説明

液晶配向膜用組成物、液晶配向膜および液晶表示素子

【課題】ラビング処理によって、膜が削れにくいく、配向特性が均一な配向膜を高い歩留まりで製造できる配向膜用組成物およびその配向特性が均一な配向膜を用いた液晶表示素子を提供する。
【解決手段】少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む液晶配向膜用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶配向膜用組成物、当該組成物から得られる液晶配向膜および当該液晶配向膜を有する液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子等に用いられる配向膜用組成物としては、可溶性ポリイミド溶液、ポリアミド酸溶液が実用化されており、これらの溶液を塗布し、乾燥あるいは焼成した後、ラビング処理により配向膜としての特性を発現させている。
しかしながら、ラビング処理によって配向特性を発現させる場合、配向膜が削れることに起因するほこりや静電気が発生しやすいという問題点がある。例えば、静電気が発生すると、配向膜表面にほこりが付着して表示不良が発生する原因となり、また、当該配向膜をTFT素子に用いる場合、ほこりと静電気によってTFT素子の回路破壊が生じ得る、歩留まりが低下することになる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−55456号公報
【特許文献2】特開2005−105264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラビング処理によって、膜が削れにくい配向膜が求められてきた。ラビング処理によって配向特性が均一に発現させることができる配向膜用組成物および配向膜が求められてきた。また、高い歩留まりで製造できる配向膜および液晶表示素子が求められてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1] 下記式(1)と(2−1)
【化1】



(式中、破線は結合手を示し、R11、R12、R21およびR22はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)、および、下記式(3)と下記式(2−1)
【化2】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R22、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する液晶配向膜用組成物。
[2]下記式(1)で表される構成単位
【化3】



(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−21)で表される構成単位および下記式(2−22)で表される構成単位
【化4】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R23およびR24はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)と、
下記式(3)で表される構成単位
【化5】



(式中、破線は結合手を示し、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−21)で表される構成単位および下記式(2−22)で表される構成単位
【化6】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R23およびR24はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する液晶配向膜用組成物。
[3]下記式(1)で表される構成単位
【化7】



(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−31)で表される構成単位、下記式(2−32)で表される構成単位および下記式(2−33)で表される構成単位
【化8】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)と、
下記式(3)で表される構成単位
【化9】



(式中、破線は結合手を示し、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−31)で表される構成単位、下記式(2−32)で表される構成単位および下記式(2−33)で表される構成単位
【化10】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有するポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する液晶配向膜用組成物。
【0006】
[4] 少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)、および、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)をイミド化して得られたポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する液晶配向膜用組成物。
[5] 多価ヒドロキシ化合物(a1)が下記式(5−1)
HO−R51−OH (5−1)
(式中、R51は、炭素数2〜100の有機基である。)
で表されるジオールである、[4]に記載の液晶配向膜用組成物。
[6] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が下記式(1)で表される構成単位と下記式(2−1)で表される構成単位を有し、
【化11】



(式中、破線は結合手を示し、R11、R12、R21およびR22はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ポリエステル−ポリイミド(A2)が下記式(3)で表される構成単位および下記式(2−1)で表される構成単位
【化12】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R22、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有する、[5]に記載の液晶配向膜用組成物。
[7] 多価ヒドロキシ化合物(a1)が下記式(5−2)
【化13】



(式中、R52は、炭素数2〜100の有機基である。)
で表されるトリオールである、[4]に記載の液晶配向膜用組成物。
[8] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が下記式(1)で表される構成単位
【化14】




(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−21)で表される構成単位および下記式(2−22)で表される構成単位
【化15】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R23およびR24はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有し、
ポリエステル−ポリイミド(A2)が下記式(3)で表される構成単位
【化16】



(式中、破線は結合手を示し、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−21)で表される構成単位および下記式(2−22)で表される構成単位
【化17】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R23およびR24はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有する、[7]に記載の液晶配向膜用組成物。
[9] 多価ヒドロキシ化合物(a1)が下記式(5−3)
【化18】



(式中、R53は、炭素数2〜100の有機基である。)
で表されるテトラオールである、[4]に記載の液晶配向膜用組成物。
【0007】
[10] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)が下記式(1)で表される構成単位
【化19】




(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−31)で表される構成単位、下記式(2−32)で表される構成単位および下記式(2−33)で表される構成単位
【化20】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有し、
ポリエステル−ポリイミド(A2)が下記式(3)で表される構成単位
【化21】



(式中、破線は結合手を示し、R31、R32およびR33はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
ならびに、下記式(2−31)で表される構成単位、下記式(2−32)で表される構成単位および下記式(2−33)で表される構成単位
【化22】



(式中、破線は結合手を示し、R21、R25、R26およびR27はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有する、[9]に記載の液晶配向膜用組成物。
[11] 多価ヒドロキシ化合物(a1)が
【化23】



からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が
【化24】




からなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)が
【化25】



からなる群から選ばれる1以上である、[4]〜[10]のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
[12] ポリエステル−ポリアミド酸(A1)またはポリエステル−ポリイミド(A2)が、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.5〜19モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を1.5〜20モル反応させて得られる、[1]〜[11]のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
【0008】
[13]液晶配向膜用組成物が、さらに、下記式(1)で表される構成単位
【化26】



(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有するポリアミド酸(B1)、および、下記式(4)で表される構成単位
【化27】



(式中、破線は結合手を示し、R41およびR42はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有するポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bを有する、[1]〜[12]のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
[14] 液晶配向膜用組成物が、さらに、少なくともジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリアミド酸(B1)、および、ポリアミド酸(B1)をイミド化して得られたポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bを有する、[1]〜[12]のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
【0009】
[15] ジアミン(a2)が
【化28】




【化29】



からなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)が
【化30】



からなる群から選ばれる1以上である、[14]に記載の液晶配向膜用組成物。
【0010】
[16] ポリアミド酸(B1)が下記式(1)で表される構成単位
【化31】




(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有し、
ポリイミド(B2)が下記式(4)で表される構成単位
【化32】



(式中、破線は結合手を示し、R41およびR42はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有する[14]または[15]に記載の液晶配向膜用組成物。
[17] ポリアミド酸(B1)とポリイミド(B2)が液晶配向膜用組成物に対して1〜50重量%含まれている[13]〜[16]のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
【0011】
[18] 液晶配向膜用組成物が、さらに、エポキシ化合物(C)を含む、[12]に記載の液晶配向膜用組成物。
[19] エポキシ化合物(C)が下記式(C1)〜(C5)
【化33】



で表される化合物からなる群から選ばれる1つ以上である、[18]に記載の液晶配向膜用組成物。
[20] エポキシ化合物(C)が液晶配向膜用組成物に対して、0.1〜40重量%含まれている、[18]または[19]に記載の液晶配向膜用組成物。
[21] [1]〜[20]のいずれかに記載された液晶配向膜用組成物から得られる液晶配向膜。
[22] [21]に記載された液晶配向膜を有する液晶表示素子。
【0012】
本明細書中、「ポリイミド」とは、イミドの構成を有する化合物であれば特に限定されない。本明細書中、「ポリアミド酸」とは、ポリイミドの前駆体であり、アミドとカルボン酸の両者の構成を有する化合物であれば特に限定されない。本明細書中、「ポリエステル−ポリイミド」とは、エステルとイミドの両者の構成を有する化合物であれば特に限定されない。本明細書中、「ポリエステル−ポリアミド酸」とは、エステルとポリアミド酸の両者の構成を有する化合物であれば特に限定されない。
【発明の効果】
【0013】
本発明の好ましい態様に係る配向膜用組成物から得られた膜をラビング処理しても削れが少なく、配向特性が均一に発現し、優れた配向特性を有する配向膜が得られる。
本発明の好ましい態様に係る配向膜用組成物から得られた配向膜はおよび当該配向膜を用いた液晶表示素子は高い歩留まりで製造できる。
また、本発明の好ましい態様に係る液晶表示素子はコントラストが高い。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の態様は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する液晶配向膜用組成物である。
本発明の第2の態様は、第1の態様の液晶配向膜用組成物が、さらに、ポリアミド酸(B1)およびポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bを有する組成物である。
また、本発明の第3の態様は、本発明の液晶配向膜用組成物から得られる液晶配向膜、および、当該配向膜を有する液晶表示素子である。
【0015】
I 重合体A
本発明の第1の態様の液晶配向膜用組成物は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する組成物である。
1 ポリエステル−ポリアミド酸(A1)
1.1 ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の構成
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)はエステルとアミドの両者の構成を有する化合物であれば特に限定されないが、以下の3つの化合物が好ましい。
[1]ポリエステル−ポリアミド酸(A1−1)
式(1)で表される構成単位および式(2−1)で表される構成単位を有する化合物
[2]ポリエステル−ポリアミド酸(A1−2)
式(1)で表される構成単位、ならびに、式(2−21)で表される構成単位および式(2−22)で表される構成単位からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有する化合物
[3]ポリエステル−ポリアミド酸(A1−3)
式(1)で表される構成単位、ならびに、式(2−31)で表される構成単位、式(2−32)で表される構成単位および式(2−33)で表される構成単位からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有する化合物
【0016】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の末端には、例えば、酸無水物基、アミノ若しくはヒドロキシなどが構成される。
【0017】
式(1)、式(2−1)、式(2−21)、式(2−22)、式(2−31)、式(2−32)、式(2−33)中のR11とR21はそれぞれ独立して4価の炭素数2〜100の有機基、R22は2価の炭素数2〜100の有機基、R23とR24はそれぞれ独立して3価の炭素数2〜100の有機基、R25とR26とR27はそれぞれ独立して4価の炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されるものではない。
【0018】
本明細書中、「有機基」とは特に限定されるものではないが、例えば、置換基を有していてもよい炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。
【0019】
また、一価の有機基としては、具体的には、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルコキシ、置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリールオキシ、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよいシリル、置換基を有していてもよいアルキルチオ(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキルを示す。)、置換基を有していてもよいアリールチオ(−SY、式中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールを示す。)、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル(−SO、式中、Yは置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルキルを示す。)、置換基を有していてもよいアリールスルホニル(−SO、式中、Yは置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールを示す。)が挙げられる。
【0020】
本明細書において、「炭素数2〜20の炭化水素」の炭化水素は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。炭素数2〜20の炭化水素が非環式の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。「炭素数2〜20の炭化水素」には、炭素数2〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルケニル、炭素数2〜20のアルキニル、炭素数4〜20のアルキルジエニル、炭素数6〜18のアリール、炭素数7〜20のアルキルアリール、炭素数7〜20のアリールアルキル、炭素数4〜20のシクロアルキル、炭素数4〜20のシクロアルケニルなどが含まれる。
【0021】
本明細書において、「炭素数2〜20のアルキル」は、炭素数2〜10のアルキルであることが好ましく、炭素数2〜6のアルキルであることが更に好ましい。アルキルの例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「炭素数2〜20のアルケニル」は、炭素数2〜10のアルケニルであることが好ましく、炭素数2〜6のアルケニルであることが更に好ましい。アルケニルの例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「炭素数2〜20のアルキニル」は、炭素数2〜10のアルキニルであることが好ましく、炭素数2〜6のアルキニルであることが更に好ましい。アルキニルの例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「炭素数4〜20のアルキルジエニル」は、炭素数4〜10のアルキルジエニルであることが好ましく、炭素数4〜6のアルキルジエニルであることが更に好ましい。アルキルジエニルの例としては、制限するわけではないが、1,3−ブタジエニル等を挙げることができる。
【0025】
本明細書において、「炭素数6〜18のアリール」は、炭素数6〜10のアリールであることが好ましい。アリールの例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0026】
本明細書において、「炭素数7〜20のアルキルアリール」は、炭素数7〜12のアルキルアリールであることが好ましい。アルキルアリールの例としては、制限するわけではないが、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0027】
本明細書において、「炭素数7〜20のアリールアルキル」は、炭素数7〜12のアリールアルキルであることが好ましい。アリールアルキルの例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0028】
本明細書において、「炭素数4〜20のシクロアルキル」は、炭素数4〜10のシクロアルキルであることが好ましい。シクロアルキルの例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0029】
本明細書において、「炭素数4〜20のシクロアルケニル」は、炭素数4〜10のシクロアルケニルであることが好ましい。シクロアルケニルの例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
【0030】
本明細書において、「炭素数2〜20のアルコキシ」は、炭素数2〜10のアルコキシであることが好ましく、炭素数2〜6のアルコキシであることが更に好ましい。アルコキシの例としては、制限するわけではないが、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0031】
本明細書において、「炭素数6〜20のアリールオキシ」は、炭素数6〜10のアリールオキシであることが好ましい。アリールオキシの例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0032】
本明細書において、「アルキルチオ(−SY、式中、Yは置換を有してもよい炭素数2〜20のアルキルを示す。)」及び「アルキルスルホニル(−SO、式中、Yは置換を有してもよい炭素数1〜20のアルキルを示す。)」において、Y及びYは、炭素数2〜10のアルキルであることが好ましく、炭素数2〜6のアルキルであることが更に好ましい。アルキルの例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0033】
本明細書において、「アリールチオ(−SY、式中、Yは置換を有してもよい炭素数6〜18のアリールを示す。)」及び「アリールスルホニル(−SO、式中、Yは置換を有してもよい炭素数6〜18のアリールを示す。)」において、Y及びYは、炭素数6〜10のアリールであることが好ましい。アリールの例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0034】
「炭素数1〜20の炭化水素」、「炭素数2〜20のアルコキシ」、「炭素数6〜20のアリールオキシ」、「アミノ」、「シリル」、「アルキルチオ」、「アリールチオ」、「アルキルスルホニル」、「アリールスルホニル」には、置換基が導入されていてもよい。この置換としては、例えば、エステル、カルボキシル、アミド、アルキン、トリメチルシリル、アミノ、ホスホニル、チオ、カルボニル、ニトロ、スルホ、イミノ、ハロゲノ、またはアルコキシなどを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0035】
本明細書において、「置換基を有してもよいアミノ」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0036】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0037】
以上、1価の有機基の具体例を挙げたが、本明細書中、2価の有機基の具体例としては、本明細書中に記載された1価の有機基においてさらに価数を1つ増やした基が挙げられる。同様に、本明細書中、3価の有機基の具体例としては、本明細書中に記載された1価の有機基においてさらに価数を2つ増やした基が挙げられ、4価の有機基の具体例としては、本明細書中に記載された1価の有機基においてさらに価数を3つ増やした基が挙げられる。
【0038】
本明細書におけるR11およびR21は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも炭素数4〜18の炭化水素が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。具体的には、
【化34】



(式中、破線は結合手を示す。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0039】
本明細書におけるR22は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも炭素数2〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。非環式の炭化水素の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。また、分子骨格内に酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでも構わない。具体的には、
【化35】



(式中、破線は結合手を示す。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0040】
本明細書におけるR23は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも炭素数3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。非環式の炭化水素の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。また、分子骨格内に酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでも構わない。具体的には、
【化36】



(式中、破線は結合手を示す。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0041】
本明細書におけるR24は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。非環式の炭化水素の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。また、分子骨格内に酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでも構わない。具体的には、
【化37】



(式中、破線は結合手を示す。ここで、式(2−22)中のOHとの結合位置を明確にする為に、R24と結合するOHも含めて描いた。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0042】
本明細書におけるR25は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも炭素数が3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。非環式の炭化水素の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。また、分子骨格内に酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでも構わない。具体的には、
【化38】



(式中、破線は結合手を示す。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0043】
本明細書におけるR26は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも炭素数が3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。非環式の炭化水素の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。また、分子骨格内に酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでも構わない。具体的には、
【化39】



(式中、破線は結合手を示す。ここで、式(2−32)中のOHとの結合位置を明確にする為に、R26と結合するOHも含めて描いた。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0044】
本明細書におけるR27は炭素数2〜100の炭化水素が挙げられる。その中でも炭素数が3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。非環式の炭化水素の場合には、直鎖状でもよいし、枝分かれでもよい。また、分子骨格内に酸素や窒素、硫黄などのヘテロ原子を含んでも構わない。具体的には、
【化40】



(式中、破線は結合手を示す。ここで、式(2−33)中のOHとの結合位置を明確にする為に、R27と結合するOHも含めて描いた。)
で表される骨格からなる群から選ばれる骨格が好ましい。
【0045】
本発明の液晶配向膜用組成物に含まれるポリエステル−ポリアミド酸(A1)における、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5,000〜500,000、さらに好ましくは10,000〜200,000である。
【0046】
本発明の液晶配向膜用組成物を基板に塗布するとき、膜厚調整のため含有されている高分子成分を予め溶剤により希釈する操作が必要とされることがあるため、液晶配向膜用組成物中のポリエステル−ポリアミド酸(A1)の濃度は、特に限定されないが、固形分の濃度が40重量%以下であると液晶配向膜用組成物の粘度が最適となり、膜厚調整のために液晶配向膜用組成物を希釈する必要があるときに、液晶配向膜用組成物に対して溶剤を容易に混合できるため好ましい。スピンナー法や印刷法のときには膜厚を良好に保つために、20重量%以下とすることが好ましい場合が多い。その他の塗布方法、例えばディッピング法やインクジェット法ではさらにポリエステル−ポリアミド酸(A1)が低濃度とすることもあり得る。他方、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の濃度が1重量%以上であると、得られる配向膜の膜厚が均一となり易い。
よって、液晶配向膜用組成物中のポリエステル−ポリアミド酸(A1)の濃度は、1〜50重量%が好ましい。通常のスピンナー法や印刷法等で当該組成物が塗布される場合には、液晶配向膜用組成物中のポリエステル−ポリアミド酸(A1)の濃度は1〜40重量%が好ましく、1〜15重量%がさらに好ましい。しかしながら、ワニスの塗布方法にインクジェット等を用いる場合は、さらに希薄な濃度(例えば、0.1〜5重量%)で使用してもよい。
【0047】
1.2 ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の製造方法
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、例えば、少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて製造できるが、当該製法に限定されるものではない。
【0048】
少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いてポリエステル−ポリアミド酸(A1−1)を製造した場合、ポリエステル−ポリアミド酸(A1−1)に含まれる、式(1)で表される構成単位におけるR11および式(2−1)で表される構成単位におけるR21は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、式(2−1)で表される構成単位におけるR22は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基であり、式(1)で表される構成単位におけるR12はジアミン(a2)の残基である。
【0049】
同様に、少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いてポリエステル−ポリアミド酸(A1−2)を製造した場合、ポリエステル−ポリアミド酸(A1−2)に含まれる、式(1)で表される構成単位におけるR11、ならびに、式(2−21)もしくは式(2−22)で表される構成単位におけるR21は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、式(2−21)で表される構成単位におけるR23と式(2−22)で表される構成単位におけるR24は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基であり、式(1)で表される構成単位におけるR12はジアミン(a2)の残基である。
【0050】
同様に、少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いてポリエステル−ポリアミド酸(A1−3)を製造した場合、ポリエステル−ポリアミド酸(A1−3)に含まれる、式(1)で表される構成単位におけるR11、ならびに、式(2−31)、式(2−32)もしくは式(2−33)で表される構成単位におけるR21は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、式(2−31)で表される構成単位におけるR25、式(2−32)で表される構成単位におけるR26および式(2−33)で表される構成単位におけるR27は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基であり、式(1)で表される構成単位におけるR12はジアミン(a2)の残基である。
【0051】
以下に、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を得るために用いることができる、多価ヒドロキシ化合物(a1)、ジアミン(a2)、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)を説明する。
【0052】
1.2.1 多価ヒドロキシ化合物(a1)
【0053】
本発明でポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられる多価ヒドロキシ化合物(a1)は2以上のヒドロキシを有していれば特に限定されないが、例えば、式(5−1)で表されるジオール、式(5−2)で表されるトリオール、式(5−3)で表されるテトラオールが挙げられる。
【0054】
式(5−1)で表されるジオールにおけるR51は2価の炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されない。
式(5−2)で表されるトリオールにおけるR52は3価の炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されない。
式(5−3)で表されるテトラオールにおけるR53は4価の炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されない。
【0055】
本発明でポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられる多価ヒドロキシ化合物(a1)の具体例としては、
【化41】





分子量1000以下のポリエチレングリコール

【化42】






テトラプロピレングリコール、分子量1000以下のポリプロピレングリコール
【化43】




【化44】






1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール

【化45】




【化46】



ジペンタエリスリトール、ビスフェノールA(商品名)、ビスフェノールS(商品名)、ビスフェノールF(商品名)、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミン、商品名「SEO−2」(日華化学株式会社製)、商品名「SKYCHDM」(新日本理化株式会社製)、商品名「リカビノールHB」(新日本理化株式会社製)、および、下記式(A)の化合物を挙げることができる。
【化47】




(式中、RA1,RA3はそれぞれ独立に−(CH2)x−O−(CH2)y−であり、x、yはそれぞれ独立に1〜15の整数であり、RA2は炭素数1〜5のアルキレンであり、mは2〜50の整数である。)
【0056】
得られる液晶配向膜用組成物からなる液晶配向膜のラビング処理における削れを少なくするという点から、多価ヒドロキシ化合物(a1)としてジオールを用いた場合には
【化48】




【0057】
が好ましく、
【化49】



がさらに好ましい。
【0058】
また、多価ヒドロキシ化合物(a1)としてトリオールを用いた場合には
【化50】




が好ましく、
【化51】




がさらに好ましい。
【0059】
また、多価ヒドロキシ化合物(a1)としてテトラオールを用いた場合には
【化52】




が好ましく、
【化53】




がさらに好ましい。
【0060】
本発明で用いられるポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、粘度、分子量の調整の関係から、多価ヒドロキシ化合物(a1)はジオールよりもトリオールやテトラオールの方が好ましく、トリオールが最も好ましい。
【0061】
また、多価ヒドロキシ化合物(a1)は単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。
【0062】
1.2.2 ジアミン(a2)
本発明において、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられるジアミン(a2)は特に限定されるものではないが、具体例としては、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル] [3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル] [3-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、式(b)で表される化合物
【化54】





(式中、R及びRは独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、Rは独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンである。xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜10の整数である。)、
4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,2’-ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-4-メチルシクロヘキサン、ビス[4-(4-アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(4-アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1-ビス[4-(4-アミノベンジル)フェニル]-4-メチルシクロヘキサンおよび下記式で表される化合物などである。
【0063】
【化55】



【化56】



【化57】



【化58】



【化59】



【化60】



【化61】



【化62】



【化63】



【化64】



【化65】



【化66】



【化67】



【化68】



【化69】



【化70】



【0064】
これの具体例の中でも、液晶配向性の面から、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,2’-ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-4-メチルシクロヘキサン、ビス[4-(4-アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1-ビス[4-(4-アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1-ビス[4-(4-アミノベンジル)フェニル]-4-メチルシクロヘキサン、および下記で表される化合物が好ましい。
【0065】
【化71】



【化72】



【化73】



【0066】
さらに、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン2,2’-ジアミノジフェニルプロパンおよび下記化合物が特に好ましい。
【化74】



【0067】
また、ジアミン(a2)は一種単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。また、本目的を達成するものであれば、これらのジアミンに限定されない。
【0068】
1.2.3 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)
本発明において、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の合成に用いられる酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)は特に限定されるものではないが、テトラカルボン酸二無水物が好ましい。酸無水物基を有する化合物(a3)の具体例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、下記式で表される化合物等が挙げられる。
【0069】
【化75】



【化76】



【化77】



【化78】



【0070】
これらの具体例の中でも、液晶配向性の面から
【化79】




が好ましく、さらに、
【化80】




が、特に好ましい。
【0071】
また、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)は単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。
【0072】
1.2.4 ポリエステル−ポリアミド酸(A1)に添加される添加剤
本発明で用いられるポリエステル−ポリアミド酸(A1)が、分子末端に酸無水物基を有している場合には、必要により、1価アルコールを添加して反応させることができる。1価アルコールを添加されたポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、例えば平坦性が良好となり好ましい。
【0073】
添加される1価アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、フェノール、ボルネオール、マルトール、リナロール、テルピネオール、ジメチルベンジルカルビノール、乳酸エチル、グリシドール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等を挙げることができる。
【0074】
例えば、得られる液晶配向膜用組成物の平坦性の向上するという点から、上記1価アルコールの具体例の中でも、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好ましく、これらの中でもベンジルアルコールがさらに好ましい。
【0075】
また、分子末端に酸無水物基を有するポリエステル−ポリアミド酸(A1)に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、およびm−アミノフェニルメチルジエトキシシラン等のシリコン含有モノアミンを反応させると、例えば得られた塗膜の耐薬品性が改善されるので好ましい。
また、1価アルコールとシリコン含有モノアミンを同時にポリエステル−ポリアミド酸(A1)に添加して反応させることもできる。
【0076】
1.2.5 反応条件
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.5〜19モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を1.5〜20モル反応させて得られることが好ましい。また、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)は、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを1〜9モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を2〜20モル反応させて得られることがさらに好ましい。
【0077】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を得るために用いられる溶剤は、当該化合物が合成できれば特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、およびN,N−ジメチルアセトアミド、などを挙げることができる。これらの中でも3−メトキシプロピオン酸メチル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、γ−ブチロラクトンおよびN−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましい。
これらの溶剤は単独でも、2種以上の混合溶剤としても使用できる。また、上記溶剤以外に他の溶剤を混合して用いることもできるが、他の溶剤は30重量%以下の割合で用いることが好ましい。
【0078】
溶剤は、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)との合計100重量部に対し100重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は10℃〜200℃で、0.2〜20時間反応させるのが好ましい。
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)にシリコン含有モノアミンを添加して反応させる場合には、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)との反応が終了した後に、反応液を40℃以下まで冷却した後、シリコン含有モノアミンを添加し、10〜40℃で0.1〜6時間反応させると好ましい。
なお、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)に1価アルコールを添加して反応させてもよい。
【0079】
また、反応原料の反応系への添加順序に特に限定されない。すなわち、多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを同時に溶剤に加える、ジアミン(a2)と多価ヒドロキシ化合物(a1)を反応溶剤中に溶解させた後に酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)を添加する、多価ヒドロキシ化合物(a1)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)をあらかじめ反応させて共重合体を合成した後に、その共重合体にジアミン(a2)を添加する、ジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)をあらかじめ反応させて共重合体を合成した後、その共重合体に多価ヒドロキシ化合物(a1)を添加する、などいずれの方法も用いることができる。
【0080】
2 ポリエステル−ポリイミド(A2)
2.1 ポリエステル−ポリイミド(A2)の構成
ポリエステル−ポリイミド(A2)はエステルとイミドの両者の構成を有する化合物であれば特に限定されないが、以下の3つの化合物が好ましい。
[1]ポリエステル−ポリイミド(A2−1)
式(3)で表される構成単位および式(2−1)で表される構成単位を有する化合物
[2]ポリエステル−ポリイミド(A2−2)
式(3)で表される構成単位、ならびに、式(2−21)で表される構成単位および式(2−22)で表される構成単位からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有する化合物
[3]ポリエステル−ポリイミド(A2−3)
式(3)で表される構成単位、ならびに、式(2−31)で表される構成単位、式(2−32)で表される構成単位および式(2−33)で表される構成単位からなる群から選ばれる1以上の構成単位を有する化合物
【0081】
ポリエステル−ポリイミド(A2)の末端には、例えば、酸無水物基、アミノ若しくはヒドロキシなどが構成される。
【0082】
式(3)中のR31とR33はそれぞれ独立して4価の炭素数2〜100の有機基、R32は2価の炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されるものではない。
【0083】
本明細書におけるR31およびR33はそれぞれ独立して4価の炭素数2〜100の炭化水素が挙げられるが、その中でも炭素数3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。また、分子骨格内に酸素原子や窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含んでも構わない。
【0084】
本明細書におけるR32は2価の炭素数2〜100の炭化水素が挙げられるが、その中でも炭素数3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。また、分子骨格内に酸素原子や窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含んでも構わない。
【0085】
なお、式(2−1)、式(2−21)、式(2−22)、式(2−31)、式(2−32)、式(2−33)中のR11およびR21〜R27は、上述のとおりである。
【0086】
本発明の液晶配向膜用組成物から得られる膜の耐薬品性は、一般的にポリエステル−ポリイミド(A2)が高分子量である程好ましく、溶剤に対する溶解性は、一般的にポリエステル−ポリイミド(A2)が低分子量である程好ましい。そこで、本発明の液晶配向膜用組成物に含まれるポリエステル−ポリイミド(A2)の重量平均分子量は5,000〜500,000であることが好ましく、10,000〜200,000であることがより好ましい。
【0087】
本発明において液晶配向膜用組成物中のポリエステル−ポリイミド(A2)の含有量(ポリエステル−ポリアミド酸(A1)も含まれている場合にはポリエステル−ポリアミド酸(A1)とポリエステル−ポリイミド(A2)との合計した含有量)は特に限定されないが、液晶配向膜用組成物全量に対して1〜50重量%が好ましく、1〜40重量%がさらに好ましく、2〜30重量%が特に好ましい。これらの濃度範囲であると、液晶配向膜用組成物の粘度が最適となり、各種の塗布方法で均一な膜厚の塗膜を形成できるので好ましい。
【0088】
2.2 ポリエステル−ポリイミド(A2)の製造方法
本発明で用いられるポリエステル−ポリイミド(A2)は、例えば、少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて製造されたポリエステル−ポリアミド酸(A1)をイミド化することによって製造できる。
また、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)とポリエステル−ポリイミド(A2)との混合物は、それぞれ合成されたポリエステル−ポリアミド酸(A1)とポリエステル−ポリイミド(A2)とを混合すること、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)の一部をイミド化すること等によって製造できる。
【0089】
このような製造方法を用いた場合、ポリエステル−ポリイミド(A2−1)に含まれる、式(3)で表される構成単位におけるR31とR33および式(2−1)で表される構成単位におけるR21は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、式(2−1)で表される構成単位におけるR22は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基であり、式(3)で表される構成単位におけるR32はジアミン(a2)の残基である。
【0090】
同様に、少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて製造されたポリエステル−ポリアミド酸(A1−2)をイミド化してポリエステル−ポリイミド(A2−2)を製造した場合、ポリエステル−ポリイミド(A2−2)に含まれる、式(3)で表される構成単位におけるR31とR33、ならびに、式(2−21)もしくは式(2−22)で表される構成単位におけるR21は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、式(2−21)で表される構成単位におけるR23と式(2−22)で表される構成単位におけるR24は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基であり、式(3)で表される構成単位におけるR32はジアミン(a2)の残基である。
【0091】
同様に、少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて製造されたポリエステル−ポリアミド酸(A1−3)をイミド化してポリエステル−ポリイミド(A2−3)を製造した場合、ポリエステル−ポリイミド(A2−3)に含まれる、式(3)で表される構成単位におけるR31とR33、ならびに、式(2−31)、式(2−32)もしくは式(2−33)で表される構成単位におけるR21は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、式(2−31)で表される構成単位におけるR25、式(2−32)で表される構成単位におけるR26および式(2−33)で表される構成単位におけるR27は多価ヒドロキシ化合物(a1)の残基であり、式(3)で表される構成単位におけるR32はジアミン(a2)の残基である。
【0092】
II 重合体B
本発明の第2の態様の液晶配向膜用組成物は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)およびポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aと、ポリアミド酸(B1)およびポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bとを有する組成物である。
1 ポリアミド酸(B1)
1.1 ポリアミド酸(B1)の構成
ポリアミド酸(B1)はアミドの構成を有する化合物であれば特に限定されないが、式(1)で表される構成単位を有する化合物が好ましい。
ポリアミド酸(B1)を構成する式(1)で表される構成単位は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を構成する構成単位を表す式(1)と同様である。
【0093】
1.2 ポリアミド酸(B1)の製造方法
ポリアミド酸(B1)は、例えば、少なくともジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて製造できるが、当該製法に限定されるものではない。
【0094】
少なくともジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いてポリアミド酸(B1)を製造した場合、ポリアミド酸(B1)に含まれる式(1)で表される構成単位におけるR11は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、R12はジアミン(a2)の残基である。
ポリアミド酸(B1)を得るために用いることができる、ジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)を得るために用いることができるジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)と同様である。
【0095】
2 ポリイミド(B2)
2.1 ポリイミド(B2)の構成
ポリイミド(B2)はイミドの構成を有する化合物であれば特に限定されないが、式(4)で表される構成単位を有する化合物が好ましい。
ポリイミド(B2)を構成する式(4)中のR41は4価の炭素数2〜100の有機基、R42は2価の炭素数2〜100の有機基であれば特に限定されるものではない。
【0096】
本明細書におけるR41は4価の炭素数2〜100の炭化水素が挙げられるが、その中でも炭素数3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。また、分子骨格内に酸素原子や窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含んでも構わない。
【0097】
本明細書におけるR42は2価の炭素数2〜100の炭化水素が挙げられるが、その中でも炭素数3〜20が好ましく、芳香族や飽和もしくは不飽和の環式や飽和もしくは不飽和の非環式の炭化水素であってもよい。また、分子骨格内に酸素原子や窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を含んでも構わない。
【0098】
2.2 ポリイミド(B2)の製造方法
本発明で用いられるポリイミド(B2)は、例えば、少なくともジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて製造されたポリアミド酸(B1)をイミド化することによって製造できる。
このような製造方法を用いた場合、ポリイミド(B2)に含まれる式(4)で表される構成単位におけるR41は酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の残基であり、R42はジアミン(a2)の残基である。
【0099】
また、ポリアミド酸(B1)とポリイミド(B2)との混合物は、それぞれ合成されたポリアミド酸(B1)とポリイミド(B2)とを混合すること、ポリアミド酸(B1)の一部をイミド化すること等によって製造できる。
【0100】
III 重合体Aと重合体Bとの混合物
本発明の第2の態様の液晶配向膜用組成物は、ポリアミド酸(B1)およびポリイミド(B2)の少なくともどちらか一方を有する。ポリアミド酸(B1)およびポリイミド(B2)(ポリアミド酸(B1)およびポリイミド(B2)の両者が含まれている場合は、両者の合計)の含有量は特に限定されないが、液晶配向膜用組成物全量に対して1〜50重量%が好ましく、2〜30重量%がさらに好ましい。これらの濃度範囲であれば、ラビング削れに対して効果を維持でき、さらに配向性も向上させることができるからである。
【0101】
IV エポキシ化合物(C)
本発明の液晶配向膜用組成物は、必要によりエポキシ化合物(C)を含んでもよい。
本発明で用いられるエポキシ化合物(C)は、エポキシを有すれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。
本発明において液晶配向膜用組成物中のエポキシ樹脂の含有量は特に限定されないが、0.1〜40重量%が好ましく、0.2〜30重量%がさらに好ましい。これらの濃度範囲であると、液晶配向膜用組成物から形成された塗膜において、ラビング処理によって膜が削れにくくなる等の耐久性が良好になる。また、上記濃度範囲では、前記塗膜の耐熱性、耐薬品性が良好になるので好ましい。
【0102】
エポキシ化合物(C)の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、およびオキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、などが挙げられる。
さらに具体的には、エポキシ樹脂としては、商品名「エピコート807」、「エピコート815」、「エピコート825」、「エピコート827」、上記式(C4)で表される化合物である「エピコート828」、「エピコート190P」、「エピコート191P」(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、商品名「エピコート1004」、「エピコート1256」(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、商品名「アラルダイトCY177」、上記式(C1)で表される化合物である「アラルダイトCY184」(日本チバガイギー(株)製)、上記式(C2)で表される化合物である商品名「セロキサイド2021P」、「EHPE−3150」(ダイセル化学工業(株)製)、上記式(C3)で表される化合物である商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)、上記式(C5)で表される化合物「4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)」(アルドリッチ社製)などを挙げることができる。これらの中でも、本発明の液晶組成物が、上記式(C4)で表されn=0〜4の化合物の混合物である「エピコート828」、上記式(C1)で表される化合物である「アラルダイトCY184」(日本チバガイギー(株)製)、上記式(C2)で表される化合物である商品名「セロキサイド2021P」(ダイセル化学工業(株)製)、上記式(C3)で表される化合物である商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)、上記式(C5)で表される化合物「4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)」(アルドリッチ社製)を含むことが、透明性と平坦性が良好であるため好ましい。
【0103】
また、オキシランを有するモノマーの具体例としては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びメチルグリシジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0104】
オキシランを有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−フェニルマレイミドなどを挙げることができる。
【0105】
オキシランを有するモノマーの重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレートなどを挙げることができる。また、オキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ベンジルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、ブチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体及びスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を挙げることができる。
【0106】
V 本発明の液晶配向膜用組成物に添加される添加剤
本発明の液晶配向膜用組成物は、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)とそのイミド化物であるポリエステル−ポリイミド(A2)とからなる群から選ばれる1以上を含むが、要求される特性によっては、さらに、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、トリメリット酸等のエポキシ硬化剤、アミノシリコン化合物、溶剤、その他の添加剤を有してもよい。これらの界面活性剤等の添加剤は、例えば、液晶配向膜用組成物に添加し、それらを均一に混合溶解することによって用いられる。
【0107】
(1)界面活性剤
例えば、塗布性の向上を望むときには、かかる目的に沿った界面活性剤を添加できる。本発明の液晶配向膜用組成物に添加される界面活性剤の具体例としては、商品名「Byk−300」、「Byk−306」、「Byk−335」、「Byk−310」、「Byk−341」、「Byk−344」、「Byk−370」(ビック・ケミー(株)製)などのシリコン系界面活性剤、商品名「Byk−354」、「ByK−358」、「Byk−361」(ビック・ケミー(株)製)などのアクリル系界面活性剤、商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株)製)などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
これらの帯電防止剤は、単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、下地基板への濡れ性、平坦性、または塗布性を向上させるために使用するものであり、液晶配向膜用組成物中0.01〜1重量%添加して用いられることが好ましい。
【0108】
(2)帯電防止剤
本発明の液晶配向膜用組成物に添加される帯電防止剤は、特に限定されるものではなく、通常の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの帯電防止剤は、一種のみを用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
帯電防止剤は、帯電を防止するために使用するものであり、液晶配向膜用組成物中0.01〜1重量%添加して用いられることが好ましい。
【0109】
(3)カップリング剤
本発明の液晶配向膜用組成物に添加されるカップリング剤は、特に限定されるものではなく、通常のカップリング剤を用いることができる。添加されるカップリング剤はシランカップリング剤が好ましく、具体的には、トリアルコキシシラン化合物またはジアルコキシシラン化合物等を挙げることができる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトジエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、 N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。なかでも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0110】
これらのカップリング剤は、単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
カップリング剤は、液晶配向膜用組成物中0.01〜3重量%添加して用いられることが好ましい。
【0111】
(4)エポキシ硬化剤
本発明の液晶配向膜用組成物に添加されるエポキシ硬化剤は、特に限定されるものではなく、通常のエポキシ硬化剤を用いることができる。具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物等が挙げられる。さらに具体的には、ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド、2,4−ジアミノ―6―[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸―1,2−無水物等の酸無水物等が挙げられる。これらの中でも透明性が良好なトリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸―1,2−無水物が好ましい。
【0112】
これらのエポキシ硬化剤は、単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ硬化剤は、液晶配向膜用組成物中0.05〜5重量%添加して用いられることが好ましい。
【0113】
(5)アミノシリコン化合物
本発明の液晶配向膜用組成物においてアミノシリコン化合物を添加することができる。アミノシリコン化合物としては、パラアミノフェニルトリメトキシシラン、パラアミノフェニルトリエトキシシラン、メタアミノフェニルトリメトキシシラン、メタアミノフェニルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
これらのアミノシリコン化合物は、単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。
アミノシリコン化合物は、基板への密着性を良くするために使用するものであり、液晶配向膜用組成物中0.05〜2重量%添加して用いられることが好ましい。
【0114】
(6)溶剤
本発明の液晶配向膜用組成物に含まれ得る溶剤は、含有される重合体Aや重合体Bを溶解することができる溶剤であれば特に制限されない。溶剤は、ポリアミド酸、可溶性ポリイミドなどの高分子成分の製造工程や用途面で通常使用されている溶剤を広く含み、使用目的に応じて、適宜選択できる。
【0115】
これらの溶剤を例示すると以下のとおりである。ポリアミド酸や可溶性ポリイミドに対し親溶剤である非プロトン性極性有機溶剤の例は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタム、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジエチルアセトアミド、γ−ブチロラクトンなどである。また、塗布性改善などを目的とした他の溶剤の例としては、乳酸アルキル、3−メチル−3−メトキシブタノール、テトラリン、イソホロン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのジエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルまたはフェニルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル、マロン酸ジエチルなどのマロン酸ジアルキル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、これらアセテート類などのエステル化合物が挙げられる。これらの溶剤の中でも、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどを特に好ましく用いることができる。
【0116】
これらの溶剤は、単独で用いてもよく、また、二種以上を混合して用いてもよい。また、溶剤は、液晶配向膜用組成物中の固形分濃度が1〜60重量%となるように添加して用いられることが好ましい。
【0117】
(7)その他の添加剤
本発明の液晶配向膜用組成物は、本発明の特性を損なわない範囲(好ましくは液晶配向膜用組成物の20重量%以内)で、ポリエステル、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー等のポリマー成分と混合して使用することも可能である。
また、本発明の液晶配向膜用組成物には、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドやテトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等のポリマー成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0118】
VI 液晶配向膜・液晶表示素子用基板の製造
本発明の液晶配向膜用組成物を、ガラス等の基板表面、または、ITO(Indium TinOxide)電極等の電極やカラーフィルタ等が設けられたガラス等の基板表面に塗布し、前記組成物が脱水・閉環反応に必要な加熱または乾燥されることによって液晶配向膜を形成することができる。
【0119】
基板としては、例えば、平滑性の良好なフロリネートガラスなどのガラスの他、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アセチルセルロース、ポリアミノ酸エステル、芳香族ポリアミド等の耐熱性樹脂、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のビニル系ポリマー、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂及びそれらの変成体等から形成されたプラスチックフィルム等を挙げることができる。
【0120】
基板表面への液晶配向膜用組成物の塗布はスピンナー法、印刷法、ディッピング法、滴下法、インクジェット法などで行うことができる。基板表面に塗布された本発明の液晶配向膜用組成物が、脱水・閉環反応に必要な加熱処理または乾燥処理が施される工程としては、例えば、オーブンまたは赤外炉の中で加熱する方法、ホットプレート上で加熱する方法などが用いられる。乾燥工程は溶剤の蒸発が可能な範囲内の比較的低温で実施することが好ましく、加熱処理の工程は一般に150〜300℃程度の温度で行うことが好ましい。
また、基板に設けられた電極は、ガラスなどの透明基板上にクロムなどの金属をスパッタリング法などを用いて堆積した後、所定の形状のレジストパターンをマスクとしてエッチングを行って形成されることができる。
【0121】
このようにして基板上で硬化した樹脂膜をラビング法、光配向法、転写法等の配向処理を施すことにより前記樹脂膜に液晶配向膜としての特性が発現し液晶配向膜が製造される。また、これによって、基板上に液晶配向膜が形成された液晶表示素子用の基板も製造される。
【0122】
これらの配向処理の中でも、ラビング法を用いることが好ましいが、ラビング処理の条件は特に限定されるものではないが、本発明の液晶配向膜用組成物から得られた樹脂膜においては、毛足押し込み量0.2〜0.8mm、ステージ移動速度5〜250mm/sec、ローラー回転速度500〜2,000rpmの条件でラビング処理がなされることが好ましい。
【0123】
エポキシ化合物(C)を含む本件発明の液晶配向膜用組成物から得られる液晶配向膜は、エポキシ化合物(C)を含まない液晶配向膜用組成物から得られる液晶配向膜に比べて、さらに強靭で、透明性、耐熱性、耐薬品性、平坦性、密着性および耐スパッタ性に優れる場合があり好ましい。
【0124】
VII 液晶表示素子の製造
本発明の液晶表示素子は、複数の本発明の液晶表示素子用基板の間、または、本発明の液晶表示素子用基板と第2の透明基板との間にスペーサーを配置して対向させて組み立てられ、前記基板の間に液晶組成物を封入することによって製造される。場合によっては、液晶表示素子はさらに偏光フィルムが貼り付けられていてもよい。
【0125】
本発明の液晶表示素子は、配向処理の前後に洗浄液による洗浄処理を行って製造されることもできる。洗浄方法としては、ブラッシング、ジェットスプレー、蒸気洗浄または超音波洗浄などが挙げられる。これらの方法は単独で行ってもよいし、併用してもよい。洗浄液としては純水または、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの各種アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。もちろん、これらの洗浄液は十分に精製された不純物の少ないものが用いられる。
【0126】
本発明の液晶表示素子において用いられる液晶組成物は、特に制限はなく、誘電率異方性が正の各種の液晶組成物を用いることができる。好ましい液晶組成物の例は、特許第3086228号公報、特許第2635435号公報、特表平5−501735号公報、特開平8−157826号公報、特開平8−231960号公報、特開平9−241644号公報(EP885272A1明細書)、特開平9−302346号公報(EP806466A1明細書)、特開平8−199168号公報(EP722998A1明細書)、特開平9−235552号公報、特開平9−255956号公報、特開平9−241643号公報(EP885271A1明細書)、特開平10−204016号公報(EP844229A1明細書)、特開平10−204436号公報、特開平10−231482号公報、特開2000−087040公報、特開2001−48822公報などに開示されている。
【0127】
誘電率異方性が負の各種の液晶組成物を用いることもできる。好ましい液晶組成物の例は、特開昭57−114532号公報、特開平2−4725号公報、特開平4−224885号公報、特開平8−40953号公報、特開平8−104869号公報、特開平10−168076号公報、特開平10−168453号公報、特開平10−236989号公報、特開平10−236990号公報、特開平10−236992号公報、特開平10−236993号公報、特開平10−236994号公報、特開平10−237000号公報、特開平10−237004号公報、特開平10−237024号公報、特開平10−237035号公報、特開平10−237075号公報、特開平10−237076号公報、特開平10−237448号公報(EP967261A1明細書)、特開平10−287874号公報、特開平10−287875号公報、特開平10−291945号公報、特開平11−029581号公報、特開平11−080049号公報、特開2000−256307公報、特開2001−019965公報、特開2001−072626公報、特開2001−192657公報などに開示されている。
【0128】
前記誘電率異方性が正または負の液晶組成物に一種以上の光学活性化合物を添加して使用することも何ら差し支えない。
更に、本発明の液晶配向膜用組成物には、本発明の特性を損なわない範囲(好ましくは20モル%以内)で、他の組成を有するポリアミド酸、可溶性ポリイミド、ポリエステル、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー等のポリマー成分を混合して使用することも可能である。また、本発明の液晶配向膜用組成物には、液晶配向膜用組成物に用いられるポリマー成分である、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドやテトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸もしくはその誘導体とジアミンとの反応生成物であるポリアミドイミド等のポリマー成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【実施例】
【0129】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0130】
酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)(テトラカルボン酸二無水物)
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物 :CBDA
ピロメリット酸二無水物 :PMDA
【0131】
ジアミン(a2)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル :APE
4,4’―ジアミノジフェニルメタン :DDM
1,3−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]プロパン :BZ3
3−ベンジルー1,4−ジアミノベンゼン :P1PDA
1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−ブチルシクロヘキサン :4ChB1B
3−[(4−ヘキサドデシルフェニル)メチル]−1,4−ジアミノベンゼン :16P1P
3−[(4−ドデシルフェニル)メチル]−1,4−ジアミノベンゼン
:12P1P
3−({4−[4−(4−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]フェニル}メチル)−1,4−ジアミノベンゼン :5ChChP1P
3−[(4−{4−[2−(4−ヘプチルシクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル}フェニル)メチル]−1,4−ジアミノベンゼン :7Ch2ChP1P
【0132】
多価ヒドロキシ化合物(a1)
1,4−ブタンジオール :BOH
1,5−ペンタンジオール :POH
1,2,4−ブタントリオール :BTOH
2-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロパン-1,3-ジオール :TMEOH
テトラキス(ヒドロキシメチル)メタン :PETOH
【0133】
エポキシ樹脂(C)
セロキサイド2021P :SE2021P
アラルダイトCY177 :CY177
4,4’―メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン) :TGDDM
溶剤
N−メチル−2−ピロリドン :NMP
γ―ブチロラクトン :GBL
エチレングリコールモノブチルエーテル :BC
(ブチルセロソルブ)
【0134】
[合成例1]液晶配向膜用組成物(1A)の調整
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコにCBDAを1.96g(10mmol)、PMDAを2.18g(10mmol)、1,4−ブタンジオールを0.36g(4mmol)、脱水NMPを84.7g入れ、乾燥窒素気流下120℃で1時間攪拌した。25℃まで冷却した後、APEを3.20g(16mmol)添加した。反応系の温度を25℃に保ちながら30時間反応させた後、BCを38.5g、GBLを23.1g加え、50℃に昇温して攪拌を続け、組成物の粘度が30〜35mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とし、固形分の濃度が5重量%のポリエステル−ポリアミド酸の液晶配向膜用組成物(1A)を得た。得られた組成物の重量平均分子量は23,000であった。なお、重量平均分子量は、島津製作所製GPC測定装置を用いてカラム温度50℃にて測定した。用いた、PMDA、CBDA、APEおよびBOHのモル比は、PMDA/CBDA/APE/BOH=25/25/40/10であった。
【0135】
[実施例1]液晶配向膜と液晶表示素子用基板と液晶表示素子の製造
合成例1で得られた液晶配向膜用組成物1AをNMP/BC/GBL(=60/25/15、重量比)の混合溶剤で希釈して固形分の濃度が3重量%となるように調整し塗布用の液晶配向膜用組成物(ワニス(1A))とした。
【0136】
ワニス(1A)を電極付きガラス基板上にスピンナーにて塗布した。塗布条件は2200rpm、15秒であった。塗膜後80℃にて約5分間予備焼成した後、210℃にて30分間加熱処理を行い膜厚およそ75nmの液晶配向膜を形成した。得られた液晶配向膜を株式会社飯沼ゲージ製作所製のラビング処理装置を用いて、ラビング布(毛足長1.8mm:レーヨン)の毛足押し込み量0.40mm、ステージ移動速度を60mm/sec、ローラー回転速度を1500rpmの条件で、ラビング処理した。
ラビング処理後の液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察したところ、ラビングによる削れ跡、削れカスは見られなかった。
【0137】
得られた液晶表示素子用基板を超純水中で5分間超音波洗浄後、オーブン中120℃で30分間乾燥した。この電極付きの液晶表示素子用基板に7μmのギャップ材を散布し、配向膜を形成した面を内側にして貼り合わせ、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ7μmのアンチパラレルセルを作成した。前記セルに以下に示す液晶組成物を注入し、注入口を光硬化剤で封止し、110℃で30分間加熱処理を行った後、室温に戻して液晶表示素子を製造した。
【化81】



【0138】
偏光顕微鏡観察により当該液晶表示素子における液晶配向膜の配向性の確認を行った。なお、液晶材料として使用した液晶組成物の組成を下記に示す。この組成物のNI点は100.0℃であり、複屈折は0.093であった。
また、偏光顕微鏡を用いて、室温における電圧無印加の状態で液晶表示素子の配向状態を確認した。セルを回転させると、明暗が見られ、また暗状態での配向不良による光漏れは見られなかった。
【0139】
[合成例2〜16]
液晶配向膜用組成物の製造に用いるテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよび多価ヒドロキシ化合物およびそれらのモル比を表1と表2に示すとおりに変更した以外は、合成例1と同じ条件で、液晶配向膜用組成物(2A)〜(16A)を製造した。
【0140】
【表1】



【0141】
【表2】




【0142】
[実施例2〜16]
合成例2〜16で得られた液晶配向膜用組成物(2A)〜(16A)を用いた以外は実施例1と同じ条件で、液晶表示素子用基板を製造し、液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察し、ラビングによる基板表面の削れ跡と削れカスの確認を行った。またその基板を用いてアンチパラレルセルを作製し偏光顕微鏡により配向状態を確認した。その結果を表3に記載した。
【表3】




【0143】
[合成例17]ポリアミド酸(17PA)の合成
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコに4ChB1B 3.54g(7.0mmol)を脱水NMP 55g入れ溶解し、CBDAを0.9607g(3.5mmol)、PMDAを0.77g(3.5mmol)を添加して、乾燥窒素気流下反応系の温度を25℃に保ちながら30時間反応させた後、BCを25g、GBLを25g加え、50℃に昇温して攪拌を続け、組成物の粘度が30〜35mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とし、固形分の濃度が5重量%のポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物(17PA)を得た。得られた組成物の重量平均分子量は30,560であった。なお、重量平均分子量は、島津製作所製GPC測定装置を用いてカラム温度50℃にて測定した。
用いたPMDA、CBDAおよび4ChB1Bのモル比は、PMDA/CBDA/4ChB1B=25/25/50であった。
【0144】
[合成例18〜28]
液晶配向膜用組成物の製造に用いるテトラカルボン酸二無水物、ジアミンおよび多価ヒドロキシ化合物およびそれらのモル比を表4と表5に示すとおりに変更した以外は、合成例17と同じ条件で、液晶配向膜用組成物(18PA)〜(28PA)を製造した。
【0145】
【表4】



【0146】
【表5】




【0147】
[合成例29]
合成例12で得られたポリエステル−ポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物(12A)と、合成例17で得られたポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物(17PA)とを、重量比17PA/12A=20/80で混合し、ポリエステル−ポリアミド酸とポリアミド酸とを含む液晶配向膜用組成物を調整した。
【0148】
[合成例30〜合成例40]
表6に示すような重量比でポリエステル−ポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物とポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物とを混合してポリエステル−ポリアミド酸とポリアミド酸とを含む液晶配向膜用組成物を調整した。
【0149】
【表6】




【0150】
[実施例17]
合成例29で調整された液晶配向膜用組成物をNMP/BC/GBL(=60/25/15、重量比)の混合溶剤で希釈して固形分の濃度が3重量%となるように調整し塗布用の液晶配向膜用組成物(ワニス(1G))とした。
このワニス1Gを用いて、実施例1に記載の方法で液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察し、ラビングによる削れ跡、削れカスの確認を行った。またその基板を用いてアンチパラレルセルを作製し偏光顕微鏡により配向状態を確認した。その結果を表7に記載した。
【0151】
[実施例18〜28]
合成例30〜40で得られた液晶配向膜用組成物を用いて塗布用の液晶配向膜用組成物(ワニス(2G)〜(12G))を調整した。
そして、これらのワニスを用いた以外は実施例17と同様の条件で、液晶表示素子用基板を製造し、液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察し、ラビングによる基板表面の削れ跡と削れカスの確認を行った。またその基板を用いてアンチパラレルセルを作製し偏光顕微鏡により配向状態を確認した。その結果を表7に記載した。

【表7】




【0152】
[合成例41]液晶配向膜用組成物の合成(1B)
合成例1で得られた液晶配向膜用組成物(1A)を100.0g、脂環式エポキシ樹脂であるダイセル(株)製セロキサイド(商標)2021Pを0.25g(1.0mmol)混合し、液晶配向膜用組成物(1B)を調整した。
【0153】
[合成例42〜66]液晶配向膜用組成物の合成
表8に示す、ポリエステル−ポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物、ポリアミド酸を含む液晶配向膜用組成物およびエポキシ樹脂(1.0mmol)を用いたこと以外は合成例41と同じ条件でエポキシ樹脂を含む液晶配向膜用組成物(2B)〜(14B)と(1G)〜(12G)を調整した。

【表8】



【0154】
[実施例29]
NMP/BC/GBL(=60/25/15、重量比)の混合溶剤で、合成例41で調整された液晶配向膜用組成物(1B)を希釈して、ポリエステル-ポリアミド酸とエポキシ樹脂との合計の固形分の濃度が3重量%となるように調整しワニス(1B)を製造とした。
このワニス(1B)を実施例1と同様の方法に従い液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察し、ラビングによる削れ跡、削れカスの確認を行った。またその基板を用いてアンチパラレルセルを作製し偏光顕微鏡により配向状態を確認した。その結果を表9に記載した。
【0155】
[実施例30〜実施例54]
合成例42〜66で調整された液晶配向膜用組成物を用いたこと以外は実施例29と同じ条件で希釈して、ワニスを製造した。
これらのワニスを用いて、実施例1に記載した方法で液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察し、ラビングによる削れ跡、削れカスの確認を行った。またその基板を用いてアンチパラレルセルを作製し偏光顕微鏡により配向状態を確認した。
【0156】
【表9】




【0157】
[比較例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた200mlの四つ口フラスコにAPEを4.00g(20mmol)と脱水NMPを84.7g入れ、乾燥窒素気流下で攪拌溶解した。反応系の温度を25℃に保ちながらCBDA1.96g(10mmol)とPMDAを2.18g(10mmol)をゆっくり投入し、乾燥窒素気流下で30時間反応させた後、BCを38.7g、GBLを23.1g加えた。50℃に昇温して攪拌を続け、ワニスの粘度が30〜35mPa・s(E型粘度計を使用。25℃)になった時点で反応を終了とし、固形分の濃度が5重量%のポリアミド酸の組成物(29PA)を得た。得られた組成物の重量平均分子量は29,000であった。なお、重量平均分子量は、島津製作所製GPC測定装置を用いてカラム温度50℃にて測定した。
【0158】
前記のようにして得られた組成物(29PA)をNMP/BC/GBL(=60/25/15、重量比)の混合溶剤で希釈して固形分の濃度が3重量%となるように調整し塗布用組成物であるワニス(29PA)を製造した。
【0159】
ワニス(29PA)を用いる以外は、実施例1と同様に液晶配向膜と液晶表示素子用基板と液晶表示素子の製造した。
製造された液晶配向膜表面を100倍および400倍の光学顕微鏡で観察したところ、ラビングによる削れ跡、削れカスがはっきり確認された。
また、偏光顕微鏡を用いて、室温における電圧無印加の状態で液晶表示素子の配向不良を確認した。セルを回転させると、明暗が見られ、また暗状態での配向不良による光漏れが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明の活用法として、例えば、液晶配向膜と液晶表示素子用基板と液晶表示素子を挙げることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも多価ヒドロキシ化合物(a1)とジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリエステル−ポリアミド酸(A1)、および、ポリエステル−ポリアミド酸(A1)をイミド化して得られたポリエステル−ポリイミド(A2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Aを有する液晶配向膜用組成物であって、
液晶配向膜用組成物が、さらに、少なくともジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリアミド酸(B1)、および、ポリアミド酸(B1)をイミド化して得られたポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bを有する液晶配向膜用組成物。
【請求項2】
多価ヒドロキシ化合物(a1)が
【化82】


からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が
【化83】




からなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)が
【化84】



からなる群から選ばれる1以上である、請求項1に記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項3】
ポリエステル−ポリアミド酸(A1)またはポリエステル−ポリイミド(A2)が、多価ヒドロキシ化合物(a1)のヒドロキシ1モルに対して、ジアミン(a2)のアミノを0.5〜19モル、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)の無水物を1.5〜20モル反応させて得られる、請求項1または2に記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項4】
液晶配向膜用組成物が、さらに、下記式(1)で表される構成単位
【化85】


(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有するポリアミド酸(B1)、および、下記式(4)で表される構成単位
【化86】


(式中、破線は結合手を示し、R41およびR42はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有するポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項5】
液晶配向膜用組成物が、さらに、少なくともジアミン(a2)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)とを用いて得られたポリアミド酸(B1)、および、ポリアミド酸(B1)をイミド化して得られたポリイミド(B2)からなる群から選ばれる1以上を含む重合体Bを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項6】
前記ポリアミド酸(B1)の合成に用いられるジアミン(a2)が
【化87】



【化88】



からなる群から選ばれる1以上であり、
前記ポリアミド酸(B1)の合成に用いられる酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)が
【化89】



からなる群から選ばれる1以上である、請求項5に記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項7】
ポリアミド酸(B1)が下記式(1)で表される構成単位
【化90】


(式中、破線は結合手を示し、R11およびR12はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有し、
ポリイミド(B2)が下記式(4)で表される構成単位
【化91】



(式中、破線は結合手を示し、R41およびR42はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
を有する請求項5または6に記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項8】
ポリアミド酸(B1)とポリイミド(B2)が液晶配向膜用組成物に対して1〜50重量%含まれている請求項5〜7のいずれかに記載の液晶配向膜用組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載された液晶配向膜用組成物から得られる液晶配向膜。
【請求項10】
請求項9に記載された液晶配向膜を有する液晶表示素子。

【公開番号】特開2012−150503(P2012−150503A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−66394(P2012−66394)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【分割の表示】特願2007−123571(P2007−123571)の分割
【原出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(311002067)JNC株式会社 (208)
【Fターム(参考)】