説明

液晶表示装置

【課題】キャビネットの額縁部と、液晶パネルの周縁部後側を保持してある保持体とにより液晶パネルの周縁部を前後で挾持する構成において、額縁部の剛性を高めることができ、液晶パネル周縁側の防塵性を高めることができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶パネル1の周縁部を保持体(保持枠体5、光源部2)とにより前後に挾持する額縁部61の後面に、液晶パネル1の外周りに環状に配されているリブ65を一体に成形し、該リブ65の複数の周方向位置に筒形ボス66を一体に成形し、該筒形ボス66の孔に対応する挿通孔を保持体(光源部の取付板25)に設け、雄螺子12を挿通孔へ挿通して筒形ボス66に捩じ込むことにより液晶パネル1の周縁部を前後に挾持し、額縁部61の剛性を高めた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶テレビジョン等の液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン等の液晶表示装置は、前側に表示面を有し直方体をなす液晶パネルと、該液晶パネルの周縁部前側を保持する前保持枠体と、液晶パネルの周縁部後側を保持する後保持枠体と、該後保持枠体の後側に配されている光源部と、液晶パネルの周縁部前側に配される額縁部を有し、液晶パネルの周縁部及び光源部の後側を隠蔽するキャビネットとを備える(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
前保持枠体は、液晶パネルの周縁部前面に対向する環板部、及び該環板部の外縁から後方へ延出されている角筒部を有し、金属板を成形してなる。後保持枠体は、液晶パネルの周縁部後面に対向する環板部、及び該環板部の外縁から後方へ延出されている角筒部を有し、合成樹脂材料を成形してなる。前保持枠体及び後保持枠体の周方向複数箇所が雄螺子で結合されることにより液晶パネルの周縁部を前後で挾持してあり、また、前保持枠体及び後保持枠体夫々の角筒部により液晶パネルの周縁側を隠蔽し、キャビネットに開設されている放熱孔等からキャビネット内へ侵入した塵埃が液晶パネルの後面に付着するのを防ぐように構成されている。
【0004】
光源部は上下に離隔して並置されている複数のランプと、前側が開放され、該ランプを支持するケース体とを有し、該ケース体の周縁部に前記キャビネットが取付けられている。
【0005】
キャビネットは、前保持枠体の環板部(実質的には液晶パネルの周縁部前側)を隠蔽する額縁部、及び該額縁部の外縁から後方へ延出され、前保持枠体より大形の角筒部を有する合成樹脂製のキャビネット前分体と、ケース体の後側を隠蔽する皿状板部、及び該皿状板部の外縁から前方へ延出され、前保持枠体より大形の角筒部を有する合成樹脂製のキャビネット後分体とを備え、キャビネット前分体の角筒部及びキャビネット後分体の角筒部同士が嵌合され、額縁部及び皿状板部がケース体の周縁部に複数本の雄螺子で結合されている。
【特許文献1】特開2006−215512号公報
【特許文献2】特開2006−215492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1、2のように構成された従来の液晶表示装置は、前保持枠体及び後保持枠体が液晶パネルの周縁部を前後で挾持することによりパネルモジュールが形成され、該パネルモジュールがキャビネット内に配されているため、液晶表示装置の薄型化が制限され、改善策が要望されていた。
【0007】
そこで、本発明の出願人はパネルモジュールを構成する前保持枠体をなくし、キャビネット前分体の額縁部と後保持枠体とにより液晶パネルの周縁部を前後に挾持することにより薄型化することができるように構成した液晶表示装置を先に開発した。
【0008】
しかし、先に開発された液晶表示装置にあっては、パネルモジュールを構成する金属板製の前保持枠体がなく、合成樹脂製のキャビネット前分体及び合成樹脂製の後保持枠体がパネルモジュールを構成しているため、パネルモジュールの剛性が低下することになり、また、液晶パネル周縁側の防塵性が低下することになり、さらなる改善策が要望されていた。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は液晶パネルの外周りに環状に配されるリブを額縁部の後面に一体に成形し、該リブの複数の周方向位置に結合部を一体に成形し、該結合部に結合する被結合部を保持体に設けることにより、額縁部の剛性を高めることができ、液晶パネル周縁側の防塵性を高めることができる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る液晶表示装置は、前側に表示面を有する液晶パネルと、該液晶パネルの周縁部及び後側を隠蔽するキャビネットと、該キャビネット内で前記液晶パネルの後側に配され、該液晶パネルの周縁部後側を保持する保持体とを備える液晶表示装置において、前記キャビネットは、前記液晶パネルの周縁部前側に配され、該液晶パネルの周縁部を前記保持体とにより前後に挾持する額縁部と、該額縁部の後面に一体に成形され、前記液晶パネルの外周りに環状に配されるリブ、及び該リブの複数の周方向位置に一体に成形される結合部とを有し、前記保持体は前記結合部に結合される被結合部を有することを特徴とする。
【0011】
この発明にあっては、液晶パネルの外周りに環状に配されるリブを額縁部の後面に一体に成形してあり、該リブの複数の周方向位置に結合部を一体に成形してあるため、額縁部の剛性、ひいてはパネルモジュールの剛性を高めることができ、液晶パネルを保護することができる。また、リブは液晶パネルの外周りに環状に配され、該リブと一体に成形されている結合部に保持体を結合してあるため、外部の塵埃が液晶パネル側へ侵入するのをリブにより抑制することができ、液晶パネル周縁側の防塵性を高めることができる。
【0012】
また、本発明に係る液晶表示装置は、前記結合部は筒形ボスであり、前記被結合部は前記筒形ボスの孔に対応する挿通孔を有し、該挿通孔へ挿通して前記筒形ボスに捩じ込まれている雄螺子を備える構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、環状に配されるリブの複数の周方向位置に筒形ボスを一体に成形してあるため、筒形ボスによりリブの剛性を高めることができ、リブを一体に成形してある額縁部の剛性をより一対層高めることができる。
【0013】
また、本発明に係る液晶表示装置は、前記結合部は可撓性を有し、前記被結合部に係止される係止爪である構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、係止爪を被結合部に係止することにより額縁部を保持体に結合することができるため、額縁部の組立作業性、ひいては表示装置の組立作業性を高めることができ、コストを低減できる。
【0014】
また、本発明に係る液晶表示装置は、前記保持体は、前記表示パネルの周縁部後面に対向し、複数の周方向位置に貫通孔を開設してある環板部、及び該環板部の外縁から後方へ延出されている枠部を有し、前記結合部は前記リブよりも後方へ延出され、前記貫通孔に挿入する挿入部を有する構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、結合部の挿入部が保持体の貫通孔に挿入され、この挿入部に保持体を結合してあるため、リブ及び結合部の剛性を高めることができ、リブを一体に成形してある額縁部の剛性をより一対層高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、液晶パネルの外周りに環状に配されるリブ及び該リブの複数の周方向位置に一体に成形してある結合部により額縁部の剛性、ひいてはパネルモジュールの剛性を高めることができる。しかも、リブは液晶パネルの外周りに環状に配され、該リブと一体に成形される結合部は保持体に結合されるため、外部の塵埃が液晶パネル側へ侵入するのをリブにより抑制することができ、液晶パネル周縁側の防塵性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係る液晶表示装置の構成を示す一部を省略した縦断側面図、図2は他の箇所が縦断された縦断側面図である。
【0017】
この液晶表示装置はテレビ画像を表示する表示面1aを前側に有する液晶パネル1と、該液晶パネル1の後側に配されている光源部2と、該光源部2及び液晶パネル1間に配されている光学シート3と、該光学シート3及び液晶パネル1間に配され、液晶パネル1の周縁部後側を保持する保持枠体5と、液晶パネル1の周縁部前側に配される額縁部61を有し、液晶パネル1の周縁部及び光源部2の後側を隠蔽するキャビネット6と、光源部2の後面に取付けられているスタンドとを備える液晶テレビジョン、換言すれば液晶表示装置である。
【0018】
液晶パネル1は略直方体をなし、該液晶パネル1の上縁部前面及び下縁部前面に、電子部品が実装されている複数のフレキシブルプリント基板7の一端が接続されている。
【0019】
液晶パネル1の後側に配されている保持枠体5は、液晶パネル1の周縁部後面に対向する矩形の環板部51と、環板部51の外縁から後方へ延出されている枠部52とを有しており、該保持枠体5及び光源部2が保持体を構成している。
【0020】
環板部51の前面には、液晶パネル1の周縁部を弾性的に受止める帯状の弾性体8が貼着されており、枠部52の上壁外面及び下壁外面にはフレキシブルプリント基板7夫々の他端に接続されているプリント回路基板9が取付けられている。また、枠部52の複数の周方向位置に、後方へ延出されている係止爪が一体成形されている。係止爪は可撓性を有する脚部の先端に爪部が設けられている。
【0021】
光源部2は、複数本が上下に離隔して並置されている円筒形をなすランプ21と、該ランプ21を収容支持し、且つ光学シート3の周縁部を支持する深皿形をなすケース体22と、ケース体22の後壁内面に沿って配され、ケース体22内に収容されているランプ21が発光した光をケース体22の開放側へ反射させる反射シート23とを備え、ケース体22の後壁外面に回路基板等の電気部品10が取付けられている。
【0022】
ランプ21は両端部に電極を有する冷陰極管又は熱陰極管であり、ケース体22内の両側に並設された凹形保持部に両端部が保持され、また、中間部がランプクリップによりケース体22の後壁に保持されている。
【0023】
ケース体22は略矩形をなす後壁22aと、該後壁22aの両側部前面に固定され、ランプ21の両端部を保持するとともに光学シート3の周縁部を受止めるランプホルダと、後壁22aの上下部前面に固定され、光学シート3の周縁部を受止める受止部材24とを有する略直方体をなし、後壁22aの周縁部後面に取付板25が固定されている。受止部材24には光学シート3の移動を規制する規制部材26が支持されている。
【0024】
取付板25には、後記する筒形ボス66の孔に対応する複数の挿通孔25aと、前記係止爪に対応する係止孔とが開設され、前記係止爪が係止孔の縁部に係止されることにより保持枠体5をケース体22に結合してある。
【0025】
キャビネット6は、液晶パネル1の周縁部前側に配され、保持枠体5の環板部51を隠蔽する額縁部61、及び額縁部61の外縁から後方へ延出され、保持枠体5より大型の角筒部62を有するキャビネット前分体6aと、ケース体22の後側を隠蔽する皿状板部63、及び皿状板部63の外縁から前方へ延出され、保持枠体5より大型の角筒部64を有するキャビネット後分体6bとを備える。
【0026】
図3はリブ及び筒形ボスの構成を示すもので、(a) は斜視図、(b) は断面図である。キャビネット前分体6aの額縁部61は液晶パネル1より大型に形成され、額縁部61の外縁側でケース体22の周縁部と対向する位置には、後方へ延出され、額縁部61及びケース体22の周縁部間をほぼ閉塞して防塵する環状のリブ65と、該リブ65の複数の周方向位置に配された筒形ボス66とが合成樹脂材料により一体に成形されており、また、額縁部61の内周側で液晶パネル1の前面と対向する箇所には、液晶パネル1の周縁部を弾性的に保持する帯状の弾性体11が貼着されている。また、角筒部62の後端には環状溝62aと、該環状溝62aより内周側に配されている緊締孔とが設けられており、角筒部64が環状溝62aに挿入されることにより防塵するように構成されている。尚、筒形ボス66が結合部を構成している。
【0027】
リブ65は断面が板状をなし、額縁部61及び取付板25の間の距離とほぼ等しい長さに形成され、額縁部61がケース体22に結合されたとき、リブ65の端縁がケース体22の周縁部に当接又は若干の隙間で対向し、額縁部61及びケース体22の周縁部間をほぼ閉塞することができるように構成されている。
【0028】
筒形ボス66は図2、図3に示すように基端が額縁部61に連なり、リブ65の端縁に亘って該リブ65と一体に成形され、該筒形ボス66の孔に、タッピングネジからなる雄螺子12が捩じ込まれるように構成されている。
【0029】
キャビネット後分体6bの皿状板部63の外縁部には前記緊締孔に対応する複数の挿通孔が周方向へ離隔して開設され、該挿通孔へ挿通して前記緊締孔に捩じ込まれる雄螺子によりキャビネット後分体6bをキャビネット前分体6aに結合してある。また、皿状板部63には複数の放熱孔が開設されている。
【0030】
以上のように構成された液晶表示装置は例えば次の(1) 〜(6) の工程で組立てられる。
(1) 作業台上に開放部を上向にして平置きされたケース体22内に反射シート23、ランプ21が組込まれ、光源部2が形成される。この光源部2の上側に光学シート3が載置され、該光学シート3の周縁部がランプホルダ及び受止部材24に支持される。
(2) 光学シート3の上側に保持枠体5が載置され、該保持枠体5の係止爪がケース体22の係止孔に嵌入係止され、保持枠体5及びケース体22が一体となる。
(3) 作業台上に額縁部61が下側となるように平置きされたキャビネット前分体6aの内側に液晶パネル1が挿入され、額縁部61に載置される。
(4) 結合された保持枠体5及びケース体22は、保持枠体5が下側となるように反転され、この反転状態で液晶パネル1の上側に載置される。この際、額縁部61及び環板部51が液晶パネル1の周縁を挾持し、また、リブ65及び筒形ボス66の端縁が取付板25に接触し、液晶パネル1周縁側の額縁部61及びケース体22の周縁部間をほぼ閉塞する。
(5) ケース体22における取付板25の挿通孔25aに雄螺子12を挿入し、該雄螺子12を、筒形ボス66の孔に緊締することにより、キャビネット前分体6a及びケース体22が一体に結合される。
(6) キャビネット後分体6bの挿通孔に雄螺子を挿入し、該雄螺子を角筒部62の緊締孔に緊締することにより、キャビネット前分体6a及びキャビネット後分体6bが一体に結合される。
【0031】
以上のように額縁部61と保持枠体5の環板部51との間で液晶パネル1の周縁部を挾持した際、リブ65がケース体22の周縁部に接触し、液晶パネル1周縁側の額縁部61及びケース体22の周縁部間をほぼ閉塞して防塵するため、キャビネット後分体6bに開設されている複数の放熱孔からキャビネット6内へ侵入した塵埃が、保持枠体5周りの空間を経て液晶パネル1側へ進行するのを防ぐことができ、液晶パネル1の後面に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0032】
また、液晶パネル1の周縁部を挾持する額縁部61は、液晶パネル1の外周りに配されている環状のリブ65により補強され、さらにリブ65は、該リブ65の周方向の中途に一体成形してある筒形ボス66により補強されているため、額縁部61の剛性を高めることができ、液晶パネル1を保護することができる。
【0033】
実施の形態2
図4は本発明に係る液晶表示装置の他の構成を示す一部を省略した縦断側面図、図5は他の箇所が縦断された縦断側面図、図6はリブ65及び筒形ボス66の構成を示す斜視図である。この液晶表示装置は、実施の形態1におけるリブ65及び筒形ボス66を、保持枠体5の外側に配する代わりに、保持枠体5の環板部51と対向する位置に配し、筒形ボス66が挿入される貫通孔53を環板部51に設けたものである。
【0034】
液晶パネル1の外側に環状に配されるリブ65及び筒形ボス66は額縁部61と一体に成形されている。リブ65は断面が板状をなし、額縁部61と環板部51との間の距離とほぼ等しい長さに形成され、額縁部61がケース体22に結合されたとき、リブ65の端縁が環板部51に当接又は若干の隙間で対向し、額縁部61及び保持枠体5の周縁部間をほぼ閉塞することができるように構成されている。
【0035】
筒形ボス66は図6に示すように基部66bが額縁部61及びリブ65に連なり、リブ65の端縁より後方へ延出され、延出部66aが貫通孔53に挿入されている。尚、延出部66aが挿入部を構成している。
【0036】
保持枠体5は、液晶パネル1の周縁部後面に対向する矩形の環板部51と、環板部51の外縁から後方へ延出されている枠部52とを有し、環板部51の外縁側が段部54を経て後方へ偏倚しており、該偏倚部に貫通孔53が開設されている。
【0037】
ケース体22は後壁22aの周縁縁から前方へ立上がる立上部22bと、立上部22bの前端から外方へ延出された結合板部22c、該結合板部22cの外縁から後方へ延出された補強壁22dとを有し、結合板部22cの複数の周方向位置に、筒形ボス66に対応する挿通孔27が開設されている。また、ケース体22の両側部内側にランプホルダが固定され、上下部内側に受止部材24が固定されている。ランプホルダ及び受止部材24のシート受止部は外方へ延出され、延出部に、筒形ボス66に対応する挿通孔24aが開設されている。また、補強壁22dの縁部には複数の緊締孔を有する取付片が設けられ、キャビネット後分体6bの挿通孔へ挿通して前記緊締孔に捩じ込まれる雄螺子によりキャビネット後分体6bをケース体22に結合してある。
【0038】
以上のように構成された液晶表示装置は例えば次の(1) 〜(5) の工程で組立てられる。
(1) 作業台上に額縁部61が下側となるように平置きされたキャビネット前分体6aの内側に液晶パネル1が挿入され、額縁部61に載置され、該液晶パネル1の上側に保持枠体5が載置される。この際、筒形ボス66が貫通孔53に挿入され、額縁部61及び環板部51が液晶パネル1の周縁を挾持し、また、リブ65の端縁が環板部51に接触し、液晶パネル1周縁側の額縁部61及び保持枠体5の周縁部間をほぼ閉塞する。
(2) 保持枠体5における環板部51の上側に光学シート3が載置され、該光学シート3の周縁部が環板部51に支持される。
(3) 作業台上に開放部を上向にして平置きされたケース体22内に反射シート23、ランプ21が組込まれ、光源部2が形成される。
(4) 光源部2はケース体22の開放部が下側となるように反転され、この反転状態で光学シート3の上側に載置される。この際、結合板部22c及び受止部材24の挿通孔27が筒形ボス66と対向する。挿通孔27に雄螺子12を挿入し、該雄螺子12を、筒形ボス66の孔に緊締することにより、キャビネット前分体6a及び保持枠体5及びケース体22が一体に結合される。
(5) キャビネット後分体6bの挿通孔に雄螺子を挿入し、該雄螺子を取付片の緊締孔に緊締することにより、キャビネット前分体6a、光源部及びキャビネット後分体6bが一体に結合される。
【0039】
以上のように額縁部61と保持枠体5の環板部51との間で液晶パネル1の周縁部を挾持した際、リブ65が環板部51の周縁部に接触し、液晶パネル1周縁側の額縁部61及び保持枠体5の周縁部間をほぼ閉塞して防塵するため、キャビネット後分体6bに開設されている複数の放熱孔からキャビネット6内へ侵入した塵埃が、保持枠体5周りの空間を経て液晶パネル1側へ進行するのを防ぐことができ、液晶パネル1の後面に塵埃が付着するのを防ぐことができる。
【0040】
また、液晶パネル1の周縁部を挾持する額縁部61は、液晶パネル1の外周りに配されている環状のリブ65により補強され、さらにリブ65は、該リブ65の周方向の中途に一体成形してある筒形ボス66により補強されているため、額縁部61の剛性を高めることができ、液晶パネル1を保護することができる。
【0041】
また、リブ65と一体に形成されている筒形ボス66は、保持枠体5の環板部51に開設されている貫通孔53に挿入されているため、表示パネル1に対するキャビネット6の大きさ、ひいては表示装置全体を実施の形態1に比べて小型にすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0042】
実施の形態3
図7は本発明に係る液晶表示装置の他の構成を示す一部を省略した縦断側面図、図8は他の箇所が縦断された縦断側面図である。この液晶表示装置は、実施の形態1、2における筒形ボス66に代えて、可撓性を有する係止爪67をリブ65と一体に設け、雄螺子を緊締することなく液晶パネル1を挾持することができるように構成したものである。
【0043】
液晶パネル1の外側に環状に配されるリブ65は断面が板状をなし、額縁部61と一体に成形されおり、該リブ65の複数の周方向位置に、後方へ延出されている係止爪67が一体成形されている。係止爪67は可撓性を有する脚部の先端に爪部が設けられている。
【0044】
保持枠体5は、液晶パネル1の周縁部後面に対向する矩形の環板部51と、環板部51の外縁から後方へ延出されている枠部52とを有し、該枠部52の複数の周方向位置に、係止爪67に対応する被係止部55及び緊締孔を有する複数の取付片が設けられている。
【0045】
ケース体22は後壁22aの周縁から前方へ立上がる立上部22bと、立上部22bの前端から内方へ延出された受止板部22eとを有し、両側部内側にランプホルダが配され、上下部内側に受止部材24を配してあり、ランプホルダ及び受止部材24に光学シート3の周縁部が支持され、該光学シート3及び受止板部24間にシート押え板13を配してある。また、受止板部22eに保持枠体5の環板部51が支持されている。また、ケース体22には後壁22aの周縁から外方へ延出された複数の取付片を有し、該取付片に、保持枠体5の緊締孔に対応する挿通孔及びキャビネット後分体6bの挿通孔に対応する緊締孔が夫々開設されている。
【0046】
以上のように構成された液晶表示装置は例えば次の(1) 〜(5) の工程で組立てられる。
(1) 作業台上に開放部を上向にして平置きされたケース体22内に反射シート23、ランプ21が組込まれ、光源部2が形成される。
(2) 光源部2の上側に光学シート3及びシート押え板13が載置され、光学シート3の周縁部がランプホルダ及び受止部材24に支持される。
(3) 作業台上に額縁部61が下側となるように平置きされたキャビネット前分体6aの内側に液晶パネル1が挿入され、額縁部61に載置され、該液晶パネル1に保持枠体5の環板部51が載置される。この際、額縁部61の係止爪67が保持枠体5の被係止部55に係止され、キャビネット前分体6a及び保持枠体5が一体となり、液晶パネル1の周縁部が挾持される。
(4) 光学シート3を支持した光源部2は、光学シート3が下側となるように反転され、この反転状態で環板部51の上側に載置される。この際、ケース体22の取付片に開設されている挿通孔に雄螺子を挿入し、該雄螺子を、保持枠体5の取付片に開設されている緊締孔に緊締することにより、保持枠体5及びケース体22が一体に結合される。
(5) キャビネット後分体6bの挿通孔に雄螺子を挿入し、該雄螺子をケース体22における取付片の緊締孔に緊締することにより、キャビネット前分体6a、ケース体22及びキャビネット後分体6bが一体に結合される。
【0047】
この実施の形態にあっては、雄螺子を緊締することなく液晶パネル1の周縁部を挾持することができるため、組立作業性を向上することができ、コストをより一層低減できる。また、筒形ボス66に代えて係止爪67を有するため、表示パネル1に対するキャビネット6の大きさ、ひいては表示装置全体を実施の形態1に比べて小型にすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0048】
実施の形態4
図9は本発明に係る液晶表示装置の他の構成を示す一部を省略した縦断側面図である。この液晶表示装置は、実施の形態1〜3における保持枠体5をなくし、ケース体22が液晶パネル1の周縁部後側を保持する構成としたものである。
【0049】
液晶パネル1の外側に環状に配されるリブ65は額縁部61と一体に成形されおり、該リブ65の複数の周方向位置に、後方へ延出されている係止爪68が一体成形されている。
【0050】
ケース体22は後壁22aの周縁から前方へ立上がる立上部22bと、立上部22bの前端から内方へ延出された受止板部22fとを有し、両側部内側にランプホルダが配され、上下部内側に受止部材24を配してあり、ランプホルダ及び受止部材24に光学シート3の周縁部が支持されている。また、受止板部22fに液晶パネル1の周縁部後側が支持されている。また、ケース体22の立上部22bには外方へ延出された複数の取付片22gを有し、該取付片22gに、係止爪68に対応する被係止部22hが設けられており、また、後壁22aの周縁部にはキャビネット後分体6bの挿通孔に対応する緊締孔が開設された取付片を有する。
【0051】
この表示装置にあっては、雄螺子を緊締することなく液晶パネル1の周縁部を挾持することができるため、組立作業性を向上することができ、コストをより一層低減できる。また、筒形ボス66に代えて係止爪68を有するため、表示パネル1に対するキャビネット6の大きさ、ひいては表示装置全体を実施の形態1に比べて小型にすることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0052】
尚、以上説明した実施の形態では、額縁部61及び角筒部62を有するキャビネット前分体6aを有する構成としたが、その他、角筒部62がなく、額縁部61がキャビネット前分体6aである構成としてもよい。この場合、キャビネット後分体6bの角筒部64は額縁部61に至るまで延出される。
【0053】
また、以上説明した実施の形態では、リブ65を環状としたが、その他、リブ65は周方向の一部が欠除された筒形、又は周方向へ離隔して配された筒形の構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の構成を示す一部を省略した縦断側面図である。
【図2】本発明に係る液晶表示装置の他の箇所が縦断された縦断側面図である。
【図3】本発明に係る液晶表示装置のリブ及び筒形ボスの構成を示すもので、(a) は斜視図、(b) は断面図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置の他の構成を示す一部を省略した縦断側面図である。
【図5】本発明に係る液晶表示装置の他の箇所が縦断された縦断側面図である。
【図6】本発明に係る液晶表示装置のリブ及び筒形ボスの構成を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置の他の構成を示す一部を省略した縦断側面図である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置の他の箇所が縦断された縦断側面図である。
【図9】本発明に係る液晶表示装置の他の構成を示す一部を省略した縦断側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 液晶パネル
1a 表示面
2 光源部(保持体)
5 保持枠体(保持体)
6 キャビネット
61 額縁部
65 リブ
66 筒形ボス(結合部)
25a 挿通孔(被結合部)
12 雄螺子
67,68 係止爪(結合部)
53 貫通孔
51 環板部
52 枠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に表示面を有する液晶パネルと、該液晶パネルの周縁部及び後側を隠蔽するキャビネットと、該キャビネット内で前記液晶パネルの後側に配され、該液晶パネルの周縁部後側を保持する保持体とを備える液晶表示装置において、前記キャビネットは、前記液晶パネルの周縁部前側に配され、該液晶パネルの周縁部を前記保持体とにより前後に挾持する額縁部と、該額縁部の後面に一体に成形され、前記液晶パネルの外周りに環状に配されるリブ、及び該リブの複数の周方向位置に一体に成形される結合部とを有し、前記保持体は前記結合部に結合される被結合部を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記結合部は筒形ボスであり、前記被結合部は前記筒形ボスの孔に対応する挿通孔を有し、該挿通孔へ挿通して前記筒形ボスに捩じ込まれている雄螺子を備える請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記結合部は可撓性を有し、前記被結合部に係止される係止爪である請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記保持体は、前記液晶パネルの周縁部後面に対向し、複数の周方向位置に貫通孔を開設してある環板部、及び該環板部の外縁から後方へ延出されている枠部を有し、前記結合部は前記リブよりも後方へ延出され、前記貫通孔に挿入する挿入部を有する請求項1記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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