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深絞り成形用フィルム、底材、および包装体
説明

深絞り成形用フィルム、底材、および包装体

【課題】 深絞り成型性を損なうことなく、防湿性が良好で、ヒートシール層が硬く傷付きにくい深絞り成形用フィルム、底材、包装体を提供する。
【解決手段】 一方の最外層または当該最外層に隣接する層が、厚さ100〜800μmの無定形ポリエステル層であり、もう一方の最外層が、厚さ30〜200μmの環状ポリオレフィンである積層フィルムであることを特徴とする深絞り成形用フィルム、当該深絞り成形用フィルムにより形成されてなることを特徴とする深絞り包装体用底材、および当該深絞り包装体用底材を構成材料の一つとすることを特徴とする深絞り包装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主としてクッキー、柿ピー、米菓、スナック菓子等の包装に好適に使用できる深絞り成形用フィルム、深絞り包装体用底材および深絞り包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クッキー、柿ピー、米菓、スナック菓子等の包装には主にラミネートフィルムを使用したピロー包装等の袋物での包装形態が広く一般に使用されてきた。その理由は、それらの包装には防湿性が必要であり、蒸着PETを基材としたフィルム(OPP//蒸着PET//PE等)が防湿性の他に、印刷適性やピロー包装等の製袋適正が非常に良好であるからである。
【0003】
しかし、ピロー包装等の袋は開封性が悪かったり、開封後に内容物が手で取り出しにくかったりする等の問題があり、さらに防湿フィルムとしてアルミ蒸着PETを使用した場合、不透明のため中身が見えない問題もある。
【0004】
また、ハム・ベーコン等の深絞り包装にAPETを基材とした硬質フィルム(APET/EVOH/Ny/PE等)が広く使用されており、蓋材にイージーピールフイルムを使用することにより開封性良好なパッケージが知られている。このパッケージによれば、内容物を菓子類にした場合、開封後の底材がそのまま皿代わりとなり内容物がつまみやすくなる利点がある。しかしながら、APETは防湿性に劣るため、内容物の菓子類が吸湿しやすい問題と、菓子類は硬いものが多いため、振動等により底材シール層のPEが傷付きやすい問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−58839号公報
【特許文献2】特開2004−90937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、深絞り成型性を損なうことなく、防湿性が良好で、ヒートシール層が硬く傷付きにくい深絞り成形用フィルム、深絞り包装体用底材および深絞り包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、一方の最外層または当該最外層に隣接する層が、厚さ100〜800μmの無定形ポリエステル層であり、もう一方の最外層が、厚さ30〜200μmの環状ポリオレフィンである積層フィルムであることを特徴とする深絞り成形用フィルム、当該深絞り成形用フィルムにより形成されてなることを特徴とする深絞り包装体用底材、および当該深絞り包装体用底材を構成材料の一つとすることを特徴とする深絞り包装体に存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の深絞り用フィルムは上記構成を有するため、深絞り成型性を損なうことなく、防湿性が良好で、ヒートシール層が硬く傷付きにくい深絞り成形用フィルムを提供することができ、その工業的価値は高い。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のフィルムは、最外層または当該最外層に隣接する層として、厚さ100〜800μmの無定形ポリエステル層と、もう一方の最外層として、厚さ30〜200μmの環状ポリオレフィン層を有することを必須とするものである。
【0011】
本発明のフィルムの一方の最外層または当該最外層に隣接する層として、リジット性を付与する目的で無定形ポリエステル層を配する。無定形ポリエステル層の厚さは、100μm以上、より好ましくは120μm以上、さらに好ましくは150μm以上であり、800μm以下、より好ましくは700μm以下、さらに好ましくは600μm以下である。無定形ポリエステル層の厚さの下限を100μmにすることにより、包装体としての腰(リジット性)を保つことができ、上限を800μmにすることにより、良好な深絞り成型性が得られる。
【0012】
本発明のフィルムのもう一方の最外層には、防湿性を付与する目的、および内容物による耐傷付き性を付与する目的で環状ポリオレフィン層を配する。環状ポリオレフィン層の厚さは、30μm以上、より好ましくは40μm以上、さらに好ましくは50μm以上であり、200μm以下、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは150μm以下である。環状ポリオレフィン層の厚さの下限を30μmとすることにより、内容物による耐傷付き性および、防湿性を保持でき、200μmとすることにより、フィルムコストが不必要に高くなることを防止できる。
【0013】
本発明で言う環状ポリオレフィンとは、分子内に脂環式炭化水素基を有するポリマーである。環状ポリオレフィン層に使用する環状ポリオレフィンは、ガラス転移温度(以後、Tgと略記することがある)の通常60℃以上、好ましくは65℃以上、さらに好ましくは70℃以上であり、通常140℃以下、好ましくは135℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。環状ポリオレフィンのTgを60℃以上とすることにより、フィルムの保管時に気温が高い場合でもフィルムの軟化がなく、高温でのフィルムの軟化によるフィルムを紙管に巻いた状態での巻き絞まりを防止でき、また高温でのフィルムの軟化による包装体が軟化して包装体の形状が保てなくなることもない。また、環状ポリオレフィンのTgを140℃以下とすることにより、良好な深絞り成型性を付与することができ、フィルム製膜時に押出温度を高く設定する必要がないことより、共押出する他樹脂に不必要に熱を加えることがないため、熱劣化によるブツ、ゲル等を抑制することができる。
【0014】
前記環状ポリオレフィンとしては、シクロオレフィンコポリマー(COC)およびシクロオレフィンポリマー(COP)を使用することができる。ここで、シクロオレフィンコポリマー(COC)とは、ジシクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエンの誘導体とα−オレフィンとを付加重合することによって得られる環状ポリオレフィンをいう。また、シクロオレフィンポリマー(COP)とは、環状オレフィンを開環重合することに得られる環状ポリオレフィンをいう。環状オレフィン単量体の含有率を調整することによりCOCのTgを制御できるという観点からは、シクロオレフィンコポリマーを使用することが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0015】
環状ポリオレフィン層中の低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレンの含有率は、環状ポリオレフィン層を構成する成分全体の通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、通常50質量%以下、好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。この含有率を5質量%以上とすることにより、複合フィルムを適度に軟化させることができ、また、含有率を50質量%以下とすることにより、軟化による深絞り成型性の低下を抑制できる。なお、環状ポリオレフィン層を構成する成分とは、環状ポリオレフィン層を構成している樹脂、添加剤等全てのものをいう。
【0016】
本発明のフィルムの無定形ポリエステル層に隣接する最外層に光沢を向上させる目的でポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)を配することができる。
【0017】
非晶性ポリエステル樹脂層の厚さは特に限定されるものではないが、通常5μm以上、好ましくは7μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、かつ通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。厚さが5μm以上あれば、良好な光沢性および製膜性が得られ、また上限を50μmとすることにより、不必要にフィルムコストが上昇することを抑制できる。
【0018】
本発明のフィルムは、耐ピンホール性を付与する目的で、両最外層以外に少なくとも1層のポリアミド(PA)層を配設することができる。PA層で用いられるPAは、特に限定されないが、耐ピンホール性の観点からはナイロン系樹脂(Ny)を用いることが好ましい。Nyとしては、例えば、6ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロン、610ナイロン、612ナイロン、6I−6Tナイロン、MXD6ナイロン等の縮合単位の重合体またはこれら2種以上との共重合体、さらにはこれらの混合物を挙げることができる。中でも6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。
【0019】
PA層を配設する場合、PA層の厚さは通常2μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、かつ通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。PA層の厚さの下限値を2μmとすることにより、良好な耐ピンホール性が得られ、また上限値を50μmとすることにより深絞り包装機での良好なカット性が得られる。
【0020】
本発明のフィルムに酸素バリアー性を付与する目的で、EVOH層を配設することができる。EVOH層で用いられるEVOHのエチレン含有率は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から27モル%以上48モル%以下であることが好ましく、32モル%以上44モル%以下であることがさらに好ましい。また、EVOHのケン化度は90%以上、好ましくは95モル%以上のものが望ましい。EVOHのエチレン含有率およびケン化度を上記範囲に保つことにより、本発明のフィルムの共押出性、フィルムの強度を良好なものとすることができる。
【0021】
EVOH層を配設する場合、EVOH層の厚さは通常3μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは8μm以上であり、かつ通常30μm以下、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。EVOH層の厚さの下限値を3μmとすることにより十分な酸素バリアー性が得られ、また上限値を30μmとすることによりフィルムの共押出性を悪化することもなく、かつ良好なフィルム強度を保持できる。
【0022】
また、本発明のフィルムには、柔軟性を付与する目的でエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)層やポリエチレン(PE)層を配設することもできる。EVAのエチレン含有率は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から1.5〜20モル%あることが好ましく、3〜15モル%であることがさらに好ましい。
【0023】
本発明のフィルムにPE層を配設する場合、PEは特に限定はない。例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)またはそれらをブレンドしたものを使用することができる
本発明のフィルムは、最外層(無定形ポリエステル樹脂層)ともう一方の最外層(環状ポリオレフィン層)との間に少なくとも1層の接着樹脂層を配設することができる。
【0024】
接着樹脂層で使用される接着樹脂は、無定形ポリエステル樹脂層、環状ポリオレフィン層、およびそれ以外の構成層である各種の樹脂層を必要な強度で接着できれば特に限定されない。好ましくは不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂である。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。また接着樹脂として、前記不飽和カルボン酸のエステルや無水物も用いることができ、さらに誘導体としてアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム等を用いることができる。
【0025】
市販の接着樹脂としては、例えば、三井化学(株)製、商品名アドマーが挙げられ、これらを好適に使用することができる。中でもCOC層、PA層、EVOH層と無定形ポリエステル層とを接着させる場合には、特殊ポリオレフィンベースのものが有用であり、さらにEVOH層、PA層とCOC層を接着させる場合には、LLDPEタイプのものを好適に使用することができる。
【0026】
本発明のフィルムは、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、成形加工性、生産性等の諸性質を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を適宜添加できる。
【0027】
本発明のフィルムの層構成は、一方の最外層として無定形ポリエステル樹脂層またはPETG層、もう一方の最外層として環状ポリオレフィン層を配すれば、その他の層の層構成は特に制限されない。例えば、無定形ポリエステル樹脂層(A)、PA層(B)、EVOH層(C)、環状ポリオレフィン層(D)、PE層(E)、非晶性ポリエステル樹脂層(F)、および接着樹脂層(G)で表した場合、以下の層構成を形成することができる。
【0028】
(1)A/G/D
(2)F/A/G/D
(3)A/G/B/G/D
(4)F/A/G/B/G/D
(5)A/G/C/G/D
(6)F/A/G/C/G/D
(7)A/G/C/B/G/D
(8)F/A/G/C/B/G/D
(9)A/G/B/C/G/D
(10)F/A/G/B/C/G/D
(11)A/G/B/C/B/G/D
(12)F/A/G/B/C/B/G/D
(13)A/G/B/C/B/G/E/D
(14)F/A/G/B/C/B/G/E/D
上記のうち、好ましい層構成は(5)、(6)、(11)または(12)であり、さらに好ましくは(11)または(12)である。
【0029】
本発明のフィルムは、無定形ポリエステル樹脂層と、環状ポリオレフィン層と、その中間に形成される中間層(PA層、EVOH層、PE層、接着層等)と無定形ポリエステル樹脂層の外側に形成される非晶性ポリエステル樹脂層とを同時または逐次的に積層して作製することができる。すなわち、本発明のフィルムは、Tダイ法、チューブラ法など既存の方法により、ダイを備えた押出機を用いて共押出しすることによって無定形ポリエステル樹脂層と、環状ポリオレフィン層と、その中間に形成される中間層、と無定形ポリエステル樹脂層の外側に形成される非晶性ポリエステル樹脂層とを同時に積層する方法である。また、本発明のフィルムは、各層を構成する樹脂を別々にシート化した後にプレス法やロールニップ法などを用いて積層して逐次的に作製することもできる。
【0030】
本発明のフィルムは、成形することにより深絞り包装体に用いることができる。特に本発明のフィルムを深絞り包装体の底材として用いる場合、良好な深絞り包装体を得ることができる。本発明の深絞り包装体の蓋材は、本発明の複合フィルムとヒートシール可能で防湿性が得られれば特に制限はない。例えば、延伸ポリプロピレン樹脂層と透明蒸着ポリエチレンテレフタレート系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層をラミネートした蓋材や延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂と共押出フィルム(EVOH,Nyを含み,LLDPEをシール層としたフィルム)をラミネートした蓋材を挙げることができる。
【0031】
本発明のフィルムを深絞り包装体用底材として用いる場合、例えば、本発明のフィルムを深絞り成形型で所望の形状および大きさに成形した後(フィルム供給工程およびフィルム成形工程)、その中に柿の種等の内容物を充填し(内容物充填工程)、さらにその上から蓋材フィルムでシールして(蓋材フィルム供給工程およびシール工程)、冷却し(冷却工程)、カットすることにより(切断工程)、深絞り包装体を作製することができる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
実施例1:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、実施例1とした。
PETG(10μm)/APET(250)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(5μm)/EVOH1(10μm)/接着樹脂2(5μm)/COC1(50μm)
PETG:イーストマン・ケミカル社製PETG
APET:三菱化学製ノバペックス
接着樹脂1:三井化学製アドマー
Ny1:ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチック製ノバミッド6Ny
EVOH1:クラレ製エバール38molタイプ
接着樹脂2:三井化学製アドマー
COC1:三井化学製アペル(ガラス転移点80℃)
【0034】
実施例2:
200μmのAPETシートに下記構成の共押出フィルムをドライラミネート法により接着して、実施例2とした。
APETシート(200μm)//EVOH1(10μm)/Ny2(10μm)/接着樹脂2(10μm)/COP1(40μm)
なお、「//」はドライラミネート法による接着を表す。
APETシート:三菱化学製ノバクリアー
COP1:日本ゼオン製ゼオノア(ガラス転移点100℃)
Ny2:ディーエスエムジャパンエンジニアリングプラスチック製ノバミッド66Ny比率15%の6−66共重合Ny
【0035】
実施例3:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、実施例3とした。
APET(300)/接着樹脂1(15μm)/Ny1(5μm)/EVOH1(10μm)/Ny1(5μm)/接着樹脂2(5μm)/COC3(150μm)
COC3:三井化学製アペル(ガラス転移点80℃)(70%)とLLDPE:日本ポリエチレン製ノバテックLL(30%)のブレンド。
【0036】
実施例4:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、実施例3とした。
APET(300)/接着樹脂1(15μm)/COC2(35μm)
【0037】
比較例1:
全層共押出による下記層構成のフィルムを得て、比較例1とした
PETG(10μm)/APET(250)/接着樹脂1(10μm)/Ny1(5μm)/EVOH1(10μm)/接着樹脂2(5μm)/LLDPE1(50μm)
LLDPE1:日本ポリエチレン製ノバテックLL
【0038】
比較例2:
200μmのAPETシートに下記構成の共押出フィルムをドライラミネート法により接着して、比較例2とした。
APETシート(200μm)//EVOH1(10μm)/Ny2(10μm)/接着樹脂2(15μm)/COP1(10μm)
【0039】
比較例3:
250μmのAPETシートに下記構成の共押出フィルムをドライラミネート法により接着して、比較例3とした。
APETシート(250μm)//EVOH1(10μm)/Ny2(10μm)/接着樹脂2(15μm)/PP1(100μm)
PP1:日本ポリプロ性ノバテックPP(ランダムコポリマー)
【0040】
[パックサンプルの作製]
深絞り包装機(大森機械工業社製FV6300)によって、米菓の柿の種(登録商標)の100gを窒素置換包装した。パック品の大きさは縦160mm、横120mm、絞り深さ20mmである。使用した蓋材の構成は下記のとおりである。なお、「//」はドライラミネート法による接着を表す。
OPP(30μm)//透明蒸着PET(12μm)//LLDPE(40μm)
OPP:OPU−1(トーセロ社製二軸延伸品)
透明蒸着PET:VM−PET(東セロ製蒸着PET)
LLDPE:L−6102(東洋紡績製)
【0041】
[評価方法]
<微小硬度測定方法>
島津製作所製「ダイナミック超微小硬度計DUH−W201」を使用し、23℃、50%RHの条件で、フィルムのヒートシール層に端子を10μm押し込んだ時の微小硬度が 200mN以上のものを○、200mN未満のものを×とした。
【0042】
<振とうテスト方法>
パックサンプル作成後、5分間の振とうテスト(ストローク:80mm,1分間に180サイクル)を実施し、ヒートシール層に傷が付いていないものを○,傷が付いているものを×とした。
【0043】
<透湿度測定方法>
JIS K 7129で、40℃、90%RHの条件で測定し、3.0g/m・24h以下のものを○、3.0g/m・24hを超えるものを×とした。
【0044】
<保存テスト方法>
パック品を23℃、50%RHの条件で5ヶ月保存し、内容物の柿の種(登録商標)が湿気っていないものを○、やや湿気っているものを△、湿気っているものを×とした。
【0045】
【表1】

【0046】
表1より、実施例1から4は、微小硬度が200mN以上であり振とうテストでヒートシール層に傷が付かないためパック品の透明性が保持でき、透湿度が3.0g/m・24h以下であるため保存テストで内容物が湿気ることがなかった。これに対し、比較例1および2は、透湿度が3.0g/m・24hを超えるあるため、保存テストで内容物が湿気ってしまい、比較例1および3はヒートシール層がPEおよびPPであったため、微小硬度が200mN以下であり振とうテストで傷が付き、パック品の透明性が低下し見栄えが悪くなった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のフィルムは、防湿性を有し、ヒートシール層が硬く傷付きにくいフィルムであるため、深絞り包装体用のフィルムとして、特に深絞り包装体の底材として好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の最外層または当該最外層に隣接する層が、厚さ100〜800μmの無定形ポリエステル層であり、もう一方の最外層が、厚さ30〜200μmの環状ポリオレフィンである積層フィルムであることを特徴とする深絞り成形用フィルム。
【請求項2】
無定形ポリエステル層に隣接する最外層がポリエチレンテレフタレートグリコール樹脂(PETG)層である請求項1に記載の深絞り成形用フィルム。
【請求項3】
環状ポリオレフィンのガラス転移点(Tg)が、60〜130℃である請求項1または2に記載の深絞り成形用フィルム。
【請求項4】
両最外層以外の層が少なくとも1層のポリアミド樹脂(PA)層を含む請求項1〜3のいずれかに記載の深絞り成形用フィルム。
【請求項5】
両最外層以外の層が少なくとも1層のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)層を含む請求項1〜4のいずれかに記載の深絞り成形用フィルム。
【請求項6】
環状ポリオレフィン層がポリエチレンを50%以下含有する請求項1〜5のいずれかに記載の深絞り成形用フィルム。
【請求項7】
両最外層以外の層が少なくとも1層の接着樹脂層を含む請求項1〜6のいずれかに記載の深絞り成形用フィルム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の深絞り成形用フィルムにより形成されてなることを特徴とする深絞り包装体用底材。
【請求項9】
請求項8に記載の深絞り包装体用底材を構成材料の一つとすることを特徴とする深絞り包装体。

【公開番号】特開2013−103391(P2013−103391A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248119(P2011−248119)
【出願日】平成23年11月12日(2011.11.12)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】