説明

液晶表示装置

【課題】画像信号の入力頻度の向上を図ること。
【解決手段】液晶表示装置の画素部を複数の領域に分割し、該複数の領域毎に画像信号の入力を制御する。そのため、当該液晶表示装置は、同時に複数本の走査線を選択することが可能である。すなわち、当該液晶表示装置は、マトリクス状に配設された画素のうち、複数行に配設された画素に対して同時に画像信号を供給することが可能である。これにより、当該液晶表示装置が有するトランジスタなどの応答速度を変化させることなく、各画素に対する画像信号の入力頻度を向上させることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及びその駆動方法に関する。特に、フィールドシーケンシャル
方式によって表示を行う液晶表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置の表示方法として、カラーフィルター方式及びフィールドシーケンシャル
方式が知られている。前者によって表示を行う液晶表示装置では、各画素に、特定色を呈
する波長の光のみを透過するカラーフィルター(例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)
)を有する複数の副画素が設けられる。そして、副画素毎に白色光の透過を制御し、且つ
画素毎に複数の色を混色することで所望の色を形成している。一方、後者によって表示を
行う液晶表示装置では、それぞれが異なる色を呈する光を発光する複数の光源(例えば、
R(赤)、G(緑)、B(青))が設けられる。そして、当該複数の光源が順次発光し、
且つ画素毎にそれぞれの色を呈する光の透過を制御することで所望の色を形成している。
すなわち、前者は、特定色を呈する光毎に一画素の面積を分割することで所望の色を形成
する方式であり、後者は、特定色を呈する光毎に表示期間を時間分割することで所望の色
を形成する方式である。
【0003】
フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置は、カラーフィルター
方式によって表示を行う液晶表示装置と比較し、以下の利点を有する。まず、フィールド
シーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置では、各画素に副画素を設ける必要
がない。そのため、開口率を向上すること又は画素数を増加することが可能である。加え
て、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置では、カラーフィル
ターを設ける必要がない。つまり、当該カラーフィルターにおける光吸収による光の損失
が存在しない。そのため、透過率を向上すること及び消費電力を低減することが可能であ
る。
【0004】
特許文献1では、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置が開
示されている。具体的には、各画素に、画像信号の入力を制御するトランジスタと、該画
像信号を保持する信号保持容量と、該信号保持容量から表示画素容量への電荷の移動を制
御するトランジスタとが設けられた液晶表示装置が開示されている。当該構成を有する液
晶表示装置は、信号保持容量に対する画像信号の書き込みと、表示画素容量が保持する電
荷に応じた表示とを並行して行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−42405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置においては、各画素に
対する画像信号の入力頻度を向上させる必要がある。例えば、R(赤)、G(緑)、B(
青)のいずれか一を呈する光を発光する3種の光源を備えた液晶表示装置をフィールドシ
ーケンシャル方式で表示させる場合、カラーフィルター方式によって表示を行う液晶表示
装置と比較し、各画素に対する画像信号の入力頻度を少なくとも3倍にする必要がある。
具体的に述べると、フレーム周波数が60Hzである場合、カラーフィルター方式によっ
て表示を行う液晶表示装置では各画素に対する画像信号の入力を1秒間に60回行う必要
があるのに対し、当該3種の光源を備えた液晶表示装置をフィールドシーケンシャル方式
によって表示させる場合、各画素に対する画像信号の入力を1秒間に180回行う必要が
ある。
【0007】
ただし、画像信号の入力頻度の向上に付随して、各画素に設けられる素子の高速応答性
が要求される。具体的には、各画素に設けられるトランジスタの移動度の向上などが要求
される。しかしながら、トランジスタなどの特性を向上させることは容易ではない。
【0008】
そこで、本発明の一態様は、設計の観点から画像信号の入力頻度の向上を図ることを課
題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題は、液晶表示装置の画素部を複数の領域に分割し、該複数の領域毎に画像
信号の入力を制御することによって解決することができる。
【0010】
すなわち、本発明の一態様は、水平走査期間において第1の画像信号が供給される第1
の信号線、及び前記水平走査期間において第2の画像信号が供給される第2の信号線と、
前記水平走査期間において選択信号が供給される第1の走査線及び第2の走査線と、前記
第1の信号線及び前記第1の走査線に電気的に接続された第1の画素、並びに前記第2の
信号線及び前記第2の走査線に電気的に接続された第2の画素と、を有する液晶表示装置
である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様の液晶表示装置は、同時に複数本の走査線を選択することが可能である
。すなわち、本発明の一態様の液晶表示装置は、マトリクス状に配設された画素のうち、
複数行に配設された画素に対して同時に画像信号を供給することが可能である。これによ
り、当該液晶表示装置が有するトランジスタなどの応答速度を変化させることなく、各画
素に対する画像信号の入力頻度を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)液晶表示装置の構成例を示す図、(B)〜(D)画素の構成例を示す図。
【図2】(A)走査線駆動回路の構成例を示す図、(B)セレクタ回路の構成例を示す図、(C)バッファの構成例を示す図。
【図3】走査線駆動回路の動作を説明する図。
【図4】(A)信号線駆動回路の構成例を示す図、(B)液晶表示装置の動作例を示す図。
【図5】(A)バッファの変形例を示す図、(B)信号の電位の変動を示す図。
【図6】トランジスタの構造例を示す図。
【図7】(A)〜(C)トランジスタの構造例を示す図。
【図8】(A)〜(F)電子機器の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明
は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態
および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、
本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0014】
まず、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置の一例について
図1〜図4を参照して説明する。
【0015】
<液晶表示装置の構成例>
図1(A)は、液晶表示装置の構成例を示す図である。図1(A)に示す液晶表示装置
は、画素部10と、走査線駆動回路11と、信号線駆動回路12と、転送信号線駆動回路
13と、各々が平行又は略平行に配設され、且つ走査線駆動回路11によって電位が制御
される3n本(nは、2以上の自然数)の走査線14と、各々が平行又は略平行に配設さ
れ、且つ信号線駆動回路12によって電位が制御される、m本(mは、2以上の自然数)
の信号線151、m本の信号線152、及びm本の信号線153と、走査線14に平行又
は略平行に配設された3n本の支線が設けられた転送信号線16と、を有する。
【0016】
さらに、画素部10は、3つの領域(領域101〜領域103)に分割され、領域毎に
マトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素を有する。なお、各走査線14は、画
素部10においてマトリクス状(3n行m列)に配設された複数の画素のうち、いずれか
の行に配設されたm個の画素に電気的に接続される。また、各信号線151は、領域10
1においてマトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素のうち、いずれかの列に配
設されたn個の画素に電気的に接続される。また、各信号線152は、領域102におい
てマトリクス状(n行m列)に配設された複数の画素のうち、いずれかの列に配設された
n個の画素に電気的に接続される。また、各信号線153は、領域103においてマトリ
クス状(n行m列)に配設された複数の画素のうち、いずれかの列に配設されたn個の画
素に電気的に接続される。また、転送信号線16は、画素部10においてマトリクス状(
3n行m列)に配設された複数の画素の全てに電気的に接続される。
【0017】
なお、走査線駆動回路11には、外部から走査線駆動回路用スタート信号(GSP1〜
GSP3)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、及び高電源電位(VDD1、V
DD2)、低電源電位(VSS)などの駆動用電源が入力される。また、信号線駆動回路
12には、外部から信号線駆動回路用スタート信号(SSP)、信号線駆動回路用クロッ
ク信号(SCK)、画像信号(DATA1〜DATA3)などの信号、及び高電源電位、
低電源電位などの駆動用電源が入力される。
【0018】
図1(B)〜(D)は、画素の回路構成例を示す図である。具体的には、図1(B)は
、領域101に配設された画素171の回路構成例を示す図であり、図1(C)は、領域
102に配設された画素172の回路構成例を示す図であり、図1(D)は、領域103
に配設された画素173の回路構成例を示す図である。図1(B)に示す画素171は、
ゲートが走査線14に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線151に電
気的に接続されたトランジスタ1711と、一方の電極がトランジスタ1711のソース
及びドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が容量電位を供給する配線に電気的
に接続された容量素子1712と、ゲートが転送信号線16に電気的に接続され、ソース
及びドレインの一方がトランジスタ1711のソース及びドレインの他方並びに容量素子
1712の一方の電極に電気的に接続されたトランジスタ1713と、一方の電極(画素
電極)がトランジスタ1713のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、他方の
電極(対向電極)が対向電位を供給する配線に電気的に接続された液晶素子1714と、
を有する。
【0019】
図1(C)に示す画素172及び図1(D)に示す画素173も回路構成自体は、図1
(B)に示す画素171と同一である。ただし、図1(C)に示す画素172では、トラ
ンジスタ1721のソース及びドレインの一方が信号線151ではなく信号線152に電
気的に接続される点が図1(B)に示す画素171と異なり、図1(D)に示す画素17
3では、トランジスタ1731のソース及びドレインの一方が信号線151ではなく信号
線153に電気的に接続される点が図1(B)に示す画素171と異なる。
【0020】
なお、図1(B)〜(D)に示す液晶素子は、ブルー相を示す液晶材料を用いて構成さ
れることが好ましい。ここで、液晶材料とは、液晶層に用いる液晶を含む混合物をさす。
ブルー相を示す液晶材料を用いることで、液晶素子の立ち上がり時間及び立ち下がり時間
を200マイクロ秒以下とすることができる。
【0021】
<走査線駆動回路11の構成例>
図2(A)は、図1(A)に示す液晶表示装置が有する走査線駆動回路11の構成例を
示す図である。図2(A)に示す走査線駆動回路11は、3n個の出力端子を有するシフ
トレジスタ111〜113と、3個の入力端子及び1個の出力端子を有する3n個のバッ
ファ114と、を有する。なお、バッファ114の3個の入力端子は、それぞれ異なるシ
フトレジスタ111〜113が有するk番目(kは、1以上3n以下の自然数)の出力端
子に電気的に接続され、出力端子は、画素部10においてk行目に配設された走査線14
に電気的に接続される。
【0022】
さらに、シフトレジスタ111は、1段目に入力される走査線駆動回路用スタート信号
(GSP1)をきっかけとして、信号を順次シフト(当該信号を走査線駆動回路用クロッ
ク信号(GCK)1/2周期分遅延して出力)する機能を有する3n段のパルス出力回路
(パルス出力回路111_1〜111_3n)と、シフトレジスタ111の出力信号を、
パルス出力回路の出力信号及び低電源電位(VSS)から選択する機能を有するセレクタ
回路1110_1、1110_2と、を有する。なお、セレクタ回路1110_1は、n
+1段目のパルス出力回路111_n+1と、n+2段目のパルス出力回路111_n+
2及びシフトレジスタ111のn+1番目の出力端子(n+1番目のバッファ114)と
の間に設けられ、セレクタ回路1110_2は、2n+1段目のパルス出力回路111_
2n+1と、2n+2段目のパルス出力回路111_2n+2及びシフトレジスタ111
の2n+1番目の出力端子(2n+1番目のバッファ114)との間に設けられる。また
、パルス出力回路111_1〜111_n、111_n+2〜111_2n、111_2
n+2〜3nの出力端子のそれぞれは、対応するシフトレジスタ111の出力端子(対応
するバッファ114)に直接接続するように設けられる。なお、シフトレジスタ112、
113として、シフトレジスタ111と同様な構成を適用することができるため、図2(
A)では、シフトレジスタ112、113の詳細な構成については割愛する。
【0023】
図2(B)は、図2(A)に示すセレクタ回路1110_1の構成例を示す図である。
図2(B)に示すセレクタ回路1110_1は、ゲートが転送信号(T)を供給する配線
に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が低電源電位(VSS)を供給する配線
に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がn+1番目のバッファ114に電気的
に接続されたトランジスタ1111と、入力端子が転送信号(T)を供給する配線に電気
的に接続されたインバータ1112と、ゲートがインバータ1112の出力端子に電気的
に接続され、ソース及びドレインの一方がパルス出力回路111_n+1に電気的に接続
され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ1111のソース及びドレインの他方並
びにn+1番目のバッファ114に電気的に接続されたトランジスタ1113と、を有す
る。なお、転送信号(T)とは、図1(A)に示した転送信号線16に供給される信号で
ある。また、セレクタ回路1110_2として、セレクタ回路1110_1と同様な構成
を適用することができる。
【0024】
図2(C)は、図2(A)に示すバッファ114の構成例を示す図である。端的に言う
と、図2(C)に示すバッファ114は、3入力型のORゲートである。なお、ここでは
、図2(C)に示すバッファ114において用いられる2種の高電源電位(VDD1、V
DD2)は、高電源電位(VDD2)の方が高電源電位(VDD1)よりも高電位である
とする。
【0025】
図2(C)に示すバッファ114は、ゲート並びにソース及びドレインの一方が高電源
電位(VDD1)を供給する配線に電気的に接続されたトランジスタ1141と、ゲート
がバッファ114の第1の入力端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がト
ランジスタ1141のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレイ
ンの他方が低電源電位(VSS)を供給する配線に電気的に接続されたトランジスタ11
42と、ゲートがバッファ114の第2の入力端子に電気的に接続され、ソース及びドレ
インの一方がトランジスタ1141のソース及びドレインの他方並びにトランジスタ11
42のソース及びドレインの一方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が低電
源電位(VSS)を供給する配線に電気的に接続されたトランジスタ1143と、ゲート
がバッファ114の第3の入力端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がト
ランジスタ1141のソース及びドレインの他方、トランジスタ1142のソース及びド
レインの一方、並びにトランジスタ1143のソース及びドレインの一方に電気的に接続
され、ソース及びドレインの他方が低電源電位(VSS)を供給する配線に電気的に接続
されたトランジスタ1144と、ゲート並びにソース及びドレインの一方が高電源電位(
VDD2)を供給する配線に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が走査線14
に電気的に接続されたトランジスタ1145と、ゲートがトランジスタ1141のソース
及びドレインの他方、トランジスタ1142のソース及びドレインの一方、トランジスタ
1143のソース及びドレインの一方、並びにトランジスタ1144のソース及びドレイ
ンの一方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ1145のソー
ス及びドレインの他方並びに走査線14に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方
が低電源電位(VSS)を供給する配線に電気的に接続されたトランジスタ1146と、
を有する。
【0026】
<走査線駆動回路11の動作例>
上述した走査線駆動回路11の動作例について図3を参照して説明する。なお、図3に
は、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)、転送信号(T)、シフトレジスタ111
が有する3n個の出力端子から出力される信号(SR111out)、シフトレジスタ1
12が有する3n個の出力端子から出力される信号(SR112out)、シフトレジス
タ113が有する3n個の出力端子から出力される信号(SR113out)、及び走査
線駆動回路が有する3n個の出力端子から出力される信号(GD11out)を示してい
る。
【0027】
サンプリング期間(T1)において、転送信号(T)はロウレベルの電位となるため、
GD11outは、SR111out、SR112out、SR113outのいずれか
がハイレベルの電位であればハイレベルの電位となる。ここで、シフトレジスタ111で
は、1段目のパルス出力回路111_1を起点としてn段目のパルス出力回路111_n
までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトし、シフト
レジスタ112では、n+1段目のパルス出力回路を起点として2n段目のパルス出力回
路までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトし、シフ
トレジスタ113では、2n+1段目のパルス出力回路を起点として3n段目のパルス出
力回路までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトする
。そのため、走査線駆動回路11は、水平走査期間毎に異なる3本の走査線14に対して
選択信号を供給することになる。
【0028】
転送期間(T2)において、転送信号(T)はハイレベルの電位(選択信号)となるた
め、GD11outは、全てロウレベルの電位となる。なお、シフトレジスタ111〜1
13は、転送期間(T2)において一時的に選択信号のシフトを停止させ、且つ転送期間
(T2)に続くサンプリング期間(T3)において再度選択信号のシフトを再開させると
いう動作を行う必要がある。シフトレジスタ111〜113において当該動作を可能とす
るには、例えば、パルス出力回路が、前段に設けられたパルス出力回路から出力されるハ
イレベルの電位の入力に応じて、ハイレベルの電位の出力動作を開始するとともに、後段
に設けられたパルス出力回路から出力されるハイレベルの電位の入力に応じて、ハイレベ
ルの電位の出力動作を終了するように設計すればよい。
【0029】
サンプリング期間(T3)において、サンプリング期間(T1)と同様に転送信号(T
)はロウレベルの電位となるため、GD11outは、SR111out、SR112o
ut、SR113outのいずれかがハイレベルの電位であればハイレベルの電位となる
。ここで、シフトレジスタ111〜113のそれぞれの出力信号はサンプリング期間(T
1)と異なるが、それぞれの出力信号の組み合わせはサンプリング期間(T1)と同じで
ある。すなわち、シフトレジスタ111〜113のいずれか一(サンプリング期間(T3
)においては、シフトレジスタ113)では、1段目のパルス出力回路111_1を起点
としてn段目のパルス出力回路111_nまでハイレベルの電位が1/2クロック周期(
水平走査期間)毎に順次シフトし、前述のシフトレジスタ111〜113のいずれか一と
異なるシフトレジスタ111〜113のいずれか一(サンプリング期間(T3)において
は、シフトレジスタ111)では、n+1段目のパルス出力回路を起点として2n段目の
パルス出力回路までハイレベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シ
フトし、前述のシフトレジスタ111〜113のうち2つと異なるシフトレジスタ111
〜113のいずれか一(サンプリング期間(T3)においては、シフトレジスタ112)
では、2n+1段目のパルス出力回路を起点として3n段目のパルス出力回路までハイレ
ベルの電位が1/2クロック周期(水平走査期間)毎に順次シフトする。そのため、走査
線駆動回路11は、サンプリング期間(T1)と同様に、水平走査期間毎に異なる3本の
走査線14に対して選択信号を供給することになる。
【0030】
<信号線駆動回路12の構成例>
図4(A)は、図1(A)に示す液晶表示装置が有する信号線駆動回路12の構成例を
示す図である。図4(A)に示す信号線駆動回路12は、m個の出力端子を有するシフト
レジスタ120と、m個のトランジスタ121と、m個のトランジスタ122と、m個の
トランジスタ123と、を有する。なお、トランジスタ121のゲートは、シフトレジス
タ120が有するj番目(jは、1以上m以下の自然数)の出力端子に電気的に接続され
、ソース及びドレインの一方が第1の画像信号(DATA1)を供給する配線に電気的に
接続され、ソース及びドレインの他方が画素部10においてj列目に配設された信号線1
51に電気的に接続される。また、トランジスタ122のゲートは、シフトレジスタ12
0が有するj番目の出力端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が第2の画
像信号(DATA2)を供給する配線に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が
画素部10においてj列目に配設された信号線152に電気的に接続される。また、トラ
ンジスタ123のゲートは、シフトレジスタ120が有するj番目の出力端子に電気的に
接続され、ソース及びドレインの一方が第3の画像信号(DATA3)を供給する配線に
電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が画素部10においてj列目に配設された
信号線153に電気的に接続される。
【0031】
第1の画像信号(DATA1)は、トランジスタ121を介して信号線151に供給さ
れる。つまり、第1の画像信号(DATA1)は、画素部10の領域101に対する画像
信号である。同様に、第2の画像信号(DATA2)は、画素部10の領域102に対す
る画像信号であり、第3の画像信号(DATA3)は、画素部10の領域103に対する
画像信号である。なお、ここでは、第1の画像信号(DATA1)は、サンプリング期間
(T1)において、赤(R)の画像信号を信号線151に供給し、サンプリング期間(T
3)において、緑(G)の画像信号を信号線151に供給し、サンプリング期間(T5)
において、青(B)の画像信号を信号線151に供給することとする。また、第2の画像
信号(DATA2)は、サンプリング期間(T1)において、緑(G)の画像信号を信号
線152に供給し、サンプリング期間(T3)において、青(B)の画像信号を信号線1
52に供給し、サンプリング期間(T5)において、赤(R)の画像信号を信号線152
に供給することとする。また、第3の画像信号(DATA3)は、サンプリング期間(T
1)において、青(B)の画像信号を信号線153に供給し、サンプリング期間(T3)
において、赤(R)の画像信号を信号線153に供給し、サンプリング期間(T5)にお
いて、緑(G)の画像信号を信号線153に供給することとする。
【0032】
図4(B)は、上述した液晶表示装置の動作例を示す図である。なお、図4(B)にお
いては、領域101、102、103に書き込まれる画像信号と領域101、102、1
03のそれぞれに対して供給される光の経時変化を示している。図4(B)に示すように
当該液晶表示装置は、領域(領域101、102、103)毎に、画像信号の書き込みと
、特定色を呈する光の供給と、を並行して行うことが可能である。なお、当該液晶表示装
置では、転送期間(T2)〜サンプリング期間(T7)に行われる動作によって、画素部
10において1枚の画像が形成される。すなわち、当該液晶表示装置においては、転送期
間(T2)〜サンプリング期間(T7)が1フレーム期間に相当する。
【0033】
<本明細書で開示される液晶表示装置について>
本明細書で開示される液晶表示装置は、同時に複数本の走査線を選択することが可能で
ある。すなわち、当該液晶表示装置は、マトリクス状に配設された画素のうち、複数行に
配設された画素に対して同時に画像信号を供給することが可能である。これにより、当該
液晶表示装置が有するトランジスタなどの応答速度を変化させることなく、各画素に対す
る画像信号の入力頻度を向上させることが可能になる。具体的に述べると、上述した液晶
表示装置では、走査線駆動回路のクロック周波数などを変化させることなく、各画素に対
する画像信号の入力頻度を3倍にすることが可能である。すなわち、当該液晶表示装置は
、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置、又は倍速駆動を行う
液晶表示装置として好適である。
【0034】
さらに、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置として本明細
書で開示される液晶表示装置を適用することは、以下の点で好ましい。上述したように、
フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置では特定色を呈する光毎
に表示期間が時間分割される。そのため、利用者の瞬きなど短時間の表示の遮りに起因し
て特定の表示情報が欠落することによって、当該利用者に視認される表示が本来の表示情
報に基づく表示から変化(劣化)すること(カラーブレイク、色割れともいう)がある。
ここで、カラーブレイクの抑制には、フレーム周波数を高くすることが効果的である。一
方、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行うためには、フレーム周波数よりも
高い頻度で各画素に対して画像信号を入力する必要がある。そのため、従来の液晶表示装
置においてフィールドシーケンシャル方式且つ高フレーム周波数駆動によって表示を行う
場合、当該液晶表示装置を構成する素子の性能(高速応答性)に対する要求が非常に厳し
くなる。これに対し、本明細書で開示される液晶表示装置は、素子の特性に制約されるこ
となく各画素に対する画像信号の入力頻度を増加させることが可能である。そのため、フ
ィールドシーケンシャル方式によって表示を行う液晶表示装置におけるカラーブレイクの
抑制を容易に行うことが可能である。
【0035】
加えて、フィールドシーケンシャル方式によって表示を行う場合、図4(B)に示すよ
うに領域毎に異なる色を呈する光を供給することは、以下の点で好ましい。全画面共通で
同一の光を供給する場合、特定の瞬間において画素部には特定の色に関する色情報のみが
存在することになる。そのため、利用者の瞬きなどによる特定の期間の表示情報の欠落が
特定の色情報の欠落とイコールになる。これに対し、領域毎に異なる色を呈する光を供給
する場合、特定の瞬間において画素部にはそれぞれの色に関する色情報が存在することに
なる。そのため、利用者の瞬きなどによる特定の期間の表示情報の欠落が特定の色情報の
欠落とイコールにはならない。つまり、領域毎に異なる色を呈する光を供給することで、
カラーブレイクを軽減することが可能である。
【0036】
<変形例>
上述した構成を有する液晶表示装置は、本発明の一態様であり、当該液晶表示装置と異
なる点を有する液晶表示装置も本発明には含まれる。
【0037】
例えば、上述した液晶表示装置においては、画素部10を3つの領域(領域101、1
02、103)に分割する構成(図1(A)参照)について示したが、本発明の液晶表示
装置は、当該構成に限定されない。すなわち、本発明の液晶表示装置では、画素部10を
任意の領域数に分割することが可能である。なお、自明ではあるが、当該領域数を変化さ
せる場合、当該領域数と同数の信号線及びシフトレジスタなどを設ける必要があることを
付記する。
【0038】
また、上述した液晶表示装置においては、複数の光源として赤(R)、緑(G)、青(
B)のいずれか一を呈する光を発光する3種の光源を用いる構成について示したが、本発
明の液晶表示装置は、当該構成に限定されない。すなわち、本発明の液晶表示装置では、
任意の色を呈する光の光源を組み合わせて用いることが可能である。例えば、赤(R)、
緑(G)、青(B)、白(W)の4種の光源を組み合わせて用いること、又はシアン、マ
ゼンタ、イエローの3種の光源を組み合わせて用いることなどが可能である。さらに、淡
色の赤(R)、緑(G)、及び青(B)、並びに濃色の赤(R)、緑(G)、及び青(B
)の6種の光源を組み合わせて用いること、又は赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン
、マゼンタ、イエローの6種の光源を組み合わせて用いることなども可能である。
【0039】
また、上述した液晶表示装置においては、液晶素子に印加される電圧を保持するための
容量素子が設けられない構成(図1(B)〜(D)参照)について示したが、当該容量素
子が設けられる構成とすることも可能である。
【0040】
また、上述した液晶表示装置においては、セレクタ回路に転送信号(T)が入力される
構成(図2(A)、(B)参照)について示したが、当該セレクタ回路に入力される信号
が転送信号(T)と異なる信号であってもよい。具体的には、セレクタ回路に入力される
信号が、転送信号(T)がハイレベルの電位を示す期間を含む期間においてハイレベルの
電位を示す信号であればどのような信号であってもよい。
【0041】
また、上述した液晶表示装置においては、バッファとして3入力型のORゲートを適用
する構成(図2(C)参照)について示したが、当該バッファの構成は当該構成に限定さ
れない。例えば、領域101に配設された走査線14に電気的に接続されたバッファ11
4として、図5(A)に示す回路を適用することが可能である。図5(A)に示すバッフ
ァ114は、ゲートが信号(A)を供給する配線に電気的に接続され、ソース及びドレイ
ンの一方がシフトレジスタ111に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が走査
線14に電気的に接続されたトランジスタ1147と、ゲートが信号(B)を供給する配
線に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がシフトレジスタ112に電気的に接
続され、ソース及びドレインの他方が走査線14に電気的に接続されたトランジスタ11
48と、ゲートが信号(C)を供給する配線に電気的に接続され、ソース及びドレインの
一方がシフトレジスタ113に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が走査線1
4に電気的に接続されたトランジスタ1149と、ゲートが転送信号(T)を供給する配
線に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が低電源電位(VSS)を供給する配
線に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が走査線14に電気的に接続されたト
ランジスタ1150と、を有する。なお、信号(A)、信号(B)、及び信号(C)は、
図5(B)に示すような電位の変動を示す信号である。また、図5(A)に示す回路にお
いて、信号(A)、信号(B)、及び信号(C)を供給する配線をどのトランジスタのゲ
ートに電気的に接続するかを適宜変更することによって、領域102に配設された走査線
14に電気的に接続されたバッファ114又は領域103に配設された走査線14に電気
的に接続されたバッファ114として図5(A)に示す回路を適用することが可能である

【0042】
<トランジスタの一例>
以下では、上述した液晶表示装置を構成するトランジスタの構造例について図6を参照
して説明する。なお、当該液晶表示装置において、画素部10に設けられるトランジスタ
と、走査線駆動回路11に設けられるトランジスタとは、同一構成を有するトランジスタ
を適用してもよいし、異なる構成を有するトランジスタを適用してもよい。
【0043】
図6に示すトランジスタ211は、絶縁表面を有する基板220上に設けられたゲート
層221と、ゲート層221上に設けられたゲート絶縁層222と、ゲート絶縁層222
上に設けられた半導体層223と、半導体層223上に設けられたソース層224a及び
ドレイン層224bとを有する。また、図6においては、トランジスタ211を覆い、半
導体層223に接する絶縁層225と、絶縁層225上に設けられた保護絶縁層226と
が図示されている。
【0044】
なお、基板220としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SO
I基板、ガラス基板、石英基板、表面に絶縁層が設けられた導電性基板、又はプラスチッ
ク基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、若しくは基材フィルムなどの可撓
性基板などがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホ
ウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテ
ルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合
成樹脂などがある。
【0045】
また、ゲート層221としては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)
、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ネオ
ジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素、上述した元素を成分とする合金
、または上述した元素を成分とする窒化物を適用することができる。また、これらの材料
の積層構造を適用することもできる。
【0046】
また、ゲート絶縁層222としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン
、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどの絶縁体を適用することがで
きる。また、これらの材料の積層構造を適用することもできる。なお、酸化窒化シリコン
とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであり、濃度範囲として酸素
が55〜65原子%、窒素が1〜20原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.
1〜10原子%の範囲において、合計100原子%となるように各元素を任意の濃度で含
むものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量
が多いものであり、濃度範囲として酸素が15〜30原子%、窒素が20〜35原子%、
Siが25〜35原子%、水素が15〜25原子%の範囲において、合計100原子%と
なるように各元素を任意の濃度で含むものをいう。
【0047】
また、半導体層223としては、シリコン(Si)若しくはゲルマニウム(Ge)など
の周期表第14族元素を主構成元素とする材料、シリコンゲルマニウム(SiGe)若し
くはガリウムヒ素(GaAs)などの化合物、酸化亜鉛(ZnO)若しくはインジウム(
In)及びガリウム(Ga)を含む酸化亜鉛などの酸化物、又は半導体特性を示す有機化
合物などの半導体材料を適用することができる。また、これらの半導体材料からなる層の
積層構造を適用することもできる。
【0048】
さらに、半導体層223として酸化物(酸化物半導体)を適用する場合は、四元系金属
酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn
−O系、In−Sn−Zn−O系、In−Al−Zn−O系、Sn−Ga−Zn−O系、
Al−Ga−Zn−O系、Sn−Al−Zn−O系、二元系金属酸化物であるIn−Ga
−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、Zn−Mg−O系、
Sn−Mg−O系、In−Mg−O系、または単元系金属酸化物であるIn−O系、Sn
−O系、Zn−O系などを用いることができる。また、上記酸化物半導体にSiOを含
んでもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系酸化物半導体とは、少なくともI
nとGaとZnを含む酸化物であり、その組成比に特に制限はない。また、InとGaと
Zn以外の元素を含んでもよい。
【0049】
また、半導体層223は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜
を用いることができる。ここで、Mは、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一また
は複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、または
Ga及びCoなどを選択することができる。
【0050】
また、酸化物半導体としてIn−Zn−O系の材料を用いる場合、用いるターゲットの
組成比は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn
:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比
に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=
15:1〜1.5:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=15:2〜3:4)
とする。例えば、In−Zn−O系酸化物半導体の形成に用いるターゲットは、原子数比
がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
【0051】
また、ソース層224a、ドレイン層224bとしては、アルミニウム(Al)、銅(
Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)
、クロム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素、上述し
た元素を成分とする合金、または上述した元素を成分とする窒化物を適用することができ
る。また、これらの材料の積層構造を適用することもできる。
【0052】
また、ソース層224a、ドレイン層224b(これらと同じ層で形成される配線層を
含む)となる導電膜は導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化物として
は酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イ
ンジウム酸化スズ合金(In―SnO、ITOと略記する)、酸化インジウム酸
化亜鉛合金(In―ZnO)またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ま
せたものを用いることができる。
【0053】
また、絶縁層225としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、
または酸化窒化アルミニウムなどの絶縁体を適用することができる。また、これらの材料
の積層構造を適用することもできる。
【0054】
また、保護絶縁層226としては、窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化シリコ
ン、窒化酸化アルミニウムなどの絶縁体を適用することができる。また、これらの材料の
積層構造を適用することもできる。
【0055】
また、保護絶縁層226上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁
膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテ
ン等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low
−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層
させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0056】
上述した構成を有するトランジスタを用いて本明細書で開示される液晶表示装置を作製
することが可能である。例えば、画素部10に設けられるトランジスタとして半導体層が
アモルファスシリコンによって構成されるトランジスタを適用し、走査線駆動回路11に
設けられるトランジスタとして半導体層が多結晶シリコン若しくは単結晶シリコンによっ
て構成されるトランジスタを適用する、又は画素部10及び走査線駆動回路11に設けら
れるトランジスタとして半導体層が酸化物半導体によって構成されるトランジスタを適用
することなどが可能である。なお、同一構成を有するトランジスタを画素部10及び走査
線駆動回路11に設けられるトランジスタとして適用する場合、製造プロセスの低減によ
るコストの低減及び歩留まりの向上が図れる。
【0057】
<トランジスタの変形例>
なお、図6ではチャネルエッチ型と呼ばれるボトムゲート構造のトランジスタ211に
ついて示したが、上述した液晶表示装置に設けられるトランジスタは当該構成に限定され
ない。例えば、図7(A)〜(C)に示すトランジスタを適用することが可能である。
【0058】
図7(A)に示すトランジスタ510は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともい
う)と呼ばれるボトムゲート構造の一つである。
【0059】
トランジスタ510は、絶縁表面を有する基板220上に、ゲート層221、ゲート絶
縁層222、半導体層223、半導体層223のチャネル形成領域を覆うチャネル保護層
として機能する絶縁層511、ソース層224a、及びドレイン層224bを含む。また
、ソース層224a、ドレイン層224b、及び絶縁層511を覆い、保護絶縁層226
が形成されている。
【0060】
なお、絶縁層511としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化
酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどの絶縁体を適用することができる。
また、これらの材料の積層構造を適用することもできる。
【0061】
図7(B)に示すトランジスタ520はボトムゲート型のトランジスタであり、絶縁表
面を有する基板である基板220上に、ゲート層221、ゲート絶縁層222、ソース層
224a、ドレイン層224b、及び半導体層223を含む。また、ソース層224a及
びドレイン層224bを覆い、半導体層223に接する絶縁層225が設けられている。
絶縁層225上にはさらに保護絶縁層226が形成されている。
【0062】
トランジスタ520においては、ゲート絶縁層222は基板220及びゲート層221
上に接して設けられ、ゲート絶縁層222上にソース層224a、ドレイン層224bが
接して設けられている。そして、ゲート絶縁層222、及びソース層224a、ドレイン
層224b上に半導体層223が設けられている。
【0063】
図7(C)に示すトランジスタ530は、トップゲート構造のトランジスタの一つであ
る。トランジスタ530は、絶縁表面を有する基板220上に、絶縁層531、半導体層
223、ソース層224a、及びドレイン層224b、ゲート絶縁層222、ゲート層2
21を含み、ソース層224a、ドレイン層224bにそれぞれ配線層532a、配線層
532bが接して設けられ電気的に接続している。
【0064】
なお、絶縁層531としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化
酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタルなどの絶縁体を適用することができる。
また、これらの材料の積層構造を適用することもできる。
【0065】
また、配線層532a、配線層532bとしては、アルミニウム(Al)、銅(Cu)
、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロ
ム(Cr)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)から選ばれた元素、上述した元素
を成分とする合金、または上述した元素を成分とする窒化物を適用することができる。ま
た、これらの材料の積層構造を適用することもできる。
【0066】
<表示装置を搭載した各種電子機器について>
以下では、本明細書で開示される表示装置を搭載した電子機器の例について図8を参照
して説明する。
【0067】
図8(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータを示す図であり、本体2201、筐
体2202、表示部2203、キーボード2204などによって構成されている。
【0068】
図8(B)は、携帯情報端末(PDA)を示す図であり、本体2211には表示部22
13と、外部インターフェイス2215と、操作ボタン2214等が設けられている。ま
た、操作用の付属品としてスタイラス2212がある。
【0069】
図8(C)は、電子ペーパーの一例として、電子書籍2220を示す図である。電子書
籍2220は、筐体2221および筐体2223の2つの筐体で構成されている。筐体2
221および筐体2223は、軸部2237により一体とされており、該軸部2237を
軸として開閉動作を行うことができる。このような構成により、電子書籍2220は、紙
の書籍のように用いることが可能である。
【0070】
筐体2221には表示部2225が組み込まれ、筐体2223には表示部2227が組
み込まれている。表示部2225および表示部2227は、続き画面を表示する構成とし
てもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とする
ことで、例えば右側の表示部(図8(C)では表示部2225)に文章を表示し、左側の
表示部(図8(C)では表示部2227)に画像を表示することができる。
【0071】
また、図8(C)では、筐体2221に操作部などを備えた例を示している。例えば、
筐体2221は、電源2231、操作キー2233、スピーカー2235などを備えてい
る。操作キー2233により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキ
ーボードやポインティングデバイスなどを備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や
側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、またはACアダプタおよびUSB
ケーブルなどの各種ケーブルと接続可能な端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成
としてもよい。さらに、電子書籍2220は、電子辞書としての機能を持たせた構成とし
てもよい。
【0072】
また、電子書籍2220は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により
、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とするこ
とも可能である。
【0073】
なお、電子ペーパーは、情報を表示するものであればあらゆる分野に適用することが可
能である。例えば、電子書籍以外にも、ポスター、電車などの乗り物の車内広告、クレジ
ットカード等の各種カードにおける表示などに適用することができる。
【0074】
図8(D)は、携帯電話機を示す図である。当該携帯電話機は、筐体2240および筐
体2241の二つの筐体で構成されている。筐体2241は、表示パネル2242、スピ
ーカー2243、マイクロフォン2244、ポインティングデバイス2246、カメラ用
レンズ2247、外部接続端子2248などを備えている。また、筐体2240は、当該
携帯電話機の充電を行う太陽電池セル2249、外部メモリスロット2250などを備え
ている。また、アンテナは筐体2241内部に内蔵されている。
【0075】
表示パネル2242はタッチパネル機能を備えており、図8(D)には映像表示されて
いる複数の操作キー2245を点線で示している。なお、当該携帯電話は、太陽電池セル
2249から出力される電圧を各回路に必要な電圧に昇圧するための昇圧回路を実装して
いる。また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置などを内蔵した構成と
することもできる。
【0076】
表示パネル2242は、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示パネ
ル2242と同一面上にカメラ用レンズ2247を備えているため、テレビ電話が可能で
ある。スピーカー2243およびマイクロフォン2244は音声通話に限らず、テレビ電
話、録音、再生などが可能である。さらに、筐体2240と筐体2241はスライドし、
図8(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適
した小型化が可能である。
【0077】
外部接続端子2248はACアダプタやUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能
であり、充電やデータ通信が可能になっている。また、外部メモリスロット2250に記
録媒体を挿入し、より大量のデータの保存および移動に対応できる。また、上記機能に加
えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。
【0078】
図8(E)は、デジタルカメラを示す図である。当該デジタルカメラは、本体2261
、表示部(A)2267、接眼部2263、操作スイッチ2264、表示部(B)226
5、バッテリー2266などによって構成されている。
【0079】
図8(F)は、テレビジョン装置を示す図である。テレビジョン装置2270では、筐
体2271に表示部2273が組み込まれている。表示部2273により、映像を表示す
ることが可能である。なお、ここでは、スタンド2275により筐体2271を支持した
構成を示している。
【0080】
テレビジョン装置2270の操作は、筐体2271が備える操作スイッチや、別体のリ
モコン操作機2280により行うことができる。リモコン操作機2280が備える操作キ
ー2279により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部2273に表示さ
れる映像を操作することができる。また、リモコン操作機2280に、当該リモコン操作
機2280から出力する情報を表示する表示部2277を設ける構成としてもよい。
【0081】
なお、テレビジョン装置2270は、受信機やモデムなどを備えた構成とするのが好適
である。受信機により、一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介
して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から
受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行
うことが可能である。
【符号の説明】
【0082】
10 画素部
11 走査線駆動回路
12 信号線駆動回路
13 転送信号線駆動回路
14 走査線
16 転送信号線
101 領域
102 領域
103 領域
111 シフトレジスタ
111_1〜111_3n パルス出力回路
112 シフトレジスタ
113 シフトレジスタ
114 バッファ
120 シフトレジスタ
121 トランジスタ
122 トランジスタ
123 トランジスタ
151 信号線
152 信号線
153 信号線
171 画素
172 画素
173 画素
211 トランジスタ
220 基板
221 ゲート層
222 ゲート絶縁層
223 半導体層
224a ソース層
224b ドレイン層
225 絶縁層
226 保護絶縁層
510 トランジスタ
511 絶縁層
520 トランジスタ
530 トランジスタ
531 絶縁層
532a 配線層
532b 配線層
1110_1 セレクタ回路
1110_2 セレクタ回路
1111 トランジスタ
1112 インバータ
1113 トランジスタ
1141 トランジスタ
1142 トランジスタ
1143 トランジスタ
1144 トランジスタ
1145 トランジスタ
1146 トランジスタ
1147 トランジスタ
1148 トランジスタ
1149 トランジスタ
1150 トランジスタ
1711 トランジスタ
1712 容量素子
1713 トランジスタ
1714 液晶素子
1721 トランジスタ
1731 トランジスタ
2201 本体
2202 筐体
2203 表示部
2204 キーボード
2211 本体
2212 スタイラス
2213 表示部
2214 操作ボタン
2215 外部インターフェイス
2220 電子書籍
2221 筐体
2223 筐体
2225 表示部
2227 表示部
2231 電源
2233 操作キー
2235 スピーカー
2237 軸部
2240 筐体
2241 筐体
2242 表示パネル
2243 スピーカー
2244 マイクロフォン
2245 操作キー
2246 ポインティングデバイス
2247 カメラ用レンズ
2248 外部接続端子
2249 太陽電池セル
2250 外部メモリスロット
2261 本体
2263 接眼部
2264 操作スイッチ
2265 表示部(B)
2266 バッテリー
2267 表示部(A)
2270 テレビジョン装置
2271 筐体
2273 表示部
2275 スタンド
2277 表示部
2279 操作キー
2280 リモコン操作機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平走査期間において第1の画像信号を供給することができる機能を有する第1の信号線と、
前記水平走査期間において第2の画像信号を供給することができる機能を有する第2の信号線と、
前記水平走査期間において選択信号を供給することができる機能を有する第1の走査線と、
前記水平走査期間において選択信号を供給することができる機能を有する第2の走査線と、
前記第1の信号線及び前記第1の走査線に電気的に接続された第1の画素と、
前記第2の信号線及び前記第2の走査線に電気的に接続された第2の画素と、
前記第1の走査線及び前記第2の走査線の電位を制御することができる機能を有する走査線駆動回路と、を有し、
前記走査線駆動回路は、
第1の出力端子及び第2の出力端子を有する第1のシフトレジスタと、
第3の出力端子及び第4の出力端子を有する第2のシフトレジスタと、
第1の入力端子が前記第1の出力端子に電気的に接続され、第2の入力端子が前記第3の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記第1の走査線に電気的に接続された第1のORゲートと、
第1の入力端子が前記第2の出力端子に電気的に接続され、第2の入力端子が前記第4の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記第2の走査線に電気的に接続された第2のORゲートと、を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
水平走査期間において第1の画像信号を供給することができる機能を有する第1の信号線と、
前記水平走査期間において第2の画像信号を供給することができる機能を有する第2の信号線と、
前記水平走査期間において選択信号を供給することができる機能を有する第1の走査線と、
前記水平走査期間において選択信号を供給することができる機能を有する第2の走査線と、
前記第1の信号線及び前記第1の走査線に電気的に接続された第1の画素と、
前記第2の信号線及び前記第2の走査線に電気的に接続された第2の画素と、
前記第1の走査線及び前記第2の走査線の電位を制御することができる機能を有する走査線駆動回路と、を有し、
前記走査線駆動回路は、
第1の出力端子及び第2の出力端子を有する第1のシフトレジスタと、
第3の出力端子及び第4の出力端子を有する第2のシフトレジスタと、
第1の入力端子が前記第1の出力端子に電気的に接続され、第2の入力端子が前記第3の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記第1の走査線に電気的に接続された第1のORゲートと、
第1の入力端子が前記第2の出力端子に電気的に接続され、第2の入力端子が前記第4の出力端子に電気的に接続され、出力端子が前記第2の走査線に電気的に接続された第2のORゲートと、
前記水平走査期間後の転送期間において選択信号が供給され、且つ前記第1の画素に電気的に接続された第1の転送信号線と、を有し、
前記水平走査期間後の転送期間において選択信号が供給され、且つ前記第2の画素に電気的に接続された第2の転送信号線と、を有し、
前記第1の画素は、
ソース及びドレインの一方が前記第1の信号線に電気的に接続され、ゲートが前記第1の走査線に電気的に接続された第1のトランジスタと、
一方の電極が前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が容量電位を供給することができる機能を有する配線に電気的に接続された第1の容量素子と、
ソース及びドレインの一方が前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方並びに前記第1の容量素子の一方の電極に電気的に接続され、ゲートが前記第1の転送信号線に電気的に接続された第2のトランジスタと、
一方の電極が前記第2のトランジスタのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が対向電位を供給することができる機能を有する配線に電気的に接続された第1の液晶素子と、を有し、
前記第2の画素は、
ソース及びドレインの一方が前記第2の信号線に電気的に接続され、ゲートが前記第2の走査線に電気的に接続された第3のトランジスタと、
一方の電極が前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が前記容量電位を供給することができる機能を有する配線に電気的に接続された第2の容量素子と、
ソース及びドレインの一方が前記第3のトランジスタのソース及びドレインの他方並びに前記第2の容量素子の一方の電極に電気的に接続され、ゲートが前記第2の転送信号線に電気的に接続された第4のトランジスタと、
一方の電極が前記第4のトランジスタのソース及びドレインの他方に電気的に接続され、他方の電極が前記対向電位を供給することができる機能を有する配線に電気的に接続された第2の液晶素子と、を有し、
前記第1のトランジスタ乃至前記第4のトランジスタは、酸化物半導体層を有することを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−8054(P2013−8054A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209530(P2012−209530)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【分割の表示】特願2011−63719(P2011−63719)の分割
【原出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】