液晶装置及び電子機器
【課題】 フロントライト方式の照明装置と液晶構造体との間の間隔をバラツキなく一定に保持することにより、液晶装置の可視像表示品質を良好に維持できるようにする。
【解決手段】 一対の電極18a,18bに挟まれる液晶Lを含む液晶構造体6と、光を放射する光源2と、光源2からの光を液晶構造体6へ導く導光体3とを有していて、導光体3は液晶構造体6の観察者側に配設されるフロントライト方式の液晶装置である。導光体3と液晶構造体6は接着層21によって互いに密着する。より具体的には、導光体3の光出射面3aに設け複数の凸部4aの一部又は全部を接着層21によって液晶構造体6に密着させる。この密着により、導光体3と液晶構造体6との間隔が一定に保持される。
【解決手段】 一対の電極18a,18bに挟まれる液晶Lを含む液晶構造体6と、光を放射する光源2と、光源2からの光を液晶構造体6へ導く導光体3とを有していて、導光体3は液晶構造体6の観察者側に配設されるフロントライト方式の液晶装置である。導光体3と液晶構造体6は接着層21によって互いに密着する。より具体的には、導光体3の光出射面3aに設け複数の凸部4aの一部又は全部を接着層21によって液晶構造体6に密着させる。この密着により、導光体3と液晶構造体6との間隔が一定に保持される。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極によって挟まれた液晶を用いて数字、文字等といった可視情報を表示する液晶装置に関する。また本発明は、そのような液晶装置を可視像表示部として用いる電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機、携帯情報端末機等といった各種の電子機器の可視像表示部として液晶装置が広く用いられている。従来の液晶装置として、一対の電極によって挟まれる液晶を含む液晶構造体と、その液晶構造体に光を照射する照明装置とを有するものが知られている。また、この液晶装置において、反射機能と透過機能とを共有する形式の液晶装置、いわゆる半透過反射型液晶装置が知られている。
【0003】この半透過反射型液晶装置では、前記液晶構造体の背面に半透過タイプの光反射板及び照明装置を順次に配置し、屋外等の外光が当たる場所では照明装置を用いることなく反射型液晶装置として使用し、そして外光が少ない所では照明装置を点灯して透過型液晶装置として使用する。この半透過反射型液晶装置は、例えば、特開昭57−049271号公報等に開示されている。
【0004】しかしながら、上記の半透過反射型液晶装置に関しては、液晶構造体の背面に光反射板だけを配設して外光だけで表示を行うようにした、いわゆる反射型液晶装置に比べて、反射機能を用いて表示を行うときにその表示が暗くなるという問題があった。これは、従来の半透過反射型液晶装置では、透過光を確保するために光反射板の反射層、例えばAl(アルミニウム)層を薄く形成したり、反射層に透光用の開口部を設けたりするために、反射表示時の明るさを犠牲にしているためである。
【0005】また、従来の半透過反射型液晶装置では、液晶構造体の背面に配置された照明装置は半透過タイプの反射板を通してその液晶構造体を照明するので、それを十分な明るさで照明するためには光源に高い輝度が必要となり、その結果、消費電力が大きいという問題があった。
【0006】以上の問題点を解消するため本出願人は、特開平6−324331号公報において、液晶構造体の観察者側に照明装置を配設する構造の液晶装置、いわゆるフロントライト方式の液晶装置を提案した。そのような液晶装置は、例えば、図11に示すように、一対の電極によって挟まれる液晶を含む液晶構造体6の観察者側(図の上側)に配設された照明装置7と、液晶構造体6の観察者と反対側に配設された光反射板8とを含んで構成される。照明装置7は、例えば光源2と、凸部4aを備えた透明導光体3と、そして端面反射板10とを有する。凸部4aは、図10に示すように、導光体3の表面に規則的ドット列又は不規則的ドット列で配列される。
【0007】ここに示した液晶装置は、屋外等といった外光がある所では透明な導光体3を通過する光によって反射型液晶装置として利用され、外光が少ない所では光源2を点灯して照明光による反射型液晶装置として利用される。この反射型液晶装置として利用されるときには、図11に光路S1及びS2で示すように光源2から出た光は、導光体3の内部を全反射しながら伝播し、凸部4aの側面に到達したときに外部へ出射して液晶構造体6を照明する。このフロントライト方式の照明装置7を用いると、半透過タイプの光反射板を使用する必要が無くなるので、反射表示時に明るい表示を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11に示した従来の液晶装置では、導光体3の撓み変形又はその他の変形に起因して、あるいはゴミ等の侵入に起因して、導光体3と液晶構造体6との間の間隔にバラツキが生じ、その結果、観察者が矢印A方向から液晶装置を見たときに光の干渉による干渉縞、いわゆるニュートンリングが見えてしまい、文字、数字等といった可視像表示が見難くなることがあった。
【0009】本発明は、従来の液晶装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、フロントライト方式の照明装置と液晶構造体との間の間隔をバラツキなく一定に保持することにより、可視像の表示品質を良好に維持できるようにすることを目的とする。また、完成した後の液晶装置において、液晶構造体と照明装置との間にゴミが侵入するのを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(液晶装置)上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶装置は以下の構成を有する。
【0011】(1) 一対の基板に挟まれる液晶を含む液晶構造体と、光を放射する光源と、その光源からの光を前記液晶構造体へ導く導光体とを有し、その導光体は液晶構造体の観察者側に配設される液晶装置において、前記導光体と前記液晶構造体とを接着層によって密着させたことを特徴とする。なお、「接着層」は、透明なゲル状の材料によって形成できる。
【0012】上記構成の液晶装置において、光源から放射された光は、導光体に入射してその導光体の内部を伝播した後、その導光体から出射して液晶構造体を照明する。液晶構造体は、その内部に含まれる一対の電極間に印加する電圧を制御することによって光の通過状態に変化を持たせ、その変化に起因するコントラストによって数字、文字等といった可視像を表示する。
【0013】本発明では、導光体と液晶構造体とを接着層によって密着させたので、導光体が液晶構造体に対して経時的に撓み変形することがなく、よって、導光体と液晶構造体との間の間隔は導光体の全面にわたって常にバラツキなく一定に維持される。その結果、液晶装置の可視像表示面にニュートンリング等といった干渉縞が発生することが無くなって常に良好な表示を行うことができる。また、接着層を設けることにより、液晶装置の内部にゴミ等が侵入することを防止できる。
【0014】(2) 上記(1)の液晶装置において、導光体は光を出射するための光出射面と、その光出射面に設けられた複数の凸部とを有する構造として形成できる。そして、そのような構造をとった場合には、前記複数の凸部の一部又は全部を接着層によって液晶構造体に密着させることができる。
【0015】導光体の光出射面に複数の凸部を設ければ、導光体の内部を伝播する光がその伝播中に凸部の側面に到達したとき、その光が導光体の外部へ出射して、その出射光によって液晶構造体が照明される。これらの凸部は導光体の光出射面に形成されるものなので液晶構造体に対向して位置することになり、よって、導光体と液晶構造体とを密着させる際には、これらの凸部の一部又は全部を接着層によって液晶構造体に密着させれば良い。
【0016】(3) 上記(2)の液晶装置に関しては、複数個の凸部のうち個数に関して20%以上を接着層によって液晶構造体に密着させることが望ましい。本発明者の実験によれば、20%未満の個数の凸部を接着層によって密着させただけでは、導光体と液晶構造体との間で十分な接着強度を得ることができず、剥がれ易いことが分かった。よって、導光体に設ける凸部のうち20%以上の個数を接着させれば、導光体と液晶構造体との間を一定間隔に安定して保持できる。
【0017】(4) 上記の各構成の液晶装置において、複数個の凸部のうち一部個数を接着層によって液晶構造体に密着させる場合には、その接着層を導光体の周辺部分に枠状に設けることが望ましい。こうすれば、導光体の周辺部分からゴミ等が侵入することを確実に防止できる。
【0018】(電子機器)次に、本発明に係る電子機器は、上記の(1)から(4)に記載した液晶装置を可視像表示部として用いた電子機器である。そのような電子機器として、例えば、携帯電話機、携帯情報端末機等が考えられる。本発明の電子機器によれば、可視像表示部として用いられる液晶装置に関して、導光体と液晶構造体との間の間隔を常にバラツキなく一定に維持できるので、光の干渉縞が発生することが無くなって良好な表示品質を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】(液晶装置)図1は、本発明に係る液晶装置の一実施形態を示している。この液晶装置1は、一対の電極18a及び18bによって挟まれる液晶Lを含む液晶構造体6と、その液晶構造体6の観察者側(図の上側)に配設された照明装置7と、その液晶構造体6に関して照明装置7の反対側に配設された光反射板8とを含んで構成される。
【0020】照明装置7は、図10に示した照明装置と同じ構成の照明装置を用いるものとする。この照明装置7は、板状の導光体3及びその導光体3の側方位置に配設された複数個、本実施形態では3個の光源、例えばLED(Light Emitting Diode)2を含んで構成される。導光体3は、図の下側表面3aが光出射面であり、図の上側表面3bが観察者側表面である。その光出射面3aには、複数の円柱形状の凸部4aが規則的なドット配列又は不規則的なドット配列で外側へ向けて突出するように形成されている。
【0021】前記LED2は、導光体3の観察者側表面3b及び光出射面3aの間に位置する4つの側端面9のうちの1つ9aに対向してそれぞれ平行に並ぶように互いに等間隔で配列される。そして、光入射端面9a以外の側端面9には、光反射フィルム10が貼着される。
【0022】導光体3は、■アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂等といった透明樹脂や、■ガラス等といった無機透明樹脂や、■それらの複合体等によって形成できる。また、その製法としては、■射出成形法、■樹脂の光硬化性を利用する方法、■エッチング法、■透明樹脂平板又はガラス平板上にフィルムを接合する方法等といった各種の方法を採用できる。
【0023】図1において、液晶構造体6は、シール材16によって互いに貼り合わされた一対の透光性基板17a及び17bと、それらの基板間に封入された液晶Lと、基板17aの観察者側表面に配設された偏光板13と、そして基板17bの外側表面に配設された偏光板14とを有する。基板17a及び17bのそれぞれの内側表面には、透光性電極18a及び18b並びに配向膜19a及び19bが形成され、それらの配向膜に対してラビング処理等といった配向処理が施される。
【0024】基板17a及び17bは、例えば、ガラス、プラスチック等といった透光性材料によって形成される。透光性電極18a及び18bは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)によって形成される。配向膜19a及び19bは、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等によって形成される。
【0025】本実施形態の液晶装置1では、照明装置7を構成する導光体3の光出射面3aに設けた凸部4aの全てと液晶構造体6を構成する偏光板13との間に接着層21を設け、その接着層21によって導光体3と液晶構造体6とを互いに密着させている。この密着により、導光体3と液晶構造体6との間の間隔が常にバラツキなく一定の間隔に保持される。
【0026】本実施形態に係る液晶装置は以上のように構成されているので、液晶装置1のまわりの外部光が強い場合には照明装置7のLED2を消灯し、外部光を導光体3から取り込んで液晶構造体6へ入射させる。液晶構造体6へ入射した光は、その液晶構造体6の画素液晶部分がOFF状態であるときにはその液晶構造体6を通過して、他方、その画素液晶部分がON状態であるときには偏光板14によって吸収されて通過が阻止される。
【0027】液晶構造体6を通過した光は光反射板8で反射して再び液晶構造体6を通過し、そして照明装置7の導光体3を通過して外部へ出射して観察者に認識される。観察者は、導光体3を通過した光と液晶構造体6で吸収された光とのコントラストにより数字、文字等といった可視情報を認識する。
【0028】液晶装置1のまわりの外部光が弱くて、その外部光だけでは液晶装置1の観察者側表面(図1の上側表面)に明るい表示が得られない場合は、照明装置7のLED2を点灯する。このときのLED2の発光は、図11に関連して既に説明した通り、凸部4aを設けた光出射面3aから外部へ出射して液晶構造体6を照明する。これにより、外部光を用いる場合と同様にして、図1R>1の光反射板8で反射する光により液晶装置1の観察者側表面に可視情報を表示できる。なお、図1では、LED2から出た光の進行経路を矢印R1、R2で模式的に示してあるが、特に導光体3の内部における光の進行経路は、実際には、図11に符号S1、S2で示す通りである。
【0029】以上のように作用する本実施形態の液晶装置1では、導光体3に設けた凸部4aを、接着層21によって液晶構造体6の偏光板13に密着させたので、導光体3が液晶構造体6に対して相対的に変形、例えば撓み変形することがほとんど無い。従って、導光体3と液晶構造体6との間の間隔は導光体3の全面にわたって常にバラツキの無い一定距離に保持される。よって、導光体3と液晶構造体6との間の間隔にバラツキがあるときに発生する光の干渉縞が発生することがなくなり、よって、液晶装置1の観察者側表面に経時的に変化することの無い鮮明な可視情報を表示することができる。
【0030】以上の実施形態に対しては、次に述べるような改変を加えることができる。
【0031】(1) 図1に示した実施形態では、導光体3の光出射面3aに形成した複数の凸部4aの全てに対して接着層21を設けてそれらを液晶構造体6に密着させた。しかしながら、複数の凸部4aに関しては、必ずしも、それらの全てを液晶構造体6に接着させる必要はなく、それらの凸部4aの一部個数を接着させることもできる。
【0032】このことに関する本発明者の実験によれば、複数の凸部4aの個数に関する20%未満を液晶構造体6に接着させた場合、導光体3が経時的に液晶構造体6から剥がれてしまい、液晶装置1の可視像表示面に干渉縞が発生して表示品質が低下することがあった。一方、複数の凸部4aの個数に関する20%以上を液晶構造体6に接着させた場合には、そのような導光体3の剥がれは発生せず、長期間にわたって良好な表示品質を維持できた。このことから、複数の凸部4aを接着層21によって液晶構造体6に密着させる際には、全個数の20%以上の凸部4aを密着させることが望ましい。
【0033】(2) 導光体3の凸部4aの全部を接着するのではなくて、それらの一部個数を接着する場合には、図7に示すように、導光体3の周辺部分の枠状領域Bに属する凸部4aに関して接着層21を設けてそれらを液晶構造体6に密着させることが望ましい。こうすれば、導光体3と液晶構造体6との間隔を一定に保持できることに加えて、液晶装置の外部からその内部へゴミ等が侵入することを確実に防止できる。
【0034】(3) 図1に示した導光体3では、LED2の発光を光出射面3aから外部へ取り出すために、その光出射面3aに円柱形状の凸部4aを形成した。しかしながらこの凸部4aに代えて、図2に示すような円柱形状の凹部5aを設けることができる。また、図3に示すように、円錐形状の凸部4bを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。また、図4に示すように、円錐形状の凹部5bを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。また、図5に示すように、半球形状の凸部4cを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。さらに、図6に示すように、半球形状の凹部5cを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。
【0035】なお、図2から図6の各導光体3に関して、接着層によって液晶構造体に密着されるのは、いずれの導光体についても光出射面3aである。また、それらの各導光体3に関しても、必ずしも光出射面3aの全面を接着層によって液晶構造体に密着させる必要はなく、光出射面3aの一部分を密着させるようにすることもできる。さらに、図7に示したように、各導光体3の周辺部分の枠状領域Bに接着層を設けて該領域を液晶構造体に密着させることもできる。
【0036】(4) 前述した図1の実施形態では、偏光板13及び偏光板14の2枚の偏光板を用いて液晶構造体6を構成したが、この構造に代えて、偏光板14を除くことにより1枚の偏光板13のみを用いて液晶構造体を構成することもできる。この場合、透光性基板17bに形成される電極は、反射特性を有するAl(アルミニウム)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)等の材料によって形成できる。当然のことながら、電極が反射部材としての役割を果たすため、図1における光反射部材8に相当する部材は除かれる。
【0037】このような構成は、例えば、特開平9−258219号公報に記載されており、この構成を反射型の液晶装置として用いる場合には、偏光板が1枚であるため、図1のような2枚の偏光板を用いる構造のものと比べて、より明るい表示を行うことができる。偏光板を1枚だけ用いる方式のこのような液晶装置に対して、本発明に係るフロントライト方式の照明装置を配設すれば、照明装置からの照明によって明るい表示の液晶装置が得られる。
【0038】(5) 以上の各実施形態では光源としてLEDを用いたが、それに代えて三波長蛍光管を用いることができ、これにより、表示画面の大きな液晶装置に対しても本発明を適用することができる。特に、この三波長蛍光管を備えた液晶装置を用いて絵画等を照明すれば、大画面で明るい表示を得ることができる。
【0039】(6) 照明装置の導光体に形成される凹部又は凸部の配列は規則正しい配列とすることもでき、あるいは、ランダムな配列とすることもできる。例えば、凹部又は凸部を光源に近い側は密度を低く、遠い側は密度を高く形成することも可能である。
【0040】(7) 本発明を適用できる液晶装置は、■単純マトリクス型の液晶装置、■薄膜トランジスタ、MIM(Metal Insulator Metal)等のスイッチング素子及び画素電極が形成された液晶装置、■さらには液晶分子が垂直配向している液晶装置等といった各種の液晶装置が考えられる。そして、これらの各種液晶装置において液晶構造体の観察者側に照明装置を配置して、さらにそれを点灯することにより、暗い所でも明るい表示が得られる。
【0041】(電子機器)図8は、本発明に係る液晶装置を電子機器としての携帯電話機の表示部として使用した場合の実施形態を示している。ここに示す携帯電話機は、上ケース26及び下ケース25を含んで構成される。上ケース26には、送受信用のアンテナ24と、キーボードユニット29と、そしてマイクロホン32とが設けられる。そして、下ケース25には、例えば、図1に示した液晶装置1と、スピーカ33と、そして回路基板34とが設けられる。符号37は、液晶装置1を駆動するための液晶駆動用ICを示している。
【0042】回路基板34の上には、図9に示すように、スピーカ33の入力端子に接続された受信部38と、マイクロホン32の出力端子に接続された発信部35と、CPUを含んで構成された制御部36と、そして各部へ電力を供給する電源部39とが設けられる。制御部36は、発信部35及び受信部38の状態を読み取ってその結果に基づいて液晶駆動用IC37に情報を伝送して液晶装置1に可視情報を表示する。また、制御部36は、キーボードユニット29から出力される情報に基づいて液晶駆動用IC37に情報を伝送して液晶装置1に可視情報を表示する。
【0043】(その他の実施形態)以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0044】例えば、以上に説明した導光体に関しては、光出射面又はその反対側の観察者側表面に凹部又は凸部を形成することにより、導光体の側端面から導入した光をその導光体の光出射面から出射するようにした。しかしながら、側端面から導入した光を光出射面から出射させるための方法として、凹部又は凸部を形成する方法以外に、導光体の内部に光屈折率の異なる不純物領域を混在させておくという方法も考えられる。
【0045】また、本発明に係る液晶装置は、携帯電話機以外の種々の電子機器に関してそれらの可視像表示部として用いることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、導光体と液晶構造体とを接着層によって密着させたので、導光体が液晶構造体に対して経時的に撓み変形することがなく、よって、導光体と液晶構造体との間の間隔は導光体の全面にわたって常にバラツキなく一定に維持される。その結果、液晶装置の可視像表示面にニュートンリング等といった干渉縞が発生することが無くなって常に良好な表示を行うことができる。また、接着層を設けることにより、液晶装置の内部にゴミ等が侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】導光体の一実施形態を示す断面図である。
【図3】導光体の他の一実施形態を示す断面図である。
【図4】導光体のさらに他の一実施形態を示す断面図である。
【図5】導光体のさらに他の一実施形態を示す断面図である。
【図6】導光体のさらに他の一実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る液晶装置の他の実施形態の要部を示す平面図である。
【図8】本発明に係る電子機器の一実施形態を分解して示す斜視図である。
【図9】図8に示す電子機器に用いられる制御系の一実施形態を示すブロック図である。
【図10】照明装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図11】従来の液晶装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶装置
2 LED(光源)
3 透明導光体
4a,4b,4c 凸部
5a,5b,5c 凹部
6 液晶構造体
7 照明装置
8 光反射板
9 側端面
10 光反射フィルム
13,14 偏光板
16 シール材
17a,17b 透光性基板
18a,18b 透光性電極
19a,19b 配向膜
21 接着層
B 枠状領域
L 液晶
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の電極によって挟まれた液晶を用いて数字、文字等といった可視情報を表示する液晶装置に関する。また本発明は、そのような液晶装置を可視像表示部として用いる電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機、携帯情報端末機等といった各種の電子機器の可視像表示部として液晶装置が広く用いられている。従来の液晶装置として、一対の電極によって挟まれる液晶を含む液晶構造体と、その液晶構造体に光を照射する照明装置とを有するものが知られている。また、この液晶装置において、反射機能と透過機能とを共有する形式の液晶装置、いわゆる半透過反射型液晶装置が知られている。
【0003】この半透過反射型液晶装置では、前記液晶構造体の背面に半透過タイプの光反射板及び照明装置を順次に配置し、屋外等の外光が当たる場所では照明装置を用いることなく反射型液晶装置として使用し、そして外光が少ない所では照明装置を点灯して透過型液晶装置として使用する。この半透過反射型液晶装置は、例えば、特開昭57−049271号公報等に開示されている。
【0004】しかしながら、上記の半透過反射型液晶装置に関しては、液晶構造体の背面に光反射板だけを配設して外光だけで表示を行うようにした、いわゆる反射型液晶装置に比べて、反射機能を用いて表示を行うときにその表示が暗くなるという問題があった。これは、従来の半透過反射型液晶装置では、透過光を確保するために光反射板の反射層、例えばAl(アルミニウム)層を薄く形成したり、反射層に透光用の開口部を設けたりするために、反射表示時の明るさを犠牲にしているためである。
【0005】また、従来の半透過反射型液晶装置では、液晶構造体の背面に配置された照明装置は半透過タイプの反射板を通してその液晶構造体を照明するので、それを十分な明るさで照明するためには光源に高い輝度が必要となり、その結果、消費電力が大きいという問題があった。
【0006】以上の問題点を解消するため本出願人は、特開平6−324331号公報において、液晶構造体の観察者側に照明装置を配設する構造の液晶装置、いわゆるフロントライト方式の液晶装置を提案した。そのような液晶装置は、例えば、図11に示すように、一対の電極によって挟まれる液晶を含む液晶構造体6の観察者側(図の上側)に配設された照明装置7と、液晶構造体6の観察者と反対側に配設された光反射板8とを含んで構成される。照明装置7は、例えば光源2と、凸部4aを備えた透明導光体3と、そして端面反射板10とを有する。凸部4aは、図10に示すように、導光体3の表面に規則的ドット列又は不規則的ドット列で配列される。
【0007】ここに示した液晶装置は、屋外等といった外光がある所では透明な導光体3を通過する光によって反射型液晶装置として利用され、外光が少ない所では光源2を点灯して照明光による反射型液晶装置として利用される。この反射型液晶装置として利用されるときには、図11に光路S1及びS2で示すように光源2から出た光は、導光体3の内部を全反射しながら伝播し、凸部4aの側面に到達したときに外部へ出射して液晶構造体6を照明する。このフロントライト方式の照明装置7を用いると、半透過タイプの光反射板を使用する必要が無くなるので、反射表示時に明るい表示を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11に示した従来の液晶装置では、導光体3の撓み変形又はその他の変形に起因して、あるいはゴミ等の侵入に起因して、導光体3と液晶構造体6との間の間隔にバラツキが生じ、その結果、観察者が矢印A方向から液晶装置を見たときに光の干渉による干渉縞、いわゆるニュートンリングが見えてしまい、文字、数字等といった可視像表示が見難くなることがあった。
【0009】本発明は、従来の液晶装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、フロントライト方式の照明装置と液晶構造体との間の間隔をバラツキなく一定に保持することにより、可視像の表示品質を良好に維持できるようにすることを目的とする。また、完成した後の液晶装置において、液晶構造体と照明装置との間にゴミが侵入するのを防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(液晶装置)上記の目的を達成するため、本発明に係る液晶装置は以下の構成を有する。
【0011】(1) 一対の基板に挟まれる液晶を含む液晶構造体と、光を放射する光源と、その光源からの光を前記液晶構造体へ導く導光体とを有し、その導光体は液晶構造体の観察者側に配設される液晶装置において、前記導光体と前記液晶構造体とを接着層によって密着させたことを特徴とする。なお、「接着層」は、透明なゲル状の材料によって形成できる。
【0012】上記構成の液晶装置において、光源から放射された光は、導光体に入射してその導光体の内部を伝播した後、その導光体から出射して液晶構造体を照明する。液晶構造体は、その内部に含まれる一対の電極間に印加する電圧を制御することによって光の通過状態に変化を持たせ、その変化に起因するコントラストによって数字、文字等といった可視像を表示する。
【0013】本発明では、導光体と液晶構造体とを接着層によって密着させたので、導光体が液晶構造体に対して経時的に撓み変形することがなく、よって、導光体と液晶構造体との間の間隔は導光体の全面にわたって常にバラツキなく一定に維持される。その結果、液晶装置の可視像表示面にニュートンリング等といった干渉縞が発生することが無くなって常に良好な表示を行うことができる。また、接着層を設けることにより、液晶装置の内部にゴミ等が侵入することを防止できる。
【0014】(2) 上記(1)の液晶装置において、導光体は光を出射するための光出射面と、その光出射面に設けられた複数の凸部とを有する構造として形成できる。そして、そのような構造をとった場合には、前記複数の凸部の一部又は全部を接着層によって液晶構造体に密着させることができる。
【0015】導光体の光出射面に複数の凸部を設ければ、導光体の内部を伝播する光がその伝播中に凸部の側面に到達したとき、その光が導光体の外部へ出射して、その出射光によって液晶構造体が照明される。これらの凸部は導光体の光出射面に形成されるものなので液晶構造体に対向して位置することになり、よって、導光体と液晶構造体とを密着させる際には、これらの凸部の一部又は全部を接着層によって液晶構造体に密着させれば良い。
【0016】(3) 上記(2)の液晶装置に関しては、複数個の凸部のうち個数に関して20%以上を接着層によって液晶構造体に密着させることが望ましい。本発明者の実験によれば、20%未満の個数の凸部を接着層によって密着させただけでは、導光体と液晶構造体との間で十分な接着強度を得ることができず、剥がれ易いことが分かった。よって、導光体に設ける凸部のうち20%以上の個数を接着させれば、導光体と液晶構造体との間を一定間隔に安定して保持できる。
【0017】(4) 上記の各構成の液晶装置において、複数個の凸部のうち一部個数を接着層によって液晶構造体に密着させる場合には、その接着層を導光体の周辺部分に枠状に設けることが望ましい。こうすれば、導光体の周辺部分からゴミ等が侵入することを確実に防止できる。
【0018】(電子機器)次に、本発明に係る電子機器は、上記の(1)から(4)に記載した液晶装置を可視像表示部として用いた電子機器である。そのような電子機器として、例えば、携帯電話機、携帯情報端末機等が考えられる。本発明の電子機器によれば、可視像表示部として用いられる液晶装置に関して、導光体と液晶構造体との間の間隔を常にバラツキなく一定に維持できるので、光の干渉縞が発生することが無くなって良好な表示品質を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】(液晶装置)図1は、本発明に係る液晶装置の一実施形態を示している。この液晶装置1は、一対の電極18a及び18bによって挟まれる液晶Lを含む液晶構造体6と、その液晶構造体6の観察者側(図の上側)に配設された照明装置7と、その液晶構造体6に関して照明装置7の反対側に配設された光反射板8とを含んで構成される。
【0020】照明装置7は、図10に示した照明装置と同じ構成の照明装置を用いるものとする。この照明装置7は、板状の導光体3及びその導光体3の側方位置に配設された複数個、本実施形態では3個の光源、例えばLED(Light Emitting Diode)2を含んで構成される。導光体3は、図の下側表面3aが光出射面であり、図の上側表面3bが観察者側表面である。その光出射面3aには、複数の円柱形状の凸部4aが規則的なドット配列又は不規則的なドット配列で外側へ向けて突出するように形成されている。
【0021】前記LED2は、導光体3の観察者側表面3b及び光出射面3aの間に位置する4つの側端面9のうちの1つ9aに対向してそれぞれ平行に並ぶように互いに等間隔で配列される。そして、光入射端面9a以外の側端面9には、光反射フィルム10が貼着される。
【0022】導光体3は、
【0023】図1において、液晶構造体6は、シール材16によって互いに貼り合わされた一対の透光性基板17a及び17bと、それらの基板間に封入された液晶Lと、基板17aの観察者側表面に配設された偏光板13と、そして基板17bの外側表面に配設された偏光板14とを有する。基板17a及び17bのそれぞれの内側表面には、透光性電極18a及び18b並びに配向膜19a及び19bが形成され、それらの配向膜に対してラビング処理等といった配向処理が施される。
【0024】基板17a及び17bは、例えば、ガラス、プラスチック等といった透光性材料によって形成される。透光性電極18a及び18bは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)によって形成される。配向膜19a及び19bは、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等によって形成される。
【0025】本実施形態の液晶装置1では、照明装置7を構成する導光体3の光出射面3aに設けた凸部4aの全てと液晶構造体6を構成する偏光板13との間に接着層21を設け、その接着層21によって導光体3と液晶構造体6とを互いに密着させている。この密着により、導光体3と液晶構造体6との間の間隔が常にバラツキなく一定の間隔に保持される。
【0026】本実施形態に係る液晶装置は以上のように構成されているので、液晶装置1のまわりの外部光が強い場合には照明装置7のLED2を消灯し、外部光を導光体3から取り込んで液晶構造体6へ入射させる。液晶構造体6へ入射した光は、その液晶構造体6の画素液晶部分がOFF状態であるときにはその液晶構造体6を通過して、他方、その画素液晶部分がON状態であるときには偏光板14によって吸収されて通過が阻止される。
【0027】液晶構造体6を通過した光は光反射板8で反射して再び液晶構造体6を通過し、そして照明装置7の導光体3を通過して外部へ出射して観察者に認識される。観察者は、導光体3を通過した光と液晶構造体6で吸収された光とのコントラストにより数字、文字等といった可視情報を認識する。
【0028】液晶装置1のまわりの外部光が弱くて、その外部光だけでは液晶装置1の観察者側表面(図1の上側表面)に明るい表示が得られない場合は、照明装置7のLED2を点灯する。このときのLED2の発光は、図11に関連して既に説明した通り、凸部4aを設けた光出射面3aから外部へ出射して液晶構造体6を照明する。これにより、外部光を用いる場合と同様にして、図1R>1の光反射板8で反射する光により液晶装置1の観察者側表面に可視情報を表示できる。なお、図1では、LED2から出た光の進行経路を矢印R1、R2で模式的に示してあるが、特に導光体3の内部における光の進行経路は、実際には、図11に符号S1、S2で示す通りである。
【0029】以上のように作用する本実施形態の液晶装置1では、導光体3に設けた凸部4aを、接着層21によって液晶構造体6の偏光板13に密着させたので、導光体3が液晶構造体6に対して相対的に変形、例えば撓み変形することがほとんど無い。従って、導光体3と液晶構造体6との間の間隔は導光体3の全面にわたって常にバラツキの無い一定距離に保持される。よって、導光体3と液晶構造体6との間の間隔にバラツキがあるときに発生する光の干渉縞が発生することがなくなり、よって、液晶装置1の観察者側表面に経時的に変化することの無い鮮明な可視情報を表示することができる。
【0030】以上の実施形態に対しては、次に述べるような改変を加えることができる。
【0031】(1) 図1に示した実施形態では、導光体3の光出射面3aに形成した複数の凸部4aの全てに対して接着層21を設けてそれらを液晶構造体6に密着させた。しかしながら、複数の凸部4aに関しては、必ずしも、それらの全てを液晶構造体6に接着させる必要はなく、それらの凸部4aの一部個数を接着させることもできる。
【0032】このことに関する本発明者の実験によれば、複数の凸部4aの個数に関する20%未満を液晶構造体6に接着させた場合、導光体3が経時的に液晶構造体6から剥がれてしまい、液晶装置1の可視像表示面に干渉縞が発生して表示品質が低下することがあった。一方、複数の凸部4aの個数に関する20%以上を液晶構造体6に接着させた場合には、そのような導光体3の剥がれは発生せず、長期間にわたって良好な表示品質を維持できた。このことから、複数の凸部4aを接着層21によって液晶構造体6に密着させる際には、全個数の20%以上の凸部4aを密着させることが望ましい。
【0033】(2) 導光体3の凸部4aの全部を接着するのではなくて、それらの一部個数を接着する場合には、図7に示すように、導光体3の周辺部分の枠状領域Bに属する凸部4aに関して接着層21を設けてそれらを液晶構造体6に密着させることが望ましい。こうすれば、導光体3と液晶構造体6との間隔を一定に保持できることに加えて、液晶装置の外部からその内部へゴミ等が侵入することを確実に防止できる。
【0034】(3) 図1に示した導光体3では、LED2の発光を光出射面3aから外部へ取り出すために、その光出射面3aに円柱形状の凸部4aを形成した。しかしながらこの凸部4aに代えて、図2に示すような円柱形状の凹部5aを設けることができる。また、図3に示すように、円錐形状の凸部4bを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。また、図4に示すように、円錐形状の凹部5bを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。また、図5に示すように、半球形状の凸部4cを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。さらに、図6に示すように、半球形状の凹部5cを導光体3の観察者側表面3bに形成することもできる。
【0035】なお、図2から図6の各導光体3に関して、接着層によって液晶構造体に密着されるのは、いずれの導光体についても光出射面3aである。また、それらの各導光体3に関しても、必ずしも光出射面3aの全面を接着層によって液晶構造体に密着させる必要はなく、光出射面3aの一部分を密着させるようにすることもできる。さらに、図7に示したように、各導光体3の周辺部分の枠状領域Bに接着層を設けて該領域を液晶構造体に密着させることもできる。
【0036】(4) 前述した図1の実施形態では、偏光板13及び偏光板14の2枚の偏光板を用いて液晶構造体6を構成したが、この構造に代えて、偏光板14を除くことにより1枚の偏光板13のみを用いて液晶構造体を構成することもできる。この場合、透光性基板17bに形成される電極は、反射特性を有するAl(アルミニウム)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)等の材料によって形成できる。当然のことながら、電極が反射部材としての役割を果たすため、図1における光反射部材8に相当する部材は除かれる。
【0037】このような構成は、例えば、特開平9−258219号公報に記載されており、この構成を反射型の液晶装置として用いる場合には、偏光板が1枚であるため、図1のような2枚の偏光板を用いる構造のものと比べて、より明るい表示を行うことができる。偏光板を1枚だけ用いる方式のこのような液晶装置に対して、本発明に係るフロントライト方式の照明装置を配設すれば、照明装置からの照明によって明るい表示の液晶装置が得られる。
【0038】(5) 以上の各実施形態では光源としてLEDを用いたが、それに代えて三波長蛍光管を用いることができ、これにより、表示画面の大きな液晶装置に対しても本発明を適用することができる。特に、この三波長蛍光管を備えた液晶装置を用いて絵画等を照明すれば、大画面で明るい表示を得ることができる。
【0039】(6) 照明装置の導光体に形成される凹部又は凸部の配列は規則正しい配列とすることもでき、あるいは、ランダムな配列とすることもできる。例えば、凹部又は凸部を光源に近い側は密度を低く、遠い側は密度を高く形成することも可能である。
【0040】(7) 本発明を適用できる液晶装置は、
【0041】(電子機器)図8は、本発明に係る液晶装置を電子機器としての携帯電話機の表示部として使用した場合の実施形態を示している。ここに示す携帯電話機は、上ケース26及び下ケース25を含んで構成される。上ケース26には、送受信用のアンテナ24と、キーボードユニット29と、そしてマイクロホン32とが設けられる。そして、下ケース25には、例えば、図1に示した液晶装置1と、スピーカ33と、そして回路基板34とが設けられる。符号37は、液晶装置1を駆動するための液晶駆動用ICを示している。
【0042】回路基板34の上には、図9に示すように、スピーカ33の入力端子に接続された受信部38と、マイクロホン32の出力端子に接続された発信部35と、CPUを含んで構成された制御部36と、そして各部へ電力を供給する電源部39とが設けられる。制御部36は、発信部35及び受信部38の状態を読み取ってその結果に基づいて液晶駆動用IC37に情報を伝送して液晶装置1に可視情報を表示する。また、制御部36は、キーボードユニット29から出力される情報に基づいて液晶駆動用IC37に情報を伝送して液晶装置1に可視情報を表示する。
【0043】(その他の実施形態)以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0044】例えば、以上に説明した導光体に関しては、光出射面又はその反対側の観察者側表面に凹部又は凸部を形成することにより、導光体の側端面から導入した光をその導光体の光出射面から出射するようにした。しかしながら、側端面から導入した光を光出射面から出射させるための方法として、凹部又は凸部を形成する方法以外に、導光体の内部に光屈折率の異なる不純物領域を混在させておくという方法も考えられる。
【0045】また、本発明に係る液晶装置は、携帯電話機以外の種々の電子機器に関してそれらの可視像表示部として用いることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、導光体と液晶構造体とを接着層によって密着させたので、導光体が液晶構造体に対して経時的に撓み変形することがなく、よって、導光体と液晶構造体との間の間隔は導光体の全面にわたって常にバラツキなく一定に維持される。その結果、液晶装置の可視像表示面にニュートンリング等といった干渉縞が発生することが無くなって常に良好な表示を行うことができる。また、接着層を設けることにより、液晶装置の内部にゴミ等が侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】導光体の一実施形態を示す断面図である。
【図3】導光体の他の一実施形態を示す断面図である。
【図4】導光体のさらに他の一実施形態を示す断面図である。
【図5】導光体のさらに他の一実施形態を示す断面図である。
【図6】導光体のさらに他の一実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る液晶装置の他の実施形態の要部を示す平面図である。
【図8】本発明に係る電子機器の一実施形態を分解して示す斜視図である。
【図9】図8に示す電子機器に用いられる制御系の一実施形態を示すブロック図である。
【図10】照明装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図11】従来の液晶装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 液晶装置
2 LED(光源)
3 透明導光体
4a,4b,4c 凸部
5a,5b,5c 凹部
6 液晶構造体
7 照明装置
8 光反射板
9 側端面
10 光反射フィルム
13,14 偏光板
16 シール材
17a,17b 透光性基板
18a,18b 透光性電極
19a,19b 配向膜
21 接着層
B 枠状領域
L 液晶
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の基板に挟まれる液晶を含む液晶構造体と、光を放射する光源と、その光源からの光を前記液晶構造体へ導く導光体とを有し、その導光体は前記液晶構造体の観察者側に配設される液晶装置において、前記導光体と前記液晶構造体とを接着層によって密着させたことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】 請求項1記載の液晶装置において、前記導光体は光を出射するための光出射面と、その光出射面に設けられた複数の凸部とを有し、それらの凸部の一部又は全部が接着層によって液晶構造体に密着することを特徴とする液晶装置。
【請求項3】 請求項2記載の液晶装置において、前記複数個の凸部のうち個数に関して20%以上を接着層によって液晶構造体に密着させることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】 請求項1から請求項3のうちの少なくともいずれか1つに記載の液晶装置において、前記複数個の凸部のうち一部個数を接着層によって前記液晶構造体に密着させると共に、前記接着層は前記導光体の周辺部分に枠状に設けられることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】 請求項1から請求項4のうちの少なくともいずれか1つに記載の液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
【請求項1】 一対の基板に挟まれる液晶を含む液晶構造体と、光を放射する光源と、その光源からの光を前記液晶構造体へ導く導光体とを有し、その導光体は前記液晶構造体の観察者側に配設される液晶装置において、前記導光体と前記液晶構造体とを接着層によって密着させたことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】 請求項1記載の液晶装置において、前記導光体は光を出射するための光出射面と、その光出射面に設けられた複数の凸部とを有し、それらの凸部の一部又は全部が接着層によって液晶構造体に密着することを特徴とする液晶装置。
【請求項3】 請求項2記載の液晶装置において、前記複数個の凸部のうち個数に関して20%以上を接着層によって液晶構造体に密着させることを特徴とする液晶装置。
【請求項4】 請求項1から請求項3のうちの少なくともいずれか1つに記載の液晶装置において、前記複数個の凸部のうち一部個数を接着層によって前記液晶構造体に密着させると共に、前記接着層は前記導光体の周辺部分に枠状に設けられることを特徴とする液晶装置。
【請求項5】 請求項1から請求項4のうちの少なくともいずれか1つに記載の液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開平11−153783
【公開日】平成11年(1999)6月8日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−318793
【出願日】平成9年(1997)11月19日
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【公開日】平成11年(1999)6月8日
【国際特許分類】
【出願日】平成9年(1997)11月19日
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
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