説明

液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤

【課題】短時間の硬化時間で高い接着力を有し小型化される電子部品においても確実に接着固定可能であり、しかも電子部品の種類に関係なく、十分な接着強度が得られる液状エポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】少なくともエポキシ樹脂と、2種以上の潜在性硬化剤を含有し、潜在性硬化剤は、全潜在性硬化剤に対して、一種類のみで使用した場合に150℃30秒の条件で50%以上の反応率を有する潜在性硬化剤を50質量%以上用いる液状エポキシ樹脂組成物であって、150℃で60秒硬化させた時の接着強度(A)と150℃で1時間硬化させた時の接着強度(B)との関係が、0.6B<Aである液状エポキシ樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面実装用に好適な液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤に関し、特に半導体や電子部品等の部品を各種プリント基板上に固定する際、短時間の硬化時間で各種プリント基板上に載置した電子部品等を位置ズレや剥離のない状態に保持でき、しかも小型化される電子部品においても確実に接着固定可能な液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表面実装用部品をプリント基板上に接着固定するための接着剤としては、エポキシ樹脂組成物を含有する接着剤が用いられている。このようなものとしては、例えばエポキシ樹脂と、アミン系硬化剤と、チキソ付与剤として親水性シリカ粒子とを含有するもの(特許文献1参照)や液状エポキシ樹脂とアミン系潜在性硬化剤と焼成タルクと有機系レオロジー添加剤とを含有するもの(特許文献2参照)が提案されている。
【0003】
近時、半導体を含む電子部品は、データの大容量化や処理速度の高速化等の性能向上を目的として、小型化、高密度化が進んでいる反面、低コスト化が求められるようになり、従来とは異なる電子部品が開発されてきている。これらの電子部品はその表面(接着面)の状態も多様化してきているため、前記特許文献1や特許文献2に記載の接着剤や他の従来の接着剤では十分な接着力が得られない場合があり、電子部品の種類に関係なく安定した接着力を発現する樹脂組成物(接着剤)の開発が産業界から切望されている。
【0004】
ところで、従来は、この種の接着力を測定する方法として、JIS K 6850が採用されていたが、表面実装用部品としてアルミニウム以外の材料も使用されるチップコンデンサーなどを含む各種電子部品の耐久性を評価するに当たり、この方法で接着力を評価したのでは、信頼性の高い評価が出来ないことが知られる様になってきている。従って、チップコンデンサーなどを含む各種電子部品においては、プッシュプルゲージを使用して測定する方法(特許文献3、4参照)が採用されてきている。この方法で評価したときに、一定水準以上の接着強度を示すものが望まれていることは言うまでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−33916号公報
【特許文献2】特開平07−316400号公報
【特許文献3】特開平03−39378号公報
【特許文献4】特開平10−27956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこれらの問題点、すなわち、短時間の硬化時間で高い接着力を有し小型化される電子部品においても確実に接着固定可能であり、しかも電子部品の種類に関係なく、十分な接着強度が得られる液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、少なくともエポキシ樹脂、2種以上の潜在性硬化剤を含有し(但し、特定の反応率を有する潜在性硬化剤を全潜在性硬化剤の50質量%以上用いる)、硬化時間と接着力とが特定の関係を満足する液状エポキシ樹脂組成物を用いた接着剤は、短時間で高接着力を有し、サイズや種類に関係なく、各種電子部品に対して高い接着強度が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
なお、表面実装用に好適な液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤に関し、チップコンデンサー等を含む各種電子部品の性能評価に際し、従来、硬化時間測定の指標として採用されているゲル化時間を使用したのでは、十分な性能を有する組成物を提供できないことが判明した。その理由の一つとしては、ゲル化時間は、架橋開始の時間を示す指標に過ぎず、チップコンデンサーなどを含む各種電子部品における、接着剤の硬化時間は、通常150℃で60秒程度とされることから、このような条件下でも十分な接着強度を示す状態で硬化させることができるエポキシ樹脂組成物について、検討した結果、後述する反応率で規定する関係を充足させ得る初期反応率の高いエポキシ樹脂組成物であれば、サイズや種類に関係なく、各種電子部品に対して高い接着強度が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
即ち、本発明は以下の液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤を提供するものである。
【0010】
(1)少なくとも(a)エポキシ樹脂、(b)2種以上の潜在性硬化剤を含有し、前記潜在性硬化剤は、全潜在性硬化剤に対して、1種類のみで使用した場合に150℃30秒の条件で50%以上の反応率を有する潜在性硬化剤を50質量%以上用いる液状エポキシ樹脂組成物であって、当該液状エポキシ樹脂組成物を、ソルダーレジストとプリフラックスを塗布した基板上にディスペンサーを用いて、1点の塗布直径が0.7±0.15mmのものを2点塗布後、被着体として2012タイプの角型セラミックコンデンサーを、塗布した箇所の上に装着させ、装着後30秒で基板の表面温度が150℃になるように昇温後、60秒間又は1時間保持して硬化後、23℃まで放冷し、部品の長軸と直角方向に押して剥離したときの強度をプッシュプルゲージにて測定する接着試験により試験したとき、150℃の温度下における保持時間が60秒のときの接着力(A)と、1時間保持したときの接着力(B)とが、式0.6B<Aで規定する関係を満たすものであることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
【0011】
(2)前記接着力(A)が30N以上であることを特徴とする前記(1)に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【0012】
(3)示差走査熱量計を使用し、測定物についての等速昇温データよりピーク全体の熱量とピーク温度ならびにピークトップまでの変化率を求め、昇温スピードの常用対数値を縦軸にとり、前記ピーク温度の逆数値を横軸にとることにより小沢プロットを作成後、前記測定物についての活性化エネルギー、頻度因子、反応次数を求め、前記活性エネルギー、前記頻度因子及び前記反応次数より反応予測図を作成して算出する反応率について、150℃の温度下で0秒間、30秒間、60秒間、90秒間硬化させた際の液状エポキシ樹脂組成物の前記反応率をそれぞれα(0)、α(30)、α(60)、α(90)としたとき、これらの関係が下記式で表されることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【0013】
【数1】

(式中、Xは3以上、15以下である)
【0014】
(4)130℃の温度下で0秒間、30秒間、60秒間、90秒間硬化させた際の液状エポキシ樹脂組成物の前記反応率をそれぞれβ(0)、β(30)、β(60)、β(90)としたとき、これらの関係が下記式で表されることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【0015】
【数2】

(式中、Yは2以上、10以下である)
【0016】
(5)150℃の温度下で30秒間硬化させたときの前記反応率γ(150)と80℃の温度下で30秒間硬化させたときの前記反応率γ(80)との比Z〔γ(150)/γ(80)〕が10以上であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【0017】
(6)JIS K 6911に準拠した方法により硬化した試験片(硬化条件:120℃で1時間さらに150℃で1時間)の20℃における曲げ弾性率が5×108〜5×1010Paの範囲であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【0018】
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤。
【0019】
本発明における反応率とは、後述するマックサイエンス社製(現ブルカー・エイエックス社製(日本国))の示差走査熱量計(DSC)を用いて、同装置に添付されているDSC小沢法ソフトウエアのマニュアルに従い、反応予測式を導き出し、その式に基づき算出したある特定時間における反応率をいう。なお、反応率を算出するに当たっては、新版熱分析(小澤丈夫・神戸博太郎著・講談社サイエンティフィック編)、T. OZAWA, J.Thermal Anal.2.301(1970)を参考とした。上記のマニュアルの記載に従い、DSCの昇温速度を変えて、各種物性データを求め、このデータから反応率を計算した。その際、接着剤としての接着操作性、耐久性を考慮して採用した特定温度における各時間での反応率を利用することにより、より小型化され、より高集積された電子部品においても、短時間の硬化時間で、確実に接着固定可能で、かつ、高い接着力を有する接着組成物のスクリーニングの指標として有効であることを見出し、本発明を完成させたものである。この方法で求めた反応率は、ゲル化時間を指標として測定する硬化程度を推定する従来方法に比較して、誤差が少なく、特に、チップコンデンサー等の表面実装用部品をプリント基板上に接着固定するための接着剤のように、短時間で硬化することが求められる分野での使用においては、短時間での硬化の度合いをより正確に予測できるので好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤は、速硬化性を有するにもかかわらず高い接着強度を有するとともに、内部応力増加に伴うクラック等の発生を防止できるので、歩留り性、製品信頼性共に向上することができる。このように、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、特に電子部品(半導体を含む)等をプリント基板上に表面実装する際に極めて有用な接着剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤を実施するための形態について具体的に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
【0022】
[1]エポキシ樹脂
本発明で用いるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであって、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型もしくはAD型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族系エポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも常温で液状を示すエポキシ樹脂が好ましいが、常温で固体状であっても、これを常温で液状のエポキシ樹脂に溶解することによって使用することができる。また、これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化物の接着性、電気絶縁性、機械特性のバランスからビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との混合物が好適である。
【0023】
[2]硬化剤
発明の液状エポキシ樹脂組成物に用いられる潜在性硬化剤には、2種以上の潜在性硬化剤を用いる。潜在性硬化剤とは、常温で固体の変性アミン化合物で熱により活性化するものや所望の温度で溶解又は破壊されるマイクロカプセル中に例えば酸無水物、イミダゾール類、フェノール系化合物、アミド類等の硬化剤を含有させたマイクロカプセル型潜在性硬化剤等が挙げられる。これらのものは、硬化時間(反応性)や硬化物の物性の調整の面から2種以上を組み合わせて用いる。
【0024】
前記潜在性硬化剤の中でも硬化時間(反応性)の調整や接着剤とした時の粘度調整の面からアミン系潜在性硬化剤を用いるのがさらに好ましい。アミン系潜在性硬化剤としては、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−{2−メチルイミダゾリル−(1)}−エチル−5−トリアジン及びこの2,4−ジアミノ−6−{2−メチルイミダゾリル−(1)}−エチル−5−トリアジンのイソシアヌル酸付加物等のイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0025】
アミンアダクト系化合物としては、例えば、アミキュアPN−23、アミキュアPN−40J、アミキュアMY−24(いずれも味の素ファインテクノ(株)社製。アミキュアは登録商標)、ノバキュアHX−3721、ノバキュアHX−3741(いずれも旭化成ケミカルズ(株)社製。ノバキュアは登録商標)等の各種市販品を用いることができる。また、スピロアセタール系化合物としては、例えばCTU、ATU、CTUグアナミン(いずれも味の素ファインテクノ(株)社製。)等が挙げられる。特に硬化物の接着性がよく低温での硬化性と保存安定性のバランスからアミンアダクト化合物が好ましい。
【0026】
これらの潜在性硬化剤は、常温で粉末状やエポキシ樹脂中に混合されたペースト状などで市販されており、その質量平均粒径が15μm以下、好ましくは10μm以下が好ましい。粒径が15μmを超えると短時間での反応性や接着強度を上げ難くなるので好ましくない。速硬化性と接着性の面から5μm以下の潜在性硬化剤を用いるのが好ましい。
【0027】
また、潜在性硬化剤の使用割合は、前記エポキシ樹脂100質量部に対し、好ましくは20〜60質量部、より好ましくは36〜50質量部の範囲である。20質量部未満では硬化性が著しく低下することになるし、60質量を超えると硬化物の耐湿性や電気特性が低下するとともに粘度が著しく上昇することになるからである。これらの潜在性硬化剤は2種以上を組み合わせて用いる。なお、硬化剤の選択に際しては、低温硬化速度を考慮して、プッシュプルゲージにて測定する接着試験により試験したとき、150℃の温度下における保持時間が60秒のときの接着力(A)と、1時間保持したときの接着力(B)とが、式0.6B<Aで規定する関係を満たすに充分な量を選択することが必要なことは言うまでもない。また、2種類以上組み合わせて使用するので、潜在性硬化剤を一種類のみで使用した場合に150℃30秒で50%以上の反応率を有するものを全潜在性硬化剤量の少なくとも50質量%以上、好ましくは60質量%を占める量となるような割合で選択する必要がある。なお、ジシアンジアミド系の潜在性硬化剤は、150℃での硬化速度が一般的に遅いことから、本発明の組成物に於いて、主要な潜在性硬化剤原料として使用することは好ましくない。勿論、本発明に係る組成物としての要件を満たす範囲内であれば、ジシアンジアミド系の硬化剤を保存安定性向上や接着強度増強を目的として、添加しても良いことは言うまでもない。
【0028】
[3]その他の成分
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、他の添加物を加えることができる。添加剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、低α線シリカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、タルク、アルミナ、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マグネシア、窒化ケイ素、窒化ホウ素等の無機質充填剤や、アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等の樹脂粒子からなる充填剤、分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有し、常温、常圧下で低粘度の化合物、具体的にはフェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、n−ブチルグリコールグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の反応性希釈剤、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物、例えばトリエチルアミン、テトラエタノールアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルベンジルアミン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−メチルピペラジン等の第3級アミン系化合物、例えば1,8−ジアザ−ビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセニウムテトラフェニルボレート等のホウ素系化合物等の硬化促進剤、ニトリルゴム、ブタジエンゴム等の応力緩和剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤、染料や顔料等の着色剤、酸化安定剤、耐湿性向上剤、チキソトロピー付与剤、希釈剤、消泡剤、レベリング剤、他の各種の樹脂が挙げられる。
【0029】
中でも反応性希釈剤は、組成物の粘度調整性に優れるため、特に本発明の液状エポキシ樹脂組成物をスクリーン印刷やディスペンサーを用いて接着剤として塗布する際に有効である。また、シラン系カップリング剤は、エポキシ樹脂と充填剤との密着性の面で用いるのが好ましい。反応性希釈剤の配合割合は、得ようとする接着剤の粘度により適宜選択すればよいが、通常エポキシ樹脂100質量部に対して0〜20質量部の範囲である。また、カップリング剤の配合割合は通常充填剤100質量部に対し、0.25〜2.0質量部の範囲である。ただし、充填剤の表面を予めカップリング剤で処理したものを用いてもよい。
【0030】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、必要に応じ充填剤等の各種添加剤を混合して得ることができ、本発明の接着剤は、これらの成分からなる液状エポキシ樹脂組成物を含有するものである。
【0031】
前記エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、及び所望により用いられる充填剤等の各種添加剤からなる液状エポキシ樹脂組成物は、下記接着試験により試験したとき、60秒後の接着力(A)と1時間後の接着力(B)との関係が0.6B<Aを満足するものである。本発明は、このような関係を満足しうる接着特性を有するものであれば、チップコンデンサーなどを含む各種電子部品の製造時に使用する接着剤用の原料としての液状エポキシ樹脂組成物として、十分実用性があること見出し、この事実に基づき完成させてものである。
【0032】
即ち、通常、表面実装用部品をプリント基板上に接着固定するための接着剤としては、生産性を考慮したとき、150℃、60秒程度の短時間で硬化させる必要があり、この場合にある程度反応率が高い水準でないと耐湿性等の要求水準を満足することができなくなる恐れがあるため、通常硬化が終了する1時間後の接着強度の少なくとも50%以上の強度、好ましくは、60%以上の強度が必要であることを見出して、本発明を完成させたものである。
【0033】
[接着試験]
ソルダーレジストとプリフラックスを塗布した基板上に液状エポキシ樹脂組成物をディスペンサーにて1点の塗布直径が0.7±0.15mmで2点塗布後、被着体として2012タイプの角型セラミックコンデンサーを、該組成物上に装着する。装着後30秒で基板の表面温度が150℃になるように昇温後、60秒間又は1時間保持して硬化後、23℃まで放冷し、部品の長軸と直角方向に押して剥離したときの強度をプッシュプルゲージで測定する。
【0034】
前記接着力の関係が0.6B<Aを満足することにより硬化時間が短くても電子部品等を位置ズレや剥離なく次工程へ進めることができる程度の接着力が得られるが、接着力がこの関係を満足しないものである場合、所望の接着力を得るまでの硬化時間が長時間必要となるため、生産性が低下するので好ましくない。特に、電子部品等をプリント基板上に表面実装する場合、短時間に所望の強度水準に達することが好ましいことから、60秒後の接着力(A)は30N以上が好ましく、さらに好ましくは40N以上とするのが好ましい。
【0035】
また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、150℃の温度下で0秒間、30秒間、60秒間、90秒間硬化させた際の液状エポキシ樹脂組成物の各反応率をそれぞれ、α(0)、α(30)、α(60)、α(90)としたとき、これらの関係(X)が下記式(I)を満足するものであることが好ましい。この関係を満たす液状エポキシ樹脂組成物においては、硬化操作の際の周囲環境に影響を受けることがより少なく、かつ、短時間の内に、一定水準以上の接着力を発揮することが出来るので好ましい。
【0036】
【数3】

(式中、Xが3以上、15以下である)
【0037】
このとき、その理由は定かではないが、Xが3未満であると硬化物の耐湿性や絶縁特性が低下するし、15を超えると硬化速度が速すぎて硬化物に歪が生じやすくなる。硬化物の耐湿性、絶縁特性及び歪抑制性の面から好ましくは5〜15の範囲である。
【0038】
さらに本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、130℃の温度下での0秒間、30秒間、60秒間、90秒間硬化させた際の液状エポキシ樹脂組成物の各反応率をそれぞれ、β(0)、β(30)、β(60)、β(90)としたとき、これらの関係(Y)が下記式(II)を満足するものであることが好ましい。このような関係を満たすものは、動作保証温度の低い特殊な半導体パッケージの接着操作の場合には、好適に使用されるからである。
【0039】
【数4】

(式中、Yが2以上、10以下である)
【0040】
このとき、Yが2未満であると硬化物の耐湿性や絶縁特性が低下するし、10を超えると、硬化速度が速すぎて硬化物に歪が生じやすくなる。硬化物の耐湿性、絶縁特性及び歪抑制性の面から好ましくは2〜7の範囲である。
【0041】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、前記150℃での各時間における反応率の関係Xを満足すればよいが、近時、地球温暖化を含む環境問題や省資源の観点から硬化温度を低くする傾向があり、このためより低温、特に130℃での液状エポキシ樹脂組成物の反応率をコントロールし、各時間における反応率の関係Yを満足することにより、硬化温度が高温でも低温でも接着性、硬化性に優れる液状エポキシ樹脂組成物を得ることができるので好ましい。
【0042】
また、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、150℃の温度下で30秒間硬化させたときの反応率γ(150)と80℃の温度下で30秒間硬化させたときの反応率γ(80)との比Z〔γ(150)/γ(80)〕が10以上であるものが好ましい。この比が10未満であると、80℃で反応が進んでしまうために保存性が低下したり、150℃で60秒後の反応率が低下、すなわち、保存時及び/又は使用時の安定性が低下するので好ましくない。長期保存性及び接着性、速硬化性の面から特に好ましくは12以上である。
【0043】
前記式(I)で求められるXが3以上、15以下、前記式(II)で求められるYが2以上、10以下及び150℃での反応率と80℃での反応率との比Zが10以上である液状エポキシ樹脂組成物は、初期(0秒〜30秒)反応率が高いために60秒後において、高い接着力を得やすく、しかも80℃での反応率が低いため長期保存安定性に優れるものである。その結果、このような液状エポキシ樹脂組成物を含有する接着剤は、保存安定性が高いにも係わらず、使用する場合は短時間で電子部品等の被着体を強固に接着することができるという、保存性と接着性という互いに相反する効果を高い次元で両立できるものである。
【0044】
さらに、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、次の弾性率測定試験における弾性率が5×108〜5×1010Paの範囲であることが好ましい。
【0045】
[曲げ弾性率試験]
JIS K 6911に準拠した方法により曲げ弾性率を測定した。なお、試験片は120℃で1時間硬化後、さらに150℃で1時間硬化したものを使用した。
【0046】
曲げ弾性率が5×108Pa未満であると接着剤として用いた場合、基板上に表面実装した電子部品等の位置ズレが生じやすくなり、その結果動作不良等の製品品質に悪影響を与える可能性があり、また、5×1010Paを超えると衝撃による電子部品等の脱落が生じやすくなり製品品質低下を招来する可能性があるので好ましくない。製品品質の面から好ましい弾性率は1×109〜7×109Paの範囲である。
【0047】
[4]接着剤
本発明の接着剤は前記したエポキシ樹脂、潜在性硬化剤、所望により用いられる充填剤等の各種添加剤を所定の割合で、エポキシ樹脂が常温で液状の場合はそのまま、エポキシ樹脂が常温で固体の場合はエポキシ樹脂又は全ての成分を溶媒中で均一に混合させることにより得ることができるが、保存安定性や短時間での硬化性の面から次の方法により調製するのが好ましい。
【0048】
(1)液状エポキシ樹脂又は予めトルエン、エタノール、セロソルブ、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド等の有機溶媒に溶解したエポキシ樹脂と潜在性硬化剤及び充填剤等を撹拌機(例えばプラネタリーミキサーや万能撹拌機等、従来接着剤を製造する際に用いられているもの)に充填する。
(2)混合温度5〜40℃、好ましくは室温(23℃前後)の温度条件下で均一に混合する。また、充填剤としては、シリカが好ましく、この時の配合量は硬化剤の塩基度により適宜選択されるが、通常硬化剤1質量部に対して、0.05質量部以上、好ましくは0.07〜0.5質量部の範囲である。シリカの配合量が0.05質量部未満であると、シリカを配合しても均一な分散性等を得ることが難しくなるので好ましくない。また、多すぎても好ましくない。
【0049】
本発明の接着剤は、ディスペンス方式、ピン転写方式、スクリーン印刷方式等の各種塗装方法に好適に用いることができる。例として、ディスペンス方式にて本発明の接着剤を用いた電子部品の固定方法について説明する。
【0050】
(1)接着剤の塗布
回路パターンを有する基板の電子部品を実装する箇所に、ディスペンサーを用いて接着剤を塗布する。ディスペンサーとしては、ねじ式(ねじの回転により接着剤を吐出させる方式)、エア式(空気圧で吐出させる方式)のいずれ方式でもよい。
(2)電子部品の固定
次に、前記接着剤上に電子部品を載せ、130〜180℃の温度で30〜60秒程度硬化させ、部品を固定する。
本発明の接着剤を用いた場合、加熱後60秒間での接着力及び/又は反応率が高いため、短い硬化時間で確実に電子部品を固定できるので歩留り性に優れ、しかも次工程へ移行するまでの時間を短くすることができるため、作業効率、生産性に優れるものである。さらに、次の工程、例えばハンダディップ工程においても、接着剤の形状変化がないので、電子部品が傾いたり、位置ズレ等の発生を抑制でき、しかも吸水し難いため、電気特性低下を防止することができる。
【実施例】
【0051】
以下、本発明の液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤につき実施例を用いて具体的に説明するが、本発明の液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例の接着剤については、接着力、反応率、弾性率の3項目について評価した。これらの項目については、以下の方法により評価した。
【0052】
[接着力(N)]
予め、ソルダーレジストとその上にプリフラックスを塗布した基板の上に、本発明の液状エポキシ樹脂組成物(接着剤)をディスペンサーにて1点の塗布直径が0.7±0.15mmで2点塗布する。この接着剤上に2012タイプの角型セラミックコンデンサーを装着した後、30秒で基板の表面温度が150℃になるように昇温し、その後、60秒後(A)及び1時間(B)保持して硬化した(硬化炉:静止式リフロー炉SAR−401A(奥原電気社製))。(A)と(B)の試験片を室温(23℃)まで放冷し、部品の長軸と直角方向に押した時の剥離強度をプッシュプルゲージで測定した。品点数は10点とし、その平均値を記録した。
【0053】
[反応率]
以下の手順により算出した。
〈1〉示差走査熱量計(マックサイエンス社製示差走査熱量計DSC3100/3200)を使用して、同装置に添付されているマニュアルの記述に従い、各試料についての等速昇温データ(昇温スピード5℃/分,10℃/分,20℃/分)よりピーク全体の熱量とピーク温度ならびにピークトップまでの変化率を求めた。ここでいう変化率は、ピーク温度までの熱量をピーク全体の熱量で除した値である。
〈2〉上記昇温スピードの常用対数値を縦軸にとり、ピーク温度の逆数値を横軸にとることにより小沢プロットを作成後、各試料についての活性化エネルギー、頻度因子、反応次数を求めた。
〈3〉前記〈2〉で求めた活性エネルギー、頻度因子及び反応次数より反応予測図を作成し、この図より80℃、130℃及び150℃の各温度での0秒、30秒後、60秒後及び90秒後の反応率を算出した。
〈4〉さらに0秒、30秒後、60秒後及び90秒後の各々の反応率から以下の式により150℃での結果X及び130℃での結果Yを求めた。
【0054】
【数5】

【0055】
〈5〉150℃で30秒間硬化させたときの反応率と80℃で30秒間硬化させた時の反応率との比Z(150℃/80℃)を求めた。
【0056】
[曲げ弾性率(Pa)]
JIS K 6911に準拠して測定した。なお、試験片は120℃で1時間硬化後さらに150℃で1時間硬化したものを使用した。
【0057】
参考例1
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート828)50質量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂50質量部、潜在性硬化剤(イミダゾール系アミンアダクト硬化剤;味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアPN−H、平均粒径10μm)35質量部及びシリカ粉末(日本アエロジル(株)社製、商品名:アエロジル#300)3質量部を攪拌混合し、エポキシ樹脂溶液を作製した。次に、この中にチキソ付与剤としてシリカ粉末(一次粒子径:約10nm)7質量部を加え、ホモジナイザーで混合し、液状エポキシ樹脂組成物を調製した。このとき得られる液状エポキシ樹脂組成物は接着剤として使用できるものであった。このものの物性を表1に示す。
【0058】
実施例1
参考例1において、潜在性硬化剤をイミダゾール系アミンアダクト硬化剤(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアPN−23J、平均粒径3μm)20質量部と脂肪族アミン系アミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアMY−24、平均粒径8〜10μm)15質量部に変えた以外は全て参考例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を調製した。このものの物性を表1に示す。
【0059】
実施例2
参考例1において、潜在性硬化剤をイミダゾール系アミンアダクト硬化剤(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアPN−23、平均粒径10μm)30質量部と脂肪族アミン系アミンアダクト硬化剤(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアMY−24、平均粒径8〜10μm)10質量部に変えた以外は全て参考例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を調製した。このものの物性を表1に示す。
【0060】
実施例3
参考例1において、潜在性硬化剤をイミダゾール系アミンアダクト硬化剤(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアPN−40J、平均粒径3μm)30質量部と脂肪族アミン系アミンアダクト硬化剤(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアMY−24、平均粒径8〜10μm)10質量部に変えた以外は全て参考例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を調製した。このものの物性を表1に示す。
【0061】
参考例2
参考例1において、潜在性硬化剤をマイクロカプセル型硬化剤(旭化成ケミカルズ(株)社製、商品名:ノバキュアHX−3722、平均粒径2μm)35質量部に変えた以外は全て参考例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を調製した。このものの物性を表1に示す。
【0062】
比較例1
参考例1において、潜在性硬化剤をイミダゾール系アミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアPN−40J、平均粒径3μm)10質量部と脂肪族アミン系アミンアダクト(味の素ファインテクノ(株)社製、商品名:アミキュアMY−24、平均粒径8〜10μm)30質量部に変えた以外は全て参考例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を調製した。なお、この組成物においては、低温硬化性であるアミキュアPN−40Jの量が、より高温での硬化性を示す低温硬化性硬化剤であるアミキュアMY−24の量よりも少なく、全体の潜在性硬化剤量の25質量%を占めるに過ぎないため、この組成物の接着力の関係は、0.6B<Aを満足するものではなかった。このものの物性を表1に示す。
【0063】
比較例2
参考例1において、潜在性硬化剤をジシアンジアミド系のマイクロカプセル型硬化剤(旭化成ケミカルズ(株)社製、商品名:ノバキュアHX−3613、平均粒径5μm)35質量部に変えた以外は全て参考例1と同様にして液状エポキシ樹脂組成物からなる接着剤を調製した。このものの物性を表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
表1より、本発明の接着剤は、比較例1及び2に比べて短時間で接着力が高いものであることが分かる。また、実施例1〜3及び参考例1〜2のものは比較例1及び2に比べ、80℃での反応率が低く抑えられていることがわかる。これらにより保存安定性が高く、しかも使用時には瞬時に硬化反応が起こり短時間で強固な接着力が得られる接着剤であることが分かる。このため歩留り性が向上し、かつ、高品質の製品が得られることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物及びこれに用いた接着剤は、半導体や電子部品等を回路基板上に短時間で固定できるため、次工程までの時間を短くすることができるので、作業効率、生産性が向上でき、しかも保存安定性が高い接着が得られる。このような接着剤を用いて生産すると、歩留り性の向上や高い品質の製品を得ることができる。そのため本発明の液状エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた接着剤は、半導体や電子部品の実装分野に極めて有効なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも(a)エポキシ樹脂、(b)2種以上の潜在性硬化剤を含有し、前記潜在性硬化剤は、全潜在性硬化剤に対して、1種類のみで使用した場合に150℃30秒の条件で50%以上の反応率を有する潜在性硬化剤を50質量%以上用いる液状エポキシ樹脂組成物であって、
当該液状エポキシ樹脂組成物を、ソルダーレジストとプリフラックスを塗布した基板上にディスペンサーを用いて、1点の塗布直径が0.7±0.15mmのものを2点塗布後、被着体として2012タイプの角型セラミックコンデンサーを、塗布した箇所の上に装着させ、装着後30秒で基板の表面温度が150℃になるように昇温後、60秒間又は1時間保持して硬化後、23℃まで放冷し、部品の長軸と直角方向に押して剥離したときの強度をプッシュプルゲージにて測定する接着試験により試験したとき、150℃の温度下における保持時間が60秒のときの接着力(A)と、1時間保持したときの接着力(B)とが、式0.6B<Aで規定する関係を満たすものであることを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
前記接着力(A)が30N以上であることを特徴とする請求項1に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
示差走査熱量計を使用し、測定物についての等速昇温データよりピーク全体の熱量とピーク温度ならびにピークトップまでの変化率を求め、昇温スピードの常用対数値を縦軸にとり、前記ピーク温度の逆数値を横軸にとることにより小沢プロットを作成後、前記測定物についての活性化エネルギー、頻度因子、反応次数を求め、前記活性エネルギー、前記頻度因子及び前記反応次数より反応予測図を作成して算出する反応率について、150℃の温度下で0秒間、30秒間、60秒間、90秒間硬化させた際の液状エポキシ樹脂組成物の前記反応率をそれぞれα(0)、α(30)、α(60)、α(90)としたとき、これらの関係が下記式で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【数1】

(式中、Xは3以上、15以下である)
【請求項4】
130℃の温度下で0秒間、30秒間、60秒間、90秒間硬化させた際の液状エポキシ樹脂組成物の前記反応率をそれぞれβ(0)、β(30)、β(60)、β(90)としたとき、これらの関係が下記式で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【数2】

(式中、Yは2以上、10以下である)
【請求項5】
150℃の温度下で30秒間硬化させたときの前記反応率γ(150)と80℃の温度下で30秒間硬化させたときの前記反応率γ(80)との比Z〔γ(150)/γ(80)〕が10以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項6】
JIS K6911に準拠した方法により硬化した試験片(硬化条件:120℃で1時間さらに150℃で1時間)の20℃における曲げ弾性率が5×108〜5×1010Paの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物を含有することを特徴とする接着剤。

【公開番号】特開2013−100525(P2013−100525A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−714(P2013−714)
【出願日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【分割の表示】特願2007−554928(P2007−554928)の分割
【原出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000108454)ソマール株式会社 (81)
【Fターム(参考)】