説明

液状の細胞試料からアリコートを得る方法及びその装置

【課題】
【解決手段】試料バイアル及び試料バイアルを処理する方法が提供されている。試料バイアルは、バイアル容器と、バイアル容器内の試料収集チャンバと、収集チャンバを封入するためにバイアル容器に合致するように構成されたバイアル蓋と、バイアル蓋又はバイアルチャンバ具えられるアリコートチャンバと、収集チャンバに対してアリコートチャンバを選択的に密閉及び開封するバルブ機構とを具える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞試料の調整に関するものであり、特に、液状のパパニコロー(「Pap」)染色塗抹標本などの細胞試料からアリコートを得るための方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベースのPap染色塗抹標本が行われ、スライドの顕微鏡分析に基づいて、標本は正常か異常のいずれかに分類される。異常試料は、子宮頸/膣細胞診断報告(Reporting Cervical/Vaginal Cytologic Diagnosis)によるベセスダシステム(Bethesda System)よって規定される主要カテゴリーの一つに分類され、このカテゴリーには、低度扁平上皮内病変(LSIL)、高度扁平上皮内病変(HSIL)、扁平上皮細胞癌、腺癌、意義不明異型腺細胞(AGUS)、上皮内腺癌(AIS)、及び異型扁平上皮細胞(ASC)が含まれ、さらに、下位の異型扁平上皮細胞に分類できて、HSIL(ASC−H)及び意義不明異型扁平上皮細胞(ASC−US)を除外してはならない。
【0003】
2000年から、Pap染色塗抹標本がASC−USとして分類された患者がHPVを有するかどうかを決定するためDigene Corporationによって製造されるハイブリッドキャプチャーII HPV DNA分析と呼ばれる特定のヒト乳頭腫ウイルス(HPV)デオキシ核酸(DNA)試験が行われてきた。HPVと子宮頸癌の相関関係が強いことに基づき、Pap染色塗抹標本によってASC−USであると分類された患者に対する重症度判定検査としてHPV DNA試験を行うことが推奨される。
【0004】
液状のPap染色塗抹標本を行った場合に、Pap染色塗抹標本分析に使用した試料と同じ試料を「反射的」HPV DNA試験に便利に利用できることによって、繰り返し病院を訪問したりPap染色塗抹標本を必要としない。この場合、スライドがASC−US陽性である場合には、流体試料のアリコート(例えば、4mL)が貯蔵バイアルから抽出され、HPV DNA試験のために分子診断研究所へ送られる。
【0005】
特に、HPV DNA試験を行う研究所は、分子汚染という分子診断研究所でよく知られる問題にうんざりしている。従って、分子診断研究所は、二次汚染の危険性のために誤ったHPV陽性が不必要に発生する可能性があることから、処理済の液状のPap染色塗抹標本から得られるアリコートを引き受けなくてもよい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によると、機械的アームと、アクチュエータとを具える器具が提供される。機械的アームは、バイアルを投入位置から得て、これをアクチュエータへ移動させるように構成されている。アクチュエータは、アリコートチャンバを密閉せずに、バイアルの収集チャンバ内に収容された流体の一部でアリコートチャンバを満たし、次いで、アリコートチャンバを密閉するように構成されている。次に、機械的アームはバイアルを排出位置へ移動させる。
【0007】
本発明の別の実施例によると、液状の子宮頸・膣試料を収容する収集チャンバと、アリコートチャンバとを具えるバイアルを処理する方法が提供される。この方法は、収集チャンバ内の試料が外部環境から分離されている間に、試料のアリコートを収集チャンバからアリコートチャンバへ流すステップを具える。一つの方法は、収集チャンバに対してアリコートチャンバを開封するステップを具え、この時に、試料アリコートは、収集チャンバに対して密閉されていないアリコートチャンバへ流れる。
【0008】
この方法は、さらに、収集チャンバの残存試料部分からアリコート試料を分離するために収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉するステップと、アリコートチャンバが収集チャンバに対して密閉されている間に、残存試料部分の少なくとも一部を収集チャンバから顕微鏡スライドへ移すステップとを具える。バイアルは、収集チャンバ及びバイアル容器に合致するバイアル蓋を具える(選択的に、アリコートチャンバを具えてもよい)バイアル容器を具えてもよく、この場合に、この方法はさらに、収集チャンバ内の残存試料部分を露出するために、バイアル容器とバイアル蓋を合致させないステップを具える。バイアル蓋を取り外すことで、収集チャンバ内の残存試料部分を分子レベルでHPV汚染物質にさらしてしまう。例えば、残存試料部分の一部が収集チャンバからスライドへ自動的に移される場合、スライドへ自動的に移されるときに、この残存試料部分はHPV汚染物質にさらされてしまう。しかしながら、アリコート試料は、アリコートチャンバ内で収集チャンバから分離されているので、アリコート試料が収集チャンバへ入るHPV汚染物質にさらされることはない。
【0009】
この方法は、さらに、子宮頸癌の前駆細胞試料を細胞スクリーニングするために、スライドを保存するステップと、試料中のヒト乳頭腫ウイルス(HPV)リスクが高いかどうかを決定するデオキシ核酸(DNA)試験のために、アリコート試料を保存するステップとを具える。この方法は、選択的に、試料を子宮頸癌の前駆細胞を細胞スクリーンするためにスライドを観察するステップと、アリコート試料で試料中のHPVリスクが高いかどうかを決定するためにDNA試験するステップとを具える。一の方法では、例えば、意義不明異型扁平上皮細胞(ASC−US)結果などの細胞スクリーニングで異常とされた結果に対してのみ、DNA試験が行われる。
【0010】
本発明の別の実施例によると、液状の試料(例えば、子宮頸・膣試料)を収容する収集チャンバと、アリコートチャンバとを具えるバイアルを処理する方法が提供される。この方法は、上記と同様の方法で、収集チャンバに対してアリコートチャンバを開封するステップと、試料のアリコートを収集チャンバからアリコートチャンバ内へ流すステップと、収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉するステップとを具える。この方法は、さらに、アリコートチャンバが収集チャンバに対して密閉されている間に、残存試料部分の少なくとも一部を収集チャンバから取り除くステップを具える。選択的に、残存試料部分の少なくとも一部は、顕微鏡スライドへ移される。
【0011】
特に、残存試料の一部を収集チャンバから取り除く際に、残存試料部分が、他の試料による何らかの二次汚染にされられる場合でも、分離されているアリコート試料は収集チャンバに入った二次汚染にさらされることがない。そして、細胞検査及びDNA試験を上述の方法でそれぞれ取り出した試料及びアリコート試料に行うことができる。
【0012】
さらに、本発明の別の実施例によると、試料バイアルが提供される、試料バイアルは、バイアル容器と、バイアル容器内の試料収集チャンバとを具える。試料バイアルは、収集チャンバ内に液状の試料(例えば、子宮頸・膣試料)を収容することができる。試料バイアルは、さらに、アリコートチャンバと、収集チャンバを封入するためにバイアル容器に合致するように構成されたバイアル蓋とを具える。バイアルは、任意に、選択的にアリコートチャンバへの直接アクセスを提供するように構成された密封された口を具えてもよい。アリコートチャンバは収集チャンバと接触してもよく、代替的な実施例では、アリコートチャンバは、中間路を介して収集チャンバに連結されてもよい。バイアルはさらに、収集チャンバに対してアリコートチャンバを選択的に密閉及び開封するバルブ機構を具える。収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉及び開封することによって、試料のアリコートを収集チャンバからアリコートチャンバ内へ流し、収集チャンバの残存試料部分を分離することができる。一実施例では、バイアル蓋は、アリコートチャンバとバルブ機構とを具える。別の実施例では、バイアル容器がアリコートチャンバとバルブ機構とを具える。
【0013】
一実施例では、バルブ機構は、アリコートチャンバと収集チャンバの間の流体接続を防ぐためにアリコートチャンバ内に選択的に設置されるか、アリコートチャンバと収集チャンバの間を流体接続させるようアリコートチャンバから外されるように構成されたバルブを具える。別の実施例では、バルブ機構は、アリコートチャンバと収集チャンバの間の流体接続を防ぐために、アリコートチャンバと収集チャンバの間の中間面で、選択的に設置されるか、アリコートチャンバと収集チャンバの間を流体接続するように中間面から外されるように構成されたバルブを具える。
【0014】
どちらの場合も、バルブ機構は、バルブを使用して収集チャンバに対してアリコートチャンバを選択的に密閉及び開封するように外部で操作するアクチュエータを具える。たとえば、アクチュエータは、アリコートチャンバに対してバルブを操作可能に動かすために回転運動する(例えば、アクチュエータは、収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉するために一方向に回転し、収集チャンバに対してアリコートチャンバを開封するように他方へ回転することができる)、又は、アリコートチャンバに対してバルブを操作可能に動かすために軸方向運動する(例えば、アクチュエータは、収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉するために上方へ引っ張られ、収集チャンバに対してアリコートチャンバを開封するように下方へ押される)ように構成されてもよい。後者の場合は、ばねをアクチュエータに連結して、アクチュエータを上方へ引っ張る必要なくバルブを駆動し、収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉するようにしてもよい。
【0015】
図面は、本発明の設計及び使用を示しており、同じ構成部品は、共通の参照数字で示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1を参照すると、本発明の一実施例に従って構成された試料バイアル10が記載されている。バイアル10は、診療所で患者から採取された子宮頸・膣試料などの液状の試料を収容するために用いられる。液状の試料は、一般に、水溶性の保存液体で懸濁された細胞物質を含む。
【0017】
目的を達成するために、バイアル10は、中空バイアル容器12と、バイアル容器12内に収容された試料を封入するためにバイアル容器12上に配置できるバイアル蓋14とを具える。示すように、バイアル容器12及びバイアル蓋14は、一般に、円筒形である。バイアル容器12及びバイアル蓋14の大きさは、選択的に変えられるが、目的の診断試験を行うために必要な最小量の試料を十分に収容することができる大きさであることが好ましい。記載の実施例では、バイアル容器12は、Cytyc社のThinPrep(登録商標)2000又はThinPrep(登録商標)3000システムを使用する顕微鏡スライド上へ自動的に移すために、食品医薬品局(FDA)が求める最小量の試料少なくとも20mLの流体を収容できる。例えば、バイアル容器12は、外径約1と5/16インチ、軸長約2と3/4インチであり、バイアル蓋14は、外径約1と9/16インチ、軸長約7/16インチである。
【0018】
バイアル容器12は、ユーザが、バイアル10内の流体レベルを測定できるように半透明か透明な材料から構成される。好適な材料は、銘柄AMOCO4018の下に入手可能なポリプロピレンホモポリマーなどのプラスチックである。バイアル蓋14は、一般的なねじ山連結(図示せず)を使用してバイアル容器12と解放可能に合致し、銘柄AMOCO8949の下に入手可能なポリプロピレンランダム共重合体などのプラスチック材から作られる。バイアル容器12及びバイアル蓋14を作る材料は、選択された特定の材料に好適な他の製造過程が利用されてもよいが、容器12及び蓋14を迅速で安価に生産するために射出成形されてもよい。
【0019】
容器12に対して十分なトルクが蓋14にかけられたとき、流体を確実に密閉するために、シール(図示せず)がバイアル容器12及び蓋14の間に配置されてもよい。密閉は、バイアル容器12の保存液の漏れと蒸発の両方を防ぎ、試料が外部の汚染物質にさらされることを防ぐために重要である。シールは、一般に、バッファ中のメタノールなどのアルコール液を含むバイアル容器12の保存液による侵食に耐えうる様々な素材や複数の材料から作られてもよい。保存液の低粘性及び高蒸気圧と、この蒸気相のかなり低い粘性及び高い浸透性に対して高品質で信頼性のあるシール構造が望まれる。さらに、バイアル10は、使用前に1年かそれ以上の間保存され、輸送や保存中に最高最低温度にさらされるので、シールは、蒸発によって流体が過剰に損失することなく、この密閉特性及び構造の品質を長期間維持できるべきである。シール材は、また、試料を劣化させたり、汚染したりするべきではない。これらの必要性を満たす一実施例では、シールは、防湿材の上に配置されて十分な厚さと密度の弾力層を具える複合材料から作られる。弾力層は、有効な密閉性を提供するために試料の方へ向けて配置される。シールは、合成オレフィンゴムか、たとえば、ニューヨーク州ブラーベルトにあるTri−Seal,Inc.から入手可能であり、商標名TRI SEAL SOR−117で売られているものなど薄い蒸気膜上に同時押出されたエラストマー合金を具えてもよい。
【0020】
バイアル容器12は、ユーザがバイアル10を満たしている保存流体の正確な量、又は、細胞物質を追加する前にバイアル10が正確に満たされているかどうかを測定できる流体レベル印16を具える。流体レベル印16は、艶消しされた所定の軸長の環状帯であり、バイアル10の許容充填量を示すために所定の軸位置でバイアル容器12の円周に配置されることにより、例えばCytyc社のThinPrep(登録商標)2000又はThinPrep(登録商標)3000スライド調整システムなどの自動化標本調整システムによって、正確なスライド試料をこの試料から調整できる。代替的に、流体レベル印16は、単一の充填ラインか、上側充填ライン及び下側充填ラインにしてもよく、この場合、上側充填ラインは、バイアル容器12が充填されるべき最大レベルを示し、下側充填ラインは、試料から標本を調整するために必要な流体の最小量を示す。
【0021】
バイアル容器12は、また、試料に対応する患者と、試料バイアル10に収容された試料から調整されるスライドを確認するための試料印18を具える。試料印18は、Cytyc社のThinPrep(登録商標)2000又はThinPrep(登録商標)3000スライド調整システムなどの自動化細胞標本調整システムによって用意されるバーコードなど、機械が読むことができるものにしてもよい。
【0022】
選択的な実施例では、バイアル容器12及びバイアル蓋14は、自動操作用に特別に構成されてもよい。例えば、バイアル容器12が側方に突出している回転止め突出部(図示せず)を具え、バイアル蓋14がリブのトルクパターン(図示せず)を具え、これにより自動機械を使用して、蓋14をバイアル容器12にねじ式に取り付けたり取り外したりできるようにしてもよい。これらの特性に関するさらなる詳細が、米国特許出願公開第2003−0059347に記載されている。
【0023】
図2及び3をさらに参照すると、バイアル10は、アリコート試料を得てバイアル容器12内に収容された試料から分離できる機構を具える。具体的に、バイアル10は、試料を収集するバイアル容器12内に形成された収集チャンバ20と、アリコート試料を収容するアリコートチャンバ22と、収集チャンバ20に対してアリコートチャンバ22を選択的に密閉及び開封するバルブ機構24とを具え、アリコート試料を収集チャンバ20からアリコートチャンバ22内へ移すことができ、これは、収集チャンバ20内の試料の残存部分と分離できる。説明された実施例では、アリコートチャンバ22は収集チャンバ20に接触しているが、代替的に、アリコートチャンバ22は、例えば通路を介して収集チャンバ20に連結されてもよい。
【0024】
図2及び3に記載の実施例では、バイアル蓋14が、アリコートチャンバ22と、バルブ機構24とを具える。特に、バイアル蓋14は、外側環状フランジ26と、内側環状フランジ28と、フランジ26、28の間に環状空間30とを具える。図4に最良に示されるように、バイアル容器12は、ぴったり合致するように、バイアル蓋14の環状空間30内に合致する大きさのリップ32を具え、これによって、外側環状フランジ26の内側面34は、バイアル容器12の外側面36を圧迫し、内側環状フランジ28の外側面38は、バイアル容器12の内側面40を圧迫する。記載の実施例では、外側環状フランジ26の内側面34及びバイアル容器12の外側面36は、ねじ山を具えており(図示せず)、これによって、バイアル蓋14はバイアル容器12にねじ式に確実に取り付けられることができる。図示するように、バイアル蓋14の内側環状フランジ28は、内部にアリコートチャンバ22を規定し、これは、バルブ機構24を具えず、通常、バイアル蓋14がバイアル容器12に合致している場合、収集チャンバ20と流体接続している。
【0025】
バルブ機構24は、収集チャンバ20の流体接続を可能にするもしくは防ぐようアリコートチャンバ22に直接連結されるように構成されたバルブ42を具える。図2及び3に記載の実施例では、バルブ42は、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間を流体接続させるようアリコートチャンバから選択的に外され(図2)、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間の流体接続を防ぐようアリコートチャンバ22内に配置される(図3)ように構成されている。
【0026】
図4に最良に示されるように、それぞれのチャンバ20、22の間の流体接続を止める際、バルブ42は、内側環状フランジ28の内側面44に対して密閉するように圧迫する。この目的を達成するために、バルブ42は、アリコートチャンバ22よりもわずかに小さい直径の環状フランジ46と、環状フランジ46の縁部周囲に形成された環状凹部50内に取り付けられるOリングシール48とを具えることによって、バルブ42の総直径は、アリコートチャンバ22の直径よりもわずかに大きく、密閉構造を強化する。
【0027】
バルブ機構24は、さらに、バルブ42に連結したシャフト54と、シャフト54の端部に連結して、バイアル蓋14に形成された上側穴58を通って上に延在するボス56とを具えるアクチュエータ52を具える。このように、ボス56は、、アクチュエータシャフト54を下へ軸方向運動させることによって、バルブ42をアリコートチャンバ22から選択的に外すか、アクチュエータシャフト54を上へ軸方向運動させることによって、アリコートチャンバ22内にバルブ42を配置させるように外部で操作可能である。バルブ42の環状フランジ46、シャフト54、及びボス56は、ポリプロピレンやアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などのプラスチック材を使用して、例えば、射出成形加工で、単一構造のように同じ材料で便利に形成されてもよい。
【0028】
図4に最良に示すように、上側穴58を通して別に起こりうるアリコートチャンバ22と外部環境の間の流体接続を防ぐために、バルブ機構24は、シャフト54の周囲に形成された環状凹部62内に取り付けられたOリングシール60を具える。Oリングシール60は、上側穴58とアリコートチャンバ22の間の拡大した下側穴64内で軸方向運動する。記載の実施例では、下側穴64は、バイアル蓋14内に形成された最も内側の環状フランジ66によって規定され、Oリングシール60は、最も内側の環状フランジ66の内側面68を圧迫する。Oリングシール60は、密閉構造で、下側穴64内で軸方向運動して、アクチュエータシャフト54ひいてはバルブ42をアリコートチャンバ22に対して上下へ動かすことができ、その一方で、上側穴58を通じたアリコートチャンバ22と外部環境の間の流体接続を防ぐ。
【0029】
図2及び3に示されている実施例では、ボス56ひいてはシャフト54を回転運動(矢印で図示)することによってアクチュエータシャフト54が軸方向運動し、アリコートチャンバ22に対してバルブ42を操作可能に動かすことが達成される。この目的を達成するために、図4に最良に示されるように、ねじ山構造70が、アクチュエータシャフト54と上側穴58の間に提供される。このようにして、ボス56の時計回り方向の回転によって、シャフト54ひいてはバルブ42は下へ軸方向運動し、ボス56の反時計回り方向の回転によって、シャフト54ひいてはバルブ42は上へ軸方向運動する。シャフト54よりも大きいボス56が好ましく、ユーザは、シャフト54をバルブ42とアリコートチャンバ22の相互作用によって生じるすべての摩擦抵抗に対して人間工学的にさらに簡単に回転させることができる。ボス56は、さらに、ユーザが把持しやすいように刻みの付いた面を具えてもよい(図示せず)。代替的に、バイアル蓋14の上端部から突き出しているボス又は様々な他の構成部品を使用するよりもむしろ、続けてこれを回転させるように、ねじ回しなどの道具がシャフト54に合致するように溝又はその他の好適な形態をシャフト54の端部に形成してもよい。
【0030】
ユーザが、アリコート試料にアクセスできるように、バイアル蓋14は、アリコートチャンバ22に隣接する接触口72と、これを密閉するために接触口72内に取り付けられた隔壁74の形の密閉機構とを具えることによって、ユーザが、検査のためにアリコートチャンバ22からアリコート試料を取り出す用意ができるまで、アリコートチャンバ22から接触口72を通した流体接続を防ぐ。例えば、シリンジ(図示せず)を用いて隔壁74に穴を空けて、アリコート試料をチャンバ22からシリンジ内へ引き出すなどによって、ユーザはアリコート試料にアクセスできる。代替的に、シールが、接触口72の上でバイアル蓋14の上端面に接着されてもよく、又は、ねじ式の栓か蓋を使用して接触口72を密閉してもよい。
【0031】
ここで、図5及び6を参照すると、バイアル蓋84の代替の実施例が記載されている。バイアル蓋84は、バルブ機構86を具えること以外は、図2、3に示されているバイアル蓋14と同じであり、アクチュエータシャフト54は、軸方向運動のみする、すなわち回転運動しないように構成されている。この場合には、シャフト54と上側穴58の間にねじ山構造を具えない。アクチュエータシャフト54は、穴58と軸方向にスライド可能に連結されており、ユーザは、シャフト54を簡単に押すか引っ張ってアリコートチャンバ22に対してバルブ42を軸方向運動させる。バルブ機構86は、拡大した下側穴64の底部で最も内側の環状フランジ66から内側へ延在する環状フランジ90と、Oリングシール60のすぐ下でアクチュエータシャフト54から外側へ延在する環状フランジ92との間にばね88を具える。
【0032】
この方法では、ばね88は、アクチュエータシャフト54、ひいてはバルブ42を軸方向に上へアリコートチャンバ22内へ押圧している。このように、外部の力を全く必要とせずに、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間の流体接続を防ぐ(図2及び3に示す)。しかしながら、ユーザが、ボス56、ひいてはアクチュエータシャフト54をばね88の押圧力に対して軸方向に下へ押すと、バルブ42は、アリコートチャンバ22から外れて、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間は流体接続される(図5)。ユーザが、ボス56、ひいてはシャフト54を解放すると、ばね88の押圧力によって、アクチュエータシャフト54は上へ軸方向運動して、バルブ42は、アリコートチャンバ22内へ戻り、収集チャンバ20との流体接続を防ぐ(図6)。代替の実施例では、ボス56を取り除いて、ユーザは、アクチュエータシャフト54の上端部を下へ押すか、解放することのみを必要としてもよい。アクチュエータシャフト54の端部は、バイアル蓋84内で凹んでいてもよく、この場合、ユーザは、アクチュエータシャフト54を下へ押すために簡単な道具を用いてもよい。
【0033】
先に示した実施例では、バルブ機構は、アリコートチャンバ22内にバルブを設置することによって、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間の流体接続を選択的に防ぐ。他の実施例では、バルブ機構は、このように流体接続を防ぐための他の方法でアリコートチャンバ22と直接連結しているバルブを具えてもよい。
【0034】
例えば、図7及び8を参照すると、バイアル蓋94の別の代替の実施例が記載されている。バイアル蓋94は、収集チャンバ20との中間面でアリコートチャンバ22に密着するバルブ機構96を具えていること以外は、図2及び3に示されたバイアル蓋14と同じである。特に、バルブ機構96は、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間を流体接続するように内側環状フランジ28の最低縁部100から選択的に外され(図7)、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間の流体接続を止めるよう内側環状フランジ28の最低縁部100に接して配置される(図8)ように構成されたバルブ98を具える。
【0035】
それぞれのチャンバの間の流体接続を止めている場合、バルブ98は、内側環状フランジ28の最低縁部100に対して密閉するように圧迫する。この目的を達成するために、バルブ98は、アリコートチャンバ22の直径よりも大きい直径の環状フランジ102と、フランジ102の上側面内の環状凹部106内に取り付けられるOリングシール104とを具えており、Oリングシール104は、内側環状フランジ28の最低縁部100に接触して密閉構造を強化する。
【0036】
図2及び3に関する上記方法と同じ方法で、ボス56ひいてはシャフト54を回転運動(矢印で図示)することによってアクチュエータシャフト54が軸方向運動し、アリコートチャンバ22に対してバルブ98を操作可能に動かすことが達成される。すなわち、ボス56の時計回り方向の回転によって、シャフト54ひいてはバルブ98は下へ軸方向運動して、ボス56の反時計回り方向の回転によって、シャフト54ひいてはバルブ98は上へ軸方向運動する。代替的に、図5及び6に関する上記方法と同じ方法で、バルブ機構は、シャフト54が軸方向運動のみを必要とする、すなわち回転運動しないように構成されてもよい。
【0037】
図1乃至8に示されるように、アリコートチャンバとバルブアセンブリをバイアル蓋へ組み込むことによって、バイアルから突出しているバルブ機構のどんな部分も障害となることなく、バイアル10を一般的な方法で直立状態で貯蔵することができ、そしてバイアル10の直立状態が維持されることで、収集チャンバ20に収容されている試料の残存部分がアリコートチャンバ22内へ漏れるおそれがない。さらに、アリコートチャンバをバイアル蓋へ組み込むことによって、アリコート試料を収容するバイアル蓋をバイアル本体部から分離させ、分離されたバイアル蓋を分子試験のために収容された試料アリコートと異なる場所へ運んでスライド標本を作るか、細胞研究所でバイアル本体部に再び蓋をして、他の様々な理由のために置いておくかという選択をすることができる。しかしながら、アリコートチャンバがバイアル蓋内に組み込まれる場合、試料アリコートを収集チャンバ20からアリコートチャンバ22内へ流すために、バイアル10の向きを逆にする必要がある。自動化標本調整プロセスが、アリコート試料をアリコートチャンバ22内へ移す場合は、これは、バイアルを逆さにするという追加のステップを必要とする。また、アリコート試料は、続けて試験されるので、バイアル蓋とバイアル容器が間違えて合わせられることがなくなるように又はその可能性を最小限にするために、分類試料印(図示せず)をバイアル容器12に追加してバイアル蓋14に配置することが賢明である。
【0038】
図9及び10に示されるように、試料バイアル110の実施例がここに記載され、アリコートチャンバ及びバルブ機構は、バイアル容器に一体的に形成されている。この実施例では、アリコートチャンバはバイアル蓋内へ組み込まれていないので、試料アリコートを収集チャンバからアリコートチャンバ内へ流すために、バイアル110は逆さに向きを変えられる必要なく、バイアル蓋に分類試料印を必要としない。特に、バイアル110は、中空バイアル容器112と、バイアル容器112内に収容された試料を封入するためにバイアル容器112上に配置できるバイアル蓋114とを具える。バイアル容器112及びバイアル蓋114は、後述する点以外は、全体として図1乃至3に示されたバイアル容器12及びバイアル蓋14と同じである。
【0039】
バイアル蓋114は、アリコートチャンバ及びバルブ機構を具えないので、バイアル蓋114は、バイアル容器112の上端部に合致する単一の環状フランジ126を具える一般的なバイアルにしてもよい。図2及び3に示されるバイアル110のように、バイアル110は、試料収集用のバイアル容器112内に形成された収集チャンバ120と、アリコート試料を収容するアリコートチャンバ122と、収集チャンバ120に対してアリコートチャンバ122を選択的に密閉及び開封するバルブ機構124とを具え、アリコート試料を収集チャンバ120からアリコートチャンバ122内へ移すことができ、これは、収集チャンバ120内の試料の残存部分と分離できる。しかしながら、図2及び3に示されるバイアルと異なり、アリコートチャンバ122とバルブ機構124は、バイアル容器112に設けられる。
【0040】
具体的には、環状フランジ128は、バイアル容器112の基部に形成されてアリコートチャンバ122を規定し、バルブ機構124がなく、通常、収集チャンバ120と流体接続する。バルブ機構124は、収集チャンバ120の流体接続を可能にするもしくは防ぐようアリコートチャンバ122に直接連結されるように構成されたバルブ142を具える。図9及び10に記載の実施例では、バルブ142は、アリコートチャンバ122と収集チャンバ120の間を流体接続させるようアリコートチャンバから選択的に外され(図9)、アリコートチャンバ122と収集チャンバ120の間の流体接続を防ぐようアリコートチャンバ122内に配置される(図10)ように構成されている。
【0041】
図2及び3に記載の、バルブ142は、バルブ42がバイアル蓋14の環状フランジ28と連結している方法と同じ方法で、環状フランジ128に連結されている。すなわち、図11に最良に示されるように、それぞれのチャンバの間の流体接続を止めている場合、バルブ142は、内側環状フランジ128の内側表面144に対して密閉するように圧迫する。バルブ142は、アリコートチャンバ122よりもわずかに小さい直径の環状フランジ146と、フランジ146の縁部周囲に形成された環状凹部150内に取り付けられるOリングシール148とを具えることによって、バルブ142の総直径は、アリコートチャンバ122の直径よりもわずかに大きく、密閉構造を強化する。
【0042】
特に、環状フランジ128は、バイアル容器112の外側壁から離れて設けられていることにより、バルブ142と環状フランジ128の内側面144の密閉関係が妨げられるおそれを最も小さくできる。すなわち、バルブ142が内側環状フランジを具えずに、その代わりに、バイアル容器の外側壁の内側面と連結して密着する場合、バイアル容器を単に把持する動作によって、外側壁は歪んでしまい、バルブ142と外側壁の密閉関係は壊されてしまう。代替的に、バイアル容器112の外側壁を十分に頑丈にすると、密閉関係を妨げる危険性なく、バルブ142を外側壁の内側面と連結するように作ることができる。
【0043】
バルブ機構124は、さらに、バルブ142に連結して、バイアル容器112の底に形成された下側穴158を通って延在するシャフト154を具えるアクチュエータ152を具える。図2及び3に示されるアクチュエータ52と異なり、アクチュエータ152は、ボス又はバイアル容器から突き出す部分を具えず、直立方法でバイアル110を貯蔵するために、バイアル110の底面は平らであるか凹んでいる。その代わり、以下に詳細に記載されているように、シャフト154は、アリコートチャンバ122内にバルブ142を選択的に配置するか、アリコートチャンバ122から外してバルブ142を配置するよう、道具を用いて外部でバルブ機構124を操作することができるように構成されている。バルブ142の環状フランジ146及びシャフト154は、ポリプロピレンなどのプラスチック材を使用して、例えば、射出成形加工で、単一構造のように同じ材料で便利に形成されてもよい。
【0044】
図11に最良に示されるように、下側穴158を通して別に起こりうるアリコートチャンバ122と外部環境の間の流体接続を防ぐために、バルブ機構124は、シャフト154の周囲に形成された環状凹部162内に取り付けられたOリングシール160を具える。Oリングシール160は、下側穴158とアリコートチャンバ122の間の拡大した上側穴164内で軸方向運動する。記載した実施例では、上側穴164は、バイアル容器112内に形成された内側環状フランジ166によって規定され、Oリングシール160は、内側環状フランジ166の内側面168を圧迫する。従って、Oリングシール160は、密閉構造で、上側穴164内で軸方向運動して、アクチュエータシャフト154ひいてはバルブ142をアリコートチャンバ122に対して上下へ動かすことができ、その一方で、アリコートチャンバ122と下側穴158を通じた外部環境の間の流体接続を防ぐ。
【0045】
図9及び10に記載の実施例では、アクチュエータシャフト154の軸方向運動は、図2及び3に関して記載したアクチュエータシャフト54と同じ方法で達成される。すなわち、アクチュエータシャフト154は、アリコートチャンバ122に対してバルブ142を操作可能に動かすために回転運動する。この目的を達成するために、ねじ山構造170が、アクチュエータシャフト154と上側穴158の間に設けられる。このようにして、シャフト154の時計回り方向の回転によって、バルブ142は上へ軸方向運動し、シャフト154の反時計回り方向の回転によって、バルブ142は下へ軸方向運動する。続けてこれを回転させるように、ねじ回しなどの道具がシャフト154に合致するように溝又はその他の好適な形態をシャフト154の端部に形成してもよい。
【0046】
代替的に、図5及び6に関する上記方法と同じ方法で、バルブ機構は、シャフト154が軸方向運動のみを必要とする、すなわち回転運動しないように構成されてもよい。または、図7及び8に関する上記の方法と同じ方法で、バルブ機構は、例えば、内側環状フランジ128の最も上側の縁部とバルブ間が密閉されるように、アリコートチャンバ122を収集チャンバ120との中間面で、バルブが密着するように構成されてもよい。
【0047】
ユーザが、アリコート試料にアクセスできるように、バイアル容器112は、アリコートチャンバ122に隣接する接触口172と、これを密閉するための接触口172内に取り付けられた隔壁174の形の密閉機構とを具えることによって、ユーザが、検査のためにアリコートチャンバ122からアリコート試料を取り出す用意ができるまで、アリコートチャンバ122から接触口172を通した流体接続を防ぐ。例えば、シリンジ(図示せず)を用いて隔壁174に穴を空けて、アリコート試料をチャンバ122からシリンジ内へ引き出すなどによって、ユーザはアリコート試料にアクセスできる。代替的に、シールが、接触口172の上でバイアル蓋114の上端面に接着されてもよく、又は、ねじ式の栓か蓋を使用して接触口172を密閉してもよい。
【0048】
ここまでは、バイアルのいくつかの実施例の構造及び機能を記載したものであり、ここからはバイアルを処理する方法を図12を参照して記載する。この方法は、子宮頸癌の前駆細胞の患者の重症度判定検査に関する方法である。
【0049】
始めに、バイアル蓋をバイアル容器から取り外し、液状の子宮頸・膣試料をバイアル容器の収集チャンバ内へ入れる(ステップ200)。このステップは、通常、診療所で行われる。記載する方法では、子宮頸・膣試料は、ルーチンPap染色塗抹標本の一部として得られる。具体的には、患者の子宮頸から細胞が採取されて、PreservCyt(登録商標)輸送培地などの保存液内で混合され、バイアル容器の収集チャンバ内に収容される。次に、バイアル蓋をバイアル容器の上に戻して配置し、採取された液状の試料を具えたバイアルが、細胞研究所へ運ばれる(ステップ202)。
【0050】
細胞研究所では、液状の試料は、細胞を分配するためにかき混ぜられて(ステップ204)、バイアル蓋がバイアル容器と合致している間、バイアルのアリコートチャンバは、収集チャンバに対して非密閉状態である(ステップ206)。図2及び3に記載の実施例では、これは、バイアル蓋14の上のボス56を、時計回り方向に回転させることによって、バルブ42をアリコートチャンバ22から外して配置させることができる。図5及び6に記載の実施例では、これは、バイアル蓋84の上のボス56を、ばね88の押圧力に対して下へ押すことによってバルブ42をアリコートチャンバ22から外して配置することができる。図7及び8に記載の実施例では、これはバイアル蓋94の上のボス56を時計回り方向に回転させることによって、バルブ98を内側環状フランジ28の最低縁部100から外すように配置することができる。図9及び10に記載の実施例では、これは、特別な道具を用いて、シャフト154を時計回り方向に回転させることによって、バルブ142をアリコートチャンバ122から外して配置することができる。
【0051】
次に、試料がバイアルの外部環境から分離されている間(すなわち、バイアル蓋が、バイアル容器と合致している間)、試料のアリコートは、収集チャンバに対して密閉されていないアリコートチャンバ内へ流れる(ステップ208)。図2と3、図5と6、図7と8、及び図9と10に示された実施例などの、アリコートチャンバがバイアル蓋内へ一体となっているバイアルでは、これは、バイアルを逆さにすることによって達成できる。図9と10に示された実施例などの、アリコートチャンバがバイアル容器内へ一体となっているバイアルでは、ステップ204で、収集チャンバに対してアリコートチャンバを密閉していないことに対応して、試料のアリコートは、収集チャンバからアリコートチャンバ内へ流れる。
【0052】
代替的に、図2と3、図7と8、及び図9と10に記載の、ねじ式のバルブ機構が用いられる場合、攪拌ステップ、開封ステップ、及び流すステップ204、206、208は、それぞれのバイアルが細胞研究所へ運ばれる前に、診療所で行われてもよい。
【0053】
次に、収集チャンバに収容された残存試料部分からアリコートチャンバを分離するために、アリコートチャンバを収集チャンバに対して密閉する(ステップ210)。図2及び3に記載の実施例では、バイアル蓋14の上のボス56を、反時計回り方向に回転させることによって、バルブ42をアリコートチャンバ22内へ再配置させることができる。図5及び6に記載の実施例では、これは、単に、バイアル蓋84上のボス56から下へ加わる圧力を解放して、ばね88の押圧力によって、バルブ42はアリコートチャンバ22内へ戻ることができる。図7及び8に記載の実施例では、これは、バイアル蓋94の上のボス56を反時計回り方向に回転させることによって、バルブ98を内側環状フランジ28の最低縁部100に接触させることができる。図9及び10に記載の実施例では、これは、図9及び10に記載の実施例では、これは、特別な道具を用いて、シャフト154を反時計回り方向に回転させることによって、バルブ142をアリコートチャンバ122内へ再配置することができる。
【0054】
次に、収集チャンバの残存試料部分を露出してアクセスできるようにするために、バイアル蓋をバイアル容器に合致しない状態にし(ステップ212)、アリコートチャンバが収集チャンバに対して密閉されている間に、残存試料部分の少なくとも一部を収集チャンバから顕微鏡スライドへ移す(ステップ214)。一般的に、収集チャンバを外部環境にさらすことで、残存試料部分は分子レベルで汚染物質(例えばHPV)にさらされてしまうことがありうる。これは、特に、分子汚染がしばしばみられるスライド調整処理が、自動化細胞標本調整システムによって行われる場合にあてはまる。追加的な予防措置を設けることなく、このような分子汚染は、バイアルからバイアルへ移す自動化標本調整システムのエアロゾル中か配管中の濾過した細胞液内で観察される。しかしながら、アリコートチャンバ中のアリコート試料は、収集チャンバから分離されているので、収集チャンバに入る汚染物質にさらされることはない。
【0055】
次に、子宮頸癌の前駆細胞試料を細胞スクリーニングするために、スライド標本を保存し(ステップ216)、例えば、試料中のHPVリスクが高いかどうかを決定するDNA試験のために、試料アリコートを保存する(ステップ218)。次に、例えば、子宮頸癌の前駆細胞用に、スライドを細胞スクリーンする(ステップ220)。これは、スライドが調整された研究所と同じ研究所で成されるか、代替的に、別の研究所へ運んでもよい。異常細胞がないと判定された場合、患者は、ルーチンPap染色塗抹標本スケジュールへ戻る(ステップ222)。結果がASC−US+の場合、患者には、診療所での膣鏡検査/生検が予定される(ステップ224)。結果がASC−USの場合、バイアル蓋又はバイアル容器内の接触口を介して、アリコート試料をアリコートチャンバから取り出して(ステップ226)、試料中のHPVリスクが高いかどうかを決定するために、反射的DNA試験をステップ218で保存したアリコート試料に対して行う(ステップ228)。これは、DigeneのハイブリッドキャプチャーII HPV DNA分析を使用して行われる。試料中に高いHPVリスクが検出された場合、患者には、診療所での膣鏡検査/生検が予定される(ステップ230)か、代替的に、間隔を増大させてPap染色塗抹標本スケジュールを行ってもよい。試料中に高いHPVリスクが検出されない場合、患者は、ルーチンPap染色塗抹標本スケジュールへ戻される(ステップ232)。任意に、例えば、クラミジア・トラコマチスや淋菌などの存在を検出するための他のDNA試験を行ってもよい。これらの他のDNA試験や、さらにHPV DNA試験を、代替的に、スライドの細胞スクリーニングと平行して行うことができる。
【0056】
別の態様では、生物試料のアリコートをバイアルの収集チャンバからバイアル蓋内のアリコートチャンバへ自動的に移すための器具をここに記載する。この器具は、バイアルを取り出すための機械的アームと、バイアル蓋内のアリコートチャンバを開くためのアクチュエータとを具える。
【0057】
いくつかの実施例では、バイアルは器具内に配置される。ある実施例では、個々のバイアルが器具内に配置される。他の実施例では、バイアルは、トレイの上かトレイ内に配置され、トレイは器具内に配置される。「器具内」とは、バイアルを取り出すために使用される機械的アームが届く範囲内に、バイアルが配置されることを意味する。従って、いくつかの実施例では、バイアル又はトレイが器具に近接して設置されるのに対し、その他の実施例では、機械的アームが囲まれたチャンバ内にあり、バイアル又はトレイは、囲まれたチャンバの内側に配置される。いくつかの実施例では、器具はさらに、バイアル又はトレイを配置し、機械的アームが届く範囲内の器具の範囲へ運ぶ移送機構を具える。
【0058】
いくつかの実施例では、機械的アームは、バイアルの蓋をつかむのに対し、他の実施例では、機械的アームはバイアルの本体部をつかむ。他の実施例では、機械的アームはバイアルの底を持ち上げる。
【0059】
ある実施例では、器具はさらに、アジテータを具える。アジテータは、血液、粘液、および/または細胞集合を分散させて、試料内の細胞を分配するためにバイアルの内容物を混合する。いくつかの実施例では、アジテータは、比較的早い回転速度でバイアルを回動させる。他の実施例では、アジテータは、バイアルを振動させる。さらに、他の実施例では、アジテータは、バイアルの内容物をかき混ぜるために超音波エネルギーを使用する超音波処理器である。
【0060】
いくつかの実施例では、機械的アームは、バイアルを持ち上げてアジテータに配置する。ある実施例では、バイアルの内容物がかき混ぜられている間、機械的アームは、バイアルを保持し続ける。他の実施例では、機械的アームは、バイアルをアジテータで解放する。
【0061】
アジテータを使用する実施例では、かき混ぜるステップに続けて、アリコートチャンバ22を開けて流体で満たす。バイアル蓋内のアリコートチャンバ22を開くための様々な手段をここに開示する。いくつかの実施例では、器具は、バイアル蓋内のアリコートチャンバを開くためのアクチュエータを具える。ある実施例では、アクチュエータは、反時計回り方向にボス56を回転させて、バルブ42を開き、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間を流体接続させる。他の実施例では、同じことをするためにアクチュエータは、ボス56を押圧する。いくつかの実施例では、アクチュエータは、機械的アームの構成部品である。他の実施例では、アクチュエータは、器具と分離した構成部品であり、機械的アームに取り付けられていない。
【0062】
いくつかの実施例では、機械的アームは、バイアルを傾けるか逆さにして、流体を収集チャンバ20からアリコートチャンバ22内へ流す。いくつかの実施例では、バイアルは、アクチュエータによって例えばバルブ42などの内部流体口が開けられる前に逆さにされる。他の実施例では、バイアルは、アクチュエータによってバルブ42が開けられた後で、逆さにされる。
【0063】
アリコートチャンバ22が流体で満たされたら、アクチュエータはバルブ42を閉めて、これによって、アリコートチャンバ22と収集チャンバ20の間の流体接続を止める。いくつかの実施例では、ボス56を時計回り方向に回転させて、アクチュエータはバルブ42を閉じる。他の実施例では、ボス56がボス56にかかる圧力を解除し、ばね88の押圧によってバルブ42が閉じる。バルブ42が閉じると、バイアルは、表の面を上にするように逆さにされて、器具から取り出すための排出トレイに配置される。
【0064】
いくつかの実施例では、アリコートチャンバ22は、不透明な壁によって囲まれている。これらの実施例では、所定のバイアルが器具を通っているかやそのアリコートチャンバが満たされているかどうかを視覚的に確かめることは難しい。従って、いくつかの実施例では、器具はさらに、マーカーを具える。アリコートチャンバ22が満たされると、マーカーは、バイアルに特定の位置にマークする。このバイアルのマーキングによって、ユーザは、特定のバイアルのアリコートチャンバが、満たされているかどうかを素早く決定することができる。
【0065】
いくつかの実施例では、ここに開示されている器具は、複数の機械的アームを具える。いくつかの実施例では、第1の機械的アームがバイアルを投入トレイから取り出して、これをアジテータへ運ぶ。アジテータを使用しない実施例では、第1の機械的アームは、アリコートチャンバ22を開くためのアクチュエータへバイアルを運ぶ。いくつかの実施例では、第2の機械的アームがバイアルをアジテータから取り出して、アリコートチャンバ22を開くためのアクチュエータへバイアルを運ぶ。他の実施例では、第3の機械的アームがバイアルをアクチュエータから取り出して、これを排出トレイへ運ぶ。
【0066】
他の実施例では、器具は、単一の機械的アームを具える。いくつかのこれらの実施例では、機械的アームが、第1のバイアルをアジテータへ運ぶ。第1のバイアルの内容物が混合されると、このアームが、第1のバイアルをアクチュエータへ運ぶ。アクチュエータが、第1のバイアルのアリコートチャンバ22の充填機能を作用させている間、機械的アームは、第2のバイアルをつかんで、これをアジテータへ運ぶ。次いで、第2のバイアルの内容物が混合されている間、アームは、第1のバイアルを排出トレイへ運び、次いで、第2のバイアルをつかんでアクチュエータへ運び、続いて、第3のバイアルをつかんでアジテータへ運ぶ。この処理は、全てのバイアルが処理されるまで繰り返される。
【0067】
他の実施例では、上記の機能が、2つの機械的アームを使用して実行される。これらの実施例では、第1の機械的アームが保存場所からバイアルを取り出して、これをアジテータへ運び、収集チャンバ内容物が混合された後に、第2の機械的アームがバイアルをアジテータから取り出す。他の実施例では、第2の機械的アームが、バイアルをアクチュエータから取り出して、これを排出トレイへ運ぶ。さらなる実施例では、第3の機械的アームが、バイアルをアクチュエータから取り出して排出トレイへ運ぶ。
【0068】
いくつかの実施例では、排出トレイは、投入トレイと同じものである。これらの実施例では、バイアルは、トレイに配置され、器具内に配置される。機械的アームが、バイアルをトレイから取り出して、器具がアリコートチャンバ22の充填作業を完了した後、機械的アームは、バイアルを取り出した位置と同じ位置へ戻す。他の実施例では、投入トレイと排出トレイは異なる。さらに、他の実施例では、ここに開示されている器具は、ThinPrep(登録商標)2000又はThinPrep(登録商標)3000スライド調整システム(Cytyc Corp.,MA)などの自動化スライド処理装置に連結されている。これらの実施例では、アリコートチャンバ22が満たされると、機械的アームは、自動化スライド処理装置でバイアルを使用する場所へバイアルを配置する。
【0069】
上述のように、Cytyc社のThinPrep(登録商標)2000又はThinPrep(登録商標)3000スライド調整システムを使用する顕微鏡スライド上へ自動的に移すために、食品医薬品局(FDA)が必要とするバイアル容器12の試料の最小量は、20mLである。従って、いくつかの実施例では、器具は、さらに、再充填機構を具える。再充填機構は、生物試料が懸濁されている液体を保持する貯蔵タンクを具える。このような液体の例には、水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水や4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸溶液、(HEPES)などの緩衝液、その他、又は、PreservCyt(登録商標)(Cytyc Corp.,MA)などの工業的に利用可能な溶液が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施例では、再充填機構は、生物試料を溶解するために使用したのと同じ溶液、及びアリコートチャンバ22と同じ体積でアリコートチャンバ22を満たした後、バイアルに再充填する。いくつかの実施例では、バイアル容器12は20mLを入れることができ、アリコートチャンバ22は、4mLを入れることができる。アリコートチャンバが満たされると、バイアル容器12の流体の体積は、16mLに減少する。これらの実施例では、再充填機構は、バイアル容器12へ別の4mLを追加する。
【0070】
これらの実施例では、バイアル蓋14は、さらに、バイアル容器12内へアクセスできるようにするために接触口72に追加して第2の接触口を具え、接触口は、隔壁を用いて密閉される。ある実施例では、再充填機構は、さらに、貯蔵タンクと流体接続しているシリンジを具える。アリコートチャンバが充填された後に、シリンジは、第2の接触口を通してバイアル容器12内へ挿入され、4mLといった量の液体がバイアル容器12へ追加されて、シリンジがバイアルから取り除かれる。
【0071】
いくつかの実施例では、シリンジは使い捨てである、すなわち各シリンジは、バイアルを充填するために一度だけ使用できる。使い捨てのシリンジを使用することで、バイアル間の二次汚染の機会が最小となる。これらの実施例では、ホースによって貯蔵タンクを上部に連結する。この上部は、シリンジの針を取り外し可能に取り付けられるように構成されている。シリンジの針が上部に取り付けられて、針がバイアル容器12内へ挿入された後、4mLといった量の液体が加えられる。針はバイアルから取り外された後に、針が上部から取り外されるとすぐに、上部は、別の体積の溶液を次のバイアルへ加えるために別の針を得る。
【0072】
これらのいくつかの実施例では、再充填機構は、また、体積測定器を具える。体積測定器は、流量計にしてもよく、ホース又はシリンジの直径を知ることで、加えられる溶液の体積を測定することができる。他の実施例では、体積測定器は、体積が既知のチャンバである。それぞれ再充填する前に、チャンバは、貯蔵タンクからの溶液で充填され、再充填される一方、チャンバ内の全溶液がバイアル容器12内へ加えられる。再充填が、完了すると、チャンバは、再び貯蔵タンクから充填される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明に従って構成された試料バイアルの一実施例の斜視図である;
【図2】図2は、図1の試料バイアルの断面分解図であり、特に、開いた位置のバルブ機構を示す;
【図3】図3は、図1の試料バイアルの断面分解図であり、特に、閉じた位置のバルブ機構を示す;
【図4】図4は、図2の試料バイアルのバイアル蓋の詳細断面図である;
【図5】図5は、図1の試料バイアルに用いる代替のバイアル蓋の詳細断面図であり、特に、開いた位置のバルブ機構を示す;
【図6】図6は、図5のバイアル蓋の詳細断面図であり、特に、閉じた位置のバルブ機構を示す;
【図7】図7は、図1の試料バイアルに用いる別の代替のバイアル蓋の詳細断面図であり、特に、開いた位置のバルブ機構を示す;
【図8】図8は、図7のバイアル蓋の詳細断面図であり、特に、閉じた位置のバルブ機構を示す;
【図9】図9は、本発明の一実施例に従って構成された試料バイアルの別の実施例の断面分解図であり、特に、開いた位置のバルブ機構を示す;
【図10】図10は、図9の試料バイアルの断面分解図であり、特に、閉じた位置のバルブ機構を示す;
【図11】図11は、図10の試料バイアルのバイアル蓋の詳細断面図である;
【図12】図12は、前述の試料バイアルを処理する方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物試料のアリコートを得るための器具において:
バイアルを取り出してアクチュエータに隣接配置するように構成された第1の機械的アームを具え、前記バイアルは、収集チャンバと、蓋とを具え、
前記アクチュエータは、前記バイアル蓋内に設置されたアリコートチャンバと前記収集チャンバを流体接続させるよう内部流体口を開くように構成されていることを特徴とする器具。
【請求項2】
請求項1に記載の器具がさらに、前記収集チャンバの内容物を混合するように構成されたアジテータを具えることを特徴とする器具。
【請求項3】
請求項2に記載の器具において、前記アジテータが、前記バイアルを回動させる方法、前記バイアルを振動させる方法、及び超音波エネルギーを前記収集チャンバの内容物に使用する方法のうちの1又はそれ以上を用いて、前記収集チャンバの内容物を混合することを特徴とする器具。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の器具において、前記第1の機械的アームがさらに、前記バイアルを保存場所から取り出して、これを前記アジテータへ運ぶように構成されていることを特徴とする器具。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の器具がさらに、前記バイアルを保存場所から取り出して、これを前記アジテータへ運ぶように構成されている第2の機械的アームを具え、前記収集チャンバの内容物が混合された後に、前記第1の機械的アームが、前記バイアルを前記アジテータから取り出すことを特徴とする器具。
【請求項6】
請求項1に記載の器具がさらに、前記バイアルを前記アクチュエータから取り出して、これを排出トレイへ運ぶように構成されている第2の機械的アームを具えることを特徴とする器具。
【請求項7】
請求項5に記載の器具がさらに、前記バイアルを前記アクチュエータから取り出して、これを排出トレイへ運ぶように構成されている第3の機械的アームを具えることを特徴とする器具。
【請求項8】
収集チャンバと蓋とを具えるバイアルで貯蔵された生物試料のアリコートを得るための器具において、当該器具が:
バイアルを第1の保存場所から取り出すように構成された第1の機械的アームと;
前記バイアルを前記第1の機械的アームから受けるアジテータであって、収集チャンバの内容物を混合するように構成されたアジテータと;
前記バイアルを前記アジテータから取り出して、前記バイアルをアクチュエータの近くに配置させる第2の機械的アームとを具え、前記アクチュエータは、バイアル蓋内に配置されたアリコートチャンバと前記収集チャンバを流体接続させるよう前記バイアル内の内部流体口を開け閉めするように構成されており;
前記第2の機械的アームがさらに、前記アクチュエータが前記内部流体口を開くと前記収集チャンバ内の流体の一部が前記アリコートチャンバ内へ流れるように、前記バイアルを傾ける又は逆さにするように構成されていることを特徴とする器具。
【請求項9】
請求項8に記載の器具において、前記アジテータが、前記バイアルを回動させる方法、前記バイアルを振動させる方法、及び超音波エネルギーを前記収集チャンバの内容物に使用する方法のうちの1又はそれ以上を用いて、前記収集チャンバの内容物を混合することを特徴とする器具。
【請求項10】
生物試料のアリコートを得るための器具において:
収集チャンバと蓋とを具えるバイアルを取り出して、アクチュエータ近くに配置する自動化された手段と;
バイアル蓋内に配置されたアリコートチャンバと前記収集チャンバを流体接続させるように前記バイアル内の内部流体口を開くための自動化された手段と;
を具えることを特徴とする器具。
【請求項11】
請求項10に記載の器具がさらに、前記収集チャンバの内容物を混合する手段を具えることを特徴とする器具。
【請求項12】
生物標本の試料バイアルにおいて、
バイアル容器と;
前記バイアル容器内の試料収集チャンバと;
アリコートチャンバと;
前記収集チャンバを封入するために前記バイアル容器に合致するように構成されたバイアル蓋と;
前記収集チャンバに対して前記アリコートチャンバを選択的に密閉及び開封するバルブ機構と;
を具えることを特徴とする試料バイアル。
【請求項13】
請求項12に記載の試料バイアルにおいて、前記バイアル蓋が、前記アリコートチャンバと前記バルブ機構とを具えることを特徴とする試料バイアル。
【請求項14】
請求項12に記載の試料バイアルにおいて、前記バイアル容器が、前記アリコートチャンバと前記バルブ機構とを具えることを特徴とする試料バイアル。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1項に記載の試料バイアルにおいて、前記バルブ機構が、前記アリコートチャンバと前記収集チャンバの間の流体接続を止めるように前記アリコートチャンバ内に選択的に設置されるか、前記アリコートチャンバと前記収集チャンバの間の流体接続が可能となるように前記アリコートチャンバから外されるように構成されたバルブを具えることを特徴とする試料バイアル。
【請求項16】
請求項15に記載の試料バイアルにおいて、前記バルブ機構が、前記アリコートチャンバと前記収集チャンバの間の流体接続を止めるように前記アリコートチャンバと前記収集チャンバの間の中間面に選択的に設置されるか、前記アリコートチャンバと前記収集チャンバの間の流体接続が可能となるように前記中間面から外されるように構成されたバルブを具えることを特徴とする試料バイアル。
【請求項17】
請求項12に記載の試料バイアルにおいて、前記バルブ機構が、バルブとアクチュエータとを具え、当該アクチュエータは、前記バルブによって前記収集チャンバに対して前記アリコートチャンバを選択的に密閉及び開封することを外部で操作できることを特徴とする試料バイアル。
【請求項18】
請求項17に記載の試料バイアルにおいて、前記アクチュエータが、前記バルブを前記アリコートチャンバに対して操作可能に動かすために回転運動するように構成されていることを特徴とする試料バイアル。
【請求項19】
請求項17に記載の試料バイアルにおいて、前記アクチュエータが、前記バルブを前記アリコートチャンバに対して操作可能に動かすために軸方向運動するように構成されていることを特徴とする試料バイアル。
【請求項20】
請求項19に記載の試料バイアルがさらに、前記収集チャンバに対して前記アリコートチャンバを密閉する前記バルブを押圧するために前記アクチュエータに連結されたばねを具えることを特徴とする試料バイアル。
【請求項21】
請求項12に記載の試料バイアルがさらに、前記アリコートチャンバへの直接アクセスを選択的に提供するための密封された口を具えることを特徴とする試料バイアル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2009−519439(P2009−519439A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544610(P2008−544610)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/061360
【国際公開番号】WO2007/070740
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(507130015)サイテック コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】