説明

液状石鹸類の供給容器

【課題】詰め替え用袋内の液状石鹸類をすべて完全に、かつ、容易に容器本体内に搾り出すことができるようにする。
【解決手段】容器本体21の上端21aを開口し、該容器本体の上端には内蓋33を備えさせる。該内蓋には開口部を備えさせ、該開口部には開閉蓋37の一端37aを該開閉蓋が開閉自在になるように枢着し、液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を該詰め替え用袋の一端を開口した状態で容器本体内に入れ、該詰め替え用袋の他端を前記開閉蓋の他端37bに対応する該開口部の対応縁35bに臨ませた状態で該開閉蓋を閉じる方向に押圧することにより該開閉蓋の前記他端を該詰め替え用袋に押し付けた状態で該詰め替え用袋を容器本体の外方に引くことにより、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該容器本体内に搾り出すようになす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状石鹸類の供給容器に関するものであり、特に詰め替え用袋内の液状石鹸類を供給容器内に容易に移すことができるようにした液状石鹸類の供給容器に係るものである。
【0002】
本出願における「液状石鹸類」には、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、ボディシャンプー等が含まれる。
【背景技術】
【0003】
液状石鹸類は、例えば実公平7−25121号公報に示すように、一般にポンプ手段を備えた供給容器に収納されている。
【0004】
また、液状石鹸類を収納した詰め替え用袋も販売されている。この詰め替え用袋は、液状石鹸類の供給容器内の液状石鹸類を使い尽くしたときに、該供給容器を廃棄することなく、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該供給容器に補充するようにしたものである。
【0005】
本出願人の出願に係る特開2009−262967号公報は、詰め替え用袋内の液状石鹸類を供給容器内に容易に移すことができるようにした液状石鹸類の供給容器(以下単に「従来の液状石鹸類の供給容器」という。)を開示している。
【0006】
従来の液状石鹸類の供給容器は、図7に示すように、容器本体1の上端1aを開口し、該容器本体1の上端1aにはポンプ手段3を備えた外蓋5を該容器本体1に対し分離自在に取り付け、該容器本体1の上端1aには内蓋13を開閉自在に備えさせ、該内蓋13には該内蓋13を内外に貫通するスリット17を形成し、該容器本体1から外蓋5を分離させると共に内蓋13を開いた状態で液状石鹸類を収納した詰め替え用袋19を容器本体1内に入れて該詰め替え用袋19の一端19aを開口させ、該詰め替え用袋19の他端19bを内蓋13のスリット17に挿入させた状態で該内蓋13を容器本体1の上端1aに嵌め、該詰め替え用袋19の他端19bを上方に引き上げることにより該詰め替え用袋19内の液状石鹸類を該スリット17により該容器本体1内に搾り出すようにしてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公平7−25121号公報
【特許文献2】特開2009−262967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の液状石鹸類の供給容器においては、詰め替え用袋19内の液状石鹸類を該容器本体1内に搾り出すための内蓋13のスリット17は該内蓋13に予め形成された透孔であり、詰め替え用袋19或いは該詰め替え用袋19内の液状石鹸類の状態等に応じて調節することができない。したがって、従来の液状石鹸類の供給容器においては、詰め替え用袋19内の液状石鹸類をすべて完全に容器本体1内に搾り出すことができず、内蓋13のスリット17を通過させた後に、該詰め替え用袋19内に液状石鹸類が残存するという問題が生じている。
【0009】
また、従来の液状石鹸類の供給容器においては、内蓋13のスリット17が前述の如く調節不能であるため、液状石鹸類を含む詰め替え用袋19の他端19bを上方に引き上げてスリット17を通過させる作業も容易ではないという問題もある。
【0010】
このような状況に鑑み、本発明は、詰め替え用袋内の液状石鹸類をすべて完全に、かつ、容易に容器本体内に搾り出すことができるようにした液状石鹸類の供給容器を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、下記の液状石鹸類の供給容器を提供する。
【0012】
(1)容器本体の上端を開口し、該容器本体の上端にはポンプ手段を備えた外蓋を該容器本体に対し分離自在に取り付け、該容器本体の上端には内蓋を備えさせた液状石鹸類の供給容器において、
該内蓋には開口部を備えさせ、該開口部には開閉蓋の一端を該開閉蓋が開閉自在になるように枢着し、
液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を該詰め替え用袋の一端を開口した状態で容器本体内に入れ、該詰め替え用袋の他端を前記開閉蓋の他端に対応する該開口部の対応縁に臨ませた状態で該開閉蓋を閉じる方向に押圧することにより該開閉蓋の前記他端を該詰め替え用袋に押し付けた状態で該詰め替え用袋を容器本体の外方に引くことにより、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該容器本体内に搾り出すようにしたことを特徴とする液状石鹸類の供給容器(請求項1)。
【0013】
(2)前記開口部の前記対応縁は、上方に向かって前記容器本体の中心から離れる方向に傾斜した傾斜面を備えている(請求項2)。
【0014】
(3)前記開閉蓋の前記他端は、該開閉蓋を閉じたときに前記開口部における前記対応縁の傾斜面と略平行になる押圧面を備えている(請求項3)。
【0015】
(4)前記開閉蓋の前記他端は、該開閉蓋を閉じたときに前記開口部の前記対応縁に当接することにより該開閉蓋が開くことを防止するための凸部を備えている(請求項4)。
【0016】
(5)前記内蓋は、前記容器本体に対し着脱自在である(請求項5)。
【発明の効果】
【0017】
[請求項1の発明]
液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を内蓋の開口部に枢着された開閉蓋の前記他端と該開口部の対応縁との間を通過させることにより、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を容器本体内に搾り出すのであるが、開閉蓋の前記他端と該開口部の対応縁との間隔は固定されているものではなく、使用者が該開閉蓋を閉じる方向に押圧する力を加減することにより、該間隔を自在に調節することができる。また、詰め替え用袋内に残存する液状石鹸類の量等に応じて、該詰め替え用袋を容器本体の外方に引きつつ、該開閉蓋を閉じる方向に押圧する力を加減することにより、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を効果的に搾り出すことができる。したがって、詰め替え用袋内の液状石鹸類を残すことなく完全に、かつ、容易に容器本体内に搾り出すことができる。
【0018】
[請求項2の発明]
開口部の前記対応縁は、上方に向かって容器本体の中心から離れる方向に傾斜した傾斜面を備えているため、使用者は詰め替え用袋内の液状石鹸類を搾り出す際に該詰め替え用袋を斜め上方に引くことができる。したがって、詰め替え用袋内の液状石鹸類を搾り出す作業が一層容易なものとなる。
【0019】
[請求項3の発明]
開閉蓋の前記他端は、該開閉蓋を閉じたときに前記開口部における前記対応縁の傾斜面と略平行になる押圧面を備えているため、詰め替え用袋内の液状石鹸類を搾り出す際に、該詰め替え用袋を容器本体の外方に引きつつ、該詰め替え用袋を該押圧面と傾斜面との間で効果的に圧搾することができる。
【0020】
[請求項4の発明]
開閉蓋がヒンジ部を介して内蓋と一体的に形成されている場合には、該開閉蓋を閉じても該開閉蓋が開く傾向がある。閉じた状態にあるべき開閉蓋が開いていることは、商品の外観上不都合である。
【0021】
請求項4の発明においては、開閉蓋の前記他端は、該開閉蓋を閉じたときに前記開口部の前記対応縁に当接することにより該開閉蓋が開くことを防止するための凸部を備えているため、一旦閉じた開閉蓋は閉じた状態に保持される。
【0022】
[請求項5の発明]
内蓋は、容器本体に対し着脱自在であるため、必要時には、該内蓋を容器本体から外し、容器本体内を掃除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明による液状石鹸類の供給容器の一例を示す断面図である。
【図2】図2は、同上供給容器において、開閉蓋を開いて詰め替え用袋を容器本体内に入れつつある状態を示す断面図である。
【図3】図3は、同上供給容器において、詰め替え用袋内の液状石鹸類を容器本体内に搾り出ている状態を示す断面図である。
【図4】図4は、内蓋の斜視図である。
【図5】図5は、同上内蓋の平面図である。
【図6】図6は、開閉蓋の前記他端に備えさせた凸部等を示す断面図である。
【図7】図7は、従来の液状石鹸類の供給容器を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
符号21に示すものは液状石鹸類の供給容器における容器本体である。容器本体21は、箱状、円筒状その他如何なる形状を備えたものであっても差し支えない。
【0025】
容器本体21の上端21aを開口し、該容器本体21の上端21aにはポンプ手段(ポンプ装置)23を備えた外蓋25を容器本体21に対し分離自在(開閉自在)に取り付ける。
【0026】
外蓋25を容器本体21に対し分離自在に取り付けるとは、外蓋25を容器本体21の上端21aに例えば取り外し自在に嵌着若しくは螺合し、又は開閉自在に枢着することをいう。
【0027】
ポンプ手段23は、液状石鹸類の供給容器に従来より使用されているものでよい。符号27に示すものはシリンダ、符号29に示すものは押下ヘッド、符号31に示すものはノズルである。
【0028】
容器本体21の上端21aには内蓋33を備えさせる。
【0029】
内蓋33は、好ましくは、容器本体21に対し着脱自在である。図示の事例においては、内蓋33は容器本体21の上端21aに対し嵌脱自在である。
【0030】
内蓋33には開口部35を備えさせ、該開口部35には開閉蓋37の一端37aを該開閉蓋37が開閉自在になるように枢着する。開閉蓋37を開いたときには、開口部35より容器本体21内に詰め替え用袋39を入れることができる。なお、開閉蓋37にはポンプ手段23のシリンダ27を挿通させるための挿通孔41を備えさせる(図1参照)。開閉蓋37を開く際には、該挿通孔41に指を掛けることもできる。
【0031】
開口部35に開閉蓋37の一端37aを該開閉蓋37が開閉自在になるように枢着するに当っては、該開閉蓋37の一端37aを該開閉蓋37とは別体のヒンジ(図示せず。)を介して開口部35に枢着してもよいが、開閉蓋37と内蓋33とを合成樹脂により一体的に形成し、該開閉蓋37の一端37aをヒンジ部となすことが望ましい。
【0032】
液状石鹸類を収納した詰め替え用袋39を該詰め替え用袋39の一端39aを開口した状態で例えば内蓋33の開口部35より容器本体21内に入れ(図2参照)、該詰め替え用袋39の他端39bを前記開閉蓋37の他端37bに対応する該開口部35の対応縁35bに臨ませた状態で該開閉蓋37を閉じる方向に押圧することにより該開閉蓋37の前記他端37bを該詰め替え用袋39に押し付けた状態で該詰め替え用袋39を容器本体21の外方に引くことにより、該詰め替え用袋39内の液状石鹸類43を該容器本体21内に搾り出すようになす。なお、図示の事例においては、開閉蓋37の他端37bと該他端37bに対応する該開口部35の対応縁35bとは、それぞれ直線状に形成されているが、これらのものは、必ずしも直線状である必要はなく、例えば円弧状等をなしていても差し支えない。
【0033】
前記開口部35の対応縁35bは、好ましくは、上方に向かって容器本体21の中心から離れる方向に傾斜した傾斜面35cを備えている。
【0034】
前記開閉蓋37の他端37bは、好ましくは、該開閉蓋37を閉じたときに前記開口部35における前記対応縁35bの傾斜面35cと略平行になる押圧面37cを備えている。
【0035】
前記開閉蓋37の他端37bは、好ましくは、該開閉蓋37を閉じたときに前記開口部35の対応縁35bに当接することにより該開閉蓋37が開くことを防止するための凸部45を備えている。凸部45は、一例として突条とする。
【0036】
なお、符号47、49に示すものは、内蓋33に備えさせた補強用のリブである。
【符号の説明】
【0037】
1 容器本体
1a 上端
3 ポンプ手段
5 外蓋
13 内蓋
17 スリット
19 詰め替え用袋
19a 一端
19b 他端
21 容器本体
21a 上端
23 ポンプ手段
25 外蓋
27 シリンダ
29 押下ヘッド
31 ノズル
33 内蓋
35 開口部
35b 対応縁
35c 傾斜面
37 開閉蓋
37a 一端
37b 他端
37c 押圧面
39 詰め替え用袋
39a 一端
39b 他端
41 挿通孔
43 液状石鹸類
45 凸部
47 リブ
49 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上端を開口し、該容器本体の上端にはポンプ手段を備えた外蓋を該容器本体に対し分離自在に取り付け、該容器本体の上端には内蓋を備えさせた液状石鹸類の供給容器において、
該内蓋には開口部を備えさせ、該開口部には開閉蓋の一端を該開閉蓋が開閉自在になるように枢着し、
液状石鹸類を収納した詰め替え用袋を該詰め替え用袋の一端を開口した状態で容器本体内に入れ、該詰め替え用袋の他端を前記開閉蓋の他端に対応する該開口部の対応縁に臨ませた状態で該開閉蓋を閉じる方向に押圧することにより該開閉蓋の前記他端を該詰め替え用袋に押し付けた状態で該詰め替え用袋を容器本体の外方に引くことにより、該詰め替え用袋内の液状石鹸類を該容器本体内に搾り出すようにしたことを特徴とする液状石鹸類の供給容器。
【請求項2】
前記開口部の前記対応縁は、上方に向かって前記容器本体の中心から離れる方向に傾斜した傾斜面を備えていることを特徴とする請求項1に記載の液状石鹸類の供給容器。
【請求項3】
前記開閉蓋の前記他端は、該開閉蓋を閉じたときに前記開口部における前記対応縁の傾斜面と略平行になる押圧面を備えていることを特徴とする請求項2に記載の液状石鹸類の供給容器。
【請求項4】
前記開閉蓋の前記他端は、該開閉蓋を閉じたときに前記開口部の前記対応縁に当接することにより該開閉蓋が開くことを防止するための凸部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液状石鹸類の供給容器。
【請求項5】
前記内蓋は、前記容器本体に対し着脱自在であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液状石鹸類の供給容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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