説明

混合容器

【課題】蓋が容器から分離することなく余分なガスを排出できる混合容器の提供。
【解決手段】本発明の混合容器1は、環状壁口部21と、その外周面に複数の容器側螺子部23を有する容器2と、天井部31、内側スカート壁部32及び外側スカート壁部33を有する蓋3とを備え、容器側螺子部23の基端24に、前記取り付け時に前記螺子突起35を下方へ押圧して停止させる停止固定部28が設けられ、容器2が停止固定部28の上方であって環状立壁部21の外周面に係止部29を有する。混合容器1内の圧力が許容値を超えると、蓋3が上方にずれ、ガス等の内容物が排出され、かつ蓋3が係止部29に引っ掛かる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合容器に関し、特に発泡性毛髪処理剤等の発泡性組成物の混合に好適な混合容器に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の染色(染毛)又は脱色等に利用される毛髪処理剤として、発泡性のものが知られている。この種の毛髪処理剤は、保存中にガスが発生することがあり、そのため通常、ガス発生に対応可能な保存容器内で保存される。
【0003】
特許文献1には、ガスが発生して保存容器内の圧力が高くなりすぎると、外部にガスを排出する機構を備えた蓋が示されている。この蓋は、発泡性の組成物(内容物)を収容する容器の口元に螺着され、その螺着された蓋の中央部に、ガス排出機構を備える。このガス排出機構は、容器内の圧力が許容値を超えると、圧力を受けて浮き上がり、ガス排出口を露出させ、このガス排出口から容器内のガスを外部へ放出している。
【0004】
ところで、発泡性の毛髪処理剤の中には、使用する直前に原料を混ぜ合わせ調合するものがある。この種の毛髪処理剤は、長期保存を目的とした容器ではなく、通常、原料を混合し易くかつ内容物を取り出し易い容器(所謂、混合容器)を用いて調合される。混合容器は、一般的に、原料等を収容する容器と、その容器を密封するために容器の口元に取り付けられる蓋を備える。なお、この種の混合容器(前記容器)の口は、内容物を取り出しやすくするため等の目的で、一般的に保存容器のものと比べて、大きく設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−263268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような混合容器を用いて原料等を混合した後、その内容物(混合物)は、通常、直ちに蓋を取り外して容器から取り出される。しかしながら、直ちに蓋を容器から取り外さずに、密封された状態の混合容器をそのまましばらく置いておくこともある。このような場合において、内容物が発泡性であると、混合容器内の圧力が徐々に上昇して、蓋が容器から飛び出すように外れ、又は蓋等が破損する虞がある。
【0007】
本発明の目的は、蓋が容器に螺着され取り付けられた状態で内容物からガスが発生し内圧が高くなりすぎても、蓋が容器から離れることなくガスを排出できる混合容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る混合容器は、以下の通りである。
<1> 複数の容器側螺子部を外周面に含む環状壁口部と、該環状壁口部と接続し内容物を収容する収容部とを有する容器と、
天井部と、先側を前記環状壁口部の開口部よりも奥側の内周面と密着させるために前記天井部の周縁から下方へ向けて延設された内側スカート壁部と、内周面に前記容器側螺子部と各々係合させる複数の蓋側螺子部を含み前記環状壁口部の上端面及び外周面を覆うために前記環状壁口部の周縁から延設された外側スカート壁部とを有する蓋と、を備え、
前記蓋が前記容器に螺着されると前記内側スカート壁部の先側が前記環状壁口部の内周面と密着し、かつ前記先側よりも根元側の前記内側スカート壁部の外周面が前記環状壁口部の内周面と離れる混合容器であって、
前記環状壁口部が、前記蓋が前記容器に螺着された時に前記蓋側螺子部が前記容器側螺子部と係合している個所から上方の外周面に係止部を含む、ことを特徴とする混合容器。
【0009】
前記混合容器は、上記構成を備えることにより、内圧が高まりすぎた時に前記蓋側螺子部が前記容器側螺子部を乗り越えるように、かつ前記スカート壁部の先側が前記環状壁口部の内周面から離れるように、前記蓋が前記容器に対して上方へ移動し、次いで、前記蓋側螺子部が前記係止部に係止されることによって前記蓋が止まる。
【0010】
<2> 環状壁口部が、内径が内側スカート壁部の先側の外径以下である小径区域部と、該小径区域部よりも開口部側に隣接し内径が内側スカート壁部の先側の外径よりも大きい大径区域部とからなる前記<1>に記載の混合容器。
【0011】
<3> 環状壁口部が、その外周面に容器側螺子部よりも下方に周条部を有する前記<1>又は<2>に記載の混合容器。
【0012】
<4> 容器側螺子部が、基端から先端にかけて周方向に対して傾斜した区間を含む螺子突条部からなり、蓋側螺子部が、容器側螺子部よりも短い螺子突起からなり、係止部が、前記螺子突条部の基端から上方の環状壁口部の外周面に設けられる前記<1>〜<3>の何れか1つに記載の混合容器。
【0013】
<5> 係止部が、螺子突条部の先端部分からなる前記<4>に記載の混合容器。
【0014】
<6> 収容部が、底部と該底部の周縁より立設された筒状の収容壁部とからなり、環状壁口部が、該収容壁部より立設されてなる前記<1>〜<5>の何れか1つ記載の混合容器。
【0015】
<7> 容器及び蓋が、それぞれ可撓性を有するプラスチック材料からなる前記<1>〜<6>の何れか1つに記載の混合容器。
【0016】
<8> 内容物が、発泡性である前記<1>〜<7>の何れか1つに記載の混合容器。
【0017】
<10> 蓋が容器に螺着された時に、蓋側螺子部が容器側螺子部と係合する位置が、内側スカート壁部の先側が環状壁口部の内周面と密着する位置よりも、開口部側にある前記<1>〜<9>の何れか1つに記載の混合容器。
【0018】
<11> 蓋が容器に螺着された時に、環状壁口部と内側スカート壁部との間に隙間が形成される前記<1>〜<10>の何れか1つに記載の混合容器。
【0019】
<12> 蓋が容器に螺着された時に、内側スカート壁部の根元側が環状壁口部の内周面と密着する前記<1>〜<11>の何れか1つに記載の混合容器。
【0020】
<13> 蓋が下側に配置され、かつ容器が上側に配置されて使用される前記<1>〜<12>の何れか1つに記載の混合容器。
【発明の効果】
【0021】
本発明の混合容器によれば、蓋が容器に螺着され取り付けられた状態で内容物からガスが発生し内圧が高くなりすぎても、蓋が容器から離れることなくガスを排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る混合容器の側面図である。
【図2】内側から見た蓋の平面図である。
【図3】容器の側面図である。
【図4】内部圧力が許容値以下の状態にある混合容器の部分断面図である。
【図5】内部圧力が許容値を超えた状態にある混合容器の部分断面図である。
【図6】ガス排出後の混合容器の部分断面図である。
【図7】連通溝を備えた容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の混合容器の実施形態について説明する。なお本発明の混合容器は、本明細書に例示する実施形態に限定されるものではない。
【0024】
図1は、一実施形態に係る混合容器の側面図である。図1に示されるように、混合容器1は、容器2と、その容器2に着脱(取り付け及び取り外し)可能に取り付けられる蓋3からなる。図1には、蓋3が容器2に螺着された状態の混合容器1が示されている。なお、図1の混合容器1は一部が切り欠かれ、その断面が示されている。図2は、内側から見た蓋3の平面図であり、図3は、容器2の側面図である。
【0025】
容器2は、図1及び図3に示されるように、上側へ向かうほど内径が大きくなるカップ状(コップ状)の器であり、その上側の縁の部分に、環状壁口部21を有する。環状壁口部21は、横方向の断面が略円形の筒であり、その上端部の内側には、原料の投入及び内容物の取り出しに利用される開口部22がある。本実施形態においては、環状壁口部21の奥側(下側)の内径は、上端部の内径(開口部22の直径)よりも小さくされている。つまり、環状壁口部21の内径は、奥側から開口部22側に向かって大きくなるように設定されている。
【0026】
本実施形態の環状壁口部21は、内径の大きさによって小径区域部222と、小径区域部222の内径よりも大きな内径を有する大径区域部221とに分けられる。大径区域部221は、小径区域部222よりも開口部22側に隣接配置している。
【0027】
環状壁口部21の厚みは、本実施形態においては、内径が開口部22側に向かって大きく設定されれば、均一でもよいが、内径が大きい上側よりも、内径が小さい下側の方を大きく(厚く)設定することが好ましい。このようにして、下側の環状壁口部21の強度(剛性)を向上させてもよい。特に、蓋3と密着させる個所(後述)の厚みを大きく設定し、強度(剛性)を向上させることが好ましい。このように、下側の強度(剛性)を向上させると、環状壁口部21をより内側へ向けて、後述するように撓ませ易くなる。
【0028】
環状壁口部21の外周面には、容器側螺子部23としての複数本の螺子突条部23が形成されている。各螺子突条部23は、環状壁口部21の外周面上でそれぞれ細長く凸状に盛り上がっている。各螺子突条部23は、基端24が下側に配置し、先端25が上側(開口部22側)に配置している。なお、本実施形態の螺子突条部23の基端24とは、蓋3が容器2に螺着され取り付けられた時に、後述する蓋側螺子部35(螺子突起35)と係合する位置である。
各螺子突条部23は、基端24から先端25にかけて周方向に対して傾斜している部分(区間)を含む。特に、本実施形態の螺子突条部23の先端25は、開口部22側へ向かい、環状壁口部21の上端まで達している。このように先端25が上端まで達していると、蓋3を容器2へ取り付けやすくなる。各螺子突条部23の傾斜方向は、同じになるように並び、揃えられている。
なお、本実施形態の螺子突条部23は、基端24から更に、細長く延びた副突条部26を有し、螺子突条部23と副突条部26とが一続きになっている。この副突条部26も、環状壁口部21の外周面上で細長く凸状に盛り上がっており、周方向に対して同様に傾斜している。
【0029】
螺子突条部23は、環状壁口部21を囲むように配置し、互いに所定の間隔を置いて配置している。本実施形態では、4本の螺子突条部23が環状壁口部21の外周面に形成されている。なお螺子突条部23の本数は、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば2〜5本の螺子突条部23を使用してもよい。また螺子突条部23同士の間隔も、目的に応じて適宜選択すればよいが、螺子突条部23同士の間隔は等間隔が好ましい。本実施形態では、略円形の環状壁口部21の外周面上に、4本の螺子突条部23が等間隔で配置している。そして各螺子突条部23の基端24の位置は、周方向に対して一列に並ぶように設定されている。つまり、各螺子突条部23の基端24の位置は、環状壁口部21の下側から同じ高さの位置で揃えられている。
【0030】
他の実施形態においては、各螺子突条部23の基端24の位置、先端25の位置、傾斜方向、傾斜角度(勾配)、長さ、強度、形状(外形及び断面)等の螺子突条部23の諸条件は、目的に応じて適宜選択される。
【0031】
本実施形態の環状壁口部21の外周面には、更に、周条部27が形成されている。この周条部27は、螺子突条部23よりも下側に配置し、周方向に沿って細長く凸状に盛り上がっている。この周条部27によって環状壁口部21の下側の強度(剛性)を向上させている。このように、下側の強度(剛性)を向上させると、環状壁口部21をより内側へ向けて、後述するように撓ませ易くなる。なお、副突条部26の一端(基端)は、この周条部27に接続している。
【0032】
螺子突条部23の基端24には、蓋3の動きを止め固定するための、停止固定部28が備えられている。また、停止固定部28の位置から、環状壁口部21の外周面に沿って真上(開口部22側)に向かった位置に、突起状の係止部29が形成されている。なお、前記停止固定部28の位置は、螺子突条部23の基端24にある停止固定部28と、螺子突起35とが係合する位置に対応している。係止部29は、環状壁口部21の外周面より凸状に盛り上がった突起からなる。他の実施形態における係止部29の形状としては、細長く延びた突条部からなるものであってもよいし、螺子突条部23の先端24と繋がって一体化したものでもよい。係止部29は、螺子突起35(蓋側螺子部35)と、螺子突条部23(容器側螺子部23)とが係合する全ての個所に対応させて設けてもよいし、本発明の目的が達成できるのであれば、一部の係合個所にのみ対応させて設けてもよい。本実施形態において、係止部29の高さ(環状壁口部21の外周面からの高さ)は、螺子突条部23の高さ(環状壁口部21の外周面からの高さ)と略同じに設定されている。この係止部29の高さも、他の実施形態においては、適宜設定すればよい。
【0033】
容器2は、図1及び図3に示されるように、下側に、環状壁口部21と接続する収容部200を備える。収容部200は、底部201と該底部201の周縁から立設された筒状の収容壁部202とからなり、それらの内側で、混合前の原料及び混合物等の内容物を収容する。本実施形態の底部201の形状は、略円形である。また収容壁部202の形状は、底部201側から上側に向かって内径が大きくなる筒状である。なお収容部200の形状は、本発明の目的を達成できれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択される。
【0034】
蓋3は、図1及び図2に示されるように、天井部31、内側スカート壁部32及び外側スカート壁部33を備える。
【0035】
天井部31は、外形が略半球状(所謂、ドーム状)であり、内面形状も同様に略半球状となっている。つまり、天井部31は、口側を下方に向けた略半球状の器のような形状である。この天井部31の周縁から、筒状の内側スカート壁部32が延設されている。なお、筒状の内側スカート壁部32の先側は、外側に湾曲し、拡径している。
【0036】
天井部31と内側スカート壁部32とは、口側を下方に向けた1つの器(蓋側容器)を構成している。
【0037】
内側スカート壁部32の長さ及び外径は、蓋3が容器2に螺着され取り付けられた時、内側スカート壁部32が環状壁口部21内に挿入され、かつ収納されるように設定されている。更に、内側スカート壁部32の先側は、蓋3が容器2に取り付けられた時に環状壁口部21内で環状壁口部21の内周面と密着できるように設定されている。この内側スカート壁部32の先側を環状壁口部21の内周面に密着させ、これらの間をシールしている。
【0038】
内側スカート壁部32の先側が、環状壁口部21の内周面と密着する部分を、特に先側環状接触部34と称する。なお、内側スカート壁部32の先側の先側環状接触部34としては、先端そのものであってもよいし、先端よりも根元側に位置する個所であってもよい。ただし、先端よりも根元側の内側スカート壁部32を、先側環状接触部34とする場合には、その先側環状接触部34よりも先側の外径は、先側環状接触部34の外径よりも小さくする必要がある。なお、「先側環状接触部34の外径」とは、先側環状接触部34の中で、最も大きな部分の外径(最大径)のことである。
【0039】
なお、本実施形態における容器2のうち、開口部22から、蓋3が容器2に螺着され取り付けられ、内側スカート壁部32が最も降下した時に、内側スカート壁部32の先側が容器2の内周面と接触している個所までの部分が、環状壁口部21となる。それよりも下側の部分が収容部200となる。
【0040】
環状壁口部21の小径区域部222は、その内径が先側環状接触部34の外径以下になっている。これに対し、環状壁口部21の大径区域部221は、その内径が先側環状接触部34の外径よりも大きくなっている。蓋3が容器2に螺着され取り付けられた時に、環状壁口部21の内周面と密着している先側環状接触部34よりも上側に、小径区域部222の一部が存在してもよい。蓋3を容器2に取り付ける際又は蓋3を容器2から取り外す際に、先側環状接触部34は、この部分の小径区域部222を通常、摺接しながら移動する。
【0041】
本実施形態の内側スカート壁部32は、蓋3が容器2に螺着され取り付けられた時、根元側も環状壁口部21の内周面と密着できるように、根元側環状接触部36を備える。この根元側環状接触部36によって容器2と内側スカート壁部32との間もシールすることができる。この根元側環状接触部36の位置は、本実施形態においては、環状壁口部21の上端部の内周面と密着するように設定される。なお、根元側環状接触部36は、蓋3が容器2に取り付けられた時、根元側から先側へ向かう方向において、少なくとも一部が環状壁口部21の内周面と接触していればよい。
【0042】
外側スカート壁部33は、図1及び図2に示されるように、環状壁口部21の上端面及び環状壁口部21の外周面を覆うように、天井部31の周縁から延設されている。環状壁口部21の上端面を覆う部分の外側スカート壁部33は、蓋3の天井部31側から見て、円形(環状)であり、天井部31の周縁から略水平方向(周方向)に張り出している。環状壁口部21の外周面を覆う部分の外側スカート壁部33は、環状壁口部21を囲むような筒状であり、この筒状の上端部分から内側に、環状壁口部21の上端面を覆う部分が、庇のように張り出している。
【0043】
環状壁口部21の外周面を覆う部分の外側スカート壁部33は、その内周面に各螺子突条部23とそれぞれ係合させる蓋側螺子部35としての4個の螺子突起35が設けられている。螺子突起35は、外側スカート壁部33の前記内周面上に、凸状に盛り上がるように周方向に沿って細長く形成されている。この螺子突起35の長さは、本実施形態においては、螺子突条部23よりも短く設定されている。各螺子突起35は、図2に示されるように、螺子突条部23と各々係合させるために、螺子突条部23の位置に対応して、等間隔で配置している。
【0044】
ここで、容器2に取り付けられる際の蓋3の動きを説明する。先ず、蓋3を容器2に取り付ける際、開口部22から内側スカート壁部32が挿入されかつ環状壁口部21に外側スカート壁部33が被せられるように、蓋3を容器2に対して配置する。次いで、蓋3を時計回りに動かすと、外側スカート壁部33が環状壁口部21の外側を回り、各螺子突起35(35A)が、先端25側から基端24側へ向かうように、螺子突条部23の下側(下面側)に沿って移動し、下降し始める(図3参照)。すると、螺子突起35(35A)は、傾斜した螺子突条部23の形状(下面形状)に導かれて、基端24に到達する。基端24には、上述したように停止固定部28が設けられている。この停止固定部28は、螺子突条部23の下側に沿って移動する螺子突起35を、更に下方へ押圧するような、勾配面を下面に有する。停止固定部28は、その勾配面で、螺子突起35を上側(上面側)から押さえ付ける。
【0045】
螺子突起35が螺子突条部23の基端24(停止固定部28)に到達した時、内側スカート壁部32の先側(先側環状接触部34)が、環状壁口部21の内周面と当接し、その内周面に押し当てられる。このように、螺子突起35を螺子突条部23の基端24(停止固定部28)で停止させて、蓋3を容器2に取り付けると、内側スカート壁部32及び天井部31が一体となった蓋側容器が、混合容器1内の空間4を密封するように、容器2内に載る。つまり、その蓋側容器は、環状壁口部21の外周面に設けられた螺子突条部23の停止固定部28に、外側スカート壁部33を介して螺子突起35を引っ掛けるようにして、環状壁口部21の内周面上に固定される。
【0046】
なお、本実施形態の環状壁口部21の外周面には、上述したように、副突条部26が形成されている。この副突条部26は、蓋3を容器2に取り付ける際、螺子突起35(35B)を、その上側(上面側)を沿わせて移動させることができる。そのため螺子突起35(35B)を、その副突条部26の基端側に隣接配置する螺子突条部23へ導き易くなっている(図3参照)。
【0047】
本実施形態の環状壁口部21の外周面には、上述したように、係止部29が形成されている。この係止部29と螺子突条部23との間には、螺子突起35を通過させるための十分な間隔が設けられている。なお、この間に、突起、突条部等の他の凸部は形成されていない。そのため、蓋3を容器2に取り付ける際、螺子突起35(35B)を係止部29に干渉させずに蓋3を容器2に固定できる(図3参照)。なお蓋3を反対側に(反時計回りに)回せば、螺子突起35を係止部29に干渉させずに、容器2から蓋3を容易に取り外せる。
【0048】
また、本実施形態の環状壁口部21の外周面には、螺子突条部23の基端24の下側に、当接部203が凸設されている。この当接部203に螺子突起35が当たり、衝突することによって、螺子突起35が螺子突条部23の基端24にある停止固定部28を通り過ぎないようにしている。
【0049】
なお、螺子突条部23の基端24の位置は、当接部203の位置を変えることによって調整できる。つまり、当接部203の位置を、螺子突条部23と副突条部26とが一続きになって形成される1本の突条部に対して、下側(副突条部26側)又は上側(螺子突条部23)にずらすことによって調整できる(図3参照)。
【0050】
なお、蓋3が容器2に取り付けられた際、混合容器1には、図1に示されるように、内側スカート壁部32と環状壁口部21と間には隙間5が形成される。
【0051】
混合容器1を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン等の公知のプラスチック材料等が挙げられ、特に、可撓性及び耐久性に優れる材料が好ましい。その他、本発明の目的を達成できるのであれば、金属、ガラス等の他の材料を混合容器1の材料として使用してもよい。混合容器1は、公知の加工技術を利用して製造できる。容器2と蓋3とは、同一材料で製造しても、それぞれ異なる材料で製造してもよい。
【0052】
混合容器1は、例えば、化粧料、脱色剤、染毛剤等の毛髪処理剤等の調合に利用される。特に、混合容器1は、発泡性の毛髪処理剤等の発泡性組成物(泡沫状組成物)の調合(混合)に好適である。毛髪処理剤以外の内容物としては、薬剤、塗料、食品等が挙げられる。これらの内容物は、混合容器1の密封された空間4内、つまり容器2と、内側スカート壁部32及び天井部31が一体となった蓋側容器との間に形成される空間4内で混合され、保存される。
【0053】
例えば、粉末状の1剤及び液状の2剤から発泡性毛髪処理剤を混合して調合する場合、先ず、各原料(1剤及び2剤)を開口部22より容器2内へ投入する。その後、容器2に蓋3を固定して混合容器1内を密封する。次いで、密封された状態の混合容器1を、手で振る等して、原料を混ぜ合わせる。なお、混合容器1の容器2と蓋3とは互いに螺着され固定されているため、手で振る等して混合容器1に震動が加えられても、蓋3が容器2の上方へ移動する等して容器2から外れることはない。混合後、蓋3を反時計回りに回転させて容器2から取り外すと、開口部22より容器2内の内容物を取り出すことができる。
【0054】
前記毛髪処理剤等の発泡性組成物を、しばらく混合容器1内で保存しておくと、前記組成物からガスが発生し、混合容器1内の圧力が高くなりすぎることがある。本実施形態の混合容器1は、このような場合に混合容器1内の圧力が許容値を超えると、蓋3が容器2の上方へ自動的にずれて移動し、混合容器1内のガス等が外部へ排出され、混合容器1内が減圧される。しかも、混合容器1はガス排出時に、蓋3を容器2から分離させない。以下、その原理を、図4〜図6を参照しつつ、説明する。
【0055】
図4は、内部圧力が許容値以下の状態にある混合容器1の部分断面図である。空間4内の圧力(内部圧力)が許容値以下であると、図4に示されるように、混合容器1の蓋3は、容器2の環状壁口部21に螺着され固定されたままである。つまり、外側スカート壁部33の内周面に設けられた螺子突起35が、環状壁口部21の外周面に設けられた螺子突条部23の基端24にある停止固定部28と係合することによって、蓋3が容器2に固定されている。この際、内側スカート壁部32の先側環状接触部34及び根元側環状接触部36はそれぞれ環状壁口部21の内周面と密着し、それぞれの個所をシールしている。また、先側環状接触部34から根元側環状接触部36までの間の内側スカート壁部32の外周面と、環状壁口部21の内周面との間に、隙間5が形成されている。なお、環状壁口部21の外周面の上方に形成された係止部29は、環状壁口部21の上端面と共に外側スカート壁部33で覆われている。
【0056】
図5は、内部圧力が許容値を超えた状態にある混合容器1の部分断面図である。容器2内に収納され保存されている内容物からガスが発生し、空間4内の圧力(内部圧力)が許容値を超えると、容器2及び蓋3のそれぞれに、内側から圧力が加わり、容器2と蓋3とが互いに離れようとする。この際、蓋3の外側スカート壁部33の螺子突起35は、環状壁口部21の停止固定部28に上り、更に停止固定部28を乗り越えようとする。螺子突起35が停止固定部28へ上ろうとすると、内側スカート壁部32も、それに伴って環状壁口部21の開口部22側へ移動しようとする。本実施形態の容器2は、上述したように、環状壁口部21が開口部22に向かって内径が大きくされており、しかも環状壁口部21と内側スカート壁部32との間に隙間5を有している。そのため、内部圧力が許容値を超えた場合に、環状壁口部21が内側の隙間5に向かって撓む(撓る)ことが可能であり、螺子突起35が、停止固定部28を乗り越えてそのまま上方にずれやすくなっている。
また、螺子突起35が停止固定部28へ上ろうとする際、外側スカート壁部33も、図5に示されるように、天井部31及び内側スカート壁部32に対して外側へ拡がるように変形する。
【0057】
なお、螺子突起35が停止固定部28を上る際、内側スカート壁部32の先側(先側環状接触部34)が、環状壁口部21の内周面と接触していれば、環状壁口部21に対して、内周面側から、内側スカート壁部32からの力が加わることになり、更に環状壁口部21を内側に撓ませ易くなる。螺子突起35と停止固定部28とが係合する位置が、内側スカート壁部32の先側(先側環状接触部34)が環状壁口部21の内周面と密着する位置よりも、開口部22側にあると、環状壁口部21を内側に撓ませ、螺子突起35を停止固定部28上へ乗せ易くなる。なお、螺子突起35が停止固定部33を上る際、環状壁口部21が根元側環状接触部36によっても内周面側から力が加えられてもよい。
【0058】
上記のように、螺子突起35が停止固定部28を上る際、根元側環状接触部36によって環状壁口部21に力が加えられると、環状壁口部21の上端部が、停止固定部28がある略中央部と比べて、相対的に外側へ突き出る。
【0059】
螺子突起35が停止固定部28を乗り越えた後、内側スカート壁部32の先側環状接触部34が、環状壁口部21の内周面から離れ、混合容器1内の密封が解消される。つまり、螺子突起35が停止固定部28を乗り越えて環状壁口部21の上方に移動する距離(例えば、螺子突起35の幅と停止固定部28の幅との和)よりも、環状壁口部21の内周面が内側スカート壁部32の先側環状接触部34と密着可能な距離の方が短く設定されている。混合容器1内の密封が解消されると、空間4内のガス等の内容物が、容器2の環状壁口部21と、蓋3の内側スカート壁部32及び外側スカート壁部33との間の隙間を通って、外部に排出される。なお、環状壁口部21の外周面上における隣り合う螺子突条部23の間(溝)、及び隣り合う副突条部26の間(溝)は、ガス等が排出される通路になっている。
また、螺子突起35が停止固定部33を乗り越えた後、撓んだ環状壁口部21は復元し、元の位置へ戻る。
【0060】
図6は、ガス排出後の混合容器1の部分断面図である。図6に示されるように、混合容器1内からガスが排出され、容器2の上方に移動した蓋3は、螺子突起35が係止部29に引っ掛かる。係止部29は、螺子突条部23の停止固定部33から開口部22側に向かった上方の環状壁口部21の外周面上に形成されている。係止部29は、環状壁口部21の外周面上に、凸状に盛り上がるように形成されている。係止部29の高さ(環状壁口部21の外周面からの高さ)は、螺子突条部23の高さと略同じに設定されている。また、係止部29は、螺子突起35と比べて、短く、小さい。係止部29と螺子突条部23(停止固定部28)との間隔は、蓋3の取り付け時にこれらの間を通過し、かつガス排出時に停止固定部28を乗り越えて移動してくる螺子突起35の大きさ(幅)等を考慮して、適宜、設定される。本実施形態においては、係止部29は、環状壁口部21の上端に配置される。本実施形態において係止部29は、各螺子突条部23の停止固定部33に対応するように、4個設けられている。このようにして、蓋3が、容器2から外れ、互いに分離することが防止される。
【0061】
蓋3の各螺子突起35、容器2の各停止固定部28、及び容器2の各係止部29が、それぞれ等間隔で、かつ互いに対応するように配置しているため、蓋3が容器2の上方へ均等にずれ、引っ掛かり易くなっている。なお、蓋3が容器2の上方へ均等にずれずに、一部の螺子突起35のみが停止固定部28を乗り越え、蓋3が傾いた状態で容器2の上方へ移動することもある。ただし、このような場合であっても、螺子突起35が上方へずれた部分の蓋3と容器2との間からガス等が排出され、かつ停止固定部28を乗り越えなかったその他の螺子突起35が、停止固定部28等の螺子突条部23に引っ掛かり蓋3が容器2から外れることもないため、本発明の目的を達成できる。
【0062】
以上のように、本実施形態の混合容器1は、内部圧力が許容値を超えた場合には、螺子突起35が螺子突条部23の基端24(停止固定部28)を乗り越え易くなっている。しかも、螺子突起35が停止固定部28を乗り越えることによって、前記シールドが直ちに解除され、混合容器1内のガス等が外部に排出され、混合容器1内が減圧されるため、小さな係止部29で蓋3を引っ掛け、止めることができ、蓋3が容器2から急に飛び出すことがない。更に、上述したように、螺子突起35が停止固定部28を上り、乗り越えようとする時に、根元側環状接触部36から力が加わることによって環状壁口部21の上端部が外側へ突き出すために、蓋3が係止部29に引っ掛かり易くなっている。
【0063】
なお、係止部29は、図3に示されるように、隣り合う螺子突条部23の先端25の略中央部に配置されている。このように、係止部29と螺子突条部23の先端25との間の距離を、螺子突起35が通過できるように十分確保することにより、蓋3の容器2への取り付け及び蓋3の容器2からの取り外しが容易になっている。
【0064】
本実施形態においては、混合容器1の蓋3がドーム状の天井部31を有するため、内側から均等にガス圧によって押されるため、各螺子突起35がそれぞれ停止固定部28を同時に乗り越えて、蓋3が容器2の上方へ真っ直ぐに移動し易くもなっている。
【0065】
本実施形態の混合容器1は、蓋側螺子部35である螺子突起35が、容器側螺子部23である螺子突条部23の基端24(停止固定部28)を、1つ越えると、係止部29に到達する。つまり、螺子突起35が停止固定部28以外の突起、突状部等のその他の凸部を越えることなく、先側環状接触部34を環状壁口部21の内周面から遠ざけ、ガス等の内容物を外部へ排出できる位置まで到達できる。
【0066】
本実施形態の混合容器1は、蓋側螺子部35の方が、容器側螺子部23よりも小さな凸部(突起)になっている。このように、蓋側螺子部35の方を容器側螺子部23よりも小さく設定すると、混合容器1の内部圧力が許容値を超えた場合に、蓋側螺子部35が容器側螺子部23(停止固定部28)を乗り越えやすい。この際、蓋3の外側スカート壁部33が、蓋側螺子部35が突条部からなり、かつ容器側螺子部23が突起からなる場合と比べて、外側へ拡がり易くなるためである。
【0067】
本実施形態の混合容器1は、蓋3と容器2とが、複数個所における、螺子突起35と螺子突条部23の停止固定部38との係合によって固定されているものの、従来の容器(例えば、螺旋状に周回する螺子突条部が外周面に形成されている容器と、その容器に螺着される蓋からなる混合容器)と比べて、蓋3と容器2との間の係止力(螺着力)が、低減されている。このように、螺子突起35と螺子突条部23の停止固定部38と係合させることによって、混合物を調合する際に蓋3が容器2から外れず、かつ内部圧力が許容値を越えた場合には蓋3が容器2の上方へ移動できる係止力(螺着力)を調整している。
【0068】
なお、蓋側螺子部35が容器側螺子部23(停止固定部28)と係合する上側の面、及び/又は容器側螺子部23が蓋側螺子部35と係合する下側の面の勾配等を変化させて、蓋側螺子部35と容器側螺子部23(停止固定部28)との係合力を適宜、調整してもよい。
【0069】
本実施形態の混合容器1の環状口壁部21の内径は、奥側よりも開口部22側
が大きくなるように設定されているが、本発明の目的を達成できるのであれば、他の実施形態においては、環状口壁の内径を略一定にしてもよい。
【0070】
他の実施形態においては、ガスを排出できかつ蓋3を容器2から分離させないのであれば、一部の螺子突起35のみが停止固定部28を乗り越えて、蓋3が容器2の上方へ傾いて移動してもよい。蓋3の天井部31の形状としては、ドーム状以外に、ガスを排出できかつ蓋3を容器2から分離させないのであれば、特に制限はなく、例えば、内部に空間を有していない平坦な形状(板状)であってもよい。
【0071】
他の実施形態においては、環状壁口部21の外周面に形成される容器側螺子部23の方を、螺子突起35のような小さな突起とすると共に、外側スカート壁部33の内周面に形成される蓋側螺子部35の方を、螺子突条部23のような、基端から先端にかけて周方向に対して傾斜した区間を含む突条部としてもよい。この場合、容器側螺子部23の突起が、蓋側螺子部35の上面を沿って上昇するように移動する。
【0072】
本実施形態の混合容器1は、容器2の容積の方が、蓋3側の容器に相当する天井部31及び内側スカート壁部32からなる部分の容積よりも大きく設定されている。他の実施形態においては、本発明の目的を達成できる限り、容器2及び蓋3側の容器の容積をそれぞれ等しくなるように設定してもよいし、蓋3側の容器の容積を、容器2の容積よりも大きくしてもよい。
【0073】
他の実施形態において、図1等に示される本実施形態の混合容器1の小径区域部222に、更に上下方向(開口部22側から底部201側へ向かう方向)に、連通溝を設けてもよい。図7は、連通溝を備えた容器の斜視図である。この連通溝205は、蓋3が容器2に取り付けられ内側スカート壁部32が最も下降した時に先側環状接触部34が、環状壁口部21の小径区域部222と接触している個所よりも上側の小径区域部222に、設けられる。この連通溝205は、小径区域部222の内周面を外側へ向けて凹部状に彫り込むように形成される。
このように、小径区域部222に連通溝205を設けておくと、混合容器1の内部圧力が許容値を超えて蓋3の螺子突起35が容器2の停止固定部28を乗り越え、上方へ移動する際、容器2の空間4内の圧力を外部へ徐々に排出し易くできる。
何故ならば、連通溝205が形成された小径区域部222を先側環状接触部34が移動する際に、空間4と隙間(空間)5とが連通溝205を介して繋がり、ガス等の内容物がその連通溝205を通って外部へ徐々に排出されるためである。このように連通溝205を設ければ、先側環状接触部34が大径区域部221に到達する前に、空間4内のガス等の内容物を外部へ排出できる。なお、連通溝205の形状、連通溝205を設ける位置、個数等を適宜、設定することにより、ガス排出量を調整できる。
【0074】
本実施形態の混合容器1は、蓋3を下側に配置し、かつ容器2を上側に配置して使用されることも想定される。このように、蓋3が容器2に螺着され取り付けられた混合容器1を反転させて使用した場合であっても、反転させた混合容器1は、内部圧力が許容値を超えた場合に、下側に配置する蓋3が上側に配置する容器2から外れることなく、ガス等の内容物を外部へ排出できる。
【0075】
更に、他の実施形態に係る混合容器においては、上記実施形態の混合容器1の容器2の構成を蓋として採用し、かつ蓋3の構成を容器として採用したものであってもよい。つまり、この実施形態の混合容器は、上記実施形態の混合容器1における容器2の機能と、蓋3の機能とが入れ替わった構成である。このような構成の混合容器であっても、内部圧力が許容値を超えた場合に、上側に配置する混合容器1の容器2と同様の構成を有する蓋が、下側に配置する混合容器1の蓋3と同様の構成を有する容器から外れることなく、混合容器1と同様にしてガス等の内容物を外部へ排出できる。
【符号の説明】
【0076】
1 混合容器
2 容器
21 環状壁口部
221 大径区域部
222 小径区域部
22 開口部
23 螺子突条部(容器側螺子部)
24 基端
25 先端
26 副突条部
27 周条部
28 停止固定部
29 係止部
200 収容部
201 底部
202 収容壁部
203 当接部
205 連通溝
3 蓋
31 天井部
32 内側スカート壁部
33 外側スカート壁部
34 先側環状接触部
35 螺子突起(蓋側螺子部)
36 根元側環状接触部
4 空間
5 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器側螺子部を外周面に含む環状壁口部と、該環状壁口部と接続し内容物を収容する収容部とを有する容器と、
天井部と、先側を前記環状壁口部の開口部よりも奥側の内周面と密着させるために前記天井部の周縁から下方へ向けて延設された内側スカート壁部と、内周面に前記容器側螺子部と各々係合させる複数の蓋側螺子部を含み前記環状壁口部の上端面及び外周面を覆うために前記環状壁口部の周縁から延設された外側スカート壁部とを有する蓋と、を備え、
前記蓋が前記容器に螺着されると前記内側スカート壁部の先側が前記環状壁口部の内周面と密着し、かつ前記先側よりも根元側の前記内側スカート壁部の外周面が前記環状壁口部の内周面と離れる混合容器であって、
前記環状壁口部が、前記蓋が前記容器に螺着された時に前記蓋側螺子部が前記容器側螺子部と係合している個所から上方の外周面に係止部を含む、ことを特徴とする混合容器。
【請求項2】
環状壁口部が、内径が内側スカート壁部の先側の外径以下である小径区域部と、該小径区域部よりも開口部側に隣接し内径が内側スカート壁部の先側の外径よりも大きい大径区域部とからなる請求項1に記載の混合容器。
【請求項3】
環状壁口部が、その外周面に容器側螺子部よりも下方に周条部を有する請求項1又は2に記載の混合容器。
【請求項4】
容器側螺子部が、基端から先端にかけて周方向に対して傾斜した区間を含む螺子突条部からなり、蓋側螺子部が、容器側螺子部よりも短い螺子突起からなり、係止部が、前記螺子突条部の基端から上方の環状壁口部の外周面に設けられる請求項1〜3の何れか1項に記載の混合容器。
【請求項5】
収容部が、底部と該底部の周縁より立設された筒状の収容壁部とからなり、環状壁口部が、該収容壁部より立設されてなる請求項1〜4の何れか1項に記載の混合容器。
【請求項6】
内容物が、発泡性である請求項1〜5の何れか1項に記載の混合容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−93540(P2011−93540A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247095(P2009−247095)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000113274)ホーユー株式会社 (278)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【出願人】(398072322)日硝実業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】