説明

液膜保有コンタクタ及びその製造方法

【課題】液膜保有コンタクト及びその製造方法に関し、安定した液膜を低い製造コストで作成する方法を提供する。
【解決手段】液膜保有コンタクタ10が、穿孔された中央管12と、各々が第1の端部20,30及び第2の端部22,32を有し、且つ前記端部の両方が開放されている第1の膜マット14及び第2の膜マット24と、前記膜マットを前記中央管に取り付ける4つの管シート38,40,42,44と、前記管シートにシールされたシェル46と、2つの端部キャップ52,50とを含み、前記第1マットの第1端部は、前記第2マットの第2端部を、第1の距離だけ超えて延在し、前記第1マットの第1端部は第1の管シート38にて開放されており、前記第2マットの前記第1端部は前記第2の管シートにて開放されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、液膜保有コンタクタ(contained liquid membrane)及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膜コンタクタは多くの目的のために用いられ得る。これらの目的は、限定はしないが、混入ガスを液体から除去すること、液体の脱泡、液体の濾過、及び、ガスを液体に加えることを含む。膜コンタクタは、多くの異なる用途で用いられることが知られている。例えば、膜コンタクタは、印刷用インクから混入ガスを除去することに用いられ得る。膜コンタクタの現在の設計は、幾つかの用途には有効であるが、工業生産可能な液膜保有装置をもたらすことを可能にはしていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
安定した液膜は、長年にわたり、膜開発者の関心事であった。なぜなら、液膜の、促進輸送構造における非常に高い選択能力が証明されているからである。しかし、安定した液膜を生成することは、常に、達成し難い目標であった。安定性に関する問題を解決するために、液膜保有コンタクタのコンセプトが数年前に提示されたが、周知の再現可能な保有液膜の有効厚さを有する膜装置を製造することは非常に困難であることが証明されていた。膜の安定性を長期間にわたって保証することが可能であるならば、液膜がより有効に用いられることが可能であろう。
【0004】
液膜保有コンタクタは、液膜がかなり長期間にわたり安定して保有されることを可能にするであろう。従って、工業生産可能な液膜保有コンタクタ、及びその製造方法が必要である。本発明にて提示される装置の概念は、保有された安定な液膜を低い製造コストで作製することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
液膜保有コンタクタは、穿孔された中央管と、各々が第1の端部及び第2の端部を有し、且つ前記端部の両方が開放されている複数の第1の中空繊維膜を含む第1のマットと、各々が第1の端部及び第2の端部を有し、且つ前記端部の両方が開放されている複数の第2の中空繊維膜を含む第2のマットと、第1の管シートと、第2の管シートと、第3の管シートと、第4の管シートと、シェルと、端部キャップとを含む。前記第1の中空繊維膜の第1端部は、前記第2の中空繊維膜の第2端部を、第1の距離だけ超えて延在する。前記第2の中空繊維膜の第1端部は、前記第1の中空繊維膜の第2端部を、第2の距離だけ超えて延在する。前記管シートは、第1の膜マット及び第2の膜マットを、穿孔された中央管に取り付ける。第1の中空繊維膜の第1端部は第1の管シートにて開放されており、第2の中空繊維膜の第1端部は第2の管シートにて開放されている。第1の中空繊維膜の第2端部は、第2の管シートと第4の管シートとの間にあり、第2の中空繊維膜の第2端部は、第1の管シートと第3の管シートとの間にある。第1の中空繊維膜の外面は、第1の管シートと第3の管シートとの間にて非多孔質であり、第2の中空繊維膜の外面は、第2の管シートと第4の管シートとの間にて非多孔質である。シェルは、第1のマット及び第2のマットを取り囲み、且つ、管シートの全てに対してシールされている。シェルは、第2の中空繊維膜の第2端部に連通する第1の管シートと第3の管シートとの間に、第1のポートを有する。シェルは、第1の中空繊維膜の第2端部に連通する、第2の管シートと第4の管シートとの間に、第2のポートを有する。第1の端部キャップは、前記穿孔された中央管に連通する第3のポートと、第1の中空繊維膜の第1端部に連通する第4のポートとを有する。第2の端部キャップは、前記穿孔された中央管に連通する第5のポートと、第2の中空繊維膜の第1端部に連通する第6のポートとを有する。
【0006】
本発明を例示するために、現在好ましい形態を図示する。しかし、本発明が、図示された詳細な配置及び手段に限定されないことが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態の概略断面図である。
【図2】図1の膜マットが、穿孔された中央管の周囲に交互に巻かれている様子を示す斜視図である。
【図3】図1の実施形態に示されているカートリッジの長手方向の断面図である。
【図4】境界流体及びポッティング材料をポートに挿入するステップの一実施形態の部分断面図であり、重力により境界流体がポッティング材料より下に押し出されて第3の管シート又は第4の管シートを形成する様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面(図中、類似の番号は類似の要素を示す)を参照すると、図1に、液膜保有コンタクタ10の一実施形態が示されている。液膜保有コンタクタ10は、図1に示されているように、4つの基本的な構成要素、すなわち、カートリッジ68(図2及び図3参照)、シェル46、第1の端部キャップ52、第2の端部キャップ60を含む。
【0009】
図2及び図3を参照すると、カートリッジ68は、穿孔された中央管12、第1の膜マット14、第2の膜マット24、第3の管シート42、及び第4の管シート44を含み得る。第1の膜マット14及び第2の膜マット24は、穿孔された中央管12の周囲に巻き付けられ得る。第3の管シート42及び第4の管シート44は、第1の膜マット14及び第2の膜マット24を穿孔された中央管12に取り付け得る。
【0010】
穿孔された中央管12は、膜マット14及び膜マット24を所望のように支持するための十分な機械的強度を有する任意の材料からつくられ得る。穿孔された中央管12は、ポリマー材料、金属、又は複合材料からつくられ得る。穿孔された中央管12は、任意のポリオレフィン、例えばポリエチレンからつくられ得る。穿孔された中央管12は複数の穿孔70を含み得る。穿孔70は、穿孔された中央管12の任意の長さにわたって延在し得る。この長さは、限定はしないが、第3の管シート42と第4の管シート44との間の長さを含む(図1及び図3を参照)。穿孔70が第3の管シート42と第4の管シート44との間の長さにわたってのみ延在することにより、第3の管シート42及び第4の管シート44がシェル46に、穿孔された中央管12内にポッティング材料が入ることなくシールされることが可能にされ得る。穿孔された中央管12は、穿孔された中央管12の2つの両端に通じるチャネルを有する。これらの2つの両端は、穿孔された中央管12を差し込むための周方向の螺旋溝を含み得る。液膜保有コンタクタ10は、穿孔された中央管12が差し込まれても、又は差し込まれなくても動作され得る。
【0011】
第1の膜マット14及び第2の膜マット24は、中空繊維膜マットである。第1の膜マット14と第2の膜マット24とは、類似の、又は異なる中空繊維膜マットであり得る。第1の膜マット14及び第2の膜マット24は、各々、異なる別々の目的の達成を促進するように適合され得る。これらの目的の例は、ガス分離、粒子濾過、又は熱交換を含むがこれらに限定されない。第1膜マット14と第2膜マット24とは、以下にさらに詳細に論じるように、これらの膜の構成材料、有孔率範囲、ガーレー数範囲、細孔径範囲などに関して異なり得る。本明細書は、本発明を、便宜上、2つの異なる膜マットのみに関して説明するが、本発明が2つの膜マットを有することに限定されることはなく、他の構造、例えば、3つ以上の異なる膜マットも含まれる。
【0012】
第1の膜マット14は、複数の第1の中空繊維膜16を含み得る。第1の膜マット14は任意の厚さを有し得る。すなわち、単一層の第1の中空繊維膜16、又は、複数層の第1の中空繊維膜16が重ねて配置される。第1の膜マット14は疎水性又は親水性であり得る。また、第1の膜マット14は、流体からの脱泡を容易にするように適合され得る。或いは、第1の膜マット14は、流体の精密濾過又は限外濾過を容易にするように適合され得る。また、第1の膜マット14は、ガス、液体、又は粒子を流体に加えることを容易にするようにも適合され得る。第1の膜マット14は、当分野で公知のプロセスを用いて構成され得る。一般に、中空繊維マット構造において、中空繊維膜は、編まれ、又は織られてマットに形成される。
【0013】
第1の中空繊維膜16は、約5μm〜約1000μmの範囲の壁厚、約10%〜約80%の範囲の有孔率、約1秒/10cc〜約2000秒/10ccの範囲のガーレー数を有し得る。ガーレー数とは、12.2インチ(31cm)水柱の圧力下で10ccの空気が1平方インチ(6.4cm2)の製品を通過するために必要な秒数である。さらに、第1の中空繊維膜16は、任意の平均孔径を有し得る。例えば、第1の中空繊維膜16は、約10ナノメートル〜約2000ナノメートルの範囲の平均孔径を有し得る。第1の中空繊維膜16は、任意の材料、例えば、ポリマーであり得る。ポリマーは、例えば、任意の合成ポリマー、セルロース、又は合成変性セルロースであり得る。合成ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリ(イソブチレン)、ポリ(メチルぺンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、エチレンビニルアルコール、フッ素化ポリオレフィン、これらのポリマーのコポリマー、並びに、これらのポリマーの混合物を含むがこれらのポリマーに限定されない。第1の中空繊維膜16はポリオレフィンからつくられ得る。第1の中空繊維膜16は、ガス透過に適した疎水性の中空繊維膜であり得る。或いは、第1の中空繊維膜16は、粒子の精密濾過又は限外濾過に適した親水性膜であり得る。第1の中空繊維膜16は、多孔質の、又は非多孔質の皮又はコーティングを含み得る。第1の中空繊維膜16は非多孔質であり得るか、又は、第1の中空繊維膜16の外面は、第1の管シート38と第3の管シート42との間にてシールされ得る。外皮で被覆された疎水性中空繊維膜が、例えば、ドイツ国、ヴッパータール(wuppertal)のメンブラナ社(membrana GmbH)から、オキシプラス(OXYPLUS)(登録商標)の商標名で市販されている。
【0014】
第2の膜マット24は、複数の第2の中空繊維膜26を含み得る。第2の膜マット24は任意の厚さを有し得る。すなわち、単一層の第2の中空繊維膜26、又は、複数層の第2の中空繊維膜26が重ねて配置される。第2の膜マット24は疎水性又は親水性であり得る。また、第2の膜マット24は、精密濾過又は限外濾過を容易にするように適合され得る。或いは、第2の膜マット24は、液体からの脱泡を容易にするように適合され得る。また、第2の膜マット24は、ガス、液体、又は粒子を流体に加えることを容易にするようにも適合され得る。第2の膜マット24は、当分野で公知のプロセスを用いて構成され得る。一般に、中空繊維マット構造において、中空繊維膜は、編まれ、又は織られてマットに形成される。
【0015】
第2の中空繊維膜26は、約5μm〜約1000μmの範囲の壁厚、約10%〜約80%の範囲の有孔率、約1秒/10cc〜約2000秒/10ccの範囲のガーレー数を有し得る。さらに、第2の中空繊維膜26は、任意の平均孔径を有し得る。例えば、第2の中空繊維膜26は、約10ナノメートル〜約2000ナノメートルの範囲の平均孔径を有し得る。第2の中空繊維膜26は、任意の材料、例えば、先に記載したポリマーであり得る。第2の中空繊維膜26は、ポリオレフィンからつくられ得る。第2の中空繊維膜26は、粒子の精密濾過又は限外濾過に適した親水性の中空繊維膜であり得る。或いは、第2の中空繊維膜26は、ガス透過に適した疎水性の中空繊維膜であり得る。第2の中空繊維膜26は、多孔質若しくは非多孔質の皮、又はコーティングを含み得る。第2の中空繊維膜26は非多孔質であり得るか、又は、第2の中空繊維膜26の外面は、第2の管シート40と第4の管シート44との間にてシールされ得る。親水性の中空繊維膜が、例えば、ドイツ国、ヴッパータール(wuppertal)のメンブラナ社(membrana GmbH)から、ミクロPES(Micro PES)(登録商標)、ウルトラPES(UltraPES)(登録商標)の商標名で市販されている。
【0016】
概して、第1の中空繊維膜16の各々は第1の管腔18を有することができ、第2の中空繊維膜26の各々は第2の管腔28を有し得る。
【0017】
第1の中空繊維膜16は、第1の端部20及び第2の端部22を有することができ、これらの端部の両方が開放されている。第2の中空繊維膜26は、第1の端部30及び第2の端部32を有することができ、これらの端部の両方が開放されている。第1の中空繊維膜16の第1端部20は、第1の管シート38の外壁に配置され得る。第1の中空繊維膜16の第1端部20は、第1の管シート38の製造中にポッティング材料が第1の中空繊維膜16内に入ることを防止するために、最初は閉鎖されていてよいが、後に、第1の管シート38にて機械加工されて開放され得る。第2の中空繊維膜26の第1端部30は、第2の管シート40の外壁に配置され得る。第2の中空繊維膜26の第1端部30は、第2の管シート40の製造中にポッティング材料が第2の中空繊維膜26内に入ることを防止するために、最初は閉鎖されていてよいが、後に第2の管シート40にて機械加工されて開放され得る。第2端部22及び32は、最初から開放されていてよい。なぜなら、これらの第2端部は、第1端部20及び30のように製造中にポッティングに露出されることがないからである。図1に示されているように、第1の中空繊維膜16の第2端部22は、第2の管シート40と第4の管シート44との間にあってよく、第2の中空繊維膜26の第2端部32は、第1の管シート38と第3の管シート42との間にあってよい。図1に示されているように、第1の中空繊維膜16は、非多孔質であってよく、又は、第1の中空繊維膜16の外面が第1の管シート38と第3の管シート42との間でシールされていてもよい。同時に、第2の中空繊維膜26は、非多孔質であってよく、又は、第2の中空繊維膜26の外面が第2の管シート40と第4の管シート44との間でシールされていてもよい。膜16及び膜26の外面は、管シートの間にて、任意の方法によりシールされ得る。この方法は、限定はしないが、膜16及び膜26を、シール状態、又は非多孔質にするために溶融することを含む。第1の中空繊維膜16が、第1の管シート38と第3の管シート42との間にて非多孔質であることが、第1のポート48が第2の中空繊維膜26の第2の端部32のみに連通することを可能にする。第2の中空繊維膜26が、第2の管シート40と第4の管シート44との間にて非多孔質であることが、第2のポート50が第1の中空繊維膜16の第2の端部22のみに連通することを可能にする。
【0018】
第1の膜マット14及び第2の膜マット24は、リーフマット、ループ状マット、テープマット及びこれらのマットの組合せから成る群から選択され得る。リーフマットとは、本文中に用いられる場合、中空繊維膜のシートがマットの長さに対して垂直に配置されたマットのことである。ループマットとは、本文中に用いられる場合、中空繊維膜の折り畳まれたシートがマットの長さに垂直に配置されたマットのことである。或いは、ループマットは、非常に長い繊維膜の単一のストランドが繰り返し折り畳まれたマットであり得る。テープマットとは、本文中に用いられる場合、マットの長さに対して平行に配置された中空繊維膜のシートのことである。
【0019】
4つの管シート38,40,42及び44が、液膜保有コンタクタ10内に含まれ得る。第1の管シート38は、穿孔された中央管12の一端の付近に配置されることができ、第2の管シート40は、穿孔された中央管12の他端付近に配置され得る(図1及び図3〜図4参照)。第3の管シート42は、第1の管シート38より内側に配置されることができ、第2の中空繊維膜26の第2端部32は、第1の管シート38と第3の管シート42との間にあり得る。第4の管シート44は、第2の管シート40よりも内側に配置されることができ、第1の中空繊維膜16の第2端部22は、第2の管シート40と第4の管シート44との間にあり得る。
【0020】
4つの管シート38,40,42及び44は断面が円筒状であり、膜マット14及び24を支持するための、及び、動作中にこれらの膜マットに加えられる圧力に耐えるための十分な厚さを有する。管シート38,40,42及び44は、熱可塑性材料又は熱硬化性材料であり得る任意の材料(例えば、ポッティング材料)から構成され得る。例示的な熱可塑性ポッティング材料は、限定はしないが、ポリエチレンを含む。例示的な熱硬化性ポッティング材料は、限定はしないが、エポキシ樹脂を含む。
【0021】
管シート38,40,42及び44は、膜マット14及び24を所定位置に保持するために、且つ、液膜保有コンタクタ10を仕切るために機能する。第1の管シート38及び第1の端部キャップ52は、液膜保有コンタクタ10を、第4ポート56を第1の中空繊維膜16の第1端部20に連通させるために第1のヘッドスペース58を形成するように仕切り得る。第2の管シート40及び第2の端部キャップ60は、液膜保有コンタクタ10を、第6ポート64を第2の中空繊維膜26の第1端部30に連通させるために第2のヘッドスペース66を形成するように仕切り得る。第1の管シート38及び第3の管シート42は、液膜保有コンタクタ10を、第1ポート48を第2の中空繊維膜26の第2端部32に連通させるために第3のヘッドスペース76を形成するように仕切り得る。第2の管シート40及び第4の管シート44は、液膜保有コンタクタを、第2ポート50を第1の中空繊維膜16の第2端部22に連通させるために第4のヘッドスペース78を形成するように仕切り得る。
【0022】
第1の膜マット14及び第2の膜マット24が、穿孔された中央管12の周囲に巻き付けられ得る。第1の膜マット14及び第2の膜マット24は、穿孔された中央管12の周囲に、限定はしないが交互の配置を含む任意の配置で巻かれ得る(図1及び図2参照)。第1の膜マット14及び第2の膜マット24は、穿孔された中央管12の周囲に、第1の中空繊維膜16の第1端部20が第2の中空繊維膜26の第2端部32を第1の距離34だけ超えて延在し得るように巻き付けられ得る。同様に、第1の膜マット及び第2の膜マットは、穿孔された中央管12の周囲に、第2の中空繊維膜26の第1の端部30が、第1の中空繊維膜16の第2端部22を第2の距離36だけ超えて延在するように巻き付けられ得る。第1の距離34と第2の距離36とは等しくてよいが、等しい必要はない。第1の距離34は、第2の中空繊維膜26の第1端部30を第1の管シート38と第3の管シート42との間に配置するように十分に長く延在し得る。第2の距離36は、第1の中空繊維膜16の第1端部20を第2の管シート40と第4の管シート44との間に配置するように十分に長く延在し得る。
【0023】
膜マット30及び膜マット32の巻かれた層の間に間隔を維持して、膜マット全面にわたる流体が均等に分布されることを促進するために、スペーサが用いられ得る。
【0024】
バフル72又は複数のバフル72が、液膜保有コンタクタ10内に配置され得る。バフル72は、液膜保有コンタクタ10の様々な領域への流れ又はフローの向きを変更するためのものであり得る。バフル72は、液膜保有コンタクタ10の中央に配置され得る(図1参照)。
【0025】
図1を参照すると、シェル46がカートリッジ68を取り囲み得る。シェル46は、2つのポート、すなわち、第1のポート48及び第2のポート50を含み得る。シェル46は、任意の材料からつくられ得る。例えば、シェル14は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンコポリマーテトラフルオロエチレン(ECTFE)、フッ素化エチレンポリマー(FEP)、ポリビニルクロライド(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、繊維強化プラスチック(FRP)、金属、又は複合材料からつくられ得る。シェル46は、任意の長さ、直径又は寸法を有し得る。シェル46にはその両端にフランジが付され得る。例えば、シェル46の両端に、フランジが外向きに付され得る。
【0026】
第1ポート48がシェル46に含まれ得る。第1ポート48は、シェル46における、第1の管シート38と第3の管シート42との間のいずれの位置にも配置され得る。第1ポート48は、第2の中空繊維膜26の端部32に連通するためにあり得る。第1ポート48は、第2の中空繊維膜26の第2端部32に、第3のヘッドスペース76を介して連通し得る。第1ポート48は、一般に、ポート、ノズル、フィッティング(取付け部)、又は他の開口部であり得る。
【0027】
第2ポート50がシェル46に含まれ得る。第2ポート50は、シェル46における、第2の管シート40と第4の管シート44との間のいずれの位置にも配置され得る。第2ポート50は、第1の中空繊維膜16の第2端部22に連通するためにあり得る。第2ポート50は、第1の中空繊維膜16の第2端部22と、第4のヘッドスペース78を介して連通し得る。第2ポート50は、一般に、ポート、ノズル、フィッティング、又は他の開口部であり得る。
【0028】
図1を参照すると、第1の端部キャップ52及び第2の端部キャップ60が示されている。第1の端部キャップ52は、第3のポート54及び第4のポート56を含み得る。第3ポート54は、穿孔された中央管12と連通するためにあり得る。第4ポート56は、第1の中空繊維膜16の第1端部20に連通するためにあり得る。第4ポート56は、第1のヘッドスペース58を介して第1の中空繊維膜16の第1端部20に連通し得る。第2の端部キャップ60は、第5のポート62及び第6のポート64を含み得る。第5ポート62は、穿孔された中央管12に連通するためにあり得る。第6ポート64は、第2の中空繊維膜26の第1端部30に連通するためにあり得る。第6ポート64は、第2の中空繊維膜26の第1端部30と、第2のヘッドスペース66を介して連通し得る。第3ポート54、第4ポート56、第5ポート62及び第6ポート64は、各々、一般に、ポート、ノズル、フィッティング、又は他の開口部であり得る。
【0029】
当業者にすでに明らかであるように、ポートの配置は変更され得る。
【0030】
装置の組立において、最初に、穿孔された中央管12及び第1の膜マット14及び第2の膜マット24を準備する。第1の膜マット14は、最初は閉鎖されている第1端部20、及び、開放されている第2端部22を有し得る。第2の膜マット24は、最初は閉鎖されている第1端部30、及び、開放されている第2端部32を有し得る。第1の中空繊維膜16及び第2の中空繊維膜26は、最初に非多孔質にされていてよく、又は、これらの膜16及び26の外面が特定の位置でシールされ得る。第1の中空繊維膜16は、第3のヘッドスペース76以上にわたって、すなわち、第1の管シート38と第3の管シート42との間の距離以上にわたって非多孔質であり得る。第2の中空繊維膜26は、第4のヘッドスペース78以上にわたって、すなわち、第2の管シート40と第4の管シート44との間の距離以上にわたって非多孔質であり得る。第1の中空繊維膜16及び第2の中空繊維膜26を非多孔質に形成してよく、又は、これらの膜の外側を、任意の手段によりシールさせてもよい。これらの手段には、限定はしないが、膜を加熱又は溶融することを含む。そして、第1の膜マット14及び第2の膜マット24を、穿孔された中央管12の周囲に交互に巻き付け得る(図2参照)。膜マット14と膜マット24とは、第1の中空繊維膜16の第1端部20が第2の中空繊維膜26の第2端部32を第1の距離34だけ超えて延在し、且つ、第2の中空繊維膜26の第1端部30が第1の中空繊維膜16の第2端部22を第2の距離36だけ超えて延在するように巻き付けられ得る(図1〜図3参照)。次に、第3の管シート42及び第4の管シート44がポッティング材料により形成され得る。膜マット14及び膜マット24の巻き付けと、第3の管シート42及び第4の管シート44のポッティングステップとが同時に行われ得る。次いで、この構造物、すなわちカートリッジ68(図3参照)はシェル46内に配置され得る。次いで、第1の管シート38を形成し、且つ第3の管シート42をシェル46にシールするために、又は、第2の管シート40を形成し、且つ第4の管シート44をシェル46にシールするために、液膜保有コンタクタ10をその端部の一つで回転させる。第1の管シート38を形成し、且つ第3の管シート42をシェル46にシールするステップと、第2の管シート40を形成し、且つ第4の管シート44をシェル46にシールするステップとの順序を逆にすることができることが理解されよう。このとき、第1の管シート38は、最初にシェルを、その端部で第3の管シート42に対して回転させることにより形成され得る。次いで、ポッティング材料を、第1ポート48を通してシェル内に挿入する。次いでシェルを、ポッティング材料が硬化するまで安定化させ、それにより第1の管シート38を形成する。次いで、第1の管シート38を、機械加工又はカットすることができ、それにより、第1の中空繊維膜16の第1端部20を開放させる。次いで、境界流体80及びポッティング材料82を、第1ポート48を通して第1の管シート38の上部に挿入し得る(図4参照)。境界流体80は、重力により境界流体がポッティング材料より下に押し下げられ得るように、ポッティング材料82よりも密度が高くてよい。加えられる境界流体80の量は、マーキング74が付された上昇管(図4参照)により決定されることができる。次いで、液膜保有コンタクタ10は、ポッティング材料が硬化し、それにより、第3の管シート42がシェル46にシールされて第3のヘッドスペース76を形成するまで安定化され得る。次いで、境界流体80は排出又は除去され得る。次いで、液膜保有コンタクタ10は、その他端にて、第4の管シート44に対して回転される。そして、第2の管シート40が、ポッティング材料をシェル46内に第2ポート50を通して挿入することにより形成され得る。次いで、シェル46は、ポッティング材料が硬化し、それにより第2の管シート40を形成するまで安定化される。次いで、第2の管シート40は、機械加工又はカットされることができ、それにより、第2の中空繊維膜26の第1端部30を開放させる。次いで、境界流体80及びポッティング材料82を、第2ポート50を通して、第2の管シート40の上部に挿入し得る。境界流体80は、重力によりポッティング材料より下に押し出され得るように、ポッティング材料よりも密度が高くてよい。加えられる境界流体80の量は、マーキング(表示部)74が付された上昇管(図4参照)により決定されることができる。次いで、液膜保有コンタクタ10は、ポッティング材料が硬化し、それにより第4の管シート44がシェル46にシールされ、又は取付けられて第4のヘッドスペース78を形成するまで再び安定化され得る。次いで、境界流体は、再び排出又は除去され得る。最後に、第1の端部キャップ52及び第2の端部キャップ60をそれぞれのシェル端部に接合させることができ、それにより、第1のヘッドスペース58を第1の管シート38と端部キャップ52との間に形成し、また、第2のヘッドスペース66を、第2の管シート40と端部キャップ60との間に形成し得る。
【0031】
液膜保有コンタクタ10の主要な用途の1つは、液膜保有分離モジュールとして用いられることであろう。液膜保有分離モジュールは、ガス供給又は液体供給の両方を処理するために用いられることができる。液体供給の場合には、保有される液膜相が2つの液相と混合しないように選択される。例えば、ガス分離プロセスにおいて、高選択透過性を有する液体を、シェルサイドに(第3ポート54及び第5ポート62を通して)保有液膜として用いることにより、1つのガス種が、供給ガス混合物から、非常に高い選択性により除去され得る。この除去は、ガス混合物を、第2ポート50から第1の中空繊維膜16を経由して第4ポート56を通すことにより行われる。他方のガス相はスイープガスであり得る。すなわち、このガスは真空下で動作されて、分離のための駆動力を生成するために、第1ポート48から第2の中空繊維膜26を経由して第6ポート64を通され得る。同様に、液体供給源に含まれる種が、第3ポート54及び第5ポート62を通る適切な液体を保有液膜として用いて高選択性により除去され得る。他方の液相はスイープ液であってよく、又は、前記種に反応して分離のための駆動力を増大させる反応性液体であり得る。膜液が蒸発し、又は流動相へと引き出されることによる膜液の損失の全ては自動的に補われる。何故なら、シェルサイドは、僅かに圧力が加えられた膜液源に、第3ポート54又は第5ポート62を介して、若しくはこれらのポートの両方を介して、連結された状態を維持され得るからである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
液膜保有コンタクタ10は、ガス分離装置、液体分離装置、膜反応器、又はパーベーパレーション装置として動作されることができる。適用例は、空気中の酸素の濃縮、毒ガス種(例えば、硫化水素、アンモニア、二酸化硫黄及び窒素酸化物)を空気から除去すること、毒性有機物、例えばフェノールを水から除去すること、二酸化炭素をバイオガスから除去してバイオガスの燃焼値を増大させること、毒性金属を金属めっきタンクから分離すること、貴金属の回収、検出又は測定のために液体試料又はガス試料から特定の種を選択的に抽出することなどを含む。第1の中空繊維膜16の組と第2の中空繊維膜26の組(これらの2つの膜の組の間隙に液膜が保有される)は、類似であっても、又は、類似でなくともよい。これらの膜は、異なる形態、寸法、又は材料からつくられることができ、また、異なる特性及び機能性を有するようにつくられることが可能である。この結果、液膜保有コンタクタ10の様々な用途の可能性は非常に高くなっている。
【0033】
シェルサイド(第3ポート54及び第5ポート62を経由する)の相が移動相でもあるならば、液膜保有コンタクタ10が、液膜保有コンタクタ以外の用途に用いられ得ることに留意することが重要である。液膜保有コンタクタ10は、2つの機能を有する装置として用いられることもでき、これらの機能は、例えば、濾過と他の分離プロセスとの組合せであり、又は、物質移動と熱伝達との組合せである。さらに、異なる2つの寸法又はタイプを有する繊維を用いれば、任意の数の用途の組合せが可能にされ得る。
【0034】
さらに別の用途は、液膜保有コンタクタ10を、2つのガス流間での水分移動のために用いることである。例えば、もし、第2ポート50と第4ポート56とを通して、第1の中空繊維膜16に、露点が比較的高い1つの空気流を流し、また、第1ポート48と第6ポート64とを通して、第2の中空繊維膜26に、露点が比較的低い別の空気流を流すならば、これらの2つの露点の間の温度にて、シェルサイドに第3ポート54と第5ポート62とを通して水を、保有された液膜として供給することができるであろう。
【0035】
本発明を、本発明の精神及び本質的な特性から逸脱せずに他の形態にて具体化することが可能である。従って、上記の明細書ではなく、本発明の範囲が示されている、添付の特許請求の範囲が参照されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
10 液膜保有コンタクタ
12 穿孔された中央管
14 第1の膜マット
16 第1の中空繊維膜
20 第1端部
22 第2端部
24 第2の膜マット
26 第2の中空繊維膜
30 第1端部
32 第2端部
38 第1の管シート
40 第2の管シート
42 第3の管シート
44 第4の管シート
46 シェル
48 第1のポート
50 第2のポート
52 第1の端部キャップ
60 第2の端部キャップ
68 カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液膜保有コンタクタであって、
穿孔された中央管と、
第1の端部及び第2の端部の両方が開放されている、第1の管腔を有する複数の第1の中空繊維膜を含む第1の膜マットと、
第1の端部及び第2の端部の両方が開放されている、第2の管腔を各々が有する複数の第2の中空繊維膜を含む第2の膜マットとを含み、
前記第1のマットと前記第2のマットとが前記中央管に交互に巻き付けられ、前記第1の中空繊維膜の前記第1端部が、前記第2の中空繊維膜の前記第2端部を第1の距離だけ超えて延在し、前記第2の中空繊維膜の前記第1端部が前記第1の中空繊維膜の前記第2端部を第2の距離だけ超えて延在し、前記コンタクタが、さらに、
前記第1の膜マット及び第2の膜マットを前記穿孔された中央管に取り付ける第1の管シート及び第2の管シートを含み、前記第1の中空繊維膜の前記第1端部が前記第1の管シートにて開放されており、前記第2の中空繊維膜の前記第1端部が前記第2の管シートにて開放されており、前記コンタクタが、さらに、
前記第1の膜マット及び第2の膜マットを前記穿孔された中央管に取り付ける第3の管シート及び第4の管シートを含み、前記第2の中空繊維膜の前記第2端部が前記第1の管シートと前記第3の管シートの間にあり、前記第1の中空繊維膜の前記第2端部が前記第2の管シートと前記第4の管シートとの間にあり、
前記第1の中空繊維膜が、前記第1の管シートと前記第3の管シートとの間にて非多孔質であり、且つ、前記第2の中空繊維膜が、前記第2の管シートと前記第4の管シートとの間にて非多孔質であり、前記コンタクタが、さらに、
前記第1のマット及び第2のマットを取り囲み、且つ、前記管シートの全てに対してシールされているシェルを含み、
前記シェルが、前記第1の管シートと前記第3の管シートとの間に、前記第2の中空繊維膜の前記第2端部に連通する第1のポートを有し、
前記シェルが、前記第2の管シートと前記第4の管シートとの間に、前記第1の中空繊維膜の前記第2端部に連通する第2のポートを有し、前記コンタクタがさらに、
前記穿孔された中央管に連通する第3のポート、及び、前記第1の中空繊維膜の前記第1端部に連通する第4のポートを有する第1の端部キャップと、
前記穿孔された中央管に連通する第5のポート、及び、前記第2の中空繊維膜の前記第1端部に連通する第6のポートを有する第2の端部キャップとを含む、液膜保有コンタクタ。
【請求項2】
前記穿孔された中央管が、前記第3の管シートと前記第4の管シートとの間に複数の穿孔を有する請求項1に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項3】
さらにバフルを含む、請求項1に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項4】
前記第1の管シート及び前記第1の端部キャップが第1のヘッドスペースを画成している請求項1に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項5】
前記第1のヘッドスペースが、前記第4ポートが前記第1の中空繊維膜の前記第1端部に連通することを可能にするように適合されている、請求項4に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項6】
前記第2の管シートと前記第2の端部キャップとが第2のヘッドスペースを画成している請求項1に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項7】
前記第2のヘッドスペースが、前記第6ポートが前記第2の中空繊維膜の前記第1端部に連通することを可能にするように適合されている、請求項6に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項8】
前記第1の管シートと前記第3の管シートとが第3のヘッドスペースを画成する請求項1に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項9】
前記第3のヘッドスペースが、前記第1ポートが前記第1の中空繊維膜の前記第2端部に連通することを可能にするように適合されている、請求項8に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項10】
前記第2の管シートと前記第4の管シートとが第4のヘッドスペースを画成する請求項1に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項11】
前記第4のヘッドスペースが、前記第2ポートが前記第2の中空繊維膜の前記第2端部に連通することを可能にするように適合されている、請求項10に記載の液膜保有コンタクタ。
【請求項12】
液膜保有コンタクタを製造するための方法であって、
穿孔された中央管を準備するステップと;
閉鎖されている第1の端部及び開放されている第2の端部を有する、第1の管腔を有する複数の第1の中空繊維膜を含む第1の膜マットを準備するステップと;
前記第1の中空繊維膜を、少なくとも第1の管シートと第3の管シートとの間の距離にわたって非多孔質にするステップと、
閉鎖されている第1の端部及び開放されている第2の端部を有する、第2の管腔を有する複数の第2の中空繊維膜を含む第2の膜マットを準備するステップと;
前記第2の中空繊維膜を、少なくとも第2の管シートと第4の管シートとの間の距離にわたって非多孔質にするステップと;
前記中央管の周囲に、前記第1の膜マット及び前記第2の膜マットを、交互の層として、前記第1の中空繊維膜の前記第1端部が前記第2の中空繊維膜の前記第2端部を第1の距離だけ超えて延在し、且つ、前記第2の中空繊維膜の前記第1端部が前記第1の中空繊維膜の前記第2端部を第2の距離だけ超えて延在するように巻き付けるステップと;
前記第1の膜マット及び前記第2の膜マットに前記中央管へのポッティングを施し、それにより、前記第3の管シート及び前記第4の管シートを形成するステップと;
これによりカートリッジを形成するステップと;
第1のポート及び第2のポートを有するシェルを設けるステップと;
前記カートリッジを前記シェル内に配置するステップと;
前記シェルを第1の端部にて前記第3の管シートに対して回転させるステップと;
ポッティング材料を前記第1ポートに挿入し、前記ポッティング材料が重力により前記シェルの端部に押し出されるステップと;
前記ポッティング材料が硬化されるまで前記シェルを安定化させ、それにより、第1の管シートを前記シェルの端部に形成するステップと;
前記第1の中空繊維膜の前記第1端部を前記第1の管シートにて開放するステップと;
境界流体及びポッティング材料を、前記第1ポートを通して前記第1の管シートの上部に挿入し、重力により前記境界流体が前記ポッティング材料より下に押し出されるステップと;
前記ポッティング材料が硬化されるまで前記シェルを安定化させ、それにより、前記第3の管シートを前記シェルにシールするステップと;
前記境界材料を排出させるステップと;
前記シェルを第2の端部にて前記第4の管シートに対して回転させるステップと;
ポッティング材料を前記第2ポートに挿入し、前記ポッティング材料が重力により前記シェルの端部に押し出されるステップと;
前記ポッティング材料が硬化されるまで前記シェルを安定化させ、それにより、第2の管シートを前記シェルの端部に形成するステップと;
前記第2の中空繊維膜の前記第1端部を前記第2の管シートにて開放するステップと;
境界流体及びポッティング材料を、前記第2ポートを通して前記第2の管シートの上部に挿入し、前記境界流体が重力により前記ポッティング材料より下に押し出されるステップと;
前記ポッティング材料が硬化されるまで前記シェルを安定化させ、それにより、前記第4の管シートを前記シェルにシールするステップと;
前記境界材料を排出するステップと;
第1の端部キャップ及び第2の端部キャップを設けるステップと;
前記端部キャップを前記シェルに取り付けるステップとを含む方法。
【請求項13】
前記第1の膜マット及び前記第2の膜マットのセクションを非多孔質にする前記ステップが、前記膜マットの外面を溶融することを含む、請求項12に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項14】
前記第1の中空繊維膜及び第2の中空繊維膜の前記第1端部を開放する前記ステップが、前記端部を機械加工して開放することを含む、請求項12に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項15】
境界流体及びポッティング材料を、前記第1ポートを通して前記第1の管シートの上部に挿入する前記ステップが、第1の量の境界流体を、前記第2の中空繊維膜の前記第2端部が前記第1の管シートと前記第3の管シートとの間にあり、且つ前記第1の中空繊維膜の前記非多孔質の距離が前記第1の管シートと前記第3の管シートとの間に延在する位置に挿入するステップを含む、請求項12に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項16】
境界流体の前記第1の量が、マーキングを有する上昇管を通して決定される、請求項15に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項17】
境界流体及びポッティング材料を、前記第2ポートを通して前記第2の管シートの上部に挿入する前記ステップが、第2の量の境界流体を、前記第1の中空繊維膜の前記第2端部が前記第2の管シートと前記第4の管シートとの間にあり、且つ前記第2の中空繊維膜の前記非多孔質の距離が少なくとも前記第2の管シートと前記第4の管シートとの間に延在する位置に挿入するステップを含む、請求項12に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項18】
境界流体の前記第2の量が、マーキングを有する上昇管を通して決定される、請求項17に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項19】
前記第1の管シートと前記第3の管シートとが、前記第1のポートが前記第2の中空繊維膜の前記第2端部に連通することを可能にするように適合されている第3のヘッドスペースを画成する、請求項12に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。
【請求項20】
前記第2の管シートと前記第4の管シートとが、前記第2のポートが前記第1の中空繊維膜の前記第2端部に連通することを可能にするように適合されている第4のヘッドスペースを画成する、請求項12に記載の液膜保有コンタクタを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−269023(P2009−269023A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−92140(P2009−92140)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(598064680)セルガード エルエルシー (17)
【Fターム(参考)】