説明

液滴吐出装置及び液滴吐出方法

【課題】 高精度の描画を行う。
【解決手段】 基板を保持して水平面内方向に移動させるステージと、基板に対向して配置され、基板に向けて絶縁材を吐出する吐出ヘッドと、基板上の一部の位置を押圧する押圧部と、押圧部が、吐出ヘッドによって絶縁材が吐出されていない基板上の位置を押圧するように制御を行う制御装置とを有する液滴吐出装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を吐出して基板上に絶縁膜を形成する液滴吐出装置及び液滴吐出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板等のパターン形成面に、パターン形成用材料を含んだ液状材料(インク)を吐出ヘッド(インクジェットヘッド)から液滴として吐出して、基板上に材料層を成膜(描画)する技術が知られている。
【0003】
基板上に描画される材料層により、たとえばソルダーレジストパターンが形成される。ソルダーレジストは、基材に導体配線が形成されたプリント配線板のはんだ付けのために、必要な導体部分を露出し、はんだ付けが不要な部分にはんだが付かないように配線板上に形成される絶縁膜である。
【0004】
コンピュータグラフィックスの画像情報をもとに、基板上に直接、液状樹脂を吹き付け、パターン形成を行う液状樹脂噴射装置の発明が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1記載の発明によれば、高精度なパターンを容易に形成することができる。また、フォトリソグラフィーでパターン形成を行う場合に比べ、プロセスの短縮及び生産コストの削減を実現することができる。
【0005】
基板には通常、反りが生じている。反りのある基板に、インクジェットヘッドからインクを吐出すると、基板の移動に伴い、インクの吐出位置と基板との間の距離に変動が生じる。
【0006】
図11A〜図11Cは、基板に着弾したインクを示す写真である。図11Aは、インクの吐出位置と基板との間の距離が0.5mmの場合、図11Bは、1.0mmの場合、図11Cは、1.5mmの場合を示す。インクの吐出位置と基板との間の距離が0.5mmの場合、インクはほぼ真円形に着弾する。しかし、両者間の距離が1.0mm、1.5mmと大きくなると、インクは崩れた円形の着弾跡を示す。インクの着弾が乱れると、描画が高精度に行われない場合がある。このため、インクの吐出位置と基板との間の距離は一定、たとえば0.5mmに保たれることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3544543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、高精度の描画が可能な液滴吐出装置及び液滴吐出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によると、基板を保持して水平面内方向に移動させるステージと、前記基板に対向して配置され、前記基板に向けて絶縁材を吐出する吐出ヘッドと、前記基板上の一部の位置を押圧する押圧部と、前記押圧部が、前記吐出ヘッドによって絶縁材が吐出されていない前記基板上の位置を押圧するように制御を行う制御装置とを有する液滴吐出装置が提供される。
【0010】
また、本発明の他の観点によると、(a)基板を保持する工程と、(b)前記保持された基板を水平面内方向の一軸方向に沿って移動させながら、前記基板に向けて絶縁材を吐出し、吐出された絶縁材によって、前記基板上に絶縁膜を形成する工程とを有し、前記工程(b)において、絶縁材が吐出されていない前記基板上の一部の位置を押圧しながら、前記基板に向けて絶縁材を吐出する液滴吐出方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高精度の描画が可能な液滴吐出装置及び液滴吐出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例による液滴吐出装置を含む第1の描画装置を示す概略図である。
【図2】図2Aは、アライメントステーション2に含まれるアライメント装置を示す概略図であり、図2B及び図2Cは、アライメントステーション2における基板22を示す平面図である。
【図3】図3A〜図3Cは、実施例による液滴吐出装置80を示す概略図である。
【図4】図4Aは、インクジェットヘッドユニット47aを示す概略図であり、図4Bは、インクジェットヘッドユニット47aの液滴吐出面を示す平面図であり、図4Cは、インクジェットヘッドユニット47a〜47fの配置を示す概略的な平面図である。
【図5】図5A及び図5Cは、実施例による液滴吐出装置で描画が行われている基板を示す概略的な平面図であり、図5B及び図5Dは、概略的な断面図である。
【図6】図6A及び図6Bは、変形例による液滴吐出装置を用いた液滴吐出方法を示す概略図である。
【図7】図7A〜図7Dは、基板反転ステーション4に含まれる基板反転装置50及び紫外線照射装置(ソルダーレジスト固化装置)60を示す概略図である。
【図8】図8A、図8C、及び図8Eは、基板保持器51を示す概略的な平面図であり、図8B、図8D、及び図8Fは、基板保持器51を示す概略的な側面図である。
【図9】第2の描画装置を示す概略図である。
【図10】第3の描画装置を示す概略図である。
【図11】図11A〜図11Cは、基板に着弾したインクを示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施例による液滴吐出装置を含む第1の描画装置を示す概略図である。第1の描画装置は、筐体18の内部に配置される、アライメントステーション2、描画ステーション3、基板反転ステーション4、アライメントステーション5、描画ステーション6、紫外線照射装置8、及び、リフタ11〜14を含んで構成される。また、第1の描画装置の筐体18には、基板搬入口1及び基板搬出口7が設けられている。第1の描画装置は、たとえば矩形状のプリント配線板である基板21〜27の表面及び裏面に、ソルダーレジストパターンを形成するために用いられる。また、第1の描画装置は、コンベヤ15、16、及び制御装置20を含む。筐体18内部までの基板21〜27の移動は、コンベヤ15によって行われる。筐体18内での基板21〜27の搬送は、リフタ11〜14を用いて行われる。コンベヤ16は、筐体18内から基板21〜27を搬出する。筐体18の内部における動作及びコンベヤ15、16の動作は、制御装置20によって制御される。制御装置20は、たとえばメモリである記憶装置20aを含む。
【0014】
基板21〜27は、コンベヤ15で搬送され、搬入口1から筐体18内に導入される。このときたとえば基板21〜27の表面は、図の上方向(Z軸正方向)を向いている。
【0015】
本明細書においては、鉛直上方をZ軸正方向とする右手系の直交座標系を画定する。以下の説明において、アライメントステーション2から描画ステーション6までの5つのステーションは、順にX軸負方向からX軸正方向に向かって配置され、基板搬入口1から筐体18内に搬入された基板21〜27は、各ステーション2〜6を経由して、全体としてX軸正方向に向かって搬送され、基板搬出口7から筐体18の外部へ搬出される。
【0016】
筐体18の内部に導入された基板21〜27は、リフタ11によって、アライメントステーション2に搬送される。アライメントステーション2においては、基板21〜27の表面に形成されたアライメントマークが検出され、検出結果に基いて、基板21〜27のアライメント(位置合わせ)が行われる。
【0017】
アライメントが行われた基板21〜27は、リフタ11によって、描画ステーション3に搬送される。描画ステーション3は、実施例による液滴吐出装置を含む。描画ステーション3においては、たとえば紫外線硬化性のインク(絶縁材)により、基板21〜27の表面にソルダーレジストパターンが形成(描画)される。
【0018】
表面にソルダーレジストパターンが形成された基板21〜27は、リフタ12により、基板反転ステーション4に搬送される。基板反転ステーション4において、基板21〜27の表裏が反転される。この結果、基板21〜27の裏面が、Z軸正方向を向くことになる。また、基板反転ステーション4において、基板21〜27の表面に紫外線が照射され、基板21〜27の表面に形成されたソルダーレジストの本硬化が行われる。
【0019】
本硬化と表裏の反転が行われた基板21〜27は、リフタ13で、アライメントステーション5に搬送される。アライメントステーション5においては、基板21〜27の裏面に形成されたアライメントマークが検出され、検出結果に基いて、基板21〜27のアライメントが行われる。
【0020】
基板21〜27は、リフタ13によって、描画ステーション6に搬送される。描画ステーション6も、実施例による液滴吐出装置を含む。描画ステーション6において、紫外線硬化性のインクにより、基板21〜27の裏面にソルダーレジストパターンが形成される。
【0021】
基板21〜27は、裏面にソルダーレジストパターンが形成された後、リフタ14によって、コンベヤ16に搬送され、コンベヤ16によって、搬出口7から筐体18の外部へ搬出される。コンベヤ16上に載置された状態で、紫外線照射装置8により、基板21〜27の裏面全体に紫外線が照射され、基板21〜27裏面に形成されたソルダーレジストの本硬化が行われる。紫外線照射装置8は、コンベヤ16上に載置された基板21〜27上方を通過するように、筐体18内を移動可能であり、基板21〜27上方を、たとえば一定速度で通過しながら、基板21〜27裏面に紫外線を照射する。または、紫外線照射装置8を筐体18内に固定的に配置し、たとえば基板21〜27をコンベヤ16で、紫外線照射装置8の下方を一定速度で移動させることによって、紫外線照射装置8による、基板21〜27への紫外線の照射を行ってもよい。基板21〜27への紫外線の照射は、制御装置20によって制御される。
【0022】
第1の描画装置においては、アライメントステーション2、描画ステーション3、基板反転ステーション4、アライメントステーション5、描画ステーション6の各ステーションで、処理が併行して行われる。すなわち、アライメントステーション2で、基板22の表面に形成されたアライメントマークの検出、及び、基板22のアライメントが行われている期間に、描画ステーション3において、基板23の表面にソルダーレジストパターンが形成される。この間、基板反転ステーション4では、基板24表面に形成されたソルダーレジストの本硬化と、基板24の表裏の反転が行われ、アライメントステーション5では、基板25の裏面に形成されたアライメントマークの検出、及び、基板25のアライメントが行われる。描画ステーション6においては、基板26の裏面にソルダーレジストパターンが形成される。この間に、たとえばコンベヤ15は、ソルダーレジスト未形成の基板21を筐体18内に搬入する。コンベヤ16上の基板27には、紫外線照射装置8によって紫外線が照射され、コンベヤ16は、ソルダーレジストパターンが表裏に形成された基板27を、筐体18から搬出する。このため、生産効率の向上を実現することができる。
【0023】
図2A〜図2Cを参照して、アライメントステーション2について説明する。図2Aは、アライメントステーション2に含まれるアライメント装置を示す概略図である。アライメント装置は、ベース(基台)31上に、ベース31側から順に配置されるYステージ32、θステージ33、チャックプレート34を含む。チャックプレート34は、リフタ11によって、アライメントステーション2に搬送された基板22を吸着保持する。
【0024】
Yステージ32は、保持された基板22をY軸方向に移動させることができる。θステージ33は、保持された基板22を、XY平面に平行な面内で、Z軸に平行な回転軸の周囲に回転させることが可能である。Yステージ32、θステージ33、及び、チャックプレート34は、基板22を保持し、アライメントステーション2内で移動させる移動ステージを構成する。チャックプレート34による基板22の吸着、Yステージ32及びθステージ33による基板22の移動は、制御装置20によって制御される。
【0025】
また、アライメント装置はCCDカメラ35〜38を含む。CCDカメラ35〜38は、チャックプレート34に保持された基板22上に形成されているアライメントマークを撮像(検出)可能な検出器である。CCDカメラ35〜38による撮像は、制御装置20によって制御される。また、CCDカメラ35〜38によって得られた画像データ(検出結果)は、制御装置20に送信される。
【0026】
図2Bは、アライメントステーション2に搬送され、チャックプレート34に吸着保持された基板22を示す平面図である。基板22には、たとえば表面の四隅にアライメントマーク22a〜22dが形成されている。
【0027】
リフタ11によってチャックプレート34上に搬送、載置された基板22は、チャックプレート34に吸着保持された状態で、Yステージ32の駆動により、アライメントステーション2内をY軸負方向に移動される。図2Bにおいては、移動された後の基板22を括弧内に示した。
【0028】
CCDカメラ35〜38は、リフタ11が基板22をチャックプレート34上に載置する位置のY軸負方向側に、各CCDカメラ35〜38が、それぞれアライメントマーク22a〜22dを撮像可能なように配置されている。基板22は、Yステージ32によってCCDカメラ35〜38の配設位置の下方に移動され、CCDカメラ35〜38が、基板22の表面(アライメントマーク22a〜22d)を撮影する。撮影された画像データは、制御装置20に送信される。
【0029】
制御装置20は、CCDカメラ35〜38によって取得された画像データを処理し、基板22の位置、及び、XY平面内(基板22面内)方向における姿勢(向き)を把握する。そしてたとえば、基板22の、XY平面内方向における姿勢を補正(変更)する(θ補正)。
【0030】
図2Bには、一例として、基板22に、XY平面内において反時計回りに角度αだけ位置ずれが生じている場合を示した。この場合、たとえばアライメントマーク22aが形成されている頂点と、アライメントマーク22dが形成されている頂点とを結ぶ辺は、後者の頂点を基準として、X軸正方向から反時計回りに角度αだけ傾いていることになる。この位置ずれは、CCDカメラ35〜38によって取得された画像データに基づいて、制御装置20に把握される。制御装置20は、θステージ33を時計回りに角度αだけ回転させることによって、この位置ずれを修正する。修正の結果、矩形状の基板22の各辺は、X軸またはY軸に平行となる。
【0031】
図2Cを参照する。CCDカメラ35〜38により基板22表面のアライメントマーク22a〜22dを検出し、検出結果に基いて、基板22のθ補正を行った後、制御装置20は、Yステージ32を駆動して、基板22をY軸正方向に移動させる。Yステージ32の駆動距離は、たとえば図2Bに示した工程において、アライメントマーク22a〜22dを検出するために、CCDカメラ35〜38の設置領域に、基板22を移動させた際に、Yステージ32をY軸負方向に駆動した距離と等しい。
【0032】
図2Cの括弧内に、Y軸正方向に移動された後の基板22を示した。θ補正が施された基板22は、リフタ11により、描画ステーション3に搬送される。リフタ11は、θステージ33の回転によって、基板面内方向における向きが変更された基板22を、その向きを維持して、描画ステーション3のステージ上に搬送する。
【0033】
アライメントステーション2でθ補正が完了しているため、描画ステーション3では、基板22の位置補正を行うことなく、基板22表面へのソルダーレジストパターン形成を開始することができる。たとえば、描画ステーション3でθ補正を行い、その後にソルダーレジストパターンを形成する場合と比べると、描画ステーション3での処理時間を短くすることができ、ひいてはタクトタイムの短縮、生産効率の向上を実現することが可能である。
【0034】
なお、基板22には、通常のびが発生し、描画が行われる時点では、設計値とはサイズが異なっている。このため、制御装置20は、アライメントステーション2において、CCDカメラ35〜38を用いて取得された画像データに基づき、基板22のサイズを把握し、把握されたサイズに応じて、描画ステーション3で、基板22の描画を行う際に使用されるインクジェット制御データ(ビットマップ)を生成する。生成されたインクジェット制御データは、制御装置20の記憶装置20aに格納される。これについては、以下描画ステーション3の説明中で詳述する。
【0035】
図3A〜図3Cは、描画ステーション3に含まれる、実施例による液滴吐出装置80を示す概略図である。図3Aを参照する。実施例による液滴吐出装置80は、XY平面(水平面)に平行な面内に設置されたベース(基台)41、及び、ベース41上に、ベース41側から順に配置されたXステージ43、Yステージ44、チャックプレート45を含む。チャックプレート45は、リフタ11によって、描画ステーション3に搬送された基板23を吸着保持する。
【0036】
Xステージ43は、保持された基板23をX軸方向に移動させることができる。Yステージ44は、保持された基板23をY軸方向に移動させることが可能である。Xステージ43、Yステージ44、及び、チャックプレート45は、ベース41上に配置され、基板23を保持し、描画ステーション3内で移動させる移動ステージを構成する。チャックプレート45による基板23の吸着、Xステージ43及びYステージ44による基板23の移動は、制御装置20によって制御される。
【0037】
なお、Xステージ43、Yステージ44、及び、チャックプレート45は、このように上下方向に配置されていてもよいし、Xステージ43、Yステージ44、チャックプレート45の機能を有する高機能ステージを用いて移動ステージを実現してもよい。
【0038】
また、実施例による液滴吐出装置80は、ベース41に固定され、Y軸方向に沿って見たとき、移動ステージ(Xステージ43、Yステージ44、及び、チャックプレート45)を門型に囲むように配置されたフレーム42、フレーム42に保持されたインクジェットヘッドユニット47a〜47fを含む。
【0039】
フレーム42は、2本の支柱42a、42b、及び梁42cを含む。支柱42a、42bは、ベース41のY軸方向の略中央に立設される。梁42cは、X軸方向に沿うように、支柱42a、42bに支持される。
【0040】
インクジェットヘッドユニット47a〜47fは、第1の連結部材46を介して、フレーム42の梁42cのY軸負方向側の面に保持されている。インクジェットヘッドユニット47a〜47fは、それぞれ複数のインクジェットヘッド及び紫外光源を含む。インクジェットヘッドは、たとえば移動ステージに保持された基板23に対向して配置され、紫外線硬化性のインク(絶縁材)を移動ステージに保持された基板23の表面に向け、液滴として吐出(滴下)する。インクの吐出は、基板23をY軸方向に移動させながら行われる。吐出されたインクにより、基板23の表面上に所定パターンの材料層、たとえばソルダーレジストパターンが成膜(描画)される。紫外光源から出射される紫外線により、成膜されたソルダーレジストパターンが硬化(仮硬化)される。
【0041】
制御装置20の記憶装置20aには、基板23上においてソルダーレジストを形成すべき領域(インクを塗布すべき領域)を示すデータ(ガーバデータ)や、移動ステージによる基板23の移動量とインクジェットヘッドからのインクの吐出時期との関係(吐出タイミング)を示すデータが記憶されている。しかしながらこれは設計値(初期値)であるため、制御装置20は、これらのデータから、アライメントステーション2で撮像された基板23の画像データに基づき、インクジェット制御データを生成する。たとえば制御装置20は、画像データから、基板23のX方向、Y方向ののびを把握する。そしてX方向については、基板23のX方向ののびに応じて、基板23上における、インクを塗布すべき位置の座標を補正する(ガーバデータの補正)。Y方向については、基板23のY方向ののびに応じて、Yステージ44による基板23の移動量とインクジェットヘッドからのインクの吐出時期との関係(吐出タイミング)を補正する。このようにあらかじめ記憶装置20aに記憶されていたデータを補正することで得られたインクジェット制御データは、記憶装置20aに保存される。なお、基板23のY方向についても、吐出タイミングではなく、基板23上における、インクを塗布すべき位置の座標を補正してもよい(ガーバデータの補正)。
【0042】
制御装置20は、記憶装置20aに保存されたインクジェット制御データに基いて、基板23上の所定領域にインクが塗布されるように、インクジェットヘッドユニット47a〜47fからのインクの吐出、及び移動ステージによる基板23の移動を制御する。基板23は、Y軸方向に沿って移動されながら、インクジェットヘッドユニット47a〜47fの鉛直下方(Z軸負方向)においてインクを塗布される。
【0043】
図3Bを参照する。実施例による液滴吐出装置80は、更に、第2の連結部材70、第3の連結部材71a〜71d、及び部分押さえローラ72a〜72dを含む。第2の連結部材70は、フレーム42の梁42cのY軸正方向側の面に、Z軸方向に移動可能に保持されている。第3の連結部材71a〜71dは、第2の連結部材70に、各々独立にX軸方向に移動可能に保持されている。各連結部材71a〜71dには、部分押さえローラ72a〜72dが取り付けられている。このため、部分押さえローラ72a〜72dは、梁42cのY軸正方向側の面に、Z軸方向に移動可能に、更に、各々独立にX軸方向に移動可能に保持されていることになる。部分押さえローラ72a〜72dは、チャックプレート45に保持された基板23を押圧することができる。
【0044】
なお、図面の見易さを確保するため、図3Aにおいては、梁42cのY軸正方向側に配置される連結部材70、71a〜71d、及び部分押さえローラ72a〜72dの記載を省略し、図3Bにおいては、梁42cのY軸負方向側に配置される第1の連結部材46、及びインクジェットヘッドユニット47a〜47fの記載を省略してある。
【0045】
図3Cに、実施例による液滴吐出装置80のインクジェットヘッドユニット47a〜47f、及び、部分押さえローラ72a〜72dの近傍を示す。
【0046】
インクジェットヘッドユニット47a〜47fは、たとえば同構成のインクジェットヘッドユニットであり、X軸方向に沿って等間隔に第1の連結部材46に固定されている。第1の連結部材46は、フレームの梁42cに、Z軸方向に移動可能に取り付けられている。こうしてインクジェットヘッドユニット47a〜47fは、基板23との間の距離を調整可能にフレームに保持されている。第1の連結部材46によるインクジェットヘッドユニット47a〜47fのZ軸方向への移動は、制御装置20によって制御される。なお、インクジェットヘッドユニット47a〜47fは、第1の連結部材46を介さず、直接フレームの梁42cに固定されていてもよい。
【0047】
基板23は、部分押さえローラ72a〜72dによって、Y軸方向に移動可能に押圧される。第2の連結部材70により、第3の連結部材71a〜71dに取り付けられた部分押さえローラ72a〜72dをZ軸方向に移動させることで、基板23の押圧及びその解除を行うことができる。また、第3の連結部材71a〜71dにより、部分押さえローラ72a〜72dをX軸方向に沿って移動させることで、部分押さえローラ72a〜72dによる、基板23のX軸方向に沿う押圧位置を変えることができる。押圧位置を変化させる場合は、第2の連結部材70で部分押さえローラ72a〜72dをZ軸正方向に移動させて押圧を解除し、その後、第3の連結部材71a〜71dにより、各部分押さえローラ72a〜72dを、X軸方向に沿って所望の距離だけ移動させる。そして所望の位置で、第2の連結部材70により、部分押さえローラ72a〜72dをZ軸負方向に移動させて押圧を開始する。
【0048】
第2の連結部材70による部分押さえローラ72a〜72dのZ軸方向への移動、及び、第3の連結部材71a〜71dによる部分押さえローラ72a〜72dのX軸方向への移動は、制御装置20によって制御される。
【0049】
図4Aは、インクジェットヘッドユニット47aを示す概略図である。インクジェットヘッドユニット47aは、キャリッジ47aに、Y軸方向に沿って交互に組み付けられたインクジェットヘッド47a〜47a、及び、紫外光源47a〜47aを含む。各インクジェットヘッド47a〜47aは、Y軸方向に沿って配置される2列のノズル列を備える。各ノズル列は、X軸方向に沿って配列された複数の、たとえば192個のインクジェットノズル(インク吐出穴)によって構成される。各ノズル列のX軸方向に沿う長さは、たとえば約30mmであり、このためインクジェットヘッドユニット47aのX軸方向に沿う長さも約30mmである。各インクジェットノズルから紫外線硬化性のインクが吐出される。
【0050】
紫外光源47a〜47aは、たとえば発光ダイオード(LED)を含んで構成され、紫外領域の波長の光を発光する。インクジェットヘッド47a〜47aの各インクジェットノズルから基板23に吐出された紫外線硬化性のインクは、紫外光源47a〜47aから発せられる光によって硬化(仮硬化)される。紫外光源47a〜47aからの紫外光の出射は、制御措置20によって制御される。
【0051】
図4Bは、インクジェットヘッドユニット47a(インクジェットヘッド47a〜47a)の液滴吐出面を示す平面図である。本図においては、紫外光源47a〜47aの記載は省略した。
【0052】
インクジェットヘッド47a〜47aの同一ノズル列のノズルはX軸方向に沿って160μm間隔で配置される。各インクジェットヘッド47a〜47aにおいて、Y軸正方向側のノズル列は、Y軸負方向側のノズル列に対し、ノズルの配設位置がX軸正方向に80μmずれるように形成されている。このため各インクジェットヘッド47a〜47aは、X軸方向に80μm間隔で千鳥配列される384個のインクジェットノズルを含み、約300dpiの分解能を有する。各インクジェットノズルはピエゾ素子を含んで構成され、電圧の印加に応じてインクを吐出する。インクの吐出(電圧の印加)は制御装置20によって制御される。なお、実施例においては、ノズル列は2列であるが、1列でも3列以上でもよい。
【0053】
インクジェットヘッド47a〜47aは、順に相対位置をX軸正方向にずらされながら、全体としてY軸方向に沿って配置される。すなわち、インクジェットヘッド47aはインクジェットヘッド47aに対し、20μmだけX軸正方向側に配置される。同様にインクジェットヘッド47a、aは、それぞれインクジェットヘッド47a、aに対し、20μmだけX軸正方向側に配置される。この結果、インクジェットヘッドユニット47aは、X軸方向に20μm間隔(約1200dpiの高分解能)で配置されるノズルを備える。
【0054】
図4Cは、インクジェットヘッドユニット47a〜47fの配置を示す概略的な平面図である。前述のように、各インクジェットヘッドユニット47a〜47fは、X軸方向に沿う約30mmの範囲に、液滴吐出能力を有する。また、X軸方向に沿って等間隔に配置される。隣り合うインクジェットヘッドユニット47a〜47f間の距離は、たとえば約60mmである。
【0055】
描画ステーション3においては、リフタ11で搬送された基板23を、移動ステージ(チャックプレート45)上に保持した後、たとえばY軸正方向に移動させながら、各インクジェットヘッドユニット47a〜47f下方のY軸方向に沿う奇数列領域(図4Cにおいて丸印を付した領域)における、吐出目標位置(ソルダーレジスト形成目標位置)に向けて、インクジェットヘッドユニット47a〜47fからインクを吐出する。奇数列領域における目標位置への吐出が終了したら、Xステージ43で基板23をX軸正方向に、たとえば10μmだけ移動させた後、次は、基板23をY軸負方向に移動させながら、各インクジェットヘッドユニット47a〜47f下方のY軸方向に沿う偶数列領域(図4Cにおいてバツ印を付した領域)における吐出目標位置に向けて、インクジェットヘッドユニット47a〜47fからインクを吐出する。Y軸方向に沿う往路と復路とで、奇数列領域と偶数列領域の目標位置に向けて液滴を吐出することで、約2400dpiの高分解能での描画を実現することができる。
【0056】
偶数列領域への液滴吐出終了後、Xステージ43を駆動し、基板23を、X軸正方向に約30mm移動させる。そしてYステージ44により、基板23をY軸方向に往復させ、往路と復路とで、それぞれ奇数列領域と偶数列領域の描画を行う。
【0057】
更にもう一度同様の処理を行い、Y軸方向に沿う合計3往復で、基板23の表面への描画を完了する。
【0058】
図3A〜図4Cに示した実施例による液滴吐出装置80は、6つのインクジェットヘッドユニット47a〜47fを備える。インクジェットヘッドユニットの数は6つに限られない。また、実施例による液滴吐出装置80は、4つの部分押さえローラ72a〜72dを備えるが、4つに制限されない。一例として、1つのインクジェットヘッドユニットと2つの部分押さえローラを備える構成(変形例による液滴吐出装置)とすることができる。
【0059】
図5A〜図5Dを参照して、部分押さえローラ72a〜72dによる基板の押圧について説明する。図5A及び図5Cは、実施例による液滴吐出装置で描画が行われている基板を示す概略的な平面図であり、図5B及び図5Dは、概略的な断面図である。
【0060】
図5A及び図5Bに、基板23A表面に描画が行われている場合を示す。基板面には、描画が行われる領域(描画領域)と、描画が行われない領域(非描画領域)とが画定されている。図5A及び図5Bには、基板23A表面における描画領域に23a、非描画領域に23bの符号を付した。インクジェットヘッドユニット47a〜47fからのインクは、非描画領域23bには吐出されない。描画領域23a内の所定位置に塗布される。描画領域23aは、たとえば矩形状である。本図に示す例においては、基板23A表面には、4行5列に20個の描画領域23aが画定されている。基板23A表面における、描画領域23a以外の領域は非描画領域23bである。図5A及び図5Bには、Y軸正方向に移動され、各インクジェットヘッドユニット47a〜47f下方のY軸方向に沿う奇数列領域の目標位置に向けてインクが吐出された後、Y軸負方向に移動されながら、各インクジェットヘッドユニット47a〜47f下方のY軸方向に沿う偶数列領域の目標位置に向けてインクが吐出されている基板23Aを示した。
【0061】
部分押さえローラ72a〜72dは、Y軸方向に沿う往復において、基板23A表面を、その非描画領域23bにおいて押圧する。たとえば部分押さえローラ72aは、最も左(X軸正方向側)の列の描画領域23aと左から2番めの列の描画領域23aの間の非描画領域23bにおいて、基板23AをY軸方向に移動可能に押圧する。部分押さえローラ72b、72cは、それぞれ左から2番めの列の描画領域23aと左から3番めの列の描画領域23aの間の非描画領域23b、左から3番めの列の描画領域23aと左から4番めの列の描画領域23aの間の非描画領域23bにおいて、基板23AをY軸方向に移動可能に押圧する。そして、部分押さえローラ72dは、最も右(X軸負方向側)の列の描画領域23aと右から2番めの列の描画領域23aの間の非描画領域23bにおいて、基板23AをY軸方向に移動可能に押圧する。図5Aには、基板23A表面上の部分押さえローラ72a〜72dの押圧位置を点線で示した。
【0062】
部分押さえローラ72a〜72dで押圧しながら、基板23AをY軸方向に沿って移動させ、基板23Aに向けてインクを吐出することで、基板23Aに反りが存在する場合であっても、インクジェットヘッドユニット47a〜47dの液滴吐出面(インクジェットノズル)から基板23A表面までの距離を一定、たとえば0.5mmに保つことができる。このため、高精度の描画を行うことができる。なお、この点は、部分押さえローラ72a〜72dでなく、たとえば基板23Aの全面を押さえる棒状のローラを用いても同様の効果を奏することが可能である。
【0063】
部分押さえローラ72a〜72dは、基板23Aの全面ではなく、その一部、たとえば非描画領域23bを押圧する。このため、たとえば、ローラ72a〜72dが基板23A表面の非描画領域23bのみを押圧するように、制御装置20で、部分押さえローラ72a〜72dのX軸方向に沿う位置決め(第3の連結部材71a〜71dによるX軸方向への移動)を行うことで、基板23AをY軸方向に往復させて描画を行う場合であっても、仮硬化されただけのソルダーレジストがローラ72a〜72dに付着する、ソルダーレジストパターンが損傷する、といった問題を生じさせない。この点においても、高精度の描画を行うことが可能である。なお、仮硬化はソルダーレジストの表面領域を固化させ、たとえば拡散を防止する処理であり、仮硬化によってはソルダーレジストの内部領域は完全には固化していない。また、たとえば基板23Aの全面を押さえる棒状のローラを用いた場合、このような効果は奏されない。
【0064】
偶数列領域への液滴吐出(Y軸方向への1往復)終了後、Xステージ43を駆動し、基板23AをX軸正方向に約30mm移動させる際には、第2の連結部材70により、部分押さえローラ72a〜72dをZ軸正方向に移動させ、基板23Aに対する押圧を解除する。また、第3の連結部材71a〜71dにより、部分押さえローラ72a〜72dをX軸正方向に約30mm移動させる。制御装置20の制御により、部分押さえローラ72a〜72dを基板23Aの移動方向へ、基板23Aの移動量と等しい量だけ移動させることで、次の往復の際にも、部分押さえローラ72a〜72dで、基板23A上の等しい位置(非描画領域23b)を押圧することができる。
【0065】
また、Y軸方向への1往復終了後、Xステージ43を駆動し、基板23AをX軸正方向に約30mm移動させる際に、押圧を解除せず、部分押さえローラ72a〜72dが押圧する基板23A上の位置が変化しないように、部分押さえローラ72a〜72dの移動と、Xステージ43による基板23Aの移動とを同期させて、部分押さえローラ72a〜72dをX軸正方向に約30mm移動させてもよい。
【0066】
なお、Y軸正方向への移動とY軸負方向への移動(Y軸方向への1往復)の間に、基板23AをX軸正方向に、たとえば10μmだけ移動させる際には、押圧の解除は行っても行わなくてもよい。押圧の解除を行わない場合、部分押さえローラ72a〜72dは、移動させなくてもよいし、Xステージ43に同期させて移動させてもよい。押圧の解除を行う場合、部分押さえローラ72a〜72dも、X軸正方向へ10μmだけ移動させる。押圧の解除を行った場合であっても、部分押さえローラ72a〜72dを、X軸方向へ移動させないとすることも可能である。
【0067】
本例においては、部分押さえローラ72a〜72dによって、基板23Aの非描画領域23bを押圧したが、描画領域23aであっても、押圧時において、ソルダーレジストが形成されていない(インクが吐出(塗布)されていない)位置を押圧することも可能である。部分押さえローラ72a〜72dによる基板23Aの押圧は、各ローラ72a〜72dが、基板23A表面上のソルダーレジスト未形成位置を押圧するように、制御装置20により制御されてもよい。
【0068】
図5C及び図5Dには、基板23Aとは異なる基板23B表面に描画が行われている場合を示した。基板23B表面にも、描画領域23cと非描画領域23dとが画定されている。インクジェットヘッドユニット47a〜47fからのインクは、非描画領域23dには塗布されず、描画領域23c内の所定位置に塗布される。描画領域23cは、たとえば基板23Aの描画領域23aとはX軸方向のサイズが異なる矩形状である。基板23B表面には、4行5列に20個の描画領域23cが画定されており、基板23B表面における、描画領域23c以外の領域は非描画領域23dである。
【0069】
基板23Bの描画領域23cは、基板23Aの描画領域23aとは、X軸方向のサイズが異なるため、基板23Aの描画を終了して基板23Bの描画を開始するときには、部分押さえローラ72a〜72dは、制御装置20の制御により、基板23Bの非描画領域23dを押圧する位置に移動される。
【0070】
図5C及び図5Dに、描画が開始された後の基板23Bを示す。両図には、Y軸正方向に移動され、各インクジェットヘッドユニット47a〜47f下方のY軸方向に沿う奇数列領域の目標位置に向けてインクが吐出された後、Y軸負方向に移動されながら、各インクジェットヘッドユニット47a〜47f下方のY軸方向に沿う偶数列領域の目標位置に向けてインクが吐出されている基板23Bを示した。
【0071】
基板23Bに対する描画において、部分押さえローラ72a〜72dは、基板23Aに対するのと同様に、基板23B表面を、その非描画領域23dにおいて押圧する。たとえば、基板23BのX軸方向への移動にかかわらず、4つの部分押さえローラ72a〜72dの各々は、5列の描画領域23cの間の各非描画領域23dを押圧する。図5Cには、基板23B表面上の部分押さえローラ72a〜72dの押圧位置を点線で示してある。
【0072】
図6A及び図6Bは、変形例による液滴吐出装置を用いた液滴吐出方法を示す概略図である。前述のように、変形例による液滴吐出装置は、1つのインクジェットヘッドユニット47gと2つの部分押さえローラ72e、72fを備える点で実施例による液滴吐出装置と相違する。
【0073】
インクジェットヘッドユニット47gは、第1の連結部材46を介してZ軸方向に移動可能にフレーム42の梁42cに保持されている。また、部分押さえローラ72e、72fは、それぞれ第3の連結部材71e、71fに取り付けられ、第3の連結部材71e、71fは、それぞれ第2の連結部材70に、X軸方向に移動可能に保持されている。このため、部分押さえローラ72e、72fは、フレーム42の梁42cに、Z軸方向に移動可能に、また各々独立にX軸方向に移動可能に保持されていることになる。図6A及び図6Bには、変形例による液滴吐出装置が実施例と異なる部分を、たとえば図5Bに対応させて簡略的に示した。
【0074】
図6Aを参照する。基板23C上に画定された非描画領域23fを、部分押さえローラ72e、72fで押圧し、インクジェットヘッドユニット47gからインクを吐出しながら、基板23CをY軸方向に往復させて、基板23C上の、Y軸方向に沿う1列目の描画領域23eに描画を行う。部分押さえローラ72e、72fは、Y軸方向に沿う1列目の描画領域23eの両側の非描画領域23fを押圧する。Y軸正方向への基板移動とY軸負方向への基板移動との間には、X軸正方向に10μmの基板移動を行う。この基板移動の際には、部分押さえローラ72e、72fによる押圧の解除は行っても行わなくてもよい。押圧の解除を行わない場合、部分押さえローラ72e、72fの移動は行わなくてもよいし、部分押さえローラ72e、72fを、X軸正方向に、Xステージ43に同期させて10μm移動させてもよい。押圧の解除を行う場合、解除後に、部分押さえローラ72e、72fも、X軸正方向へ10μmだけ移動させる。押圧の解除を行った場合であっても、部分押さえローラ72e、72fを、X軸方向へ移動させないとすることも可能である。
【0075】
次に、Xステージ43により、基板23CをX軸正方向に約30mm移動させる。この基板移動においては、部分押さえローラ72e、72fをZ軸正方向に移動させて押圧を解除し、基板移動終了後に、Z軸負方向に移動させて押圧を開始する。部分押さえローラ72e、72fは、X軸方向には移動させない。
【0076】
図6Bを参照する。その後、Y軸方向に沿う2列目の描画領域23eに描画を行う。描画領域23eのX軸方向に沿う幅は、たとえば描画領域23eのそれと等しい。描画領域23eに対する描画は、描画領域23eへの描画と同様に行う。
【0077】
これを繰り返し、基板23C上に画定されるすべての描画領域に対して描画を行う。
【0078】
図6A及び図6Bに示す例においては、基板23CをX軸正方向に約30mm移動させる際に、部分押さえローラ72e、72fをX軸方向に移動させない。このため、Y軸正方向への基板移動とY軸負方向への基板移動との間に行う、X軸正方向への10μmの基板移動の際に、部分押さえローラ72e、72fを、X軸正方向へ10μm移動させない場合は、部分押さえローラ72e、72fは、フレーム42の梁42cに、Z軸方向に移動可能に保持されていればよい。X軸方向に移動可能に保持される必要はない。
【0079】
なお、描画領域23eと描画領域23eのX軸方向に沿う幅が異なるときには、描画領域23eの描画終了後、描画領域23eの描画開始前に、部分押さえローラ72e、72fの少なくとも一方を、描画領域23eのX軸方向に沿う幅に応じて、部分押さえローラ72e、72fがY軸方向に沿う2列目の描画領域23eの両側の非描画領域23fを押圧するように、X軸方向に移動させる。
【0080】
図7A〜図7Dは、基板反転ステーション4に含まれる基板反転装置50及び紫外線照射装置(ソルダーレジスト固化装置)60を示す概略図である。図7Aを参照する。基板反転装置50は、基板反転ステーション4に搬送された基板21〜27を保持するコの字型の基板保持器51、及びコの字の縦棒に固定され、基板保持器51を支持する棒状の支持部材52を含んで構成される。支持部材52は、基板保持器51のコの字が画定する平面と等しい平面内に配置され、その延在方向は、コの字の2本の横棒の延在方向と平行である。支持部材52は、支持部材52を回転軸として、支持部材52の周囲に回転可能に基板保持器51を支持する。支持部材52による基板保持器51の回転は、制御装置20によって制御される。
【0081】
紫外線照射装置60は、支持部材61及び紫外光源62を含む。支持部材61は、たとえば基板反転装置50の支持部材52の延在方向と平行な方向に延在している。紫外光源62は、たとえばランプまたはLEDを含んで構成され、紫外領域の波長の光を発光する。紫外光源62は、インクジェットヘッドユニットに含まれる紫外光源よりも、高出力で紫外光を発することができる。紫外光の波長は、インクジェットヘッドユニットの紫外光源から出射される紫外光の波長と等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0082】
紫外光源62は、支持部材61に、その延在方向に移動可能に支持されている。紫外光源62からの紫外光の出射、及び、紫外光源62の支持部材61に沿う移動は、制御装置20によって制御される。
【0083】
図7Bを参照する。描画ステーション3で表面にソルダーレジストパターンが形成された基板21〜27、一例として基板24は、リフタ12によって基板反転ステーション4に搬送される。基板24は、リフタ12によって、直接、基板保持器51のコの字面上に、たとえば基板24の表面(ソルダーレジストが形成された面)が、上(Z軸正方向)向きとなるように載置される。基板保持器51は基板24を、吸着、押圧、クランプ等することによって固定的に保持する。すなわち基板24は、基板保持器51に対して相対的に移動しないように保持される。基板保持器51による基板24の固定的な保持及びその解除は、制御装置20によって制御される。
【0084】
図7Cを参照する。紫外光源62から紫外光を出射させながら、紫外光源62を支持部材61に沿って移動させる。基板反転装置50及び紫外線照射装置60は、紫外光源62を支持部材61に沿って移動させるとき、紫外光源62が、基板保持器51に保持された基板24上方を通過し、紫外光源62から出射された紫外光が、少なくとも基板24のソルダーレジストパターン形成領域、たとえば基板24の表面全体に照射されるように、配置されている。紫外光源62から出射された紫外光は、たとえば1000mJ/cmのエネルギ密度で、基板24の表面全体に照射される。紫外光の照射により、基板24表面に形成されたソルダーレジストの本硬化が行われる。本硬化によって、基板24表面のソルダーレジストは、その内部まで固化される。本硬化においては、仮硬化におけるよりも強いエネルギ密度で基板24に紫外光が照射される。
【0085】
図7Dを参照する。紫外光を照射して、基板24表面のソルダーレジストを本硬化させた後、支持部材52を回転軸として、基板保持器51を180°回転させる。これによって、基板保持器51に保持された基板24は、表裏が反転される。表裏が反転された基板24は、表裏が反転された状態のまま、リフタ13によってアライメントステーション5、またそれに続いて描画ステーション6に搬送される。リフタ13による搬送が行われる前には、基板保持器51による基板24の保持は解除される。
【0086】
図8A〜図8Fを参照して、基板保持器51の基板保持構造について説明する。図8A、図8C、及び図8Eは、基板保持器51を示す概略的な平面図であり、図8B、図8D、及び図8Fは、基板保持器51を示す概略的な側面図である。
【0087】
図8A及び図8Bに示すように、基板保持器51は、たとえばコの字面上に、真空吸着パッド53を備える。両図には、コの字の2本の横棒上に複数の真空吸着パッド53が形成されている例を示した。基板24は、リフタ12によって、真空吸着パッド53上を含む基板保持器51のコの字面上に載置され、真空吸着パッド53からの吸引力により、基板保持器51に吸着保持される。
【0088】
図8C及び図8Dに示すように、基板保持器51は、たとえばコの字の2本の横棒上に、横棒の延在方向に延在する押さえローラ54を備えていてもよい。リフタ12によって、基板保持器51のコの字面上に載置された基板24の端部上に、押さえローラ54が移動する。基板24は押さえローラ54に押圧されることによって、基板保持器51に固定的に保持される。
【0089】
図8E及び図8Fに示すように、基板保持器51がクランプ機構55を備える構成を採用することも可能である。両図に示したクランプ機構55は、コの字の2本の横棒の延在方向に延在する立ち上がり部分を有し、その一部(クランプ先)が倒れるように内側に、たとえば90°屈曲することで、基板保持器51上に載置された基板24の端部を挟み込んで保持する。
【0090】
図8A〜図8Fに示した基板保持器51は、ソルダーレジストの形成されていない部分の基板24を、吸着、押圧、挟み込むことによって固定的に保持する。
【0091】
上述の例においては、紫外光を照射し、基板24表面のソルダーレジストを本硬化させた後、基板保持器51を回転させて、基板24の表裏を反転したが、基板24の表裏を反転させた後、Z軸負方向側から基板24の表面に紫外光を照射して本硬化を行ってもよい。また、紫外光の照射による本硬化と、基板保持器51の回転による基板24の表裏反転とを同時併行的に行ってもよい。この場合、たとえば回転中の基板24表面に所定強度の紫外光が照射されるように、紫外光源62を、基板24の回転と同期させて回転移動させる等の構成を採用する。表裏を反転させる期間に本硬化を行うことにより、基板反転ステーション4での処理時間を短くすることができる。
【0092】
表面のソルダーレジストの本硬化、及び、表裏の反転が行われた基板24は、リフタ13により、アライメントステーション5に搬送される。
【0093】
アライメントステーション5は、アライメントステーション2と同様の構成と機能を備える。基板24の裏面に形成されたアライメントマークがCCDカメラで検出され、θ補正が行われる。また、画像データから、表面の描画が完了した基板24のサイズを把握し、新たに基板24の裏面の描画を行う際に用いるインクジェット制御データを生成する。
【0094】
リフタ13は、アライメントステーション5に含まれるθステージの回転によって、基板面内方向における向きが変更された基板24を、その向きを維持して、描画ステーション6のステージ上に搬送する。
【0095】
描画ステーション6は、描画ステーション3と同様の構成と機能を備える。すなわち描画ステーション6にも、実施例による液滴吐出装置が配置される。描画ステーション6においては、裏面のインクジェット制御データに基づいて、基板24裏面へのソルダーレジストパターン形成が行われる。
【0096】
なお、裏面のインクジェット制御データは、アライメントステーション2で取得された画像データに基づいて作成することもできる。この場合、アライメントステーション5で得られる画像データは、たとえばθ補正にのみ使用される。
【0097】
基板24のθ補正を、アライメントステーション5で行うため、描画ステーション6ではθ補正の必要がない。このため、描画ステーション6に搬送された基板24に対して、位置合わせを行うことなく、裏面のソルダーレジストパターンの形成を開始することができる。したがって、描画ステーション6での処理時間を短くすることができ、ひいてはタクトタイムの短縮、生産効率の向上を実現することが可能である。
【0098】
裏面への描画が終了した基板24は、リフタ14によって、コンベヤ16に搬送され、コンベヤ16上に載置された状態で、紫外線照射装置8を出射した紫外線により、裏面に形成されたソルダーレジストの本硬化が行われる。そしてコンベヤ16によって、搬出口7から筐体18の外部へ搬出される。
【0099】
第1の描画装置では、描画ステーション3における基板24表面への描画終了から、描画ステーション6のステージ上に基板24を載置するまでの間に、具体的には基板反転ステーション4において、基板24表面に形成されたソルダーレジストを本硬化させる。描画ステーション3で基板24表面上に形成されたソルダーレジストは、どこにも接触することなく、基板反転ステーション4で本硬化される。
【0100】
本硬化のなされていない基板24は、ソルダーレジストの内部領域が完全には固化されていないため、タック(べたつき)が発生する。基板24表面のソルダーレジストの本硬化を実施しないまま、基板24裏面のソルダーレジストパターン形成を行うと、たとえばリフタ13による基板24のハンドリングの際や、描画ステーション6における基板24裏面描画時に、表面のソルダーレジストに傷や跡がつく場合がある。また、タックに起因して処理における不具合が生じる場合もある。
【0101】
基板24表面への描画終了時から、描画ステーション6のステージ上に基板24を載置するまでの間に、基板24表面に形成されたソルダーレジストを本硬化させることで、基板24表面のソルダーレジストに傷や跡がつくことを防止することができる。このため高品質の描画を行うことが可能である。
【0102】
また、紫外線照射装置8を出射した紫外線によって、基板24裏面のソルダーレジストの本硬化が行われるため、筐体18の外部に搬出された後に、基板24裏面のソルダーレジストに傷や跡がつくことを防止することができる。
【0103】
図9は、第2の描画装置を示す概略図である。第2の描画装置は、アライメントステーション2、5が、θ補正を行うアライメント装置を含まず、また、描画ステーション3、6の液滴吐出装置(変形例による液滴吐出装置)がθステージ49及びCCDカメラ63〜66を含む点において、第1の描画装置と異なる。
【0104】
第2の描画装置のアライメントステーション2、5には、θ補正を伴わない簡易的なアライメントを行うアライメント装置である仮置ステージ48が配置される。基板21〜27は、リフタ11、13によって、アライメントステーション2、5の仮置ステージ48上に載置され、固定ピンへの押し当て等の簡易的なアライメントを施された後、描画ステーション3、6に搬送される。
【0105】
変形例による液滴吐出装置は、たとえばYステージ44とチャックプレート45との間にθステージ49を含む。θステージ49は、チャックプレート45に保持された基板21〜27を、XY平面に平行な面内で、Z軸に平行な回転軸の周囲に回転させることが可能である。また、変形例による液滴吐出装置は、基板21〜27の表裏面に形成されたアライメントマークを検出するCCDカメラ63〜66を含む。これらの点で、実施例による液滴吐出装置と異なっている。
【0106】
描画ステーション3、6に搬送された基板21〜27は、チャックプレート45に吸着保持され、CCDカメラ63〜66によって、表裏面のアライメントマークが検出される。検出結果(撮影された画像データ)は制御装置20に送信される。
【0107】
制御装置20は検出結果を処理し、基板21〜27の位置、及び、基板面内方向における姿勢(向き)を把握し、たとえばθステージ49を駆動することで、基板21〜27の、基板面内方向における姿勢を補正(θ補正)する。また、制御装置20は、CCDカメラ63〜66の検出結果に基いて、基板21〜27のサイズを把握し、把握されたサイズに応じて、インクジェット制御データを生成する。
【0108】
第2の描画装置においては、アライメントステーション2、5で基板21〜27のθ補正を行わず、描画ステーション3、6(変形例による液滴吐出装置)で、θステージ49を用い、基板21〜27のθ補正を行った後に、生成したインクジェット制御データに基づいて、基板21〜27の描画を行う。
【0109】
変形例による液滴吐出装置も、部分押さえローラで基板21〜27のソルダーレジスト未形成領域のみ、たとえば非描画領域のみを押圧しながら描画を行う。基板21〜27を押圧することで、インクジェットヘッドユニットの液滴吐出面から基板21〜27までの距離を一定に保ち、高精度の描画を実現することができる。また、仮硬化されたソルダーレジストのローラへの付着や、ソルダーレジストパターンの損傷を防止して、高精度の描画を可能にする。
【0110】
図10は、第3の描画装置を示す概略図である。第3の描画装置は、基板反転ステーション4、アライメントステーション5、描画ステーション6、及びリフタ12、13を含まない点で、第1の描画装置と異なる。第1の描画装置は、基板21〜27の両面に描画を行う描画装置であったが、第3の描画装置は、基板21〜24の片面、たとえば表面のみに描画を行う描画装置である。第3の描画装置においては、紫外線照射装置8を出射した紫外線により、表面に形成されたソルダーレジストの本硬化が行われる。
【0111】
第3の描画装置の描画ステーション3には、たとえば実施例による液滴吐出装置が配置される。第3の描画装置においても、部分押さえローラで基板21〜24のソルダーレジスト未形成領域のみ、たとえば非描画領域のみを押圧しながら描画が行われる。このため、高精度の描画を行うことができる。
【0112】
以上実施例及び変形例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0113】
たとえば、実施例及び変形例においては、インクジェットヘッドユニットに対する基板の移動(XY平面内での移動)をステージのみによって行ったが、たとえばフレームをY軸方向に移動可能とし、インクジェットヘッドユニットを、フレームにX軸方向及びZ軸方向に移動可能に取り付ける構成として、その構成とステージの双方を用いて、インクジェットヘッドユニットに対する基板のXY平面方向の移動を行ってもよい。インクジェットヘッドユニットと基板とは、相対的に移動させればよい。ただし、基板のみをXY平面内で移動させる実施例及び変形例の構成の方が、インクジェットヘッドユニットをもXY平面方向に移動させる構成よりも、描画を高精度に行うことが可能である。
【0114】
また、実施例及び変形例においては、プリント配線板上に絶縁膜(ソルダーレジスト)を形成したが、実施例及び変形例による液滴吐出装置は、たとえばタッチパネルの製造において、ガラス基板上に絶縁膜を形成する用途にも利用することができる。
【0115】
更に、実施例及び変形例においては、押圧部としてローラを用いたが、押圧部はローラに限定されない。インク塗布時に、押圧部が基板を押圧した状態で、ステージが移動し、それに伴ってインクジェットヘッドと基板とがY軸方向に相対的に移動する。その際に、押圧によってY軸方向への基板の移動に障害となるほどの摩擦力が発生していなければよい。すなわち、押圧部は必ずしも回転しなければならないわけではなく、障害となる摩擦力を発生させない程度に、基板に対する摩擦係数が小さい部材を用いて構成すれば実施可能である。なお、基板と押圧部との間の摩擦力は、押圧部によって基板を押圧する力にも依存するが、たとえばmmオーダーのZ軸方向のそりを抑制するためには、Z軸方向の押圧力はかなり弱くても問題はない。
【0116】
実施例及び変形例におけるローラは、Y軸方向に回転する。このため、ステージとローラとをX軸方向に相対的に移動させる際は、たとえばローラとステージとを同期させて移動させたり、ローラをZ軸方向に移動させる。基板に対する摩擦係数が小さい部材を用いて押圧部を構成した場合、ローラで実施したようなX軸方向に関する移動が不要となるため、生産効率を高めることができる。
【0117】
なお、球状の押圧部を用いることでも、水平方向に関して障害となる摩擦力を発生させないことが可能なので、押圧部を球状に構成してもよい。
【0118】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0119】
基板上への絶縁膜形成に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 搬入口
2 アライメントステーション
3 描画ステーション
4 基板反転ステーション
5 アライメントステーション
6 描画ステーション
7 搬出口
8 紫外線照射装置
11〜14 リフタ
15、16 コンベヤ
18 筐体
20 制御装置
20a 記憶装置
21〜27 基板
22a〜22d アライメントマーク
23A、23B、23C 基板
23a、23c、23e、23e 描画領域
23b、23d、23f 非描画領域
31 ベース
32 Yステージ
33 θステージ
34 チャックプレート
35〜38 CCDカメラ
41 ベース
42 フレーム
42a、42b 支柱
42c 梁
43 Xステージ
44 Yステージ
45 チャックプレート
46 第1の連結部材
47a〜47g インクジェットヘッドユニット
47a〜47a インクジェットヘッド
47a〜47a 紫外光源
47a キャリッジ
48 仮置ステージ
49 θステージ
50 基板反転装置
51 基板保持器
52 支持部材
53 真空吸着パッド
54 押さえローラ
55 クランプ機構
60 紫外線照射装置
61 支持部材
62 紫外光源
63〜66 CCDカメラ
70 第2の連結部材
71a〜71f 第3の連結部材
72a〜72f 部分押さえローラ
80 液滴吐出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持して水平面内方向に移動させるステージと、
前記基板に対向して配置され、前記基板に向けて絶縁材を吐出する吐出ヘッドと、
前記基板上の一部の位置を押圧する押圧部と、
前記押圧部が、前記吐出ヘッドによって絶縁材が吐出されていない前記基板上の位置を押圧するように制御を行う制御装置と
を有する液滴吐出装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記ステージで前記基板を水平面内方向の一軸方向に沿って往復移動させながら、前記吐出ヘッドから前記基板に向けて絶縁材を吐出させる請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記押圧部は、基台に固定されたフレームに、垂直方向に移動可能に保持されている請求項2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記押圧部は、前記フレームに、水平面内方向において前記一軸方向と直交する方向と平行な方向に移動可能に保持されている請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記基板上には、前記吐出ヘッドから絶縁材が吐出される描画領域と、前記吐出ヘッドから絶縁材が吐出されない非描画領域とが画定され、
前記制御装置は、(i)前記吐出ヘッドから、前記一軸方向に沿う第1の描画領域に、前記押圧部に前記第1の描画領域の両側の非描画領域を押圧させながら、絶縁材を吐出させ、(ii)前記押圧部を垂直方向に移動させて前記基板の押圧を解除し、前記ステージで前記基板を、水平面内方向において前記一軸方向と直交する方向に移動させた後、(iii)前記吐出ヘッドから、前記一軸方向に沿う第2の描画領域であって、前記第1の描画領域に隣接する第2の描画領域に、前記押圧部に前記第2の描画領域の両側の非描画領域を押圧させながら、絶縁材を吐出させる請求項4に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記第1の描画領域と前記第2の描画領域は、水平面内方向において前記一軸方向と直交する方向に沿う幅が異なり、
前記制御装置は、前記(ii)において、更に、前記第2の描画領域の前記幅に応じて、前記押圧部を、水平面内方向において前記一軸方向と直交する方向と平行な方向に移動させる請求項5に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
(a)基板を保持する工程と、
(b)前記保持された基板を水平面内方向の一軸方向に沿って移動させながら、前記基板に向けて絶縁材を吐出し、吐出された絶縁材によって、前記基板上に絶縁膜を形成する工程と
を有し、
前記工程(b)において、絶縁材が吐出されていない前記基板上の一部の位置を押圧しながら、前記基板に向けて絶縁材を吐出する液滴吐出方法。
【請求項8】
前記工程(b)において、前記保持された基板を前記一軸方向に沿って往復移動させながら、前記基板に向けて絶縁材を吐出する請求項7に記載の液滴吐出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−30571(P2013−30571A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164873(P2011−164873)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】