説明

液晶表示装置

【課題】アクティブマトリクス基板上の電極と対向基板上のブラックマトリクスとの間に生じる電位に起因する光漏れを抑制する。
【解決手段】スイッチング素子が配置された一方の基板とブラックマトリクスが形成された他方の基板と液晶層とを少なくとも備える液晶表示装置において、ノーマリーブラックの第1の領域とノーマリーホワイトの第2の領域とを有し、第1の領域の一方の基板にはスイッチング素子に接続された第1画素電極と第1共通電極と第1共通電極に第1共通信号を供給する第1共通電極線を有し、第2の領域の一方又は他方の基板には第2共通電極を有し、第2の領域の一方の基板にはスイッチング素子に接続された第2画素電極と第2共通電極に第2共通信号を供給する第2共通電極線を有し、第1の領域に対向するブラックマトリクスと第2の領域に対向するブラックマトリクスが電気的に分離されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、透過領域と反射領域とを備えた半透過型液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、駆動の方法の違いによりパッシブマトリクス型とアクティブマトリクス型に大きく区別される。
【0003】
アクティブマトリクス型とは、画素毎にトランジスタないしはダイオード等の能動素子を設置し、それらを順次に時分割で選択してオン状態にして画素毎に形成される容量に信号電圧をチャージし、オフ状態の期間では信号電圧を保持させることで表示を行うものであり、時分割マトリクス駆動で液晶に電圧を印加し表示を行うパッシブマトリクス型に比べて高コントラストで大容量表示が可能であるという特徴を有している。
【0004】
アクティブマトリクス型液晶表示装置の液晶の動作モードとしては、基板間で液晶分子の分子軸の方向(以下、ダイレクタと呼ぶ。)を上下基板間で約90度回転させて液晶分子をツイスト配向させ、基板に対して垂直方向の電界により、ダイレクタを垂直方向に回転させて表示を行うツイステッドネマティック(TN:Twisted Nematic)モードが従来用いられてきた。
【0005】
しかしながら、このTNモードは、視野角が狭いという問題点がある。そのため、様々な方向から見ることのあるモバイル用途では斜め方向からの表示を視認出来なくなったり、大容量表示が進み画面面積が大きくなると、斜め方向のある視点から画面を見た場合に画面中央と画面端部とで見え方が異なり、正しい表示が不可能になる。
【0006】
この問題に対して、基板に対して平行方向に電界を発生させ、ダイレクタを水平面内で回転させて表示を行うインプレーンスイッチング(IPS:In Plane Switching)モードやフリンジフィールドスイッチング(FFS:Fringe Field Switching)モードが開発されている。このような、基板に平行な電界により液晶を駆動させる液晶表示装置は、液晶が水平方向に配向しているので視点を動かしても液晶の複屈折性が大きく変化しないため、TNモードの液晶表示装置に比べて、広視野角を達成することが出来る。
【0007】
また、液晶表示装置は、軽量・薄型・低消費電力という特徴から携帯電話器やPDA(Personal Digital Assistants)、業務用端末の表示画面として採用されているが、暗所や比較的明るくない場所では良い表示が行えるが、昼間の屋外や明るい事務所などでは外光の影響で視認性が大幅に劣化し、表示を確認できなくなる場面がある。そこで、外光を光源として反射板で反射することにより表示を行うことが出来る反射型液晶表示装置や画素を反射領域と透過領域に分割することで両方の表示を行うことが出来る半透過型液晶表示装置が開発されている(横電界方式の半透過型液晶表示装置に関しては、例えば、下記特許文献1〜3参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2007−41572号公報
【特許文献2】特開2007−322941号公報
【特許文献3】特開平11−174491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1の液晶表示装置は、IPSモードを用いた画素内に透過領域と反射領域を有する、半透過型液晶表示装置である。その構造を図26乃至図29に示す。図26は、半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図であり、(a)は反射板を除いた構造、(b)は、反射板を追加した構造、(c)は、更にブラックマトリクスを追加した構造を示している。また、図27は、半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図であり、(a)は図26(c)のA−A’断面、(b)は、B−B’断面、(c)は、C−C’断面の構造を示している。また、図28は、1画素の配線及び電極の構成を模式的に示す図であり、図29は、透過共通信号及び反射共通信号の波形を示す図である。
【0010】
図26乃至図29に示すように、特許文献1の液晶表示装置では、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)の存在する透明絶縁基板(以下、TFT基板10と呼ぶ。)上にマトリクス状に配置された複数の走査線12、信号線(データ線13)及び共通電極線を備え、共通電極線は透過領域3に基準電位を与える透過共通電極線18aと、反射領域2に基準電位を与える反射共通電極線18bとからなり、走査線12とデータ線13の交差部には、画素の透過領域3に対応した透過TFT14aと透過画素電極17aを有し、また、画素の反射領域2に対応した反射TFT14bと反射画素電極17bを有している。
【0011】
前記透過共通電極線18aには透過共通電極18a’が電気的に接続されており、また、前記反射共通電極線18bには反射共通電極18b’が電気的に接続されている。
【0012】
前記透過画素電極17aと前記透過共通電極18a’は、ストライプ状に両電極が平行になるように設置され、基板面に平行な両電極に直交する成分を主とした電界(透過)を発生でき、また、前記反射画素電極17bと前記反射共通電極18b’は、ストライプ状に両電極が平行になるように設置され、基板面に平行な両電極に直交する成分を主とした電界(反射)を発生できる。
【0013】
反射領域2の、反射画素電極17aと反射共通電極18b’の下には絶縁膜15bを介して反射板16が設置されている。
【0014】
特許文献1によると、IPSモードを用いた半透過型液晶表示装置では、透過領域3は電圧無印加時に黒となり電圧印加時に白となるノーマリーブラック表示となり、反射領域2は電圧無印加時に白となり電圧印加時には黒となるノーマリーホワイト表示となるため、同一の映像信号を使用した場合に、透過共通信号と反射共通信号は、図29のように位相を反転させる必要がある。
【0015】
その場合、隣接する画素間や、画素内の透過領域と反射領域の間でも、それぞれ異なった電位を与えることになるため、表示には無関係な電界がそれぞれの間に発生する。そこで、これらの光漏れを防ぐために、液晶表示装置では一般的に、クロムなどの金属やそれらの酸化積層膜、またはカーボン粒子を分散させた樹脂等で構成されたブラックマトリクス22で遮光する構造が用いられる。
【0016】
ここで、TNモードのアクティブマトリクス型液晶表示装置の場合は、対向基板20上にあるブラックマトリクス22は、対向基板20上の液晶面側に形成された透明電極により電界が遮蔽されているので、いかなる電位であろうとも、表示に影響を及ぼすような電界を発生しない。
【0017】
しかしながら、IPSモードのアクティブマトリクス型液晶表示装置の場合は、ブラックマトリクス22は、液晶層30との間にTNモードの透明電極のような遮蔽電極を持たず、ブラックマトリクス22の電位がTFT基板10に与える電気信号により影響を受けるため、表示に影響を与えることがある。
【0018】
特に、IPSモードの半透過型液晶表示装置では、図27に示すように、透過共通電極18a’と反射共通電極18b’がそれぞれブラックマトリクス22と重畳して配置されているために、両方の影響を受けることで、ブラックマトリクス22と透過共通電極18a’及び透過画素電極17aとの間で電位差を生じ、これにより、ダイレクタが平面方向に回転し、光漏れを生じていた。
【0019】
このような問題を解決するために、ブラックマトリクス22に電位を与える方法が特許文献3に開示されている。
【0020】
特許文献3では、共通電極に印加する信号と同じ信号をブラックマトリクス22に印加することで、ブラックマトリクス22の電位を共通電極と同じ電位にし、電位差によりダイレクタへの影響を抑制している。
【0021】
しかしながら、この文献では透過型のIPSにおいて、データ線とブラックマトリクスが対向する電位が影響されることを解決する方法として共通電極と同じ電位を与える方法を提案しているが、本発明で解決しようとしている反転駆動法では2種類の共通信号があるために、両方に合わせることが出来ず解決することは出来なかった。
【0022】
また、このように電位を与えるためには、ブラックマトリクス22の材料としては低抵抗なクロムなどの金属やそれらの酸化積層膜を使用する必要があり、これらの金属膜はバックライトから入射した光がこれら金属膜と走査線12やデータ線13、透過共通電極18a’と多重反射した後に出射することで、光漏れの要因になるなどの問題があった。
【0023】
さらに、対向基板側に電位を与えるためには、特許文献3にも記載されているように複数のプロセスが追加されるという問題があり、近年では、対向基板のカラーフィルタからのイオン成分の液晶への溶出を抑制する必要性から、カラーフィルタ上にさらにオーバーコートを形成するため、ブラックマトリクスに電位を与えるためにはオーバーコートにスルーホールを開けるプロセスも必要になってくる。
【0024】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、アクティブマトリクス基板上の電極と対向基板上のブラックマトリクスとの間に生じる電位に起因する光漏れを抑制することができる液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するため、本発明は、スイッチング素子がマトリクス状に配置された一方の基板と、導電性の材料からなるブラックマトリクスが形成された他方の基板と、前記二つの基板に挟持された液晶層と、を備える液晶表示装置において、前記液晶表示装置はノーマリーブラック表示となる第1の領域と、ノーマリーホワイト表示となる第2の領域とを有し、前記第1の領域の前記一方の基板には、前記スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と第1共通電極と前記第1共通電極に第1共通信号を供給する第1共通電極線を有し、前記第2の領域の前記一方の基板又は前記他方の基板には、第2共通電極を有し、前記第2の領域の前記一方の基板には、前記スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と前記第2共通電極に第2共通信号を供給する第2共通電極線を有しており、前記第1の領域に対向する部分のブラックマトリクスと、前記第2の領域に対向する部分のブラックマトリクスが、電気的に分離されているものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の液晶表示装置によれば、アクティブマトリクス基板上の電極と対向基板上のブラックマトリクスとの間に生じる電位に起因する光漏れを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
背景技術で示したように、半透過型液晶表示装置において、IPSモードを採用する場合には、黒表示と白表示とが反転し、通常の駆動方式において、透過領域をノーマリーブラックとすると、反射領域がノーマリーホワイトになるという問題がある。まず、この表示反転について説明する。
【0028】
なお、以下の説明において、光出射側(表示面側)の偏光板(第1偏光板)と、光入射側(バックライト側)の偏光板(第2偏光板)とは、偏光軸が互いに直交するように配置されているものとする。液晶層では、電圧無印加時に液晶分子の方向が、第2偏光板の偏光軸(光透過軸)方向から90°ずれた方向となるように配列されているものとする。例えば、第2偏光板の偏光軸方向を0°とすると、第1偏光板の偏光軸方向は90°に設定され、液晶層の液晶分子長軸方向は90°に設定される。液晶層は、透過領域ではリタデーションΔn・d(Δnは液晶分子の屈折率異方性、dは液晶のセルギャップ)がλ/2(λは光の波長)となるようにセルギャップが調整され、反射領域ではリタデーションがλ/4となるようにセルギャップが調整される。
【0029】
[反射領域]
まず、反射領域では、液晶層に電圧を印加しないときは、液晶層に第1偏光板を通過した90°方向(縦方向)の直線偏光が入射する。液晶層では、入射した直線偏光の光学軸方向と液晶分子の長軸方向が一致しているため、90°の直線偏光はそのまま液晶層を通過し、反射板に入射する。反射板では90°直線偏光のまま反射し、再び、液晶層を通過し、第1偏光板に入射する。第1偏光板の偏光軸方向は90°であるため、透過光は、第1偏光板を通過するため、白表示となる。
【0030】
また、液晶層に電圧を印加したときは、同様に、液晶層に第1偏光板を通過した90°方向(縦方向)の直線偏光が入射する。液晶層では、電圧印加により液晶層の長軸方向が基板面内で0°から45°に変化するため、入射光の偏光方向と液晶分子の長軸方向とが45°ずれており、また、液晶のリタデーションがλ/4に設定されているため、直線偏光は右回りの円偏光状態となって反射板に入射する。反射板で反射した光は、左回りの円偏光状態となって液晶層を再び通過し、横方向(0°方向)の直線偏光となって、第1偏光板に入射する。第1偏光板の偏光軸方向は90°であるため、反射光を通過させることができず、黒表示となる。従って、反射領域ではノーマリーホワイトとなる。
【0031】
[透過領域]
一方、透過領域では、液晶層に電圧を印加しないときは、液晶層には、第2偏光板を通過した横方向の直線偏光が入射する。液晶層では、入射光の偏光方向と分子方向長軸方向が直交しているため、偏光状態を変化させることなく、横方向の直線偏光のまま液晶層を通過し、第1偏光板に入射する。第1偏光板の偏光軸方向は90°であるため、透過光は、第1偏光板を通過することができず、黒表示となる。
【0032】
また、液晶層に電圧を印加したときは、同様に、液晶層には、第2偏光板を通過した横方向の直線偏光が入射する。液晶層では、電圧印加により液晶層の長軸方向が基板面内で0°から45°に変化するため、液晶層に入射した光の偏光方向と液晶分子の長軸方向とが45°ずれており、また、液晶のリタデーションがλ/2に設定されているため、横方向の直線偏光は縦方向の直線偏光となって第1偏光板に入射する。第1偏光板の偏光軸方向は90°であるため、透過光は、第1偏光板を通過し、白表示となる。従って、透過領域ではノーマリーブラックとなる。
【0033】
このように、半透過型液晶表示装置では、液晶層に電界を印加するときも、電界を印加しないときも、反射領域と透過領域とにおいて、白表示と黒表示が反転するという問題がある。そこで、この問題を解決するために、反射領域と透過領域とに反転する電圧を印加する方法(例えば、ゲートライン反転駆動やドット反転駆動)が用いられる。
【0034】
この方法を用いれば、透過領域のみに電圧を印加した場合は、透過領域及び反射領域共に白表示となり、反射領域のみに電圧を印加した場合は、透過領域及び反射領域共に黒表示となる。しかしながら、反射領域と透過領域とに異なる電圧を印加することによって、ブラックマトリクスと配線間に電位差が生じて電界が発生し、この電界によってダイレクタが平面方向に回転し光漏れが発生する。
【0035】
すなわち、反射共通電極及び透過共通電極に同位相の電圧を印加した場合は、図30(a)に示すように、ブラックマトリクスの電位は、反射共通電極及び透過共通電極と同位相となり、反射共通電極とブラックマトリクスの電位差、及び、透過共通電極とブラックマトリクスの電位差は共に小さいが、反射共通電極及び透過共通電極に逆位相の電圧を印加した場合は、ブラックマトリクスの電位は、反射共通電極及び透過共通電極のいずれか一方と同位相(図30(b)又は(c))、若しくは、双方の共通電極の電位の中間の電位(図30(d))となり、反射共通電極とブラックマトリクスの電位差、及び、透過共通電極とブラックマトリクスの電位差が大きくなり、この電位差による電界によってダイレクタが平面方向に回転する。
【0036】
ここで、ブラックマトリクスと各電極、配線で形成される電荷を計算する。
【0037】
まず、表示部に関して、図31に示すように、走査線の電位をV、データ線の電位をV、透過共通電極の電位をVTC、透過画素電極の電位をVTP、反射共通電極の電位をVRC、反射画素電極の電位をVRP、走査線とブラックマトリクスの間の容量をCBM−Ga、データ線とブラックマトリクスの間の容量をCBM−Da、透過共通電極とブラックマトリクスの間の容量をCBM−TCE、透過画素電極とブラックマトリクスの間の容量をCBM−TPE、反射共通電極とブラックマトリクスの間の容量をCBM−RCE、反射画素電極とブラックマトリクスの間の容量をCBM−RPEとすると、ブラックマトリクスと各電極、配線で形成される電荷は、次式で表される。
【0038】
BM−TCE×VTC+CBM−TPE×VTP+CBM−RCE×VRC+CBM−RPE×VRP+CBM−Ga×V+CBM−Da×V …(1)
【0039】
また、周辺部に関して、図32に示すように、走査線の電位をV、データ線の電位をV、透過共通電極線の電位をVTCL、反射共通電極線の電位をVRCL、走査線とブラックマトリクスの間の容量をCBM−Gb、データ線とブラックマトリクスの間の容量をCBM−Db、透過共通電極線とブラックマトリクスの間の容量をCBM−TCL、反射共通電極線とブラックマトリクスの間の容量をCBM−RCLとすると、ブラックマトリクスと各配線で形成される電荷は、次式で表される。
【0040】
BM−TCL×VTC+CBM−RCL×VRC+CBM−Gb×V+CBM−Db×V …(2)
【0041】
従って、ブラックマトリクスに乗る電荷の合計QBMは、次式のようになる。
【0042】
BM=(CBM−TCE+CBM−TCL)×VTC+CBM−TPE×VTP+(CBM−RCE+CBM−RCL)×VRC+CBM−RPE×VRP+(CBM−Ga+CBM−Gb)×V+(CBM−Da+CBM−Db)×V …(3)
【0043】
上記式の分子部分は、全画面を黒表示した場合に、透過画素電極に対して同じ又は同じ側の電荷QBM(1)と、透過画素電極に対して反転又は負に働く電荷QBM(2)とに分解することができる。
【0044】
BM(1)=(CBM−TCE+CBM−TCL)×VTC+CBM−TPE×VTP+(CBM−Da+CBM−Db)×V+CBM−RPE×VRP(書き込みフレームから2nフレーム) …(4)
【0045】
BM(2)=(CBM−RCE+CBM−RCL)×VRC+CBM−RPE×VRP(書き込みフレームから2n+1フレーム)+(CBM−Ga+CBM−Gb)×V …(5)
【0046】
また、ブラックマトリクスの電位VBMは、次式のようになる。
【0047】
BM=QBM/CBMTOTAL
=[(CBM−TCE+CBM−TCL)×VTC+CBM−TPE×VTP+(CBM−RCE+CBM−RCL)×VRC+CBM−RPE×VRP+(CBM−Ga+CBM−Gb)×V+(CBM−Da+CBM−Db)×V]/[CBM−TCE+CBM−TCL+CBM−TPE+CBM−RCE+CBM−RCL+CBM−RPE+CBM−Ga+CBM−Gb+CBM−Da+CBM−Db] …(6)
【0048】
ここで、表示部における、走査線とデータ線は、透過共通電極または反射共通電極により覆い、電気的にシールドする構造をとっているため、それぞれのブラックマトリクスの影響はないものと考えてよい。また周辺部の走査線およびデータ線についても、たとえば、透過共通電極と同じ導電膜を使用して覆うことで同様にブラックマトリクスへの影響をなくすことができる。このような構造にすることで、実質的に、CBM−Da、CBM−Db、CBM−Ga、CBM−Gbの項がなくなり、反射共通電極、反射共通電極線、透過共通電極、透過共通電極線のそれぞれとブラックマトリクスとの相互作用を考えればよくなる。
【0049】
液晶表示装置において、共通電極と画素電極との間に電圧が印加されていない領域で、ブラックマトリクスの電位の影響が大きくなり、また、黒表示状態で光漏れによって表示品位が大きく劣化するが、前述したように、ゲートライン反転駆動やドット反転駆動を用いた場合、反射領域のみに電圧を印加した場合に黒表示となることから、VBMとVTCとの電位差が小さくするためには、QBM(1)の寄与を大きくするか、QBM(2)の寄与を小さくする必要がある。
【0050】
また、電荷Q∝容量C×電圧V∝ε×S×V/d(εはブラックマトリクスと各電極、配線との間の構成物質の比誘電率、Sはブラックマトリクスと各電極、配線とが重畳する面積、dはブラックマトリクスと各電極、配線との間の距離)の関係がある。
【0051】
従って、透過領域の電極とブラックマトリクスとの間の電位差を小さくするためには以下の方法が有効になる。
【0052】
(1)容量はブラックマトリクスと各電極、配線とが重畳する面積に比例して変化することから、QBM(1)の寄与を大きくするために、CBM−TCE、CBM−TCL、CBM−TPE、CBM−Da、CBM−Dbを形成する電極面積を大きくするか、又は、QBM(2)の寄与を小さくするために、CBM−RCE、CBM−RCL、CBM−Ga、CBM−Gbを形成する電極面積を小さくするか、又は、透過領域の電位が影響しないようにブラックマトリクスを分離・シールドする。
【0053】
(2)また、電荷は電圧に比例して変化することから、QBM(1)の寄与を大きくするために、VTCを上げるか、又は、QBM(2)の寄与を小さくするために、VRC、Vを下げる。すなわち、透過共通信号の振幅を増加させるか、反射共通信号の振幅を小さくするか、ゲート信号のオフ信号時の電圧を大きくすればよい。
【0054】
(3)また、容量はブラックマトリクスと各電極、配線との間の距離に反比例することから、QBM(1)の寄与を大きくするために、ブラックマトリクスと透過共通電極、透過画素電極、データ線との間隔を小さくするか、又は、QBM(2)の寄与を小さくするために、ブラックマトリクスと反射共通電極、走査線との間隔を大きくする。
【0055】
(4)また、容量はブラックマトリクスと各電極、配線との間の構成物質の比誘電率に比例することから、QBM(1)の寄与を大きくするために、ブラックマトリクスと透過共通電極、透過画素電極、データ線との間に高誘電率の部材を挟むか、又は、QBM(2)の寄与を小さくするために、ブラックマトリクスと反射共通電極、走査線との間に低誘電率の部材を挟む。
【0056】
これらの方法を用いることにより、透過領域の電極とブラックマトリクスとの間の電位差を小さくすることができ、好ましくは、その電位差を液晶が動作する閾値以下にすることにより、光漏れを抑制することができる。以下、各々の方法について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0057】
まず、本発明の第1の実施例に係る液晶表示装置について、図1乃至図15を参照して説明する。図1は、本実施例の半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図であり、(a)は反射板を除いた構造、(b)は、反射板及びブラックマトリクスを追加した構造を示している。また、図2は、本実施例の半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図であり、(a)は図1(b)のA−A’断面、(b)は、B−B’断面、(c)は、C−C’断面、の構造を示している。また、図3乃至図5は、本実施例の半透過型液晶表示装置の他の構造を示す図であり、図6は、本実施例の効果を示す図である。また、図7乃至図10は、反転駆動を説明する図であり、図11乃至図15は、本実施例の構造を適用する液晶表示装置の種類を示す図である。
【0058】
図1及び図2に示すように、本実施例の液晶表示装置は、視認面側に配置される第1の基板(ここでは対向基板20と呼ぶ。)と、TFT(Thin Film Transistor)などの能動素子を備え、透過型液晶表示装置として機能する透過領域と反射型液晶表示装置として機能する反射領域とが形成された第2の基板(ここではTFT基板10と呼ぶ。)と、両基板間に狭持される液晶層30と、対向基板20の視認面側に配置された第1偏光板(図示せず)と、TFT基板10のバックライト光源側に配置された第2偏光板(図示せず)などで構成される。
【0059】
TFT基板10は、透明絶縁基板11上に、マトリクス状に配置された複数の走査線12、データ線13及び共通電極線5を備え、共通電極線は透過領域3に基準電位を与える透過共通電極線18aと、反射領域2に基準電位を与える反射共通電極線18bとからなり、走査線12とデータ線13の交差部には、画素の透過領域3に対応した透過TFTと透過画素電極17aを有し、また、画素の反射領域2に対応した反射TFTと反射画素電極17bを有している。
【0060】
透過共通電極線18aには透過共通電極18a’が電気的に接続されており、また、反射共通電極線18bには反射共通電極18b’が電気的に接続されている。
【0061】
上記透過共通電極18a’、透過画素電極17a、反射共通電極18b’、反射画素電極17bは、通常、ITO(Indium Tin Oxide)などで形成される。そして、透過画素電極17aと透過共通電極18a’は、図1に示すようにストライプ状に両電極が平行になるように設置され、基板面に平行な両電極に直交する成分を主とした電界(透過)を発生でき、また、前記反射画素電極17bと前記反射共通電極18b’は、図1に示すようにストライプ状に両電極が平行になるように設置され、基板面に平行な両電極に直交する成分を主とした電界(反射)を発生できる。
【0062】
反射領域には、図1及び図2(a)に示すように、反射共通電極18b’と反射画素電極17bの下に絶縁膜15bを介して反射板15が形成されている。
【0063】
TFT基板10の液晶層30側には、液晶配向を制御する配向膜(図示せず)が形成されている。
【0064】
また、対向基板20は、透明絶縁基板21上に、ブラックマトリクス22とカラーフィルタ23とが形成されている。
【0065】
ブラックマトリクス22はカーボン粒子や黒色顔料を樹脂に分散させることで形成され、表示部の光漏れを遮光する部分、たとえば走査線12やデータ線13に重なる部分に配置され、画素間や透過領域と反射領域の間で生じる電極間の電界によって生じる光漏れを遮光し、また、表示部以外の配線間の光漏れを抑制する。
【0066】
また、TFT基板10と対向基板20との間隔、すなわち、液晶層30の厚さは、透過領域では電圧を印加し白を表示するときに位相差がλ/2になるように、また、反射領域では電圧を印加し黒を表示する時に位相差がλ/4になるように設定されている。
【0067】
液晶層30の液晶分子は、基板間で平行なホモジーニアス配向をし、ダイレクタの方向は、電極のストライプ方向から15度傾いた方向に配向させ、共通電極と画素電極の間で形成される電界によって方向が変えられる。
【0068】
TFT基板10と対向基板20の液晶層30と反対側には、それぞれ偏光板が吸収軸を直交するように配置され、初期のダイレクタ方向と偏光板のいずれか一方の吸収軸の方向が一致するように配置している。
【0069】
なお、本実施例は、TFT基板10に形成される共通電極線又は共通電極と、対向基板20に形成されるブラックマトリクス22との位置関係に特徴を有するものであり、各構成部材の材料や膜厚、製造方法等は特に限定されない。
【0070】
ここで、前述したように、半透過型液晶表示装置では黒表示と白表示とが反転するために、透過領域と反射領域とに位相の異なる電圧を印加して駆動する必要があり、位相の異なる電圧を印加するとブラックマトリクス22の電位が変動し、透過共通電極線18a、透過共通電極18a’、透過画素電極17aとブラックマトリクス22との間の電位差が大きくなる。
【0071】
そこで、本実施例では、この問題を解決するために、透過共通電極線18a、透過共通電極18a’、透過画素電極17aとブラックマトリクス22とが重畳する面積が大きくなるようにする。
【0072】
具体的には、図1及び図2(b)、(c)に示すように、データ線13上には透過共通電極18a’及び反射共通電極18b’が配置されており、ブラックマトリクス22はデータ線13を覆うように配置されることから、透過共通電極18a’上に配置されるブラックマトリクス22の幅を、反射共通電極18b’上に配置されるブラックマトリクス22の幅よりも広くする。これにより、透過共通電極18a’とブラックマトリクス22の間の容量CBM−TCEを形成する電極面積が、反射共通電極18b’とブラックマトリクス22の間の容量CBM−RCEを形成する電極面積よりも大きくなり、透過共通電極18a’に対して同じ又は同じ側の電荷QBM(1)の寄与を大きくすることができる。
【0073】
なお、この場合において、透過共通電極18a’上に配置されるブラックマトリクス22の幅を、図26(c)に示す従来構造よりも広くしてもよいし、反射共通電極18b’上に配置されるブラックマトリクス22の幅を、図26(c)に示す従来構造よりも狭くしてもよい。反射共通電極18b’上に配置されるブラックマトリクス22の幅を狭くした場合、ブラックマトリクス22脇からの光漏れが懸念されるが、その場合は、反射領域2の反射共通電極18b’及び反射画素電極17bを、ITOを酸化処理により黒色化したり、ITO膜厚を増やしITOの透過率を下げることで反射光を低減したり、反射板よりも反射率の低い金属(たとえば、クロムやモリブデンなどの金属膜)、望ましくは低反射処理をした金属(たとえば2層クロムCr/CrOや2層ニッケルNi/NiO等の酸化積層膜)を適用することでブラックマトリクス脇からの光漏れを抑制することが出来るし、また、反射共通電極と反射画素電極上で、それらの間とは異なる液晶配向を行うことにより生じる光漏れも同時に抑制することが出来、反射のコントラストを上昇させることが出来る。
【0074】
図1及び図2では、透過共通電極18a’上に配置されるブラックマトリクス22の幅を広く、又は、反射共通電極18b’上に配置されるブラックマトリクス22の幅を狭くしたが、例えば、図3に示すように、データ線13上の反射共通電極18b’の狭くしても同様の効果を得ることができるし、図4に示すように、データ線13上の透過共通電極18a’の幅を広くしても同様の効果をえることができる。
【0075】
また、図1乃至図4では、表示部の電極とブラックマトリクス22との関係を規定したが、表示部の周囲の周辺部には透過共通電極線18aや反射共通電極線18bが引き回されていることから、図5に示すように、透過共通電極線18(非反転増幅回路に接続されている配線、図では濃い色の配線)の幅を広くしてもよいし、反射共通電極線18b(反転増幅回路に接続されている配線、図では薄い色の配線)の幅を狭くしてもよい。
【0076】
以上、透過共通電極線18a、透過共通電極18a’、透過画素電極17aとブラックマトリクス22とが重畳する面積を大きくする手法を示したが、ブラックマトリクス22と重畳する面積をどの程度にすればよいかを確認するために、従来と同様に、反射領域2と透過領域3とで同じ幅のブラックマトリクス22を形成した試料と、上記いずれかの方法で、透過共通電極18aとブラックマトリクス22の重畳面積を、反射共通電極18b’とブラックマトリクス22の重畳面積に対して、相対的に変化させた試料とを作成した。
【0077】
そして、走査線12毎に画素電位及び共通電位の位相が反転するゲートライン反転駆動を行い、表示を行った。この場合、図7及び図8に示すように、透過画素電極17aと反射画素電極17bにはデータ線13から同一の信号(D)がそれぞれのTFTから供給される。また、透過共通電極線18aには、ライン毎に反転する透過共通信号(Tcom)が送られ、反射共通電極線18bには、透過共通信号とは位相が反転した反射共通信号(Rcom)が供給される。
【0078】
なお、図7及び図8では、反射共通信号(Rcom)の振幅は、透過共通信号(Tcom)と同じ振幅にしているが、共通電極と画素電極との間隔や液晶層の厚さによって同じになるようにしてもよいし、異なるようにしてもよい。ここでは、透過共通信号(Tcom)の振幅が5.2Vで、反射共通信号(Rcom)の振幅も同じになるように調整した。また、透過画素電極17aと透過共通電極18a’の間隔が8μm、反射画素電極17bと反射共通電極18b’の間隔が4μmになるようにし、透過領域3の液晶層30の厚さが3.2μm、反射領域2の液晶層30の厚さが2.0μmになるようにした。
【0079】
上記ゲートライン反転駆動について概説すると、図7(a)において、G及びDがHighになるラインでは、反射領域及び透過領域の各画素の透過画素電極17a及び反射画素電極17bにD信号が与えられ、その電位は+5Vになるが、透過共通信号(Tcom)は0V、反射共通信号(Rcom)は+5Vであるため、透過画素電極17aと透過共通電極18a’との電位差は+5V、反射画素電極17bと反射共通電極18b’との電位差は0Vになる。また、G及びDがLowになるラインでは、透過画素電極17a及び反射画素電極17bの電位は0Vになるが、Tcomは+5V、Rcomは0Vであるため、透過画素電極17aと透過共通電極18a’との電位差は+5V、反射画素電極17bと反射共通電極18b’との電位差は0Vになる。その結果、透過領域のみ液晶層に電界が加わり、液晶分子が回転することになる。
【0080】
この状態において、反射領域2及び透過領域3共にIPSモードで駆動する液晶表示装置では、図11及び図12に示すように、反射領域(図12の上段右側)では、液晶層に第1偏光板を通過した90°方向(縦方向)の直線偏光が入射して液晶層を通過し、反射板で反射して90°直線偏光のまま、再度、液晶層を通過して第1偏光板に入射し第1偏光板を通過する。一方、透過領域(図12の上段左側)では、液晶層に第2偏光板を通過した横方向の直線偏光が入射するが、電圧印加により液晶層における液晶層の長軸方向が変化するため、液晶層に入射した横方向の直線偏光は縦方向の直線偏光となって第1偏光板に入射し第1偏光板を通過する。従って、反射領域及び透過領域共に白表示となる。
【0081】
また、図7(b)において、GがHigh、DがLowになるラインでは、透過画素電極17a及び反射画素電極17bの電位は0Vになるが、Tcomは0V、Rcomは+5Vであるため、透過画素電極17aと透過共通電極18a’との電位差は0V、反射画素電極17bと反射共通電極18b’との電位差は+5Vになる。また、GがLow、DがHighになるラインでは、透過画素電極17a及び反射画素電極17bの電位は+5Vになるが、Tcomは+5V、Rcomは0Vであるため、透過画素電極17aと透過共通電極18a’との電位差は0V、反射画素電極17bと反射共通電極18b’との電位差は+5Vになる。その結果、反射領域のみ液晶層に電界が加わり、液晶分子が回転することになる。
【0082】
この状態では、図11及び図12に示すように、反射領域(図12の下段右側)では、液晶層に第1偏光板を通過した90°方向(縦方向)の直線偏光が入射するが、電圧印加により液晶層における液晶層の長軸方向が変化するため、液晶層に入射した縦方向の直線偏光は、左回りの円偏光状態となって反射板に入射する。この左回りの円偏光は、反射板で反射して左回りの円偏光状態となり、液晶層を再び通過し、横方向(0°方向)の直線偏光となって、第1偏光板に入射する。第1偏光板の偏光軸方向は90°のため反射光を通過させない。一方、透過領域(図12の下段左側)では、液晶層に第2偏光板を通過した横方向の直線偏光が入射して液晶層を通過し、第1偏光板に入射する。第1偏光板の偏光軸方向は90°のため、透過光を通過させない。従って、反射領域及び透過領域共に黒表示となる。
【0083】
このように、透過領域3と反射領域2の表示を同一の映像信号与えても反射表示と透過表示が同じ黒表示や白表示を行うことが出来る。
【0084】
ここで、透過共通電極線18aとブラックマトリクス22が対向して重畳している面積をSt1、透過共通電極18a’とブラックマトリクス22が対向して重畳している面積をSt2、反射共通電極線18bとブラックマトリクス22が対向して重畳している面積をSr1、反射共通電極18b’とブラックマトリクス22が対向して重畳している面積をSr2とすると、各重畳部分の透過共通信号が占める比(面積透過比αと呼ぶ。)は次式のようになる。
【0085】
面積透過比α=(St1+St2)/(St1+St2+Sr1+Sr2) …(7)
【0086】
そして、上記したいずれかの方法で、透過共通電極18a’及び透過共通電極線18aとブラックマトリクス22の重畳面積を、反射共通電極18b’及び反射共通電極線18bとブラックマトリクス22の重畳面積に対して、相対的に変化させて、αが54%,64%、72%、100%となるように作成した試料を用いてコントラスト比を測定した。なお、α=100%とは、反射共通電極線18bに透過共通信号(Tcom)を印加した状態をさす。
【0087】
その結果、図6に示すように、α=54%の試料ではコントラスト比は140:1、α=64%の試料では180:1、α=72%の試料では450:1、α=100%の試料では450:1と変化した。
【0088】
また、オシロスコープにて波形を調べたところ、α=54%の試料では、走査線の信号の影響でブラックマトリクス22の電位(図の細かい破線)は、Aのライン(透過共通信号がLow、反射共通信号がHighのライン)とAの次のラインのBのライン(透過共通信号がHigh、反射共通信号がLowのライン)の両方において電位が変化しない中間的な電位となっており、ブラックマトリクス22の電位はA、Bともに透過共通信号と大きな電位差を生じることで、コントラスト比が低下したと考えられる。また、α=72%の試料では、走査線の信号の影響でブラックマトリクス22の電位は、位相がAのラインでもBのラインでも透過領域寄りになっているため、透過共通信号との電位差が大きくならず、その結果、液晶がブラックマトリクスと透過共通電極および透過画素電極との間で動作せずに光漏れを生じなかったことでコントラスト比が向上したと考えられる。また、この実験では、走査線のシールドが一部されておらず、そのために、TFTをオンさせる電圧(+12V)が流れている時間よりもオフさせている電圧(−12V)が流れている時間の方が長く、そのために全体として、マイナス側にシフトしている。すなわち、α=54%の場合、Aラインでは透過共通信号よりになっているのに対し、Bラインでは反射共通信号よりになってしまい、Bラインのときにより光漏れが生じる原因になっており、走査線をシールドすることが必要である。
【0089】
ここで、ブラックマトリクスの電位は、対向基板を削りブラックマトリクスを露出させ、直接またはハンダ等の導電物と接触させた状態でオシロスコープを用いて測定することができる。また、反射共通信号および透過共通信号は、TFT基板の反射共通信号線および透過共通信号線を覆う膜をブラックマトリクスの電位を測定するのと同様に削りオシロスコープで測定することができるし、TFT基板の外から供給されている場合には、それを測定してもよい。
【0090】
また、黒表示の画素を観察したところ、α=54%にした場合には、透過共通電極18a’の周辺が光っているのに対して、α=72%、α=100%の場合には、光漏れがなかった。
【0091】
以上の結果から、面積透過比α>72%となるように、共通電極線又は共通電極とブラックマトリクス22とが重畳する面積を調整すれば、透過画素電極17a’と透過共通信号との間に電位差がない黒表示を行ったときにも、ブラックマトリクス22と透過共通信号の電位差が小さくなるために、ダイレクタの回転が抑制され、光漏れを抑制できる。
【0092】
ここで、St1、St2、Sr1、Sr2で形成される面積から容量を計算し、それぞれCt1、Ct2、Cr1、CCr2とすると、容量透過比αcは次式表される。
【0093】
容量透過比αC=(Ct1+Ct2)/(Ct1+Ct2+Cr1+Cr2) …(8)
【0094】
αS=54%,64%、72%、100%のそれぞれの水準はαC=50%、60%、73%、100%となる。透過共通信号と反射共通信号は同じ振幅の信号を印加しているために、ブラックマトリクスの電位は、αCがそのままブラックマトリクスの電位がどちらがわに偏っているのか分かる。αC=50%の場合にはブラックマトリクスの電位は透過共通信号と反射共通信号の中間電位(図6左下)の電位となり、容量透過比が増えるに従い、ブラックマトリクスの電位が透過の電位に近くなり、透過共通電極とブラックマトリクスの電位差が小さくなり、光漏れが減少していることがわかる。
【0095】
なお、上記実施例では、半透過型液晶表示装置を走査線12毎に画素電位及び共通電位の位相が反転するゲートライン反転駆動で動作させる場合を示したが、反射領域と透過領域にそれぞれ異なる画素信号を印加し、共通信号は反射領域も透過領域も同じ信号を与えて駆動する、図9及び図10に示すようなドット反転駆動で動作させても同様の効果を得ることができる。図の例では、透過領域と反射領域に同じデータ線を用いて、それぞれの領域にゲート線を用意して1ラインでそれぞれ別の信号を印加する方法を示しているが、透過領域と反射領域で異なる画素信号が印加される方法であれば、他の方法を用いてもよい。
【0096】
また、本発明は、反射領域2及び透過領域3を共にIPSモードで駆動する液晶表示装置に限らず、図15に示すように、反射領域2と超過領域3の両方または一方をFFSモードで駆動する液晶表示装置に対しても同様に適用することができし、図13及び図14に示すように、反射共通電極18b’が対向基板20に形成され、反射画素電極17bがTFT基板10に形成され、TFT基板10と対向基板20間の電界で液晶30の複屈折を制御するECB(Electrically Controlled Birefringence)モードで駆動する液晶表示装置にも同様に適用できる。
【0097】
図13及び図14では、反射領域2の液晶30をホモジーニアス配向させ、反射領域2に位相差板を形成して表示する方法を示しているが、基板に垂直なVA(Vertical Alignment)方式を用いても同様に反転駆動によりノーマリーブラックとノーマリーホワイトがある状態でもそろった表示をすることが出来る。
【0098】
ここではノーマリーブラックを透過領域にノーマリーホワイトを反射領域に表示するような構成を採用したが、たとえば透過領域にも反射領域にもIPS方式を用いた場合には、偏光板の角度を45°回転させることで、透過領域をノーマリーホワイト、反射領域をノーマリーブラックにすることが出来る。
【実施例2】
【0099】
次に、本発明の第2の実施例に係る液晶表示装置について、図16乃至図18を参照して説明する。図16及び図17は、本実施例の半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図である。また、図18は、反射共通信号の振幅を変化させた時のコントラストを測定した図である。
【0100】
前記した第1の実施例では、透過共通電極18a’とブラックマトリクス22の重畳面積を大きくすることによって、透過共通信号の影響を大きくしたが、反射共通信号の影響を小さくすることによっても同様の効果が期待できる。本実施例では第1の実施例と同様に液晶層の厚さや透過共通電極と透過画素電極の間隔8μmに対して反射共通電極と反射画素電極の間隔を4μmと半分になるように形成しているが、電極本数が増加すると、電極上の液晶は電極間の液晶よりも基板平面方向に対して回転しないために常時光るような問題がある。そこで、反射の電極間隔を4μmから6μmに広げることで、電極の面積を削減することができる。しかしながら、電極間隔を増やすことで、電極間にかかる電圧を増加する必要があり、反射共通信号を8Vまで増加させる必要がある。
【0101】
まず、反射共通信号の影響を確認するために、反射共通電極18b’に印加する電圧を変化させた時のコントラストの変化を測定した。その結果を図18に示す。図18より、反射共通信号の振幅が大きくなるに従って、白表示の輝度が低下し、黒表示の輝度が上昇してコントラストが低下している。また、各状態の電圧をオシロスコープで確認すると、反射共通信号の振幅が0Vの場合は、ブラックマトリクス22の電位は透過共通信号に追従しているが、反射共通信号と透過共通信号の振幅が共に5.2Vで逆位相の場合は、ほぼ一定の値になり、反射共通信号の振幅が8Vになると、ブラックマトリクス22の電位は反射共通信号に追従している。従って、反射共通信号の振幅が大きくなると、ブラックマトリクス22の電位が反射共通信号に引っ張られ、その結果、反射共通信号と逆位相の透過共通信号とブラックマトリクス22との間の電位差が大きくなって光漏れが生じ、コントラストが低下すると考えられる。
【0102】
そこで、本実施例では、透過共通信号とブラックマトリクス22との間の電位差を抑えるために、例えば、図16に示すように、表示部において、反射領域2のブラックマトリクス22と透過領域3のブラックマトリクス22を電気的に分離する。また、図17に示すように、表示部の周辺部において、透過共通電極線18a上のブラックマトリクス22と反射共通電極18b上のブラックマトリクス22をパターンにスリットを形成することで電気的に分離する構造を採用した。また、図17に示すように、表示部の外側、周辺部を形成するブラックマトリクス22のうち、反射共通電極線18b上のブラックマトリクスを表示部にあるブラックマトリクス22とは、パターンにスリットを形成することで電気的に分離する構造を採用することもできるし、ブラックマトリクス22を表示部と周辺部でパターンにスリットを形成することで電気的に分離することもできる。
【0103】
このようにブラックマトリクス22を分離することによって、反射共通信号の振幅にかかわらず、ブラックマトリクス22の電位を透過共通信号に追従させることができ、その結果、透過共通電極18a’又は透過共通電極18aとブラックマトリクス22との間の電位差に起因する光漏れを抑制することができ、透過領域に形成されたブラックマトリクスを反射領域に形成されたブラックマトリクスの間にスリットを形成し電気的に分離することでコントラストが450:1を実現することができた。
【0104】
なお、図16の構造では、ブラックマトリクス22を分離した部分(スリット部)に対応する領域には走査線12が形成されているため、透過光が漏れる心配はなく、またこの部分を反射板で覆う構造にしても同様の効果を得ることが出来る。また、走査線12を遮光性の部材で形成すれば反射光による光漏れが生じることはない。ここでは、表示部で分離する構造を採用することでCBM−RCEの影響を透過領域に影響するブラックマトリクスの電位から除外することが出来ることを説明したが、周辺部分のブラックマトリクスを透過領域に接続されているブラックマトリクスと電気的に分離することで、CBM−RCLの影響を除外することが出来、透過共通信号の影響が相対的に大きくなる。
【実施例3】
【0105】
次に、本発明の第3の実施例に係る液晶表示装置について、図19を参照して説明する。図19は、本実施例の半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【0106】
前記した第2の実施例では、ブラックマトリクス22を分離することによって、ブラックマトリクス22が反射共通信号の影響を受けないようにしたが、反射共通電極18b’又は反射共通電極線18bを導電膜で覆い別の電位を与えることでシールドすることによっても、反射共通信号の影響を抑制することができる。
【0107】
たとえば、図19に示すように、液晶表示装置のTFT基板10の周辺部の反射共通電極線18b(図の反転増幅回路に接続される配線)をゲート線と同じ金属で形成し、その上に画素電極や共通電極と同じITOでシールドを形成し、コンタクトホールを通じて透過共通電極線と接続することで透過共通信号を与える。このようにすることで、反射共通電極線とブラックマトリクスが重畳していた面積を、透過共通電極線と同位相の電位に変えることができ、ブラックマトリクスの電位が透過共通信号の寄与分を増やすことができる。
【0108】
反射共通電極線はゲート線と同じ金属、シールドを画素電極や共通電極と同じ金属で形成する方法を示したが、反射共通電極線とブラックマトリクスの間に導電層を形成し、透過共通信号の電位を与えればよいため、ほかの層の導電層で形成してもよいし、新たにシールドのための部材を追加してもよい。また、シールドを形成するのはTFT基板に限らず、対向基板側に形成してもよく、その場でも同様に透過共通信号を与えるようにすればよい。
【実施例4】
【0109】
次に、本発明の第4の実施例(参考発明)に係る液晶表示装置について、図20及び図21を参照して説明する。図20及び図21は、本実施例の半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図及び接続部の断面図である。
【0110】
前記した第1乃至第3の実施例では、透過共通信号の影響を受けやすく、若しくは、反射共通信号の影響を受けにくくする方法を示したが、ブラックマトリクス22に透過共通信号を印加することによって、透過共通電極とブラックマトリクスの電位差をなくすことができる。
【0111】
本実施例では、図20に示すように、周辺部(例えば、図の破線部)において、TFT基板10の透過共通電極線18a上にコンタクト電極を形成し、導電性ペーストや表面に導電処理を行った粒子などを用いてコンタクト電極とブラックマトリクス22とを接続することで、電位を与えることができる。また、図21に示すように透過共通電極線18aとは別にブラックマトリクスに透過共通信号とは同位相の信号を与える回路を別途用意し、図20と同様の方法で接続する方法もある。このような方法にすると、透過共通信号とは別の信号を印加することができるため、例えば表示によって別の信号を与えるようにすることもできる。
【0112】
ここで、ブラックマトリクス22は、カーボンブラックを樹脂に分散させたものでもよいが、十分に電位を与えるためにはコンタクトする領域を広くとる必要があるが、ブラックマトリクスの少なくともコンタクトする領域に導電膜を形成する方法も用いることができるし、ブラックマトリクスにCrなどの金属やそれらに金属酸化物を積層させたものを使用すればコンタクトホールを小さくすることができる。
【0113】
なお、透過共通電極線18a又はブラックマトリクス電極線とブラックマトリクス22の接続構造や接続位置は図の構成に限定されない。
【実施例5】
【0114】
次に、本発明の第5の実施例に係る液晶表示装置について、図22乃至図25を参照して説明する。図22乃至図25は、本実施例の半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【0115】
前記した第1乃至第4の実施例では、共通電極やブラックマトリクス22の形状や構造に関して示したが、共通電極とブラックマトリクス22との間隔や誘電率を変えることによっても同様の効果を得ることができる。
【0116】
例えば、図22に示すように、データ線上のパッシベーション膜と反射膜の間に液晶層の厚さを調整するための段差膜を作らずに、対向基板側に段差膜を形成する構成にすることができる。ここでパッシベーション膜を凹凸膜と兼ねるようにすることもできる。このような構成にすることで、反射の液晶層の厚さを透過よりも薄くしてもブラックマトリクスと反射共通電極および反射画素電極との距離を広げることができ、その間に形成される容量CBM−RCE、CBM−RPEを小さくすることができる。構造体は、液晶よりも誘電率を低いものを採用すれば、さらに、CBM−RCE、CBM−RPEを小さくすることができる。このような構造にすることで、反射領域の面積が第1の実施例と同じであっても、ブラックマトリクス22を不要に削減することなくブラックマトリクスの電位を制御することが可能になり、コントラストが上昇する。
【0117】
また、図23に示すように、ブラックマトリクスとカラーフィルタに積層されているオーバーコートを透過領域と反射領域で異なる材料を採用し、反射領域のオーバーコートが透過領域のオーバーコートよりも誘電率の低い材料を採用することでも、CBM-RCE、CBM-RPEを小さいくすることができるし、図24に示すように、カラーフィルタを反射領域と反射領域で異なる材料を採用し、反射領域のカラーフィルタが透過領域のカラーフィルタよりも誘電率の低い材料を採用することでも、CBM−RCE、CBM−RPEを小さくすることができる。
【0118】
この低誘電率層は、反射共通電極線および走査線とブラックマトリクスの間に形成することでも、反射共通電極線および走査線とブラックマトリクスの間の容量CBM−RCL、CBM−Gaを同様に小さくすることができる。たとえば、図25に示すように、TFT基板の反射共通電極線および走査線の上に、液晶よりも低誘電率の構造体を入れることで実現することができる。この構造体は絶縁膜15bまたは、段差膜により形成してもよいし、新たに作成してもよい。また、ここでは、TFT基板側に作成する例を示したが、対向基板に形成することでも同様な効果を得ることができる。
【0119】
なお、上記各実施例の構造は個別に適用してもよいし、これらを任意に組み合わせてもよい。また、本発明は、上記実施例の記載に限定されるものではなく、ノーマリーブラックの領域の共通電極及び画素電極とブラックマトリクスとの間に形成される電位差が、ノーマリーホワイト領域の共通電極及び画素電極とブラックマトリクスとの間に形成される電位差のいずれか一方の大きい方よりも小さくなる構造であればよい。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、ノーマリーブラックの領域とノーマリーホワイトの領域とを有する液晶表示装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の第1の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図であり、(a)は反射板を除いた構造、(b)は、反射板及びブラックマトリクスを追加した構造を示している。
【図2】本発明の第1の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図であり、(a)は図1(b)のA−A’断面、(b)は、B−B’断面、(c)は、C−C’断面、の構造を示している。
【図3】本発明の第1の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【図6】本発明の第1の実施例の効果を示す図であり、面積透過比とコントラストとの相関を示している。
【図7】ゲートライン反転駆動を説明する図である。
【図8】ゲートライン反転駆動を説明する図である。
【図9】ドット反転駆動を説明する図である。
【図10】ドット反転駆動を説明する図である。
【図11】IPS(反射)/IPS(透過)の半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図12】IPS(反射)/IPS(透過)の半透過型液晶表示装置の動作を示す図である。
【図13】ECB(反射)/IPS(透過)の半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図14】ECB(反射)/IPS(透過)の半透過型液晶表示装置の動作を示す図である。
【図15】FFS(反射)/FFS(透過)の半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図16】本発明の第2の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【図17】本発明の第2の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【図18】反射共通信号の振幅とコントラストとの関係を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図である。
【図20】本発明の第4の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図及び接続部の断面図である。
【図21】本発明の第4の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図及び接続部の断面図である。
【図22】本発明の第5の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図23】本発明の第5の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図24】本発明の第5の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図25】本発明の第5の実施例に係る半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図である。
【図26】従来の半透過型液晶表示装置の構造を示す平面図であり、(a)は反射板を除いた構造、(b)は、反射板を追加した構造、(c)はブラックマトリクスを追加した構造を示している。
【図27】従来の半透過型液晶表示装置の構造を示す断面図であり、(a)は図1(b)のA−A’断面、(b)は、B−B’断面、(c)は、C−C’断面、の構造を示している。
【図28】従来の半透過型液晶表示装置の配線の接続構造を示す平面図である。
【図29】透過共通信号及び反射共通信号の波形を示す図である。
【図30】透過共通信号と反射共通信号とブラックマトリクスの電位関係を示す図である。
【図31】半透過型液晶表示装置の表示部における電位と容量を示す図である。
【図32】半透過型液晶表示装置の周辺部における電位と容量を示す図である。
【符号の説明】
【0122】
2 反射領域
3 透過領域
10 TFT基板
11 透明絶縁基板
12 走査線
13 データ線
14a、14b TFT
15a 段差・凹凸膜
15b 絶縁膜
16 反射板
17a 透過画素電極
17b 反射画素電極
18a 透過共通電極線
18a’ 透過共通電極
18b 反射共通電極線
18b’ 反射共通電極
20 対向基板
21 透明絶縁基板
22 ブラックマトリクス
23 カラーフィルタ
24 低ε層
30 液晶層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子がマトリクス状に配置された一方の基板と、導電性の材料からなるブラックマトリクスが形成された他方の基板と、前記二つの基板に挟持された液晶層と、を備える液晶表示装置において、

前記液晶表示装置はノーマリーブラック表示となる第1の領域と、ノーマリーホワイト表示となる第2の領域とを有し、
前記第1の領域の前記一方の基板には、前記スイッチング素子に電気的に接続された第1画素電極と第1共通電極と前記第1共通電極に第1共通信号を供給する第1共通電極線を有し、
前記第2の領域の前記一方の基板又は前記他方の基板には、第2共通電極を有し、
前記第2の領域の前記一方の基板には、前記スイッチング素子に電気的に接続された第2画素電極と前記第2共通電極に第2共通信号を供給する第2共通電極線を有しており、
前記第1の領域に対向する部分のブラックマトリクスと、前記第2の領域に対向する部分のブラックマトリクスが、電気的に分離されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1の領域に対向する部分のブラックマトリクスと、表示領域の周辺部における第2共通電極線と対向するブラックマトリクスが、電気的に分離されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
表示領域の周辺部における第2共通電極線と対向するブラックマトリクスと、表示領域の周辺部における第1共通電極線と対向するブラックマトリクスが、電気的に分離されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−101392(P2013−101392A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−23236(P2013−23236)
【出願日】平成25年2月8日(2013.2.8)
【分割の表示】特願2008−72505(P2008−72505)の分割
【原出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(303018827)NLTテクノロジー株式会社 (547)
【Fターム(参考)】