説明

液面表示装置

【課題】不透明な材料によって形成されたタンクであっても、タンクに収容された液体が光を浴びることなく、液面を確認することができる液面表示装置を提供する。
【解決手段】タンクに収容された液体の液面を表示する液面表示装置であって、タンクに収容された液体の液面を計測する液面計測手段と、タンクの外側に配設され該液面計測手段によって計測された液体の液面を表示する表示手段と、液面計測手段によって計測された計測信号に基づいて該表示手段に制御信号を出力する制御手段とを具備し、表示手段はタンクに収容された液体の液面の最上位位置から最下位位置に至る複数の位置に対応する位置にそれぞれ配設された複数の発光体を備えており、制御手段は液面計測手段によって計測された液体の液面に対応した発光体を発光せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク内に収容された液体の液面を表示する液面表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
灯油、水、牛乳、酒類等の液体は、ステンレス鋼等によって形成されたタンクに収容され、ペットボトル、瓶、缶等の容器に小分けされて消費者に届けられる。このような液体を収容するタンクが透明または半透明な材料によって形成されている場合は、タンク内に収容された液体の液面を外部から確認することができ、液体の残量を肉眼で把握することができる。しかるに、液体を収容するタンクがステンレス鋼等のように不透明な材料によって形成されている場合には、液体の液面即ち残量を肉眼で確認することができない。
【0003】
不透明な材料によって形成されたタンク内に収容された液体の液面を確認する方法としては、一般にタンクの底部と連通する透明なガラス等の液面監視用チューブをタンクの側面に沿って立ち上げ、この液面監視用チューブ内の液面によりタンク内に収容された液体の液面を把握している。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−42022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、タンクの底部と連通する透明なガラス等の液面監視用チューブを用いる方法においては、タンクに収容された液体が光を浴びることになる。従って、ワイン等の酒類のように光を浴びることによって品質が低下する液体が収容される場合には好ましくない。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、不透明な材料によって形成されたタンクであっても、タンクに収容された液体が光を浴びることなく、液面を確認することができる液面表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、タンクに収容された液体の液面を表示する液面表示装置であって、
タンクに収容された液体の液面を計測する液面計測手段と、
タンクの外側に配設され該液面計測手段によって計測された液体の液面を表示する表示手段と、
該液面計測手段によって計測された計測信号に基づいて該表示手段に制御信号を出力する制御手段と、を具備し、
該表示手段は、タンクに収容された液体の液面の最上位位置から最下位位置に至る複数の位置に対応する位置にそれぞれ配設された複数の発光体を備えており、
該制御手段は、該液面計測手段によって計測された液体の液面に対応した該発光体を発光せしめる、
ことを特徴とする液面表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によるタンクに収容された液体の液面を表示する液面表示装置は、タンクに収容された液体の液面を計測する液面計測手段と、タンクの外側に配設され液面計測手段によって計測された液体の液面を表示する表示手段と、液面計測手段によって計測された計測信号に基づいて表示手段に制御信号を出力する制御手段とを具備し、表示手段はタンクに収容された液体の液面の最上位位置から最下位位置に至る複数の位置に対応する位置にそれぞれ配設された複数の発光体を備えており、制御手段は液面計測手段によって計測された液体の液面に対応した発光体を発光せしめるので、タンク内に収容される液体の液面を肉眼によって液面を確認することができる。また、タンク内に収容される液体の液面を確認するための透明なガラス等の液面監視用チューブを用いないので、タンクを不透明な材料によって形成することにより、タンク内に収容される液体がワイン等の酒類であっても品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に従って構成された液面表示装置を備えたタンクの斜視図。
【図2】本発明に従って構成された液面表示装置を備えたタンクの断面図。
【図3】本発明に従って構成された液面表示装置を構成する制御手段のメモリに格納される制御マップを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に従って構成された液面表示装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
図1には本発明に従って構成された液面表示装置を備えたタンクの斜視図が示されており、図2には本発明に従って構成された液面表示装置を備えたタンクの断面図が示されている。
図1および図2に示すタンク2は、図示の実施形態においてはステンレス鋼等のように不透明な材料によって形成されている。このタンク2内には、例えばワイン等の酒類からなる液体3が収容されている。図示の実施形態においては、タンク2内に収容された液体3の液面を表示する液面表示装置4を備えている。液面表示装置4は、タンク2内に収容された液体3の液面3aを計測する液面計測手段としての圧力センサー5と、タンク2の外側に配設され液面計測手段としての圧力センサー5によって計測された液体の液面を表示する表示手段6と、液面計測手段としての圧力センサー5によって計測された計測信号に基づいて表示手段6に制御信号を出力する制御手段7を具備している。
【0012】
液面計測手段としての圧力センサー5は、タンク2の底面上に配設されタンク2内に収容された液体3が作用する圧力に対応した電圧信号を制御手段7へ出力する。この圧力センサー5は、タンク2内に収容された液体3の液面が低いときには作用する圧力が小さいので低い電圧値を出力し、タンク2内に収容された液体3の液面が高いときには作用する圧力が大きいので高い電圧値を出力する。ここで、圧力センサー5から出力される電圧信号と、タンク2内に収容された液体3の液面との関係について図3に示す制御マップを参照して説明する。図3において、横軸は圧力センサー5から出力される電圧値を示し、縦軸はタンク2内に収容された液体3の液面の位置を%で示している。なお、図3における縦軸の液面の位置は、タンク2内に収容される液体3の液面の最上位位置を100%とし、圧力センサー5の表面位置を最下位位置として0%としている。図3に示す制御マップおいては、タンク2内に収容される液体3の液面が100%の場合には圧力センサー5は1Vの電圧信号を出力し、タンク2内に収容される液体3の液面が50%の場合には圧力センサー5は0.5Vの電圧信号を出力するように設定されている。このようにして設定された図3に示す制御マップは、制御手段7のメモリに格納されている。
【0013】
次に、上記表示手段6について説明する。
表示手段6は、タンク2内に収容される液体3の液面の少なくとも最上位位置(100%)から最下位位置(0%)に至る長さを有する基板61と、該基板61に上記最上位位置(100%)から最下位位置(0%)に至る複数の位置に対応する位置にそれぞれ配設された複数の発光体62とからなっており、タンク2の外側面に装着されている。なお、発光体62としては、発光ダイオード(LED)や液晶を用いることができる。このように構成された表示手段6は、制御手段7によって複数の発光体62が制御される。
【0014】
制御手段7は、液面計測手段としての圧力センサー5から出力された電圧信号を入力すると、図3に示す制御マップを参照して電圧値に対応する液面位置(%)を求め、該液面位置(%)に対応する制御信号を表示手段6に出力する。例えば、圧力センサー5から出力された電圧値が0.7Vである場合には、制御手段7は図3に示す制御マップを参照してタンク2内に収容される液体3の液面が70%でることを求め、表示手段6に液面が70%と対応する発光体62を発光する制御信号を出力する。なお、図2に示す実施形態においてはタンク2内に収容される液体3の液面の最下位位置(0%)から70%までの位置と対応する発光体62が発光している状態が示されている。即ち、図2に示す実施形態においてはタンク2内に収容される液体3の残量に対応する位置の発光体62が発光されている。このように、タンク2の外側面に装着された表示手段6におけるタンク2内に収容される液体3の液面と対応する発光体62を発光することにより、タンク2内に収容される液体3の液面を肉眼によって確認することができる。また、図示の実施形態における液面表示装置は、タンク内に収容される液体の液面を確認するための透明なガラス等の液面監視用チューブを用いないので、タンクを不透明な材料によって形成することにより、タンク内に収容される液体がワイン等の酒類であっても品質を維持することができる。
【0015】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。例えば、上述した実施形態においては液面計測手段としての圧力センサー5を用いた例を示したが、面計測手段としてはフロートセンサーや超音波センサー等を用いることができる。
【符号の説明】
【0016】
2:タンク
3:液体
4:液面表示装置
5:圧力センサー
6:表示手段
61:基板
62:発光体
7:制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクに収容された液体の液面を表示する液面表示装置であって、
タンクに収容された液体の液面を計測する液面計測手段と、
タンクの外側に配設され該液面計測手段によって計測された液体の液面を表示する表示手段と、
該液面計測手段によって計測された計測信号に基づいて該表示手段に制御信号を出力する制御手段と、を具備し、
該表示手段は、タンクに収容された液体の液面の最上位位置から最下位位置に至る複数の位置に対応する位置にそれぞれ配設された複数の発光体を備えており、
該制御手段は、該液面計測手段によって計測された液体の液面に対応した該発光体を発光せしめる、
ことを特徴とする液面表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88161(P2013−88161A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226585(P2011−226585)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】