説明

液状体供給具

【課題】操作部材を押圧操作する際、その押圧操作を容易かつ確実に行なうことができる液状体供給具を提供すること。
【解決手段】液状体供給具としての塗布具1は、口部22を有する外筒21と、外筒21内に挿入され、その長手方向に沿って移動するガスケット24と、ガスケット24を移動操作する操作部材5とを有し、操作部材5を操作して、外筒21の先端側空間211に充填された液体を口部22から吐出する、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3を備えるものである。塗布具1は、外筒21の基端開口が気密的に封止されたものであり、操作部材5を操作する際に、外筒21の基端側空間212内にガスを供給して、基端側空間212を加圧することにより、各ガスケット24を先端方向に向かって押圧する押圧補助手段6を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体供給具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2種以上の液体を混合して患部等に噴射し、癒着防止材や生体組織接着材などを形成する方法が知られており、そのための塗布具が開発されている。
【0003】
このような塗布具は、混合すると凝固する成分同士、例えばトロンビンを含有する溶液とフィブリノーゲンを含有する溶液を互いに分別した状態で、患部付近まで送り、患部で混合しながら塗布するという構成によるものである。
【0004】
従来の塗布具としては、互いに異なる種類の液体がそれぞれ充填された2本のシリンジが装填される塗布具本体と、各シリンジの押し子(プランジャ)同士を連結し一括して操作する操作部材(アクチュエータ)と、操作部材を先端方向に向かって押圧操作することにより各シリンジからそれぞれ流出した液体を噴出する長尺なノズル(バレル)とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1に記載の塗布具では、例えば2本のシリンジのうちの少なくとも一方のシリンジに充填されている液体の粘度が比較的高い場合、操作部材を押圧操作しようとしても、液体の粘度が高いため、操作者によっては、その押圧操作が行ない難い、または、不可能となるという問題が生じていた。また、2本のシリンジの液体同士の粘度が極端に異なる場合、操作部材による各押し子に対する押圧力が均一とはならない状態が生じて、この場合でも、押圧操作が行ない難い、または、不可能となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2002−522177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、操作部材を押圧操作する際、その押圧操作を容易かつ確実に行なうことができる液状体供給具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) 先端に突出形成された口部を有するシリンジ外筒と、該シリンジ外筒内に挿入され、その長手方向に沿って移動するガスケットと、前記ガスケットを移動操作する操作部材とを有し、前記操作部材を操作して、前記シリンジ外筒と前記ガスケットとで囲まれた先端側空間に充填された液体を前記口部から吐出するシリンジを備える液状体供給具であって、
前記シリンジ外筒は、その基端開口が気密的に封止されたものであり、
前記操作部材を操作する際に、前記シリンジ外筒の前記ガスケットよりも基端側の基端側空間内にガスを供給して、該基端側空間を加圧することにより、前記ガスケットを先端方向に向かって押圧する押圧補助手段を備えることを特徴とする液状体供給具。
【0009】
(2) 前記シリンジを少なくとも1本保持する塗布具本体と、
前記操作部材を先端方向に向かって押圧操作することにより前記口部から吐出した前記液体を噴出して目的部位に塗布するノズルとをさらに備える塗布具である上記(1)に記載の液状体供給具。
【0010】
(3) 前記ノズルは、ガスを供給するガス供給手段に接続されており、該ガス供給手段から供給されたガスとともに前記液体を噴出可能に構成されている上記(2)に記載の液状体供給具。
【0011】
(4) 前記押圧補助手段は、前記ガス供給手段から供給されたガスの一部を前記基端側空間内に供給するガス流路と、該ガス流路途中に設けられ、前記基端側空間へのガスの供給およびその停止を切換える切換え部とを有する上記(3)に記載の液状体供給具。
【0012】
(5) 前記操作部材は、管体で構成され、該管体の内腔部が前記ガス流路として機能する上記(4)に記載の液状体供給具。
【0013】
(6) 前記切換え部は、前記管体に形成された貫通孔であって、前記ガスの供給の際には閉塞され、その供給の停止の際には開放される貫通孔を有する上記(5)に記載の液状体供給具。
【0014】
(7) 前記貫通孔が開放した状態では、該貫通孔を介して前記ガスが大気中に排出される上記(6)に記載の液状体供給具。
【0015】
(8) 前記貫通孔には、該貫通孔を介して流出したガスを前記ガス流路に戻す循環流路が接続されている上記(6)に記載の液状体供給具。
【0016】
(9) 前記切換え部は、前記操作部材を押圧操作する際に指が掛けられる部分である上記(4)ないし(8)のいずれかに記載の液状体供給具。
【0017】
(10) 前記切換え部は、前記ガスの供給量を調整可能に構成されている上記(4)ないし(9)のいずれかに記載の液状体供給具。
【0018】
(11) 前記押圧補助手段が前記ガスケットを押圧するときの押圧力は、前記ガスケットが前記シリンジ外筒内を摺動するときの摺動抵抗よりも小さい上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の液状体供給具。
【0019】
また、本発明の液状体供給具では、前記塗布具本体は、2本の前記シリンジの前記シリンジ外筒を並べて保持可能に構成されているのが好ましい。
【0020】
また、本発明の液状体供給具では、前記2本のシリンジのうちの一方のシリンジは、その液体の粘度が他方のシリンジの液体の粘度よりも高いものであるか、または、その前記シリンジ外筒の内径が他方のシリンジの前記シリンジ外筒の内径よりも大きいものであり、
前記押圧補助手段は、前記一方のシリンジに対して作動するかまたは前記2本のシリンジに対して作動するかを選択可能であるのが好ましい。
【0021】
また、本発明の液状体供給具では、前記ノズルは、その先端面に、前記液体の噴出方向に高さが異なる頂面と底面とを有する少なくとも1つの段差部が形成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、操作部材を押圧操作してガスケットを移動させる際、その押圧力の他に、押圧補助手段によりガスケットを移動させようとする力がさらに生じ、よって、2つの力でガスケットが移動することなる。その結果、操作部材に対する押圧操作を容易かつ確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の液状体供給具を塗布具に適用した場合の第1実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)である。
【図2】本発明の液状体供給具を塗布具に適用した場合の第1実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)である。
【図3】図1に示す塗布具におけるノズルの先端部(ノズルヘッド)を示す斜視図である。
【図4】図1に示す塗布具におけるノズルの先端部付近の縦断面図(ノズルの塗布状態の経時的な変化を示す図)である。
【図5】図1に示す塗布具におけるノズルの先端部付近の縦断面図(ノズルの塗布状態の経時的な変化を示す図)である。
【図6】図1に示す塗布具におけるノズルの先端部付近の縦断面図(ノズルの塗布状態の経時的な変化を示す図)である。
【図7】図1に示す塗布具におけるノズルの先端が生体に当接した状態を示す縦断面図である。
【図8】塗布具(第2実施形態)の操作部材を示す縦断面図である。
【図9】塗布具の第3実施形態を示す部分縦断面図である。
【図10】塗布具の第4実施形態を示す縦断面図である。
【図11】本発明の液状体供給具を注射器に適用した場合の実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)である。
【図12】本発明の液状体供給具を注射器に適用した場合の実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)である。
【図13】本発明の液状体供給具を注射器に適用した場合の実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の液状体供給具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0025】
<第1実施形態>
図1および図2は、それぞれ、本発明の液状体供給具を塗布具に適用した場合の第1実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)、図3は、図1に示す塗布具におけるノズルの先端部(ノズルヘッド)を示す斜視図、図4〜図6は、それぞれ、図1に示す塗布具におけるノズルの先端部付近の縦断面図(ノズルの塗布状態の経時的な変化を示す図)、図7は、図1に示す塗布具におけるノズルの先端が生体に当接した状態を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図7中(図8〜図13も同様)の右側を「基端」または「後」、左側を「先端」または「前」と言う。
【0026】
図1および図2に示す塗布具1は、例えば腹腔鏡下手術の際に、腹腔内に挿入して、液組成が異なる2種の液体(第1の液体L1、第2の液体L2)を混合しながら、その混合物(混合液)を臓器や腹壁等の目的部位に塗布するものである。
【0027】
この塗布具1は、第1の液体L1を収納する第1のシリンジ(液体供給手段)2と、第2の液体L2を収納する第2のシリンジ(液体供給手段)3とをそれぞれ装填して用いられる。第1のシリンジ2と第2のシリンジ3とは、ほぼ同様の構成であるため、代表的に第1のシリンジ2について説明する。
【0028】
第1のシリンジ2は、外筒(シリンジ外筒)21と、外筒21内で摺動し得るガスケット24とを備えている。
【0029】
外筒21は、有底筒状の部材で構成され、先端側底部の中央部には、外筒21の胴部に対し縮径した口部(縮径部)22が一体的に突出形成されている。
【0030】
外筒21の基端開口付近(後端外周)には、フランジ23が一体的に形成されている。本実施形態では、第1のシリンジ2の外筒21のフランジ23と、第2のシリンジ3の外筒21のフランジ23とは、一体的に形成されている。これにより、第1のシリンジ2と第2のシリンジ3とで、シリンジ連結体が構成される。
【0031】
また、外筒21の基端開口からは、ガスケット24を移動操作する、後述する操作部材5の押し子部51aが挿入される。そして、この外筒21の基端開口は、シール部材27により、気密的に封止されている。シール部材27は、弾性材料(例えば、ガスケット24と同じ材料)で構成されたリング状をなす部材である。このシール部材27内を押し子部51aが挿通しており、当該押し子部51aを操作すると、その押し子部51aの外周面がシール部材27の内周面に密着しつつ摺動する。これにより、外筒21内(基端側空間212)の気密性が確実に保持される。
【0032】
外筒21の内周面には、ガスケット24の後方への移動限界を規制する複数のストッパ25が突出形成されている。各ストッパ25は、それぞれ、外筒21の内周面の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0033】
外筒21の外周面には、液量を示す目盛りが付されている。
外筒21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、成形が容易であり、かつ水蒸気透過性が低い点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステルのような樹脂が好ましい。なお、外筒21の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
【0034】
このような外筒21内には、弾性材料で構成されたガスケット24が収納されている。ガスケット24は、外筒21の長手方向に沿って移動することができる。このガスケット24の移動は、当該ガスケット24に連結された操作部材5を移動操作する(押圧操作)ことにより行われる。そして、ガスケット24が先端方向に向かって移動した際には、ガスケット24の外周面が外筒21の内周面に密着しつつ摺動する。これにより、外筒21内の液密性を確実に保持しつつ、第1の液体L1を口部22に向けて押し出すことができる。ガスケット24の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
【0035】
第1のシリンジ2は、塗布具1に装填される以前に、外筒21とガスケット24とで囲まれた先端側空間(貯液空間)211に、第1の液体L1が充填される。第2のシリンジ3には、外筒21とガスケット24とで囲まれた先端側空間(貯液空間)211に、第2の液体L2が充填される。
【0036】
第1のシリンジ2に充填される第1の液体L1と、第2のシリンジ3に充填される第2の液体L2とは、それらの組成や成分が異なるものである。
【0037】
本発明においては、第1の液体L1と第2の液体L2とは、塗布具1の用途、使用目的、症例等に応じて適宜選定される。例えば、生体組織接着材の投与に使用する場合、第1の液体L1および第2の液体L2のうちの一方は、トロンビンを含有する液体(溶液等)、他方はフィブリノーゲンを含有する液体(溶液等)とすることができる。
【0038】
また、癒着防止材の投与に使用する場合、第1の液体L1および第2の液体L2のうちの一方は、スクシンイミジル基で修飾したカルボキシメチルデキストリンを含有する液体(溶液等)、他方は、リン酸水素二ナトリウムを含有する液体(溶液等)とすることができる。
【0039】
このような組み合わせの第1の液体L1および第2の液体L2は、それらを混合すると、変質、すなわち、ゲル化(固化)する。ゲル化することにより、例えば、第1の液体L1と第2の液体L2とが混合されたもの(以下、「混合物」あるいは「混合液」という場合がある)が、塗布された生体組織(目的部位)に確実に留まることができる。また、混合物が目的部位に確実に留まるため、当該目的部位において、生体組織接着材や癒着防止材としての機能を確実に発揮することができる。
【0040】
なお、第1の液体L1および第2の液体L2の種類および組み合わせは、上述したものに限定されないことは、言うまでもない。
【0041】
このような構成の第1のシリンジ2および第2のシリンジ3は、それぞれ、後述するノズル4に接続され、操作部材5を押圧操作することより、ノズル4の第1の流路44に第1の液体L1を、第2の流路45に第2の液体L2を容易かつ確実に供給することができる。また、操作部材5の押圧操作は、塗布具1の操作者(使用者)により手動で行なわれる。このため、操作者は、混合物の塗布を自身の任意のタイミングで行なうことができる。
【0042】
また、塗布具1は、第1の液体L1と第2の液体L2とを無菌ガスG(以下、単に「ガスG」と言う)とともに噴出するものである(図2、図5参照)。このガスGにより、前記混合物が霧化され、前記混合物を目的部位(患部等の目標部位)に均一に塗布することができる。ガスGは、ガスボンベ(ガス供給手段)300bにより供給される。ガスボンベ300bは、チューブ302bを介してノズル4と連通している。
【0043】
ガスボンベ300bは、その内部空間に圧縮されたガスGが充填されており、高速に流れるガスGを塗布具1(ノズル4)に供給することができる。このガスボンベ300bまたはチューブ302bの途中には、塗布具1に対するガスGの供給/供給停止を制御する開閉自在なバルブ(図示せず)が設置されている。前記混合物を塗布するときには、このバルブを開状態にする。なお、ガスGとしては、特に限定されないが、例えば、空気、窒素等の不活性ガス、酸素、二酸化炭素(炭酸ガス)が挙げられ、これらの中でも特に、難水溶性を有する気体である空気、窒素、酸素が好ましい。
【0044】
図1、図2に示すように、塗布具1は、塗布具本体7と、塗布具本体7の先端側に設置されたノズル4と、塗布具本体7の基端側に設置された操作部材5とを備えている。
【0045】
塗布具本体7は、第1のシリンジ2の外筒21と第2のシリンジ3の外筒21とを保持するシリンジ保持部71を有している。
【0046】
シリンジ保持部71は、第1のシリンジ2(外筒21)および第2のシリンジ3(外筒21)を並べて固定するものである。このシリンジ保持部71は、扁平なブロック状をなす部材で構成され、その基端面に開口し、各外筒21の口部22が嵌合する嵌合部711を有している。
【0047】
嵌合部711に各外筒21の口部22が嵌合すると、第1のシリンジ2の口部22は、ノズル4の第1の流路44に接続され、第2のシリンジ3の口部22は、第2の流路45に接続される。これにより、第1の流路44に第1の液体L1を、第2の流路45に第2の液体L2を供給可能となる(図2、図5参照)。
【0048】
また、シリンジ保持部71は、前記2つの嵌合部711の間を貫通する貫通孔で構成された接続部73を有している。接続部73は、シリンジ保持部71の先端面および基端面に開口しており、その先端側の部分がノズル4が接続されるノズル接続部731となっている。接続部73の基端側の部分は、操作部材5が接続される操作部材接続部732となっている。また、接続部73の途中には、ガスボンベ300bからのガスGが通過するチューブ302bの端部が接続される。このチューブ302bを通過したガスGは、接続部73に流入すると、ノズル4に向かうものと、操作部材5に向かうものとに分かれる(図1、図2参照)。
【0049】
シリンジ保持部71の構成材料としては、例えば、外筒21についての説明で上げたような各種樹脂を用いることができる。
【0050】
図1、図2に示すように、塗布具本体7の先端側には、ノズル4が設置されている。このノズル4は、ガスGとともに第1の液体L1、第2の液体L2(混合物)を噴出するものである。ノズル4は、長尺状のノズル本体43と、ノズル本体43の外径よりも拡径したノズルヘッド42とを有している。
【0051】
図4〜図6に示すように、ノズル本体43は、第1のシリンジ2から供給された第1の液体L1が通過する第1の流路44と、第2のシリンジ3から供給された第2の液体L2が通過する第2の流路45とで構成された液体流路41を有している。さらに、ノズル本体43は、ガスボンベ300bから供給されたガスGが通過する第3の流路46を有している。
【0052】
各液体が通過する第1の流路44および第2の流路45は、それぞれ、内チューブ(内管)44a、45aで画成された内腔で構成されている。第1の流路44を構成する内チューブ44aは、その基端部が、第1のシリンジ2の口部22が接続される塗布具本体7の嵌合部711まで延在している。これと同様に、第2の流路45を構成する内チューブ45aは、その基端部が、第2のシリンジ3の口部22が接続される嵌合部711まで延在している。
【0053】
第1の流路44と第2の流路45とは、それらの先端側の部分(先端部)で互いに合流している。これにより、液体流路41に合流部47を設けることができる。図5に示すように、この合流部47では、第1の液体L1と第2の液体L2とが合流して均一かつ確実に混合した混合液となる。
【0054】
なお、合流部47は、前記各内チューブが延長したものであってもよいが、図示の構成では、当該内チューブとは別体のチューブ(合流部形成チューブ)47aで構成されたものとなっている。チューブ47aの先端部471は、後述する第3の流路46を構成する外チューブ(外管)46aの先端内周部461に嵌合している。また、チューブ47aの基端部472は、第1の流路44および第2の流路45をそれぞれ構成する各内チューブ44a、45aの先端部441、451に一括して嵌合している。これにより、チューブ47aは、その両端部が支持され、確実に固定される。
【0055】
このチューブ47aの壁部は、その全体が通気膜473で構成されている。
通気膜473は、ノズル本体43内のガスGが透過可能なものである。これにより、通気膜473を介して、ガスGがチューブ47a(合流部47)内に流入することができ、よって、この流入したガスGは、合流部47で混合した第1の液体L1および第2の液体L2とともに、噴出口424から噴出する(図5参照)。これにより、混合液が霧状になり患部に塗布される。
【0056】
前述したようにチューブ47aの壁部の全体が通気膜473で構成されているため、ガスGは、通気膜473を介して、チューブ47aの周方向のいずれの部分からも当該チューブ47a内に流入することができる。これにより、ガスGをチューブ47a内に過不足なく供給することができ、よって、噴出口424から噴出する混合液が確実に霧状となる。このように混合液が霧状となることにより、当該混合液は、第1の液体L1と第2の液体L2とが均一に混合したものとなり、混合が均一な状態で患部へ塗布される。また、図6に示すように、混合液の吐出が停止した際には、通気膜473を介して流入したガスGが、チューブ47a内の混合液を確実に外方へ押し出す。これにより、噴出口424に混合液が残留するのが防止され、よって、当該噴出口424(ノズル4)に目詰まりが生じるのが防止される。また、噴出口424から混合液(第1の液体L1、第2の液体L2)の残液が漏出するのが確実に防止される。
【0057】
このようなガスGが透過する通気膜473には、多数の細孔(図示せず)が形成されている。各細孔は、それぞれ通気膜473をその厚さ方向に貫通するものである。これらの細孔の平均孔径は、特に限定されないが、例えば、2μm以下が好ましい。このような細孔を有する通気膜473としては、例えば、住友電工ファインポリマー社製「ポアフロンチューブ(TB−0201)」が挙げられる。これは、平均孔径が約1μmの通気膜473である。
【0058】
また、孔径を0.01〜0.45μmとすることにより、ガスGが確実に透過できるとともに、通気膜473が菌不透過性を有することになる。通気膜473が菌不透過性を有することにより、仮にガスボンベ300b内のガスGが無菌状態のものでない場合であっても、通気膜473でガスG内の菌類が除去され、当該菌類がノズル4内に流入するのが確実に防止される。これにより、無菌状態の混合液を患部へ塗布することができる。
【0059】
また、通気膜473の膜厚は、特に限定されず、例えば、0.1〜1mmであるのが好ましく、0.3〜0.8mmであるのがより好ましい。
【0060】
また、通気膜473の面積は、20〜200mmであるのが好ましく、40〜100mmであるのがより好ましい。
【0061】
通気膜473は、第1の液体L1や第2の液体L2に対して不透過性(撥水性)、すなわち、疎水性を有している。これにより、通気膜473を介して、チューブ47a内の第1の液体L1や第2の液体L2が第3の流路46(外チューブ46a)内に逆流するのが確実に防止される。このような通気膜473は、前記疎水性を有する材料で構成されたもの、または、その表面が疎水化処理が施されたものである。疎水性を有する材料(構成材料)としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体(ETFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンの共重合体(ECTFE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。通気膜473は、これらの材料を、延伸法、ミクロ相分離法、電子線エッチング法、焼結法、アルゴンプラズマ粒子等の方法で多孔質としたものが好適に用いられる。また、疎水化処理の方法としては、特に限定されず、例えば、通気膜473の表面に、前記疎水性を有する材料をコーティングする方法等が挙げられる。
【0062】
ガスGが通過する第3の流路46は、第1の流路44および第2の流路45をそれぞれ構成する内チューブ44aおよび45aと、その外周側に位置する、すなわち、各内チューブ44aおよび45aが挿通された外チューブ46aとで画成された間隙で構成されている。この外チューブ46aは、その基端部が塗布具本体7のノズル接続部731に接続されている。また、外チューブ46a(ノズル4)の先端463は、先端側から見た形状が円形をなし、その中心部が開口している(図3参照)。この開口部が、合流部47で第1の液体L1と第2の液体L2とが混合して形成された混合液がガスGとともに噴出する噴出口424として機能する。また、混合液は、ガスGとともに噴出するため、霧化されることとなり、目的部位に対して、均一に塗布される。
【0063】
また、図3に示すように、ノズル4の先端463には、噴出口424を介して2つの段差部464が形成されている。各段差部464は、それぞれ、前後方向(混合液の噴出方向)に高さが異なる頂面465と底面466とを有する部位である。また、本実施形態では、2つの段差部464は、1つの底面466を共有している。この底面466の中央部に、噴出口424が配置されている。
【0064】
図7に示すように、塗布具1を使用する際にノズル4の先端463が例えば臓器900に当接したとしても、当該先端463では、各段差部464の頂面465が、底面466に位置する噴出口424よりも先に当接するため、噴出口424が臓器900に閉塞されるのが防止される。このように、各段差部464は、それぞれ、塗布具1を使用する際に噴出口424が例えば臓器900等に閉塞されるのを防止する機能を発揮するものである。
【0065】
2つの段差部464は、前述したように噴出口424を介して対向して配置されて、すなわち、ノズル4の先端463の外周部にその周方向に沿って間欠的に配置されている。これにより、噴出口424が2つの段差部464によって囲まれる。また、各段差部464は、それぞれ、先端側から見た形状が、ノズル4の先端463の外周部の周方向に沿った円弧状をなしている。
【0066】
このように形成された2つの段差部464の間には、溝467が形成される。この溝467は、噴出口424を介して合流部47と連通している(例えば図7参照)。図7に示すノズル4の先端463が臓器900に当接した状態で混合液の塗布操作を行なった場合でも、合流部47内のガスGを含む混合液は、噴出口424、溝467を順に通過して、外方に向かって確実に噴出する。また、混合液が確実に噴出するため、混合液が合流部47内を逆流したり、ガスGが合流部47内から通気膜473を介して第3の流路46へ逆流するのを確実に防止することができる。
【0067】
また、各段差部464は、それぞれ、その頂面465が平坦となっている。これにより、図7に示すように、段差部464の頂面465が臓器900に当接しても、当該臓器900が頂面465によって損傷を受けるのを確実に防止することができる。
【0068】
ノズル4を構成する2本の内チューブ44a、45aと外チューブ46aの構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種の軟質または硬質樹脂、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、ステンレス鋼、アルミニウム、銅または銅系合金等の各種金属材料、各種ガラス、アルミナ、シリカ等の各種セラミックスが挙げられる。
【0069】
図1、図2に示すように、塗布具本体7の基端側には、操作部材5が設置されている。操作部材5は、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の各ガスケット24を一括して押圧操作するものである。さらに、塗布具1では、操作部材5に、当該操作部材5を押圧操作する際、その押圧操作を補助する押圧補助手段(以下単に「補助手段」と言う)6が設けられている。
【0070】
操作部材5は、塗布具本体7に支持される管状をなす支持部52と、支持部52の先端に設置されたガスケット53と、支持部52を介して、その外周側に配置された管状をなす押し子部51a、51bと有している。
【0071】
支持部52は、その先端側の部分が塗布具本体7の操作部材接続部732に挿入され、当該操作部材接続部732(接続部73)の長手方向に沿って移動可能となっている。また、図2に示すように、支持部52の貫通孔は、操作部材5を押圧操作する際に指800が掛けられる指当て部521として機能する。指当て部521は、弾性材料で構成されているのが好ましい。これにより、指当て部521に指800を宛てた際に、指800の形状に沿って指当て部521が変形することとなり、よって、押圧操作がし易くなる。
【0072】
支持部52の先端には、ガスケット53が例えば螺合により連結、固定されている。また、ガスケット53は、リング状をなすものであり、その内腔部が支持部52の内腔部と連通している。このようなガスケット53は、支持部52とともに移動することができ、その際には、当該ガスケット53の外周面が操作部材接続部732の内周面に密着しつつ摺動する。これにより、チューブ302bを介して接続部73に流入したガスGは、操作部材接続部732から漏出するのが防止され、よって、ガスケット53の内腔部を介して支持部52の内腔部に確実に流入ことができる。従って、ガスケット53の内腔部と支持部52の内腔部とは、ガスGが通過するガス流路54として機能する。なお、ガスケット53の構成材料としては、ガスケット24と同様の弾性材料を用いることができる。
【0073】
押し子部51aは、その先端部が例えば螺合により第1のシリンジ2のガスケット24に連結、固定されている。また、押し子部51aの基端部は、支持部52の途中に連結されている。押し子部51bは、押し子部51aと同様に、その先端部が例えば螺合により第2のシリンジ3のガスケット24に連結、固定されている。また、押し子部51bの基端部は、支持部52の途中に連結されている。
【0074】
そして、支持部52の指当て部521を押圧操作すると、その操作に伴って、押し子部51aおよび51bが一括して移動する。これにより、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の各ガスケット24を確実に一括して移動させることができる。
【0075】
また、押し子部51aおよび51bは、それぞれ、支持部52に連結されている。これにより、押し子部51aおよび51bの各内腔部が、それぞれ、支持部52の内腔部、すなわち、ガス流路54と連通することとなる。これにより、図2に示すように、支持部52の指当て部521に指800を掛けると、指当て部521が塞がれ、ガス流路54を通過したガスGは、押し子部51aおよび51bの各内腔部にそれぞれ流入することができる。従って、押し子部51aおよび51bの各内腔部は、それぞれ、ガス流路55、56となる。
【0076】
押し子部51aおよび51bには、それぞれ、その管壁を貫通する貫通孔で構成され、基端側空間212に開口する供給口511が形成されている。この供給口511を介して、ガスGが基端側空間212に供給される(図2参照)。
【0077】
また、図1に示すように、指当て部521が開放された状態では、ガス流路54を通過したガスGは、優先的に指当て部521側に向かうこととなり、よって、指当て部521を介して大気中に排出される。
【0078】
支持部52、押し子部51a、51bの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、外筒21についての説明で上げたような各種樹脂を用いることができる。
【0079】
次に、補助手段6について説明する。
補助手段6は、操作部材5を押圧操作する際、その押圧操作を補助するものである。この補助手段6は、その一部がガス流路54〜56で構成されている。前述したように、ガス流路54を通過したガスGは、ガス流路55とガス流路56とに分岐して、各流路をそれぞれ通過する。ガス流路54、55で構成された流路(以下「第1のガス流路57」と言う)と、ガス流路54、56で構成された流路(以下「第2のガス流路58」と言う)は、同じ機能であるため、以下、第1のガス流路57について代表的に説明する。
【0080】
図2に示すように、指当て部521を指800で塞いだ状態では、第1のガス流路57を通過したガスGは、供給口511を介して、第1のシリンジ2の基端側空間212に供給される。このガスGの供給により、基端側空間212内の圧力が上昇し(基端側空間212が加圧され)、よって、ガスケット24を先端方向に向かって押圧して移動させようとする押圧力F1が生じる。
【0081】
塗布具1を用いるときには、その操作者は、指当て部521に指800を掛けて、操作部材5を押圧して各ガスケット24を先端方向に移動させる。その際、前述したように押圧力F1が生じるため、指800による押圧力F2と相まって、操作部材5を介してガスケット24に対する押圧操作を容易かつ確実に行なうことができる。
【0082】
例えば、補助手段6が省略されていると押圧力F1が生じることがないため、塗布具を操作する際には、押圧力F2のみでしか操作部材5を押圧操作することができない。この場合、一般的に女性のような握力が比較的弱い操作者では、第1の液体L1や第2の液体L2がその粘度が比較的高いものであると、操作部材5を容易には押圧操作することができないかまたは押圧操作が全く不可能となってしまう。しかしながら、塗布具1では、補助手段6による押圧力F2が生じるため、このような不具合が確実に防止することができる。
【0083】
なお、押圧力F1は、ガスケット24が外筒21内を摺動するときの摺動抵抗よりも小さくなるよう設定さている。これにより、指当て部521が不本意に塞がれた場合でも、押圧力F1によりガスケット24が移動してしまうのを確実に防止することができる。このような力の大小関係の設定方法としては、特に限定されないが、例えば、ガスケット24と外筒21との嵌め合いの程度を適宜設定する方法、ガスケット24と外筒21との間の潤滑液の量や種類を適宜設定する方法等が挙げられる。
【0084】
また、図1に示すように、指当て部521が指800で塞がれておらず、開放した状態では、ガスGは、当該開放した指当て部521を介して大気中へ排出される。この場合、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の各基端側空間212へのガスGの供給が停止される。これにより、第1の液体L1と第2の液体L2との混合液の塗布も停止する。
【0085】
このように、塗布具1では、指当て部521は、補助手段6の、各基端側空間212へのガスGの供給およびその停止を切換える切換え部として機能するものであると言うことができる。そして、この切換え部が設けられていることにより、塗布操作をしたいときには、押圧力F1を確実に生じさせ、塗布操作を停止したいときには、押圧力F1が生じるのを確実に防止することができる。
【0086】
また、前述したように、図1に示す塗布停止状態の塗布具1では、ガスボンベ300bからチューブ302bを介して当該塗布具1に流入したガスGは、その一部が指当て部521から排出される。これにより、塗布停止状態では、ノズル4を腹腔内に挿入して当該ノズル4からガスGのみが噴出しても、ガスGが排出されている分、ガスGの腹腔内への過剰な流入を防止することができ、よって、腹腔内の気腹圧が不本意に上昇するのを確実に防止することができる。
【0087】
また、前述したように、ノズル4の先端463が臓器900に当接したとしても、段差部464により噴出口424が臓器900に閉塞されるのが防止される(図7参照)。これにより、図2に示す塗布状態で、ノズル4の先端463が臓器900に当接した場合でも、第1の液体L1、第2の液体L2、ガスGがそれぞれ行き場を失うのが防止され、よて、押圧力F1が確実に作用して、各ガスケット24で第1の液体L1、第2の液体L2をそれぞれ確実に押し出すことができる。
【0088】
次に、使用可能状態となった、すなわち、第1の液体L1が充填された第1のシリンジ2と、第2の液体L2が充填された第2のシリンジ3とが装填され、かつガスボンベ300bに接続された状態の塗布具1(ノズル4)の塗布状態について説明する。
【0089】
第1のシリンジ2および第2のシリンジ3には、それぞれ、患部に塗布するのに十分な液量の第1の液体L1および第2の液体L2が充填されている。この状態では、図1、図4に示すように、第1の流路44には、第1の液体L1が供給されておらず、第2の流路45には、第2の液体L2が供給されていない。また、ガスボンベ300bの前記バルブを開状態にすると、チューブ302bを介して、塗布具1内にガスGが供給される。これにより、図4に示すように、ノズル4に向かうガスGは、合流部47を画成する通気膜473を介して合流部47に流入し、当該合流部47を通過して、噴出口424から噴出する。
【0090】
そして、図1に示す状態から指800で塗布具1の操作部材5の指当て部521を押圧力F2で押圧操作すると、第1の流路44には、第1の液体L1が供給され、第2の流路45には、第2の液体L2が供給される(図2、図5参照)。また、このとき、前述したように、補助手段6が作動する、すなわち、第1のガス流路57および第2のガス流路58をそれぞれ介して各シリンジの基端側空間212内にガスG供給される。これにより、押圧力F1が生じ、押圧力F1と押圧力F2との合力により操作部材5に対する押圧操作を容易に行なうことができる(図2参照)。この状態は、指800が指当て部521から離間するまで持続する。
【0091】
さらに塗布具1の操作部材5に対する押圧を続けると、第1の液体L1と第2の液体L2とが合流部47に流入して混合される。一方、ガスGは、前述したように、通気膜473を介して、合流部47内に流入し続けている。そして、噴出口424からは、混合液がガスGとともに噴出する(図5参照)。この混合液は、高速に噴出するガスGによって霧状になり、患部に塗布される。
【0092】
そして、患部に対する所定量の混合液の塗布が完了した後、指800を指当て部521から離す。これにより、第1の流路44への第1の液体L1の供給が停止し、第2の流路45への第2の液体L2の供給が停止する。
【0093】
また、ガスGの塗布具1への供給は停止していなため、そのガスGの一部が合流部47内に流入し続ける。これにより、合流部47内では、混合液が、通気膜473を介して流入したガスGによって、噴出口424から押し出される(図6参照)。その結果、第1の液体L1の先端P1が第1の流路44の先端部441付近に位置し、第2の液体L2の先端P2が第2の流路45の先端部451付近に位置する。このような構成により、合流部47内、特に噴出口424付近に混合液が残留するのが防止され、さらにはその混合液がゲル化するのが防止される。これにより、噴出口424に目詰まりが生じるのが確実に防止される。そして、この目詰まりが生じていない状態の塗布具1を再度、患部への塗布に用いることができる。
【0094】
<第2実施形態>
図8は、塗布具(第2実施形態)の操作部材を示す縦断面図である。
【0095】
以下、この図を参照して本発明の液状体供給具の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0096】
本実施形態は、操作部材に対する指先の当接の程度が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0097】
図8に示すように、塗布具1では、操作部材5の指当て部521に対して指800を当てた際、指当て部521を完全に塞がない程度に、指800を当てることができる。これにより、指当て部521と指800との間に間隙522が形成される。この間隙522を介してガスGが漏出するため、その分、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の基端側空間212へのガスGの供給量を減少させることができる。これにより、押圧力F1の大きさが調整される。例えば、塗布操作を行なう際に補助手段6による補助作用の程度を抑制したい場合には、図8に示すように、指当て部521を完全に塞がない程度に指800を当てれば、その抑制を確実に行なうことができる。
【0098】
<第3実施形態>
図9は、塗布具の第3実施形態を示す部分縦断面図である。
【0099】
以下、この図を参照して本発明の液状体供給具の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0100】
本実施形態は、押圧補助手段の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0101】
図9に示す塗布具1Aでは、第1のシリンジ2Aの外筒21の大きさと、第2のシリンジ3の外筒21の大きさとを比べると、第2のシリンジ3の外筒21の方が大きくなっている。
【0102】
また、塗布具1Aでは、第1のシリンジ2Aに向かうガス流路55の途中に、切換え弁59が設置されている。切換え弁59は、第1のシリンジ2Aの基端側空間212へのガスGの供給およびその停止を切り換えるものであり、例えば、三方活栓で構成されている。図9に示す状態は、切換え弁59は、ガスGの供給を停止することができる状態となっている。そして、この状態で、塗布操作を行なうと、第1のシリンジ2Aおよび第2のシリンジ3のうち、第1のシリンジ2Aには押圧力F1は生じず、第2のシリンジ3には押圧力F1が生じる、すなわち、第2のシリンジ3のみに補助手段6が作用する。
【0103】
塗布操作を行なう際、第1のシリンジ2Aは第2のシリンジ3よりも小さいため、当該第1のシリンジ2Aに対する補助手段6による作用を省略することができるが、大きさが大きい第2のシリンジ3に対しては補助手段6が作用した方が、その塗布操作を容易に行なうことができる。
【0104】
また、図9に示す状態とは異なり、切換え弁59を図中反時計回りに90度回転操作して、第1のシリンジ2AにもガスGの供給が可能とした場合には、第1のシリンジ2Aおよび第2のシリンジ3の双方に押圧力F1が生じる、すなわち、補助手段6が双方に作用することとなる。
【0105】
このように塗布具1Aでは、切換え弁59の状態に応じて、補助手段6が第1のシリンジ2Aおよび第2のシリンジ3のうちの一方に対して作動するかまたは双方に対して作動するのかを選択することができる。
【0106】
なお、本実施形態では、塗布具1Aは、大きさが大きい方のシリンジ(第2のシリンジ3)に対して常に補助手段6が作用するよう構成されている。塗布具1Aは、このような構成に限定されず、例えば、第1の液体L1および第2の液体L2のうち、一方の液体の粘度が他方の液体の粘度よりも高いものである場合、粘度が高い液体が充填されたシリンジに対して常に補助手段6が作用するよう構成されていてもよい。
【0107】
<第4実施形態>
図10は、塗布具の第4実施形態を示す縦断面図である。
【0108】
以下、この図を参照して本発明の液状体供給具の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0109】
本実施形態は、押圧補助手段の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0110】
図10に示す塗布具1Bでは、補助手段6が、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の各基端側空間212へのガスGの供給およびその停止を切り換える切換え機構(切換え部)61を備えている。この切換え機構61は、操作部材5の支持部52にその基端側から挿入された指当て部材62と、指当て部材62を基端側に向かって付勢する付勢部材63とを有している。
【0111】
指当て部材62は、基端側が閉塞した筒状をなす部材で構成され、その両端部にそれぞれ外径が拡径したフランジ部621、622が形成されたものである。図10(a)に示すように、フランジ部621は、操作部材5の支持部52の基端部に形成された縮径部523に当接して、指当て部材62の基端方向への移動限界を規制する部分である。図10(b)に示すように、フランジ部622は、指当て部材62を指800で押圧操作する際に当該指800を宛がう部分である。なお、操作部材5の支持部52の縮径部523には、ガス流路55、56よりも基端側の部分に、当該部分を貫通する貫通孔で構成された2つの排気口524、525が形成されている。
【0112】
また、指当て部材62の途中には、その壁部を貫通する2つの貫通孔623、624が形成されている。これらの貫通孔623、624は、指当て部材62の中心軸を介して対称的に配置されている。図10(a)に示す塗布操作を停止した状態では、貫通孔623が排気口524に向かって開口し、貫通孔624が排気口525に向かって開口する。これにより、指当て部材62を介して、ガス流路54は、排気口524および525のそれぞれと連通し、各排気口524および525からガスGを排出することができる。
【0113】
また、図10(b)に示す塗布操作を行なう状態では、指当て部材62を指800で押圧操作した際に、貫通孔623が第1のシリンジ2に向かうガス流路55に向かって開口し、貫通孔624が第2のシリンジ3に向かうガス流路56に向かって開口する。これにより、指当て部材62を介して、ガス流路54は、ガス流路55および56のそれぞれと連通し、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3にそれぞれガスGを供給することができ、よって、押圧力F1を得る。
【0114】
付勢部材63は、コイルバネで構成されている。この付勢部材63は、収縮した状態で指当て部材62が挿通され、先端631が操作部材5の支持部52の基端面に当接し、基端632が指当て部材62のフランジ部622の先端面に当接している。これにより、指当て部材62を確実に基端方向に向かって付勢することができる。また、付勢部材63の付勢力に抗して指当て部材62を押圧操作することができ(図10(b)に示す状態)、その操作を解除すると付勢部材63の付勢力により指当て部材62が戻る(図10(a)に示す状態)。
【0115】
このような構成の切換え機構61により、補助手段6の作動のタイミングを確実に制御することができる。
【0116】
また、図10(a)に示す状態では、各排気口524、525から排出されるガスGは、側方に向かって排出される。これにより、排出されたガスGが、塗布具1Bの基端側に位置する操作者に向かって吹きつけられるのが防止される。
【0117】
<第5実施形態>
図11〜図13は、それぞれ、本発明の液状体供給具を注射器に適用した場合の実施形態を示す部分縦断面図(使用過程を順に示す図)である。
【0118】
以下、これらの図を参照して本発明の液状体供給具の第5実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0119】
前記第1実施形態〜前記第4実施形態では、本発明の液状体供給具を塗布具に適用した場合について説明したが、本実施形態では、本発明の液状体供給具を注射器に適用した場合について説明について説明する。
【0120】
図11〜図13に示す注射器10は、薬液等の液体L3を吸引し、当該吸引された液体を投与する際に用いられるものである。注射器10は、シリンジとしての第1のシリンジ2と、第1のシリンジ2の口部22に装着される穿刺針8と、操作部材5Dを操作する際に、ガスケット24を先端方向に向かって押圧する補助手段6Dとを備えている。この注射器10(第1のシリンジ2)では、ガスケット24に押し子としての操作部材5Dが接続され、当該操作部材5Dを操作することにより、ガスケット24を移動することができる。図11に示す初期状態では、注射器10は、空の状態となっている。そして、図11に示す状態から操作部材5Dを基端方向に引張ることにより、液体L3を第1のシリンジ2の先端側空間211内に吸引することができる(図12参照)。さらに、図12に示す状態から操作部材5Dを先端方向に押圧することにより、前記吸引された液体L3を吐出することができる(図13参照)。
【0121】
穿刺針8は、先端に鋭利な針先811を有する針体81と、針体81の基端部に設置されたハブ82とで構成されている。針体81は、中空針であり、液体L3が収納された収納容器400の口部のゴム栓(図示せず)を穿刺することができる(図11参照)。ハブ82は、第1のシリンジ2の口部22に装着されるものである。このハブ82は、その形状が筒状をなし、口部22に嵌合することができる。これにより、穿刺針8が第1のシリンジ2の口部22に装着され、当該口部22を介して、針体81内と先端側空間211内とが連通する。そして、この状態で、操作部材5Dを基端方向に引張ることにより、収納容器400内の液体L3を第1のシリンジ2の先端側空間211内に吸引することができる(図11、図12参照)。
【0122】
操作部材5Dは、管体で構成されている。図13に示すように、この操作部材5Dの内腔部は、ガスGが通過するガス流路54として機能する。また、操作部材5Dには、その管壁を貫通する貫通孔で構成され、基端側空間212に開口する供給口511が形成されている。この供給口511を介して、ガス流路54を通過したガスGが基端側空間212に供給される。
【0123】
また、操作部材5Dの基端部には、補助手段6Dの切換え機構61が配置されている。切換え機構61は、第1のシリンジ2の基端側空間212へのガスGの供給およびその停止を切り換えるものである。この切換え機構61は、操作部材5Dにその基端側から挿入された指当て部材62と、指当て部材62を基端側に向かって付勢する付勢部材63とを有している。
【0124】
指当て部材62は、基端側が閉塞した筒状をなす部材で構成され、その両端部にそれぞれ外径が拡径したフランジ部621、622が形成されたものである。図11、図12に示すように、フランジ部621は、操作部材5Dの基端部に形成された縮径部512に当接して、指当て部材62の操作部材5Dに対する基端方向への移動限界を規制する部分である。図13に示すように、フランジ部622は、指当て部材62を指800で押圧操作する際に当該指800を宛がう部分である。
【0125】
指当て部材62の途中には、その壁部を貫通する貫通孔625が形成されている。
また、操作部材5Dの縮径部512には、チューブ302bが接続されている。図13に示すように、このチューブ302bを介して、指当て部材62を押圧操作する際にガスボンベ300bからガスGをガス流路54に流入させることができる。さらに、操作部材5Dの縮径部512には、チューブ302bが接続されている部分よりも基端側の部分に当該部分を貫通する貫通孔で構成された排気口513が形成されている。なお、排気口513には、菌不透過性を有するフィルタ部材11が設置されているのが好ましい。
【0126】
図11に示す吸引操作状態では、貫通孔625が排気口513に向かって開口し、貫通孔624が排気口525に向かって開口する。これにより、初期状態で第1のシリンジ2の基端側空間212内に存在していたガスG1を、排気口513から排出することができる。よって、操作部材5Dの引張り操作を容易かつ確実に行なうことができる。
【0127】
また、図12に示す操作を停止した状態も、貫通孔624が排気口525に向かって開口している。排気口513にはフィルタ部材11が設置されているため、排気口513を介して空気が流入するのが防止され、よって、基端側空間212内を無菌状態に保持することができる。
【0128】
また、図13示す塗布操作を行なう状態では、指当て部材62を指800で押圧操作した際に、貫通孔625がチューブ302bに向かって開口する。これにより、指当て部材62を介して、ガス流路54は、チューブ302bと連通し、基端側空間212内にガスGを供給することができ、よって、押圧力F1を得る。そして、この押圧力F1と指800による押圧力F2とが相まって、操作部材5Dに対する押圧操作を容易かつ確実に行なうことができる。
【0129】
付勢部材63は、コイルバネで構成されている。この付勢部材63は、収縮した状態で指当て部材62が挿通され、先端631が操作部材5Dの基端面に当接し、基端632が指当て部材62のフランジ部622の先端面に当接している。これにより、指当て部材62を確実に基端方向に向かって付勢することができる。また、付勢部材63の付勢力に抗して指当て部材62を押圧操作することができ(図13に示す状態)、その操作を解除すると付勢部材63の付勢力により指当て部材62が戻る(図12に示す状態)。
【0130】
このような構成の切換え機構61により、補助手段6Dの作動のタイミングを確実に制御することができる。
【0131】
以上、本発明の液状体供給具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液状体供給具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0132】
また、本発明の液状体供給具は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0133】
また、本発明の液状体供給具を適用した塗布具は、本実施形態では2本のシリンジを装填して用いられるものであるが、これに限定されず、例えば、1本または3本以上のシリンジを装填して用いられるものであってもよい。
【0134】
また、補助手段に用いられるガスは、液体の噴出に用いられるガスと兼用のものである、すなわち、1つのガス供給手段から供給されたものであるが、これに限定されず、前記ガス供給手段とは別のガス供給手段から供給されたガスであってもよい。これにより、補助手段に用いられるガスとして、無菌ガスでなはいガスを用いることができる。
【符号の説明】
【0135】
1、1A、1B 塗布具
10 注射器
2、2A 第1のシリンジ(液体供給手段)
21 外筒(シリンジ外筒)
211 先端側空間(貯液空間)
212 基端側空間
22 口部(縮径部)
23 フランジ
24 ガスケット
25 ストッパ
27 シール部材
3 第2のシリンジ(液体供給手段)
4 ノズル
41 液体流路
42 ノズルヘッド
424 噴出口
43 ノズル本体
44 第1の流路
44a 内チューブ(内管)
441 先端部
45 第2の流路
45a 内チューブ(内管)
451 先端部
46 第3の流路(ガス流路)
46a 外チューブ(外管)
461 先端内周部
463 先端
464 段差部
465 頂面
466 底面
467 溝
47 合流部
47a チューブ(合流部形成チューブ)
471 先端部
472 基端部
473 通気膜
5、5D 操作部材
51a、51b 押し子部
511 供給口
512 縮径部
513 排気口
52 支持部
521 指当て部
522 間隙
523 縮径部
524、525 排気口
53 ガスケット
54、55、56 ガス流路
57 第1のガス流路
58 第2のガス流路
59 切換え弁
6、6D 押圧補助手段(補助手段)
61 切換え機構(切換え部)
62 指当て部材
621、622 フランジ部
623、624、625 貫通孔
63 付勢部材
631 先端
632 基端
7 塗布具本体
71 シリンジ保持部
711 嵌合部
73 接続部
731 ノズル接続部
732 操作部材接続部
8 穿刺針
81 針体
811 針先
82 ハブ
11 フィルタ部材
300b ガスボンベ(ガス供給手段)
302b チューブ
400 収納容器
800 指
900 臓器
F1、F2 押圧力
G、G1 ガス(無菌ガス)
L1 第1の液体
L2 第2の液体
L3 液体
P1、P2 先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に突出形成された口部を有するシリンジ外筒と、該シリンジ外筒内に挿入され、その長手方向に沿って移動するガスケットと、前記ガスケットを移動操作する操作部材とを有し、前記操作部材を操作して、前記シリンジ外筒と前記ガスケットとで囲まれた先端側空間に充填された液体を前記口部から吐出するシリンジを備える液状体供給具であって、
前記シリンジ外筒は、その基端開口が気密的に封止されたものであり、
前記操作部材を操作する際に、前記シリンジ外筒の前記ガスケットよりも基端側の基端側空間内にガスを供給して、該基端側空間を加圧することにより、前記ガスケットを先端方向に向かって押圧する押圧補助手段を備えることを特徴とする液状体供給具。
【請求項2】
前記シリンジを少なくとも1本保持する塗布具本体と、
前記操作部材を先端方向に向かって押圧操作することにより前記口部から吐出した前記液体を噴出して目的部位に塗布するノズルとをさらに備える塗布具である請求項1に記載の液状体供給具。
【請求項3】
前記ノズルは、ガスを供給するガス供給手段に接続されており、該ガス供給手段から供給されたガスとともに前記液体を噴出可能に構成されている請求項2に記載の液状体供給具。
【請求項4】
前記押圧補助手段は、前記ガス供給手段から供給されたガスの一部を前記基端側空間内に供給するガス流路と、該ガス流路途中に設けられ、前記基端側空間へのガスの供給およびその停止を切換える切換え部とを有する請求項3に記載の液状体供給具。
【請求項5】
前記操作部材は、管体で構成され、該管体の内腔部が前記ガス流路として機能する請求項4に記載の液状体供給具。
【請求項6】
前記切換え部は、前記管体に形成された貫通孔であって、前記ガスの供給の際には閉塞され、その供給の停止の際には開放される貫通孔を有する請求項5に記載の液状体供給具。
【請求項7】
前記貫通孔が開放した状態では、該貫通孔を介して前記ガスが大気中に排出される請求項6に記載の液状体供給具。
【請求項8】
前記貫通孔には、該貫通孔を介して流出したガスを前記ガス流路に戻す循環流路が接続されている請求項6に記載の液状体供給具。
【請求項9】
前記切換え部は、前記操作部材を押圧操作する際に指が掛けられる部分である請求項4ないし8のいずれかに記載の液状体供給具。
【請求項10】
前記切換え部は、前記ガスの供給量を調整可能に構成されている請求項4ないし9のいずれかに記載の液状体供給具。
【請求項11】
前記押圧補助手段が前記ガスケットを押圧するときの押圧力は、前記ガスケットが前記シリンジ外筒内を摺動するときの摺動抵抗よりも小さい請求項1ないし10のいずれかに記載の液状体供給具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−20031(P2011−20031A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−165854(P2009−165854)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】