説明

液晶表示装置及び配向膜、並びにこれらの製造方法

【課題】液晶表示装置及び配向膜、並びにこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】上記配向膜は、基板上に、第1主鎖を形成する第1物質及び第2主鎖を形成する第2物質を含み、上記第1物質は、光硬化剤と結合され、上記第2物質は垂直配向性官能基と結合され、上記光硬化剤は、互いに架橋結合して、上記基板に対してプレチルト角で傾くように配列され、上記垂直配向性官能基は、上記基板に対して実質的に垂直配列され、上記第1物質と上記第2物質が、互いに異なることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び配向膜、並びにこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置は、液晶層の特性によって捩れネマティック(Twisted Nematic)方式、水平電界方式、又は垂直配向方式などに区分される。PVA(Patterned Vertically Aligned)モードは垂直配向方式であって、広視野角を具現するために開発されている。一方、PVAモードの側面視認性をより改善するために、微細スリット(micro-slit)モード又はSVA(Super Vertical Alignment)モードが開発されている。SVAモードでは、液晶分子を配向するために、液晶層に反応性メソゲンが存在する。液晶層に含まれている反応性メソゲンは、光照射により硬化されて液晶分子にプレチルト(pretilt)を付与する。光により硬化されなかった反応性メソゲン、即ち、未硬化の反応性メソゲンは、液晶表示装置において様々な不良を発生し得る。従って、かかる未硬化の反応性メソゲンを減少させるために、反応性メソゲンと類似の機能を有する光硬化剤を含む配向膜材料が開発されている。光硬化剤を含む配向膜材料は、多様な製造方法及び条件により、液晶分子にプレチルトを付与する配向膜を形成する。このように形成された配向膜は、液晶表示装置におけるテクスチャー不良、光漏れの不良、及び低い応答速度のような液晶表示装置の表示品質に大きな影響を及ぼす。
【0003】
従って、液晶表示装置のテクスチャー不良及び光漏れの不良を減少するか、または表示品質の均一性を向上するために、液晶分子を均一にプレチルトさせて配列する配向膜が要求される。また、液晶表示装置の応答速度を向上させるために、配向膜に含まれた官能基を最適化する必要がある。さらに、配向膜の信頼性及び特性を向上するために、最適の配向膜の製造工程が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国出願公開2010−0084823A
【特許文献2】韓国出願公開2011−0021587A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来の問題を解決するために、本発明の目的は、液晶分子を均一にプレチルトするように配列する配向膜を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、テクスチャー不良や光漏れの不良を減少することができ、応答速度及び表示品質の均一性を向上することができる液晶表示装置及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述のような本発明の技術的課題を解決するために、本発明の配向膜は、基板上に、第1主鎖を形成する第1物質及び第2主鎖を形成する第2物質を含み、上記第1物質は複数の光硬化剤と結合し、上記第2物質は垂直配向性官能基と結合し、上記複数の光硬化剤は、互いに架橋結合して、基板に対してプレチルト角で傾くように配列され、上記垂直配向性官能基は、基板に対して実質的に垂直に配列され、上記第1物質と上記第2物質が、それぞれ異なる。
【0008】
本発明によれば、上記第1物質はポリエチレン(polyethylene)であってもよい。
【0009】
本発明によれば、上記光硬化剤は、各々光照射により架橋結合した光反応基部位とスペーサ部位を含み、上記スペーサ部位は環状化合物を含んでもよい。
【0010】
本発明によれば、上記第2物質はポリイミド(polyimide)であってもよい。
【0011】
本発明によれば、上記配向膜は、さらに架橋剤を含んでもよい。
【0012】
本発明によれば、上記架橋剤のいずれか一方の末端は、上記複数の光硬化剤中のいずれか一つと結合し、他の一方の末端は上記第2物質と結合してもよい。
【0013】
本発明によれば、上記第1物質と上記第2物質の相対的な量は、上記配向膜の厚さ方向に沿って漸次に変わってもよい。
【0014】
本発明によれば、上記垂直配向性官能基と上記光硬化剤が主に分布された配向機能層に近い部分には、上記第1物質が上記第2物質より多く、上記配向機能層から遠くなるほど、上記第2物質が上記第1物質より多く分布され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の液晶表示装置及び配向膜によれば、液晶分子が均一にプレチルトするように配向できるので、液晶表示装置の表示品質に優れている。以下、本明細書に記載されている多くの利点を有することができるのは、この分野における通常の知識を有する者であれば理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】下部表示板と上部表示板を用いて、SC−VAモードにより液晶表示板アセンブリを製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【図2A】本発明の一実施形態のSC−VAモードにより液晶表示板アセンブリの表面光硬化剤層及び主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
【図2B】本発明の一実施形態のSC−VAモードにより液晶表示板アセンブリの表面光硬化剤層及び主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
【図2C】本発明の一実施形態のSC−VAモードにより液晶表示板アセンブリの表面光硬化剤層及び主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
【図2D】本発明の一実施形態のSC−VAモードにより液晶表示板アセンブリの表面光硬化剤層及び主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
【図2E】本発明の一実施形態のSC−VAモードにより液晶表示板アセンブリの表面光硬化剤層及び主配向膜が形成される過程を順次に示した断面図である。
【図3】DC電圧を液晶表示板アセンブリに供給する波形図である。
【図4】多段階(multi-step)電圧を液晶表示板アセンブリに供給する波形図である。
【図5】SC−VAモードの特性を有する液晶表示装置の一つの画素PXを電圧の強度によって撮影した走査型電子顕微鏡(SEM)の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面と好適な実施形態を参照して本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明の明細書において、同一の部品又は構成要素については、同一の符号を付けることにより重複説明を省略する。なお、本明細書において数値限定が提示されているが、特許請求の範囲に限定されない限り、かかる限定は、単に例示に過ぎないことを留意しなければならない。
【0019】
以下、ポリエチレン又はエチレンを含む配向膜組成物10について詳細に説明する。配向膜組成物10は、図1及び図2A〜図2Eを参照して、液晶表示装置の配向膜を形成するための材料である。配向膜組成物10は、ポリエチレンからなる主鎖を含む。本発明により、配向膜組成物10は、約2重量%(wt%)〜約10重量%(wt%)の固形物と、約90重量%(wt%)〜約98重量%(wt%)の溶媒を含む。上記固形物は、垂直配向性官能基化合物及びプレチルト官能基化合物を含む。上記固形物は、架橋剤(crosslinker)をさらに含んでもよい。溶媒を除いた配向膜組成物10に含まれた、垂直配向性官能基化合物は、約57重量%(wt%)〜約77重量%(wt%)であってもよく、プレチルト官能基化合物は、約15重量%(wt%)〜約30重量%(wt%)であってもよく、架橋剤は、約5重量%(wt%)〜約15重量%(wt%)であってもよい。溶媒は、N−ビニルピロリドン(NMP、N-vinylpyrrolidone)とブチルセルロース(butyl cellulose)の約1:1混合物であってもよい。配向膜組成物10に含まれた固形物の量は、配向膜を形成するために配向膜組成物10を下部膜の上に塗布する方法によって変わってもよい。例えば、インクジェット法に用いられた配向膜組成物10中の固形物の量は、ロールプリンティング法に用いられた配向膜組成物10中の固形物の量より少なくてもよい。
【0020】
垂直配向性官能基化合物は、ポリアミック酸(polyamic acid)と結合された垂直配向性官能基を含む化合物である。ポリアミック酸は、配向膜の主鎖を形成するポリイミドの前駆体である。垂直配向性官能基化合物は、二無水物(dianhydride)系単分子(モノマー)とジアミン(diamine)系単分子からなる。本発明により、ジアミン系単分子は、芳香族ジアミン(aromatic diamine)系単分子、例えば、p−フェニレンジアミン(p-phenylene diamine)単分子と、垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン(vertical-alignment group substituted aromatic diamine)系単分子、例えば、コレステリルベンゼンジアミン(cholesteryl benzene diamine)を含む。本発明により、溶媒を除いた垂直配向性官能基化合物に含まれた、二無水物系単分子は、約40モル%(mol%)〜約60モル%(mol%)であり、ジアミン系単分子は、約30モル%(mol%)〜約50モル%(mol%)であり、垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、約5モル%(mol%)〜約20モル%(mol%)であり得る。
【0021】
本発明により、二無水物系単分子は、脂環族二無水物(alicyclic dianhydride)系単分子を含んでもよい。二無水物系単分子は、下記の構造式D1−I〜一般式D1−IV−2の中のいずれかで表される単分子を含んでもよい。二無水物系単分子は、垂直配向性官能基化合物に含まれた高分子を溶媒中によく溶解させ、配向膜の電気光学的特性を強化することができる。二無水物系単分子は、配向膜の形成工程でイミド化反応により配向膜のポリイミド 主鎖を形成する。
【0022】
構造式D1−I
【0023】
【化1】

構造式D1−II
【0024】
【化2】

構造式D1−III
【0025】
【化3】

一般式D1−IV−1
【0026】
【化4】

一般式D1−IV−2
【0027】
【化5】

上記一般式D1−IV−1及び一般式D1−IV−2において、R1は、下記構造式中のいずれかであってもよい。
【0028】
【化6】

【0029】
【化7】

【0030】
【化8】

【0031】
【化9】

芳香族ジアミン系単分子は、下記一般式D2−Iで表される単分子を含んでもよい。芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向性官能基化合物に含まれた高分子を溶媒中によく溶解させることができる。上記芳香族ジアミン系単分子は、配向膜の形成工程でイミド化反応により配向膜のポリイミド主鎖を形成する。
【0032】
一般式 D2−I
【0033】
【化10】

上記一般式D2−Iにおいて、W3は、下記構造式中のいずれかであってもよい。
【0034】
【化11】

【0035】
【化12】

【0036】
【化13】

【0037】
【化14】

垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、下記一般式D3−Iで表される単分子であってもよい。垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、液晶分子を下部表面に対して垂直に配向する垂直配向性官能基を含む。垂直配向性官能基は、アルキルベンゼン基(alkyl benzene group)、コレステリル基(cholesteryl group)、アルキル化脂環族基(alkylated alicyclic group)、又はアルキル化芳香族基(alkylated aromatic group)を含んでもよい。垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、イミド化反応により配向膜の耐熱性及び耐化学性を強化する。本発明により、垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、ジアミノベンゾ酸(DABA,diaminobenzoic acid)と垂直配向性官能基が結合された単分子、例えば、コレステリルベンゼンジアミン(cholesteryl benzene diamine)を含んでもよい。
【0038】
一般式D3−I
【0039】
【化15】

上記一般式D3−Iにおいて、W1は、下記構造式D3−I−V1〜構造式D3−I−V4の中のいずれかであってもよい。
【0040】
構造式D3−I−V1
【0041】
【化16】

構造式D3−I−V2
【0042】
【化17】

構造式D3−I−V3
【0043】
【化18】

構造式D3−I−V4
【0044】
【化19】

プレチルト官能基化合物は、主鎖を構成するポリエチレンと側鎖を構成する光硬化剤を含む。プレチルト官能基化合物を形成するために、エチレンと光硬化剤を含む単分子は、約0.8〜約1: 約0.8〜約1の個数比で結合し得る。ポリエチレンは、短鎖長のモノマー単位(monomer unit)からなるので、より多くの光硬化剤が主鎖のポリエチレンにリンクできる。光硬化剤は、後述のように、配向膜を形成する工程で光照射により硬化され、一定のプレチルト角で配列して、液晶分子をプレチルトするように配列することができる。従って、光硬化剤が、主鎖のポリエチレンにより高い密度で結合すると、液晶分子は高密度で光硬化された光硬化剤により均一に配列できる。光硬化剤の密度が高いため、硬化又は重合過程において、光硬化剤はより多く架橋結合することができる。これによって、光硬化剤の架橋結合率は増加できる。従って、これを含む液晶表示装置は、良好な品質を有することができる。モノマー単位は、ポリエチレンにおける繰り返しの単分子である。
【0045】
本発明により、ポリエチレンに結合された光硬化剤は、光反応基部位とスペーサ部位を含む。スペーサ部位(spacer portion)は、リジッド(rigid:堅固)な特性を有してもよい。本発明により、スペーサ部位は、環状化合物を含んでもよい。リジッドな特性を有するスペーサ部位は、熱により、例えば、後述の1次加熱又は2次加熱工程で光硬化剤が硬化されることを減少できる。光反応基部位は、光又は熱により重合、架橋又は硬化する部分である。
【0046】
上記光反応基部位は、下記構造式の中のいずれかであってもよい。
【0047】
【化20】

【0048】
【化21】

上記スペーサ部位は、次の構造式の中の一つ以上を含んでもよい。
【0049】
【化22】

【0050】
【化23】

【0051】
【化24】

上記式において、Rは、エステル基(ester group)又はOである。本発明により、光硬化剤は、ビニル基(vinyl group)、スチレン基(styrene group)、メタクリレート基(methacrylate group)、シンナメート基(cinnamate group)及びアクリル基(acrylic group)又はアクリレート基(acrylate group) を含んでもよい。
【0052】
架橋剤は、熱により硬化されて、配向膜の硬度を強化し、配向膜の耐熱性及び耐化学性を強化することができる。架橋剤は、芳香族エポキシ基(aromatic epoxy group)を含んでもよい。架橋剤は、配向膜を形成する工程において、ポリイミド部位とポリエチレン部位を架橋できる。架橋剤は、ポリイミド間又はポリエチレン間に形成され、垂直配向性官能基化合物同士で固まるか、プレチルト官能基化合物同士で固まって、ポリイミド部位とポリエチレン部位とに分離することを抑制できる。架橋剤は、下記一般式D4−Iで表される単分子を含んでもよい。
【0053】
一般式D4−I
【0054】
【化25】

上記一般式D4−Iにおいて、Rは、エポキシ基、アクリレート基、メタクリレート基又はOであってもよい。
【0055】
本発明により、架橋剤は、構造式D4−I−1、構造式D4−I−2又はD4−I−3で表される物質を含んでもよい。
【0056】
構造式D4−I−1
【0057】
【化26】

構造式D4−I−2
【0058】
【化27】

構造式D4−I−3
【0059】
【化28】

構造式D4−I−1で表される物質を含む架橋剤38は、ポリイミド同士の間に形成されるか、又はポリエチレン同士の間に形成されるため、ポリイミド部位とポリエチレン部位に過度に相分離することを抑制できる。構造式D4−I−2で表される物質を含む架橋剤38は、光硬化剤及びポリイミドと結合して、ポリイミド部位とポリエチレン部位に過度に相分離することを抑制できる。構造式D4−I−3で表される物質において、アクリレートは光硬化剤と結合してもよく、エポキシ基はポリイミド部位と結合してもよい。
【0060】
前述の主鎖は、ポリアミック酸、ポリアミド、ポリアミックイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリスチレン及びこれらの混合物からなる群の中で選ばれた少なくとも一つの物質に代替可能である。
【0061】
以下、図1〜図4を参照して、液晶表示板アセンブリの製造方法について詳細に説明する。図1は、SC−VAモードに基づいて液晶表示板アセンブリの製造方法を説明するための概略的なフローチャートである。図2A〜図2Eは、 本発明の一実施形態のSC−VAモードにより液晶表示板アセンブリの下板配向膜を形成する過程の一部を順次に示した断面図である。本発明による配向膜組成物10は、前述のように、垂直配向性官能基と結合したポリアミック酸及び光硬化剤と結合したポリエチレンを含むので、このような配向膜組成物により形成された配向膜は、液晶分子を均一に配向することができる。
【0062】
図1に示したステップS210及びS220において、画素電極191を有する下部表示板と、共通電極を有する上部表示板が各々製造される。上部表示板と下部表示板は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011−0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された2011−0242443号明細書に開示された方法により製造し得る。本実施形態において、上部表示板と下部表示板は、2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011−0111227号明細書に開示された図1〜図5A及び図5Bの方法で製造した。本出願の明細書に図示されない要素、例えば、用語「液晶表示板アセンブリ」、「下部表示板」、「上部表示板」、「共通電極」、「下板配向膜」、「液晶分子」、「微細ブランチ」、及び「上板配向膜」で示した要素は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011−0111227号明細書に開示された該当用語の図面符号と同一である。
【0063】
図1に示したステップS231及びS232において、画素電極又は共通電極上に配向膜を形成するための配向膜組成物10を形成し、熱処理を行う。次に、図2A〜図2Eを参照して、ステップS231及びS232について詳細に説明する。まず、図2Aに示したように、画素電極191又は共通電極(図示せず)上に、配向膜組成物10をインクジェット又はロールプリンティング法等の方法により塗布してもよい。図2A〜図2Eにおいて、画素電極191を除いた他の上部層は省略した。本発明の実施形態により、配向膜組成物10は、一部の領域で間隔材、カラーフィルター又は絶縁膜と直接接触し得る。
【0064】
以下、本発明により、液晶表示板アセンブル(図示せず)の配向膜を製造するために用いた配向膜組成物10について詳細に説明する。後述する配向膜組成物10だけでなく、前述の配向膜組成物10も液晶表示板アセンブリの配向膜を製造するために使用してもよい。本発明により、この実施形態に用いた配向膜組成物10は、約4重量%の固形物と約96重量%の溶媒を含む。上記固形物は、約67重量%の垂直配向性官能基化合物、約26重量%のプレチルト官能基化合物及び約7重量%の架橋剤の混合物である。
【0065】
垂直配向性官能基化合物は、ポリアミック酸と結合した垂直配向性官能基を含む化合物である。垂直配向性官能基と結合したポリアミック酸は、約50モル%の二無水物系単分子及び約50モル%のジアミン系単分子からなる。約50モル%のジアミン系単分子には、約40モル%の芳香族ジアミン系単分子と約10モル%の垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子が含まれている。二無水物系単分子は下記構造式の単分子を含む。
【0066】
【化29】

ジアミン系単分子に含まれた芳香族ジアミン系単分子は、下記構造式の単分子を含む。
【0067】
【化30】

垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、下記構造式の単分子を含む。
【0068】
【化31】

さらに、垂直配向性官能基置換の芳香族ジアミン系単分子は、垂直配向性官能基として、コレステリル基を含む。プレチルト官能基化合物は、ポリエチレンと該ポリエチレンに結合された下記構造式の単分子を包含する。
【0069】
【化32】

また、プレチルト官能基化合物は、スペーサ部位として、ビフェニルと、光反応基部位として、メタクリレートを含む。架橋剤は、下記構造式の化合物を含んだ。
【0070】
【化33】

溶媒はN−ビニルピロリドン(NMP)とブチルセルロースの約1:1混合物である。
【0071】
図2Bを参照すると、配向膜組成物10は一次加熱される。一次加熱工程は、約100秒〜約140秒の間、約80℃〜約110℃で進行してもよい。一次加熱において、配向膜組成物10の溶媒が気化され、イミド化反応が進行される。一次加熱工程におけるイミド化反応により、配向膜組成物10のイミド化率(imidization ratio)は、約50%〜約70%であってもよい。イミド化率は、ポリイミドのアミック酸(AA,amic acid)構造の数とイミド環構造の数との総合に対するイミド環構造の数が占める比率を百分率で換算した数値である。この実施形態において、一次加熱は約95℃で約120秒の間行われた。
【0072】
図2Cに図示されたように、一次加熱工程で垂直配向性官能基化合物に含まれた垂直配向性官能基41とプレチルト官能基化合物に含まれた光硬化剤43が空気層へ放出される。本発明により、垂直配向性官能基41と光硬化剤43は、疎水性を有してもよい。一次加熱した配向膜組成物10において、ポリエチレン33bとポリイミド33aの相対的な量は、配向膜組成物10の厚さ方向に沿って漸次変わってもよい。
【0073】
本発明により、垂直配向性官能基41と光硬化剤43が主に分布した配向機能層41、43に近い部分には、ポリエチレンがポリイミド又はポリアミック酸より多く分布されてもよく、配向機能層41、43から遠くなるほど、ポリイミド又はポリアミック酸が、ポリエチレンより多く分布されてもよい。本発明により、一次加熱した配向膜組成物10において、ポリエチレンとポリイミドの相対的な量は、配向機能層41、43からの距離によって漸次変化し得る。このように、ポリエチレンとポリイミドの相対的な量の漸次的な変動は、ポリエチレンとポリイミドの相対極性の大きさによって変わり得る。本発明により、ポリエチレンは疎水性の特性を有してもよく、ポリイミドは親水性の特性を有してもよい。一次加熱工程において、架橋剤38は硬化され、ポリイミド基とポリエチレン基に過度に分離されることを抑制できる。これと対照的に、一次加熱した配向膜組成物10において、ポリエチレンとポリイミドは、均一に分布し得る。
【0074】
図2Dを参照すると、配向膜組成物10は2次加熱される。2次加熱工程は、約1000秒〜約1400秒の間、約200℃〜約240℃で行ってもよい。図2Eを参照すると、2次加熱でイミド化反応か進行される。2次加熱の後、配向膜組成物10のイミド化率は、約70%以上である。架橋剤38は、前述のように、熱により硬化され、配向膜の硬度を向上させ、ポリイミド33aとポリエチレン33bに過度に相分離することを抑制できる。前述したように、光硬化剤と結合したリジッドな特性を有するスペーサ部位は、熱(例えば、一次加熱及び2次加熱工程)により若干振動し得る。従って、リジッドな特性のスペーサは、光硬化剤が1次加熱又は2次加熱工程で硬化することを減らすことができる。この実施形態において、2次加熱は約220℃で約1000秒間行われた。2次加熱の後、配向膜組成物10を洗浄し、乾燥する。洗浄工程は、純水(DIW,Deionized water)を用いて行い、イソプロピルアルコール(IPA)を用いて追加実施してもよい。この実施形態において、配向膜組成物10は、純水で洗浄した後、乾燥した。
【0075】
ステップS240では、下部表示板100と上部表示板(図示せず)の間に、上板共通電圧印加点(図示せず)、シール剤(図示せず)及び液晶層3が形成され、これらの表示板がシール剤により合着される。合着された下部表示板100と上部表示板は、約100℃〜約120℃のチャンバー内で、約60分〜約80分の間、アニーリング(annealing)してもよい。ステップS240における各工程は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011―0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された米国特許出願公開2011−0242443号明細書に開示されている。この実施形態において、アニーリングは、約110℃で約2時間行われた。アニーリング工程の間、シール剤は熱硬化された。
【0076】
ステップS250では、合着された表示板に露光電圧が供給され、電界露光工程によりプレチルト角を有する配向膜が形成される。下部表示板100には、下板配向膜(図示せず)が形成され、上部表示板には上板配向膜(図示せず)が形成される。アニーリングの後、ステップS252で、合着された表示板に露光電圧が供給され、液晶層3に電気場が形成される。液晶層3における電気場は、DC(Direct Current)電圧を供給する方法又は多段階(multi step)電圧を供給する方法により形成されてもよい。DC電圧を供給する方法は、図3に示した。「TA1」期間の間、下部表示板のゲート線(図示せず)とデータ線(図示せず)に所定の第1電圧V1が供給されると、副画素電極(図示せず)には、第1電圧V1が供給される。この際、上部表示板の共通電極に接地電圧又は約0ボルト(0V)の電圧が供給される。「TA1」期間は、約1秒〜約300秒であってもよい。これと違って、ゲート線とデータ線に接地電圧又は約0ボルト(0V)の電圧が供給されてもよく、共通電極に所定の第1電圧V1が供給されてもよい。
【0077】
以後、合着された表示板に光が照射される「TD1」期間の間に所定の露光電圧が供給され、これにより、液晶分子が安定した状態で配列され、この期間の間に電界露光工程が行われる。この露光電圧は、「TA1」期間の第1電圧V1と同一であってもよい。「TD1」期間は、約50秒〜150秒である。「TA1」期間及び「TD1」期間に液晶層の液晶分子が配列する方法は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011―0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された米国特許出願公開2011−0242443号明細書に開示されている。
【0078】
図4を参照して、多段階電圧の供給方法を詳細に説明する。「TA2」期間の間にゲート線とデータ線に所定の第2電圧V2、V3中のいずれか一つの電圧が供給されると、副画素電極に第2電圧が供給される。共通電極に第2電圧V2、V3中の他の電圧が供給される。第2電圧は、「TA2」期間の電圧である。第2電圧は、約0.1〜120Hzの周波数を有する。V2電圧は、液晶表示装置の最大駆動電圧より高い方が好ましく、電圧V2は、約5V〜60Vであってもよい。電圧V3は、接地電圧又は約0V電圧であり得る。「TA2」期間は、約1秒〜300秒であってもよい。以後、「TB2」期間の間に、電圧V3から電圧V2に漸次上昇する電圧が供給され、これにより、液晶分子(図示せず)が順次的に配列する。「TB2」期間は、約1秒〜約100秒であってもよい。次に、「TC2」期間には、液晶分子(図示せず)が画素電極191の微細ブランチ(図示せず)の長さ方向に平行な方向に傾斜した後に、液晶分子の配列が安定になる。「TC2」期間は、約1秒〜600秒であってもよい。「TC2」期間の間に、電圧V2が供給される状態が保持される。その後、合着された表示板に「TD2」期間の間、所定の露光電圧が供給される。露光電圧が印加される間、光が照射される電界露光工程が行われる。「TD2」期間は、約80秒〜200秒であってもよい。露光電圧は、電圧V2と同一であってもよい。「TA2」期間、「TB2」期間、「TC2」期間及び「TD2」期間において液晶層の液晶分子が配列する方法は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011―0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された米国特許出願公開2011−0242443号明細書に開示されている。
【0079】
本発明により、「TA2」期間は省略してもよい。この実施形態において、「TA2」期間が省略された多段階電圧の供給方式により液晶層に電気場が形成された。「TB2」期間は、約25秒〜約35秒であった。また、この実施形態では、「TB2」期間に二段階が含まれた。段階1では、電圧V3から中間電圧まで上昇させる電圧が段階1の時間供給され、段階2では、中間電圧から電圧V2まで上昇させる電圧が段階2の時間供給された。この実施形態において、中間電圧は、約5ボルト(V)であり、段階1の時間は約20秒であり、電圧V2は約23ボルト(V)であり、段階2の時間は約10秒であった。
【0080】
ステップS254で露光電圧が印加される間に、合着された表示板に光が照射され、配向膜が形成される。液晶層に電気場が形成されている間に、光が照射される電界露光工程が行われ、これにより配向膜が形成される。下板配向膜291及び上板配向膜(図示せず)は、それぞれ主配向膜33と配向機能層35を含む。本発明により、主配向膜33は、主に垂直配向性官能基化合物とプレチルト官能基化合物の主鎖(例えば、ポリイミドとポリエチレン)及び硬化された架橋剤38を含む。
【0081】
本発明により、配向機能層35は、主に液晶分子を配向する物質を含む。本発明により、配向機能層35は、垂直配向性官能基化合物に含まれた垂直配向性官能基41及びプレチルト官能基化合物に含まれてプレチルトするように硬化される光硬化剤43を含む。
【0082】
液晶層に電気場が形成されている「TD1」又は「TD2」期間の間、光が液晶層及び熱処理された配向膜組成物10に照射される。照射された光により、光硬化剤は互いに架橋結合してプレチルトするように硬化される。液晶層に印加された電気場と光が除去されると、下部表示板100には下板配向膜291が形成され、上部表示板には上板配向膜が形成される。光は下部基板(図示せず)及び上部基板(図示せず)の方向中の一方又は両方に照射されてもよい。本発明により、光は、光を吸収又は遮断する膜をより少なく持つ下部表示板100の基板又は上部表示板の基板の方向に入射されてもよい。例えば、光硬化のための光は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011―0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された米国特許出願公開2011−0242443号明細書に開示された図22A〜図22Dの構造では上部基板向きの方向で、図22E〜図22Hの構造では下部基板向きの方向で照射され得る。照射光は、平行紫外線(Collimated UV)、偏光紫外線(Polarized UV)又は無偏光紫外線(non-polarized UV)であってもよい。紫外線波長は、約300nm〜400nmであってもよい。光エネルギーは、約0.5J/cm〜40J/cmである。光硬化剤を硬化する光とシール剤を硬化する光は、異なる波長及びエネルギーであってもよい。この実施形態において、電界露光工程の紫外線強度は、約6.5J/cmであった。
【0083】
以下、光硬化剤の硬化メカニズムと液晶分子のプレチルト配列方法について詳細に説明する。液晶層3に電気場が形成されると、液晶分子は液晶分子の特性と電気場により配列され、このような液晶分子の配列により、配向機能層35に含まれた垂直配向性官能基41と光硬化剤43が液晶分子と同じ方向に配列される。垂直配向性官能基41と光硬化剤43が配列された状態で電界露光工程が行われると、光硬化剤に含まれた光反応基部位が互いに架橋結合するので、光硬化剤はネットワークを形成する。光硬化剤に含まれた光反応基部位(例えば、アルケン)は、光(例えば、紫外線)が照射された場合、二重結合が解かれ、周辺の光反応基部位と架橋結合を形成する。電気場が存在する状態で、光硬化剤が硬化し、ネットワークを形成するため、硬化された光硬化剤はプレチルトするように配列する。従って、配向機能層35に隣接した液晶分子31は、下部基板の法線方向に対して若干傾いた方向に配向される。これにより、液晶層3に電気場が印加されなかった状態でも、配向機能層35に隣接した液晶分子31は、画素電極191の微細ブランチ197の長さ方向に平行な傾斜方向にプレチルト角を有し、プレチルトするように配列される。液晶分子は、法線方向に対して約0.5°〜約3°のプレチルト角で傾いてもよい。
【0084】
本発明により、光硬化剤と結合したポリエチレンは、短鎖長のモノマー単位を有するため、より多くの光硬化剤がポリエチレン主鎖に結合することができる。これにより、硬化過程で光硬化剤の架橋率が増加できる。架橋率が増加するか、硬化された光硬化剤の密度が大きいと、液晶分子は均一にプレチルトするように配列できる。ポリエチレンに結合された光硬化剤により形成された配向膜を有する液晶表示装置は、優れた表示品質を有することができる。未硬化の光硬化剤を硬化するために、蛍光露光工程を行ってもよい。蛍光露光工程は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011―0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された米国特許出願公開2011−0242443号明細書に開示されている。
【0085】
本実施形態において、蛍光露光工程は省略された。液晶表示装置のセル間隔は約3.0μmであった。液晶表示装置は、本願の出願人に譲渡され、以下、本明細書の一部となり得る2011年10月10日付に公開された韓国出願公開10−2011―0111227号明細書及び2011年10月6日付に公開された米国特許出願公開2011−0242443号明細書に開示された図11を参照して説明した電荷共有方式の1ゲート線1データ線(1G1D)駆動により動作する。このように製造された液晶表示装置は、図5に示したように、走査型電子顕微鏡で撮影した。図5は、前述のように製造した液晶表示装置の一つの画素PXを液晶層に形成された電気場の強度によって撮影した走査型電子顕微鏡の写真である。図5に示した写真は、液晶層に印加された電圧が0V、1V、3V、及び7Vであるとき、各電圧における一画素PXの写真である。図5から判るように、液晶層に印加された電気場の強度によって画素PXの明るさが増え、テクスチャー不良は減少した。また、液晶表示装置のライジング応答速度(Rising response time)は、約7.0ms(mili-seconds)であり、フォーリング応答速度(Falling response time)は、約2.6ms(mili-seconds)であった。このように製造された液晶表示装置は、迅速な応答速度を有し、良好な品質特性を示した。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によれば、液晶表示装置の側面視認性が改善され、表示品質が向上される。
【符号の説明】
【0087】
10:配向膜組成物
33:主配向膜
33a、33b:主鎖
35:配向機能層
38:架橋剤
41:垂直配向性官能基
43:光硬化剤
100:下部表示板
191:画素電極
291:下板配向膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、第1主鎖を形成する第1物質及び第2主鎖を形成する第2物質を含み、
前記第1物質は、光硬化剤と結合され、前記第2物質は、垂直配向性官能基と結合され、
前記光硬化剤は、互いに架橋結合して、前記基板に対してプレチルト角で傾くように配列され、
前記垂直配向性官能基は、前記基板に対して実質的に垂直配列され、また前記第1物質と前記第2物質が、互いに異なることを特徴とする配向膜。
【請求項2】
前記第1物質は、ポリエチレン(polyethylene)であることを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項3】
前記第2物質は、ポリイミド(polyimide)であることを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項4】
架橋剤をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の配向膜。
【請求項5】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項4に記載の配向膜。
【請求項6】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項3に記載の配向膜。
【請求項7】
架橋剤をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項8】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項7に記載の配向膜。
【請求項9】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項10】
前記光硬化剤は、各々光照射により架橋結合された光反応基部位とスペーサ部位を含み、前記スペーサ部位は、環状化合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の配向膜。
【請求項11】
前記光硬化剤は、下記構造式の化合物を含むことを特徴とする請求項10に記載の配向膜。
【化1】

【請求項12】
前記第2物質は、ポリイミドであることを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項13】
架橋剤をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の配向膜。
【請求項14】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項13に記載の配向膜。
【請求項15】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項12に記載の配向膜。
【請求項16】
前記垂直配向性官能基は、下記構造式の化合物を含むことを特徴とする請求項12に記載の配向膜。
【化2】

【請求項17】
架橋剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項18】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項17に記載の配向膜。
【請求項19】
前記架橋剤は、下記一般式の化合物を含むことを特徴とする請求項17に記載の配向膜。
【化3】

ここで、Rは、エポキシ基(epoxy group)、アクリレート(acrylate)、メタクリレート(methacrylate)又はOであってもよい。
【請求項20】
前記架橋剤のいずれか一方の末端は、前記光硬化剤中のいずれか一つと結合し、他の一方の末端は前記第2物質と結合することを特徴とする請求項17に記載の配向膜。
【請求項21】
前記配向膜の厚さ方向に沿って、前記第1物質と前記第2物質の相対的な量が漸次変わることを特徴とする請求項1に記載の配向膜。
【請求項22】
前記垂直配向性官能基と前記光硬化剤が主に分布した配向機能層に近い部分には、前記第1物質が前記第2物質より多く、前記配向機能層から遠くなるほど、前記第2物質が前記第1物質より多く分布することを特徴とする請求項21に記載の配向膜。
【請求項23】
基板上に、ポリエチレン(polyethylene)からなる第1主鎖と結合した光硬化剤を含み、前記光硬化剤は、互いに架橋結合して、前記基板に対してプレチルト角で傾くように配列されることを特徴とする配向膜。
【請求項24】
ポリイミドからなる第2主鎖と結合した垂直配向性官能基及び架橋剤をさらに含み、
前記光硬化剤は、下記構造式1を含み
前記基板に対して実質的に垂直配列された前記垂直配向性官能基は、下記構造式2を含み、
前記架橋剤のいずれか一方の末端は、前記光硬化剤中のいずれか一つと結合し、他の一方の末端は前記ポリイミドと結合し、
前記垂直配向性官能基と前記光硬化剤が主に分布した配向機能層に近い部分には、前記ポリエチレンが前記ポリイミドより多く、前記配向機能層から遠くなるほど、前記ポリイミドが前記ポリエチレンより多く分布することを特徴とする請求項23に記載の配向膜。
構造式1
【化4】

構造式2
【化5】


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−109353(P2013−109353A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256363(P2012−256363)
【出願日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】