。この例では、B用液晶層22B内に複数のスペーサが挿入されてセルギャップの均一性が保持されているものとする。B用液晶層22Bのセルギャップdは、例えば3μm≦d≦6μmの範囲である。
【0035】
図5は、B表示部32Bの非画素領域を説明する平面図である。液晶層22Bは、平面図上で上下電極21Ba,21Bbが直交する画素領域221Bと、隣接する画素領域間221Bに設けられB用コレステリック液晶が第1及び前記第2の配向層41Bb,41Baと接する非画素領域222Bを有する。第1及び第2の配向層41Bb,41Baの非画素領域222BにおけるB用コレステリック液晶に対するプレチルト角は、画素領域221BにおけるB用コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きい。第1及び第2の配向層41Bb,41BaのB用コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が例えば6°〜89°である。一例として、画素領域221Bの一辺が150μmの場合、非画素領域222Bの幅は例えば10μmである。第1及び第2の配向層41Bb,41Baに使用する、B用コレステリック液晶に対するプレチルト角が6°〜89°の材料は、例えばポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂及びアクリル樹脂等の有機膜や二酸化ケイ素(SiO)等である。
【0036】
同様に、G表示部32Gにおいて、第1及び第2の配向層41Gb,41Gaの非画素領域におけるG用コレステリック液晶に対するプレチルト角は、画素領域におけるG用コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きい。第1及び第2の配向層41Gb,41GaのG用コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が例えば6°〜89°である。
【0037】
又、R表示部32Rにおいて、第1及び第2の配向層41Rb,41Raの非画素領域におけるR用コレステリック液晶に対するプレチルト角は、画素領域におけるR用コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きい。第1及び第2の配向層41Rb,41RaのR用コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が例えば6°〜89°の範囲である。
【0038】
次に、液晶組成物について説明する。各液晶層22B,22G,22Rを形成する液晶組成物は、ネマティック液晶混合物にカイラル材を例えば10wt%〜40wt%添加したコレステリック液晶である。カイラル材の添加量は、ネマティック液晶成分とカイラル材の合計量を100wt%としたときの値である。ネマティック液晶には、各種周知のネマティック液晶材料を用いることができる。液晶組成物の屈折率異方性(Δn)は、例えば0.18〜0.24の範囲であることが好ましい。液晶組成物の屈折率異方性がこの範囲より小さいと、プレーナ状態の反射率が低くなり、逆にこの範囲より大きいと、フォーカルコニック状態での散乱反射が大きくなると共に、粘度も高くなり応答速度が低下する。各液晶層22B,22G,22Rの厚みは、例えば3μm〜6μmの範囲であることが好ましい。各液晶層22B,22G,22Rの厚みがこの範囲より小さいと、プレーナ状態の反射率が低くなり、逆にこの範囲より大きいと駆動電圧が高くなりすぎる。
【0039】
次に、各表示部32B,32G,32Rの旋光性について説明する。B,G,Rの各表示部32B,32G,32Rの積層構造において、プレーナ状態におけるG用液晶層22Gでの旋光性と、B用及びR用液晶層22B,22Rでの旋光性とは異なる。
【0040】
上基板21Ba,21Ga,21Ra及び下基板21Bb,21Gb,21Rbは、透光性を有する。この例では、上基板21Ba,21Ga,21Ra及び下基板21Bb,21Gb,21Rbには、縦横の長さが12(cm)×12(cm)の大きさに切断されたポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム基板を使用している。PEN基板に代えて、ガラス基板や、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)等のフィルム基板(即ち、フレキシブル基板)を使用しても良い。上基板21Ba,21Ga,21Ra及び下基板21Bb,21Gb,21Rbの少なくとも一方がフィルム基板の場合、薄くて軽い表示部32B,32G,32R及び液晶表示装置300を実現できる。尚、積層構造の最下層に配置されるR表示部32Rの下基板21Rbは、不透光性であっても良い。
【0041】
次に、液晶に対するプレチルト角と液晶に電圧を印加しない時(メモリ状態)の反射率(明るさ)について説明する。
【0042】
上下基板の表面にコレステリック液晶に対するプレチルト角が0°〜89°の範囲で異なるポリイミド樹脂で第2及び第1の配向層を成膜し、セルギャップが4μmとなるよう貼合せた空セルを作製し、第1及び第2の配向層間にコレステリック液晶を注入した。コレステリック液晶の注入後、作製したセルを加熱し、コレステリック液晶を等方相状態にした後、室温まで徐冷して注入時のストレスによる液晶の配向を除去した。次に、作製したセルの表面に対して30°の方向から光を入射し、0°方向への反射率を測定した。尚、プレチルト角は、コレステリック液晶の母液晶(ネマチック液晶)に対する値であり、クリスタルローテーション法で求めた。
【0043】
図6は、プレチルト角と反射率の関係を説明する図である。図6からもわかるように、コレステリック液晶に対するプレチルト角が2°以下の場合、38%以上の高い反射率を示した。この場合のコレステリック液晶の配向状態を顕微鏡で観察したところ、プレーナ状態であった。コレステリック液晶に対するプレチルト角が4°の場合、反射率が20%程度と低くなった。この場合のコレステリック液晶の配向状態は、プレーナ状態とフォーカルコニック状態とが混在したものであった。コレステリック液晶に対するプレチルト角が6°〜89°の範囲の場合、反射率が2%以下と小さく、良好な暗状態であった。この場合の液晶の配向状態は、フォーカルコニック状態であった。
【0044】
以上より、非画素領域のコレステリック液晶に対するプレチルト角を6°〜89°の範囲とすることで、非画素領域をフォーカルコニック(暗)状態にでき、コントラスト比の向上が可能であることが確認された。つまり、非画素領域のコレステリック液晶に対するプレチルト角が6°〜89°の範囲であると、非画素領域のコレステリック液晶をフォーカルコニック(暗)状態に安定化することができる。
【0045】
(第2実施例)
図7は、本発明の第2実施例における液晶表示素子の構成の一例を示す断面図である。図7中、図4と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
図7に示す液晶表示素子31のB表示部32Bは、下電極42Bb上に設けられB用液晶層22Bと接する第3の配向層46Bbと、上電極42Ba下に設けられB用液晶層22Bと接する第4の配向層46Baを更に有する。第3及び第4の配向層46Bb,46Baは、第1及び第2の配向層41Bb,41Baと同様の材料で形成可能である。又、第4及び第3の配向層46Bb,46Baは、上下電極42Ba,42Bbと同じパターンを有するようにパターニング、或いは、印刷により形成可能である。第3及び第4の配向層46Bb,46Baを設けることで、特に画素領域221BにおけるB用液晶層22Bのコレステリック液晶の配向制御が更に容易になる。
【0047】
同様に、G表示部32Gは、下電極42Gb上に設けられG用液晶層22Gと接する第3の配向層46Gbと、上電極42Ga下に設けられG用液晶層22Gと接する第4の配向層46Gaを更に有する。又、R用表示部32Rは、下電極42Rb上に設けられR用液晶層22Rと接する第3の配向層46Rbと、上電極42Ra下に設けられR用液晶層22Rと接する第4の配向層46Raを更に有する。
【0048】
次に、液晶表示装置の製造方法及び比較例について説明する。
(製造方法1)
例えば縦横の長さが12(cm)×12(cm)の大きさに切断した2枚のポリカーボネート(PC)フィルム基板21Gb,21Gaにコレステリック液晶に対するプレチルト角が例えば6°のポリイミドの第1及び第2の配向層41Gb,41Gaを形成し、例えば150℃で焼成する。第1及び第2の配向層41Gb,41Ga上に銀のナノワイヤからなる透明電極を塗布し、フォトリソグラフィー工程を経て銀のナノワイヤ電極21Gb,21Gaのパターニングを行う。電極21Gb,21Gaのパターニングは、例えば0.24mmピッチで320ドット×240ドットのQVGA表示ができるように形成する。電極21Gb,21Gaのパターニングにより、電極21Gb(又は、21Ga)と電極21Gb(又は、21Ga)の間にポリイミドの第1の配向層41Gb(又は、第2の配向層41Ga)が露出する。
【0049】
次に、一方のPCフィルム基板21Ga上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程を経てレジストをパターニングし、例えば150℃で120分焼成することで、例えば高さ4μmのスペーサ(又は、構造体)を作製する。このスペーサは、2枚のPCフィルム基板21Gb,21Gaを重ねたときにセルギャップを維持するためのものである。
【0050】
次に、他方のPCフィルム基板21Gb上の周縁部に例えばエポキシ系のシール材43Gをディスペンサを用いて塗布する。そして、2枚のPCフィルム基板21Gb,21Gaをスペーサ及びシール材32Gを介して貼り合わせて、例えば1kg/cmの力で加圧しながら160℃で1時間加熱する。これにより、シール材32Gが硬化し両PCフィルム基板21Gb,21Gaと接着する。これと同時に、スペーサも両PCフィルム基板21Gb,21Gaと接着する。最後に、真空注入法によりG用コレステリック液晶を注入口から両PCフィルム基板21Gb,21Ga間に注入した後、例えばエポキシ系の封止材で注入口を封止することでG表示部22Gが完成する。
【0051】
同様にして、R表示部22RとB表示部22Bを作製する。このとき、R用コレステリック液晶とB用コレステリック液晶の螺旋の方向を、G用コレステリック液晶の螺旋の方向と逆にする。
【0052】
作製したB,G,Rの各表示部22B,22G,22Rを例えば110℃に昇温して液晶を等方相とした後、例えば−1℃/minで室温まで徐冷することで、各表示部22B,22G,22Rの非画素領域の液晶配向状態がフォーカルコニック状態となり、非画素領域は光学的な暗状態となる。
【0053】
作製したB,G,Rの各表示部22B,22G,22Rを積層して液晶表示素子31作製し、液晶表示素子31に駆動回路(例えば、ドライバIC)を接続することで、カラー電子ペーパーを作製することができる。この場合、ドライバICに所定の波形を印加することで、明るく、コントラスト比に優れた表示のカラー電子ペーパーが得られる。
【0054】
(製造方法2)
上記製造方法1の場合と同様に、例えば縦横の長さが12(cm)×12(cm)の大きさに切断した2枚のポリカーボネート(PC)フィルム基板21Gb,21Gaにコレステリック液晶に対するプレチルト角が例えば88°のポリイミドの第1及び第2の配向層41Gb,41Gaを形成し、例えば150℃で焼成する。第1及び第2の配向層41Gb,41Ga上に銀のナノワイヤからなる透明電極を塗布し、フォトリソグラフィー工程を経て銀のナノワイヤ電極21Gb,21Gaのパターニングを行う。電極21Gb,21Gaのパターニングは、例えば0.24mmピッチで320ドット×240ドットのQVGA表示ができるように形成する。電極21Gb,21Gaのパターニングにより、電極21Gb(又は、21Ga)と電極21Gb(又は、21Ga)の間にポリイミドの第1の配向層41Gb(又は、第2の配向層41Ga)が露出する。
【0055】
次に、一方のPCフィルム基板21Ga上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程を経てレジストをパターニングし、例えば150℃で120分焼成することで、例えば高さ4μmのスペーサ(又は、構造体)を作製する。このスペーサは、2枚のPCフィルム基板21Gb,21Gaを重ねたときにセルギャップを維持するためのものである。
【0056】
次に、他方のPCフィルム基板21Gb上の周縁部に例えばエポキシ系のシール材43Gをディスペンサを用いて塗布する。そして、2枚のPCフィルム基板21Gb,21Gaをスペーサ及びシール材32Gを介して貼り合わせて、例えば1kg/cmの力で加圧しながら160℃で1時間加熱する。これにより、シール材32Gが硬化し両PCフィルム基板21Gb,21Gaと接着する。これと同時に、スペーサも両PCフィルム基板21Gb,21Gaと接着する。最後に、真空注入法によりG用コレステリック液晶を注入口から両PCフィルム基板21Gb,21Ga間に注入した後、例えばエポキシ系の封止材で注入口を封止することでG表示部22Gが完成する。
【0057】
同様にして、R表示部22RとB表示部22Bを作製する。このとき、R用コレステリック液晶とB用コレステリック液晶の螺旋の方向を、G用コレステリック液晶の螺旋の方向と逆にする。
【0058】
作製したB,G,Rの各表示部22B,22G,22Rを例えば110℃に昇温して液晶を等方相とした後、例えば−1℃/minで室温まで徐冷することで、各表示部22B,22G,22Rの非画素領域の液晶配向状態がフォーカルコニック状態となり、非画素領域は光学的な暗状態となる。
【0059】
作製したB,G,Rの各表示部22B,22G,22Rを積層して液晶表示素子31作製し、液晶表示素子31に駆動回路(例えば、ドライバIC)を接続することで、カラー電子ペーパーを作製することができる。この場合、ドライバICに所定の波形を印加することで、明るく、コントラスト比に優れた表示のカラー電子ペーパーが得られる。
【0060】
(製造方法3)
例えば縦横の長さが12(cm)×12(cm)の大きさに切断した2枚のポリカーボネート(PC)フィルム基板21Gb,21Gaにコレステリック液晶に対するプレチルト角が例えば40°のSiOの第1及び第2の配向層41Gb,41Gaを斜法蒸着により形成する。第1及び第2の配向層41Gb,41Ga上にIZOからなる透明電極をスパッタ法で形成し、フォトリソグラフィー工程を経てIZO電極21Gb,21Gaのパターニングを行う。電極21Gb,21Gaのパターニングは、例えば0.24mmピッチで320ドット×240ドットのQVGA表示ができるように形成する。電極21Gb,21Gaのパターニングにより、電極21Gb(又は、21Ga)と電極21Gb(又は、21Ga)の間にSiOの第1の配向層41Gb(又は、第2の配向層41Ga)が露出する。
【0061】
次に、一方のPCフィルム基板21Ga上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程を経てレジストをパターニングし、例えば150℃で120分焼成することで、例えば高さ4μmのスペーサ(又は、構造体)を作製する。このスペーサは、2枚のPCフィルム基板21Gb,21Gaを重ねたときにセルギャップを維持するためのものである。
【0062】
次に、他方のPCフィルム基板21Gb上の周縁部に例えばエポキシ系のシール材43Gをディスペンサを用いて塗布する。そして、2枚のPCフィルム基板21Gb,21Gaをスペーサ及びシール材32Gを介して貼り合わせて、例えば1kg/cmの力で加圧しながら160℃で1時間加熱する。これにより、シール材32Gが硬化し両PCフィルム基板21Gb,21Gaと接着する。これと同時に、スペーサも両PCフィルム基板21Gb,21Gaと接着する。最後に、真空注入法によりG用コレステリック液晶を注入口から両PCフィルム基板21Gb,21Ga間に注入した後、例えばエポキシ系の封止材で注入口を封止することでG表示部22Gが完成する。
同様にして、R表示部22RとB表示部22Bを作製する。このとき、R用コレステリック液晶とB用コレステリック液晶の螺旋の方向を、G用コレステリック液晶の螺旋の方向と逆にする。
【0063】
作製したB,G,Rの各表示部22B,22G,22Rを例えば110℃に昇温して液晶を等方相とした後、例えば−1℃/minで室温まで徐冷することで、各表示部22B,22G,22Rの非画素領域の液晶配向状態がフォーカルコニック状態となり、非画素領域は光学的な暗状態となる。
【0064】
作製したB,G,Rの各表示部22B,22G,22Rを積層して液晶表示素子31作製し、液晶表示素子31に駆動回路(例えば、ドライバIC)を接続することで、カラー電子ペーパーを作製することができる。この場合、ドライバICに所定の波形を印加することで、明るく、コントラスト比に優れた表示のカラー電子ペーパーが得られる。
【0065】
上記の製造方法1,2,3の場合、コレステリック液晶に対するプレチルト角が夫々6°,88°,40°の配向層が、電極のパターニング後に露出する。電極のパターニングを行うことで、非画素領域においてコレステリック液晶に対するプレチルト角が夫々6°,88°,40°の配向層が露出するので、配向層を電極のパターニング後に形成する場合に比べると、非画素領域と配向層との位置合せ精度及び生産性が向上する。
【0066】
(比較例)
縦横の長さが12(cm)×12(cm)の大きさに切断した2枚のPCフィルム基板に銀のナノワイヤからなる透明電極を塗布し、フォトリソグラフィー工程を経て銀のナノワイヤ電極のパターニングを行う。電極のパターニングは、0.24mmピッチで320ドット×240ドットのQVGA表示ができるように形成する。電極のパターニングにより、電極と電極の間にPCフィルム基板が露出する。
【0067】
次に、一方のPCフィルム基板上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィー工程を経てレジストをパターニングし、150℃で120分焼成することで、高さ4μmのスペーサを作製する。このスペーサは、2枚のPCフィルム基板を重ねたときにセルギャップを維持するためのものである。
【0068】
次に、他方のPCフィルム基板上の周縁部にエポキシ系のシール材をディスペンサを用いて塗布する。そして、2枚のPCフィルム基板をスペーサ及びシール材を介して貼り合わせて、1kg/cmの力で加圧しながら160℃で1時間加熱する。これにより、シール材が硬化し両PCフィルム基板と接着する。これと同時に、スペーサも両PCフィルム基板と接着する。
【0069】
最後に、真空注入法によりG用コレステリック液晶を注入口から両PCフィルム基板間に注入した後、例えばエポキシ系の封止材で注入口を封止することでG表示部が完成する。
【0070】
同様にして、R表示部とB表示部を作製する。このとき、R用コレステリック液晶とB用コレステリック液晶の螺旋の方向を、G用コレステリック液晶の螺旋の方向と逆にする。
【0071】
作製したB,G,Rの各表示部を例えば110℃に昇温して液晶を等方相とした後、例えば−1℃/minで室温まで徐冷すると、B,G,Rの各表示部の非画素領域の液晶配向状態はプレーナ状態となり、非画素領域は光学的な明状態となる。
【0072】
作製したB,G,Rの各表示部を積層して液晶表示素子作製し、液晶表示素子に駆動回路(例えば、ドライバIC)を接続することで、カラー電子ペーパーを作製することができる。この場合、ドライバICに所定の波形を印加すると、非画素領域が明状態であるため、表示のコントラスト比は低い。
【0073】
これにより、第1及び第2の配向層を設けることにより、非画素領域のコレステリック液晶をフォーカルコニック(暗)状態に安定化させることができ、コントラスト比を向上可能であることが確認された。
【0074】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の基板と、
前記第1の基板上に設けられた第1の配向層と、
前記第1の配向層上に設けられたストライプ状の第1の電極と、
ストライプ状の第2の電極と、
前記第1及び第2の電極間に配置されコレステリック液晶を有する液晶層と、
前記第2の電極上に設けられた第2の配向層と、
前記第2の配向層上に設けられた第2の基板
を備え、
前記第1の配向層は前記第1の電極間で前記液晶層のコレステリック液晶と接しており、
前記第2の配向層は前記第2の電極間で前記液晶層のコレステリック液晶と接していることを特徴とする、液晶表示装置。
(付記2)
前記液晶層は、平面図上で前記第1及び第2の電極が直交する画素領域と、隣接する画素領域間に設けられ前記コレステリック液晶が前記第1及び前記第2の配向層と接する非画素領域を有し、
前記第1及び第2の配向層の前記非画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、前記画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きいことを特徴とする、付記1記載の液晶表示装置。
(付記3)
前記第1及び第2の配向層の前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が6°〜89°であることを特徴とする、付記2記載の液晶表示装置。
(付記4)
前記第1及び第2の基板のうち少なくとも一方はフレキシブル基板であることを特徴とする、付記1乃至3のいずれか1項記載の液晶表示装置。
(付記5)
前記第1の電極上に設けられ前記液晶層と接する第3の配向層と、
前記第2の電極下に設けられ前記液晶層と接する第4の配向層
を更に備えたことを特徴とする、付記1乃至4のいずれか1項記載の液晶表示装置。
(付記6)
前記第1の基板、前記第1の配向層、前記第1の電極、前記液晶層、前記第2の電極、前記第2の配向層、及び前記第2の基板は液晶表示素子を形成し、
異なる色用の液晶層を有する前記液晶表示素子が複数積層されていることを特徴とする、付記1乃至5のいずれか1項記載の液晶表示装置。
(付記7)
前記第1及び第2の配向層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、及び二酸化ケイ素(SiO)からなるグループから選択された1つの材料で形成されていることを特徴とする、付記1乃至6のいずれか1項記載の液晶表示装置。
(付記8)
前記非画素領域の液晶をフォーカルコニック(暗)状態に安定化することを特徴とする、付記2又は3記載の液晶表示装置。
(付記9)
第1の基板上の第1の配向層の上に第1の透明電極層を形成する工程と、
前記第1の透明電極層をパターニングしてストライプ状の第1の電極を形成して前記第1の配向層を前記第1の電極間で露出する工程と、
第2の基板上の第2の配向層の上に第2の透明電極層を形成する工程と、
前記第2の透明電極層をパターニングしてストライプ状の第2の電極を形成して前記第2の配向層を前記第2の電極間で露出する工程と、
前記第1及び第2の基板をシール材を介して貼り合わせる工程と、
前記第1及び第2の基板間にコレステリック液晶を注入して封止することで液晶層を形成する工程
を含むことを特徴とする、液晶表示装置の製造方法。
(付記10)
前記液晶層は、平面図上で前記第1及び第2の電極が直交する画素領域と、隣接する画素領域間に設けられ前記コレステリック液晶が前記第1及び前記第2の配向層と接する非画素領域を有し、
前記第1及び第2の配向層の前記非画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、前記画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きいことを特徴とする、付記9記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記11)
前記第1及び第2の配向層の前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が6°〜89°であることを特徴とする、付記10記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記12)
前記第1及び第2の基板のうち少なくとも一方はフレキシブル基板であることを特徴とする、付記9乃至11のいずれか1項記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記13)
前記第1及び第2の配向層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、及び二酸化ケイ素(SiO)からなるグループから選択された1つの材料で形成されていることを特徴とする、付記8乃至12のいずれか1項記載の液晶表示装置の製造方法。
【0075】
以上、開示の液晶表示装置及びその製造方法を実施例により説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0076】
21Ba,21Bb,21Ga,21Gb,21Ra,21Rb 基板
22B,22G,22R 液晶層
31 液晶表示素子
32B,32G,32R 表示部
41Ba,41Bb,41Ga,41Gb,41Ra,41Rb 配向層
221B 画素領域
222B 非画素領域
300 液晶表示装置
311 データ電極駆動回路
312 走査電極駆動回路
313 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、
前記第1の基板上に設けられた第1の配向層と、
前記第1の配向層上に設けられたストライプ状の第1の電極と、
ストライプ状の第2の電極と、
前記第1及び第2の電極間に配置されコレステリック液晶を有する液晶層と、
前記第2の電極上に設けられた第2の配向層と、
前記第2の配向層上に設けられた第2の基板
を備え、
前記第1の配向層は前記第1の電極間で前記液晶層のコレステリック液晶と接しており、
前記第2の配向層は前記第2の電極間で前記液晶層のコレステリック液晶と接していることを特徴とする、液晶表示装置。
【請求項2】
前記液晶層は、平面図上で前記第1及び第2の電極が直交する画素領域と、隣接する画素領域間に設けられ前記コレステリック液晶が前記第1及び前記第2の配向層と接する非画素領域を有し、
前記第1及び第2の配向層の前記非画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、前記画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きいことを特徴とする、請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の配向層の前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が6°〜89°であることを特徴とする、請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の基板のうち少なくとも一方はフレキシブル基板であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1の電極上に設けられ前記液晶層と接する第3の配向層と、
前記第2の電極下に設けられ前記液晶層と接する第4の配向層
を更に備えたことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の配向層は、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、及び二酸化ケイ素(SiO)からなるグループから選択された1つの材料で形成されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項記載の液晶表示装置。
【請求項7】
第1の基板上の第1の配向層の上に第1の透明電極層を形成する工程と、
前記第1の透明電極層をパターニングしてストライプ状の第1の電極を形成して前記第1の配向層を前記第1の電極間で露出する工程と、
第2の基板上の第2の配向層の上に第2の透明電極層を形成する工程と、
前記第2の透明電極層をパターニングしてストライプ状の第2の電極を形成して前記第2の配向層を前記第2の電極間で露出する工程と、
前記第1及び第2の基板をシール材を介して貼り合わせる工程と、
前記第1及び第2の基板間にコレステリック液晶を注入して封止することで液晶層を形成する工程
を含むことを特徴とする、液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記液晶層は、平面図上で前記第1及び第2の電極が直交する画素領域と、隣接する画素領域間に設けられ前記コレステリック液晶が前記第1及び前記第2の配向層と接する非画素領域を有し、
前記第1及び第2の配向層の前記非画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、前記画素領域における前記コレステリック液晶に対するプレチルト角より大きいことを特徴とする、請求項7記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の配向層の前記コレステリック液晶に対するプレチルト角は、クリスタルローテーション法で求めた値が6°〜89°であることを特徴とする、請求項8記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1及び第2の基板のうち少なくとも一方はフレキシブル基板であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか1項記載の液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−54071(P2013−54071A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190117(P2011−190117)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】