説明

液滴吐出装置

【課題】インクを硬化する紫外線照射の消費電力を抑制する。
【解決手段】紫外線の照射によって硬化するインクを吐出する吐出ヘッドと、前記インクに前記紫外線を照射する紫外線照射ユニットと、吐出タイミングに基づいて紫外線を選択照射する制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェット記録方式の一種であるUVインクジェット方式の液滴吐出装置では、UVインクを吐出する記録ヘッドと、UVインクに紫外線を照射する紫外線照射ユニットを備え、吐出されたUVインクに対して紫外線を照射して、UVインクを硬化させる装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−254560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の液滴吐出装置では、液滴を吐出させている間、常時UV照射を行っているため、インクの硬化に寄与しない場合にまで紫外線照射ユニットを駆動させることになるので、余分な電力を消費してしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる液滴吐出装置は、紫外線の照射によって硬化するインクをノズルから吐出する吐出ヘッドと、前記インクに前記紫外線を照射する複数の光源を有する紫外線照射ユニットと、前記インクが吐出される吐出タイミングに基づいて、前記紫外線を照射させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、常時紫外線が照射されるのではなく、インクが吐出する吐出タイミングに合わせて紫外線が照射されるため、紫外線照射ユニットの余分な消費電力を抑えることができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる液滴吐出装置の前記制御部では、前記吐出タイミングに基づいて、前記インクが吐出される前記ノズルの位置と対応する前記光源から前記紫外線を照射させることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、吐出(使用)されるノズルの位置に対応した光源のみが駆動されるので、さらに消費電力を低減させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかる液滴吐出装置の前記制御部では、前記吐出タイミングに基づいて、前記光源を照射するタイミングを調整することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、吐出タイミングに基づいて紫外線の照射タイミングが調整されるため、例えば、ノズルから吐出されたインクが記録媒体等に着弾してから紫外線を照射するように硬化開始時期を調整することで、記録媒体に対するインクの密着性等の品質を向上させることができる。これに伴い、画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】液滴吐出装置の構成を示す斜視図。
【図2】ヘッドユニットの構成を示す側面図。
【図3】ヘッドユニットの構成を示す一部拡大した平面図。
【図4】液滴吐出装置の制御部の構成を示すブロック図。
【図5】ヘッド制御部の構成を示すブロック図。
【図6】液滴吐出装置の制御方法を示す模式図 。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせて示している。
【0014】
(液滴吐出装置の構成)
まず、液滴吐出装置の構成について説明する。図1は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。液滴吐出装置は、紫外線の照射によって硬化するインクをノズルから吐出する吐出ヘッドと、吐出されたインクに紫外線を照射する複数の光源を有する紫外線照射ユニットと、インクが吐出される吐出タイミングに基づいて、紫外線を照射させる制御部を備えたものである。以下、具体的に説明する。
【0015】
図1に示すように、液滴吐出装置1には、直方体形状の基台2が備えられている。本実施形態では、この基台2の長手方向をY軸方向とし、同Y軸方向と直交する方向をX軸方向とする。
【0016】
基台2の上面2aには、Y軸方向に延びる一対の案内レール3a,3bが同Y軸方向の全幅にわたり凸設されている。その基台2の上側には、一対の案内レール3a,3bに対応する図示しない走査手段を備えたステージ4が取り付けられている。走査手段は、例えば、直動機構である。当該直動機構は、例えば、案内レール3a,3bに沿ってY軸方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するY軸モーター(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モーターに入力されると、Y軸モーターが正転又は逆転して、ステージ4が同ステップ数に相当する分だけ、Y軸方向に沿って所定の速度で往動又は、復動する(Y軸方向に走査する)ようになっている。
【0017】
さらに、基台2の上面2aには、案内レール3a,3bと平行に主走査位置検出装置5が配置され、ステージ4の位置が計測できるようになっている。
【0018】
そのステージ4の上面には、載置面6が形成され、その載置面6には、図示しない吸引式のチャック機構が設けられている。そして、載置面6に記録媒体7を載置すると、チャック機構によって、その記録媒体7が載置面6の所定位置に位置決め固定されるようになっている。
【0019】
基台2のX軸方向両側には、一対の支持台8a,8bが立設され、その一対の支持台8a,8bには、X軸方向に延びる案内部材9が架設されている。案内部材9は、ステージ4のX軸方向における幅よりも長く形成され、その一端が支持台8a側に張り出すように配置されている。案内部材9の上側には、吐出する液体を供給可能に収容する収容タンク10が配設されている。一方、その案内部材9の下側には、X軸方向に延びる案内レール11がX軸方向の全幅にわたり凸設されている。
【0020】
案内レール11には、ヘッドユニット40がX軸方向に移動可能に配置されている。そのヘッドユニット40の直動機構は、例えば、案内レール11に沿ってX軸方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モーター(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モーターに入力すると、X軸モーターが正転又は逆転して、キャリッジ12が同ステップ数に相当する分だけX軸方向に沿って往動又は復動する(X軸方向に走査する)。また、案内部材9とヘッドユニット40との間には、副走査位置検出装置13が配置され、ヘッドユニット40の位置が計測できるようになっている。そして、ヘッドユニット40には、インクを液滴として吐出する吐出ヘッド14が備えられている。
【0021】
基台2の片側の一方(図中X軸方向の逆方向)には、保守用基台15が配置されている。保守用基台15の上面15aには、Y方向に延びる一対の案内レール16a,16bが同Y軸方向の全幅にわたり凸設されている。その保守用基台15の上側には、一対の案内レール16a,16bに対応する図示しない直動機構を備えた移動手段を構成する保守ステージ17が取り付けられている。その保守ステージ17の直動機構は、例えば、ステージ4と同様の直動機構であり、Y軸方向に沿って往動又は、復動するようになっている。
【0022】
保守ステージ17の上には、吐出ヘッド14の保守を行うメンテナンス部21が設けられている。メンテナンス部21は、フラッシングユニット18やキャッピングユニット19やワイピングユニット20等を含む。
【0023】
フラッシングユニット18は、吐出ヘッド14の吐出特性を回復させるため、吐出ヘッド14から吐出された液滴を捕集する装置である。例えば、吐出ヘッド14のインクの粘度が上昇した場合や吐出ヘッド14内に固形物が混入した場合に、吐出ヘッド14から液滴を吐出して粘度が高いインクや固形物を排除する。そして、吐出されたインクがフラッシングユニット18によって捕集される。
【0024】
キャッピングユニット19は、吐出ヘッド14に蓋をする装置である。使用されるインクによっては、吐出ヘッド14の周囲の環境により、インクの特性が変化し、例えば、インクの粘度が変わり、吐出ヘッド14のノズルが目詰まりすることがある。そこで、キャッピングユニット19は、吐出ヘッド14に蓋をすることで、吐出ヘッド14の外気と接触を避け、ノズルの目詰まりを防止することができる。さらに、キャッピングユニット19は、吐出ヘッド14に蓋をするとともに吐出ヘッド14内のインクを吸引する機能を有する。この場合、吐出ヘッド14に蓋をした状態で、当該蓋内に負圧をかけ、吐出ヘッド14内のインクを吸引する。これにより、吐出ヘッド14内のインクや気泡や異物等を取り除くことができる。
【0025】
ワイピングユニット20は、吐出ヘッド14のノズル孔が形成されているノズルプレートの表面を拭く装置である。ノズルプレートに液滴が付着していると、ノズルプレートに付着した液滴と記録媒体7とが接触して、記録媒体7の予定外の場所に液滴が付着してしまうことがある。そこで、ワイピングユニット20は、ノズルプレートを拭くことにより、ノズルプレートに付着した液滴を除去して、記録媒体7の予定外の場所への液滴の付着を防止することができる。
【0026】
保守用基台15と基台2との間には、重量測定装置22が配置されている。重量測定装置22は、吐出ヘッド14から吐出される液滴の重量を測定する吐出検査に用いられる。重量測定装置22には、電子天秤が2台設置され、各電子天秤には、受け皿が配置されている。液滴が、吐出ヘッド14から受け皿に吐出され、電子天秤が液滴の重量を測定するようになっている。受け皿は、スポンジ状の吸収体を備え、吐出される液滴が、跳ねて、受け皿の外に出ないようになっている。電子天秤は、吐出ヘッド14が液滴を吐出する前後で、受け皿の重量を測定し、吐出前後の受け皿の重量の差分を測定している。
【0027】
ヘッドユニット40が、案内レール11に沿って、X軸方向に移動することにより、吐出ヘッド14をメンテナンス部21や重量測定装置22や記録媒体7と対向する場所に移動させることができる。
【0028】
(ヘッドユニットの構成)
次に、ヘッドユニットの構成について説明する。図2は、ヘッドユニットの構成を示す側面図である。図2に示すように、本実施形態のヘッドユニット40は、記録媒体7に対して紫外線の照射によって硬化するインクを吐出する吐出ヘッド14と、記録媒体7に着弾されたインクに紫外線を照射する第1及び第2紫外線照射ユニット50a,50bと、X軸方向に設置されたエンコーダースケール70を検出するエンコーダー検出器68を有する。
【0029】
本実施形態では、キャリッジ12を備え、キャリッジ12に吐出ヘッド14が搭載されている。そして、キャリッジ12が案内レール11に沿ってX軸方向に移動可能に配置されている。また、本実施形態では、キャリッジ12のX軸方向における両端部のそれぞれに、第1紫外線照射ユニット50aと第2紫外線照射ユニット50bが配置されている。
【0030】
ここで、案内レール11にはキャリッジ12の走査方向と同軸上に、エンコーダースケール70が設けられている。エンコーダースケール70には等ピッチにスリットが刻まれている。このスリットはキャリッジ12の移動量の指標となる。エンコーダースケール70に刻まれているスリットを、光学式センサー等を有するエンコーダー検出器68で検出することによって、キャリッジ12の移動量を検出することができる。エンコーダー検出器68はエンコーダースケール70に刻まれているスリットを検出するたびに、パルス状の信号である検出パルスを出力する。
【0031】
次に、吐出ヘッド14と紫外線照射ユニット50との配置について説明する。図3は、ヘッドユニットの構成を示す一部拡大した平面図である。図3に示すように、吐出ヘッド14は、複数のノズル孔31を備えている。本実施形態では、Y軸方向にノズル孔31が配列されている。そして、各ノズル孔31に対応する駆動信号に基づいて各ノズル孔31から液滴が吐出される。
【0032】
紫外線照射ユニット50は、複数の光源としてのLED素子52を備えている。本実施形態では、Y軸方向にLED素子52が密に配列されている。そして、各LED素子52に対応する駆動信号に基づいて各LED素子52から紫外線が照射される。
【0033】
ここで、ノズル孔31とLED素子52との配置について説明する。各LED素子52a〜52dのY軸方向における幅寸法に対応するように、配列された複数のノズル孔31から構成されるノズル孔群が構成される。本実施形態では、各LED素子52a〜52dに対応して各ノズル孔群31a〜31dが構成される。本実施形態では、図3に示すように、ノズル孔群31aとLED素子52aとが対応し、ノズル孔群31bとLED素子52bとが対応し、ノズル孔群31cとLED素子52cとが対応し、ノズル孔群31dとLED素子52dとが対応する。上記のノズル孔群31a〜31dとLED素子52a〜52dとの対応の関係データが、メモリー部等に記憶される。
【0034】
次に、液滴吐出装置の制御部の構成について説明する。図4は、液滴吐出装置の制御部の構成を示すブロック図である。図4に示すように、液滴吐出装置1は、上記の各構成部等の動作を制御する制御部111を有している。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)113と、駆動制御部115と、メモリー部117と、を有している。駆動制御部115及びメモリー部117は、バス119を介してCPU113に接続されている。また、液滴吐出装置1は、キャリッジ駆動モーター121と、入力装置129と、表示装置131と、を有している。キャリッジ駆動モーター121は、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。また、入力装置129及び表示装置131も、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0035】
キャリッジ駆動モーター121は、キャリッジ12をスキャン駆動するための動力を発生させる。入力装置129は、各種の設定条件を入力する装置である。表示装置131は、設定条件や、印刷状況等を表示する装置である。液滴吐出装置1を操作するオペレーターは、表示装置131に表示される情報を確認しながら、入力装置129を介して種々の情報を入力することができる。なお、吐出ヘッド14、紫外線照射ユニット50、エンコーダー検出器68も、それぞれ、入出力インターフェイス133とバス119とを介して制御部111に接続されている。
【0036】
CPU113は、プロセッサーとして各種の演算処理を行う。駆動制御部115は、各構成の駆動を制御する。メモリー部117は、RAM(Random Access Memory)や、ROM(Read Only Memory)などを含んでいる。メモリー部117には、液滴吐出装置1における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト135を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部137などが設定されている。データ展開部137に展開されるデータとしては、例えば、記録媒体7に対して描画すべきパターンが示される描画データや、描画処理等のプログラムデータなどが挙げられる。駆動制御部115は、モーター制御部141と、ヘッド制御部145と、照射制御部147と、表示制御部151と、を有している。
【0037】
モーター制御部141は、CPU113からの指令に基づいて、キャリッジ駆動モーター121の駆動を制御する。ヘッド制御部145は、CPU113からの指令に基づいて、吐出ヘッド14の駆動を制御する。照射制御部147は、CPU113からの指令に基づいて、紫外線照射ユニット50における光源の発光状態を制御する。表示制御部151は、CPU113からの指令に基づいて、表示装置131の駆動を制御する。
【0038】
次に、ヘッド制御部145の構成について詳細に説明する。図5は、ヘッド制御部の構成を示すブロック図である。図5に示すように、吐出タイミング信号生成部171と、ヘッド駆動制御部173と、ヘッド駆動回路175と、遅延調整部177と、照射制御部179と、UV光源駆動回路181を有している。吐出タイミング信号生成部171は、吐出タイミング信号TSを出力する。吐出タイミング信号TSには、液滴の吐出を許可するタイミングで、パルス状の吐出タイミングパルスが出現する。液滴の吐出とUVの照射は、吐出タイミングパルスの立ち上がりに基づいて許可される。つまり、本実施形態では、CPU113が吐出ヘッド14に対して印刷の実行を指示している間において、吐出タイミングパルスの立ち上がりごとに、吐出ヘッド14での液滴の吐出と紫外線の照射が許可される。
【0039】
キャリッジ12をX軸方向に駆動すると、エンコーダー信号EPには、所定の移動量ごとに、エンコーダー検出器68の検出に対応した検出パルスが出現する。吐出タイミング信号生成部171には、エンコーダー信号EPが入力される。
【0040】
吐出タイミング信号生成部171は、エンコーダー信号EPにおけるパルス間隔を描画分解能に基づいて分割されたパルス間隔で、吐出タイミングパルスを出力する。吐出タイミング信号TSは、ヘッド駆動制御部173と遅延調整部177に入力される。
【0041】
ヘッド駆動制御部173には、吐出タイミング信号TSと、印刷指令信号ISと、が入力される。印刷指令信号ISは、CPU113から出力される信号であり、吐出ヘッド14に対して印刷を実行させるか否かを指示する情報を示す。ヘッド駆動制御部173は、印刷指令信号ISが吐出ヘッド14に対して印刷の実行を指示するものである(以下、オン状態と呼ぶ)ときに、吐出タイミング信号TSをヘッド駆動回路175に出力する。ヘッド駆動回路175は、入力された吐出タイミング信号TSに基づいて、吐出ヘッド14を駆動して、ノズル孔31から液滴を吐出させる。このとき、吐出ヘッド14は、ビットマップ状の印刷データに基づいて、複数のノズル孔31から選択的に、吐出タイミングパルスの立ち上がり(又は、立ち下り)ごとに液滴を吐出させる。
【0042】
遅延調整部177は、吐出タイミング信号TSを遅延させ、照射タイミング信号LSを出力する。照射制御部179には、照射タイミング信号LSと、印刷指令信号ISと、が入力される。印刷指令信号ISは、CPU113から出力される信号であり、紫外線照射ユニット50に対して照射を実行させるか否かを指示する情報を示す。照射制御部179は、印刷指令信号ISが紫外線照射ユニット50に対してUV照射の実行を支持するものである(以下、オン状態と呼ぶ)ときに、照射タイミング信号LSをUV光源駆動回路181に出力する。UV光源駆動回路181は、入力された照射タイミング信号LSに基づいて、LED素子52を駆動して、記録媒体7に対し紫外線を照射する。このとき、各LED素子52a〜52dはビットマップ状の印刷データに基づいて、液滴が吐出されるノズル孔31が属するノズル孔群31a〜31dに対応するLED素子52a〜52dが選択され、照射タイミングの立ち上がり(又は、立下り)ごとに紫外線を照射する。このようにして、記録媒体7上に描画(印刷)される。
【0043】
次に、液滴吐出装置の動作方法について説明する。図6は、液滴吐出装置の制御方法を示す模式図である。
【0044】
まず、図6(a)に示すように、キャリッジ12をX軸方向へ移動させると、エンコーダー検出器68により吐出タイミング信号TSが生成される。そして、記録媒体7に向けて吐出ヘッド14のノズル孔31から液滴36を吐出させる。なお、この時点では、紫外線照射ユニット50は駆動させていない。
【0045】
次いで、図6(b)に示すように、吐出された液滴36が記録媒体7の表面に着弾し、液滴ドット36’を形成する。
【0046】
次いで、図6(c)に示すように、継続してキャリッジ12がX軸方向へ移動し、液滴36が吐出されてから所定時間が経過した後、吐出タイミング信号TSより遅延された照射タイミング信号LSに従い、紫外線照射ユニットから紫外線100が照射される。そして、液滴ドット36’は、紫外線100の照射により硬化し、ドットDが形成される。なお、ビットマップ状の印刷データに基づいて吐出されたノズル孔31が属するノズル孔群31a〜31dの配置に対応するいずれかのLED素子52a〜52dが選択され、紫外線が照射される。
【0047】
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0048】
(1)液滴36が吐出されたノズル孔31に対応するLED素子52a〜52dを駆動させるので、電力消費量を抑制することができる。
【0049】
(2)遅延調整部177により吐出タイミング信号TSに対する照射タイミングLSを細かく調整できるため、液滴36が記録媒体7に着弾された後に硬化を開始することができ、記録媒体7に対する液滴36の密着性を向上させることができる。
【0050】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態の種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0051】
(変形例1)上記実施形態では、エンコーダー信号EPを得るためにエンコーダースケール70をエンコーダー検出器68で検出したが、これに限定されない。キャリッジ12のX軸方向の移動速度が描画範囲で一定の場合、ヘッド制御部145内部にタイマーカウンターを設けて、一定間隔ごとにパルス状信号を生成し、エンコーダー信号EPとしてもよい。このようにしても、上記同様の効果を得る。
【0052】
(変形例2)上記実施形態では、ヘッド制御部145に遅延調整部177を備えたが、これを省略してもよい。ビットマップ状の印刷データに基づいて、インクが吐出されるノズルの位置に対応する複数のLED素子52を駆動させればよい。このようしても、余分な電力の消費を抑えることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…液滴吐出装置、7…記録媒体、12…キャリッジ、14…吐出ヘッド、31…ノズル孔、31a〜31d…ノズル孔群、36…液滴、40…ヘッドユニット、50…紫外線照射ユニット、50a…第1紫外線照射ユニット、50b…第2紫外線照射ユニット、52,52a〜52d…LED素子、68…エンコーダー検出器、70…エンコーダースケール、100…紫外線、111…制御部、145…ヘッド制御部、177…遅延調整部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線の照射によって硬化するインクをノズルから吐出する吐出ヘッドと、
前記インクに前記紫外線を照射する複数の光源を有する紫外線照射ユニットと、
前記インクが吐出される吐出タイミングに基づいて、前記紫外線を照射させる制御部と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出装置において、
前記制御部では、
前記吐出タイミングに基づいて、前記インクが吐出される前記ノズルの位置と対応する前記光源から前記紫外線を照射させることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液滴吐出装置において、
前記制御部では、
前記吐出タイミングに基づいて、前記光源を照射するタイミングを調整することを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−10069(P2013−10069A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143839(P2011−143839)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】