説明

液晶表示装置

【課題】実行される倍速駆動モードに応じてバックライトスキャン処理の内容を変更することにより,動画表示における多重輪郭の発生を極力抑制することのできる液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】連続する2以上のフレーム画像に基づいて生成された補間画像信号をフレーム間に挿入して液晶パネルに書き込む補間画像挿入モードが実行される場合には,バックライトスキャン処理における間欠点灯動作の実行周期を垂直同期信号の周期と一致させ,同一のフレーム画像をn回連続して液晶パネルに書き込む重複画像出力モードが実行される場合には,バックライトスキャン処理における間欠点灯動作の実行周期を垂直同期信号の周期よりも長くする(或いはバックライトスキャン処理を無効化する)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,液晶パネル及びバックライト光源を備える液晶表示装置に関し,特に,バックライト光源を間欠点灯させることにより動画表示の動きぼやけの防止を図る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,液晶パネル及びバックライト光源を備えてなる液晶表示装置は,テレビジョン受像機やディスプレイ装置などの用途で広く普及している。液晶表示装置では,バックライト光源を常時点灯させるホールド駆動に起因して動画表示の際に生じる動きぼやけが問題となる。
ここに,図7(a)は,バックライト光源を常時点灯させるホールド駆動において,液晶パネルの表示上で原画像F1が移動したときに視聴者により知覚される視認像F2を示している。図7(a)に示すように,ホールド駆動状態では,原画像F1が移動したときに視聴者が知覚する視認像F2に人間の網膜残像に起因する動きぼやけが生じる。
そこで,従来から,バックライト光源を間欠点灯させて擬似的にインパルス駆動に近づけることにより,動画表示の際に生じる動きぼやけを防止する手法が知られている(例えば,特許文献1参照)。
特に,前記特許文献1に開示されているように,液晶パネルの垂直方向における複数の表示領域に対応する複数の光源を該表示領域の画像の書き込みに同期させて順次間欠点灯させるバックライトスキャン処理が実行されることがある。
【0003】
例えば,図2に示すバックライト光源31では,液晶パネルの垂直方向における複数の表示領域に対応した複数のLED光源群L1〜L12が並設されている。前記LED光源群L1〜L12各々は,水平方向に配列された複数のLED光源31aを有している。
そして,図8は,前記バックライト光源31のバックライトスキャン処理の実行結果の一例を示している。図8に示すように,バックライトスキャン処理では,前記LED光源群L1〜L12が順次間欠点灯され,擬似的にインパルス駆動が実現される。
より具体的に,前記バックライトスキャン処理では,垂直同期信号(図8(a))が受信された後,一つ目の水平同期信号が受信されて一列目の画像信号(図8(b))の書き込みタイミングになると,LED光源群L1が約8.3ms消灯し,その後,約8.3ms点灯する(図8(c))。一方,LED光源群L1に対応する領域の画像の書き込みが終了し,LED光源群L2に対応する領域の画像の書き込みタイミングになると,LED光源群L2が約8.3ms消灯し,その後,約8.3ms点灯する(図8(c))。その他のLED光源群L3〜L12も同様に,対応する領域の画像の書き込みタイミングになると約8.3ms消灯し,その後,約8.3ms点灯する(図8(c))。
ここに,図7(b)は,前記バックライトスキャン処理が実行されている状態において,液晶パネルの表示上で原画像F1が移動したときに視聴者により知覚される視認像F3を示している。図7(b)に示すように,バックライトスキャン処理によれば,視聴者が知覚する視認像F3における動きぼやけを前記ホールド駆動時(図7(a))に比べて軽減することができる。
【0004】
ところで,近年では,テレビジョン放送の映像のフレーム周波数(60Hz)をn倍速(120,240Hzなど)まで高めて表示するいわゆる倍速液晶技術が知られている。これにより,1フレームの表示時間を短縮させ,残像感を低減させることができる。
この場合には,例えば特許文献2に開示されているように,フレーム周波数をn倍速にするため,連続する2以上のフレーム画像に基づいて補間画像を生成してフレーム間に挿入して表示させる手法(第1の倍速駆動モードに相当,以下「補間画像挿入モード」という)や,同一のフレーム画像をn回連続して表示させる手法(第2の倍速駆動モードに相当,以下「重複画像表示モード」という)が用いられる。
また,フレーム周波数を倍速にする場合には,垂直同期信号及び水平同期信号の周波数をn倍速にする。そのため,図9に示すように,例えば前記重複画像表示モードにおいては,フレーム画像A,A,B,Bの表示ごとに一連のバックライトスキャン処理が実行されることとなり,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期も2倍速となる。
ここに,図7(c)は,前記補間画像挿入モードが実行されている状態において,液晶パネルの表示上で原画像F1が移動したときに視聴者により知覚される視認像F4を示している。また,図7(d)は,前記重複画像表示モードが実行されている状態において,液晶パネルの表示上で原画像F1が移動したときに視聴者により知覚される視認像F5を示している。
図7(c)に示すように,前記補間画像挿入モードにおいては,フレーム間に前後のフレーム画像に基づく補間画像が挿入されることにより滑らかな動画表示が実現され,バックライトスキャン処理の倍速駆動による多重輪郭の悪化も見られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3994997号公報
【特許文献2】特開2008−165161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら,図7(d)に示すように,前記重複画像表示モードにおいては,バックライトスキャン処理の倍速駆動によって同一のフレーム画像A,B各々が二度ずつ表示されるため,人間に知覚される視認像F5に生じる多重輪郭が前記補間画像挿入モードに比べて悪化するという問題がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,実行される倍速駆動モードに応じてバックライトスキャン処理の内容を変更することにより,動画表示における多重輪郭の発生を極力抑制することのできる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は,所定のクロック信号に従って液晶パネルに画像信号を書き込む画像書込手段と,前記液晶パネルの垂直方向における複数の表示領域に対応して並設された複数の光源を有するバックライト光源と,前記画像書込手段による画像信号の書き込み動作に連動して,所定の連続消灯期間及び所定の連続点灯期間からなる間欠点灯動作を前記光源各々に順次繰り返し実行させるバックライトスキャン処理を実行するバックライト制御手段と,連続する2以上のフレーム画像に基づいて補間画像信号を生成する補間画像生成手段とを備えてなる液晶表示装置に適用される。
そして,本発明に係る液晶表示装置は,前記画像書込手段が,前記画像信号が含まれた映像信号におけるフレーム周波数のn倍(但し,nは2以上の整数)の周波数の垂直同期信号に同期して前記液晶パネルへの画像信号の書き込みを行う場合に,前記補間画像生成手段により生成された前記補間画像信号をフレーム間に挿入して前記液晶パネルに書き込む第1の倍速駆動モードと,同一のフレーム画像をn回連続して前記液晶パネルに書き込む第2の倍速駆動モードとのいずれかを実行するものであり,前記バックライト制御手段が,前記画像書込手段により前記第1の倍速駆動モードが実行される場合には,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期と一致させ,前記画像書込手段により前記第2の倍速駆動モードが実行される場合には,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期よりも長くし,或いは前記バックライトスキャン処理を無効化してなることを特徴として構成される。
本発明によれば,前記第1の倍速駆動モード及び前記第2の倍速駆動モードのいずれが実行されるかに応じて,前記バックライトスキャン処理の内容を適宜変更することにより,前記第1の倍速駆動モードでは,動画表示における動きぼやけや多重輪郭の発生を抑制しつつ滑らかな動画表示を実現することができ,前記第2の倍速駆動モードでも,動画表示における多重輪郭の発生を極力抑制することができる。
【0008】
具体的に,前記バックライト制御手段は,前記画像書込手段により前記第2の倍速駆動モードが実行される場合に,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の
周期のn倍とすることが考えられる。
また,前記バックライト制御手段は,前記画像書込手段により前記第2の倍速駆動モードが実行される場合に,前記バックライトスキャン処理が実質的に無効化されるように前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を短くすることも考えられる。前記バックライトスキャン処理が実質的に無効化されるほど高い周波数で実行されれば,人間により知覚される動画表示の多重輪郭の発生は抑制されるためである。
ところで,前記バックライト制御手段は,前記バックライトスキャン処理におけるnフレームの間における点灯率を一定に維持するものであることが望ましい。これにより,前記第1の倍速駆動モード及び前記第2の倍速駆動モードの相互間の切り換えによる前記液晶パネルの表示輝度の変化を防止することができる。なお,前記バックライトスキャン処理が無効化され,前記バックライト光源が常時点灯される場合のnフレームにおける点灯率については,前記バックライトスキャン処理時の点灯率と一致しないことはいうまでもない。
【0009】
ところで,前記画像書込手段により前記第1の倍速駆動モードが実行される場合であっても,前記補間画像生成手段により生成された補間画像信号の精度が低い場合には,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期と一致させることが,映像表示の動きぼやけに悪影響を与えるおそれがある。
そこで,前記補間画像生成手段により生成された補間画像信号が予め設定された設定精度を満たすか否かを判定する補間画像精度判定手段を更に備えてなる構成が考えられる。具体的に,前記補間画像精度判定手段は,前記補間画像生成手段により予め設定された数以上の補間画像信号の候補が生成された場合に,前記設定精度を満たさないと判定するものであることが考えられる。
そして,前記バックライト制御手段が,前記画像書込手段により前記第1の倍速駆動モードが実行される場合であっても,前記補間画像精度判定手段により前記設定精度を満たさないと判定された場合は,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期よりも長くし,或いは前記バックライトスキャン処理を無効化するように構成する。
このような構成によれば,前記補間画像生成手段により生成された補間画像信号が予め設定された設定精度を満たさない場合に,前記バックライトスキャン処理による動きぼやけへの悪影響を抑制することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば,前記第1の倍速駆動モード及び前記第2の倍速駆動モードのいずれが実行されるかに応じて,前記バックライトスキャン処理の内容を適宜変更することにより,前記第1の倍速駆動モードでは,動画表示における動きぼやけや多重輪郭の発生を抑制しつつ滑らかな動画表示を実現することができ,前記第2の倍速駆動モードでも,動画表示における多重輪郭の発生を極力抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置に設けられたバックライト光源の一例を示す模式図。
【図3】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の動作の一例を説明するための図。
【図4】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の動作の一例を説明するための図。
【図5】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の動作の一例を説明するための図。
【図6】本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の動作の一例を説明するための図。
【図7】バックライト光源の駆動態様と動画表示との関係例を説明するための模式図。
【図8】一般的なバックライトスキャン処理の実行結果を説明するための模式図。
【図9】従来の重複画像表示モードにおけるバックライトスキャン処理の実行結果を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1に示すように,本発明の実施の形態に係る液晶表示装置Xは,表示制御部11,動作クロック供給部12,液晶パネル21,液晶駆動部22,バックライト光源31,バックライト制御部32(バックライト制御手段の一例),画像処理部41などを有している。なお,前記表示制御部11は,前記液晶表示装置Xを統括的に制御するメイン制御部を兼ねたものであってもよい。
前記液晶表示装置Xは,例えばテレビジョン受像機やパソコンに用いられるディスプレイ装置などである。なお,本実施の形態では,本発明に直接影響しない一般的なテレビジョン受像機やディスプレイ装置が備える他の構成要素(チューナやスピーカ等)の説明を省略する。
【0013】
前記液晶パネル21は,液晶層と該液晶層に走査信号及びデータ信号を印加するための走査電極及びデータ電極とによって形成され,印加電圧により透過率が変化する複数の液晶素子を有する従来周知のアクティブマトリクス型の液晶パネルである。
そして,前記液晶駆動部22は,入力される垂直同期信号及び水平同期信号に同期して前記液晶パネル21の走査電極(ゲート電極)及びデータ電極(ソース電極)を駆動させることにより該液晶パネル21に画像信号を書き込み,該液晶パネル21に画像を表示させる。本実施の形態では,前記液晶駆動部22及び前記画像処理部41が画像書込手段の一例である。
前記動作クロック供給部12は,高周波のクロック信号を生成するクロック発振器などを有しており,前記液晶駆動部22及び前記バックライト制御部32各々に対してクロック信号(所定のクロック信号の一例,以下「動作クロック」と称する)を供給する。
これにより,前記液晶駆動部22では,前記動作クロックに従って前記液晶パネル21への画像信号の書き込みが実行される。即ち,前記液晶駆動部22による前記液晶パネル21への画像信号の書き込み速度は前記動作クロックの周波数に依存することとなる。また,前記バックライト制御部32において後述するバックライトスキャン処理が実行される場合,該バックライトスキャン処理は前記動作クロックに従って実行される。
【0014】
さらに,前記動作クロック供給部12は,前記表示制御部11からの制御指示に応じて前記動作クロックの周波数を変更し得る。
例えば,前記動作クロック供給部12は,クロック発振器から出力される基準クロック信号を任意の分周比率で分周し得る分周回路を有しており,前記表示制御部11からの制御指示に応じて前記分周回路における分周比率を変更することにより所定周波数の動作クロック信号を出力するものであることが考えられる。なお,前記動作クロック供給部12は,複数種別の周波数の動作クロックを選択的に出力し得るものであれば従来周知の他の手法を用いるものであってもよい。
【0015】
本実施の形態では,前記動作クロック供給部12は,前記表示制御部11からの指示に応じて,少なくとも異なる周波数f11,f12のいずれかの動作クロックを出力するものとする。もちろん,前記動作クロック供給部12が更に多種類の周波数の動作クロックを出力し得るものであってもよい。
ここに,前記周波数f11は,前記液晶パネル21への1フレームの画像信号の書き込みに要する時間とその画像信号の書き込み時間の前後に設けられる帰線期間との合計が,当該液晶表示装置Xに入力される映像信号のフレーム周期と同じになるように予め設定される値である。
一方,前記周波数f12は,少なくとも前記周波数f11よりも高い周波数である。本実施の形態では,前記周波数f12が前記周波数f11の2倍(n倍の一例)の周波数であるものとする。よって,前記動作クロック供給部12から前記周波数f12が出力された場合,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作は,前記周波数f11が出力される場合に比べて倍の速度で実行されることになる。
【0016】
前記表示制御部11は,不図示のアンテナによって受信されるテレビジョン放送や不図示の外部入力端子から入力される映像コンテンツなどに含まれた映像信号を受信し,該映像信号に基づいて垂直同期信号や水平同期信号などを生成する。例えば,前記表示制御部11は,不図示のクロック発振器から入力される所定周波数のクロック信号を任意の周波数に分周する分周器を有している。
具体的に,前記表示制御部11は,テレビジョン放送などの映像信号のフレームレートである60Hzの2倍の120Hzの周波数の垂直同期信号を生成する。また,前記表示制御部11は,前記垂直同期信号の周波数と前記液晶パネル21のサイズ及び解像度(画素数)とに応じて,例えば数十〜数百kHz程度の周波数の水平同期信号を生成する。
なお,前記表示制御部11は,180Hzや240Hz,480Hzなど,入力される映像信号のフレーム周波数のn倍(但し,nは2以上の整数)の周波数の垂直同期信号を生成し得るものであってもよい。また,前記表示制御部11が,例えば不図示のリモコンや前記液晶表示装置Xの本体に設けられた操作キーのユーザ操作に応じて,或いは表示映像の内容などに応じて自動的に,生成する垂直同期信号及び水平同期信号の周波数を変更するものであるも考えられる。
【0017】
そして,前記表示制御部11は,前記映像信号,前記垂直同期信号及び前記水平同期信号を前記画像処理部41に入力する。
前記画像処理部41は,前記表示制御部11から入力される前記画像信号の各フレーム間に画像を挿入するフレーム挿入処理を実行することにより,前記垂直同期信号に同期して前記映像信号のフレーム周波数の2倍の周波数120Hz(1秒間に120フレーム)で前記液晶パネル21に画像を表示させる。
このとき,前記画像処理部41は,前記フレーム挿入処理において,連続する2以上のフレーム画像に基づいて生成した補間画像信号をフレーム間に挿入して前記液晶パネルに書き込む補間画像挿入モード(第1の倍速駆動モードに相当)と,同一のフレーム画像を2回連続して前記液晶パネルに書き込む重複画像表示モード(第2の倍速駆動モードに相当)とのいずれかを実行する。
【0018】
前記補間画像挿入モードでは,前記画像処理部41は,連続する2以上のフレーム画像の画像信号に基づいてフレーム間に挿入するべき補間画像信号を生成する。なお,前記補間画像信号の生成手法については,前後のフレーム間の動きベクトルに基づいて行うなどの従来周知の各種技術を用いればよいため,ここでは説明を省略する。ここに,係る補間画像信号の生成処理を実行するときの前記画像処理部41が補間画像生成手段に相当する。
そして,前記画像処理部41は,前記画像信号と前記補間画像信号とを合成した信号を前記垂直同期信号及び前記水平同期信号と共に前記液晶駆動部22に入力し,前記垂直同期信号及び前記水平同期信号を前記バックライト制御部32に入力する。
一方,前記重複画像表示モードでは,前記画像処理部41は,同一のフレーム画像に係る画像信号を2回ずつ連続して前記垂直同期信号及び前記水平同期信号と共に前記液晶駆動部22に入力し,前記垂直同期信号及び前記水平同期信号を前記バックライト制御部32に入力する。なお,ここでは,前記垂直同期信号の周波数を前記画像信号におけるフレーム周波数の2倍としているため,同一のフレーム画像の連続出力回数は2回であるが,前記垂直同期信号の周波数が映像信号におけるフレーム周波数のn倍(nは2以上の整数)である場合には,同一のフレーム画像がn回連続して出力されることとなる。
【0019】
ここに,前記画像処理部41は,前記フレーム挿入処理の補間画像挿入モードにおける補間画像の破綻の有無,即ち正常に補間画像が生成されたか否かを判断する補間画像破綻検知機能を有している。なお,前記補間画像破綻検知機能では,例えば連続する2フレーム間の動きベクトルから一の補間画像に収束させることができない場合に補間画像の破綻が検知される。
そして,前記画像処理部41は,前記垂直同期信号の周波数が前記映像信号におけるフレーム周波数の2倍である場合には,原則として前記補間画像挿入モードを実行するが,該補間画像挿入モードの実行中に前記補間画像破綻検知機能により補間画像の破綻が検知された場合には,前記重複画像表示モードを実行する。これにより,前記補間画像の破綻に起因する映像の乱れを防止することができる。なお,前記画像処理部41は,映像信号におけるフレーム単位で前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードの切り換えを行う。
このとき,前記画像処理部41は,前記フレーム挿入処理において前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードのいずれを実行しているかを前記バックライト制御部32に通知する。なお,前記画像処理部41から出力されている画像信号に基づいて,同一のフレーム画像が複数回連続しているか否かを判断し,前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードのいずれが実行されているかを検出する回路を設けておき,該検出回路から前記バックライト制御部32に検出結果が通知される構成などであってもよい。
また,前記画像処理部41が前記フレーム挿入処理において前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードのいずれを実行するかは,例えば不図示のリモコンや前記液晶表示装置Xの本体に設けられた操作キーのユーザ操作に応じて前記表示制御部11によって切り換えられてもよい。さらに,前記表示制御部11が,表示映像の内容などに応じて自動的に前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードのいずれを実行するかを切り換えるものであってもよい。
【0020】
前記バックライト光源31は,前記液晶パネル21の背面に配置され,該液晶パネル21を背後から照明するものである。ここに,図2は,前記バックライト光源31の構造の一例を示す模式図である。
図2に示すように,前記バックライト光源31は,前記液晶パネル21の垂直方向における複数の表示領域に対応して並設された複数のLED光源群L1〜L12(複数の光源の一例)を有している。前記LED光源群L1〜L12各々は,前記液晶パネル21の水平方向に並設された複数のLED光源31aを含んでいる。また,前記LED光源群L1〜L12各々に対応する前記表示領域各々は,前記液晶パネル21の複数ラインの表示画素を含む領域である。
前記バックライト光源31は,前記バックライト制御部32からの制御指示に応じて,多数の前記LED光源31aを前記LED光源群L1〜L12の各単位で個別に明滅させる。なお,前記LED光源群L1〜L12の数はこれに限らず,前記液晶パネル21のサイズに応じて適宜設計変更すればよい。また,前記バックライト光源31は,前記LED光源群L1〜L12に代えて前記液晶パネル21の垂直方向に並設された複数の蛍光管(複数の光源の一例)を有するものであってもよい。
【0021】
前記バックライト制御部32は,前記バックライト光源31を常時点灯させるホールド駆動処理と,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作に連動して,所定の連続消灯期間及び所定の連続点灯期間からなる間欠点灯動作を前記LED光源群L1〜L12各々に順次繰り返し実行させるバックライトスキャン処理とのいずれかを選択的に実行し得る。 前記バックライト制御部32による前記バックライトスキャン処理の実行の有無は,原則として不図示のリモコンや前記液晶表示装置Xの本体に設けられた操作キーのユーザ操作に応じて前記表示制御部11によって切り換えられる。なお,前記表示制御部11が表示映像の内容などに応じて自動的に前記バックライトスキャン処理の実行の有無を切り換えるものであってもよい。
さらに,本発明の実施の形態に係る前記液晶表示装置Xでは,前記バックライト制御部32は,前記画像処理部41が前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードのいずれを実行しているかに応じて,前記バックライトスキャン処理の内容を変更する。
【0022】
以下,図3及び図4の模式図を参照しつつ,前記液晶表示装置Xの動作例について説明する。
(補間画像挿入モード)
まず,図3を用いて,前記画像処理部41により,前記フレーム挿入処理において前記補間画像挿入モードが実行されている場合について説明する。ここに,図3(a)は垂直同期信号,図3(b)は画像信号,図3(c)は補間画像信号,図3(d)はバックライト光源31の動作を示している。
図3に示すように,前記補間画像挿入モードが実行される場合,前記表示制御部11では,前記表示制御部11に入力されている映像信号におけるフレーム周波数である60Hzの2倍の120Hz(1フレーム約8.3ms)の垂直同期信号(図3(a)参照)と,該垂直同期信号に対応する周波数の水平同期信号とが生成される。その後,前記表示制御部11は,前記画像信号を前記垂直同期信号及び前記水平同期信号と共に前記画像処理部41に入力する。また,前記表示制御部11は,前記動作クロック供給部12に対して,映像信号におけるフレーム周波数の2倍である前記周波数f12の動作クロックを前記液晶駆動部22及び前記バックライト制御部32に入力するよう制御指示を与える。
【0023】
そして,前記画像処理部41は,前記画像信号に基づいて補間画像を生成し,該補間画像をフレーム画像の間に挿入する。このとき,前記画像処理部41は,前記補間画像を正常に生成することができなかったことを検知した場合には,当該補間画像挿入モードを中断し,前記重複画像表示モードを実行する。
一方,前記補間画像を正常に生成することができた場合,前記画像処理部41は,前記画像信号及び前記補間画像信号を,前記垂直同期信号及び前記水平同期信号と共に前記液晶駆動部22に入力する。
これにより,前記液晶駆動部22は,前記画像信号及び前記補間画像信号を前記垂直同期信号及び前記水平同期信号に同期して前記液晶パネル21に書き込む(図3(b),(c)参照)。例えば,図3(b),(c)に示すように,入力された本来の映像信号における連続するフレーム画像A,Bの間に,これらに基づいて生成された補間画像信号であるフレーム画像A’が書き込まれる。なお,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作は,前記動作クロック供給部12から供給される前記周波数f12の動作クロックに従って行われるため,1フレームの画像信号の書込時間(画像信号の書込時間+帰線期間)は,周波数120Hzの前記垂直同期信号の間隔と同じである。
【0024】
このとき,前記画像処理部41は,前記バックライト制御部32に対して前記補間画像挿入モードの実行中である旨を通知している。
そして,前記補間画像挿入モードの実行中である旨を受信した前記バックライト制御部32は,前記LED光源群L1〜L12各々について,1フレーム期間の50%である約4.1msの消灯期間(所定の連続消灯期間の一例)と1フレーム期間の50%である約4.1msの点灯期間(所定の連続点灯期間の一例)とからなる間欠点灯動作を,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作に連動して順次繰り返し実行させるバックライトスキャン処理を実行する(図3(d)参照)。従って,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期(点灯期間+消灯期間)は,前記液晶駆動部22による前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期,即ち前記垂直同期信号の周期と一致している。
これにより,前記液晶表示装置Xでは,前記補間画像挿入モードにおいて,動画表示の動きぼやけや多重輪郭を防止しつつ滑らかな動画表示を実現することができる(図7(c)参照)。
【0025】
(重複画像表示モード)
次に,図4を用いて,前記画像処理部41により,前記フレーム挿入処理において前記重複画像表示モードが実行されている場合について説明する。ここに,図4(a)は垂直同期信号,図4(b)は画像信号,図4(c)はバックライト光源31の動作を示している。なお,前記表示制御部11は,前述の補間画像挿入モードと同様に,前記画像信号と共に120Hzの垂直同期信号(図4(a)参照)と該垂直同期信号に対応する周波数の水平同期信号を前記画像処理部41に入力する。また,前記表示制御部11は,前記動作クロック供給部12に対して,映像信号におけるフレーム周波数の2倍である前記周波数f12の動作クロックを前記液晶駆動部22及び前記バックライト制御部32に入力するよう制御指示を与える。
【0026】
そして,前記画像処理部41は,同一のフレーム画像に係る画像信号を2回ずつ連続して,前記垂直同期信号及び前記水平同期信号と共に前記液晶駆動部22に入力する。
これにより,前記液晶駆動部22は,前記画像信号を前記垂直同期信号及び前記水平同期信号に同期して前記液晶パネル21に書き込む(図4(b)参照)。例えば,図4(b)に示すように,入力された本来の映像信号におけるフレーム画像Aの後に同一のフレーム画像Aが,同じくフレーム画像Bの後にも同一のフレーム画像Bがそれぞれ連続して書き込まれる。なお,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作は,前記動作クロック供給部12から供給される前記周波数f12の動作クロックに従って行われるため,1フレームの画像信号の書込時間(画像信号の書込時間+帰線期間)は,周波数120Hzの前記垂直同期信号の間隔と同じである。
【0027】
このとき,前記画像処理部41は,前記バックライト制御部32に対して前記重複画像表示モードの実行中である旨を通知している。
そして,前記重複画像表示モードの実行中である旨を受信した前記バックライト制御部32は,前記LED光源群L1〜L12各々について,1フレーム期間と同一の約8.3msの消灯期間(所定の連続消灯期間の一例)と1フレーム期間と同一の約8.3msの点灯期間(所定の連続点灯期間の一例)とからなる間欠点灯動作を,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作に連動して順次繰り返し実行させるバックライトスキャン処理を実行する(図4(c)参照)。従って,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期(点灯期間+消灯期間)は,前記液晶表示装置Xに入力される映像信号のフレーム周期と同一であって,前記液晶駆動部22による前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期,即ち前記垂直同期信号の周期の2倍(n倍の一例)となる。
これにより,前記液晶表示装置Xでは,前記重複画像表示モードにおいて,前記液晶パネル21に連続する前記フレーム画像A,B各々の後半の画像信号のみが一度ずつ表示されることとなり,同一のフレーム画像が間欠表示されることを防止することができるため,動画表示における多重輪郭を抑制することができる。具体的には,図7(b)に示した状態と同様に,前記重複画像表示モードにおいて前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期と同一の周期で前記バックライトスキャン処理の間欠点灯動作を行った場合(図7(d)参照)に比べて,動画表示の多重輪郭が抑制される。
さらに,前記バックライト制御部32は,前記間欠点灯動作における2フレーム(nフレームの一例)の間の点灯率を,前記重複画像表示モードと前記補間画像挿入モードとで一定(50%)に維持している(図3(d),図4(c)参照)。そのため,前記補間画像挿入モード及び前記重複画像表示モードの切り換えによる前記液晶パネル21の表示輝度の変化を防止することができる。なお,前記間欠点灯動作における点灯率は50%に限らず適宜変更し得る。
【0028】
以上,説明したように,前記液晶表示装置Xでは,前記補間画像挿入モード(第1の倍速駆動モード)及び前記重複画像表示モード(第2の倍速駆動モード)のいずれが実行されるかに応じて,前記バックライトスキャン処理の内容を適宜変更することにより,前記補間画像挿入モードでは,動画表示における動きぼやけや多重輪郭の発生を抑制しつつ滑らかな動画表示を実現することができ,前記重複画像表示モードでも,動画表示における多重輪郭の発生を極力抑制することができる。
【実施例1】
【0029】
以下,図5及び図6の模式図を用いて,前記液晶表示装置Xの他の構成例について説明する。
前記実施の形態では,前記重複画像表示モードが実行される場合に,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期が,前記垂直同期信号の周期よりも長くなるように(2倍に)変更される場合を例に挙げて説明した。
他方,前記重複画像表示モード時には,前記バックライトスキャン処理を無効化することも他の実施例として考えられる。
具体的には,図5に示すように,前記バックライト制御部32が,前記重複画像表示モードが実行される場合には,前記バックライトスキャン処理を停止させて,前記バックライト光源31を常時点灯させるホールド駆動処理を実行することが考えられる。これにより,図7(a)に示した状態と同様に,前記重複画像表示モードにおいて前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期と同一の周期で前記バックライトスキャン処理の間欠点灯動作を行った場合(図7(d)参照)に発生する多重輪郭が防止される。
【0030】
さらに,前記バックライト制御部32が前記バックライトスキャン処理を無効化する手法としては該バックライトスキャン処理を停止させることに限らず,該バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を極端に短くすることにより,実質的に前記バックライトスキャン処理を無効化することも考えられる。
例えば,図6には,入力された映像信号のフレーム周波数が60Hzであり,前記垂直同期信号が120Hzであるのに対し,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周波数を480Hzにすることで,前記バックライトスキャン処理を実質的に無効化した例を示している。なお,この場合,前記バックライト制御部32は,前記液晶駆動部22による画像信号の書き込み動作と前記バックライトスキャン処理との連動状態を解除し,該バックライトスキャン処理を独立して実行する。このように前記バックライトスキャン処理を実質的に無効化することによっても動画表示の多重輪郭を抑制し得る。
具体的には,前記表示制御部11からの制御指示によって,前記クロック供給部12が,前記バックライト制御部32に入力する動作クロックの周波数のみを前記垂直同期信号の周波数120Hzよりも十分に高い480Hzの周波数に切り換えることが考えられる。これにより,前記バックライト制御部32は,前記動作クロックに基づいて前記バックライト光源31のLED光源群L1〜L12各々の明滅を制御することにより,480Hzの実行周波数で前記間欠点灯動作を実行させる。なお,もちろん480Hzに限らず,実質的に前記バックライトスキャン処理を無効化し得る程度の周波数であればよい。
なお,このような場合にも前記バックライト制御部32は,前記バックライトスキャン処理の間欠点灯動作における点灯率を前記補間画像挿入モードと同一に維持することで表示輝度を均一に維持することが考えられる。
【実施例2】
【0031】
前記実施の形態では,前記補間画像挿入モードが実行されている場合,前記画像処理部41が,前記補間画像を正常に生成することができなかったことを検知すると,前記補間画像挿入モードが中断され,前記重複画像表示モードが実行される例について説明した。一方,前記補間画像を正常に生成することができた場合には,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期(点灯期間+消灯期間)は,前記液晶駆動部22による前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期,即ち前記垂直同期信号の周期と一致している。
本実施例2では,このような前記補間画像挿入モードの処理内容の変形例について説明する。
【0032】
具体的に,前記液晶駆動部22及び前記画像処理部41により前記補間画像挿入モードが実行される場合であっても,前記画像処理部41により生成された補間画像信号の精度が低ければ,前記バックライトスキャン処理が動きぼやけに悪影響を与えるおそれがある。特に,前記補間画像信号の精度が低い場合に,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期(点灯期間+消灯期間)が,前記液晶駆動部22による前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期,即ち前記垂直同期信号の周期と一致していると,動画表示における動きぼやけに悪影響を与える。
そこで,前記画像処理部41が,該画像処理部41により生成された補間画像信号が予め設定された設定精度を満たすか否かを判定する補間画像精度判定機能を有し,該判定結果に応じて前記バックライトスキャン処理の内容を変更することが考えられる。ここに,前記補間画像精度判定機能を具現するときの前記画像処理部41が補間画像精度判定手段に相当する。
【0033】
例えば,前記画像処理部41は,該画像処理部41により予め設定された数以上の補間画像信号の候補が生成された場合に,前記設定精度を満たさないと判定するものであることが考えられる。即ち,連続する2以上のフレーム画像に基づいて補間画像信号を生成する際に,異なる動きベクトルが多数想定された場合には,それらの動きベクトルに基づいて生成された補間画像信号の精度は低いと考えることができる。
そこで,例えば補間画像信号の候補として一つだけが生成された場合には,該補間画像信号の精度が十分に高く前記設定精度を満たすと判定し,補間画像信号の候補として二つ以上が生成された場合には,該補間画像信号の精度が低いため前記設定精度を満たさないと判定することが考えられる。
もちろん,前記補間画像信号の精度の判定手法はこれに限られず,予め設定された設定精度を満たすか否かを判断し得る何らかの指標(採用する補間画像信号とその前後のフレーム画像との画像比較処理結果など)に基づいて判断すればよい。
【0034】
そして,前記バックライト制御部32は,前記液晶駆動部22及び前記画像処理部41により前記補間画像挿入モードが実行される場合であっても,前記画像処理部41により前記設定精度を満たさないと判定された場合は,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期よりも長くし,或いは前記バックライトスキャン処理を無効化するように構成される。なお,前記画像処理部41により前記設定精度を満たすと判定された場合は,前述したように,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期(点灯期間+消灯期間)が,前記液晶駆動部22による前記液晶パネル21への1フレームの画像書込周期,即ち前記垂直同期信号の周期と一致することとなる。
このような構成によれば,前記画像処理部41により生成された補間画像信号が予め設定された設定精度を満たさない場合に,前記バックライトスキャン処理による動きぼやけへの悪影響を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は,テレビジョン受像機やディスプレイ装置などの液晶表示装置への利用が可能である。
【符号の説明】
【0036】
11…表示制御部
21…液晶パネル
22…液晶駆動部
31…バックライト光源
32…バックライト制御部
31a…LED光源
41…画像処理部
L1〜L12…LED光源群
X…液晶表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のクロック信号に従って液晶パネルに画像信号を書き込む画像書込手段と,前記液晶パネルの垂直方向における複数の表示領域に対応して並設された複数の光源を有するバックライト光源と,前記画像書込手段による画像信号の書き込み動作に連動して,所定の連続消灯期間及び所定の連続点灯期間からなる間欠点灯動作を前記光源各々に順次繰り返し実行させるバックライトスキャン処理を実行するバックライト制御手段と,連続する2以上のフレーム画像に基づいて補間画像信号を生成する補間画像生成手段とを備えてなる液晶表示装置であって,
前記画像書込手段が,前記画像信号が含まれた映像信号におけるフレーム周波数のn倍(但し,nは2以上の整数)の周波数の垂直同期信号に同期して前記液晶パネルへの画像信号の書き込みを行う場合に,前記補間画像生成手段により生成された前記補間画像信号をフレーム間に挿入して前記液晶パネルに書き込む第1の倍速駆動モードと,同一のフレーム画像をn回連続して前記液晶パネルに書き込む第2の倍速駆動モードとのいずれかを実行するものであり,
前記バックライト制御手段が,前記画像書込手段により前記第1の倍速駆動モードが実行される場合には,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期と一致させ,前記画像書込手段により前記第2の倍速駆動モードが実行される場合には,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期よりも長くし,或いは前記バックライトスキャン処理を無効化してなることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記バックライト制御手段が,前記画像書込手段により前記第2の倍速駆動モードが実行される場合に,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期のn倍とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記バックライト制御手段が,前記画像書込手段により前記第2の倍速駆動モードが実行される場合に,前記バックライトスキャン処理が実質的に無効化されるように前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を短くするものである請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記バックライト制御手段が,前記バックライトスキャン処理におけるnフレームの間における点灯率を一定に維持するものである請求項2又は3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記補間画像生成手段により生成された補間画像信号が予め設定された設定精度を満たすか否かを判定する補間画像精度判定手段を更に備えてなり,
前記バックライト制御手段が,前記画像書込手段により前記第1の倍速駆動モードが実行される場合であっても,前記補間画像精度判定手段により前記設定精度を満たさないと判定された場合は,前記バックライトスキャン処理における前記間欠点灯動作の実行周期を前記垂直同期信号の周期よりも長くし,或いは前記バックライトスキャン処理を無効化するものである請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記補間画像精度判定手段が,前記補間画像生成手段により予め設定された数以上の補間画像信号の候補が生成された場合に,前記設定精度を満たさないと判定するものである請求項5に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−39132(P2011−39132A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184138(P2009−184138)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】