説明

混合ガスの成分測定装置及び成分測定方法

【課題】飽和炭化水素ガスに他のガスが混入した混合ガスの成分測定装置であって、混合ガスの成分及び発熱量を簡易かつ高速に測定できると共に安価である成分測定装置等を提供する。
【解決手段】1種類以上の飽和炭化水素から成る第一のガスと種類が異なる成分既知の第二のガスが混合された混合ガスの成分測定装置が、前記混合ガスの差圧を検出する層流流量計と、前記層流流量計に直列に配置され前記混合ガスの差圧を検出する差圧式流量計と、前記混合ガスの密度を検出する密度計と、前記検出された差圧、前記検出された密度、前記各流量計における関係式、第一のガスの密度と粘度が反比例の関係にあること、及び、混合ガスの粘度と第一のガス及び第二のガスの粘度との関係式に基づいて、第一のガス及び第二のガスの混合比率を求める演算手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飽和炭化水素ガスに他のガスが混入した混合ガスの成分測定装置等に関し、特に、混合ガスの成分及び発熱量を簡易かつ高速に測定できると共に安価である成分測定装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ガスを生成して需要者へ供給する過程においては、その主成分であるメタン、エタン、プロパンなどの飽和炭化水素ガスに、窒素、空気などの他のガスが混ざる場合がある。例えば、液化ガスの貯蔵タンク内で気化したガスを用いる場合、ガス井戸からの天然ガスを用いる場合、或いは、意図的に飽和炭化水素ガスを希釈する場合などに、飽和炭化水素ガスと他のガスの混合ガスが供給されることになる。かかる場合、必要条件を満たしたガス供給を行うために、混合ガスが有する発熱量や上記他のガスの混入量を監視する必要がある。
【0003】
このようなガスの監視を行うための測定技術に関して、例えば、下記特許文献1には、飽和炭化水素ガスの熱量を流量計を用いて求めることが記載され、下記特許文献2には、都市ガス中の窒素成分を測定する技術が記載され、また、下記特許文献3には、都市ガス原料中への雑ガスの混入を監視する方法について記載されている。
【特許文献1】特開平3−39623号公報
【特許文献2】特開平6−50967号公報
【特許文献3】特開平10−38827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の装置では、飽和炭化水素ガスに他のガスが混入しそのガス濃度が変動する場合には計測不能である。また、上記特許文献2に記載の装置では、ガス成分毎に濃度測定センサを用意する必要があり、装置が高価なものとなってしまう。また、上記特許文献3に記載の装置では、熱伝導率を用いて発熱量を測定するが、応答に数秒程度かかり、また、既知の標準ガスによる校正が必要であるため、より高速かつ容易な方法が望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、飽和炭化水素ガスに他のガスが混入した混合ガスの成分測定装置であって、混合ガスの成分及び発熱量を簡易かつ高速に測定できると共に安価である成分測定装置、等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、1種類以上の飽和炭化水素から成る第一のガスと当該第一のガスと種類が異なる成分既知の第二のガスが混合された混合ガスの成分測定装置が、流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの粘度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める流量計であって、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する第一の流量計と、流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの密度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める流量計であって、前記第一の流量計から流出した前記混合ガスが当該流量計に流入するように、あるいは、当該流量計から流出した前記混合ガスが前記第一の流量計に流入するように配置され、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する第二の流量計と、前記混合ガスの密度を検出する密度計と、前記第一の流量計及び前記第二の流量計で検出された差圧、前記密度計で検出された密度、前記第一の流量計及び前記第二の流量計における前記関係式、前記第一のガスの密度と粘度が反比例の関係にあること、及び、前記混合ガスの粘度と前記第一のガス及び前記第二のガスの粘度との関係式に基づいて、前記第一のガス及び前記第二のガスの混合比率を求める演算手段とを有する、ことである。
【0007】
更に、上記の発明において、好ましい態様は、前記演算手段は、更に、前記第一のガスの密度と発熱量が比例関係にあることを用いて、前記混合ガスの発熱量を求める、ことを特徴とする。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、1種類以上の飽和炭化水素から成る第一のガスと当該第一のガスと種類が異なる成分既知の第二のガスが混合された混合ガスの成分測定方法が、流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの粘度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める第一の流量計に、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する工程と、流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの密度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める流量計であって、前記第一の流量計から流出した前記混合ガスが当該流量計に流入するように、あるいは、当該流量計から流出した前記混合ガスが前記第一の流量計に流入するように配置される第二の流量計に、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する工程と、密度計で前記混合ガスの密度を検出する工程と、前記第一の流量計及び前記第二の流量計で検出された差圧、前記密度計で検出された密度、前記第一の流量計及び前記第二の流量計における前記関係式、前記第一のガスの密度と粘度が反比例の関係にあること、及び、前記混合ガスの粘度と前記第一のガス及び前記第二のガスの粘度との関係式に基づいて、前記第一のガス及び前記第二のガスの混合比率を求める工程とを有する、ことである。
【0009】
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
【0011】
図1は、本発明を適用した混合ガスの成分測定装置の実施の形態例に係る構成図である。図1に示す成分測定装置1が本実施の形態例に係る装置であり、1種類以上の飽和炭化水素から成る炭化水素ガス(以下、炭化水素ガスと呼ぶ)に、異なる種類の他のガス(以下、混入ガスと呼ぶ)が混入した混合ガスを測定対象とし、層流流量計及び差圧式流量計でそれぞれ差圧を検出すると共に、密度計で密度を検出し、これら検出された値、上記炭化水素ガスがその成分比率によらず1種類のガスとして扱える性質、及び混合ガスの物性に係る関係式に基づいて、混入ガスの濃度と混合ガスの発熱量を求め、混合ガスの成分及び発熱量を簡易かつ高速に測定しようとするものである。
【0012】
図1に示す主配管2は、上記測定対象の混合ガスが流れる配管である。測定対象ガスは、上述の通り、メタン、エタン、プロパンなどの1種類以上の飽和炭化水素から成る炭化水素ガスと、窒素、空気、二酸化炭素などであってその成分が既知の混入ガスとの混合ガスである。
【0013】
サンプリング配管3は、上記主配管2から上記混合ガスを成分測定装置1に導く配管であり、図示していないが必要に応じてバルブ等の機器が取り付けられる。また、成分測定装置1での計測後、密度計13から排出されるガスは、適宜、大気放出等の方法で処分される。
【0014】
成分測定装置1は、図1に示すように、層流流量計11、差圧式流量計12、密度計13、演算手段14、通信手段15等で構成される。層流流量計11、差圧式流量計12、及び、密度計13の間は配管で接続され、これらの計器は直列に配置される。なお、図1に示す本実施の形態例では、層流流量計11、差圧式流量計12、及び、密度計13の順で配列しているが、これは一例であって、他の配置とすることも可能である。但し、後述する本成分測定装置1の測定原理から、層流流量計11及び差圧式流量計12は、その順番に関わらず直列に配置する必要がある。すなわち、両流量計で同じ流量Qの混合ガスを測定対象とする必要がある。また、本実施の形態例では、測定対象ガスを主配管2から分岐して測定しているが、可能であれば、主配管2に成分測定装置1を設置しても良い。
【0015】
また、演算手段14と、層流流量計11、差圧式流量計12、密度計13、及び通信手段15とは通信線で接続され、各検出値、測定結果等が授受される。
【0016】
層流流量計11は、測定対象ガスの粘性(粘度μ(Pa・s))を用いる一般的な層流流量計である。図2は、層流流量計11の構造を示す図である。図2において左側から流入した流量Q(m3/s)の測定対象ガス(混合ガス)は、n本の直径d(m)、長さl(m)の細管を通過して右側へ流出する。そして、その際、細管の前後における差圧dp(Pa)を差圧計により検出する。このとき、当該層流流量計11では、下記数1の関係式が成り立つ。
【0017】
【数1】

【0018】
通常の使用の場合には、測定対象ガスの粘度μが既知であり、差圧dpを検出することによって、上記数1の式から流量Qを求めることができる。本成分測定装置1では、検出した差圧dpの値が演算手段14に送られる。
【0019】
次に、差圧式流量計12は、測定対象ガスの密度ρ(kg/ m3)を用いる一般的な差圧式流量計である。図3は、差圧式流量計12の構造を示す図である。図3に示す流量計は一例としてベンチュリ流量計であり、左側から流入した流量Q(m3/s)の測定対象ガス(混合ガス)は、直径D(m)の通路、直径D(m)から直径d(m)へ絞られる通路を通過して右側へ流出する。そして、その際、上記直径が絞られる通路の前後における差圧dp(Pa)を差圧計により検出する。このとき、当該層流流量計12では、下記数2の関係式が成り立つ。
【0020】
【数2】

【0021】
通常の使用の場合には、測定対象ガスの密度ρが既知であり、差圧dpを検出することによって、上記数2の式から流量Qを求めることができる。本成分測定装置1では、検出した差圧dpの値が演算手段14に送られる。
【0022】
次に、密度計13は、ガス密度を測定する一般的な密度計であり、例えば、振動管式や超音波式のものを用いることができる。密度計13は、差圧式流量計12から流出した混合ガスについて密度ρを検出し、その値は演算手段14に送られる。なお、前述の通り、密度計13の配置は、図1の通りでなくてもよく、主配管2から流量計11、12とは異なるサンプリング配管で混合ガスを導いて測定するようにしても良い。
【0023】
演算手段14は、上記層流流量計11、差圧式流量計12、及び、密度計13での検出結果、及び、予め受信して保持する物性値等を用い、測定対象である混合ガスの発熱量と混入ガスの濃度を算出する部分である。当該算出に用いられる具体的な関係式、数値等については後述する。なお、本演算手段14は、ASIC等のハードウェアで構成しても良いし、プログラムとそのプログラムに従って処理を実行するCPU等で構成しても良い。
【0024】
通信手段15は、本成分測定装置1と外部との通信インターフェースであり、演算手段14での測定結果(演算結果)を所定の外部装置に送信する。また、演算手段14で必要な物性値等のデータを外部から受信して演算手段14へ送信する。なお、当該物性値等の受信は、本成分測定装置1に操作・入力手段を設け、この操作・入力手段から人手で値を入力することで行なわれても良い。
【0025】
次に、このような構成を有する本成分測定装置1における測定手順と処理内容について説明する。まず、測定対象としている前述した混合ガスの扱い方について説明する。複数種類の飽和炭化水素が混合したガスの密度と粘度については特開平3−39623号公報に記載されているようにその混合したガスの発熱量H(J/m3)に対して、密度ρは比例、粘度μは反比例の関係があり、下記(a)式及び(b)式が成り立つ。
【0026】
ρ=KH (a)式
μ=K/H (b)式
この2式から密度と粘度は下記(c)式の通り反比例の関係にあることがわかる。
【0027】
μ=K/ρ (c)式
ここで密度ρは、下記(d)式の通りこの混合ガスの平均分子量maveに比例する。
【0028】
ρ=Kave (d)式
なお、K、K、Kは、それぞれ、所定の定数である。
【0029】
以上のことから、複数の飽和炭化水素が混合したガスについては、そのガスを構成する飽和炭化水素の成分割合に関わらず、混合したガスの密度(平均分子量)が同じガスについてはその粘度も同じになることがわかる。これは飽和炭化水素が混合したガスについては、そのガスを構成する飽和炭化水素の成分割合に関わらず、平均分子量(又は密度又は粘度)が同じであれば単一のガスと見なせることを示している。
【0030】
従って、飽和炭化水素が混合したガスに異なる種類の他のガス、すなわち、上記混入ガスが混入した、測定対象である混合ガスは2種類のガスの混合ガスとして取り扱うことが可能である。よって、本成分測定装置1では、測定対象の混合ガスが、上記炭化水素ガスと上記混入ガスの2種類のガスの混合物であるとして取扱い、その混合比率(成分分率)を、それぞれ、x及びxとする。
【0031】
図4は、本成分測定装置1における測定・処理手順を例示したフローチャートである。測定時には、前述したサンプリング配管3から混合ガスが導かれ、まず、層流流量計11における測定が行われる(ステップS1)。ここでは、上記導かれた混合ガスが流量計内を通過する際の、前述した差圧dpを検出し、その値を演算手段14に送る。
【0032】
次に、層流流量計11を通過した混合ガスは、差圧式流量計12に導かれて測定が行われる(ステップS2)。ここでも、上記導かれた混合ガスが流量計内を通過する際の、前述した差圧dpを検出し、その値を演算手段14に送る。
【0033】
その後、差圧式流量計12を通過した混合ガスは密度計13に導かれ、ここで密度が検出される(ステップS3)。検出された密度は演算手段14に送られる。
【0034】
以上、測定対象ガスについての測定が終了すると、演算手段14は、上記流量計11、12、及び密度計13から送信された検出値、予め保持する各種既知値、及び混合ガスの挙動や物性に係る各種関係式に基づいて、混入ガスの濃度と混合ガスの発熱量を求めるために必要な各未知値を算出する(ステップS4)。
【0035】
以下に、当該算出に用いられる上記関係式について説明する。
【0036】
まず、前記層流流量計11で検出された差圧dpと混合ガスの流量Qと混合ガスの粘度μには、前述した数1の関係が成り立つので当該関係式が用いられる。当該式において、流量Qと粘度μは未知数であり、他の値は既知である。すなわち、差圧dpは前述の通り測定され、その他の既知値は、流量計の仕様として予め演算手段14に保持される。
【0037】
また、前記差圧式流量計12で検出された差圧dpと混合ガスの流量Qと混合ガスの密度ρには、前述した数2の関係が成り立つので当該関係式が用いられる。当該式において、流量Qは未知数であり、他の値は既知である。すなわち、差圧dpと密度ρは前述の通り測定され、その他の既知値は、流量計の仕様として予め演算手段14に保持される。
【0038】
また、混合ガスの密度と各成分ガスの密度、すなわち、炭化水素ガスの密度ρと混入ガスの密度ρ、との間には、下記数3に示す関係式が成り立ち、当該式が用いられる。
【0039】
【数3】

【0040】
ここで、炭化水素ガスの密度ρと各ガスの成分分率x及びxが未知数であり、上記測定されたρと混入ガスの密度ρは既知である。混入ガスは前述の通り、成分及びその成分割合が既知であるため、密度ρも既知であり、予め演算手段14に保持される。
【0041】
また、上述した(d)式から、炭化水素ガスについては下記数4に示す関係式が成り立ち、当該式が用いられる。
【0042】
【数4】

【0043】
ここで、炭化水素ガスの密度ρと炭化水素ガスの分子量mが未知数であり、係数Kは、既知値として予め演算手段14に保持される。
【0044】
また、混合ガスの粘度μと各成分ガスの粘度、すなわち、炭化水素ガスの粘度μと混入ガスの粘度μ、との間には、下記数5に示す関係式が成り立ち、当該式が用いられる。
【0045】
【数5】

【0046】
なお、上記数5に示す1番目の式は、Sutherlandの式であり、2番目及び3番目の式は、Wilkeの式である。ここで、混合ガス及び炭化水素ガスの粘度μ及びμ、成分分率x及びx、炭化水素ガスの密度ρ及び分子量mが未知数であり、混入ガスの粘度μ、密度ρ、分子量mが既知である。既知値は予め演算手段14に保持される。
【0047】
また、未知数である成分分率x及びxについては、下記数6の関係式が成り立ち、当該式も用いられる。
【0048】
【数6】

【0049】
また、上述した(c)式から、炭化水素ガスについては下記数7に示す関係式が成り立ち、当該式が用いられる。
【0050】
【数7】

【0051】
ここで、炭化水素ガスの密度ρと炭化水素ガスの粘度μが未知数であり、係数K及びKは、既知値として予め演算手段14に保持される。
【0052】
以上説明した7つの式(数1〜数7に記載の式)を連立させて解くことにより、7つの未知数である、流量Q、密度ρ、粘度μ及びμ、混合比率x及びx、分子量mの値を求めることが可能であり、演算手段14は、上記7つの式と上記各既知値によって、これらの値を算出する。
【0053】
なお、上記の演算で用いられる、予め演算手段14に保持される既知値のうち、本成分測定装置1の設置後に変更が必要なものについては、通信手段15を介して適宜受信して保持する。また、前述のように、操作・入力手段を設けてここから人手で値を入力することで保持してもよい。
【0054】
このようにして上記各値を算出すると、演算手段14は、混入ガスの混合比率xが算出されているのでそれを混入ガスの濃度とし、また、炭化水素ガスの密度ρが算出されるので上記(a)式を用いて炭化水素ガスの発熱量H、すなわち、混合ガスの発熱量を算出する(ステップS5)。
【0055】
当該求められた混入ガスの濃度と混合ガスの発熱量は、通信手段15から外部の所定箇所に送信され、出力される(ステップS6)。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態例に係る成分測定装置1では、1種類以上の飽和炭化水素から成る炭化水素ガスと混入ガスの混合ガスについて、層流流量計11、差圧式流量計12、及び密度計13での測定結果、炭化水素ガスがその成分比率によらず1種類のガスとして扱える性質、及び混合ガスの物性に係る各関係式に基づいて、その発熱量と混入ガスの濃度を求める。従って、ガス濃度計などのセンサを必要とせず、また、測定後の校正も要しないので、適確な混入ガスの監視を安価な装置で容易に行うことができるようになる。
【0057】
また、層流流量計11、差圧式流量計12、及び密度計13を用いることで、高速(数10Hz)な測定が可能であり、混合ガスの発熱量及び混入ガスの濃度の変化を適切に捉えることが可能になる。
【0058】
なお、上述の成分測定装置1では、通信手段15を有し、測定結果を外部へ送信していたが、成分測定装置1に表示装置などの出力手段を設け、測定した発熱量と混入ガス濃度を成分測定装置1側で出力するようにしても良い。
【0059】
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を適用した混合ガスの成分測定装置の実施の形態例に係る構成図である。
【図2】層流流量計11の構造を示す図である。
【図3】差圧式流量計12の構造を示す図である。
【図4】本成分測定装置1における測定・処理手順を例示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1 成分測定装置、 2 主配管、 3 サンプリング配管、 11 層流流量計、 12 差圧式流量計、 13 密度計、 14 演算手段、 15 通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類以上の飽和炭化水素から成る第一のガスと当該第一のガスと種類が異なる成分既知の第二のガスが混合された混合ガスの成分測定装置であって、
流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの粘度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める流量計であって、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する第一の流量計と、
流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの密度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める流量計であって、前記第一の流量計から流出した前記混合ガスが当該流量計に流入するように、あるいは、当該流量計から流出した前記混合ガスが前記第一の流量計に流入するように配置され、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する第二の流量計と、
前記混合ガスの密度を検出する密度計と、
前記第一の流量計及び前記第二の流量計で検出された差圧、前記密度計で検出された密度、前記第一の流量計及び前記第二の流量計における前記関係式、前記第一のガスの密度と粘度が反比例の関係にあること、及び、前記混合ガスの粘度と前記第一のガス及び前記第二のガスの粘度との関係式に基づいて、前記第一のガス及び前記第二のガスの混合比率を求める演算手段とを有する
ことを特徴とする混合ガスの成分測定装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記演算手段は、更に、前記第一のガスの密度と発熱量が比例関係にあることを用いて、前記混合ガスの発熱量を求める
ことを特徴とする混合ガスの成分測定装置。
【請求項3】
1種類以上の飽和炭化水素から成る第一のガスと当該第一のガスと種類が異なる成分既知の第二のガスが混合された混合ガスの成分測定方法であって、
流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの粘度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める第一の流量計に、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する工程と、
流通するガスの差圧を検出し、当該差圧と前記ガスの密度と前記ガスの流量との関係式に基づいて前記ガスの流量を求める流量計であって、前記第一の流量計から流出した前記混合ガスが当該流量計に流入するように、あるいは、当該流量計から流出した前記混合ガスが前記第一の流量計に流入するように配置される第二の流量計に、前記混合ガスを流通させて差圧を検出する工程と、
密度計で前記混合ガスの密度を検出する工程と、
前記第一の流量計及び前記第二の流量計で検出された差圧、前記密度計で検出された密度、前記第一の流量計及び前記第二の流量計における前記関係式、前記第一のガスの密度と粘度が反比例の関係にあること、及び、前記混合ガスの粘度と前記第一のガス及び前記第二のガスの粘度との関係式に基づいて、前記第一のガス及び前記第二のガスの混合比率を求める工程とを有する
ことを特徴とする混合ガスの成分測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−8165(P2010−8165A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166468(P2008−166468)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【Fターム(参考)】