説明

液滴を形成するための噴霧器、噴霧乾燥システム及び液滴形成装置

【課題】改善された方法で噴霧乾燥された粒子を生成する。
【解決手段】チャンネル(60)を介して液体(65)を流す工程と;該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げる工程と;該薄膜にガス流(100)を衝突させて該液体(65)を液滴に噴霧する工程とを含む液滴を形成する方法。次いで、この液滴を乾燥して、乾燥された粒子、例えば、医薬活性剤を含む粒子を生成することができる。開示されたプロセスによって形成された液滴は、改善されたサイズ及び/又はサイズ分布の特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
明確に規定された粒子サイズ及び粒子サイズ分布を有する粒子を液体供給原料から正確かつ再現可能に生成する機能は、食品、化学薬品及び医薬品を含む種々の分野で応用されている。粒子サイズ及び粒子サイズ分布のこのような制御は、活性剤を含有する液体又は乾燥粉末粒子が患者に投与される医薬用途において特に重要である。このような用途では、公知かつ繰り返し可能な方法においてこのような粒子の供給を達成するために、粒子サイズ及び粒子サイズ分布を制御することが望ましい。
【0002】
医薬品の投与のための粉末は、噴霧乾燥によって作製されている。噴霧乾燥は、種々の液体及びスラリー材料から乾燥した粒状固形物を生成するために、化学、食品及び医薬産業において用いられる通常の化学処理単位操作である。このプロセスは、液体フィードを高温の乾燥媒体に噴霧することにより、液体フィードを乾燥した粒状形態に素早く変換することを必要とする。
【0003】
通常の噴霧乾燥のシステム及びプロセスが開示されている。例えば、米国特許第5,260,306号明細書、同第4,590,206号明細書、英国特許第2,105,189号明細書、及び欧州特許出願公開第072046号明細書では、ネドクロミルナトリウムを噴霧乾燥して経肺送達のための好ましくは2〜15mmの小粒子を形成する方法が記載されている。米国特許第5,376,386号明細書では、経肺薬物送達のための粒状の多糖類キャリヤーであって、5〜100mmサイズの粒子を含みかつ1.75未満のしわ値を有するキャリヤーの調製法が記載されている。国際公開第96/09814号パンフレットでは、治療薬又は診断薬のいずれかを運ぶ噴霧乾燥された滑らかでかつ球状の微小粒子が開示されている。米国特許第6,022,525号明細書では、噴霧乾燥によって調製されかつ超音波画像法に有用な微小粒子が開示されている。さらに、経肺送達のための空気力学的に軽い粒子、及び経肺薬物送達のための界面活性剤を含む粒子、並びにそれらの調製法が、米国特許第5,855,913号明細書及び同第5,874,064号明細書において開示されている。疎水性の薬物及び賦形剤の噴霧乾燥が、米国特許第5,976,574号明細書、同第5,985,248号明細書、同第6,001,336号明細書、及び同第6,077,543号明細書において開示されている。2000年8月1日出願の米国仮特許出願第60/222,067号明細書では、実質的に単分散の粒子又は明確に規定されかつ制御可能な粒子サイズ分布を有するマルチモーダルな粒子を生成するのに適合できる噴霧乾燥プロセスが開示されている。更なる噴霧乾燥プロセスは、欧州特許出願公開第1004349号明細書、国際公開第96/32149号パンフレット、同第99/16419号パンフレット、米国特許第6,000,241号明細書、及び同第6,051,256号明細書、並びにK.Masters著「Spray Drying Handbook」において開示されている。上記参考文献のすべてが、その参照により全体として本明細書に含まれる。様々な噴霧器が、医薬品の粉末を噴霧乾燥するのに使用されている。これらには、ガス支援二流体ノズル、回転式噴霧器、及び表面を不安定にして液滴を形成する振動ホーンを含む超音波噴霧器がある。これらの様々な噴霧器のそれぞれの例は、上で引用した特許において開示されている。液滴サイズ及び液滴サイズ分布は、噴霧器の選択によって影響を受ける。
【0004】
従来の噴霧乾燥技術を経肺薬物投与の分野に適用するには多くの技術的な問題がある。例えば、得られた粒子を肺深くに投与するのに必要な特定のサイジング要件がしばしばある。肺の用途に関しては、エアロゾル中に分散された粒子の空気力学的サイズは、肺における堆積パターンに直接影響を与える。この最終的な粒子サイズに影響する主な因子には、最初の液滴サイズ、最初の固体濃度、及び乾燥速度がある。資本設備及び運転費用を最小限に抑えるためには、特定のプロセスに適した最も高い固体濃度を有する小さな液滴を生成することが有利である。
【0005】
特に経済的な方法において、最終粒状生成物の物理的及び化学的安定性に必要とされる所望の低水分含有量を達成することは困難な場合がある。結局、商業的な適用に好適な大規模で効率的な方法において、幾つかの医薬用途、例えば、経肺送達のために必要な小粒子を生成することは困難であるとわかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、改善された方法で噴霧乾燥された粒子を生成できることが望ましい。狭いサイズ分布を有する、特には経肺薬物投与のための噴霧乾燥された粒子を生成できることがさらに望ましい。経済的な方法で所望の粒子を生成できることがさらに望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらのニーズを満足するものである。本発明の1つの態様においては、噴霧器は、改善された特徴を有する液滴を生成するために液体を薄膜に成形する。
本発明の1つの態様においては、液滴を形成する方法は、チャンネルを介して液体を流す工程と;該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げる工程と;該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程とを含む。
本発明の1つの態様においては、液滴を形成する方法は、チャンネルを介して液体を流す工程と;該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げる工程と;該薄膜にガス流を衝突させて該液体を35μm未満の直径を有する液滴に噴霧する工程とを含む。
本発明の別の態様においては、液滴を形成する方法は、チャンネルを介して液体を流す工程と;該液体を薄膜に広げる工程と;該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程であって、該ガス流が該薄膜に直角に衝突する工程とを含む。
本発明の別の態様においては、医薬処方物を形成する方法は、チャンネルを介して医薬活性剤を含む液体を流す工程と;該液体を薄膜に広げる工程と;該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程と;該液滴を乾燥させて該活性剤を含む粒子を形成する工程とを含む。
本発明の別の態様においては、医薬処方物は、チャンネルを介して医薬活性剤を含む液体を流す工程と;該液体を薄膜に広げる工程と;該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程と;該液滴を乾燥させて該活性剤を含む粒子を形成する工程とを含む方法によって生成される。
本発明の別の態様においては、液滴を形成するための噴霧器は、液体を流すことのできる第1チャンネルであって、該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げるための絞りを含む第1チャンネルと;噴霧ガスを流すことのできる第2チャンネルであって、該噴霧ガスを該液体の薄膜に衝突させて35μm未満の直径を有する液滴を生成するように配置された第2チャンネルとを含む。
本発明の別の態様においては、液滴を形成するための噴霧器は、液体を流すことのできる第1チャンネルであって、該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げるための絞りを含む第1チャンネルと;噴霧ガスを流すことのできる第2チャンネルであって、該噴霧ガスを該液体の薄膜に直角に衝突させて液滴を生成するように配置された第2チャンネルとを含む。
本発明の別の態様においては、医薬処方物を形成するための噴霧乾燥システムは、液体を流すことのできる第1チャンネルであって、該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げるための絞りを含む第1チャンネルを含み、噴霧ガスを流すことのできる第2チャンネルであって、該噴霧ガスを該液体の薄膜に衝突させて液滴を生成するように配置された第2チャンネルをさらに含む噴霧器と;該液滴を乾燥させるための乾燥チャンバーと;該チャンバーにおいて乾燥された粒子を捕集するための捕集器とを含む。
【0008】
本発明のこれらの特徴、態様及び利点は、以下の説明、特許請求の範囲、及び本発明の典型的な特徴を例示する添付図面に関してより十分に理解されるであろう。しかしながら、これらの特徴のそれぞれは、特定の図面の範囲においてだけでなく、一般的に本発明で使用することができ、本発明は、これらの特徴の任意の組み合わせを含むと解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による噴霧乾燥プロセスの概略図である。
【図2】本発明による噴霧器の変形態様の概略側断面図である。
【図3】本発明による噴霧器の別の変形態様の概略側断面図である。
【図4】本発明による噴霧器の別の変形態様の概略側断面図である。
【図5】従来技術の噴霧器と比較した本発明による噴霧器の中心線からの半径方向距離の関数として標準化された液滴直径を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、液滴の形成に向けられる。とりわけ、本発明は、液体供給原料から噴霧乾燥された粒子を形成するための液滴の形成に向けられる。このプロセスは、経肺投与のための医薬品粒子を生成するということに関連した範囲で説明されるが、本発明は、他の医薬又は非医薬プロセスにおいても使用することができ、本明細書で与えられる例に限定されるべきではない。
【0011】
本発明による噴霧乾燥システム5が図1に示される。この噴霧乾燥システム5は、液状媒体の液滴を生成する噴霧操作10を含み、この液滴は乾燥操作20で乾燥される。液滴の乾燥によって離散粒子が形成され、この粒子は、乾燥した粉末組成物を形成し、次いで分離操作30で捕集される。1つの変形態様においては、噴霧乾燥システムの構成要素は、2000年8月1日出願の米国仮特許出願第60/222,067号明細書及び米国特許第6,051,256号明細書において記載されている通りであることができ、これら明細書の両方はその参照により全体として本明細書に含まれる。図1の噴霧乾燥システム5においては、噴霧操作は、液体を膜に広げ、次いでこの液体をガスと衝突させて液滴を形成する噴霧器40によって実施される。
【0012】
本発明による噴霧器40の変形態様が図2に示される。噴霧器40は、液体供給原料を液滴に噴霧することのできるノズル55を画定するハウジング50を含む。この変形態様においては、ハウジング50は、液体供給原料65が流れる第1環状チャンネル60を含む。この第1環状チャンネル60の前方部分70は、第1環状チャンネル60を通って流れる液体供給原料を薄い環状膜に成形するのに利用される絞り部分71へ細くなっている。図示される変形態様においては、薄膜は、前方部分70での拡張円錐面によって生成される。液体供給原料の薄い環状膜は、第1環状チャンネル60の前方端部75で第1環状チャンネル60を出る。第2環状チャンネル80は、噴霧ガス85の輸送のために与えられる。第2環状チャンネル80は、音速などの高速において、環状の噴霧ガスが液体供給原料の薄い環状膜に衝突するように前方端部90を成形されている。
【0013】
図2の変形態様におけるこの液体環状膜への環状噴霧ガスの衝突によって、液滴の形成が改善される。液滴は、環状噴霧ガスを用いて第1環状チャンネル60の前方端部70で拡張円錐面の縁から液滴を引き離すことにより形成される。液体を薄くしかつ噴霧ガスと相互作用する液体の単位体積当たりの表面積の量を増加させることにより、噴霧効率が改善される。これによって、より小さな液滴サイズをより少ない噴霧ガスを用いて生成することが可能となる。薄膜の厚さによって所望の液滴を形成することが可能となる。1つの変形態様においては、薄膜は、0.020インチ未満、より好ましくは0.005インチ未満、より好ましくは0.002インチ未満、最も好ましくは約0.001インチである。チャンネル形状の性質により薄膜を形成し、次いでこの薄膜をガスと衝突させることによって、形成される液滴のサイズ分布がより狭い範囲でかつより制御可能となることもまた見出された。
【0014】
噴霧器40の別の変形態様が図3に示される。この変形態様においては、噴霧器は、液体供給原料65が流れる第1環状チャンネル60を含む。この変形態様においては、液体供給原料は、図2の変形態様と同様に絞り部分71によって薄膜に成形される。第2環状チャンネル180は、ガス185がそれを通って流れ、第1環状チャンネル60からの薄膜と接触点175で接触するように与えられる。加えて、第3チャンネル95が噴霧ガス100を提供する。この第3チャンネル95は、ガスが細い開口97を介して再向され、噴霧ガスの細い流れが衝突点105で液体の薄い環状膜に衝突するように前方端部96を成形されている。図示される変形態様においては、衝突点105は、接触点175の下流にある。液体の薄膜と再向された噴霧ガスとの衝突によって望ましい特徴を有する液滴が作り出される。第2環状チャンネル180は、その中のガスが、液体供給原料の薄膜と衝突して液滴を同様に生成するか及び/又は衝突点105への薄膜の輸送において助けとなるよう作用することができるようにデザインすることができる。このようにして、この変形態様は、液体の薄膜に開口97からの噴霧ガスを衝突させることができる裏材を提供することによって改善された噴霧効率を与える。他の変形態様においては、第2環状チャンネル180を取り去ることができる。
【0015】
噴霧器40の別の変形態様が図4に示される。図4の変形態様は、図3の変形態様に類似している。しかしながら、図4の変形態様においては、第1チャンネル60の前方端部70は、薄膜が噴霧器40の細長い軸73に平行な方向に第1チャンネル60を出るように72を成形されている。図4の変形態様においては、薄膜は、前方部分70から衝突点105まで円筒形状である。この形状の場合、開口97を出る噴霧ガスは、薄膜と直角に衝突する。これによって液滴形成に関する制御が改善される。
【0016】
本発明による噴霧器40により、噴霧効率がかなり改善され、より小さくかつより均一な液滴サイズの生成が可能となる。例えば、35μm未満、好ましくは10μm未満の液滴を生成することができる。より小さな液滴サイズの利点は、所与の固体濃度に関してより小さな最終粒子サイズを得ることができるということである。あるいはまた、固体濃度は、特定の粒子サイズを維持しながら増加させることができる。これによりシステムの処理量を向上させることができる。向上したサイズ分布が図5に示される。図5は、図4の噴霧器40と米国特許第6,051,256号明細書の従来技術の噴霧器両方に関する噴霧器中心線からの半径方向距離の関数としての液滴直径のグラフを示している。図からわかるように、液滴直径は、本発明の噴霧器40に関して非常により均一でかつより小さい。
【0017】
さらに本発明による噴霧器40は、噴霧プロセスに関する特定の制御を可能とする。例えば、外側の流れに対する内側の流れの質量流量比を調整することにより、液滴噴霧の角度を調整することができる。したがって、噴霧は、特定の噴霧乾燥システムに関して最適化することができる。加えて、噴霧円錐角の最適化により、噴霧を横切る液滴の数密度を最小化し、より均一な液滴乾燥プロセスにより均一な粒子特性を提供することができる。液体供給原料を噴霧乾燥することにより生成される粒子は、噴霧乾燥された粒子の所望の粒子サイズ及び粒子サイズ分布を作り出すよう生成することができる。したがって、噴霧乾燥プロセス単独で得られる所望の中位径及び粒子サイズ分布を有する噴霧乾燥粒子を生成することができる。濾過又は遠心分離などのような更なる分離処理を存在させても存在させなくてもよく、所望の粒子サイズ分布を与えることはしばしば必要ではない。本発明の粒子サイズ及び粒子サイズ分布の制御は、粒子形態に関してさらにより多くの制御を与えるために、他のプロセスパラメータ、例えば、乾燥速度に関する制御と組み合わせて使用することができる。
【0018】
乾燥操作で生成される粒子の最終的な水分含有量を制御するために、ガスの出口温度及び/又は相対湿度を制御することもまた望ましい。ガスの出口温度は、入口温度、生成物の乾燥工程で課される熱負荷(液状媒体の入口温度、蒸発される水の量などに依存する)及び他の因子の関数である。ガスの出口温度は、少なくとも50℃以上、好ましくは少なくとも70℃、通常60〜80℃の範囲に維持されることが好ましい。
【0019】
乾燥操作は、特定の特徴、例えば、国際公開第97/41833号パンフレットに記載されるように2よりも高いしわ値を有する所望の粒子を与えるよう制御することができる。この国際公開はその参照により全体として本明細書に含まれる。乾燥速度は、液滴サイズ分布、ガス流の入口温度、ガス流の出口温度、液滴の入口温度、及び噴霧スプレーと乾燥ガスを混合する方法を含む幾つかの変量によって制御することができる。乾燥ガス流は、処理される特定の活性剤に応じて少なくとも90℃、好ましくは少なくとも120℃、より好ましくは少なくとも135℃、さらにより好ましくは少なくとも145℃、しばしば175〜200℃の入口温度を有することが好ましい。
【0020】
1つの変形態様においては、噴霧乾燥プロセス5は、低密度の粒子、例えば、0.5g/cm3未満の密度を有する粒子を形成するのに使用することができる。例えば、供給原料は、活性剤が脂質マトリックス内に含有される粒子を生成するために、脂質、例えば、リン脂質と活性剤を含むことができる。付加的に又はその代わりとして、供給原料は、例えば、その参照により全体として本明細書に含まれる国際公開第99/16419号パンフレットに記載されるように、中空及び/又は多孔質粒子を生成するための発泡剤を含むことができる。
【0021】
本発明の方法は、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、核酸などのような医薬品の粒子を生成するのに有用である。本方法は、経肺投与に好適なサイズの粒子を生成するのに有用であり、経肺送達のためのインスリン粒子を生成するのに特に有用である。
【0022】
したがって、1つの変形態様においては、噴霧乾燥システム5は、エアロゾル化してユーザの呼吸器官、とりわけユーザの肺の肺胞領域に送達することができる粒子を含む医薬処方物を提供する。この医薬処方物は、粉末状の薬物、液体の溶液又は懸濁液などを含むことができ、活性剤を含むことができる。
【0023】
本明細書で記載される活性剤は、幾つかの薬理学的なしばしば有益な効果を与える試剤、薬物、化合物、組成物又はそれらの混合物を含む。このようなものとしては、食品、補助食品、栄養素、薬物、ワクチン、ビタミン及び他の有益な試剤が挙げられる。本明細書で用いられる場合には、この用語は、患者に対して局所的な又は全身の効果を作り出す任意の生理的又は薬理学的に活性な物質をさらに含む。本明細書で記載される薬理学的処方物に組み込むための活性剤は、無機又は有機化合物であることができ、例えば、以下に限定されないが、末梢神経、アドレナリン受容体、コリン受容体、骨格筋、心血管系、平滑筋、血管系、シナプス部位、神経効果器接合部位、内分泌系、ホルモン系、免疫系、生殖系、骨格系、オータコイド系、消化器系、排出系、ヒスタミン系、及び中枢神経系に作用する薬物であることができる。好適な活性剤は、例えば、催眠薬、鎮静薬、精神賦活薬、精神安定剤、呼吸器用薬、抗痙攣薬、筋弛緩薬、抗パーキンソン剤(ドーパミン拮抗剤)、鎮痛剤、抗炎症剤、抗不安薬(不安緩解剤)、食欲減退剤、抗片頭痛剤、筋収縮剤、抗感染薬(抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬、ワクチン)、抗関節炎薬、抗マラリア薬、制吐薬、抗てんかん剤、気管支拡張薬、サイトカイン、成長因子、抗癌剤、抗血栓症薬、抗高血圧症薬、心臓血管薬、抗不整脈薬、抗酸化薬、抗喘息薬、ホルモン剤、例えば、避妊薬、交感神経興奮剤、利尿薬、脂質調節剤、抗アンドロゲン剤、駆虫薬、抗凝固薬、悪性腫瘍剤、抗悪性腫瘍剤、血糖降下剤、栄養剤、栄養補給剤、成長補助剤、抗腸炎剤、ワクチン、抗体、診断薬、及び対照剤から選択することができる。活性剤は、吸入によって投与される場合には、局所的又は全身的に作用することができる。
【0024】
活性剤は、小分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ステロイド、生理作用を誘発することのできるタンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解質などを含むがそれらに限定されない幾つかの構造的なクラスの1つに分けることができる。
【0025】
本発明で使用するのに好適な活性剤の例としては、カルシトニン、アンホテリシンB、エリトロポイエチン(EPO)、第VIII因子、第IX因子、セレデース、セレザイム、シクロスポリン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボポエチン(TPO)、α−1プロテアーゼ阻害剤、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、成長ホルモン、ヒト成長ホルモン(HGH)、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、ヘパリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン−1受容体、インターロイキン−2、インターロイキン−1受容体アンタゴニスト、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−6、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、第IX因子、インスリン、プロ−インスリン、インスリン類似体(例えば、その参照により全体として本明細書に含まれる米国特許第5,922,675号明細書に記載されているモノアシル化インスリン)、アミリン、C−ペプチド、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似体(例えば、オクトレオチド)、バソプレッシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、神経成長因子(NGF)、組織成長因子、ケラチノサイト成長因子(KGF)、グリア増殖因子(GGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、内皮増殖因子、副甲状腺ホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチド、チモシンα1、IIb/IIIa阻害剤、α−1アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA−4阻害剤、ビスホスホネート、呼吸器合胞体ウイルス抗体、嚢胞性線維症膜貫通レギュレータ(CFTR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(Dnase)、殺菌/浸透性増大タンパク質(BPI)、抗CMV抗体、13−シスレチノイン酸、マクロライド(例えば、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシスロマイシン、クラリスロマイシン、ダベルシン(davercin)、アジスロマイシン、フルリスロマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジスロマイシン、スイノリドA)、フルオロキノロン(例えば、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキシシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシン、シタフロキサシン)、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ラムポラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート)、ポリミキシン(例えば、ポリミキシンB、カプレオマイシン、バシトラシン、ペネムズ)、ペニシリン(例えば、ペニシリンGやペニシリンVのようなペニシリナーゼ感受薬)、ペニシリナーゼ抵抗薬(例えば、メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリン)、グラム陰性微生物活性剤(例えば、アンピシリン、アモキシシリン、ヘタシリン、シリン、ガラムピシリン)、抗シュードモナスペニシリン(例えば、カルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メズロシリン、ピペラシリン)、セファロスポリン(例えば、セフポドキシム、セフプロジル、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セフラドリン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリジン、セファセトリル、セフェピム、セフィキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、モキサラクタム)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム)、カルバペネム(例えば、イミペネム、メロペネム、イセチオン酸ペンタミジン、硫酸アルブテロール、リドカイン、硫酸メタプロテレノール、ジプレピオン酸ベクロメタゾン、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、臭化イプラトロピウム、フルニソリド、クロモリンナトリウム、酒石酸エルゴタミン)並びに該当する場合には上記の類似体、作用薬、拮抗体、阻害剤及び薬剤として許容される塩形態のうち1つ又は複数を含むがそれらに限定されない。ペプチド及びタンパク質に関しては、本発明は、合成形態、天然形態、グリコシル化形態、非グリコシル化形態、ペギル化形態、生物学的に活性な断片及びそれらの類似体を包含するものとする。
【0026】
本発明で使用するための活性剤は、裸核酸の分子、媒介体、関連するウイルス粒子、プラスミドDNA若しくはRNA、又は細胞のトランスフェクション若しくはトランスフォーメーションに好適な、即ち、アンチセンスを含む遺伝子治療に好適なタイプの他の核酸構造として核酸をさらに含む。さらに、活性剤は、ワクチンとして使用するのに好適な弱毒生ワクチン又は不活化ワクチンを含むことができる。他の有用な薬物としては、PhysicianのDesk Reference(最新版)の中に挙げられるものを含む。
【0027】
医薬処方物中の活性剤量は、所望の結果を得るために単位投与当たり治療上有効な量の活性剤を供給するのに必要な量である。実際には、これは、特定の試剤、その活性、処理される条件の厳しさ、患者数、投与要件及び所望の治療効果に応じて大きく変わる。組成物は、約1wt%〜約90wt%ぐらいの活性剤、典型的には約2wt%〜約95wt%の活性剤、より典型的には約5wt%〜約85wt%の活性剤を一般に含有し、組成物中に含まれる添加物の相対量に左右される。本発明の組成物は、0.001mg/日〜100mg/日の投与量、好ましくは0.01mg/日〜75mg/日の投与量、より好ましくは0.10mg/日〜50mg/日の投与量で供給される活性剤に特に有用である。2つ以上の活性剤を本明細書で記載される処方物に含めることができ、かつ「試剤」という用語の使用が2つ以上のこのような試剤の使用を決して排除しないと解されるべきである。
【0028】
医薬処方物は、主題、特に主題の肺に対して重大な逆の毒物的効果なく、肺に取り入れることのできる薬剤として許容される賦形剤又はキャリヤーを含むことができる。活性剤に加えて、医薬処方物は、任意選択で、経肺投与に好適な1つ又は複数の医薬用賦形剤を含むことができる。これらの賦形剤は、それらが存在する場合には、約0.01〜約95wt%、好ましくは約0.5〜約80wt%、より好ましくは約1〜約60wt%の量で組成物中に存在するのが一般的である。好ましくは、このような賦形剤は、例えば、活性剤のより効率的でかつ再生可能な送達を提供すること、流動性及び稠度などの粉末の取り扱い特性を改善すること、並びに/又は単位投与量形態の製造及び充填を促進することにより、活性剤組成物の特徴をさらに改善するのに部分的に役立つであろう。とりわけ、賦形剤材料は、活性剤の物理的及び化学的安定性をさらに改善し、残留水分含有量を最小限に抑え、水分の取り込みを妨げ、粒子サイズ、凝集度、しわ値などの粒子表面特性、吸入の容易さ、及び肺への粒子のターゲティングを向上させるようしばしば作用することができる。1つ又は複数の賦形剤はまた、処方物中の活性剤濃度を低減することが望ましい場合に充填剤として作用させるために与えることもできる。
【0029】
本医薬処方物において有用な医薬用賦形剤及び添加剤としては、単独で又は組み合わせて存在することができるアミノ酸、ペプチド、タンパク質、非生体ポリマー、生体ポリマー、糖などの炭水化物、アルジトールなどの誘導糖、アルドン酸、エステル化糖及び糖ポリマーを含むがそれらに限定されない。好適な賦形剤は、その参照により全体として本明細書に含まれる国際公開第96/32096号パンフレットにおいて与えられているものである。賦形剤は、約35℃よりも高い、好ましくは約40℃よりも高い、より好ましくは約45℃よりも高い、最も好ましくは約55℃よりも高いガラス転移温度(Tg)を有することができる。
【0030】
例示的なタンパク質の賦形剤としては、ヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン、ヘモグロビンなどがある。好適なアミノ酸(本発明のジロイシル−ペプチドの外側)は、緩衝能においても作用することができ、そのようなものとしては、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、チロシン、トリプトファンなどがある。分散剤として作用するアミノ酸及びポリペプチドが好ましい。このカテゴリーに含まれるアミノ酸には、疎水性アミノ酸、例えば、ロイシン、バリン、イソロイシン、トリプトファン、アラニン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン及びプロリンがある。分散性を向上させるペプチドの賦形剤としては、上記のような1つ又は複数の疎水性アミノ酸成分を含むダイマー、トリマー、テトラマー及びペンタマーがある。
【0031】
本発明の使用に好適な炭水化物の賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなどのような単糖類;ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどのような二糖類;ラフィノース、メレチトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどのような多糖類;及びマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ピラノシルソルビトール、ミオイノシトールなどのようなアルジトールがある。
【0032】
医薬処方物はまた、緩衝剤又はpH調整剤、典型的には有機酸又は有機塩から調製される塩を含むことができる。代表的な緩衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸若しくはフタル酸の有機酸塩、トリス、塩酸トロメタミン又はリン酸緩衝液が挙げられる。
【0033】
医薬処方物はまた、ポリビニルピロリドンなどのポリマーの賦形剤/添加剤、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの誘導セルロース、フィコール(ポリマー糖)、ヒドロキシエチルスターチ、デキストレート(例えば、シクロデキストリン、例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル−β−シクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、及びペクチンを含むこともできる。
【0034】
医薬処方物は、芳香剤、苦味マスキング剤、無機塩(例えば、塩化ナトリウム)、抗菌物質(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味剤、酸化防止剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、ポリソルベート、例えば、「TWEEN 20」及び「TWEEN 80」)、ソルビタンエステル、脂質(例えば、リン脂質、例えば、レシチン及び他のホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン)、脂肪酸及び脂肪酸エステル、ステロイド(例えば、コレステロール)並びにキレート化剤(例えば、EDTA、亜鉛及び他のこのような好適なカチオン)をさらに含むことができる。本発明による組成物において使用するのに好適な他の医薬用賦形剤及び/又は添加剤は、「Remington:The Science & Practice of Pharmacy」,第19版,Williams & Williams,(1995)及び「Physician’s Desk Reference」,第52版,Medical Economics,Montvale,NJ(1998)に挙げられており、これらの文献の両方が、その参照により全体として本明細書に含まれる。
【0035】
本発明の粉末は一般に多分散系である(即ち、ある範囲の粒子サイズからなる)ため、「質量中位径」又は「MMD」は平均粒子サイズの基準である。多くの普通に用いられる技術が平均粒子サイズの測定に使用できるが、本明細書で報告されるMMD値は遠心沈降によって決定される。「質量中位空気動力学的直径」又は「MMAD」は、分散粒子の空気動力学的サイズの基準である。空気動力学的直径は、沈降挙動の点からエアロゾル化された粉末を説明するのに用いられ、粒子として一般に空気中で同じ沈降速度を有する単位密度球の直径である。この空気動力学的直径は、粒子形状、密度及び粒子の物理的なサイズを包含する。本明細書で用いられる場合には、MMADは、カスケード衝突によって決定されるエアロゾル化粉末の空気動力学的粒子サイズ分布の中点又は中央値を言うものである。
【0036】
1つの変形態様においては、本発明で使用するための粉末状処方物は、肺の肺胞に侵入できるよう選択された粒子サイズ、即ち、20μm未満、好ましくは10μm未満、より好ましくは7.5μm未満、最も好ましくは5μm未満、通常は0.1μm〜5μmの質量中位径(MMD)を有する乾燥粉末を含む。これらの粉末の送達投与効率(DDE)は、30%よりも大きく、より好ましくは40%よりも大きく、より好ましくは50%よりも大きく、最も好ましくは60%よりも大きくすることができ、エアロゾルの粒子サイズ分布は、約1.0〜5.0μmの質量中位空気動力学的直径(MMAD)、通常は1.5〜4.5μmのMMAD、好ましくは1.5〜4.0μmのMMADである。これらの乾燥粉末は、約10wt%未満、通常は約5wt%未満、好ましくは約3wt%未満の水分含有量を有するのが一般的である。このような粉末は、国際公開第95/24183号パンフレット、同第96/32149号パンフレット、同第99/16419号パンフレット及び同第99/16422号パンフレットにおいて記載されており、これらすべてがその参照により全体として本明細書に含まれる。本発明によるエアロゾル化装置において使用するのに好適でもある大きくて軽い粒子が、米国特許第5,874,064号明細書、同第5,985,309号明細書及び同第6,503,480号明細書において開示されており、これらすべてがその参照により全体として本明細書に含まれる。
【0037】
詳細な説明では、噴霧乾燥に向けられる好ましい実施態様が説明されるが、本発明の技術は、粒子を生成するか又は液体粒子をエアロゾル化する他の方法において使用できると解されるべきである。例えば、本発明の装置及び方法は、米国特許第5,845,846号明細書、同第5,938,117号明細書、同第6,014,970号明細書及び同第6,352,209号明細書において開示されているタイプの装置と組み合わせて使用して本明細書で開示される液体供給原料のエアロゾル化された噴霧を生成することができる。これら明細書のすべてが、その参照により全体として本明細書に含まれる。本発明の装置及び方法はまた、液体供給原料から粒子を生成する当技術分野で公知の種々の方法において使用することもできる。例えば、本発明は、その参照により全体として本明細書に含まれる米国特許第5,851,453号明細書で開示されている超臨界流体の処理技術において使用することができ、その参照により全体として本明細書に含まれる米国特許第5,727,333号明細書で開示されている噴霧凝固法とともに使用することができる。
【0038】
本発明は、幾つかの好ましい変形態様に関してかなり詳細に説明されるが、他の変形態様が可能であり、示される変形態様の変更、置換及び同等なものは、本明細書を読み、図面を検討すれば当業者に明らかであろう。例えば、構成部分の具体的な配置又は形状は変更することができる。さらに、本明細書における変形態様の種々の特徴は、本発明の追加の変形態様を提供するために種々の方法において組み合わせることができる。さらには、幾つかの専門用語が記載を明確にするために用いられているが、これらは本発明を限定するものではない。それゆえ、特許請求の範囲は、本明細書に含まれる好ましい変形態様の記載に限定されるべきではなく、本発明の真の趣旨及び範囲内にある全てのこのような変更、置換及び同等なものを含むべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンネルを介して液体を流す工程と;
該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げる工程と;
該薄膜にガス流を衝突させて該液体を35μm未満の直径を有する液滴に噴霧する工程と
を含む、液滴を形成する方法。
【請求項2】
前記薄膜の厚さが0.020インチ未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薄膜の厚さが0.005インチ未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体が医薬活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記薄膜に第2のガス流を接触させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記薄膜が円筒形状である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
チャンネルを介して液体を流す工程と;
該液体を薄膜に広げる工程と;
該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程であって、該ガス流が該薄膜に直角に衝突する工程と
を含む、液滴を形成する方法。
【請求項8】
前記薄膜の厚さが0.020インチ未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記薄膜の厚さが0.005インチ未満である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記液体が医薬活性剤を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記薄膜が円筒形状である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
チャンネルを介して医薬活性剤を含む液体を流す工程と;
該液体を薄膜に広げる工程と;
該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程と;
該液滴を乾燥させて該活性剤を含む粒子を形成する工程と
を含む、医薬処方物を形成する方法。
【請求項13】
前記粒子が20μm未満の質量中位径を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子が10μm未満の質量中位径を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記活性剤がインスリンを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
チャンネルを介して医薬活性剤を含む液体を流す工程と;
該液体を薄膜に広げる工程と;
該薄膜にガス流を衝突させて該液体を液滴に噴霧する工程と;
該液滴を乾燥させて該活性剤を含む粒子を形成する工程と
を含む方法によって生成された医薬処方物。
【請求項17】
液体を流すことのできる第1チャンネルであって、該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げるための絞りを含む第1チャンネルと;
噴霧ガスを流すことのできる第2チャンネルであって、該噴霧ガスを該液体の薄膜に衝突させて35μm未満の直径を有する液滴を生成するように配置された第2チャンネルと
を含む、液滴を形成するための噴霧器。
【請求項18】
前記絞りが0.020インチ未満の直径を有する、請求項17に記載の噴霧器。
【請求項19】
前記絞りが0.005インチ未満の直径を有する、請求項17に記載の噴霧器。
【請求項20】
ガスを流すことのできる第3チャンネルをさらに含む、請求項17に記載の噴霧器。
【請求項21】
前記薄膜が円筒形状となるように前記第1チャンネルが成形された、請求項17に記載の噴霧器。
【請求項22】
液体を流すことのできる第1チャンネルであって、該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げるための絞りを含む第1チャンネルと;
噴霧ガスを流すことのできる第2チャンネルであって、該噴霧ガスを該液体の薄膜に直角に衝突させて液滴を生成するように配置された第2チャンネルと
を含む、液滴を形成するための噴霧器。
【請求項23】
前記絞りが0.020インチ未満の直径を有する、請求項22に記載の噴霧器。
【請求項24】
前記絞りが0.005インチ未満の直径を有する、請求項22に記載の噴霧器。
【請求項25】
前記薄膜が円筒形状となるように前記第1チャンネルが成形された、請求項22に記載の噴霧器。
【請求項26】
液体を流すことのできる第1チャンネルであって、該液体を該チャンネルにおいて薄膜に広げるための絞りを含む第1チャンネルを含み、噴霧ガスを流すことのできる第2チャンネルであって、該噴霧ガスを該液体の薄膜に衝突させて液滴を生成するように配置された第2チャンネルをさらに含む噴霧器と;
該液滴を乾燥させるための乾燥チャンバーと;
該チャンバーにおいて乾燥された粒子を捕集するための捕集器と
を含む、医薬処方物を形成するための噴霧乾燥システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−245314(P2011−245314A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−136699(P2011−136699)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【分割の表示】特願2004−563655(P2004−563655)の分割
【原出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【出願人】(597148884)ネクター セラピューティクス (30)
【Fターム(参考)】