液晶表示装置
【課題】 湾曲させた液晶表示装置において、黒表示の状態で表示領域の四隅部分に光抜けが生じる問題があることが確認されている。液晶パネル1の基板全体に占める表示領域7の割合を減少させることなく低コストに抑えたうえで、表示領域7における黒表示の際の四隅に発生する光抜けを軽減し表示ムラをなくすことを目的とする。
【解決手段】 この発明に係る液晶表示装置は、液晶パネル1の隅部5、あるいは隅部近辺を含めた非湾曲辺に沿った長方形形状領域90の曲率をその他の領域よりも小さくすることを特徴とする。
【解決手段】 この発明に係る液晶表示装置は、液晶パネル1の隅部5、あるいは隅部近辺を含めた非湾曲辺に沿った長方形形状領域90の曲率をその他の領域よりも小さくすることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置に関し、特に湾曲した状態での表示が可能なフレキシブル液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、及び低消費電力の特徴を生かして、パーソナル・コンピュータに代表される携帯情報機器等に最も使用されている平面表示装置である。
液晶表示装置は、周知の通り、画素電極を有するアレイ基板と共通電極を有するカラーフィルタ基板とを互いに貼り合せ、その一対の基板間に液晶を充填して成り、画素電極と共通電極間に電圧を印加して液晶の分子配向方向を変化させることにより、液晶を通過する光の透過率を制御する表示装置である。
【0003】
近年、この様な液晶表示装置の平面基板を任意の曲率に曲げて(湾曲させて)、液晶表示装置を表示させることがデザイン面から要求されている。このような要求に対し、基板にプラスチックなどの可撓性材料を適用することやガラス基板を薄く加工することによって湾曲化を可能とし、液晶表示装置を湾曲形状に変形させ固定する様々な方法が提案されている。
【0004】
このような湾曲液晶表示装置においては黒表示の状態で表示領域の四隅部分に光抜けが発生するという問題があり、この光抜けを軽減する方法は複数提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、表示領域の対角線のうち、液晶の初期配向方向との交差角が大きい方の対角線側の隅部の少なくとも一か所に突出部を形成するという方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献2では、2枚の基板のうち一枚を薄く設定するという方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−217234号公報
【特許文献2】特開2010−72505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記のような湾曲させた液晶表示装置において、黒表示の状態で表示領域の四隅部分の光抜けは前記の二手段によって軽減されている。
【0009】
しかしながら、特許文献1の方法では突出部を設けるため、その部分では基板の一辺と表示領域との間隔(W1)が大きくなり、基板全体に占める表示領域の割合が減少し、コスト高となる。
【0010】
また、特許文献2の方法では二枚の基板の厚みを異ならせる必要がある。そして、薄くした基板の破損を防ぐためこの基板の面積を他方の基板の面積より小さくしなければならず、基板全体に占める表示領域の割合が減少し、コスト高となる。
【0011】
したがって、従来の特許文献1、特許文献2の光抜け対策では、基板全体に占める表示領域の割合が減少し、高コストになるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、基板全体に占める表示領域の割合を減少させることなく低コストに抑えたうえで、表示領域における黒表示の際の四隅に発生する光抜けを軽減し表示ムラをなくすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルの表示領域の隅部の曲率をその他の部分よりも小さくすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液晶パネルの隅部の曲率を小さくする構造とすることで四隅部分に発生する応力集中が緩和されるため、四隅部分における光抜けを軽減でき表示ムラがなくなる。また、基板全体に占める表示領域の割合を減少させることがないので低コストに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図2】この発明に用いる液晶パネルの平面図である。
【図3】この発明に用いる液晶パネルの断面図である。
【図4】この発明の「四隅部分」と「非湾曲辺に沿った長方形形状領域」の一例を表す液晶表示装置の平面図である。
【図5】この発明の実施の形態1の湾曲液晶表示装置の側面図である。
【図6】この発明の実施の形態1のスペーサと湾曲液晶パネルの斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図8】この発明の実施の形態2の湾曲液晶表示装置の側面図である。
【図9】この発明の実施の形態3の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図10】この発明の実施の形態3の湾曲液晶表示装置の構成を示す側面図である。
【図11】この発明の実施の形態4の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図12】この発明の実施の形態4の湾曲液晶表示装置の側面図である。
【図13】この発明の実施の形態5の湾曲液晶表示装置の構成を示す上面図である。
【図14】この発明の実施の形態6のスペーサと湾曲液晶パネルの斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態6の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図16】この発明の実施の形態7の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図17】この発明の実施の形態8の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図18】この発明の実施の形態9の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
はじめに、本発明の液晶表示装置の全体構成について、図面を参照しながら説明する。また、表示画素パターンや膜構成の図示も省略している。特記する場合を除いて、液晶表示装置の全体構成は全ての実施の形態において共通である。また、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態1による液晶表示装置の概略を示した図である。分解した状態を示し、構造が分かりやすいようにしている。液晶パネル1の湾曲形状を保持するために、図1のように例えば湾曲形状のアクリル等の第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで液晶パネル1を挟持する構造をとっている。また、隅部の曲率をほかの領域よりも小さくするためのスペーサ4が取り付けられている。光源として液晶パネル1の表示面の反対側にアレイ基板10に対向してバックライトユニットと、液晶パネルの両端に2枚の湾曲保護板の距離を保つための固定スペーサを備えている。これら部品は、液晶表示の表示面の部分が可視となるような筺体の中に収納されて本液晶表示装置を構成している。
【0018】
まずは液晶パネル1について述べる。本形態には一例として、TFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子に用いて動作される液晶パネルを使用している。
【0019】
図2は液晶パネル1の平面図である。そして図3は図2中の一点鎖線で示した切断箇所を矢線II方向からみた断面図である。液晶表示装置のうち表示される領域は、表示領域7であり、表示領域7から液晶パネル1外形の幅はパネル外形幅Wである。液晶パネル1はスイッチング素子が配置されているアレイ基板10(第1基板)と、アレイ基板10に対向してシール材30により貼り合わされるカラーフィルタ基板20(第2基板)とから構成されている。これら2枚の基板の素材にはプラスチックを用いる。
【0020】
なお、シール材30はアレイ基板10とカラーフィルタ基板20との間に挟まれているので、図2においてカラーフィルタ基板20は図示されていない。シール材30は破線で示した。
【0021】
シール材30は、樹脂からなるシール材であって、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とで構成される液晶表示の表示面に対応する領域を囲う様なパターンに形成されている。そして、このシール材30により囲まれ、かつ、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20との間に形成される隙間には、液晶40が注入されている。また、省略しているが、液晶40を注入するための注入口がシール材30のパターンとして形成され、さらに注入口を封止剤によって封止している。
【0022】
アレイ基板10は、図示していないが、透明基板であるガラス基板の一方の面において、表示面に対応する領域に液晶40を配向させる配向膜、配向膜の下側に設けられ液晶40を駆動する電圧を印加する画素電極、画素電極との間に電界を生じさせて液晶40を駆動する共通電極、画素電極に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子、スイッチング素子を覆う絶縁膜、スイッチング素子に信号を供給する配線であるゲート配線及びソース配線などを有している。また、表示面に対応する領域外にはスイッチング素子に供給される信号を外部から受け入れる端子11などを有している。そして、液晶パネル1は駆動信号を送る駆動用IC(集積回路)などを装備した制御基板2を備えており、この端子11とこの制御基板2とはFFC21(フレキシブル・フラット・ケーブル)を介して電気的に接続されている。ガラス基板の他方の面には偏光板50を有している。
【0023】
一方、カラーフィルタ基板20は、図示していないが、透明基板であるガラス基板の一方の面に液晶40を配向させる配向膜、配向膜の下側に設けられるカラーフィルタ及び遮光層などを有している。また、ガラス基板の他方の面には偏光板50を有している。
【0024】
また、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とは、両基板間の距離を一定の距離に保持するギャップ材(図示せず)を介して貼り合わされている。ギャップ材としては、基板上に散布された粒状のギャップ材を用いてもよいし、何れか一方の基板上に樹脂をパターニングして形成された柱状のギャップ材を用いても良い。
【0025】
つぎに、液晶パネル1の動作について説明する。制御基板2から電気信号が入力されると、画素電極及び共通電極に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶40の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光が、アレイ基板10、液晶40及びカラーフィルタ基板20を介して観察者側に透過或いは遮断されることにより、液晶パネル1の表示面に映像などが表示される。
【0026】
IPS(横電界駆動)方式といわれる液晶表示装置は、一対の基板の一方に形成された画素電極と対向電極間に横方向電圧を印加し、液晶分子を基板に平行な面内で回転させて画素を表示するモードの液晶表示装置で、広視野角で色度変化が少ないという特性を持つ。
【0027】
NB(ノーマル・ブラック)型の液晶の中にIPSモードは含まれ、IPSモードでは光抜けが他の液晶モードよりも特に顕著である。その理由は、四隅光抜け部分では液晶が面内回転しているとみられ、IPSモードの液晶は液晶分子の面内回転で光の透過率を制御するモードであるからである。
【0028】
なお、上述の液晶パネル1は、IPSモードの液晶パネルであるが、これは一例であり他の構成でも良い。例えば、液晶パネル1の動作モードは、VA(垂直配向)モードや、TN(ねじれネマティック)モード、STN(スーパーねじれネマティック)モード、強誘電性液晶モードなどでもよい。また、駆動方法は、単純マトリックスやアクティブマトリックスなどでもよい。また、通常の透過型の液晶パネルを用いて説明を行ったが、反射型や、両者を併せ持つ半透過型でも良い。
【0029】
つぎに、液晶パネル1の製造方法を説明する。アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20の製造方法については一般的な方法を用いるため、簡単に説明する。アレイ基板10は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子や画素電極、端子、トランスファ電極を形成することにより製造される。また、カラーフィルタ基板20は、同様に、ガラス基板の一方の面にカラーフィルタや共通電極を形成することにより製造される。
【0030】
次に、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20を貼り合せるまでの工程について説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極が形成されているアレイ基板10を洗浄する。次に、配向膜材料塗布工程において、アレイ基板10の一方の面に、例えば印刷法により配向膜の材料となるポリイミドからなる有機膜を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる。その後、配向膜材料の塗布されたアレイ基板10に対して配向処理を行い、配向膜を形成する。また端子11についても、洗浄、有機膜の塗布、及び配向処理を行うことにより配向膜を形成する。続いて、シール材30を形成するシール材塗布工程において、アレイ基板10或いは端子11の一方の面にシール材となる樹脂の塗布処理を行う。また、シール材30には、例えばエポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いる。
【0031】
以上の様に準備が行われた、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20を互いに対向するよう配置し、各々の基板に形成されたパネルの画素が其々対応する様に位置合わせされて貼り合わされる。以上の様に貼り合わされたアレイ基板10とカラーフィルタ基板20に対して、シール材30の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシールの材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。
【0032】
続いて湾曲化が可能となるように、アレイ基板10およびカラーフィルタ基板20を削る薄型化研磨工程を行う。この工程は、例えば薬液を用いた化学研磨や研磨材により擦る物理研磨によりガラス基板表面を削ることにより行われる。本実施の形態1においては、薬液を用いた化学研磨により、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20の厚さをいずれも0.2mmとした。
【0033】
次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を個々の液晶パネルに対応する個別セルに分断する。セル分断工程後に液晶注入工程で真空中で液晶注入口から液晶40を注入する。更に、封止工程において、例えば光硬化型樹脂を液晶注入口部に塗布し、光を照射することにより液晶注入口の封止が行われる。
【0034】
続いて、偏光板50貼り付け工程において、アレイ基板10およびカラーフィルタ基板20の外側に偏光板50を貼り付ける。さらに、制御基板実装工程において制御基板2を実装し、液晶パネル1が出来上がる。
【0035】
次は液晶表示装置のモジュール部分について述べる。以上のように作製された液晶パネル1は、研磨工程で薄型化されているため湾曲化が可能になっている。そこで湾曲形状のアクリルなどの保護板2枚で前後から挟み込み固定することで、この液晶パネル1を湾曲化させる。
【0036】
実施の形態1では、表示領域7が長辺方向は約200mm、短辺方向は約120mmの液晶パネルを曲率半径400mmで短辺方向に湾曲させた湾曲液晶表示装置とする。ただし、これは一例であって、いかなるパネルの大きさでも、湾曲方向が長辺方向であっても良く、また、いかなる曲率半径でもよいし放物線のような形に湾曲させているものでもよい。
【0037】
そして最後にバックライト等を組み付け筐体内に組み込み、湾曲型液晶パネルを実装した液晶表示装置が完成する。
【0038】
このような湾曲液晶パネルでは、元々平面の基板を貼り合わせている液晶パネルを力をかけて湾曲形状にしているため、特に四隅部分に応力が集中し、それによって液晶40配向が変化して光抜けしていることがわかった。
【0039】
そこで図1で示すように、実施の形態1ではさらに第一の湾曲保護板3aの凹面と液晶パネル1間の、液晶パネル1の表示領域7外でかつ四隅部分以外の領域にスペーサ4を挟んでいる。ここで、「四隅部分」とは一例で示すと、パネル表示領域7の角から長辺方向には約20mm、短辺方向には約35mmの四箇所である。これを図4の四隅の領域5に図示した。スペーサ4は例えば厚みのある粘着性接着シートなどのようなもので、位置を固定できるようにしている。スペーサ4の厚みは一例としてここでは1mmとしている。スペーサ4の材質は透明で光を通すものであればよい。
【0040】
この液晶表示装置の側面図を図5に示す。なおこの側面図は図1の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0041】
液晶パネル1は湾曲保護板3bに接着して固定され、第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bは両端の図示していない固定スペーサによって支えられている。スペーサ4が挟み込まれている部分はスペーサ4を介して第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで固定されている一方、スペーサ4のない液晶パネル1四隅部分は第一の湾曲保護板3aから浮く形となり、この部分にはアクリル板が液晶パネル1を押さえつける力がかからなくなる。そのため、元々平面であった液晶パネル1が元に戻ろうとすることによって、液晶パネル1の四隅部分の曲率がその他の部分よりも小さくなる。湾曲ディスプレイは平面パネルを2枚の第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで挟み込み固定することで湾曲形状を保っており、応力が発生している。本発明では、四隅部分の応力緩和を目的として、上記のように湾曲させたパネルのうち四隅部分のみ曲率を緩めており、第一の湾曲保護板3aの湾曲形状から浮いて隙間が出来る。パネルをこのような形にするとパネル四隅の応力を緩和させることができる。四隅部分の曲率は、小さくなればなるほど光抜け軽減の度合いは上がるが、四隅部分の曲率が他の領域のものよりも小さければいかなる曲率でもよい。
【0042】
図6にその時のパネルの形状とスペーサ4の位置を斜視図で示す。なお、ここでいう曲率とは既述のようにパネル面の曲がり具合である。本サンプルは短辺を湾曲させて表示面側が凸となる様な形状をとっているが、表示面側が凹になる様に湾曲させても良い。ここで曲率とは曲線や曲面の曲がり具合を表す量のことで、曲率を小さくすると曲率半径は大きくなり、曲率を大きくすると曲率半径は小さくなる。
【0043】
このような構成にすれば、パネル四隅部分に発生する応力を緩和する効果があるため、光抜けを軽減することが出来る。この方法によって、図4に図示する領域6のコントラスト値が、パネルを2枚の第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで挟持しただけのサンプルでは100であったのに対し、本実施の形態のサンプルでは500程度に向上した。また、光抜け防止の対策を施した際図2におけるパネル外形幅Wの距離が大きくならずに、1.5mm程度まで狭めることが可能となった。従って、液晶表示パネル1に占める表示領域7の割合が減少することがない。さらに、湾曲保護板3の曲げがきついほど割れやすくなるため、本発明では四隅部分の応力が緩和されていることにより、四隅部分の破損防止効果が得られる。
【0044】
以上をまとめると、湾曲IPS液晶パネルの四隅部分の曲率を、他の部分よりも小さくなるような形状をとらせることで、湾曲化で集中する四隅部分の発生応力を軽減することができる。そのようにして作製された湾曲液晶表示装置では、四隅部分における光抜けを軽減でき、ムラを抑えた表示が可能になる。また、基板全体に占める表示領域7の割合を減少させることがないので低コストに抑えることができる。
【0045】
なお、上述した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上述した実施の形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態1においては第一の湾曲保護板3aの凹面と液晶パネル1間に図1のようにスペーサ4を挟むという方法をとり、それによってパネル四隅の曲率を他の部分よりも小さくしたが、第二の湾曲保護板3b凸面の、パネル四隅部分にあたる部分にスペーサ4を挟むという方法でもよい。図7にこの実施の形態2による湾曲液晶表示装置の分解した状態を、図8にはこの液晶表示装置の側面図を示す。なおこの側面図は図7の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0047】
図8では第二の湾曲保護板3bの四隅にスペーサ4が入っていることにより四隅の液晶パネルの曲率が小さく設定されている。
【0048】
また、図8では第一の湾曲保護板3aと液晶パネル1の間には空気層9があり、図8の中央部分よりも端部分、すなわちスペーサ4の上にあたる部分の空気層9の高さが狭くなっているため、四隅部分の曲率を小さく設定できる。また実施の形態2では第二の湾曲保護板3bに液晶パネル1が接着される必要がある。
【0049】
この構成によれば、少ないスペーサ量で所望のパネル形状を得ることができる。
【0050】
実施の形態3.
また、実施の形態1あるいは2においては、湾曲保護板と液晶パネル1間に図1あるいは図7のようにスペーサ4を挟むという方法でパネル四隅の曲率を他の部分の曲率よりも小さくしたが、第一の湾曲保護板3a凹面の液晶パネル1四隅部分にあたる部分の厚みを緩やかに薄くし、隅部溝8を設定するという方法でもよい。図9にこの実施の形態3による湾曲液晶表示装置の分解した状態を、図10にはこの液晶表示装置の側面図を示す。なおこの側面図は図9の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0051】
この構成によれば、第一の湾曲保護板3aの形状を変えるだけで所望のパネル形状を得ることができるため、本湾曲液晶表示装置の製造が簡単になる。
【0052】
実施の形態4.
また、第二の湾曲保護板3b凸面において液晶パネル1の四隅部分にあたる部分の厚みを緩やかに厚くするという方法でもよい。図11にこの実施の形態3による湾曲液晶表示装置の分解した状態を、図12にはこの液晶表示装置の側面図を示す。なおこの側面図は図11の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0053】
図12では第二の湾曲保護板3bの四隅部分が厚くなっていることにより、四隅の液晶パネルの曲率が小さく設定されている。
【0054】
また、図12では第一の湾曲保護板3aと液晶パネル1の間には空気層9があり、図12の中央部分よりも端部分の空気層9の高さが狭くなっているため、四隅部分の曲率を小さく設定できる。また実施の形態4では第二の湾曲保護板3bに液晶パネル1が接着される必要がある。
【0055】
この構成でも、第二の湾曲保護板3bの形状を変えるだけで所望のパネル形状を得ることができ、本湾曲液晶表示装置の製造が簡単になる。
【0056】
尚、上記実施の形態のうち、第一の湾曲保護板3aには実施の形態1、3のうち1つを選択し、第二の湾曲保護板3bには実施の形態2、4のうち1つを選択しその2つを組み合わせて構成しても良い。
【0057】
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5による液晶表示装置の第2の湾曲保護板3bを示した図である。図13は一例として実施の形態2と同様に右下及び左上の隅部の曲率を他の領域より小さくするため、隅部にスペーサ4を入れた構造である。なお、右下及び左上の隅部の曲率を他の領域より小さくする際には、実施の形態1、3または4の構造のいずれを用いてもよい。
【0058】
実施の形態5では、液晶の分子の初期配向方向60は短辺方向80に対して10度傾いて設定されている。液晶の分子の初期配向方向60は、第1及び第2基板の液晶と接触する面に形成された図示しない配向膜のラビング方向によって設定できる。この液晶の分子の初期配向方向は、液晶表示装置を湾曲させた場合に、その表示領域7のコーナー部に発生する光抜けの強弱に影響することが判明している。
【0059】
IPS表示モードの黒表示は本来液晶が初期配向状態60のままで直交偏光板により黒表示が行われることとなるが、湾曲に伴って液晶分子の配向が面内方向に変化してしまった場合、液晶の複屈折性が発現し、光抜けが生ずると考えられる。
【0060】
上記の対策として、実施の形態5の液晶パネル1では初期配向方向60を短辺方向80から傾けて設定し、表示領域7の対角線のうち液晶の初期配向方向60との交差角が大きい方の対角線側の隅部の二隅部分のみの曲率をその他の部分よりも小さく設定する。
【0061】
初期配向方向をずらす構成により応力は応力集中領域70に集中するが、応力集中領域70の隅部の曲率を小さくしたため、隅部の応力は緩和され光抜けは軽減される。また、初期配向方向60の設定により、表示領域7の対角線のうち液晶の初期配向方向60との交差角が小さい方の対角線側の隅部の二隅部分は応力が小さくなり光抜けが軽減される。
【0062】
初期配向方向をずらし、対角上の二隅部分の曲率をその他の部分よりも小さく設定する構成により、四隅部分における光抜けを軽減でき、基板全体に占める表示領域7の割合を減少させることがないので低コストに抑えることができる、という上記実施の形態1〜4と同様の効果が得られる。
【0063】
このような構成を用いると、液晶パネル1の二隅部分のみ加工することで光抜けを軽減できるので、液晶パネル1の四隅部分を加工するよりも製造が容易となる。
【0064】
実施の形態6.
図14に実施の形態6による液晶表示装置の液晶パネル形状を示す。実施の形態1〜5では、パネルの四隅部分あるいは二隅部分の曲率を他の部分より小さくするという方法をとったが、実施の形態6のように、上記四隅部分を含む非湾曲辺に沿った長方形形状の二領域の曲率を他の部分より小さくするという方法でも良い。この二領域を図示すると図4の90の領域になる。なお、領域90は図のように最大で四隅部分を含むが、長辺(非湾曲辺)近辺を含むより狭い範囲でもよい。実施の形態6では例えば第一の湾曲保護版3aの凹面と液晶パネル1間の表示領域7外かつ領域90部分外にスペーサ4を挟んでいる。このような形をとらせることで四隅に集中する応力を軽減できるうえ、パネルの隅部分のみの曲率を小さくする場合と比較して、非湾曲辺に沿った部分が平らであるため四隅の応力集中をより軽減することができる。図15にこの実施の形態6による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。
【0065】
実施の形態7.
また、第二の湾曲保護板3b凸面の、領域90にあたる部分にスペーサ4を挟むという方法でもよい。図16にこの実施の形態7による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。この液晶表示装置の側面図は図8に等しい。なおこの側面図は図16の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0066】
実施の形態8.
さらに、形態6、7のようにスペーサを用いる代わりに、第一の湾曲保護板3a凹面の液晶パネル1の領域90にあたる部分の厚みを緩やかに薄くし、非湾曲辺周辺部溝を設定するという方法でもよい。図17にこの実施の形態8による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。この液晶表示装置の側面図は図10に等しい。なおこの側面図は図17の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0067】
この構成では、第一の湾曲保護板3aの形状を変えるだけで所望のパネル形状を得ることができ、本湾曲液晶表示装置の製造が簡単になる。加えて、保護版形状の作りこみが実施の形態3,4の四隅部分のみの場合と比較してより簡単になる。
【0068】
実施の形態9.
また、第二の湾曲保護板3b凸面の液晶パネル1の領域90にあたる部分の厚みを緩やかに厚くするという方法でもよい。図18にこの実施の形態9による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。この液晶表示装置の側面図は図12に等しい。なおこの側面図は図18の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 液晶パネル
2 制御基板
3a 第一の湾曲保護板
3b 第二の湾曲保護板
4 スペーサ
5 四隅の領域
6 コントラスト検出領域
7 表示領域
8 隅部溝
9 空気層
10 アレイ基板
11 端子
20 カラーフィルタ基板
21 FFC
30 シール材
40 液晶
50 偏光板
60 初期配向方向
70 応力集中領域
80 短辺方向
90 非湾曲辺に沿った長方形形状領域
W パネル外形幅
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置に関し、特に湾曲した状態での表示が可能なフレキシブル液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、及び低消費電力の特徴を生かして、パーソナル・コンピュータに代表される携帯情報機器等に最も使用されている平面表示装置である。
液晶表示装置は、周知の通り、画素電極を有するアレイ基板と共通電極を有するカラーフィルタ基板とを互いに貼り合せ、その一対の基板間に液晶を充填して成り、画素電極と共通電極間に電圧を印加して液晶の分子配向方向を変化させることにより、液晶を通過する光の透過率を制御する表示装置である。
【0003】
近年、この様な液晶表示装置の平面基板を任意の曲率に曲げて(湾曲させて)、液晶表示装置を表示させることがデザイン面から要求されている。このような要求に対し、基板にプラスチックなどの可撓性材料を適用することやガラス基板を薄く加工することによって湾曲化を可能とし、液晶表示装置を湾曲形状に変形させ固定する様々な方法が提案されている。
【0004】
このような湾曲液晶表示装置においては黒表示の状態で表示領域の四隅部分に光抜けが発生するという問題があり、この光抜けを軽減する方法は複数提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、表示領域の対角線のうち、液晶の初期配向方向との交差角が大きい方の対角線側の隅部の少なくとも一か所に突出部を形成するという方法が記載されている。
【0006】
また、特許文献2では、2枚の基板のうち一枚を薄く設定するという方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−217234号公報
【特許文献2】特開2010−72505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記のような湾曲させた液晶表示装置において、黒表示の状態で表示領域の四隅部分の光抜けは前記の二手段によって軽減されている。
【0009】
しかしながら、特許文献1の方法では突出部を設けるため、その部分では基板の一辺と表示領域との間隔(W1)が大きくなり、基板全体に占める表示領域の割合が減少し、コスト高となる。
【0010】
また、特許文献2の方法では二枚の基板の厚みを異ならせる必要がある。そして、薄くした基板の破損を防ぐためこの基板の面積を他方の基板の面積より小さくしなければならず、基板全体に占める表示領域の割合が減少し、コスト高となる。
【0011】
したがって、従来の特許文献1、特許文献2の光抜け対策では、基板全体に占める表示領域の割合が減少し、高コストになるという問題があった。
【0012】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、基板全体に占める表示領域の割合を減少させることなく低コストに抑えたうえで、表示領域における黒表示の際の四隅に発生する光抜けを軽減し表示ムラをなくすことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る液晶表示装置は、液晶パネルの表示領域の隅部の曲率をその他の部分よりも小さくすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液晶パネルの隅部の曲率を小さくする構造とすることで四隅部分に発生する応力集中が緩和されるため、四隅部分における光抜けを軽減でき表示ムラがなくなる。また、基板全体に占める表示領域の割合を減少させることがないので低コストに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図2】この発明に用いる液晶パネルの平面図である。
【図3】この発明に用いる液晶パネルの断面図である。
【図4】この発明の「四隅部分」と「非湾曲辺に沿った長方形形状領域」の一例を表す液晶表示装置の平面図である。
【図5】この発明の実施の形態1の湾曲液晶表示装置の側面図である。
【図6】この発明の実施の形態1のスペーサと湾曲液晶パネルの斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図8】この発明の実施の形態2の湾曲液晶表示装置の側面図である。
【図9】この発明の実施の形態3の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図10】この発明の実施の形態3の湾曲液晶表示装置の構成を示す側面図である。
【図11】この発明の実施の形態4の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図12】この発明の実施の形態4の湾曲液晶表示装置の側面図である。
【図13】この発明の実施の形態5の湾曲液晶表示装置の構成を示す上面図である。
【図14】この発明の実施の形態6のスペーサと湾曲液晶パネルの斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態6の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図16】この発明の実施の形態7の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図17】この発明の実施の形態8の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【図18】この発明の実施の形態9の湾曲液晶表示装置の構成を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
はじめに、本発明の液晶表示装置の全体構成について、図面を参照しながら説明する。また、表示画素パターンや膜構成の図示も省略している。特記する場合を除いて、液晶表示装置の全体構成は全ての実施の形態において共通である。また、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態1による液晶表示装置の概略を示した図である。分解した状態を示し、構造が分かりやすいようにしている。液晶パネル1の湾曲形状を保持するために、図1のように例えば湾曲形状のアクリル等の第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで液晶パネル1を挟持する構造をとっている。また、隅部の曲率をほかの領域よりも小さくするためのスペーサ4が取り付けられている。光源として液晶パネル1の表示面の反対側にアレイ基板10に対向してバックライトユニットと、液晶パネルの両端に2枚の湾曲保護板の距離を保つための固定スペーサを備えている。これら部品は、液晶表示の表示面の部分が可視となるような筺体の中に収納されて本液晶表示装置を構成している。
【0018】
まずは液晶パネル1について述べる。本形態には一例として、TFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子に用いて動作される液晶パネルを使用している。
【0019】
図2は液晶パネル1の平面図である。そして図3は図2中の一点鎖線で示した切断箇所を矢線II方向からみた断面図である。液晶表示装置のうち表示される領域は、表示領域7であり、表示領域7から液晶パネル1外形の幅はパネル外形幅Wである。液晶パネル1はスイッチング素子が配置されているアレイ基板10(第1基板)と、アレイ基板10に対向してシール材30により貼り合わされるカラーフィルタ基板20(第2基板)とから構成されている。これら2枚の基板の素材にはプラスチックを用いる。
【0020】
なお、シール材30はアレイ基板10とカラーフィルタ基板20との間に挟まれているので、図2においてカラーフィルタ基板20は図示されていない。シール材30は破線で示した。
【0021】
シール材30は、樹脂からなるシール材であって、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とで構成される液晶表示の表示面に対応する領域を囲う様なパターンに形成されている。そして、このシール材30により囲まれ、かつ、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20との間に形成される隙間には、液晶40が注入されている。また、省略しているが、液晶40を注入するための注入口がシール材30のパターンとして形成され、さらに注入口を封止剤によって封止している。
【0022】
アレイ基板10は、図示していないが、透明基板であるガラス基板の一方の面において、表示面に対応する領域に液晶40を配向させる配向膜、配向膜の下側に設けられ液晶40を駆動する電圧を印加する画素電極、画素電極との間に電界を生じさせて液晶40を駆動する共通電極、画素電極に電圧を供給するTFTなどのスイッチング素子、スイッチング素子を覆う絶縁膜、スイッチング素子に信号を供給する配線であるゲート配線及びソース配線などを有している。また、表示面に対応する領域外にはスイッチング素子に供給される信号を外部から受け入れる端子11などを有している。そして、液晶パネル1は駆動信号を送る駆動用IC(集積回路)などを装備した制御基板2を備えており、この端子11とこの制御基板2とはFFC21(フレキシブル・フラット・ケーブル)を介して電気的に接続されている。ガラス基板の他方の面には偏光板50を有している。
【0023】
一方、カラーフィルタ基板20は、図示していないが、透明基板であるガラス基板の一方の面に液晶40を配向させる配向膜、配向膜の下側に設けられるカラーフィルタ及び遮光層などを有している。また、ガラス基板の他方の面には偏光板50を有している。
【0024】
また、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20とは、両基板間の距離を一定の距離に保持するギャップ材(図示せず)を介して貼り合わされている。ギャップ材としては、基板上に散布された粒状のギャップ材を用いてもよいし、何れか一方の基板上に樹脂をパターニングして形成された柱状のギャップ材を用いても良い。
【0025】
つぎに、液晶パネル1の動作について説明する。制御基板2から電気信号が入力されると、画素電極及び共通電極に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶40の分子の方向が変わる。そして、バックライトユニットの発する光が、アレイ基板10、液晶40及びカラーフィルタ基板20を介して観察者側に透過或いは遮断されることにより、液晶パネル1の表示面に映像などが表示される。
【0026】
IPS(横電界駆動)方式といわれる液晶表示装置は、一対の基板の一方に形成された画素電極と対向電極間に横方向電圧を印加し、液晶分子を基板に平行な面内で回転させて画素を表示するモードの液晶表示装置で、広視野角で色度変化が少ないという特性を持つ。
【0027】
NB(ノーマル・ブラック)型の液晶の中にIPSモードは含まれ、IPSモードでは光抜けが他の液晶モードよりも特に顕著である。その理由は、四隅光抜け部分では液晶が面内回転しているとみられ、IPSモードの液晶は液晶分子の面内回転で光の透過率を制御するモードであるからである。
【0028】
なお、上述の液晶パネル1は、IPSモードの液晶パネルであるが、これは一例であり他の構成でも良い。例えば、液晶パネル1の動作モードは、VA(垂直配向)モードや、TN(ねじれネマティック)モード、STN(スーパーねじれネマティック)モード、強誘電性液晶モードなどでもよい。また、駆動方法は、単純マトリックスやアクティブマトリックスなどでもよい。また、通常の透過型の液晶パネルを用いて説明を行ったが、反射型や、両者を併せ持つ半透過型でも良い。
【0029】
つぎに、液晶パネル1の製造方法を説明する。アレイ基板10及びカラーフィルタ基板20の製造方法については一般的な方法を用いるため、簡単に説明する。アレイ基板10は、ガラス基板の一方の面に、成膜、フォトリソグラフィー法によるパターンニング、エッチングなどのパターン形成工程を繰り返し用いてスイッチング素子や画素電極、端子、トランスファ電極を形成することにより製造される。また、カラーフィルタ基板20は、同様に、ガラス基板の一方の面にカラーフィルタや共通電極を形成することにより製造される。
【0030】
次に、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20を貼り合せるまでの工程について説明する。まず、基板洗浄工程において、画素電極が形成されているアレイ基板10を洗浄する。次に、配向膜材料塗布工程において、アレイ基板10の一方の面に、例えば印刷法により配向膜の材料となるポリイミドからなる有機膜を塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる。その後、配向膜材料の塗布されたアレイ基板10に対して配向処理を行い、配向膜を形成する。また端子11についても、洗浄、有機膜の塗布、及び配向処理を行うことにより配向膜を形成する。続いて、シール材30を形成するシール材塗布工程において、アレイ基板10或いは端子11の一方の面にシール材となる樹脂の塗布処理を行う。また、シール材30には、例えばエポキシ系接着剤などの熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂を用いる。
【0031】
以上の様に準備が行われた、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20を互いに対向するよう配置し、各々の基板に形成されたパネルの画素が其々対応する様に位置合わせされて貼り合わされる。以上の様に貼り合わされたアレイ基板10とカラーフィルタ基板20に対して、シール材30の硬化処理が行われる。この工程は、例えばシールの材質に合わせて熱を加えることや、紫外線を照射することにより行われる。
【0032】
続いて湾曲化が可能となるように、アレイ基板10およびカラーフィルタ基板20を削る薄型化研磨工程を行う。この工程は、例えば薬液を用いた化学研磨や研磨材により擦る物理研磨によりガラス基板表面を削ることにより行われる。本実施の形態1においては、薬液を用いた化学研磨により、アレイ基板10とカラーフィルタ基板20の厚さをいずれも0.2mmとした。
【0033】
次に、セル分断工程において、貼り合わせた基板を個々の液晶パネルに対応する個別セルに分断する。セル分断工程後に液晶注入工程で真空中で液晶注入口から液晶40を注入する。更に、封止工程において、例えば光硬化型樹脂を液晶注入口部に塗布し、光を照射することにより液晶注入口の封止が行われる。
【0034】
続いて、偏光板50貼り付け工程において、アレイ基板10およびカラーフィルタ基板20の外側に偏光板50を貼り付ける。さらに、制御基板実装工程において制御基板2を実装し、液晶パネル1が出来上がる。
【0035】
次は液晶表示装置のモジュール部分について述べる。以上のように作製された液晶パネル1は、研磨工程で薄型化されているため湾曲化が可能になっている。そこで湾曲形状のアクリルなどの保護板2枚で前後から挟み込み固定することで、この液晶パネル1を湾曲化させる。
【0036】
実施の形態1では、表示領域7が長辺方向は約200mm、短辺方向は約120mmの液晶パネルを曲率半径400mmで短辺方向に湾曲させた湾曲液晶表示装置とする。ただし、これは一例であって、いかなるパネルの大きさでも、湾曲方向が長辺方向であっても良く、また、いかなる曲率半径でもよいし放物線のような形に湾曲させているものでもよい。
【0037】
そして最後にバックライト等を組み付け筐体内に組み込み、湾曲型液晶パネルを実装した液晶表示装置が完成する。
【0038】
このような湾曲液晶パネルでは、元々平面の基板を貼り合わせている液晶パネルを力をかけて湾曲形状にしているため、特に四隅部分に応力が集中し、それによって液晶40配向が変化して光抜けしていることがわかった。
【0039】
そこで図1で示すように、実施の形態1ではさらに第一の湾曲保護板3aの凹面と液晶パネル1間の、液晶パネル1の表示領域7外でかつ四隅部分以外の領域にスペーサ4を挟んでいる。ここで、「四隅部分」とは一例で示すと、パネル表示領域7の角から長辺方向には約20mm、短辺方向には約35mmの四箇所である。これを図4の四隅の領域5に図示した。スペーサ4は例えば厚みのある粘着性接着シートなどのようなもので、位置を固定できるようにしている。スペーサ4の厚みは一例としてここでは1mmとしている。スペーサ4の材質は透明で光を通すものであればよい。
【0040】
この液晶表示装置の側面図を図5に示す。なおこの側面図は図1の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0041】
液晶パネル1は湾曲保護板3bに接着して固定され、第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bは両端の図示していない固定スペーサによって支えられている。スペーサ4が挟み込まれている部分はスペーサ4を介して第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで固定されている一方、スペーサ4のない液晶パネル1四隅部分は第一の湾曲保護板3aから浮く形となり、この部分にはアクリル板が液晶パネル1を押さえつける力がかからなくなる。そのため、元々平面であった液晶パネル1が元に戻ろうとすることによって、液晶パネル1の四隅部分の曲率がその他の部分よりも小さくなる。湾曲ディスプレイは平面パネルを2枚の第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで挟み込み固定することで湾曲形状を保っており、応力が発生している。本発明では、四隅部分の応力緩和を目的として、上記のように湾曲させたパネルのうち四隅部分のみ曲率を緩めており、第一の湾曲保護板3aの湾曲形状から浮いて隙間が出来る。パネルをこのような形にするとパネル四隅の応力を緩和させることができる。四隅部分の曲率は、小さくなればなるほど光抜け軽減の度合いは上がるが、四隅部分の曲率が他の領域のものよりも小さければいかなる曲率でもよい。
【0042】
図6にその時のパネルの形状とスペーサ4の位置を斜視図で示す。なお、ここでいう曲率とは既述のようにパネル面の曲がり具合である。本サンプルは短辺を湾曲させて表示面側が凸となる様な形状をとっているが、表示面側が凹になる様に湾曲させても良い。ここで曲率とは曲線や曲面の曲がり具合を表す量のことで、曲率を小さくすると曲率半径は大きくなり、曲率を大きくすると曲率半径は小さくなる。
【0043】
このような構成にすれば、パネル四隅部分に発生する応力を緩和する効果があるため、光抜けを軽減することが出来る。この方法によって、図4に図示する領域6のコントラスト値が、パネルを2枚の第一の湾曲保護板3aと第二の湾曲保護板3bで挟持しただけのサンプルでは100であったのに対し、本実施の形態のサンプルでは500程度に向上した。また、光抜け防止の対策を施した際図2におけるパネル外形幅Wの距離が大きくならずに、1.5mm程度まで狭めることが可能となった。従って、液晶表示パネル1に占める表示領域7の割合が減少することがない。さらに、湾曲保護板3の曲げがきついほど割れやすくなるため、本発明では四隅部分の応力が緩和されていることにより、四隅部分の破損防止効果が得られる。
【0044】
以上をまとめると、湾曲IPS液晶パネルの四隅部分の曲率を、他の部分よりも小さくなるような形状をとらせることで、湾曲化で集中する四隅部分の発生応力を軽減することができる。そのようにして作製された湾曲液晶表示装置では、四隅部分における光抜けを軽減でき、ムラを抑えた表示が可能になる。また、基板全体に占める表示領域7の割合を減少させることがないので低コストに抑えることができる。
【0045】
なお、上述した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上述した実施の形態の範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態1においては第一の湾曲保護板3aの凹面と液晶パネル1間に図1のようにスペーサ4を挟むという方法をとり、それによってパネル四隅の曲率を他の部分よりも小さくしたが、第二の湾曲保護板3b凸面の、パネル四隅部分にあたる部分にスペーサ4を挟むという方法でもよい。図7にこの実施の形態2による湾曲液晶表示装置の分解した状態を、図8にはこの液晶表示装置の側面図を示す。なおこの側面図は図7の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0047】
図8では第二の湾曲保護板3bの四隅にスペーサ4が入っていることにより四隅の液晶パネルの曲率が小さく設定されている。
【0048】
また、図8では第一の湾曲保護板3aと液晶パネル1の間には空気層9があり、図8の中央部分よりも端部分、すなわちスペーサ4の上にあたる部分の空気層9の高さが狭くなっているため、四隅部分の曲率を小さく設定できる。また実施の形態2では第二の湾曲保護板3bに液晶パネル1が接着される必要がある。
【0049】
この構成によれば、少ないスペーサ量で所望のパネル形状を得ることができる。
【0050】
実施の形態3.
また、実施の形態1あるいは2においては、湾曲保護板と液晶パネル1間に図1あるいは図7のようにスペーサ4を挟むという方法でパネル四隅の曲率を他の部分の曲率よりも小さくしたが、第一の湾曲保護板3a凹面の液晶パネル1四隅部分にあたる部分の厚みを緩やかに薄くし、隅部溝8を設定するという方法でもよい。図9にこの実施の形態3による湾曲液晶表示装置の分解した状態を、図10にはこの液晶表示装置の側面図を示す。なおこの側面図は図9の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0051】
この構成によれば、第一の湾曲保護板3aの形状を変えるだけで所望のパネル形状を得ることができるため、本湾曲液晶表示装置の製造が簡単になる。
【0052】
実施の形態4.
また、第二の湾曲保護板3b凸面において液晶パネル1の四隅部分にあたる部分の厚みを緩やかに厚くするという方法でもよい。図11にこの実施の形態3による湾曲液晶表示装置の分解した状態を、図12にはこの液晶表示装置の側面図を示す。なおこの側面図は図11の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0053】
図12では第二の湾曲保護板3bの四隅部分が厚くなっていることにより、四隅の液晶パネルの曲率が小さく設定されている。
【0054】
また、図12では第一の湾曲保護板3aと液晶パネル1の間には空気層9があり、図12の中央部分よりも端部分の空気層9の高さが狭くなっているため、四隅部分の曲率を小さく設定できる。また実施の形態4では第二の湾曲保護板3bに液晶パネル1が接着される必要がある。
【0055】
この構成でも、第二の湾曲保護板3bの形状を変えるだけで所望のパネル形状を得ることができ、本湾曲液晶表示装置の製造が簡単になる。
【0056】
尚、上記実施の形態のうち、第一の湾曲保護板3aには実施の形態1、3のうち1つを選択し、第二の湾曲保護板3bには実施の形態2、4のうち1つを選択しその2つを組み合わせて構成しても良い。
【0057】
実施の形態5.
図13は、この発明の実施の形態5による液晶表示装置の第2の湾曲保護板3bを示した図である。図13は一例として実施の形態2と同様に右下及び左上の隅部の曲率を他の領域より小さくするため、隅部にスペーサ4を入れた構造である。なお、右下及び左上の隅部の曲率を他の領域より小さくする際には、実施の形態1、3または4の構造のいずれを用いてもよい。
【0058】
実施の形態5では、液晶の分子の初期配向方向60は短辺方向80に対して10度傾いて設定されている。液晶の分子の初期配向方向60は、第1及び第2基板の液晶と接触する面に形成された図示しない配向膜のラビング方向によって設定できる。この液晶の分子の初期配向方向は、液晶表示装置を湾曲させた場合に、その表示領域7のコーナー部に発生する光抜けの強弱に影響することが判明している。
【0059】
IPS表示モードの黒表示は本来液晶が初期配向状態60のままで直交偏光板により黒表示が行われることとなるが、湾曲に伴って液晶分子の配向が面内方向に変化してしまった場合、液晶の複屈折性が発現し、光抜けが生ずると考えられる。
【0060】
上記の対策として、実施の形態5の液晶パネル1では初期配向方向60を短辺方向80から傾けて設定し、表示領域7の対角線のうち液晶の初期配向方向60との交差角が大きい方の対角線側の隅部の二隅部分のみの曲率をその他の部分よりも小さく設定する。
【0061】
初期配向方向をずらす構成により応力は応力集中領域70に集中するが、応力集中領域70の隅部の曲率を小さくしたため、隅部の応力は緩和され光抜けは軽減される。また、初期配向方向60の設定により、表示領域7の対角線のうち液晶の初期配向方向60との交差角が小さい方の対角線側の隅部の二隅部分は応力が小さくなり光抜けが軽減される。
【0062】
初期配向方向をずらし、対角上の二隅部分の曲率をその他の部分よりも小さく設定する構成により、四隅部分における光抜けを軽減でき、基板全体に占める表示領域7の割合を減少させることがないので低コストに抑えることができる、という上記実施の形態1〜4と同様の効果が得られる。
【0063】
このような構成を用いると、液晶パネル1の二隅部分のみ加工することで光抜けを軽減できるので、液晶パネル1の四隅部分を加工するよりも製造が容易となる。
【0064】
実施の形態6.
図14に実施の形態6による液晶表示装置の液晶パネル形状を示す。実施の形態1〜5では、パネルの四隅部分あるいは二隅部分の曲率を他の部分より小さくするという方法をとったが、実施の形態6のように、上記四隅部分を含む非湾曲辺に沿った長方形形状の二領域の曲率を他の部分より小さくするという方法でも良い。この二領域を図示すると図4の90の領域になる。なお、領域90は図のように最大で四隅部分を含むが、長辺(非湾曲辺)近辺を含むより狭い範囲でもよい。実施の形態6では例えば第一の湾曲保護版3aの凹面と液晶パネル1間の表示領域7外かつ領域90部分外にスペーサ4を挟んでいる。このような形をとらせることで四隅に集中する応力を軽減できるうえ、パネルの隅部分のみの曲率を小さくする場合と比較して、非湾曲辺に沿った部分が平らであるため四隅の応力集中をより軽減することができる。図15にこの実施の形態6による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。
【0065】
実施の形態7.
また、第二の湾曲保護板3b凸面の、領域90にあたる部分にスペーサ4を挟むという方法でもよい。図16にこの実施の形態7による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。この液晶表示装置の側面図は図8に等しい。なおこの側面図は図16の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0066】
実施の形態8.
さらに、形態6、7のようにスペーサを用いる代わりに、第一の湾曲保護板3a凹面の液晶パネル1の領域90にあたる部分の厚みを緩やかに薄くし、非湾曲辺周辺部溝を設定するという方法でもよい。図17にこの実施の形態8による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。この液晶表示装置の側面図は図10に等しい。なおこの側面図は図17の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【0067】
この構成では、第一の湾曲保護板3aの形状を変えるだけで所望のパネル形状を得ることができ、本湾曲液晶表示装置の製造が簡単になる。加えて、保護版形状の作りこみが実施の形態3,4の四隅部分のみの場合と比較してより簡単になる。
【0068】
実施の形態9.
また、第二の湾曲保護板3b凸面の液晶パネル1の領域90にあたる部分の厚みを緩やかに厚くするという方法でもよい。図18にこの実施の形態9による湾曲液晶表示装置の分解した状態を示す。この液晶表示装置の側面図は図12に等しい。なおこの側面図は図18の液晶表示装置を組み立てた状態での右側の側面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 液晶パネル
2 制御基板
3a 第一の湾曲保護板
3b 第二の湾曲保護板
4 スペーサ
5 四隅の領域
6 コントラスト検出領域
7 表示領域
8 隅部溝
9 空気層
10 アレイ基板
11 端子
20 カラーフィルタ基板
21 FFC
30 シール材
40 液晶
50 偏光板
60 初期配向方向
70 応力集中領域
80 短辺方向
90 非湾曲辺に沿った長方形形状領域
W パネル外形幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の第1基板と、前記第1基板と対向配置される矩形状の第2基板と、前記第1基板と前記第2基板間に充填した液晶を有する液晶パネルを備え、
前記液晶パネルは湾曲しており、隅部あるいは隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域の曲率が他の領域の曲率よりも小さいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
隅部は四隅である請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルは液晶の短辺方向とそこから傾きの付けた初期配向方向との交差角が大きい方の対角線側の1組の隅部の曲率が他の領域の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面とこれに対向する液晶パネルの凸面との間に、隅部以外の領域に位置するスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面とこれに対向する液晶パネルの凹面との間に、液晶パネルの隅部にスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面側は、液晶パネルの隅部に対向する領域の厚みが他の部分に比し薄くなっていることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記液晶パネルはその湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面側は、液晶パネルの隅部に対向する領域の厚みが他の部分に比し厚くなっていることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
矩形状の第1基板と、前記第1基板と対向配置される矩形状の第2基板と、前記第1基板と前記第2基板間に充填した液晶を有する液晶パネルを備え、
前記液晶パネルは湾曲しており、隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域の曲率が他の領域の曲率よりも小さいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面とこれに対向する液晶パネルの凸面との間に、隅部以外かつ非湾曲辺周辺以外の領域に位置するスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面とこれに対向する液晶パネルの凹面との間に、液晶パネルの隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域にスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面側は、液晶パネルの隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域に対向する領域の厚みが他の部分に比し薄くなっていることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記液晶パネルはその湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面側は、液晶パネルの隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域に対向する領域の厚みが他の部分に比し厚くなっていることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第一基板及び第二基板はプラスチック基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記液晶パネルは、横電界駆動方式により表示を行うものである請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項1】
矩形状の第1基板と、前記第1基板と対向配置される矩形状の第2基板と、前記第1基板と前記第2基板間に充填した液晶を有する液晶パネルを備え、
前記液晶パネルは湾曲しており、隅部あるいは隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域の曲率が他の領域の曲率よりも小さいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
隅部は四隅である請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルは液晶の短辺方向とそこから傾きの付けた初期配向方向との交差角が大きい方の対角線側の1組の隅部の曲率が他の領域の曲率よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面とこれに対向する液晶パネルの凸面との間に、隅部以外の領域に位置するスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面とこれに対向する液晶パネルの凹面との間に、液晶パネルの隅部にスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面側は、液晶パネルの隅部に対向する領域の厚みが他の部分に比し薄くなっていることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記液晶パネルはその湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面側は、液晶パネルの隅部に対向する領域の厚みが他の部分に比し厚くなっていることを特徴とする請求項2もしくは請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
矩形状の第1基板と、前記第1基板と対向配置される矩形状の第2基板と、前記第1基板と前記第2基板間に充填した液晶を有する液晶パネルを備え、
前記液晶パネルは湾曲しており、隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域の曲率が他の領域の曲率よりも小さいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面とこれに対向する液晶パネルの凸面との間に、隅部以外かつ非湾曲辺周辺以外の領域に位置するスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面とこれに対向する液晶パネルの凹面との間に、液晶パネルの隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域にスペーサを挟んでいることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記液晶パネルは、その湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第一の湾曲保護板の凹面側は、液晶パネルの隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域に対向する領域の厚みが他の部分に比し薄くなっていることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記液晶パネルはその湾曲形状を保持する第一の湾曲保護板の凹面と第二の湾曲保護板の凸面で挟まれており、
前記第二の湾曲保護板の凸面側は、液晶パネルの隅部付近を含む非湾曲辺に沿った長方形形状領域に対向する領域の厚みが他の部分に比し厚くなっていることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第一基板及び第二基板はプラスチック基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記液晶パネルは、横電界駆動方式により表示を行うものである請求項1ないし請求項12のいずれか一に記載の液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−50535(P2013−50535A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187433(P2011−187433)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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