説明

液漏れ検出方法及び液漏れ検出システム

【課題】工事やメンテナンスが比較的簡単であり、液漏れを早期に検出できて信頼性が高い液漏れ検出方法、液漏れ検出システムを提供する。
【解決手段】配管接続部にパッシブ型ICタグ13を配置し、その周囲に多孔質シート16を配置する。また多孔質シート16の周囲に水溶性導電性高分子からなる電磁遮蔽膜15と樹脂フィルム17とを配置し、ICタグ13とICタグリーダとの間の通信を遮断する。液漏れが発生すると、漏えいした液体が多孔質シート16を拡散して電磁遮蔽シート15と接触し、電磁遮蔽シート15は液体中に溶解して消滅する。これにより、ICタグ13とICタグリーダとの間が通信可能となり、液漏れの発生が検出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液漏れを検出する液漏れ検出方法及び液漏れ検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子計算機には、稼働により発生する熱を除去するために冷却機構が設けられている。また、切断や切削などの加工を行う工作機械にも、冷却機構を必要とするものがある。一般的な冷却機構には大別して空冷式と液冷式がある。液冷式冷却機構には冷却効率が高いという利点があり、多量の熱が発生する装置の冷却に使用されている。
【0003】
液冷式冷却機構では、例えば冷却液を熱源の近傍と放熱器との間に循環させて熱源で発生した熱を放熱器に移送し、放熱器から外部に熱を放散している。この場合、冷却液が通る配管(ホース及び継手等を含む;以下、同じ)から液が漏れてしまうと、装置の温度が上昇して正常な稼働ができなくなり、極端な場合には装置が故障することもある。また、漏れた液により電気系統がショートするおそれもある。このため、液漏れを早期に検出して何らかの対策を施すことが必要となる。
【0004】
液漏れを検出する方法として、配管の周囲に吸湿剤と湿度センサとを配置することが提案されている。また、配管に電波を発信するICチップを取り付け、漏えいした水との接触によってICチップの発信機能が停止又は阻害されることを利用して液漏れを検出することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−185717号公報
【特許文献2】特開2000−164390号公報
【特許文献3】特開2006−258684号公報
【特許文献4】特開2007−163255号公報
【特許文献5】特開2007−218839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、湿度センサを用いて液漏れを検出する方法では、液漏れ監視箇所が多い場合に各監視箇所にそれぞれ湿度センサを取りつける必要があり、配線工事やメンテナンスが煩雑になるという問題がある。一方、漏えいした水との接触によりICチップの発信機能が停止又は阻害されることを利用して液漏れを検出する方法では、ICチップの取り付け方法などにもよるが、液漏れが発生してからICチップの発信機能が確実に停止する又は阻害されるまでに時間がかかるという不確定な問題がある。
【0007】
以上から、工事やメンテナンスが比較的簡単であり、液漏れを早期に検出できて信頼性が高い液漏れ検出方法及び液漏れ検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一観点によれば、液体が通る配管の周囲にICタグと前記配管から漏えいした前記液体を吸収して拡散する多孔質シートとを配置し、前記多孔質シートと接する部分に前記液体と接することで消失する導電体膜を前記ICタグの周囲を囲むように配置し、前記導電体膜を挟んで前記ICタグの反対側にICタグリーダのアンテナを配置して、前記ICタグリーダにより前記ICタグから出力される電磁波の有無を検出して液体の漏れの有無を判定する液漏れ検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
上記一観点によれば、配管の周囲にICタグと多孔質シートとを配置し、この多孔質シートと接する部分(例えば多孔質シートの周囲又はICタグの表面等)に、ICタグを囲むようにして、液に溶解しやすい導電体膜を配置する。液漏れのない状態では、導電体膜により電磁波が遮蔽され、ICタグとICタグリーダとの間の通信はできない。しかし、液漏れが発生すると多孔質シートが液を吸収して拡散し、液が導電体膜と接触する。これにより、導電体膜が液に溶解して消失し、ICタグとICタグリーダとの間の通信が可能になる。従って、ICタグとICタグリーダとの間の通信が不可能であるなら液漏れがなく、ICタグとICタグリーダとの間の通信が可能であるなら液漏れが発生していると判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、熱源を有する装置(例えば、電子計算機)の筺体側面に冷却水が通るホースアセンブリを取り付けた状態を示す側面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る液漏れ検出方法を示す断面図であり、図1に示すホースアセンブリの先端部を紙面に平行な面で切断した断面を示している。
【図3】図3は、図1のI−I線による断面図である。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る液漏れ検出方法を示す図であり、熱源を有する装置の筺体側面の冷却水ホースアセンブリ取り付け部を示している。
【図5】図5は、一対の防湿フィルムにラミネートされたICタグを示す模式図である。
【図6】図6は、ICタグの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、ICタグリーダの構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、液漏れ検出時の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、配管から漏れた液によって電磁遮蔽膜が溶解して消失した状態を示す模式図である。
【図10】図10は、第2の実施形態に係る液漏れ検出方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
第1の実施形態では、ホースアセンブリの先端の継手金具部分の液漏れを検出する場合について説明する。図1〜図4は第1の実施形態に係る液漏れ検出方法を示す図である。図1は熱源を有する装置(例えば、電子計算機)の筺体側面に冷却水が通るホースアセンブリを取り付けた状態を示す側面図である。また、図2は図1に示すホースアセンブリの先端部を紙面に平行な面で切断した断面図であり、図3は図1のI−I線による断面図である。更に、図4は熱源を有する装置の筺体側面の冷却水ホースアセンブリ取り付け部を示す図である。
【0013】
図2に示すように、ホースアセンブリ10は、フレキシブル性を有する樹脂又はゴム製のホース11の端部に継ぎ手金具12を接続して形成されている。ホース11は、継ぎ手金具12の溝部12aに挿入され、この溝部12aをかしめることで継ぎ手金具12に固定されている。また、継ぎ手金具12の先端部の周面には雄ねじ12bが形成されている。
【0014】
図2、図3に示すように、ホース11と継ぎ手金具12との接続部(以下、単に「接続部」ともいう)の上にはパッシブ型(無電源型)ICタグ(RFID)13が取り付けられている。ICタグ13は、図5に示すように、一対の防湿フィルム18に挟まれて積層されており、これらの防湿フィルム18で水分から保護されるため、漏水が発生しても機能が損なわれることはない。防湿フィルム18としては、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)又はPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルムを使用することができる。ICタグ13の詳細は後述する。
【0015】
ICタグ13及び接続部の周囲には、例えば織布又は不織布よりなる多孔質シート16が巻き付けられている。なお、多孔質シート16に樹脂の低密度焼結体又は樹脂の発泡体等を用いてもよい。多孔質シート16は、水分を吸収するとともに、毛細管現象により吸収した水分を速やかに多孔質シート16の全体に行き渡らせることができる。
【0016】
多孔質シート16の周囲には、例えば厚さが100μm程度のPET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂フィルムよりなるケース17が配置されている。このケース17は、接続部から液漏れが発生した場合に外部への液漏れを防ぐとともに、外部からの水分の侵入を阻止して結露などによる液漏れの誤検出を防ぐ。
【0017】
ケース17の内周面(多孔質シート16と接する面)上には、例えば厚さが10μm程度の水溶性導電性高分子膜からなる電磁遮蔽膜(導電体膜)15が形成されている。この電磁遮蔽膜15は、後述するICタグリーダ40からの電磁波を遮断するものである。電磁遮蔽膜15は、液漏れが発生すると多孔質シート16中の水に溶解して消失し、電磁波遮蔽能力を失う。電磁遮蔽膜15に用いられる水溶性導電性高分子としては、例えば、三菱レイヨン株式会社製アクアパス(登録商標)、バイエル社製バイトロン(登録商標)、昭和電工株式会社製エスペイサー(登録商標)等を用いることができる。これらの他、水溶性を有し、且つ十分な導電性を有することで電磁波遮蔽能力を有する材料であれば電磁遮蔽膜15に用いることができし、これを乾燥させることで形成できる。
【0018】
多孔質シート16の端部には、吸湿膨張材シート(液体吸収材)14が配置されている。吸湿膨張材シート14は、水分を吸収すると膨張する樹脂を含み、配管から液漏れが発生した場合に水を吸収して膨張することで、ケース17と配管との間の隙間を閉塞して外部への液漏れを防ぐ。水分を吸収すると膨張する樹脂には、ポリアクリル酸系樹脂、ポバール系樹脂、ポリオキシエチレン系樹脂及びセルロース系樹脂などがある。例えば、三洋化成工業株式会社製のアクアパール、サンフレッシュ、サンウエット(いずれも登録商標)、株式会社日本触媒製のアクアリックCA(登録商標)、住友精化株式会社製のアクアキープ、アクアコーク(いずれも登録商標)、帝人ファイバー株式会社製のベルオアシス(登録商標)等を用いることができる。また、同様な機能を有する樹脂材料として、内部分子構造に吸湿機能を与えるカルボン酸基又はスルホン酸基等を有するポリウレタン樹脂の発泡フォーム等を用いてもよい。この場合には、ポリウレタンフォームの最表層に樹脂密度の高いスキン層を設けることで止水機能を高めることができる。
【0019】
一方、図1に示すように、熱源を有する装置20の筺体側面には冷却水ホースアセンブリ取り付け口21が設けられている。この冷却水ホースアセンブリ取り付け口21の内面には雌ねじが形成されており、継ぎ手金具12の先端部を冷却水ホース取り付け口21にねじ込んで、ホースアセンブリ10を冷却水ホースアセンブリ取り付け口21に接続する。ここでは、図4に示すように、装置20は2系統の冷却水配管、すなわち2つの冷却水供給配管(IN)と2つの冷却水戻り配管(OUT)とを有するものとする。
【0020】
また、図1、図4に示すように、装置20の筺体側面の冷却水ホースアセンブリ取り付け口21の近傍には、ICタグリーダ40のアンテナ41が配置されている。図1中の符号22で示す部材はアンテナ41を装置20に固定するための固定具であり、この固定具22はプラスチックなどの絶縁材料により形成されている。
【0021】
なお、本実施形態では、図4に示すようにICタグリーダ40のアンテナ41が4つの冷却水ホースアセンブリ接続部の近傍を通るように配置されている。これにより、これら4つの冷却水ホースアセンブリ接続部の液漏れを1つのICタグリーダ40で検出するようになっている。
【0022】
図6はICタグ13の構成を示すブロック図であり、図7はICタグリーダ40の構成を示すブロック図である。
【0023】
ICタグ13は、図6に示すように、アンテナ31、整流器32、復調器33、変調器34、メモリ35及び制御部36を有している。アンテナ31に到達した電磁波は、アンテナ31自身のインダクタンスとそのインダクタンスに並列に接続されたコンデンサ(図示せず)とにより交流電流に変換されて整流器32に入力される。整流器32は、入力された交流電流を所定の電圧の直流電流に変換し、これを駆動電流として出力する。この駆動電流により、復調器33、変調器34及び制御部36が動作する。
【0024】
メモリ35には、そのICタグ13に固有のIDコード(識別コード)が記録されている。復調器33は、アンテナ31を介して受信した信号を復調して制御部36に出力する。制御部36は、復調器33を介してICタグリーダ40からIDコードの読み出し命令を受信すると、メモリ35からIDコードを読み出して変調器34に出力する。変調器34は、制御部36を介して伝達されたIDコードをキャリア波に重畳して変調し、アンテナ31から電磁波として出力する。
【0025】
一方、ICタグリーダ40は、図7に示すように、アンテナ41、送信器42、受信器43及び制御部45を有している。このICタグリーダ40は、図4に示すように主制御部50に接続されている。制御部45は、主制御部50からの信号に基づき、IDコードの読み出し命令を発行して送信器42に出力する。送信器42は、制御部45から入力したIDコード読み出し命令をキャリア波に重畳して変調し、アンテナ41から電磁波として出力する。
【0026】
受信器43は、ICタグ13から送信された電磁波をアンテナ41で受信すると、受信した電磁波からIDコードを抽出し、制御部45に出力する。制御部45は、受信器43から取得したIDコードを主制御部50(図4参照)に転送する。
【0027】
本実施形態では、ICタグ13とICタグリーダ40との間の通信に13.56MHz帯の電磁波を使用する。この周波数帯の電磁波は、例えば厚さが10μm程度の水溶性導電性高分子膜(電磁遮蔽膜15)によって20〜40dB程度減衰させることができる一方、水分による減衰は比較的少ないという性質を有する。なお、本実施形態において、ICタグ13とICタグリーダ40との間の最大通信距離は1.0〜1.5m程度である。
【0028】
図8は、液漏れ検出時の動作を示すフローチャートである。図9は、配管から漏れた液によって電磁遮蔽膜が溶解して消失した状態を示す模式図である。
【0029】
まず、ステップS11において、主制御部50は、例えば一定の時間毎にICカードリーダ40に液漏れ検査要求信号を出力する。ICカードリーダ40の制御部45は、主制御部からの液漏れ検査要求信号を受信すると、ステップS12において、IDコード読み出し命令を発行する。これにより、ICタグリーダ40の送信器42は、ICコード読み出し命令をキャリア波に重畳し、アンテナ41から電磁波として出力する。
【0030】
その後、ステップS13に移行し、ICカードリーダ40の制御部45はIDコードの受信の有無を判定する。ホース11と継ぎ手金具12との接続部に液漏れがない場合、ICカードリーダ40から出力された電磁波は接続部の周囲に配置された電磁遮蔽膜15によって減衰されてICタグ13に届く。このため、ICタグ13は動作せず、ICカードリーダ40にはIDコードが伝達されない。この場合、ステップS13からステップS11に戻る。
【0031】
一方、液漏れが発生した場合には、図9に示すように、漏れた液が多孔質シート16を伝わって電磁遮蔽膜15に接触する。これにより、電磁遮蔽膜15が水に溶解して消失し、ICカードリーダ40からの電磁波がほとんど減衰されずにICタグ13に届くようになる。なお、電磁遮蔽膜15は完全に消失しなくてもよく、電磁遮蔽膜15の一部が消失してICカードリーダ40からICタグ13に電磁波が届くようになればよい。
【0032】
ICタグ13に十分な強度の電磁波が届くと、整流器32からICタグ13内の各部の動作に必要な電力が供給され、制御部36、復調器33、変調器34及びメモリ35が動作を開始する。そして、制御部36はICタグリーダ40から送られてきたIDコード読み出し命令に従ってメモリ35からIDコードを読み出し、変調器34及びアンテナ31を介してIDコードをICタグリーダ40に送信する。
【0033】
ICタグリーダ40の制御部45は、ステップS13においてIDコードを受信すると、ステップS14に移行し、主制御部50にIDコードを出力する。主制御部50は、ICタグリーダ40からIDコードを受信すると、ステップS15に移行し、IDコードを解析して液漏れが発生した箇所を特定する。そして、ステップS16に移行し、あらかじめ設定されたプログラムに従って警報を発生する。また、主制御部40は、装置20への冷却水の供給を停止するとともに、装置20の稼働を停止する。
【0034】
本実施形態においては、液漏れセンサとしてパッシブ型(無電源型)ICタグ13を使用するので、センサが極めて小型であり、センサへの電気配線も不要である。しかも、本実施形態においては、複数の液漏れセンサ(ICタグ13)を1台のICタグリーダ40で管理することができる。したがって、センサの設置及びメンテナンスが容易である。
【0035】
また、本実施形態では、ICタグ13毎に固有のIDコードが付与されており、液漏れのときにはICタグ13からICタグリーダ40を介して主制御部50にIDコードを伝達するので、主制御部50では液漏れが発生した箇所を容易に特定することができる。
【0036】
本実施形態では、多孔質シート16が液を吸収して拡散し、それにより電磁遮蔽膜15が溶解して消失することを利用して液漏れを検出するので、液漏れを迅速かつ高感度で検出することができ、液漏れによる装置の損傷を防止することができる。
【0037】
また、接続部から液漏れが発生した場合であっても、多孔質シート16の端部側に配置された吸湿膨張材シート14によって冷却水が吸収される。さらに吸湿膨張材シート14の膨張により配管とケース17との隙間が塞がれるので、外部への液の流出を防止することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図10は第2の実施形態に係る液漏れ検査方法を示す図である。本実施形態は、電磁遮蔽膜15がICタグ13の表面を覆うように形成されている点で第1の実施形態と異なる。その他の構成は基本的に第1の実施形態と同様であるので、重複する部分の説明は省略する。なお、図10において、図3と同一物には同一の符号を付している。
【0039】
本実施形態では、ホース11と継ぎ手金具12との接続部に電磁遮蔽膜15で被覆されたICタグ13が取り付けられている。さらにICタグ13及び接続部の周囲に多孔質シート16が巻きつけられている。多孔質シート16の周囲には樹脂フィルムよりなるケース17が巻き付けられている。
【0040】
本実施形態は、配管から液漏れが生じると、漏えいした液が多孔質シート16によって吸収され拡散される。ICタグ13の表面上の電磁遮蔽膜15は、多孔質シート16に吸収された液と接触することで溶解して消失する。これにより、ICタグ13とICタグリーダ40との通信が可能となり、液漏れを検出することができる。
【0041】
(その他の実施形態)
上述した第1及び第2の実施形態では、いずれも熱源を有する装置の冷却に用いる冷却水の配管からの液漏れを検出する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態で説明した構造を酸又はアルカリ等の薬液、若しくは有機溶媒を移送する配管の液漏れに適用することができる。
【0042】
例えば、有機溶媒を移送する配管の液漏れに適用する場合には、電磁遮蔽膜15を有機溶媒に対する溶解性の大きな導電性高分子材料膜とすることができる。この場合には、液漏れした有機溶媒に電磁遮蔽膜15が接触することで、電磁遮蔽膜15が有機溶媒に溶解して消失するため、ICタグリーダ40から送信された信号がICタグ13に確実に届くようになる。
【0043】
また、例えば酸やアルカリを移送する配管の液漏れに適用する場合には、電磁遮蔽膜15を酸又はアルカリと反応することで導電性を失う材料としてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…ホースアセンブリ、11…ホース、12…継ぎ手金具、13…ICタグ(RFID)、14…吸湿膨張材シート、15…電磁遮蔽膜、16…多孔質シート、17…ケース、18…防湿フィルム、20…熱源を有する装置、21…冷却水ホースアセンブリ取り付け口、22…固定具、31…アンテナ、32…整流器、33…復調器、34…変調器、35…メモリ、36…制御部、40…ICタグリーダ、41…アンテナ、42…送信器、43…受信器、45…制御部、50…主制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が通る配管の周囲にICタグと前記配管から漏えいした前記液体を吸収して拡散する多孔質シートとを配置し、
前記多孔質シートと接する部分に前記液体と接することで消失する導電体膜を前記ICタグの周囲を囲むように配置し、
前記導電体膜を挟んで前記ICタグの反対側にICタグリーダのアンテナを配置して、
前記ICタグリーダにより前記ICタグから出力される電磁波の有無を検出して液体の漏れの有無を判定することを特徴とする液漏れ検出方法。
【請求項2】
さらに、前記多孔質シートを覆うケースを有し、前記導電体膜は前記ケース上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液漏れ検出方法。
【請求項3】
前記導電体膜は前記ICタグの表面上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液漏れ検出方法。
【請求項4】
前記導電体膜は水溶性導電性高分子材料からなることを特徴とする請求項1に記載の液漏れ検出方法。
【請求項5】
配管の周囲に配置されたICタグと、
前記ICタグが配置された部分の前記配管の周囲に配置され、前記配管内を流れる液体を吸収して拡散する多孔質シートと、
前記多孔質シートと接する部分に前記ICタグの周囲を囲むように配置され、前記液体と接することで消失する導電体膜と、
前記導電体膜を挟んで前記ICタグの反対側に配置されたアンテナを有するICタグリーダと、
前記ICタグリーダに接続された主制御部とを有し、
前記主制御部は、前記ICタグリーダと前記ICタグとの間の通信状態に応じて前記配管からの液漏れの有無を判定することを特徴とする液漏れ検出システム。
【請求項6】
前記主制御部は、前記ICタグリーダを介して前記ICタグにIDコードを要求し、
前記ICタグから送られてきた前記IDコードにより液漏れ箇所を特定することを特徴とする請求項5に記載の液漏れ検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−216923(P2010−216923A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62626(P2009−62626)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】