説明

液晶表示装置用ラビング布及びその製造方法

液晶配向のための配向溝を形成させるラビング工程で用いる場合において、微細配向溝の形成が可能であり、すり傷及び不均一ラビングなどの問題点を改善するために、縦糸及び横糸で製織された織物組織と、この織物組織の縦糸又は横糸方向に傾いて配列されたパイル糸を含んでおり、前記パイル糸は、アセテート繊維の全体アセチル基のうちの10〜50%がヒドロキシ基に置換された改質セルロースアセテートフィラメント繊維である液晶表示装置用ラビング布及びその製織方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置のガラス基板上に液晶を配向するための微細配向溝の形成が可能であり、擦り傷及び不均一ラビングなどの問題点を改善することのできる液晶表示装置用ラビング布及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、LCDの製造工程中、配向膜が形成された基板に対して液晶分子の均一で制御力のある効果を得るためにはラビング工程を実施する。このようなラビング工程は、レーヨンやナイロン系統のラビング布をローラーに巻いた後、このローラーを配向膜に接触させることによって、前記配向膜が一定の水準以上の一軸配向性及び一定の範囲のプレチルト角を有する一連の配向溝を形成する工程を意味する。前記ステージに基板がローディングされれば、ラビングローラーが回転すると同時に基板の上部面と摩擦するように移動し、ラビングローラーと摩擦する基板の配向膜には配向溝が形成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ラビングが均一でないと液晶分子の分布が均一でなくなるため、部分的に異なる光学的特性を示したり、配向膜表面には擦り傷による線が発生するなどの問題が生ずる。
【0004】
前記ラビング工程の成否は、ラビング時間、ラビング深さ、ローラーの回転数、ローラーの半径、ステージの移動速度などによって決定される。このような工程条件は、液晶表示装置製造者が設定するもので、簡単に変更することはできない。したがって、重要な変更可能因子は、ラビング工程における、ラビング布のパイルの長さ、強度、太さ、密度などである。しかし、従来のラビング布のパイル糸は大部分レーヨン繊維を使用して、パイルの強度が高いため、ラビング強度の調節が不均一である場合には擦り傷が発生し易い。また、レーヨン糸の太さ変化に限界があり、パイル密度の改善も限界があるため、微細な配向溝の形成には難しさがある。また、レーヨンは水に接すると不安定であるため、製造工程が複雑で費用も嵩みやすい。
【0005】
また、パイル糸としてセルロースアセテート(以下、単にアセテートという)繊維が多く使用されるが、これは単位セルロース分子当り2.5個のヒドロキシ基がアセチル基に置換されているため、吸水性が低くなって、静電気発生、低い繊維剛性などの問題があるので、液晶表示装置用ラビング布には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、簡単な製造工程によって改質されたアセテート繊維をラビング布のパイル糸として使用することにより、従来のレーヨンに比べて直線性、伸張性及び復元性が優れていると同時に、均一で微細な配向溝の形成が可能であり、特に、擦り傷及び不均一ラビングの問題点を改善することができる液晶表示装置用ラビング布及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の、また他の目的は、前記ラビング布を使用して製造された液晶表示装置を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、縦糸及び横糸で製織された織物組織と、この織物組織の縦糸又は横糸方向に傾いて配列されたパイル糸とを含んでおり、前記パイル糸は、アセテート繊維の全体アセチル基のうちの10〜50%がヒドロキシ基に置換された改質セルロースアセテートフィラメント繊維であることを特徴とする液晶表示装置用ラビング布を提供する。
【0009】
また、本発明が提供する液晶表示装置用ラビング布の製造方法に含まれる工程には、
a)織物組織の間にセルロースアセテートフィラメントを製織してパイル織物を製造する工程、
b)前記両織物組織の間のパイルを切断する工程、
c)前記パイル糸織物をアルカリに改質して、アセテート繊維の全体アセチル基のうちの10〜50%をヒドロキシ基にけん化させる工程、
d)前記アルカリに改質されたパイル糸を、起毛、ブラッシング、サンディング、及び樹脂加工処理して、織物組織の縦糸又は横糸方向に傾いた状態に配列させる工程、並びに
e)前記a)の織物組織をコーティング又はラミネーティング処理して、配列されたパイル糸を固定させる工程、
がある。
【0010】
本発明は、更に、前記ラビング布を用いて製造された液晶表示装置を提供する。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
アセテート繊維の脱アセチル化(以下、‘けん化’という)は、アルカリまたは酸を用いて実施される。アセテート繊維をアルカリによってけん化させると、繊維の外層から内層まで徐々にけん化が起こる。従って、その反応速度を調節すれば、選択的なけん化が可能である。このような方法によって、繊維の外層にレーヨン特性を与え、内層にアセテート特性を与えることができる。
【0013】
本発明者等は、この点に着眼し、液晶表示装置用ラビング布のパイル糸に多数のセルロースアセテートフィラメントを織りいれた後、このセルロースアセテート表面をアルカリによって改質すれば、ラビング工程で微細配向溝の形成が可能であり、擦り傷及び不均一ラビングなどの問題点を解決することができることを確認して、本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明のラビング布は、縦糸及び横糸からなる織物組織に、パイル糸に縦糸方向に多数のセルロースアセテートフィラメントを織りいれた後、セルロースアセテート表面をアルカリによって改質し、このパイル糸を縦糸又は横糸方向に傾いた状態に平行に配列して、均一に分布するようにして製造する。
【0015】
本発明のラビング布は、微細な配向溝の形成のために、パイルの密度を高める方向に製織するのが好ましい。したがって、織物組織(地組織)には、50乃至200デニール範囲のビスコースレーヨンフィラメント又はキュプラアンモニウムレーヨンフィラメントを使用するのが好ましい。
【0016】
また、パイル糸には、50乃至240デニール範囲のセルロースアセテートフィラメントを使用するのが好ましい。
【0017】
前記セルロースアセテートフィラメント繊維は、置換度が2.0乃至2.75の範囲であるのが好ましい。
【0018】
本発明のラビング布において、パイル糸の単繊維密度は1cm当り24,000個以上になる。
【0019】
本発明で、両織物組織で製織されたパイル織物は、パイル長さが1.4乃至2.1mmになるようにパイルを切断するのが好ましい。
【0020】
前記アルカリの使用量は、パイル切断の後、前記アセテート繊維を100重量%として5乃至20重量%であるのが好ましい。前記アルカリの含有量が5重量%未満であると、前記繊維の表層がレーヨン特性を持たないために液晶表示装置の配向溝形成を困難にする静電気や、低い繊維抗張力などが発生する。他方、20重量%を超えると、内層までレーヨン特性を有するので静電気や、低い繊維抗張力などはないが、水に対する形態安定性が劣るため、均一にパイルを立てるのは難しくなる。前記アルカリとしては、アルカリ水溶液単独又は前記アルカリ水溶液に反応助剤を添加した反応液を使用するのが好ましい。
【0021】
本発明は、前記アルカリ改質により、セルロースアセテートフィラメント繊維のけん化率は10乃至50%になる。つまり、本発明は、置換度2.0〜2.75のアセテート繊維をアルカリで改質することによって、アセテート繊維の全体アセチル基のうちの10乃至50%、好ましくは20乃至40%をヒドロキシ基にけん化させる。この時のアセテート繊維の置換度は1.27〜1.91である。この時、前記アセテート繊維のけん化率が10%より低いと、繊維の表層がレーヨン繊維の特性を有することができなくなって、静電気発生、低い繊維抗張力などにより液晶表示装置の配向溝の形成に問題が発生し、50%を超過してけん化されると、内層までレーヨン繊維の特性を有するので静電気発生、繊維抗張力などの問題はないが、水に対する形態安定性が劣るため、均一にパイル糸を立てるのは難しい。
【0022】
本発明で使用可能なアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウムなどのようなアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのようなアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウムなどのようなアルカリ金属炭酸塩などがある。
【0023】
本発明は、アルカリ水溶液に、アルカリと併用可能であり反応速度の調節のための反応助剤を含むことができ、好ましくは0.001乃至2.0重量%に含むことができる。前記反応助剤は、市販中の製品として、ホスホニウム系化合物であるネオレートNCB(NEORATE NCB:韓国精密化学製)、第4級アンモニウム系化合物であるKFネオレートNA−40(KF NEORATE NA-40:韓国精密化学製)、スノゲンPDS(SNOGEN PDS:韓国のテヤン化学製)などがある。
【0024】
また、本発明は、織物組織の縦糸又は横糸方向に傾いた状態に配列させるために、アルカリに改質されたパイル糸を起毛、ブラッシング、サンディング、及び樹脂加工処理を実施する。
【0025】
本発明は、パイル糸を立てて織物組織の縦糸又は横糸方向に配列させるために、けん化完了したパイル織物を、多種の模様や形態を有した回転ブラシ付けテンターで織物の縦糸方向に移動させながらブラシングを進行する。この時、ブラシの回転方向は、ラビング布の使用しようとする大きさと目的によって縦糸方向又は横糸方向に進行する。また、パイルの傾斜は、織物組織に垂直に立てた基準線に対して5乃至40度の角度を有するようにしなければならない。パイルの傾斜が5度未満であると、配向膜に擦り傷が発生する恐れがあり、40度を超えると、配向溝の形成が適切に行われない。また、ブラシング工程で、パイル糸の形態安全性を高めるために、グリオキサール系樹脂のような防縮加工剤、シリコン系弾性剤などにパイル織物に染み込ませて処理したりもする。このような加工剤処理は、使用しようとする目的に合わせて加工剤の種類と濃度を異なるようにすることができ、パイル糸の形態安全性を高めるための加工であれば特に制限しない。
【0026】
また、本発明は、配列されたパイル糸が織物組織から離脱して配向工程中に配向膜に付着することを防止するために、パイル織物の裏面織物組織にコーティング剤を使用してコーティング又はラミネーティング処理する。前記コーティング剤としては、ポリウレタン系、ポリビニルアセテート系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、及びポリウレア系樹脂からなる群より1種以上選択された樹脂を使用することができる。この時、裏面織物組織のコーティング層の厚さがあまりにも厚いと、ラビングロールーに付着時、ラビング布が密着できなくなってラビングが不均一になり、コーティング層の厚さがあまりにも薄いと、配向工程での摩擦によってパイルが織物組織から離脱して配向膜に付着してラビング不良を起こすので、コーティング層の塗布量は10乃至100g/m2であるのが好ましい。
【0027】
このように、本発明のラビング布は、アセテートパイル糸を簡単な方法で改質して、液晶表示装置のラビング工程で、微細な配向溝の形成が可能であり、擦り傷及び不均一ラビングの問題を改善することができる。したがって、本発明によれば、光学的特性が大きく改善された液晶表示装置を提供することができる。
【0028】
以下では、本発明の実施例を説明する。下記の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明が下記の実施例に限定されるわけではない。
【実施例】
【0029】
[実施例1]
縦糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント120d/70f(旭化成製、日本)、横糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント75d/50f(旭化成製、日本)を使用して、縦糸密度60本/inch、横糸密度117本/inchに平織で織り込んだ。パイル糸として、セルロースアセテート(置換度2.55、酢酸化度56.5%)フィラメント120d/33f(SK(鮮京)製、韓国)を使用して、パイル密度24,000個/cmになるように公知のパイル織機により、W字型に織物組織を製織した。製織後、両地組織の間のパイルを切断して、二枚のアセテートパイル織物(けん化率12.5%)を形成して得た。このように製造されたパイル織物を、テヤン化学のシリコン系弾性剤であるスノテックスSF−800の3%ows溶液に浸漬させて、ブラシが設けられたテンター(布張り枠)の上で縦糸方向に10回、横糸方向に10回繰り返して毛羽立てた後、縦糸方向にパイル縦糸が26°になるように起毛し、配列されたパイルを固定させるために、ポリビニルアセテート系コーティング剤を使用してコーティング剤を裏面地組織に染み込ませ、140乃至160℃で熱固定した。加工の終わったパイル織物を、パイル全体の厚さが1.8mmになるように切断した。
【0030】
[実施例2]
実施例1と同一な織物を、20重量%の苛性ソーダ水溶液に、第4級アンモニウム塩系反応助剤としてテヤン化学のスノゲンPDS1g/Lを添加した反応液でけん化処理して、減量率19.8%であるパイル織物を得、テヤン化学のグリオキサール系防縮加工剤スノテックスGRの6%ows溶液に浸漬させ、実施例1と同一にブラシング、コーティング、熱固定して切断した。
【0031】
[実施例3]
縦糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント120d/70f(旭化成製、日本)、横糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント75d/50f(旭化成製、日本)を使用して、縦糸密度60本/inch、横糸密度129本/inchに平織で織り込んで、織物組織に使用した。パイル糸として、セルロースアセテート(置換度2.55、酢酸化度56.5%)フィラメント120d/50f(SK製、韓国)を使用して、パイル密度が40,000個/cmになるように、公知のパイル織機により、W字型に織物組織を製織した。製織されたパイル織物を実施例1と同一にパイルを切断して前処理した後、アセテート繊維対比5重量%の炭酸ナトリウム水溶液でけん化処理して、パイル織物を得、テヤン化学のシリコン系弾性剤であるスノテックスSF−800の3%ows溶液に浸漬させ、実施例1と同一にブラシング、コーティング、熱固定して切断した。
【0032】
[実施例4]
実施例3と同一な織物を、20重量%の炭酸ナトリウム水溶液に、第4級アンモニウム塩系反応助剤としてテヤン化学のスノゲンPDS1g/Lを添加した反応液でけん化処理して、減量率19.5%であるパイル織物を得、テヤン化学のグリオキサール系防縮加工剤スノテックスGRの6%ows溶液に浸漬させ、実施例1と同一にブラシング、コーティング、熱固定して切断した。
【0033】
[比較例1]
縦糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント120d/70f(旭化成製、日本)、横糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント75d/50f(旭化成製、日本)を使用して、縦糸密度60本/inch、横糸密度98本/inchに平織で織り込んで、織物組織に使用した。パイル糸にビスコースレーヨンフィラメント120d/40f(Enka製、独)を使用して、パイル密度を実施例1と同一な密度になるように織物を製織した。前記製織されたパイル織物を実施例1と同一な方法で精練し、テヤン化学のグリオキサール系防縮加工剤であるスノテックスGRの6%ows溶液に浸漬させ、実施例1と同一にブラシング、コーティング、熱固定して切断した。
【0034】
[比較例2]
縦糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント120d/70f(旭化成製、日本)、横糸としてキュプラアンモニウムレーヨンフィラメント75d/50f(旭化成製、日本)を使用し、縦糸密度60本/inch、横糸密度114本/inchに平織で織り込んで、織物組織に使用した。パイル糸にビスコスレーヨンフィラメント120d/40f(Enka製、独)を使用して、パイル密度32,000個/cmになるように、公知のパイル織機により、W字型に織物組織を製織した。前記製織されたパイル織物を実施例1と同一な方法で精練し、テヤン化学のグリオキサール系防縮加工剤であるスノテックスGRの6%ows溶液に浸漬させ、実施例1と同一にブラシング、コーティング、熱固定して切断した。
【0035】
前記実施例及び比較例に対し、次のような方法でラビング布の特性を試験した。
【0036】
◎減量率:アルカリ処理前/後の試料の重量変化を測定して、下記式1で求めた。
【0037】
[計算式1]
減量比=((処置前重量−処置後重量)/処置前重量)*100
◎繊維の切断強度:万能試験器(Universal Testing Machine:ZWICK 1425、独)を使用して、長さ50mmの試料を引張速度200m/minで測定したが、試料は、パイル製織に使用された前記繊維から採取した。
【0038】
◎繊維の摩擦帯電圧:KS K 0555、20℃、40%のRH条件で摩擦帯電圧及び半減期を測定した。但し、対照布は綿にした。
【0039】
◎パイルの弾性回復率:ラビング布を、標準繊維試験条件(20℃、65%RH)で24時間以上、単独状態にした後、パイル糸に100g/cmの圧力を1時間加えて、パイルの回復程度を評価した。
【0040】
表1には、実施例1乃至4のアルカリ投入量、反応助剤投入量、及び重量減少率を示しており、表2には、実施例及び比較例の物性結果を比較して示した。表3には、実施例及び比較例のラビング布の切断強度、摩擦帯電圧、弾性回復率と、各ラビング布を使用してIPS方式の液晶表示装置を製造して、前記液晶表示装置製造工程での不良率(全体製造基板の中の不良基板の数)を比較して示した。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
前記表3の結果より見れば、本発明の実施例1乃至4の場合、比較例1及び2に比べてパイル糸の切断強度、摩擦帯電圧、弾性回復率が非常に優れており、液晶表示装置製造時の工程不良率が低いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明は、簡単な方法でセルロースアセテートパイル織物を改質して、液晶表示装置用ラビング布を製造することができ、このようなラビング布は、配向工程において微細な配向溝の形成が可能であり、すり傷及び不均一ラビングの問題を改善することができる。
【0046】
本発明は、実施例を参照して詳細に説明したので、本発明の精神や添付した技術的範囲から逸脱することなく、種々の変更や置換が行えることを当業者ならば認めるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦糸及び横糸で製織された織物組織と、この織物組織の縦糸又は横糸方向に傾いて配列されたパイル糸とを含んでおり、
前記パイル糸は、アセテート繊維の全体アセチル基のうちの10〜50%がヒドロキシ基に置換された改質セルロースアセテートフィラメント繊維であることを特徴とする、液晶表示装置用ラビング布。
【請求項2】
前記パイル糸の単繊維は1cm当り24,000個以上の密度を有することを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置用ラビング布。
【請求項3】
前記パイル糸は、組織の横糸又は縦糸方向に織物組織に垂直に立てた基準線に対して5乃至40度傾いた状態に配列されたことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置用ラビング布。
【請求項4】
前記織物組織は、前記織物組織の裏面が、ポリウレタン系、ポリビニルアセテート系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、及びポリウレア系樹脂からなる群より1種以上選択された樹脂でコーティング又はラミネーティングされたことを特徴とする、請求項1に記載の液晶表示装置用ラビング布。
【請求項5】
a)織物組織の間にセルロースアセテートフィラメントを製織してパイル織物を製造する工程、
b)前記両織物組織の間のパイルを切断する工程、
c)前記パイル糸織物をアルカリで改質して、アセテート繊維の全体アセチル基のうちの10〜50%をヒドロキシ基にけん化させる工程、
d)前記アルカリで改質されたパイル糸を、起毛、ブラッシング、サンディング、及び樹脂加工処理して、織物組織の縦糸又は横糸方向に傾いた状態に配列させる工程、並びに
e)前記a)の織物組織をコーティング又はラミネーティング処理して、配列されたパイル糸を固定させる工程
を含む液晶表示装置のラビング布の製造方法。
【請求項6】
前記c)のアルカリの含有量は、アセテート繊維に対して5乃至20重量%であることを特徴とする、請求項5に記載の液晶表示装置用ラビング布の製造方法。
【請求項7】
前記c)のアルカリは、アルカリ水溶液;又は0.001乃至2重量%の反応助剤を含むアルカリ水溶液であり、前記アルカリは、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、及びアルカリ金属炭酸塩からなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項5に記載の液晶表示装置用ラビング布の製造方法。
【請求項8】
前記反応助剤は、ホスホニウム系化合物及び第4級アンモニウム系化合物からなる群より1種以上選択されることを特徴とする、請求項7に記載の液晶表示装置用ラビング布の製造方法。
【請求項9】
前記パイル糸の単繊維は、1cm当り24,000個以上の密度を有することを特徴とする、請求項5に記載の液晶表示装置用ラビング布の製造方法。
【請求項10】
前記コーティング又はラミネーティングは、ポリウレタン系、ポリビニルアセテート系、ポリアクリル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、及びポリウレア系樹脂からなる群より1種以上選択された樹脂で実施されることを特徴とする、請求項5に記載の液晶表示装置用ラビング布の製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至4のうちのいずれか一つの項のラビング布を使用して製造された液晶表示装置。

【公表番号】特表2007−515668(P2007−515668A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541024(P2006−541024)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002836
【国際公開番号】WO2005/050303
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(500116041)エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド (49)
【Fターム(参考)】