説明

液状乳化化粧料

電解質美容成分を配合し、長期保存安定性に優れる液状乳化化粧料を提供すること。
(A)リゾリン脂質、(B)油 0.5〜30.0%、(C)電解質美容成分、(D)水を含有する液状乳化化粧料である。また、好ましくは、成分(A)の配合量が0.05〜10%であり、成分(A)と成分(B)配合質量比が1:10〜3:1である前記液状乳化粧料である。更にまた、成分(E)としてPOEステロールエーテルを含有する前記液状乳化化粧料である。更にまた、粒子径が30〜300nmである前記液状乳化化粧料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リゾリン脂質、油、電解質美容成分を配合する液状乳化化粧料に関するものである。より詳細には、電解質が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高い液状乳化化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧水、乳液、美容液等の乳化化粧料には、肌に対する美容成分として、電解質が用いられてきた。美容成分としては、保湿剤(アミノ酸や乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等)、消炎剤(グリチルリチン酸ジカリウム等)、美白剤(L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム等)、紫外線吸収剤(フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩等)等が使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記電解質美容成分を乳化化粧料に配合すると、電解質の影響により、乳化滴の表面の電気二重層が圧縮され、乳化滴の凝集・合一やクリーミングが生じる場合があり、安定性が著しく低下し、特に液状乳化化粧料における安定性の確保が困難であった。電解質を乳化化粧料に含有させる試みとして、特許文献1においては、特定の非極性油と極性油を含有した粒子径が400nm以下の乳化化粧料が提案されており、乳化剤として特にリン脂質を使用することが好ましい旨が記載されている。しかしながら、特開2002−138014号公報(例えば第1頁〜第7頁)においては、具体的に実施例として開示されている範囲において、水溶性高分子が併用されており、液状化粧料の安定性の向上に関する記載は特には示されていない。
【0004】
また、液状の乳化化粧料に電解質を配合する試みとして、ポリグリセリン脂肪酸エステルと炭素数10〜22の2−ヒドロキシ脂肪酸を組み合わせるもの(特開平9−110635号公報(例えば第1頁〜第7頁))や、高級脂肪酸とHLBが10以上の非イオン性界面活性剤を組み合わせるもの(特許第3434115号公報(第1頁〜第8頁)参照)が検討されている。
【0005】
しかしながら、上記文献に記載された従来の技術では、液状乳化化粧料の保存安定性を確保するための領域では、肌に塗布する際に、活性剤によるぬるつき感やべたつき感が生じるなど、使用感を十分に満足し得るものではなく、またエモリエント感も十分に満足し得るものではなかった。
【0006】
かかる実情を鑑み、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、電解質美容成分を配合した液状乳化化粧料において、リゾリン脂質を乳化剤として使用することにより、保存安定性が良好で、みずみずしく、べとつきがないので使用感が良好であり、更にエモリエント効果の高い液状乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、 次の成分(A)〜(D);
(A)リゾリン脂質
(B)油 0.5〜30.0質量%
(C)電解質美容成分
(D)水
を含有する液状乳化化粧料に関するものである。また、成分(A)と成分(B)の質量比が1:10〜3:1である前記液状乳化粧料に関する。更にまた、成分(E)としてポリオキシエチレンステロールエーテルを含有する液状乳化化粧料に関する。更にまた、乳化滴の粒子径が30〜300nmである液状乳化化粧料に関するものである。更にまた成分(C)を0.1〜10質量%含有する液状乳化化粧料に関するものである。更にまた、成分(A)が、リゾホスファチジルコリンを15質量%以上含有する前記液状乳化化粧料に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化粧料は、電解質を配合しても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高い液状乳化化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に用いられる成分(A)のリゾリン脂質は本発明では乳化剤として使用され、更にはリゾリン脂質を使用することによりエモリエント効果も付与できる。また、通常の乳化剤を使用した場合に比べ、べたつきが少なく、みずみずしい使用感が得られる。成分(A)のリゾリン脂質は、通常の化粧料に使用されるものであり、例えば、大豆由来リゾリン脂質、大豆由来水素添加リゾリン脂質、卵黄由来リゾリン脂質、卵黄由来水素添加リゾリン脂質、が挙げられ、これらのリゾリン脂質は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0010】
本発明に用いられるリゾリン脂質は、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン等の複数種のリゾリン脂質を含有していてもよい。中でも、少なくともリゾホスファチジルコリンを含有しているのが好ましく、15質量%以上含有しているのがより好ましく、20質量%以上含有しているのがさらに好ましい。リゾホスファチジルコリンを15質量%以上含有していると、保存安定性の点で好ましい。
【0011】
本発明に用いられる成分(A)のリゾリン脂質は、酵素改質リン脂質の1つで、ホスフォリパーゼにより2位のエステル結合が加水分解されたものをいう。リゾリン脂質は、2本鎖の脂肪酸を有するリン脂質とは異なり、1本鎖の脂肪酸を有するため、HLBが高く、リン脂質とは異なる化学的性質を有する。リゾリン脂質を乳化剤として使用すると、酸性下や高温でのエマルションの安定性が良好なものとなる。
【0012】
本発明の液状乳化化粧料における、成分(A)のリゾリン脂質の配合量は、0.05〜10質量%(以下、単に「%」とする。)が好ましく、0.2〜5%がより好ましい。この範囲であれば、十分なエモリエント効果と良好な使用感を得ることができる。また、保存安定性も良好なものとなる。
【0013】
本発明に用いられる成分(B)の油は、エモリエント効果を付与するために必須の成分である。本発明に用いられる成分(B)の油は、通常の化粧料に使用されるものであれば、特に限定されず、固形、ペースト、液状のいずれの形状であっても使用することができる。例えば、液状の油剤としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アジピン酸2−ヘキシルデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヒマシ油等が挙げられ、例えばペースト油としては、カカオ脂、シアバター、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリトリット12−ヒドロキシステアリン酸エステル、ジペンタエリトリットステアリン酸エステル、ジペンタエリトリットロジンエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデマナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、例えば固形油としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリベヘン酸グリセリル、ステアリル変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらの油剤は必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0014】
本発明の液状乳化化粧料における、成分(B)の油の配合量は、0.5〜30%であり、2〜25%が好ましい。この範囲であれば、十分なエモリエント効果と良好な使用感を得ることができ、また保存安定性も良好なものとなる。
【0015】
本発明の液状乳化化粧料における、成分(A)のリゾリン脂質と成分(B)の油の配合質量比は1:10〜3:1であることが好ましく、1:10〜1:1がより好ましい。この範囲であれば、保存安定性が良好であり、また十分なエモリエント効果及びべとつき感のない良好な使用感を得ることができる。
【0016】
本発明に用いられる成分(C)の電解質美容成分は、皮膚科学的に肌に有効な美容成分であり、通常の化粧料に使用されるものであればよい。皮膚科学的に肌に有効な美容成分としては、保湿剤、消炎剤、美白剤、紫外線防御剤等であり、電解質の物質をいう。具体的には、保湿剤の例として、アミノ酸、乳酸ソーダ等の乳酸塩、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のピロリドンカルボン酸塩及び尿素等;消炎剤の例として、グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸塩;美白剤の例として、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド等のアスコルビン酸誘導体;紫外線吸収剤の例として、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸塩、及びヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩;が挙げられる。必要に応じて一種又は二種以上を用いることができる。
【0017】
本発明の液状乳化化粧料における、成分(C)の電解質美容成分の配合量は、0.1〜10%が好ましく、0.3〜3%がより好ましい。この範囲であれば、十分に肌に対する効果を得ることができ、また、保存安定性が良好である。
【0018】
本発明に用いられる成分(D)の水は、通常の化粧料に使用されているものである。本発明の液状乳化化粧料における、成分(D)の配合量は特には限定されないが、みずみずしい感触を得るためには、30〜99%が好ましい。
【0019】
本発明において、更に成分(E)のポリオキシエチレン(以下、単に「POE」とする。)ステロールエーテルを配合すると、保存安定性が更に良好なものとなる。本発明に用いられる成分(E)のPOEステロールエーテルは、通常の化粧料に使用されるものであり、例えば、POE(5)コレステロールエーテル、POE(10)コレステロールエーテル、POE(20)コレステロールエーテル、POE(30)コレステロールエーテル、POE(5)フィトステロールエーテル、POE(10)フィトステロールエーテル、POE(20)フィトステロールエーテル、POE(30)フィトステロールエーテル、POE(5)コレスタノールエーテル、POE(10)コレスタノールエーテル、POE(20)コレスタノールエーテル、POE(30)コレスタノールエーテル、POE(5)フィトスタノールエーテル、POE(10)フィトスタノールエーテル、POE(20)フィトスタノールエーテル、POE(30)フィトスタノールエーテル等が挙げられ、これらのPOEステロールエーテルは必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0020】
本発明の液状乳化化粧料における、成分(E)のPOEステロールエーテルの配合量は、成分(A)のリゾリン脂質の1/10〜3/4が好ましく、1/5〜1/2がより好ましい。この範囲であれば、保存安定性の向上効果を得ることができ、またべたつきのない良好な使用感を得ることができる。
【0021】
本発明の液状乳化化粧料の粒子径は30〜300nmであることが好ましい。この範囲であれば、クリーミングが生ずることが少なく、保存安定性が更に良好なものとなる。
【0022】
本発明における液状乳化化粧料の液状とは30℃の粘度がブルックフィールド型回転粘度計による測定値で1〜2000mPa・sであるものを指す。この範囲の粘度であると、みずみずしい使用感を得ることができる。
【0023】
本発明の液状乳化化粧料おいては、保存安定性が良好で、かつ、みずみずしく、べたつきのない使用感を得るために水中油型であることが、最も好ましい。
【0024】
本発明の液状乳化化粧料には、上記成分の他に通常化粧品や医薬部外品、医薬品等に用いられる各種成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば、アルコール類、保湿剤、油性成分、乳化剤、乳化安定剤、増粘剤、防腐剤、粉体、顔料、色素、紫外線吸収剤、pH調整剤、香料、薬効成分、金属封鎖剤等が挙げられる。
【0025】
本発明の液状乳化化粧料は、常法に従って製造することができ、また高圧ホモジナイザーやマイクロフルイダイザー等の高圧乳化機を用いて製造することもできる。
【0026】
本発明の液状乳化化粧料は、一般の皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、医薬品等、皮膚外用剤全般を包含するものであり、その剤型も特に限定されず、目的に応じて選択することができる。例えば、乳液、化粧水、美容液、パック、クレンジング料、メーキャップ化粧料、エアゾール等の剤型が挙げられる。
【実施例】
【0027】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0028】
実施例1〜8及び比較例1〜 液状乳化化粧料
下記表1及び表2に示す組成の液状乳化化粧料を以下に示す製造方法により製造した。(1)使用感(みずみずしさ、べたつきのなさ)(2)エモリエント効果、(3)保存安定性、(4)乳化滴の粒子径、の評価項目について下記の方法により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】

【0031】
(製造方法)
A:1〜9を混合溶解する。(70℃)
B:10、11を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dをマイクロフルイダイザーで分散する。
F:Eに12を添加する。
【0032】
[評価項目1〜2及びその評価方法]
化粧歴10年以上の女性20名をパネルとし、(1)使用感(みずみずしさ、べたつきのなさ)(2)エモリエント効果、それぞれの評価項目について基準Aにて5段階評価し、さらにその平均点から判定した。
【0033】
(基準A)
5点:非常に良好
4点:良好
3点:普通
2点:不良
1点:非常に不良
(判定)
◎:平均点4.5点以上
○:平均点3.5点以上4.5点未満
△:平均点2.5点以上3.5点未満
×:平均点2.5点未満
【0034】
[評価項目3及びその評価方法]
経時安定性の評価方法としては、表1に示す液状乳化化粧料を40℃で保存した時の状態を目視により観察し、以下の基準Bに従い評価した。
【0035】
(基準B)
6ヶ月で分離、クリーミングが認められない:◎
6ヶ月で分離は認められないが、若干のクリーミングが認められる:○
1ヶ月で分離、クリーミングが認められる :△
1週間で分離、クリーミングが認められる :×
【0036】
[評価項目4及びその測定方法]
表1に示す液状乳化化粧料の乳化滴の粒子径は、COULTER N−4型(BECKMAN COULTER社製)にて測定した。
【0037】
表1及び表2の結果より、本発明の液状乳化化粧料は、電解質美容成分である乳酸ナトリウム(保湿剤)が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高い液状乳化化粧料であった。なお、本実施例、及び比較例の粘度はいずれも30℃で1〜2000mPa・sであった。
【0038】
実施例9 美白化粧水
(成分) (%)
(1)水素添加大豆リゾリン脂質*1 0.5
(2)POE(5)コレステロールエーテル 0.1
(3)2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
(4)ジペンタエリトリット12−ヒドロキシ脂肪酸
/ステアリン酸/ロジン酸エステル 0.05
(5)ステアリン酸 0.05
(6)ジプロピレングリコール 2.0
(7)グリセリン 3.0
(8)精製水 10.0
(9)L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム 3.0
(10)クエン酸ナトリウム 1.0
(11)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(12)香料 適量
(13)エチルアルコール 10.0
(14)精製水 残量
*1:リゾホスファチジルコリンの含有量が90質量%
【0039】
(製法)
A:1〜7を混合溶解する。(70℃)
B:8を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dを高圧ホモジナイザーで分散する。
F:Eに9〜14を添加する。
【0040】
実施例9は、電解質美容成分であるL−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム(美白剤)が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高い美白化粧水であった。なお、本実施例の粘度は30℃で10mPa・sであった。また、本実施例の乳化滴の粒子径は100〜250nmであった。
【0041】
実施例10 エモリエント美容液
(成分) (%)
(1)水素添加卵黄リゾリン脂質*1 1.0
(2)POE(10)フィトステロールエーテル 0.2
(3)ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.05
(4)2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
(5)ヒドロキシステアリン酸コレステロール 0.5
(6)プロピレングリコール 3.0
(7)グリセリン 3.0
(8)精製水 20.0
(9)乳酸ナトリウム 2.0
(10)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 2.0
(11)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(12)香料 適量
(13)エチルアルコール 5.0
(14)精製水 残量
*1:リゾホスファチジルコリンの含有量が30質量%
【0042】
(製法)
A:1〜7を混合溶解する。(70℃)
B:8を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dを高圧乳化機で分散する。
F:Eに9〜14を添加する。
【0043】
実施例10は、電解質美容成分である乳酸ナトリウム及びピロリドンカルボン酸ナトリウム(保湿剤)が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高いエモリエント美容液であった。なお、本実施例の粘度は20mPa・sであった。また、本実施例の乳化滴の粒子径は50〜250nmであった。
【0044】
実施例11 乳液
(成分) (%)
(1)水素添加大豆リゾリン脂質*1 1.0
(2)水素添加大豆リン脂質 0.5
(3)POE(20)コレスタノールエーテル 0.3
(4)スクワラン 5.0
(5)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(6)1,3−ブチレングリコール 10.0
(7)グリセリン 10.0
(8)精製水 30.0
(9)グリチルリチン酸ジカリウム 3.0
(10)pH調整剤 適量
(11)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(12)香料 適量
(13)精製水 残量
*1:リゾホスファチジルコリンの含有量が70質量%
【0045】
(製法)
A:1〜7を混合溶解する。(70℃)
B:8を加熱する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dに9〜13を添加する。
【0046】
実施例11は、電解質であるグリチルリチン酸ジカリウム(消炎剤)が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高い乳液であった。なお、本実施例の粘度は25mPa・sであった。また、本実施例の乳化滴の粒子径は40〜280nmであった。
【0047】
実施例12 日焼け止めローション
(成分) (%)
(1)水素添加大豆リゾリン脂質*1 0.5
(2)POE(20)フィトステロール 0.2
(3)2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
(4)ジメチルシクロペンタシロキサン 3.0
(5)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 5.0
(6)ジプロピレングリコール 10.0
(7)グリセリン 3.0
(8)カルボキシビニルポリマー 0.05
(9)精製水 30.0
(10)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸 3.0
(11)トリエタノールアミン 1.0
(12)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(13)香料 適量
(14)エチルアルコール 5.0
(15)精製水 残量
*1:リゾホスファチジルコリンの含有量が20質量%
【0048】
(製法)
A:1〜7を混合溶解する。(70℃)
B:8、9を混合する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dをマイクロフルイダイザーで分散する。
F:Eに10〜15を添加する。
【0049】
実施例12は、電解質美容成分であるフェニルベンズイミダゾールスルホン酸(紫外線吸収剤)が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高い日焼け止めローションであった。なお、本実施例の粘度は100mPa・sであった。また、本実施例の粒子径は80〜200nmであった。
【0050】
実施例13 クレンジングローション
(成分) (%)
(1)水素添加大豆リゾリン脂質*1 2.0
(2)POE(10)フィトスタノールエーテル 0.5
(2)流動パラフィン 10.0
(3)ジメチルシクロペンタシロキサン 5.0
(4)1,3−ブチレングリコール 10.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 30.0
(7)N−アセチル−L−グルタミン酸 0.5
(8)L−セリン 0.5
(9)パラオキシ安息香酸メチル 適量
(10)香料 適量
(11)エチルアルコール 10.0
(12)キサンタンガム 0.5
(13)精製水 残量
*1:リゾホスファチジルコリンの含有量が50質量%
【0051】
(製法)
A:1〜5を混合溶解する。(70℃)
B:6、12を混合する。(70℃)
C:AにBを添加し乳化する。(70℃)
D:Cを40℃まで冷却する。
E:Dに7〜11、13を添加する。
【0052】
実施例13は、電解質美容成分であるN−アセチル−L−グルタミン酸、L−セリン(保湿剤)が存在していても、保存安定性が良好で、みずみずしい使用感で、べとつきがなく、エモリエント効果の高いクレンジングローションであった。なお、本実施例の粘度は1500mPa・sであった。また、本実施例の粒子径は50〜250nmであった。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D);
(A)リゾリン脂質
(B)油 0.5〜30.0質量%
(C)電解質美容成分
(D)水
を含有する液状乳化化粧料。
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の質量比が1:10〜3:1である請求項1の液状乳化化粧料。
【請求項3】
さらに成分(E)としてポリオキシエチレンステロールエーテルを含有する請求項1または請求項2の液状乳化化粧料。
【請求項4】
乳化滴の粒子径が30〜300nmである請求項1〜3のいずれかの液状乳化化粧料。
【請求項5】
成分(C)を0.1〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれかの液状乳化化粧料。
【請求項6】
成分(A)が、リゾホスファチジルコリンを15質量%以上含有する請求項1〜5のいずれかの液状乳化化粧料。


【国際公開番号】WO2005/077322
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518044(P2005−518044)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002397
【国際出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】