混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックを作動する方法および装置
【課題】燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を変えることにより、固体電解質燃料電池スタックの効率を向上させる方法および装置を提供する。
【解決手段】混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた中間温度固体電解質燃料電池スタック10を作動する方法において、制御される作動条件は、燃料電池スタックの温度および燃料電池スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方であって、前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックの温度が下がり、前記固体電解質燃料電池の電力出力が上がると前記燃料電池スタックの温度が上昇し、前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が増加し、前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が上がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が低下する。
【解決手段】混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた中間温度固体電解質燃料電池スタック10を作動する方法において、制御される作動条件は、燃料電池スタックの温度および燃料電池スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方であって、前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックの温度が下がり、前記固体電解質燃料電池の電力出力が上がると前記燃料電池スタックの温度が上昇し、前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が増加し、前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が上がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が低下する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質燃料電池スタックの効率を向上させるべく、特に燃料電池の一つ以上の作動条件を変えることにより固体電解質燃料電池スタックを作動する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解質燃料電池(SOFCs)は、より以前の電気生成技術よりも更に効率的かつ環境的に妥当な方法で水素もしくは化石燃料から電気を生成する将来性のある手段である。しかし、従来の固体電解質燃料電池は非常に高い温度(900゜Cより高温)で作動し、より最近の新しい技術でもこの温度を700〜800゜Cに下げることができただけである。この作動における高温のため、そのような燃料電池スタックおよび関連したシステム構成要素の構築に用いられる材料に顕著な問題が生じる。こうした温度での長期にわたる作動に耐えられる材料は、高価であるか、脆いか、あるいはその両方である可能性が高い。フェライトステンレス鋼などのより廉価な材料を高い作動温度で用いようとすると、こうした高い作動温度で金属が酸化したり長期間のうちに揮発性のクロム種が移動することによるスタック性能の低下という問題が生じる。
【0003】
よって、マス市場アプリケーション向けの商業的に魅力のある固体電解質燃料電池スタックを製作すべく、スタックの作動温度を下げ、これにより要求される材料のコストを下げようとする強い動機が存在する。650゜Cより低い温度においてフェライトステンレス鋼などの廉価な構築材料は充分な安定性を示し、よって顕著なスタック性能低下のない長期間にわたる作動が可能となる。
【0004】
従来の固体電解質燃料電池は、イットリウムをドープした酸化ジルコニウム(YSZ)電解質を用いる。これは、高温において酸化物イオンを伝導するが電子は伝導しない材料である。よって、YSZは、燃料電池電解質としての使用に適している。YSZは残念なことに特に良好な酸化物イオン伝導体ではなく、そのイオン抵抗は約650゜C未満では実用化に適さないほど高くなり、結果として燃料電池性能が非常に低くなる。この温度より低い温度(上述のように非常に好ましい)で作動させるためには、違う電解質材料が必要である。
【0005】
電子を伝導しないYSZと異なり、650゜C未満で高いイオン伝導性を有する混合されたイオン/電子伝導性セラミック電解質材料が数多く存在する。これらの低温で作動可能な混合されたイオン/電子伝導性電解質材料のうち、性能、取り扱い時の安定性および安全性の点で最も将来性があり且つ広範に使用されている材料は、ガドリニウム以外の元素をドープしたセリウム酸化物など他の材料も存在するにせよ、ガドリニウムをドープした酸化セリウム(CGO)である。CGOは、500゜C未満にいたるまで良好なイオン伝導性を示す。CGOは残念なことにYSZほど安定しておらず、(燃料電池の陽極側で通常見出されるような)該温度での還元性雰囲気においてはCe4+イオンがCe3+イオンに還元される可能性がある。この結果、電解質が導電性を帯び、燃料電池内部に短絡電流が流れてしまう。この短絡は外的にはオープン回路における電池の端子電圧の低下として観察され、電池内のエネルギーを電気に変換する際の効率の低下につながる。
【0006】
この内部の短絡による効率低下が大きすぎて実用的な装置に適さないと考える人が多いため、CGOの上記の特徴はこれらの人々をしてその電解質材料としての使用を拒絶せしめる結果となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の問題の少なくともいくつかを軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックを作動する方法が提供され、該方法が、固体電解質燃料電池スタックの要求された電力出力を判定すること、該判定された電力出力に応じて固体電解質燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を制御すること、を含む。
【0009】
上記変更される固体電解質燃料電池スタックの作動条件は、該燃料電池スタックの温度および該燃料電池スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方であることが好ましい。
【0010】
CGOの導電率は温度に強く依存しており、十分に低い温度では漏電流を妥当なレベルまで減少可能である。CGO電解質材料の作動温度が下がるにつれ、短絡効果の規模も小さくなる。作動温度が500゜Cまで下がると短絡効果は無視できるほどに減少する。よって、燃料電池作動温度が650゜C未満、より好ましくは600゜C未満であるとき、CGOは好適な電解質材料である。外的な負荷が高く、電解質を介した酸化物イオンの流入によりCe3+イオンがCe4+イオンに再び酸化されて導電性が低下する場合は特にそうである。
【0011】
セリウムを含む電解質を用いた燃料電池スタックの効率は、短絡電流が外部の回路電流に対して小さくなるにつれ、その定格電力の約50%あるいはそれ以上で急速に上昇する。
【0012】
例えば、全出力の電力作動に近い状態かつ600゜C未満の温度におけるCGO系燃料電池の効率は、700゜Cを超える温度でのYSZ系燃料電池の効率に比肩し、CGOの使用から生じる問題も特にない。
【0013】
本発明の第2の特徴によれば、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックのための制御システムが提供され、該制御システムが、該スタックの要求された電力出力を判定する手段と、要求された電力出力に応じてスタックの少なくとも一つの作動条件を制御するコントローラと、を含む。
【0014】
前記コントローラは、該スタックの温度および該スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方を制御するように構成されてよい。
本発明の上記第2の特徴によれば、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた燃料電池スタックに制御システムを設けてよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、500゜C〜600゜Cの各温度範囲で電力密度に対して描画された、CGO系電解質を用いた燃料電池のエネルギー変換効率を示す。
【図2】図2は、燃料の各希釈範囲において電力密度に対して描画された、CGO系電解質を用いた燃料電池のエネルギー変換効率を示す。
【図3】図3は、要求された電力出力に応じて燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を制御する制御システムを備えた燃料電池スタックを示す略図である。
【図4】図4は、LPG燃料で作動している固体電解質燃料電池システムを示す略図である。
【図5】図5は、図4に示すシステムのシミュレーションにおけるスタック(DC)およびシステム(AC)電力出力を示す。
【図6】図6は、上記シミュレーションにおけるスタック温度を示す。
【図7】図7は、上記シミュレーションにおける化学量論的な空気比を示す。
【図8】図8は、上記シミュレーションにおける結果としてのスタック効率およびシステム効率を示す。
【図9】図9は、上記シミュレーションにおけるスタック内部のイオン電流および外部電流を示す。
【図10】図10は、一つの燃料電池の予想電圧を示す。
【図11】図11は、別のシミュレーションの改質器におけるスチーム/炭素比を示す。
【図12】図12は、上記別のシミュレーションにおけるスタック効率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を添付の図面を参照しつつ例によって以下説明する。
以下、部分負荷条件下での短絡電流を最小化し、よってその全ての作動範囲にわたり燃料電池の効率を最大化するための二つの方法について説明する。
方法1
図1は、通常の最大特別電力出力が0.2Wcm−2のCGO系燃料電池のコンピューターシミュレーションの結果を示す。エネルギー変換効率が、500゜C〜600゜Cの各作動温度範囲において電力密度に対して描画されている。エネルギー変換効率は、燃料変換率100%と仮定したときの消費された水素燃料の化学的エネルギーで電力出力を除した商として定義される。現実には100%の燃料変換率は不可能なので、上記の値はこの電池の理論的最大効率であって実際の効率ではない。しかし、実際の傾向も同様のパターンに従うと考えられる。
【0017】
図1から、どの任意の電力密度においてもエネルギー変換の最大効率は温度に依存すること、および電力密度が高いほど、最大効率をもたらす温度が高くなることが分かる。この現象が起こる理由は以下のとおりである。作動時に低温だと、漏電流密度の絶対マグニチュード、ならびに漏電流が無視できるほどになる外部回路の電流密度の両方が減少する。これは、外部電流の密度が低い場合は低い作動温度において比較的高いエネルギー変換効率を達成できることを意味している。しかし、低い作動温度は、さまざまな電池抵抗(特に陰極の過電圧)も増大させる。よって、どの任意の電流密度においても内部電池抵抗の結果としての電圧損失が相対的に高くなり、より高密度の電流においてエネルギー変換効率が相対的に低くなる。こうした高い電流密度において、漏電子流は高い作動温度でも無視できる程度であり電池抵抗は相対的に低い。これは、内部電池抵抗における電圧損失を相対的に低くし、よって、電池の端子電圧が相対的に高くなり、従ってエネルギー変換効率が相対的に高くなる。
【0018】
ゆえに、こうした特徴を有するスタックのエネルギー変換効率を最適化するための一つの明確な方法は、要求された電力出力に応じてスタック温度を500〜600゜Cあるいは650゜Cまでの範囲で変更可能にすることである。スタックからの電力出力が相対的に高くなれば熱出力も相対的に高くなり、スタック温度はスタックを不十分に冷却すれば電力出力の増加と共に容易に上昇させることができ、逆(スタック温度の低下)もまた同じなので、上記の温度変更は比較的容易に達成可能である。
【0019】
しかし、電力需要が急速に増大した場合、スタックはその需要を満たすのに十分なほど高温でない可能性がある。そのスタックをどのくらい急速に加熱できるかに応じて、必要であれば、ある種の形態のエネルギー貯蔵を用いて一時的にこの需要をカバーすることも可能であろう。
【0020】
上記の方法の代替もしくは上記の方法への追加として、スタック効率を上昇させる第2の方法を以下説明する。
方法2
図2は、通常の最大電力密度が0.4Wcm−2のCGO系電池の別のコンピューターシミュレーションの結果を示す。この場合、温度は570゜Cで一定に保たれ、水素燃料をスチームで希釈する希釈率が変えられた。
【0021】
燃料を希釈するスチームの比率を増加させることにより、スタック温度を下げるのと同様の効果が得られることが分かる。これは主に、水素燃料に追加するスチームの比率を上げるほど燃料の還元性が低下するからである。このことは、電解質のCe4+イオンがCe3+イオンに還元される傾向を軽減する効果を有し、よって、電解質の導電性を減少させる。しかし、燃料を希釈すると陽極の抵抗が増加すると共に電池のオープン回路電圧が低下し、よって、達成可能な最大の電力出力が減少する。
【0022】
部分負荷でのスタック効率を最適化する別の可能な方法は、負荷が減少するにつれて燃料を希釈するスチームの比率を増加させることである。この方法は、燃料が二酸化炭素、窒素、もしくは窒素および/または二酸化炭素およびスチームの混合物で希釈される場合、あるいは燃料ガスが一酸化炭素、もしくは水素と一酸化炭素の混合物である場合も同様に適用可能である。
【0023】
この燃料の希釈を達成する一つの方法は、導入される燃料ガスを、スタックの陽極側から排出されたさまざまな比率の再利用された排ガスと混合することである。
しかし、例えばスチーム、窒素および/または二酸化炭素を別のソースから供給することにより陽極の燃料ガスを希釈する任意の方法も本発明の範囲内である。
【0024】
図3は、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いると共に、燃料電池スタックの温度および/またはスタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方を制御するための制御システムを備えた固体電解質燃料電池スタックを示す略図である。
【0025】
燃料電池スタック10は、水素を含む燃料ガスが通される陽極室11と、空気が通される陰極室12とを含む。燃料電池スタックは、機能的な燃料電池スタックを達成すべく、陽極、電解質および陰極が層状に配置された単一の構造体もしくは複数の構造体で構成される。スタックは、水素またはメタンなどの炭化水素燃料が通される燃料導入口30と、陽極室排ガスがスタックから排出される排出管70を含む。これらの排ガスは、一般にスチームおよび未反応水素の混合物である。元々の燃料が炭化水素である場合、排ガスは炭素酸化物も含む。導入される燃料に排ガスを可変コンプレッサー50を介して混合可能な再利用導管40が設けられる。このコンプレッサーは、電気駆動のブロワでも、ある種の形態のイジェクタあるいはジェットポンプでもよい。
【0026】
あるいは、導入された燃料および再利用された排ガスの混合物を、炭化水素燃料をスチームとの反応により水素と炭素酸化物の混合物に変換する改質装置ユニット31に供給してもよい。
【0027】
スタックには、また、予熱された空気を酸化剤および冷却剤の両方としてスタックに供給する空気導入管20が設けられる。予熱は、燃料電池スタックからの余熱の利用、スタック排ガス排出管からの熱の回収、誘導加熱や燃焼などの別の熱源の利用、あるいは別の外部プロセスからの熱の回収を含む手段によって行ってよい。また、陰極室には、その排ガスをスタックから除去できるように排出管71が設けられる。
【0028】
例えばコンピューターの一部すなわちプリント回路基盤であってよいマイクロプロセッサー60が設けられる。マイクロプロセッサーは、スタック温度13、スタック電圧14およびスタック電流15からの入力を受け取る。マイクロプロセッサーは、スタック温度を制御ライン21を介して、また、再利用された排ガスに対する新しい燃料の比を制御ライン51(制御ライン51は可変コンプレッサー50を制御する)を介して制御するように構成される。あるいは、導入される燃料の希釈率を、追加されるスチーム、二酸化炭素あるいは別のソースからの不活性ガスの量を制御することによって制御してもよい。
【0029】
ライン21を介したスタック温度の制御は、多くの方法あるいはそれらの方法の組み合わせによって行ってよく、例えば下記の例を含むが、これらの例に限定されない。
1)スタックに供給される空気量を変える
2)スタックに供給される空気の温度を変える
3)スタックに導入される未改質の炭化水素燃料の濃度を、内的な改質が起こると仮定して変化させる
4)スタックに導入される燃料の温度を変える
【0030】
マイクロプロセッサーは、スタック電圧14に電流信号15を乗することにより、スタックの電力出力の入力を受け取る。マイクロプロセッサーは、任意の電力出力に対する最適なスタック温度および/または燃料希釈率を含むルックアップテーブルもしくはこれに類するものを有する。マイクロプロセッサーは、任意の電力出力に対するこの最適条件の達成を試みるべく、制御用可変装置21,51を操作する。
【0031】
図4は、液体石油ガス(LPG)燃料で作動している固体電解質燃料電池システム全体の略図である。このシステムは、方法1で説明した中間温度固体電解質燃料電池(IT−SOFC)スタックを制御する方法を実際にどのように実施できるかを示す。このシステムは例として示されているだけであり、同等の結果を達成する他の多くの構成を採用することも可能である。
【0032】
LPG燃料は、ある種の形態のマスフロー制御および脱硫システム10を介して供給される。燃料は、パイプ62からのスチームと、ミキサー21で燃料中の全ての炭素1モルに対して少なくともスチーム2モルの比で混合される。その後、スチーム/LPG混合物は燃料熱交換器22において430゜C前後に予熱されてから改質器23に供給される。改質器において、混合物は排ガス流との熱交換(熱交換器50からの接続51によって略画的に示されている)を介して700゜C前後まで加熱される。この上昇した温度において、燃料中の炭化水素(少量のブタンおよびプロピレン、ならびにペンタンなどの微量構成要素を含むが主にプロパン)はスチームと反応し、水素リッチな改質混合物を形成する。この改質混合物は、一般に、体積比60〜70%の水素と、これより体積比の小さいスチーム、一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンである。この気体混合物は、それ以上処理されなくても固体電解質燃料電池スタックの燃料として好適に用いられる。
【0033】
改質混合物は、燃料熱交換器22によって、スタックに供給する上で好適な温度まで冷却されると共に、導入される反応物をこの工程で加熱する。改質混合物は、次に、燃料導入管24によって燃料電池スタック30の陽極室31に供給される。燃料ガスの一部はスタック内部で消費され、排ガスは排ガス管41によってスタックの陽極室から排出される。排ガスは、作動条件にも依るが、スタックの最も高温な部分の温度に近い温度(一般に550〜620゜C)で排出される。排ガスは主にスチームおよび二酸化炭素であり、少量の未燃焼の水素および一酸化炭素を含む。
【0034】
大気が、空気ブロワにより空気フィルター90を介してシステム内に導入される。ブロワ91は、モーターコントローラ93によって制御される可変速度モーターを有し、システム内に導入された空気のマスフローをこの手段によって変えることができる。システム内に導入されている空気のマスフローは、マスフローセンサ94によって測定される。通常、酸化剤として必要とされるよりもずっと多くの空気が供給され、残った空気はスタックから余熱を運び出すので、空気は酸化剤、また固体電解質燃料電池スタックを冷却する手段の両方として供給される。
【0035】
空気は、マスフローセンサ94から空気予熱器70に供給され、空気予熱器70でスタックに供給する上で好適な温度(450〜500゜C)まで予熱される。導入される空気は、熱い排ガス流63が冷却されることによって予熱される。予熱された空気は、次に、空気導管72によって、燃料電池スタック30の陰極室32に供給される。燃料と接触する際、空気中の酸素の一部は、燃料電池反応により消費される。酸素を若干消耗した残りの空気は、空気排ガス管42によってスタックから排出される。燃料に接触すると、空気は、作動条件にも依るが、一般に550〜620゜Cの最高スタック温度に近い温度に達する。
【0036】
空気排ガス管42および燃料排ガス管41は共にシステムアフターバーナー40に接続され、システムアフターバーナーでは、空気排ガス流と燃料排ガス流が混合されると共にスタック排ガスからの未反応の水素および一酸化炭素が従来の方法で燃焼されて発熱する。結果として発生した高温(一般に700〜900゜C)の排ガス流43は、まず熱交換器50に供給されて改質装置23に熱を供給する。熱交換器50からの冷却されたガス流52は、次にスチーム発生装置60に供給され、スチーム発生装置において、ガス流は供給ポンプ61によって供給された水を蒸発させるのに使われる。発生したスチームは、パイプ62を介して改質装置に供給される。600゜C前後まで冷却された排ガスは、次に空気予熱器70に供給され、導入された空気を予熱する。まだ250゜C前後の排ガスは最後に熱交換器80に供給され、熱交換器80は、熱と電力を組み合わせた応用例のための廃熱を回収するのに使用できる。
【0037】
スタックには、ケーブル111を介してスタックから電流を逃がす外部の電力要求110を設ける。電力要求の性質は、さまざまな異なる応用例の一つであってよい。
システムには、コントロールユニット100に基づくマイクロプロセッサーが設けられる。マイクロプロセッサーは、入力101を介してスタック電流を、入力102を介してスタック温度を測定する。マイクロプロセッサーは、また、システムに導入される空気のマスフローをマスフローセンサ94および入力104を介して測定する。コントロールユニットは、モーターコントローラ93および出力103によって空気ブロワ91を制御する。このようにして、コントローラはスタックへの空気の流れを制御できる。コントローラユニット100は、また、出力105によって水供給ポンプ61も制御する。このようにして、改質装置内の燃料に対するスチーム比も変えることができる。
【0038】
図4に示されたシステムの性能をコンピューターでシミュレーションした。シミュレーションされたシステムは電力出力1kWeのスタックに基づいた、交流電力を供給するシステムである。このシステムの交流電力出力は、空気ブロワなど該システムのさまざまな部分が電力を消費するため、スタック電力出力よりも常に小さい。
【0039】
このシミュレーションにおいては、システムを交流電力の全出力(800W)で10分間(600秒間)作動する。その後、電力を半分の交流電力(400W)に減少させ、次に、空気流を一時的に増加させてスタック内部の冷却率を増加させることによりスタック温度を25゜C下げる。部分負荷条件でスタック温度を下げることの明らかに有利な効果が観察される。
【0040】
図5は、上記のシミュレーションにおけるスタック(DC)電力出力およびシステム(AC)電力出力を示し、電力を800Weから400Weに減少させた例である。図6は上記のシミュレーションにおけるスタック温度を示し、図7は化学量論的な空気比を示す。この空気比は、燃料電池反応に十分な酸素を供給するための理論的な空気必要量に対する実際の空気流の比である。電力の全出力時においてこの比は10前後であり、スタックの冷却に必要とされる空気が大量であることを表している。その後、スタックを冷却すべく空気流を増加させるにつれ、空気比は最大の20前後に増加する。1100秒後前後で空気流が増加しているのは、スタック温度が新しい目標値に近づくのに伴い、スタック温度コントローラをより敏感にすべくリセットした結果である。
【0041】
図8は、結果としてのスタック効率およびシステム効率を示す。スタック温度が590゜C前後に維持されていると、負荷が減少するにつれ効率が顕著に低下する。これは、電流密度が減少するにつれ電解質における電子伝導性が増加する結果である。しかし、スタック温度が低下するにつれ、効率は全負荷効率と比肩し得る程度まで回復する。実際、相対的に高い電池電圧の結果、スタック効率は全負荷効率よりも良好である。しかし、システム効率は、制御システムを稼動するのに必要な電力などシステムが供給することが最初から決まっている電力要求の結果、全負荷効率よりも若干悪くなる。
【0042】
図9は、スタック内部のイオン電流および外部電流を示す。外部電流とは外部回路を流れる電流であり、イオン電流とは外部電流と電子的な漏電流の和である。外部電流が低下すると、電子的な漏れの規模を表すこれら二つのライン間のギャップが大きくなることが分かる。しかし、スタック温度が部分負荷条件下で低下すると上記のギャップが小さくなることも分かる。
【0043】
最後に、図10は一つの燃料電池の予想電圧を示す。負荷が減少すると、予想どおり電池電圧が増加することが分かる。スタックが冷えるにつれ電池電圧が実際少し低下することも分かるが、この低下は、電池抵抗が増加するにつれ効率が落ちることを表している。しかし、スタック温度の低下が大きすぎなければ、漏電流を減少させる利益が抵抗の増加による不利益に勝る。
【0044】
部分負荷において燃料を希釈することのシステム効率に対する影響を証明するために第2のシミュレーションを行った(方法2)。スタックを10分間全出力で稼動させてから半分の出力に落とし、方法1と同様のシミュレーションを行った。しかし、本シミュレーションにおいてスタックは一定の温度に維持され、一方、ポンプ61からスチーム発生器への水のマスフローは二段階で増加された。これは、図11に示されるように、改質装置内のスチーム/炭素比を2.0から3.5へ増加させ、よってスタック内の燃料の希釈率を増加させる効果を有する。スタック効率への影響は、図12から明らかである。このアプローチによる利益はスタック温度の変化(方法1)による利益ほど顕著でないが、効率が多少改善されることは明らかである。
【0045】
本発明の範囲内であれば、上記の諸例に多くの変更を加えてよい。例えば、マイクロプロセッサーがスタック温度だけを制御し燃料希釈の制御は行わないようにしてもよいし、その逆でもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体電解質燃料電池スタックの効率を向上させるべく、特に燃料電池の一つ以上の作動条件を変えることにより固体電解質燃料電池スタックを作動する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体電解質燃料電池(SOFCs)は、より以前の電気生成技術よりも更に効率的かつ環境的に妥当な方法で水素もしくは化石燃料から電気を生成する将来性のある手段である。しかし、従来の固体電解質燃料電池は非常に高い温度(900゜Cより高温)で作動し、より最近の新しい技術でもこの温度を700〜800゜Cに下げることができただけである。この作動における高温のため、そのような燃料電池スタックおよび関連したシステム構成要素の構築に用いられる材料に顕著な問題が生じる。こうした温度での長期にわたる作動に耐えられる材料は、高価であるか、脆いか、あるいはその両方である可能性が高い。フェライトステンレス鋼などのより廉価な材料を高い作動温度で用いようとすると、こうした高い作動温度で金属が酸化したり長期間のうちに揮発性のクロム種が移動することによるスタック性能の低下という問題が生じる。
【0003】
よって、マス市場アプリケーション向けの商業的に魅力のある固体電解質燃料電池スタックを製作すべく、スタックの作動温度を下げ、これにより要求される材料のコストを下げようとする強い動機が存在する。650゜Cより低い温度においてフェライトステンレス鋼などの廉価な構築材料は充分な安定性を示し、よって顕著なスタック性能低下のない長期間にわたる作動が可能となる。
【0004】
従来の固体電解質燃料電池は、イットリウムをドープした酸化ジルコニウム(YSZ)電解質を用いる。これは、高温において酸化物イオンを伝導するが電子は伝導しない材料である。よって、YSZは、燃料電池電解質としての使用に適している。YSZは残念なことに特に良好な酸化物イオン伝導体ではなく、そのイオン抵抗は約650゜C未満では実用化に適さないほど高くなり、結果として燃料電池性能が非常に低くなる。この温度より低い温度(上述のように非常に好ましい)で作動させるためには、違う電解質材料が必要である。
【0005】
電子を伝導しないYSZと異なり、650゜C未満で高いイオン伝導性を有する混合されたイオン/電子伝導性セラミック電解質材料が数多く存在する。これらの低温で作動可能な混合されたイオン/電子伝導性電解質材料のうち、性能、取り扱い時の安定性および安全性の点で最も将来性があり且つ広範に使用されている材料は、ガドリニウム以外の元素をドープしたセリウム酸化物など他の材料も存在するにせよ、ガドリニウムをドープした酸化セリウム(CGO)である。CGOは、500゜C未満にいたるまで良好なイオン伝導性を示す。CGOは残念なことにYSZほど安定しておらず、(燃料電池の陽極側で通常見出されるような)該温度での還元性雰囲気においてはCe4+イオンがCe3+イオンに還元される可能性がある。この結果、電解質が導電性を帯び、燃料電池内部に短絡電流が流れてしまう。この短絡は外的にはオープン回路における電池の端子電圧の低下として観察され、電池内のエネルギーを電気に変換する際の効率の低下につながる。
【0006】
この内部の短絡による効率低下が大きすぎて実用的な装置に適さないと考える人が多いため、CGOの上記の特徴はこれらの人々をしてその電解質材料としての使用を拒絶せしめる結果となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の問題の少なくともいくつかを軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックを作動する方法が提供され、該方法が、固体電解質燃料電池スタックの要求された電力出力を判定すること、該判定された電力出力に応じて固体電解質燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を制御すること、を含む。
【0009】
上記変更される固体電解質燃料電池スタックの作動条件は、該燃料電池スタックの温度および該燃料電池スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方であることが好ましい。
【0010】
CGOの導電率は温度に強く依存しており、十分に低い温度では漏電流を妥当なレベルまで減少可能である。CGO電解質材料の作動温度が下がるにつれ、短絡効果の規模も小さくなる。作動温度が500゜Cまで下がると短絡効果は無視できるほどに減少する。よって、燃料電池作動温度が650゜C未満、より好ましくは600゜C未満であるとき、CGOは好適な電解質材料である。外的な負荷が高く、電解質を介した酸化物イオンの流入によりCe3+イオンがCe4+イオンに再び酸化されて導電性が低下する場合は特にそうである。
【0011】
セリウムを含む電解質を用いた燃料電池スタックの効率は、短絡電流が外部の回路電流に対して小さくなるにつれ、その定格電力の約50%あるいはそれ以上で急速に上昇する。
【0012】
例えば、全出力の電力作動に近い状態かつ600゜C未満の温度におけるCGO系燃料電池の効率は、700゜Cを超える温度でのYSZ系燃料電池の効率に比肩し、CGOの使用から生じる問題も特にない。
【0013】
本発明の第2の特徴によれば、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックのための制御システムが提供され、該制御システムが、該スタックの要求された電力出力を判定する手段と、要求された電力出力に応じてスタックの少なくとも一つの作動条件を制御するコントローラと、を含む。
【0014】
前記コントローラは、該スタックの温度および該スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方を制御するように構成されてよい。
本発明の上記第2の特徴によれば、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた燃料電池スタックに制御システムを設けてよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、500゜C〜600゜Cの各温度範囲で電力密度に対して描画された、CGO系電解質を用いた燃料電池のエネルギー変換効率を示す。
【図2】図2は、燃料の各希釈範囲において電力密度に対して描画された、CGO系電解質を用いた燃料電池のエネルギー変換効率を示す。
【図3】図3は、要求された電力出力に応じて燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を制御する制御システムを備えた燃料電池スタックを示す略図である。
【図4】図4は、LPG燃料で作動している固体電解質燃料電池システムを示す略図である。
【図5】図5は、図4に示すシステムのシミュレーションにおけるスタック(DC)およびシステム(AC)電力出力を示す。
【図6】図6は、上記シミュレーションにおけるスタック温度を示す。
【図7】図7は、上記シミュレーションにおける化学量論的な空気比を示す。
【図8】図8は、上記シミュレーションにおける結果としてのスタック効率およびシステム効率を示す。
【図9】図9は、上記シミュレーションにおけるスタック内部のイオン電流および外部電流を示す。
【図10】図10は、一つの燃料電池の予想電圧を示す。
【図11】図11は、別のシミュレーションの改質器におけるスチーム/炭素比を示す。
【図12】図12は、上記別のシミュレーションにおけるスタック効率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を添付の図面を参照しつつ例によって以下説明する。
以下、部分負荷条件下での短絡電流を最小化し、よってその全ての作動範囲にわたり燃料電池の効率を最大化するための二つの方法について説明する。
方法1
図1は、通常の最大特別電力出力が0.2Wcm−2のCGO系燃料電池のコンピューターシミュレーションの結果を示す。エネルギー変換効率が、500゜C〜600゜Cの各作動温度範囲において電力密度に対して描画されている。エネルギー変換効率は、燃料変換率100%と仮定したときの消費された水素燃料の化学的エネルギーで電力出力を除した商として定義される。現実には100%の燃料変換率は不可能なので、上記の値はこの電池の理論的最大効率であって実際の効率ではない。しかし、実際の傾向も同様のパターンに従うと考えられる。
【0017】
図1から、どの任意の電力密度においてもエネルギー変換の最大効率は温度に依存すること、および電力密度が高いほど、最大効率をもたらす温度が高くなることが分かる。この現象が起こる理由は以下のとおりである。作動時に低温だと、漏電流密度の絶対マグニチュード、ならびに漏電流が無視できるほどになる外部回路の電流密度の両方が減少する。これは、外部電流の密度が低い場合は低い作動温度において比較的高いエネルギー変換効率を達成できることを意味している。しかし、低い作動温度は、さまざまな電池抵抗(特に陰極の過電圧)も増大させる。よって、どの任意の電流密度においても内部電池抵抗の結果としての電圧損失が相対的に高くなり、より高密度の電流においてエネルギー変換効率が相対的に低くなる。こうした高い電流密度において、漏電子流は高い作動温度でも無視できる程度であり電池抵抗は相対的に低い。これは、内部電池抵抗における電圧損失を相対的に低くし、よって、電池の端子電圧が相対的に高くなり、従ってエネルギー変換効率が相対的に高くなる。
【0018】
ゆえに、こうした特徴を有するスタックのエネルギー変換効率を最適化するための一つの明確な方法は、要求された電力出力に応じてスタック温度を500〜600゜Cあるいは650゜Cまでの範囲で変更可能にすることである。スタックからの電力出力が相対的に高くなれば熱出力も相対的に高くなり、スタック温度はスタックを不十分に冷却すれば電力出力の増加と共に容易に上昇させることができ、逆(スタック温度の低下)もまた同じなので、上記の温度変更は比較的容易に達成可能である。
【0019】
しかし、電力需要が急速に増大した場合、スタックはその需要を満たすのに十分なほど高温でない可能性がある。そのスタックをどのくらい急速に加熱できるかに応じて、必要であれば、ある種の形態のエネルギー貯蔵を用いて一時的にこの需要をカバーすることも可能であろう。
【0020】
上記の方法の代替もしくは上記の方法への追加として、スタック効率を上昇させる第2の方法を以下説明する。
方法2
図2は、通常の最大電力密度が0.4Wcm−2のCGO系電池の別のコンピューターシミュレーションの結果を示す。この場合、温度は570゜Cで一定に保たれ、水素燃料をスチームで希釈する希釈率が変えられた。
【0021】
燃料を希釈するスチームの比率を増加させることにより、スタック温度を下げるのと同様の効果が得られることが分かる。これは主に、水素燃料に追加するスチームの比率を上げるほど燃料の還元性が低下するからである。このことは、電解質のCe4+イオンがCe3+イオンに還元される傾向を軽減する効果を有し、よって、電解質の導電性を減少させる。しかし、燃料を希釈すると陽極の抵抗が増加すると共に電池のオープン回路電圧が低下し、よって、達成可能な最大の電力出力が減少する。
【0022】
部分負荷でのスタック効率を最適化する別の可能な方法は、負荷が減少するにつれて燃料を希釈するスチームの比率を増加させることである。この方法は、燃料が二酸化炭素、窒素、もしくは窒素および/または二酸化炭素およびスチームの混合物で希釈される場合、あるいは燃料ガスが一酸化炭素、もしくは水素と一酸化炭素の混合物である場合も同様に適用可能である。
【0023】
この燃料の希釈を達成する一つの方法は、導入される燃料ガスを、スタックの陽極側から排出されたさまざまな比率の再利用された排ガスと混合することである。
しかし、例えばスチーム、窒素および/または二酸化炭素を別のソースから供給することにより陽極の燃料ガスを希釈する任意の方法も本発明の範囲内である。
【0024】
図3は、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いると共に、燃料電池スタックの温度および/またはスタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方を制御するための制御システムを備えた固体電解質燃料電池スタックを示す略図である。
【0025】
燃料電池スタック10は、水素を含む燃料ガスが通される陽極室11と、空気が通される陰極室12とを含む。燃料電池スタックは、機能的な燃料電池スタックを達成すべく、陽極、電解質および陰極が層状に配置された単一の構造体もしくは複数の構造体で構成される。スタックは、水素またはメタンなどの炭化水素燃料が通される燃料導入口30と、陽極室排ガスがスタックから排出される排出管70を含む。これらの排ガスは、一般にスチームおよび未反応水素の混合物である。元々の燃料が炭化水素である場合、排ガスは炭素酸化物も含む。導入される燃料に排ガスを可変コンプレッサー50を介して混合可能な再利用導管40が設けられる。このコンプレッサーは、電気駆動のブロワでも、ある種の形態のイジェクタあるいはジェットポンプでもよい。
【0026】
あるいは、導入された燃料および再利用された排ガスの混合物を、炭化水素燃料をスチームとの反応により水素と炭素酸化物の混合物に変換する改質装置ユニット31に供給してもよい。
【0027】
スタックには、また、予熱された空気を酸化剤および冷却剤の両方としてスタックに供給する空気導入管20が設けられる。予熱は、燃料電池スタックからの余熱の利用、スタック排ガス排出管からの熱の回収、誘導加熱や燃焼などの別の熱源の利用、あるいは別の外部プロセスからの熱の回収を含む手段によって行ってよい。また、陰極室には、その排ガスをスタックから除去できるように排出管71が設けられる。
【0028】
例えばコンピューターの一部すなわちプリント回路基盤であってよいマイクロプロセッサー60が設けられる。マイクロプロセッサーは、スタック温度13、スタック電圧14およびスタック電流15からの入力を受け取る。マイクロプロセッサーは、スタック温度を制御ライン21を介して、また、再利用された排ガスに対する新しい燃料の比を制御ライン51(制御ライン51は可変コンプレッサー50を制御する)を介して制御するように構成される。あるいは、導入される燃料の希釈率を、追加されるスチーム、二酸化炭素あるいは別のソースからの不活性ガスの量を制御することによって制御してもよい。
【0029】
ライン21を介したスタック温度の制御は、多くの方法あるいはそれらの方法の組み合わせによって行ってよく、例えば下記の例を含むが、これらの例に限定されない。
1)スタックに供給される空気量を変える
2)スタックに供給される空気の温度を変える
3)スタックに導入される未改質の炭化水素燃料の濃度を、内的な改質が起こると仮定して変化させる
4)スタックに導入される燃料の温度を変える
【0030】
マイクロプロセッサーは、スタック電圧14に電流信号15を乗することにより、スタックの電力出力の入力を受け取る。マイクロプロセッサーは、任意の電力出力に対する最適なスタック温度および/または燃料希釈率を含むルックアップテーブルもしくはこれに類するものを有する。マイクロプロセッサーは、任意の電力出力に対するこの最適条件の達成を試みるべく、制御用可変装置21,51を操作する。
【0031】
図4は、液体石油ガス(LPG)燃料で作動している固体電解質燃料電池システム全体の略図である。このシステムは、方法1で説明した中間温度固体電解質燃料電池(IT−SOFC)スタックを制御する方法を実際にどのように実施できるかを示す。このシステムは例として示されているだけであり、同等の結果を達成する他の多くの構成を採用することも可能である。
【0032】
LPG燃料は、ある種の形態のマスフロー制御および脱硫システム10を介して供給される。燃料は、パイプ62からのスチームと、ミキサー21で燃料中の全ての炭素1モルに対して少なくともスチーム2モルの比で混合される。その後、スチーム/LPG混合物は燃料熱交換器22において430゜C前後に予熱されてから改質器23に供給される。改質器において、混合物は排ガス流との熱交換(熱交換器50からの接続51によって略画的に示されている)を介して700゜C前後まで加熱される。この上昇した温度において、燃料中の炭化水素(少量のブタンおよびプロピレン、ならびにペンタンなどの微量構成要素を含むが主にプロパン)はスチームと反応し、水素リッチな改質混合物を形成する。この改質混合物は、一般に、体積比60〜70%の水素と、これより体積比の小さいスチーム、一酸化炭素、二酸化炭素およびメタンである。この気体混合物は、それ以上処理されなくても固体電解質燃料電池スタックの燃料として好適に用いられる。
【0033】
改質混合物は、燃料熱交換器22によって、スタックに供給する上で好適な温度まで冷却されると共に、導入される反応物をこの工程で加熱する。改質混合物は、次に、燃料導入管24によって燃料電池スタック30の陽極室31に供給される。燃料ガスの一部はスタック内部で消費され、排ガスは排ガス管41によってスタックの陽極室から排出される。排ガスは、作動条件にも依るが、スタックの最も高温な部分の温度に近い温度(一般に550〜620゜C)で排出される。排ガスは主にスチームおよび二酸化炭素であり、少量の未燃焼の水素および一酸化炭素を含む。
【0034】
大気が、空気ブロワにより空気フィルター90を介してシステム内に導入される。ブロワ91は、モーターコントローラ93によって制御される可変速度モーターを有し、システム内に導入された空気のマスフローをこの手段によって変えることができる。システム内に導入されている空気のマスフローは、マスフローセンサ94によって測定される。通常、酸化剤として必要とされるよりもずっと多くの空気が供給され、残った空気はスタックから余熱を運び出すので、空気は酸化剤、また固体電解質燃料電池スタックを冷却する手段の両方として供給される。
【0035】
空気は、マスフローセンサ94から空気予熱器70に供給され、空気予熱器70でスタックに供給する上で好適な温度(450〜500゜C)まで予熱される。導入される空気は、熱い排ガス流63が冷却されることによって予熱される。予熱された空気は、次に、空気導管72によって、燃料電池スタック30の陰極室32に供給される。燃料と接触する際、空気中の酸素の一部は、燃料電池反応により消費される。酸素を若干消耗した残りの空気は、空気排ガス管42によってスタックから排出される。燃料に接触すると、空気は、作動条件にも依るが、一般に550〜620゜Cの最高スタック温度に近い温度に達する。
【0036】
空気排ガス管42および燃料排ガス管41は共にシステムアフターバーナー40に接続され、システムアフターバーナーでは、空気排ガス流と燃料排ガス流が混合されると共にスタック排ガスからの未反応の水素および一酸化炭素が従来の方法で燃焼されて発熱する。結果として発生した高温(一般に700〜900゜C)の排ガス流43は、まず熱交換器50に供給されて改質装置23に熱を供給する。熱交換器50からの冷却されたガス流52は、次にスチーム発生装置60に供給され、スチーム発生装置において、ガス流は供給ポンプ61によって供給された水を蒸発させるのに使われる。発生したスチームは、パイプ62を介して改質装置に供給される。600゜C前後まで冷却された排ガスは、次に空気予熱器70に供給され、導入された空気を予熱する。まだ250゜C前後の排ガスは最後に熱交換器80に供給され、熱交換器80は、熱と電力を組み合わせた応用例のための廃熱を回収するのに使用できる。
【0037】
スタックには、ケーブル111を介してスタックから電流を逃がす外部の電力要求110を設ける。電力要求の性質は、さまざまな異なる応用例の一つであってよい。
システムには、コントロールユニット100に基づくマイクロプロセッサーが設けられる。マイクロプロセッサーは、入力101を介してスタック電流を、入力102を介してスタック温度を測定する。マイクロプロセッサーは、また、システムに導入される空気のマスフローをマスフローセンサ94および入力104を介して測定する。コントロールユニットは、モーターコントローラ93および出力103によって空気ブロワ91を制御する。このようにして、コントローラはスタックへの空気の流れを制御できる。コントローラユニット100は、また、出力105によって水供給ポンプ61も制御する。このようにして、改質装置内の燃料に対するスチーム比も変えることができる。
【0038】
図4に示されたシステムの性能をコンピューターでシミュレーションした。シミュレーションされたシステムは電力出力1kWeのスタックに基づいた、交流電力を供給するシステムである。このシステムの交流電力出力は、空気ブロワなど該システムのさまざまな部分が電力を消費するため、スタック電力出力よりも常に小さい。
【0039】
このシミュレーションにおいては、システムを交流電力の全出力(800W)で10分間(600秒間)作動する。その後、電力を半分の交流電力(400W)に減少させ、次に、空気流を一時的に増加させてスタック内部の冷却率を増加させることによりスタック温度を25゜C下げる。部分負荷条件でスタック温度を下げることの明らかに有利な効果が観察される。
【0040】
図5は、上記のシミュレーションにおけるスタック(DC)電力出力およびシステム(AC)電力出力を示し、電力を800Weから400Weに減少させた例である。図6は上記のシミュレーションにおけるスタック温度を示し、図7は化学量論的な空気比を示す。この空気比は、燃料電池反応に十分な酸素を供給するための理論的な空気必要量に対する実際の空気流の比である。電力の全出力時においてこの比は10前後であり、スタックの冷却に必要とされる空気が大量であることを表している。その後、スタックを冷却すべく空気流を増加させるにつれ、空気比は最大の20前後に増加する。1100秒後前後で空気流が増加しているのは、スタック温度が新しい目標値に近づくのに伴い、スタック温度コントローラをより敏感にすべくリセットした結果である。
【0041】
図8は、結果としてのスタック効率およびシステム効率を示す。スタック温度が590゜C前後に維持されていると、負荷が減少するにつれ効率が顕著に低下する。これは、電流密度が減少するにつれ電解質における電子伝導性が増加する結果である。しかし、スタック温度が低下するにつれ、効率は全負荷効率と比肩し得る程度まで回復する。実際、相対的に高い電池電圧の結果、スタック効率は全負荷効率よりも良好である。しかし、システム効率は、制御システムを稼動するのに必要な電力などシステムが供給することが最初から決まっている電力要求の結果、全負荷効率よりも若干悪くなる。
【0042】
図9は、スタック内部のイオン電流および外部電流を示す。外部電流とは外部回路を流れる電流であり、イオン電流とは外部電流と電子的な漏電流の和である。外部電流が低下すると、電子的な漏れの規模を表すこれら二つのライン間のギャップが大きくなることが分かる。しかし、スタック温度が部分負荷条件下で低下すると上記のギャップが小さくなることも分かる。
【0043】
最後に、図10は一つの燃料電池の予想電圧を示す。負荷が減少すると、予想どおり電池電圧が増加することが分かる。スタックが冷えるにつれ電池電圧が実際少し低下することも分かるが、この低下は、電池抵抗が増加するにつれ効率が落ちることを表している。しかし、スタック温度の低下が大きすぎなければ、漏電流を減少させる利益が抵抗の増加による不利益に勝る。
【0044】
部分負荷において燃料を希釈することのシステム効率に対する影響を証明するために第2のシミュレーションを行った(方法2)。スタックを10分間全出力で稼動させてから半分の出力に落とし、方法1と同様のシミュレーションを行った。しかし、本シミュレーションにおいてスタックは一定の温度に維持され、一方、ポンプ61からスチーム発生器への水のマスフローは二段階で増加された。これは、図11に示されるように、改質装置内のスチーム/炭素比を2.0から3.5へ増加させ、よってスタック内の燃料の希釈率を増加させる効果を有する。スタック効率への影響は、図12から明らかである。このアプローチによる利益はスタック温度の変化(方法1)による利益ほど顕著でないが、効率が多少改善されることは明らかである。
【0045】
本発明の範囲内であれば、上記の諸例に多くの変更を加えてよい。例えば、マイクロプロセッサーがスタック温度だけを制御し燃料希釈の制御は行わないようにしてもよいし、その逆でもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いて固体電解質燃料電池スタックを作動する方法であって、
固体電解質燃料電池スタックの要求された電力出力を判定すること、
該判定された電力出力に応じて固体電解質燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を制御すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
制御される前記固体電解質燃料電池スタックの作動条件は、該燃料電池スタックの温度および該燃料電池スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックの温度が下がり、前記固体電解質燃料電池の電力出力が上がると前記燃料電池スタックの温度が上昇する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記燃料電池スタックの温度が650゜C以下に維持される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記燃料電池スタックの温度が600゜C以下に維持される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料電池スタックに供給される燃料が、所定量のスチーム、二酸化炭素、窒素、もしくは二酸化炭素および/または窒素およびスチームを含む混合物で希釈される、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記燃料電池スタックに供給される燃料が、前記燃料電池の陽極側からの再利用された排ガスの比率を変えて希釈される、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が増加し、前記固体電解質燃料電池の電力出力が上がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が低下する、請求項2から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ガドリニウムをドープした酸化セリウムを含む電解質を用いた固体電解質燃料電池に適用される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
添付の図面を参照して本件明細書中に実質的に記載された方法。
【請求項11】
混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックのための制御システムであって、
前記スタックの要求された電力出力を判定する手段と、
前記要求された電力出力に応じてスタックの少なくとも一つの作動条件を制御するコントローラと、を含むことを特徴とする制御システム。
【請求項12】
前記コントローラが、前記スタックの温度および前記スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方を制御するように構成された、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記要求された電力出力が減少していると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記スタックの温度を下げ、前記要求された電力出力が上がっていると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記スタックの温度を上げる、請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記判定手段が前記スタックからの電力出力をモニタする、請求項11から13のいずれかに記載の制御システム。
【請求項15】
前記コントローラが前記スタックの温度を650゜C以下に維持する、請求項11から14のいずれかに記載の制御システム。
【請求項16】
前記コントローラが前記スタックの温度を600゜C以下に維持する、請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記燃料電池スタックに供給される燃料が所定量のスチーム、二酸化炭素、窒素、もしくは二酸化炭素および/または窒素およびスチームを含む混合物で希釈されるように制御する、請求項11から16のいずれかに記載の制御システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記燃料電池スタックに供給される燃料が前記燃料電池スタックの陽極側からの再利用された排ガスの比率を変えて希釈されるように制御する、請求項11から17のいずれかに記載の制御システム。
【請求項19】
前記要求された電力出力が減少していると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記燃料電池スタックに供給される燃料の希釈率を上げ、前記要求された電力出力が上がっていると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記燃料電池スタックに供給される燃料の希釈率を下げる、請求項11から18に記載の制御システム。
【請求項20】
添付の図面を参照して本件明細書中に実質的に記載された制御システム。
【請求項21】
請求項11から20のいずれかに記載の制御システムを含む、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた燃料電池スタック。
【請求項22】
添付の図面を参照して本件明細書中に実質的に記載された燃料電池スタック。
【請求項1】
混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いて固体電解質燃料電池スタックを作動する方法であって、
固体電解質燃料電池スタックの要求された電力出力を判定すること、
該判定された電力出力に応じて固体電解質燃料電池スタックの少なくとも一つの作動条件を制御すること、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
制御される前記固体電解質燃料電池スタックの作動条件は、該燃料電池スタックの温度および該燃料電池スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックの温度が下がり、前記固体電解質燃料電池の電力出力が上がると前記燃料電池スタックの温度が上昇する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記燃料電池スタックの温度が650゜C以下に維持される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記燃料電池スタックの温度が600゜C以下に維持される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料電池スタックに供給される燃料が、所定量のスチーム、二酸化炭素、窒素、もしくは二酸化炭素および/または窒素およびスチームを含む混合物で希釈される、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記燃料電池スタックに供給される燃料が、前記燃料電池の陽極側からの再利用された排ガスの比率を変えて希釈される、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記固体電解質燃料電池スタックの電力出力が下がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が増加し、前記固体電解質燃料電池の電力出力が上がると前記燃料電池スタックへ供給される燃料の希釈率が低下する、請求項2から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ガドリニウムをドープした酸化セリウムを含む電解質を用いた固体電解質燃料電池に適用される、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
添付の図面を参照して本件明細書中に実質的に記載された方法。
【請求項11】
混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた固体電解質燃料電池スタックのための制御システムであって、
前記スタックの要求された電力出力を判定する手段と、
前記要求された電力出力に応じてスタックの少なくとも一つの作動条件を制御するコントローラと、を含むことを特徴とする制御システム。
【請求項12】
前記コントローラが、前記スタックの温度および前記スタックに供給される燃料の希釈の少なくとも一方を制御するように構成された、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記要求された電力出力が減少していると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記スタックの温度を下げ、前記要求された電力出力が上がっていると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記スタックの温度を上げる、請求項12に記載の制御システム。
【請求項14】
前記判定手段が前記スタックからの電力出力をモニタする、請求項11から13のいずれかに記載の制御システム。
【請求項15】
前記コントローラが前記スタックの温度を650゜C以下に維持する、請求項11から14のいずれかに記載の制御システム。
【請求項16】
前記コントローラが前記スタックの温度を600゜C以下に維持する、請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記燃料電池スタックに供給される燃料が所定量のスチーム、二酸化炭素、窒素、もしくは二酸化炭素および/または窒素およびスチームを含む混合物で希釈されるように制御する、請求項11から16のいずれかに記載の制御システム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記燃料電池スタックに供給される燃料が前記燃料電池スタックの陽極側からの再利用された排ガスの比率を変えて希釈されるように制御する、請求項11から17のいずれかに記載の制御システム。
【請求項19】
前記要求された電力出力が減少していると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記燃料電池スタックに供給される燃料の希釈率を上げ、前記要求された電力出力が上がっていると前記判定手段が判定した結果として前記コントローラが前記燃料電池スタックに供給される燃料の希釈率を下げる、請求項11から18に記載の制御システム。
【請求項20】
添付の図面を参照して本件明細書中に実質的に記載された制御システム。
【請求項21】
請求項11から20のいずれかに記載の制御システムを含む、混合されたイオン/電子伝導性電解質を用いた燃料電池スタック。
【請求項22】
添付の図面を参照して本件明細書中に実質的に記載された燃料電池スタック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−58494(P2013−58494A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−253305(P2012−253305)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2007−502377(P2007−502377)の分割
【原出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(508359550)セレス インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253305(P2012−253305)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2007−502377(P2007−502377)の分割
【原出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(508359550)セレス インテレクチュアル プロパティー カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]