混合段階及び分離段階の光学的な監視方法
【課題】分析システムにおいて磁性粒子を用いた混合段階及び分離段階を監視する優れた方法及びシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、分析対象物を分離するために固相粒子を用いる分析システムにおける懸濁物の混合段階及び分離段階を、分注デバイスに取付けられたカメラにより粒子分布を測定することにより監視する非侵襲的な方法に関する。
【解決手段】本発明は、分析対象物を分離するために固相粒子を用いる分析システムにおける懸濁物の混合段階及び分離段階を、分注デバイスに取付けられたカメラにより粒子分布を測定することにより監視する非侵襲的な方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルから分析対象物を分離するために固相を用いる分析システムにおいて混合段階及び分離段階を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析方法及びシステムにおいて、効率的な分析のために、分析対象物の単離及び分離が必要なことが多い。分析対象物を単離及び分離する1つの方法は、懸濁物(suspension)中の磁気的な又は磁化可能な粒子に対して結合させる段階と、次に磁界中で分離する段階とを備えて成る。上記単離及び分離の各段階の品質は、結合段階、分離段階及び洗浄段階の間における適切な粒子分布に依存する。一般的には、(たとえば、分離用の容器中にセンサを載置するなどの)侵襲的な方法が使用される。
【0003】
特許文献1は、磁界の存在下において、すなわち、磁性粒子が側壁に対して結合され且つ光路の外部であるときに、磁性粒子を含む液体の特性を測定することを開示している。
【0004】
特許文献2は、分析対象物の定量のための統合型流動システムにおける検出器の例を開示している。しかし該文献は、光源及び検出器の特定の配置構成を何ら開示していない。該文献はまた、混合段階及び分離段階の間における固相の粒子分布の測定方法を何ら開示してもいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−315338号
【特許文献2】国際特許出願公開公報第WO2009/129415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、分析システムにおいて磁性粒子を用いた混合段階及び分離段階を監視する優れた方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
固相粒子を含む懸濁物を、容器内における液体に対して混合又は分離する段階と、
上記容器を光源により照らす段階と、
上記光源により照射された光を、上記容器の上方に配置された上記検出デバイスにより検出する段階とを備えて成り、
検出された上記光は、上記液体中に存在する固相粒子の粒子分布の尺度である、
固相粒子を含む懸濁物の混合段階及び分離段階を監視する方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
この方法は、混合段階及び分離段階の非侵襲的な監視を許容するという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】LEDプリント(LED print)と、処理プレートを通過した光を検出すべく処理ヘッドに取付けられたカメラとを備える分離又は加熱ステーションを示す図である。
【図2】a)はLEDプリントと磁石とを備えた分離ステーションを示す図であり、且つ、b)はLEDプリントを備えた加熱ステーションを示す図である。
【図3】LEDにより照らされた固相粒子を含む容器を示す図であり、a)は混合された固相粒子を備える容器であり、b)は固相粒子が沈降した容器であり、c)は(磁界が印加された)分離状態における容器内の粒子であり、d)は固相粒子が“不完全”状態に在る容器である。
【図4】a)は第1及び第2形式のピペット先端部の斜視図であり、且つ、b)はピペット・ニードルを示す図である。
【図5】処理プレートの斜視図である。
【図6】逆の角度からの上記処理プレートの斜視図である。
【図7】上記処理プレートの平面図である。
【図8】上記処理プレートの長寸側辺に沿う断面図である。
【図9】上記断面図の部分図である。
【図10】上記処理プレートの上記長寸側辺の斜視図である。
【図11】上記処理プレートの底部の斜視図である。
【図12】上記処理プレートの上記底部の更に垂直な斜視図である。
【図13】上記処理プレートの容器に対する、分離ステーションの第1好適実施形態の小寸磁石の装着を示す図である。
【図14】上記処理プレート及び容器の中央領域の水平断面図である。
【図15】上記処理プレートを受容するステーション(たとえば磁気的分離ステーション)における該処理プレートの装着を示す図であり、繋止機構は係合解除されている。
【図16】上記処理プレートを受容するステーション(たとえば磁気的分離ステーション)における該処理プレートの装着を示す図であり、上記繋止機構は係合されている。
【図17】種々のステーション、モジュール又は区画を備えて成る分析器の概略図である。
【図18】a)からd)は、上記磁気的分離ステーションの第2実施形態の種々の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、
固相粒子を含む懸濁物を、容器内における液体に対して混合又は分離する段階と、
上記容器を光源により照らす段階と、
上記光源により照射された光を、上記容器の上方に配置された上記検出デバイスにより検出する段階とを備えて成り、
検出された上記光は、上記液体中に存在する固相粒子の粒子分布の尺度である、
固相粒子を含む懸濁物の混合段階及び分離段階を監視する方法に関する。
【0011】
好適には、上記検出デバイスはCCDである。
【0012】
好適実施形態において、上記光源は、上記容器の側部上又は該容器の下方、更に好適には該容器の下方に配置される。
【0013】
好適実施形態において、上記検出デバイスは移動可能に取付けられると共に、該検出デバイスは上記容器の上方において移動かつ配置される。更に好適には、上記検出デバイスは分注ユニット上に取付けられる。
【0014】
本明細書において上記に及び本明細書において以下に記述される本発明の好適実施形態において、上記光を検出する段階は、照射された光の画像を獲得する段階を備えて成る。
【0015】
好適には、これらの光の画像から、制御ユニットにより粒子分布が測定されて算出される。上記測定は、上記固相粒子の存在下で上記液体を通過する光が減少する量に基づく。
【0016】
本発明の1つの態様において、上記獲得された画像は、好適には上記制御ユニットにより、データ削減方法を用いて処理される。好適には、上記データ削減方法は、処理アルゴリズムを備えて成り、更に好適には、アルゴリズムはヒストグラム又は相互相関を備えて成り得る。データ削減に対して適切な他の種類のアルゴリズムもまた使用され得る。削減された画像データは好適には、上記データ削減により生成される。好適には、判別アルゴリズムが、削減された画像データに従い試験結果をフラグ判定する。
【0017】
“容器”という語句は、単一の容器、又は、マルチ管体ユニットにおける単一の容器、マルチウェル・プレート又はマルチ管体ユニット、又は、マルチウェル・プレートの1つのウェルを意味すると理解される。好適には、上記容器は1つのマルチウェル・プレートに含まれる。更に好適には、上記マルチウェル・プレートは、少なくとも1mlの容量を備える複数の容器を備えて成る。マルチウェル・プレートの1つの好適実施形態は、以下に記述される如き処理プレートである。各図中に示された好適実施形態において示される如く、1つの容器は、開放頂端部及び閉塞底部を有している。故に上記容器は、頂部からピペット先端部に対してアクセス可能である。
【0018】
本明細書中で用いられる“固相粒子”という語句は、吸着により直接的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、たとえばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものである。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、好適には目標核酸は、目標でない物質、好適には目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマーとされ得るか、又は、複数種類のポリマーの組成物とされ得る。好適な固相粒子は、磁性の又は磁化可能な粒子である。好適な種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0019】
シリカ粒子に対する核酸の好適な非特異的結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、上述の間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。好適には、上記固体支持体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子である。
【0020】
“磁性の”という語句は、磁性の及び磁化可能な粒子を包含する。更に好適には、上記固相粒子はシリカ系粒子、最も好適には磁性ガラス粒子である。斯かる粒子は、当業界において公知である。
【0021】
“混合段階又は分離段階”という語句は、任意の形式の混合段階及び分離段階に関連する。混合段階は好適には、好適には核酸である分析対象物が固相に対して結合することを許容する混合段階に関する。混合段階は、振動機を用いた液体懸濁物の振動段階を包含し得る。混合段階はまた、分注デバイスに対して接続されたピペット先端部により懸濁物を吸引かつ供与する段階を備えて成る、吸引及び吐出式の混合段階(sip & spit mixing)に関連しても良い。吸引及び吐出式の混合段階は、混合段階の好適実施形態である。分離段階は、分析対象物が結合した固相を液体から分離するに適した任意の方法を包含し得る。分離段階の好適実施形態は、磁性の又は磁化可能な粒子、好適には磁性の又は磁化可能なシリカ粒子に対して分析対象物を結合させる段階と、磁気的分離ステーションを用いて分離を行う段階とを備えて成る。磁気的分離に対して使用可能である磁気的分離ステーション及びマルチウェル・プレートの好適実施形態は、本明細書において後に記述される。好適には、分離段階は、上記固相から上記液体を除去する段階を備えて成り、更に好適には、上記磁気的分離ステーションにおいて磁界を印加し乍ら上記磁性シリカ粒子から上記液体を除去する段階を備えて成る。
【0022】
好適には、上記混合段階は、上記ピペット先端部により吸引及び供与を行う段階を備えて成り、且つ、当該方法は、混合段階に続いて上記容器から上記ピペット先端部を取出す段階を付加的に備えて成る。
【0023】
“光源”という語句は、検出デバイスにより検出可能な光を発する任意の形式の光源に関連する。光源の好適で非限定的な例は、LED又はハロゲンランプである。
【0024】
図4a)及びb)には、ピペット先端部29及びニードル80の非限定的な例が示される。
【0025】
混合段階の監視が意図された場合、上記容器からピペット先端部が取出されたとき、上記検出デバイス、好適にはCCDにより粒子分布が測定される。これにより、上記制御ユニットは、粒子分布が或る所定の閾値より低い容器を特定することが許容される。斯かる容器は次に上記制御ユニットにより、残りの分析プロセスに対して無効であるとフラグ判定される。
【0026】
一好適実施形態において、上記分離段階は、上記容器を磁界に露出する段階を備えて成る。更に好適には、上記分離段階は、上記容器を、分離デバイスにおいて分離ステーションの磁石に対して接触させる段階を備えて成る。分離ステーションとマルチウェル・プレートとを備えて成る本発明の好適な分離デバイスは、以下に記述される。
【0027】
好適には、分離段階の監視が意図された場合、分離段階が終了されたときに、上記検出デバイスにより粒子分布が測定される。これにより、上記制御ユニットは、液体と磁性粒子とを含む個別的な複数の容器、すなわち分離が不十分であった容器を特定することが許容される。これらの容器及びそれらの内容物は次に、上記制御ユニットにより、残りの分析プロセスに対して無効であるとフラグ判定される。
【0028】
本発明に係る混合段階及び分離段階の監視方法によれば、混合段階又は分離段階が誤りであるならば個別的な試験が無効であるとの決定が許容されることから、分析プロセスにより獲得された結果のデータの完全性及び信頼性が改善される。
【0029】
本発明の1つの態様において、本明細書中に記述された如き混合段階及び分離段階の監視方法は、本明細書中に記述された如く核酸の分析に対して完全に自動化されたプロセスに包含される。故に、本明細書において開示される一切の方法、システム機器は好適には、本明細書中に記述された混合段階及び分離段階を監視する方法を備えて成る。このことは、上記分析方法、システム及び機器における試験の更に良好な効率、精度及び信頼性に繋がる。
【0030】
本発明の好適実施形態において、上記容器は少なくとも4個の更なる容器に対して一体的に結合される。
【0031】
本発明の1つの態様において、上記検出デバイスは上記容器の上方に取付けられる。好適には、上記検出デバイスはハウジング上に取付けられる。別の好適実施形態において、上記検出デバイスは分注ユニットの側部上に取付けられる。
【0032】
好適には、本発明の上記方法は、完全に自動化される。
【0033】
本発明の1つの態様において、制御ユニットは、上記粒子分布の測定内容に基づき、上記容器内に含まれた個別的な検査対象物であって無効である個別的な検査対象物を特定する。
【0034】
本発明の上記方法は好適には、画像を獲得する段階を備えて成り、上記画像は、データ削減方法を用いて処理されることで、削減された画像データが獲得される。好適には、上記データ削減方法は、処理アルゴリズムを備えて成る。斯かるアルゴリズムの非限定的な例は、ヒストグラム又は相互相関である。
【0035】
本発明の好適な態様においては、判別アルゴリズムが、削減された画像データの値に従い試験結果をフラグ判定する。
【0036】
本発明はまた、
垂直方向に移動され得る磁石を備えて成る分離デバイスであって、複数の光源を備えて成る分離デバイスを備えて成る分離ステーションと、
開放頂端部と閉塞底部とを備えて成る少なくとも1つの容器であって、液体中における磁性の又は磁化可能な粒子を備えて成る少なくとも1つの容器と、
上記液体中における上記磁性粒子を吸引して供与する分注ユニットと、
上記ピペット先端部が上記容器から離間移動されたときに上記容器の上方に配置される、好適にはCCDである検出デバイスとを備えて成り、
上記光源は上記容器を照らす、分析システムにも関している。
【0037】
好適には、上記検出デバイスは上記分注ユニットの側部上に取付けられる。
【0038】
上記少なくとも1つの容器は好適には、一体的に形成された少なくとも2つの容器から成る。更に好適には、上記少なくとも1つの容器は、1つのマルチウェル・プレートに含まれる。
【0039】
本発明の1つの態様において、上記複数の光源は光を、側方向又は上方向、更に好適には上方向に発している。好適には上記複数の光源は上記少なくとも1つの容器の下方に配置され、更に好適には、上記複数の光源の内の1つの光源は、上記マルチウェル・プレートの上記各容器の内の任意の1つの容器の下方に配置される。
【0040】
本発明の好適な態様において、上記システムは加熱デバイスを付加的に備えて成り、該加熱デバイスは各容器を夫々受容する開口を備えて成る。好適には、上記開口は底部におけるLEDを備えて成る。
【0041】
本発明の上記分析システムは好適には、上記液体中における上記磁性粒子の粒子分布を算出する制御ユニットを更に備えて成る。更に好適には、上記制御ユニットは、好適には上記CCDである上記検出デバイスによる上記粒子分布の測定内容に基づき、上記容器内に含まれた個別的な検査対象物であって無効である個別的な検査対象物を決定する。誤りのある検査対象物を特定してフラグ判定すると、更に高信頼性の試験が許容される。
【0042】
他の好適実施形態は、本明細書において上記に記述されている。
【0043】
好適には上記分析システムに含まれる更なる好適実施形態及び特徴は、以下に記述される。
【0044】
図1には、本発明に係る分析システムの好適実施形態が示される。分注デバイス802上にはカメラ801が取付けられる。該カメラは、マルチウェル・プレート101を捕捉806し得る。マルチウェル・プレート101の好適実施形態は、本明細書において以下に記述される。マルチウェル・プレート101は、LEDアレイ803を備えて成る分離ステーション230又は加熱ブロック128上に着座される。図2は、a)においては、磁石122及びLED804を備えた分離ステーション230を概略的に示している。b)においては、開口805を備えた加熱デバイス128が示される。各開口は、マルチウェル・プレート101の容器を夫々受容し得る。開口805の底部807には、LED804が配置される。図3は、固相粒子としての磁性粒子を含むマルチウェル・プレート101各容器の下方に配置されたLED804により発せられた光の測定内容を示している。a)において、磁性粒子は混合状態に在る。上記カメラは、低レベルの光のみを検出する。b)において、粒子は沈降状態に在る。上記カメラは、沈降した粒子が無い領域では光を検出し、沈降した粒子が在る領域では光を検出しない。c)において、磁性粒子は分離されている。各粒子は、図の下側となる容器の壁部へと隔離されている。上記カメラは、上記容器の残存領域であって、今や粒子が無い領域に亙り光を検出する。d)においては、“不完全”状態が示される。
【0045】
分析対象物を単離かつ分析する分析装置及び方法
上述された監視方法は好適には、流体サンプル中に存在し得る分析対象物を単離かつ分析する方法において使用される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
a)上記流体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
b)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記流体サンプルを相互に組み合わせる段階;
c)分離ステーションにおいて、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
d)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記流体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0046】
好適には、段階a)において使用された上記ピペット先端部は、該段階a)の後で再使用される。
【0047】
本明細書中で用いられる“受容器”という語句は、単一の容器(又は管体)、又は、マルチ管体ユニット中に含まれる1つの管体、又は、マルチウェル・プレートの1つのウェル(又は容器)に関連している。
【0048】
好適実施形態において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。更に好適には、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成る。
【0049】
本明細書中で用いられる“分析対象物”という語句は、検出に対して関心対象となる任意の種類の生体分子であり得ると共に、その検出は、生物の診断的状態を表す。上記生物は、動物、更に好適には人間であり得る。好適には、上記分析対象物は、タンパク質、ポリペプチド、抗体、又は、核酸である。更に好適には、上記分析対象物は核酸である。
【0050】
本明細書中で用いられる“反応する段階”という語句は、試薬に対する上記分析対象物の任意の種類の化学反応であって、検出可能信号を獲得するために必要であるという化学反応に関連する。好適には、上記反応段階は、増幅から成る。増幅は、信号に対する任意の種類の強化として理解され得る。故に、増幅は酵素による分子の変換であり得ると共に、その場合に上記酵素は上記分析対象物に対して連結又は結合されて検出可能信号に繋がり、分析対象物分子が存在するよりも多くの信号分子が形成される。1つの斯かる非限定的な例は、たとえばECLを用いた化学発光色素の形成である。増幅という語句は更に、上記分析対象物が核酸ならば、核酸増幅に関連する。これは、線形の等温的な増幅、及び、指数的な増幅の両方を包含する。核酸増幅方法の非限定的な例は、TMA、SDA、NASBA、及び、リアルタイムPCRを含むPCRである。当業者であれば、斯かる方法は公知である。
【0051】
本明細書中で用いられる“固体支持体”という語句は、吸着により直接的かつ非特異的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、たとえばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものである。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、好適には目標核酸は、目標でない物質、好適には目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマーとされ得るか、又は、複数種類のポリマーの組成物とされ得る。他の種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0052】
シリカ粒子に対する核酸の好適な非特異的結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、上述の間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。好適には、上記固体支持体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子である。
【0053】
本発明の上記分析システムは好適には、分析対象物を単離かつ分析する自動分析器であって、該分析器内に配設された複数のステーションを備えて成る自動分析器を備えて成る。上記複数のステーションは、第1箇所に配設されたサンプル供与ステーションを備えて成る。好適には上記サンプル供与ステーションは、分析対象物を含む液体サンプルを、ラック内に保持された各ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと供与すべく構成かつ配置される。更に好適なサンプル供与ステーションは、サンプル容器と、処理容器と、液体供与ユニットとを備えて成るステーションである。上記液体供与ユニットは好適には、処理デバイスである。
【0054】
上記自動分析器は、第2箇所に配設された分離ステーションを更に備えて成る。好適には上記分離ステーションは、上記液体サンプルを保持している上記処理容器と、上記サンプル供与ステーションにおいて使用された複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを受容すべく、且つ、上記液体サンプル中に存在する他の物質から分析対象物を分離すべく、構成かつ配置される。
【0055】
分離ステーションの別の好適実施形態は、可動磁石を備えて成る分離ステーションである。
【0056】
上記自動分析器は第3箇所に配設された反応ステーションを更に備えて成り、該反応ステーションは、上記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得すべく構成かつ配置される。反応ステーションの別の好適実施形態は、インキュベータを備えて成るステーションである。好適には、上記インキュベータは温度制御式のインキュベータである。更に好適には、上記インキュベータは1つの一定温度に保持される。インキュベータの別の好適実施形態は、サーマルサイクラー・ブロックである。好適には、上記反応ステーションに対し、更に好適には、本明細書において上記されたインキュベータに対し、検出可能信号を検出する検出器が一体的に接続される。好適な検出器は、周期的な測定及び定量のための核酸定量システムを備えて成る。更に好適には上記検出器は付加的に、信号を検出する核酸検出システムであって、閾値レベルを超える信号が検出されたか否かに基づいて反応受容器内の核酸の有無を確定するシステムを備えて成る。
【0057】
代替的に、上記自動分析器は付加的に、検出ステーションを備えて成る。該自動分析器は更に、搬送機構を備えて成る。該搬送機構は、消耗品を操作する操作器を備えて成る。該操作器は好適には、消耗品を各ステーション間で搬送する。一実施形態において上記搬送機構は、上記サンプル容器及び上記ラックを、上記サンプル供与ステーションから上記分離ステーションへと搬送すべく構成かつ配置される。本発明の上記自動分析器の更なる好適実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0058】
本明細書において上記された分析装置400の好適実施形態において、処理モジュール401は、分析対象物の単離及び精製のためのモジュールである。故に、本明細書中で用いられる“処理”という語句は、分析対象物の単離及び/又は分離及び/又は捕捉及び/又は精製に関連すると理解される。好適には、装置400は、処理のためにサンプルを調製するモジュール402を備えて成る。好適には装置400は、上記分析対象物の増幅のためのモジュール403を備えて成る。一好適実施形態において上記装置は、増幅試薬を、格納受容器から、精製済み分析対象物を含む受容器へと移送するモジュール404を付加的に備えて成る。上記装置の更なる好適実施形態は、本明細書において上記に且つ本明細書において下記に記述される。
【0059】
核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400の好適実施形態は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。1つのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、好適には分離済み核酸を備えて成るマルチウェル・プレートの少なくとも一個の受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とをインキュベートする温度制御式のインキュベータを備えて成る。
【0060】
好適実施形態において、上記分析システムは、本明細書中に記述された如く保持ステーションとマルチウェル・プレート・セットとを備えて成る。好適には、上記マルチウェル・プレート・セットは上記保持ステーション内に固定される。好適には、上記マルチウェル・プレートは複数の凹所を備える縁部を有する基部を備えて成り、上記各凹所に対しては、上記保持ステーション上の位置決め/固定要素、好適には掛止クリップ(図15及び図16)が接触し、該接触により上記マルチウェル・プレートの上記基部に対して下向きの圧力が及ぼされることで、上記マルチウェル・プレートは上記保持ステーションに固定される。上記分析システムの更なる好適実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0061】
上記分析機器は好適には、液体操作モジュール404、500を付加的に備えて成る。上記分析機器の更なる実施形態及び好適な実施形態は、別体的に、又は、各実施形態の組み合わせとして本明細書中に記述される。分析器の1つの好適実施形態は、図17に示される。
【0062】
本発明に係る上記分析機器は好適には、シール・ステーション410を付加的に備えて成る。シール・ステーション410は好適には、処理モジュール401内に配置される。
【0063】
“モジュール”及び“区画”という語句は、本明細書においては互換的に使用される。
【0064】
マルチウェル・プレート/処理プレート
好適なマルチウェル・プレートは、分析対象物をインキュベート又は分離するマルチウェル・プレートから成る。マルチウェル・プレートは好適には、分析システムにおいて用いられる。これにより、複数のサンプルの並行的な分離及び分析又は格納が許容される。マルチウェル・プレートは、最大量の液体取り込みに対し、又は、最大量の熱伝達に対して最適化され得る。
【0065】
本発明によれば、自動分析システムにおける最適な使用に対して改善されたマルチウェル・プレートが提供される。
【0066】
上記マルチウェル・プレートは、自動分析器における分析対象物のインキュベート又は分離に対して最適化される。好適には、上記マルチウェル・プレートは、磁気的デバイス及び/又は加熱デバイスと接触すべく構成かつ配置される。
【0067】
上記マルチウェル・プレートは、
頂部において複数の列にて配置された開口を有する複数の容器を備えて成る頂面であって、
上記各容器は、上側部分、中央部分、及び、底部部分を備えて成り、
上記上側部分は、上記マルチウェル・プレートの上記頂面に対して結合されると共に、2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を備えて成り、
上記中央部分は、2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を有する実質的に矩形状の断面を有する、
頂面と、
対置された2つの短寸側壁、及び、対置された2つの長寸側壁と、
上記磁気的デバイス及び/又は加熱デバイスに対して当該マルチウェル・プレートを接触して載置すべく構成かつ配置された開口を備えて成る基部と、
を備えて成る。
【0068】
上記マルチウェル・プレートの好適実施形態において、1つの列内において隣り合う各容器は、上記実質的に矩形状の長寸側辺にて相互に結合される。
【0069】
好適には、上記マルチウェル・プレートは、隣り合う容器列間に配置された連続空間を備えて成る。該連続空間は、プレート形状の磁気的デバイスを収容すべく構成かつ配置される。好適実施形態において、上記容器の底部部分は球状底部を備えて成る。更に好適な実施形態において上記容器の底部部分は、上記中央部分と上記球状底部との間に配置された円錐状部分を備えて成る。
【0070】
好適実施形態において、上記頂面は複数のリブを備えて成り、これらのリブは上記容器の上記開口を囲繞する。好適には、上記容器の上記上側部分の一方の短寸側辺は凹所を備えて成り、該凹所は、上記リブから上記容器の内側へと延在する屈曲表面を備えて成る。
【0071】
更に、好適実施形態において、上記容器は丸み付けられた内側形状を備えて成る。
【0072】
処理ステーション又はインキュベータステーションに対する固定のために、上記基部は好適には、複数の凹所を備えて成る縁部を備えて成る。分析器のステーション上の掛止クリップは、上記凹所に係合することで、上記プレートをステーション上に固定し得る。
【0073】
好適実施形態において、上記容器は本質的に一定の壁厚を備えて成る。
【0074】
本発明の処理プレート101は好適には、単一構成要素式のプレートである。その頂面110は、複数の容器103を備えて成る(図7、図8)。各容器は、頂部における開口108を有すると共に、底端部112にて閉じられる。頂面110は、該頂面110に対して好適に高位とされたリブ104であって、容器103の開口108を囲繞するリブ104を備えて成る。これにより、プレート101の頂面110上へと落下し得る液体の小滴による容器103の内容物の汚染が阻止される。好適な処理プレートの図は、図5から図16に示される。
【0075】
処理プレート101の設置面積は好適には、ANSI SBS設置面積フォーマットに対応する基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり、且つ、上記幅は85.48mm±0.25mmである。故にプレート101は、対置された2つの短寸側壁109及び対置された2つの長寸側壁118を有する。処理プレート101は、操作器500と相互作用する型形状繋止要素106を備えて成る。処理プレート101は、正しい配向及び姿勢を維持し乍ら、高速にて迅速かつ安全に、把持され、搬送され、且つ、位置決めされ得る。好適には、把持のための型形状繋止要素106は、処理プレート101の上側の中央部分内、好適には上側の中央の1/3の部分内に配置される。このことは、処理プレート101の可能的な歪曲が型形状繋止要素106に対して僅かな影響のみを有し、且つ、プレート101の取り扱いが更に高信頼性である、という利点を有している。
【0076】
容器103の中央部分120は、実質的に矩形状の断面を有する(図14)。それらは、殆ど矩形状の長寸側辺118に沿い共通壁部113により分離される(図14)。これにより形成される容器103の列は、限られた利用可能スペースに関わらず、各容器が大きな容量、好適には4mlを有する、という利点を有する。別の利点は、本質的に一定の壁厚の故に、製造が非常に経済的なことである。更なる利点は、各容器103は相互に強化し合うことから、形状の高度の安定性が実現され得ることである。
【0077】
容器103の各列123の間には、連続空間121が配置される(図11、図12)。空間121は、磁石122又は加熱デバイス128を収容し得る(図13)。これらの磁石122、127及び加熱デバイス128は好適には、固体デバイスである。故に、磁石122、127が容器103の近傍にもたらされたとき、容器103内に保持され得る液体215中に含まれる磁性粒子216は、容器103に対して磁界を及ぼすことにより液体215から分離され得る。又は、容器103の内容物は、処理プレート101が加熱デバイス128上に載置されたとき、上昇されて制御された温度にてインキュベートされ得る。磁石122、127又は加熱デバイス128は固体とされ得ることから、大きなエネルギ密度が達成され得る。容器103の中央部分120の殆ど矩形の形状によれば、容器103と磁石122又は加熱デバイス128の接触表面を最適化して容器103へのエネルギ伝達を最適化することにより、容器壁109と平坦形状磁石122又は加熱デバイス128との間における接触も最適化される。
【0078】
上記容器の円錐状底部111の領域において、空間121は更に顕著であり、且つ、更なる磁石127を収容し得る。容器3の上側領域における大寸磁石122及び円錐状領域における小寸磁石127の組み合わせによれば、大容量又は小容量の液体215中の磁性粒子216の分離が許容される。故に小寸磁石127によれば、溶出物分注の間における磁性粒子216の隔離が更に容易とされる。これにより、磁性粒子216のペレットの死容積を減少することにより、最小限度の損失を以て、溶出物を分注することが可能である。更に、移し換えられた溶出物中の磁性粒子216の存在は、最小限とされる。
【0079】
容器103の上端部にて、該容器103の短寸側壁109の一方は、円周方向リブ104まで延在する試薬取入チャネル105を備えて成る(図5から図7)。上記試薬は、試薬取入チャネル105上へと分注されると共に、該チャネル105から容器103内へと排出される。故に、ピペット・ニードル80又は先端部3、4と、上記容器内に収容された液体との間の接触は阻止される。更に、容器103内に収容された別の液体215中へと直接的に供与されつつある液体から帰着する飛沫であって、ピペット・ニードル80又は先端部3、4又は近傍の容器103の汚染を引き起こし得る飛沫が阻止される。小容量の試薬を試薬取入チャネル105上へと順次的に分注した後で最大容量の別の試薬が追随すると、少量のみで加えられた上記試薬は完全に容器103内へと排出されることが確実とされる。故に、実施されるべき試験の精度を失わずに、小容量の試薬の分注が可能である。
【0080】
内側において、上記容器の底部111、112上で、その形状は円錐状111となり、球状底部112で終端する(図8)。矩形の中央部分120を含む上記容器の内側形状114は、丸み付けされる。容器103の球状底部112、丸み付けされた内側形状114、円錐状部分111、及び、精緻化表面の組み合わせは、処理プレート101における分析対象物の効果的な分離及び精製を促進する好適な流体挙動に繋がる。球状底部112によれば、分離された溶出物の本質的に完全な使用と、死容積の減少とが許容され、これにより、試薬の持ち越し又はサンプルの相互汚染が減少される。
【0081】
処理プレート101の基部129上の縁部は、処理ステーション201上の掛止クリップ124、又は、加熱デバイス128、又は、分析機器126との係合のために凹所107を備えて成る(図10、図15、図16)。凹所107に対する掛止クリップ124の係合によれば、処理ステーション201上での処理プレート101の位置決め及び固定が許容される。凹所107の存在によれば、掛止力は基部129に対して殆ど垂直に、処理プレート101に対して作用し得る。故に、側方に作用するのは小さな力のみが生じ得る。これにより、歪みの発生が低減されることから、処理プレート101の変形が低減される。上記の垂直な掛止力はまた、処理プレート101の一切の変形を回避することで、処理ステーション201内における球状底部111の更に正確な位置決めに繋がり得る。概略的に、分析器126内における処理プレート101と処理ステーション201又は加熱デバイス128との間の正確な接合によれば、死容積が減少されると共に、サンプルの相互汚染の虞れも減少される。
【0082】
分離ステーション
本発明の好適な態様には、容器内に収容された液体中の磁性粒子に結合した分析対象物を分離するデバイスが包含される。該デバイスは、当該マルチウェル・プレートの頂面における開口と閉塞された底部とを備える複数の容器を備えて成るマルチウェル・プレートを備えて成る。上記容器は、上側部分、中央部分及び底部部分を備えて成り、上記上側部分は、上記マルチウェル・プレートの上記頂面に対して結合されると共に、好適には2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を備えて成る。上記中央部分は、2つの長寸側辺を有する実質的に矩形状の断面を有し、上記各容器は列毎に整列される。隣り合う2つの列同士の間には、固定具上に取付けられた少なくとも一個の磁石を、少なくとも2つのZ位置において側壁に対して選択的に接触させるための連続空間が配置される。上記デバイスは更に、少なくとも一個の固定具を備えて成る磁気的分離ステーションを備えて成る。上記固定具は、磁界を生成する少なくとも一個の磁石を備えて成る。少なくとも一個の磁石を備えて成る上記少なくとも一個の固定具を、上記マルチウェル・プレートの各容器に関する少なくとも第1及び第2の位置の間において垂直に移動させる移動機構が存在する。好適には、上記容器の上記少なくとも2つのZ位置は、上記容器の側壁及び底部部分を備えて成る。上記少なくとも一個の磁石の磁界は好適には、該少なくとも一個の磁石が上記第1位置に在るときに、磁性粒子を、上記少なくとも一個の磁石の近傍である容器の内側面へと吸引する。上記磁界の効果は、上記少なくとも一個の磁石が上記第1位置に在るときよりも、上記少なくとも一個の磁石が上記第2位置にあるときの方が少ない。好適には、上記少なくとも一個の磁石を備えて成る上記固定具は、フレームを備えて成る。上記容器は、マルチウェル・プレート/処理プレートに基づいて記述された好適な特徴を有する。斯かる1つの好適な特徴は、上記容器の少なくとも一部分が、該容器の軸心に直交する実質的に矩形状の断面を有することである。
【0083】
上記第1位置において、上記少なくとも一個の磁石は上記容器の上記部分の近傍である。近傍とは、容器の内容物に磁界を及ぼす如く非常に接近しているか、又は、容器と物理接触するかのいずれかを意味すると理解される。
【0084】
上記分離ステーションは、上記マルチウェル・プレートを受容するフレームと、上記マルチウェル・プレートを取付ける掛止クリップとを備えて成る。好適には、上記分離ステーションは2つの形式の磁石を備えて成る。この好適実施形態は、以下において更に記述される。
【0085】
以下においては、各磁石が上記マルチウェル・プレートの容器に当接して押圧される如く、各磁石を備えて成る上記フレームに対して圧力を及ぼすスプリングを備えて成る第2の好適実施形態が記述される。
【0086】
上記第1磁石は好適には、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む大容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置される。上記第2磁石は好適には、上記容器内に保持されて磁性粒子を含む小容量の液体に対して磁界を及ぼすためにマルチウェル・プレートの容器と相互作用すべく構成かつ配置される。上記第1及び第2磁石は、異なるZ位置へと移動され得る。
【0087】
本発明は更に、分析対象物、好適には核酸を単離して精製する方法を包含する。該方法は、マルチウェル・プレートの容器内で分析対象物を磁性粒子に対して結合させる段階を備えて成る。上記容器は、上側開口、中央部分、及び、底部部分を備えて成る。次に、上記液体の大部分が、矩形状を有する上記中央部分へと上記容器の円錐状部分が遷移する区画の上方に配置されたとき、磁石を第2位置から第1位置へと移動させ、該第1位置においては上記中央部分に対して磁界を印加し、且つ、選択的に上記容器の底部部分に対して磁界を印加することにより、結合した物質は液体中に含まれる未結合の物質から分離される。上記磁性粒子は、洗浄溶液により選択的に洗浄され得る。上記液体の大部分が、矩形状を有する上記中央部分へと上記容器の円錐状部分が遷移する区画の下方に配置されたとき、小容量の液体は、上記容器の上記底部部分に対して磁界を選択的に印加することにより、上記磁性粒子から分離される。
【0088】
本明細書において上記された方法は好適には、段階c)と段階d)との間において、核酸を溶出する段階を付加的に備えて成る。好適には上記方法は、上記溶出物を、上記マルチウェル・プレートから第2のマルチウェル・プレートへと移し換える段階を備えて成る。更なる好適実施形態においては、段階b)において、第1形式の磁石は第2位置から第1位置へと移動されて上記容器の中央部分に対して磁界を印加し、且つ、選択的に、第2形式の磁石が上記容器の上記底部部分へと移動されて磁界を印加する。更に好適には、段階b)に対し、磁石が上記容器の上記中央部分へと移動され、且つ、該磁石は上記容器の上記底部部分へと、核酸を溶出するための第3位置へと移動される。
【0089】
本発明はまた、磁性粒子に対して結合した分析対象物を分離する磁気的分離ステーションにも関し、該分離ステーションは、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む大容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置された第1磁石と、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む小容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置された第2磁石とを備えて成り、且つ、上記第1及び第2の磁石は、異なるZ位置へと移動され得る。上記磁気的分離ステーションの好適実施形態は、本明細書中に記述される。
【0090】
好適実施形態において分離ステーション230は、少なくとも一個の磁石232、好適には、1つの列123における容器103の個数に等しい個数の磁石を備えて成る少なくとも一個の固定具231を備えて成る。好適には分離ステーション230は、本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101の列123の個数に等しい個数の固定具231を備えて成る。更に好適には、分離ステーション230には6個の固定具231が取付けられる。1つの固定具231には、少なくとも一個の磁石232が取付けられる。好適には、磁石232の個数は、1つの列123における容器103の個数に等しい。更に好適には、1つの固定具231には8個の磁石232が取付けられる。好適には、上記固定具231上には1つの形式の磁石232が含まれる。更に好適には、磁石232は、該磁石が容器と相互作用する側を容器に向けて配向して取付けられる。
【0091】
固定具231は基部233上に取付けられる。好適には、該取付けは可撓的である。基部233は、自身上に取付けられたスプリング234を備えて成る。スプリング234の個数は、基部233上に取付けられた固定具231毎に、少なくとも一個のスプリングである。上記基部は更に、上記スプリングの移動、故に、磁石232を備えて成る固定具231の移動を制限する面取り部236を備えて成る。好適には、各スプリング234の内のいずれか1つは、固定具231と相互作用すべく構成かつ配置される。更に好適には、スプリング234はヨーク・スプリングである。上記相互作用によれば、固定具231の水平移動が制御される。更に、分離ステーション230はフレーム235を備えて成る。固定具231を備える基部233は、上記第1実施形態の磁石232に対して本明細書において上記された移動機構により、フレーム235に対して接続される。
【0092】
好適には、基部233及び固定具231は垂直方向に(Z方向に)移動すべく構成かつ配置される。
【0093】
本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101は、分離ステーション230内へと挿入される。磁石232を備えて成る固定具231は、垂直方向に移動される。故に、いずれか1つの固定具232が、容器103の2つの列123の間の空間121内へと移動される。上記垂直移動により、固定具231上に取付けられた磁石232は容器103と接触せしめられる。Z位置は、容器103の内側における液体215の体積に依存して選択される。大きな体積に対し、磁石232は、容器103が殆ど矩形状である中央位置120において該容器103と接触する。液体215の大部分が容器103の中央部分120の下方に配置される小体積の液体215に対し、磁石232は好適には、容器103の円錐状部分111と接触する。
【0094】
いずれか1つのフレーム231の基部233には、スプリングが取付けられる(図18a)、b))。該スプリングは、磁石232を容器103に対して押圧する。これにより、磁気的分離の間における磁石232と容器103との間の接触が確実とされる。好適には、磁石232は、取入口105の下方に配置された側壁109上の容器103に接触する。このことは、分注により加えられた液体が、隔離された磁性粒子を越えて流れるという利点を有すると共に、上記粒子は再懸濁され且つ全ての容器内の全てのサンプルが同一的に処理されることが確実となる。
【0095】
この実施形態は特に、本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101の容器103内に異なるレベルの液体215が収容されたときに、マルチウェル・プレート101内に含まれた液体215を磁性粒子216から分離するのに適している。
【符号の説明】
【0096】
29 ピペット先端部
101 マルチウェル・プレート/処理プレート
103 容器
122 磁石
216 磁性粒子
230 分離ステーション
801 カメラ
802 分注デバイス
803 LEDアレイ
804 LED
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプルから分析対象物を分離するために固相を用いる分析システムにおいて混合段階及び分離段階を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析方法及びシステムにおいて、効率的な分析のために、分析対象物の単離及び分離が必要なことが多い。分析対象物を単離及び分離する1つの方法は、懸濁物(suspension)中の磁気的な又は磁化可能な粒子に対して結合させる段階と、次に磁界中で分離する段階とを備えて成る。上記単離及び分離の各段階の品質は、結合段階、分離段階及び洗浄段階の間における適切な粒子分布に依存する。一般的には、(たとえば、分離用の容器中にセンサを載置するなどの)侵襲的な方法が使用される。
【0003】
特許文献1は、磁界の存在下において、すなわち、磁性粒子が側壁に対して結合され且つ光路の外部であるときに、磁性粒子を含む液体の特性を測定することを開示している。
【0004】
特許文献2は、分析対象物の定量のための統合型流動システムにおける検出器の例を開示している。しかし該文献は、光源及び検出器の特定の配置構成を何ら開示していない。該文献はまた、混合段階及び分離段階の間における固相の粒子分布の測定方法を何ら開示してもいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−315338号
【特許文献2】国際特許出願公開公報第WO2009/129415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、分析システムにおいて磁性粒子を用いた混合段階及び分離段階を監視する優れた方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
固相粒子を含む懸濁物を、容器内における液体に対して混合又は分離する段階と、
上記容器を光源により照らす段階と、
上記光源により照射された光を、上記容器の上方に配置された上記検出デバイスにより検出する段階とを備えて成り、
検出された上記光は、上記液体中に存在する固相粒子の粒子分布の尺度である、
固相粒子を含む懸濁物の混合段階及び分離段階を監視する方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
この方法は、混合段階及び分離段階の非侵襲的な監視を許容するという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】LEDプリント(LED print)と、処理プレートを通過した光を検出すべく処理ヘッドに取付けられたカメラとを備える分離又は加熱ステーションを示す図である。
【図2】a)はLEDプリントと磁石とを備えた分離ステーションを示す図であり、且つ、b)はLEDプリントを備えた加熱ステーションを示す図である。
【図3】LEDにより照らされた固相粒子を含む容器を示す図であり、a)は混合された固相粒子を備える容器であり、b)は固相粒子が沈降した容器であり、c)は(磁界が印加された)分離状態における容器内の粒子であり、d)は固相粒子が“不完全”状態に在る容器である。
【図4】a)は第1及び第2形式のピペット先端部の斜視図であり、且つ、b)はピペット・ニードルを示す図である。
【図5】処理プレートの斜視図である。
【図6】逆の角度からの上記処理プレートの斜視図である。
【図7】上記処理プレートの平面図である。
【図8】上記処理プレートの長寸側辺に沿う断面図である。
【図9】上記断面図の部分図である。
【図10】上記処理プレートの上記長寸側辺の斜視図である。
【図11】上記処理プレートの底部の斜視図である。
【図12】上記処理プレートの上記底部の更に垂直な斜視図である。
【図13】上記処理プレートの容器に対する、分離ステーションの第1好適実施形態の小寸磁石の装着を示す図である。
【図14】上記処理プレート及び容器の中央領域の水平断面図である。
【図15】上記処理プレートを受容するステーション(たとえば磁気的分離ステーション)における該処理プレートの装着を示す図であり、繋止機構は係合解除されている。
【図16】上記処理プレートを受容するステーション(たとえば磁気的分離ステーション)における該処理プレートの装着を示す図であり、上記繋止機構は係合されている。
【図17】種々のステーション、モジュール又は区画を備えて成る分析器の概略図である。
【図18】a)からd)は、上記磁気的分離ステーションの第2実施形態の種々の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、
固相粒子を含む懸濁物を、容器内における液体に対して混合又は分離する段階と、
上記容器を光源により照らす段階と、
上記光源により照射された光を、上記容器の上方に配置された上記検出デバイスにより検出する段階とを備えて成り、
検出された上記光は、上記液体中に存在する固相粒子の粒子分布の尺度である、
固相粒子を含む懸濁物の混合段階及び分離段階を監視する方法に関する。
【0011】
好適には、上記検出デバイスはCCDである。
【0012】
好適実施形態において、上記光源は、上記容器の側部上又は該容器の下方、更に好適には該容器の下方に配置される。
【0013】
好適実施形態において、上記検出デバイスは移動可能に取付けられると共に、該検出デバイスは上記容器の上方において移動かつ配置される。更に好適には、上記検出デバイスは分注ユニット上に取付けられる。
【0014】
本明細書において上記に及び本明細書において以下に記述される本発明の好適実施形態において、上記光を検出する段階は、照射された光の画像を獲得する段階を備えて成る。
【0015】
好適には、これらの光の画像から、制御ユニットにより粒子分布が測定されて算出される。上記測定は、上記固相粒子の存在下で上記液体を通過する光が減少する量に基づく。
【0016】
本発明の1つの態様において、上記獲得された画像は、好適には上記制御ユニットにより、データ削減方法を用いて処理される。好適には、上記データ削減方法は、処理アルゴリズムを備えて成り、更に好適には、アルゴリズムはヒストグラム又は相互相関を備えて成り得る。データ削減に対して適切な他の種類のアルゴリズムもまた使用され得る。削減された画像データは好適には、上記データ削減により生成される。好適には、判別アルゴリズムが、削減された画像データに従い試験結果をフラグ判定する。
【0017】
“容器”という語句は、単一の容器、又は、マルチ管体ユニットにおける単一の容器、マルチウェル・プレート又はマルチ管体ユニット、又は、マルチウェル・プレートの1つのウェルを意味すると理解される。好適には、上記容器は1つのマルチウェル・プレートに含まれる。更に好適には、上記マルチウェル・プレートは、少なくとも1mlの容量を備える複数の容器を備えて成る。マルチウェル・プレートの1つの好適実施形態は、以下に記述される如き処理プレートである。各図中に示された好適実施形態において示される如く、1つの容器は、開放頂端部及び閉塞底部を有している。故に上記容器は、頂部からピペット先端部に対してアクセス可能である。
【0018】
本明細書中で用いられる“固相粒子”という語句は、吸着により直接的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、たとえばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものである。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、好適には目標核酸は、目標でない物質、好適には目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマーとされ得るか、又は、複数種類のポリマーの組成物とされ得る。好適な固相粒子は、磁性の又は磁化可能な粒子である。好適な種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0019】
シリカ粒子に対する核酸の好適な非特異的結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、上述の間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。好適には、上記固体支持体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子である。
【0020】
“磁性の”という語句は、磁性の及び磁化可能な粒子を包含する。更に好適には、上記固相粒子はシリカ系粒子、最も好適には磁性ガラス粒子である。斯かる粒子は、当業界において公知である。
【0021】
“混合段階又は分離段階”という語句は、任意の形式の混合段階及び分離段階に関連する。混合段階は好適には、好適には核酸である分析対象物が固相に対して結合することを許容する混合段階に関する。混合段階は、振動機を用いた液体懸濁物の振動段階を包含し得る。混合段階はまた、分注デバイスに対して接続されたピペット先端部により懸濁物を吸引かつ供与する段階を備えて成る、吸引及び吐出式の混合段階(sip & spit mixing)に関連しても良い。吸引及び吐出式の混合段階は、混合段階の好適実施形態である。分離段階は、分析対象物が結合した固相を液体から分離するに適した任意の方法を包含し得る。分離段階の好適実施形態は、磁性の又は磁化可能な粒子、好適には磁性の又は磁化可能なシリカ粒子に対して分析対象物を結合させる段階と、磁気的分離ステーションを用いて分離を行う段階とを備えて成る。磁気的分離に対して使用可能である磁気的分離ステーション及びマルチウェル・プレートの好適実施形態は、本明細書において後に記述される。好適には、分離段階は、上記固相から上記液体を除去する段階を備えて成り、更に好適には、上記磁気的分離ステーションにおいて磁界を印加し乍ら上記磁性シリカ粒子から上記液体を除去する段階を備えて成る。
【0022】
好適には、上記混合段階は、上記ピペット先端部により吸引及び供与を行う段階を備えて成り、且つ、当該方法は、混合段階に続いて上記容器から上記ピペット先端部を取出す段階を付加的に備えて成る。
【0023】
“光源”という語句は、検出デバイスにより検出可能な光を発する任意の形式の光源に関連する。光源の好適で非限定的な例は、LED又はハロゲンランプである。
【0024】
図4a)及びb)には、ピペット先端部29及びニードル80の非限定的な例が示される。
【0025】
混合段階の監視が意図された場合、上記容器からピペット先端部が取出されたとき、上記検出デバイス、好適にはCCDにより粒子分布が測定される。これにより、上記制御ユニットは、粒子分布が或る所定の閾値より低い容器を特定することが許容される。斯かる容器は次に上記制御ユニットにより、残りの分析プロセスに対して無効であるとフラグ判定される。
【0026】
一好適実施形態において、上記分離段階は、上記容器を磁界に露出する段階を備えて成る。更に好適には、上記分離段階は、上記容器を、分離デバイスにおいて分離ステーションの磁石に対して接触させる段階を備えて成る。分離ステーションとマルチウェル・プレートとを備えて成る本発明の好適な分離デバイスは、以下に記述される。
【0027】
好適には、分離段階の監視が意図された場合、分離段階が終了されたときに、上記検出デバイスにより粒子分布が測定される。これにより、上記制御ユニットは、液体と磁性粒子とを含む個別的な複数の容器、すなわち分離が不十分であった容器を特定することが許容される。これらの容器及びそれらの内容物は次に、上記制御ユニットにより、残りの分析プロセスに対して無効であるとフラグ判定される。
【0028】
本発明に係る混合段階及び分離段階の監視方法によれば、混合段階又は分離段階が誤りであるならば個別的な試験が無効であるとの決定が許容されることから、分析プロセスにより獲得された結果のデータの完全性及び信頼性が改善される。
【0029】
本発明の1つの態様において、本明細書中に記述された如き混合段階及び分離段階の監視方法は、本明細書中に記述された如く核酸の分析に対して完全に自動化されたプロセスに包含される。故に、本明細書において開示される一切の方法、システム機器は好適には、本明細書中に記述された混合段階及び分離段階を監視する方法を備えて成る。このことは、上記分析方法、システム及び機器における試験の更に良好な効率、精度及び信頼性に繋がる。
【0030】
本発明の好適実施形態において、上記容器は少なくとも4個の更なる容器に対して一体的に結合される。
【0031】
本発明の1つの態様において、上記検出デバイスは上記容器の上方に取付けられる。好適には、上記検出デバイスはハウジング上に取付けられる。別の好適実施形態において、上記検出デバイスは分注ユニットの側部上に取付けられる。
【0032】
好適には、本発明の上記方法は、完全に自動化される。
【0033】
本発明の1つの態様において、制御ユニットは、上記粒子分布の測定内容に基づき、上記容器内に含まれた個別的な検査対象物であって無効である個別的な検査対象物を特定する。
【0034】
本発明の上記方法は好適には、画像を獲得する段階を備えて成り、上記画像は、データ削減方法を用いて処理されることで、削減された画像データが獲得される。好適には、上記データ削減方法は、処理アルゴリズムを備えて成る。斯かるアルゴリズムの非限定的な例は、ヒストグラム又は相互相関である。
【0035】
本発明の好適な態様においては、判別アルゴリズムが、削減された画像データの値に従い試験結果をフラグ判定する。
【0036】
本発明はまた、
垂直方向に移動され得る磁石を備えて成る分離デバイスであって、複数の光源を備えて成る分離デバイスを備えて成る分離ステーションと、
開放頂端部と閉塞底部とを備えて成る少なくとも1つの容器であって、液体中における磁性の又は磁化可能な粒子を備えて成る少なくとも1つの容器と、
上記液体中における上記磁性粒子を吸引して供与する分注ユニットと、
上記ピペット先端部が上記容器から離間移動されたときに上記容器の上方に配置される、好適にはCCDである検出デバイスとを備えて成り、
上記光源は上記容器を照らす、分析システムにも関している。
【0037】
好適には、上記検出デバイスは上記分注ユニットの側部上に取付けられる。
【0038】
上記少なくとも1つの容器は好適には、一体的に形成された少なくとも2つの容器から成る。更に好適には、上記少なくとも1つの容器は、1つのマルチウェル・プレートに含まれる。
【0039】
本発明の1つの態様において、上記複数の光源は光を、側方向又は上方向、更に好適には上方向に発している。好適には上記複数の光源は上記少なくとも1つの容器の下方に配置され、更に好適には、上記複数の光源の内の1つの光源は、上記マルチウェル・プレートの上記各容器の内の任意の1つの容器の下方に配置される。
【0040】
本発明の好適な態様において、上記システムは加熱デバイスを付加的に備えて成り、該加熱デバイスは各容器を夫々受容する開口を備えて成る。好適には、上記開口は底部におけるLEDを備えて成る。
【0041】
本発明の上記分析システムは好適には、上記液体中における上記磁性粒子の粒子分布を算出する制御ユニットを更に備えて成る。更に好適には、上記制御ユニットは、好適には上記CCDである上記検出デバイスによる上記粒子分布の測定内容に基づき、上記容器内に含まれた個別的な検査対象物であって無効である個別的な検査対象物を決定する。誤りのある検査対象物を特定してフラグ判定すると、更に高信頼性の試験が許容される。
【0042】
他の好適実施形態は、本明細書において上記に記述されている。
【0043】
好適には上記分析システムに含まれる更なる好適実施形態及び特徴は、以下に記述される。
【0044】
図1には、本発明に係る分析システムの好適実施形態が示される。分注デバイス802上にはカメラ801が取付けられる。該カメラは、マルチウェル・プレート101を捕捉806し得る。マルチウェル・プレート101の好適実施形態は、本明細書において以下に記述される。マルチウェル・プレート101は、LEDアレイ803を備えて成る分離ステーション230又は加熱ブロック128上に着座される。図2は、a)においては、磁石122及びLED804を備えた分離ステーション230を概略的に示している。b)においては、開口805を備えた加熱デバイス128が示される。各開口は、マルチウェル・プレート101の容器を夫々受容し得る。開口805の底部807には、LED804が配置される。図3は、固相粒子としての磁性粒子を含むマルチウェル・プレート101各容器の下方に配置されたLED804により発せられた光の測定内容を示している。a)において、磁性粒子は混合状態に在る。上記カメラは、低レベルの光のみを検出する。b)において、粒子は沈降状態に在る。上記カメラは、沈降した粒子が無い領域では光を検出し、沈降した粒子が在る領域では光を検出しない。c)において、磁性粒子は分離されている。各粒子は、図の下側となる容器の壁部へと隔離されている。上記カメラは、上記容器の残存領域であって、今や粒子が無い領域に亙り光を検出する。d)においては、“不完全”状態が示される。
【0045】
分析対象物を単離かつ分析する分析装置及び方法
上述された監視方法は好適には、流体サンプル中に存在し得る分析対象物を単離かつ分析する方法において使用される。該方法は、自動化された以下の各段階を備えて成る:
a)上記流体サンプルを、ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと移し換える段階;
b)上記処理容器のウェル内において、上記分析対象物が固体支持物質上に固定化されるのを許容するに十分な時的間隔及び条件下で、上記固体支持物質及び上記流体サンプルを相互に組み合わせる段階;
c)分離ステーションにおいて、上記流体サンプル中に存在する他の物質から上記固体支持物質を単離する段階;及び、
d)上記分離ステーションにおいて、上記固体支持物質から上記流体サンプルを分離し且つ上記物質を洗浄用緩衝液により一回以上洗浄することにより、上記分析対象物を精製する段階。
【0046】
好適には、段階a)において使用された上記ピペット先端部は、該段階a)の後で再使用される。
【0047】
本明細書中で用いられる“受容器”という語句は、単一の容器(又は管体)、又は、マルチ管体ユニット中に含まれる1つの管体、又は、マルチウェル・プレートの1つのウェル(又は容器)に関連している。
【0048】
好適実施形態において、上記反応段階は、検出可能信号を生成する段階を備えて成る。更に好適には、上記方法は付加的に、検出可能信号を検出する段階を備えて成る。
【0049】
本明細書中で用いられる“分析対象物”という語句は、検出に対して関心対象となる任意の種類の生体分子であり得ると共に、その検出は、生物の診断的状態を表す。上記生物は、動物、更に好適には人間であり得る。好適には、上記分析対象物は、タンパク質、ポリペプチド、抗体、又は、核酸である。更に好適には、上記分析対象物は核酸である。
【0050】
本明細書中で用いられる“反応する段階”という語句は、試薬に対する上記分析対象物の任意の種類の化学反応であって、検出可能信号を獲得するために必要であるという化学反応に関連する。好適には、上記反応段階は、増幅から成る。増幅は、信号に対する任意の種類の強化として理解され得る。故に、増幅は酵素による分子の変換であり得ると共に、その場合に上記酵素は上記分析対象物に対して連結又は結合されて検出可能信号に繋がり、分析対象物分子が存在するよりも多くの信号分子が形成される。1つの斯かる非限定的な例は、たとえばECLを用いた化学発光色素の形成である。増幅という語句は更に、上記分析対象物が核酸ならば、核酸増幅に関連する。これは、線形の等温的な増幅、及び、指数的な増幅の両方を包含する。核酸増幅方法の非限定的な例は、TMA、SDA、NASBA、及び、リアルタイムPCRを含むPCRである。当業者であれば、斯かる方法は公知である。
【0051】
本明細書中で用いられる“固体支持体”という語句は、吸着により直接的かつ非特異的に、又は、間接的かつ特異的に分析対象物が結合し得る任意の種類の固体支持体に関連している。間接的結合は、固体支持体上に固定化された抗体に対する分析対象物の結合、又は、たとえばNiキレートに対する6xHisタグの結合などの、タグ結合化合物に対するタグの結合であり得る。上記分析対象物が核酸であるとき、斯かる間接的結合は好適には、関心対象となる核酸の目標配列と同種である捕捉核酸プローブに対する結合によるものである。故に、固体支持体上に取付けられた捕捉プローブを用いると、目標分析対象物、好適には目標核酸は、目標でない物質、好適には目標でない核酸から分離され得る。斯かる捕捉プローブは、上記固体支持体上に固定化される。固体支持物質は、一種類のポリマーとされ得るか、又は、複数種類のポリマーの組成物とされ得る。他の種類の固体支持物質としては、磁性シリカ粒子、金属粒子などが挙げられる。
【0052】
シリカ粒子に対する核酸の好適な非特異的結合は、カオトロピック化合物の存在下で行われる。斯かる結合はまた、上述の間接的結合と対照的に、直接的結合とも称される。好適には、上記固体支持体は、磁気的な又は磁化可能な物質から成るシリカ粒子である。
【0053】
本発明の上記分析システムは好適には、分析対象物を単離かつ分析する自動分析器であって、該分析器内に配設された複数のステーションを備えて成る自動分析器を備えて成る。上記複数のステーションは、第1箇所に配設されたサンプル供与ステーションを備えて成る。好適には上記サンプル供与ステーションは、分析対象物を含む液体サンプルを、ラック内に保持された各ピペット先端部によりサンプル容器から処理容器へと供与すべく構成かつ配置される。更に好適なサンプル供与ステーションは、サンプル容器と、処理容器と、液体供与ユニットとを備えて成るステーションである。上記液体供与ユニットは好適には、処理デバイスである。
【0054】
上記自動分析器は、第2箇所に配設された分離ステーションを更に備えて成る。好適には上記分離ステーションは、上記液体サンプルを保持している上記処理容器と、上記サンプル供与ステーションにおいて使用された複数のピペット先端部を保持する上記ラックとを受容すべく、且つ、上記液体サンプル中に存在する他の物質から分析対象物を分離すべく、構成かつ配置される。
【0055】
分離ステーションの別の好適実施形態は、可動磁石を備えて成る分離ステーションである。
【0056】
上記自動分析器は第3箇所に配設された反応ステーションを更に備えて成り、該反応ステーションは、上記分析対象物を分析して検出可能信号を獲得すべく構成かつ配置される。反応ステーションの別の好適実施形態は、インキュベータを備えて成るステーションである。好適には、上記インキュベータは温度制御式のインキュベータである。更に好適には、上記インキュベータは1つの一定温度に保持される。インキュベータの別の好適実施形態は、サーマルサイクラー・ブロックである。好適には、上記反応ステーションに対し、更に好適には、本明細書において上記されたインキュベータに対し、検出可能信号を検出する検出器が一体的に接続される。好適な検出器は、周期的な測定及び定量のための核酸定量システムを備えて成る。更に好適には上記検出器は付加的に、信号を検出する核酸検出システムであって、閾値レベルを超える信号が検出されたか否かに基づいて反応受容器内の核酸の有無を確定するシステムを備えて成る。
【0057】
代替的に、上記自動分析器は付加的に、検出ステーションを備えて成る。該自動分析器は更に、搬送機構を備えて成る。該搬送機構は、消耗品を操作する操作器を備えて成る。該操作器は好適には、消耗品を各ステーション間で搬送する。一実施形態において上記搬送機構は、上記サンプル容器及び上記ラックを、上記サンプル供与ステーションから上記分離ステーションへと搬送すべく構成かつ配置される。本発明の上記自動分析器の更なる好適実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0058】
本明細書において上記された分析装置400の好適実施形態において、処理モジュール401は、分析対象物の単離及び精製のためのモジュールである。故に、本明細書中で用いられる“処理”という語句は、分析対象物の単離及び/又は分離及び/又は捕捉及び/又は精製に関連すると理解される。好適には、装置400は、処理のためにサンプルを調製するモジュール402を備えて成る。好適には装置400は、上記分析対象物の増幅のためのモジュール403を備えて成る。一好適実施形態において上記装置は、増幅試薬を、格納受容器から、精製済み分析対象物を含む受容器へと移送するモジュール404を付加的に備えて成る。上記装置の更なる好適実施形態は、本明細書において上記に且つ本明細書において下記に記述される。
【0059】
核酸に基づく増幅反応を実施する際に使用される自動分析器400の好適実施形態は、複数のモジュール401、402、403を備えて成る。1つのモジュールは、該分析器内の第1箇所に配設された処理モジュールであって、サンプル中の他の物質から核酸を分離すべく構成かつ配置された処理モジュールである。該処理モジュールは、本明細書において記述される如き分離デバイスを備えて成る。上記分析器は、該分析器内の第2箇所に配設かつ配置された増幅モジュールを更に備えて成る。該増幅モジュールは、好適には分離済み核酸を備えて成るマルチウェル・プレートの少なくとも一個の受容器の内容物と、サンプル中の目標核酸を表す増幅生成物を生成する一種類以上の増幅試薬とをインキュベートする温度制御式のインキュベータを備えて成る。
【0060】
好適実施形態において、上記分析システムは、本明細書中に記述された如く保持ステーションとマルチウェル・プレート・セットとを備えて成る。好適には、上記マルチウェル・プレート・セットは上記保持ステーション内に固定される。好適には、上記マルチウェル・プレートは複数の凹所を備える縁部を有する基部を備えて成り、上記各凹所に対しては、上記保持ステーション上の位置決め/固定要素、好適には掛止クリップ(図15及び図16)が接触し、該接触により上記マルチウェル・プレートの上記基部に対して下向きの圧力が及ぼされることで、上記マルチウェル・プレートは上記保持ステーションに固定される。上記分析システムの更なる好適実施形態は、本明細書において開示された個別的な又は組み合わされた特徴である。
【0061】
上記分析機器は好適には、液体操作モジュール404、500を付加的に備えて成る。上記分析機器の更なる実施形態及び好適な実施形態は、別体的に、又は、各実施形態の組み合わせとして本明細書中に記述される。分析器の1つの好適実施形態は、図17に示される。
【0062】
本発明に係る上記分析機器は好適には、シール・ステーション410を付加的に備えて成る。シール・ステーション410は好適には、処理モジュール401内に配置される。
【0063】
“モジュール”及び“区画”という語句は、本明細書においては互換的に使用される。
【0064】
マルチウェル・プレート/処理プレート
好適なマルチウェル・プレートは、分析対象物をインキュベート又は分離するマルチウェル・プレートから成る。マルチウェル・プレートは好適には、分析システムにおいて用いられる。これにより、複数のサンプルの並行的な分離及び分析又は格納が許容される。マルチウェル・プレートは、最大量の液体取り込みに対し、又は、最大量の熱伝達に対して最適化され得る。
【0065】
本発明によれば、自動分析システムにおける最適な使用に対して改善されたマルチウェル・プレートが提供される。
【0066】
上記マルチウェル・プレートは、自動分析器における分析対象物のインキュベート又は分離に対して最適化される。好適には、上記マルチウェル・プレートは、磁気的デバイス及び/又は加熱デバイスと接触すべく構成かつ配置される。
【0067】
上記マルチウェル・プレートは、
頂部において複数の列にて配置された開口を有する複数の容器を備えて成る頂面であって、
上記各容器は、上側部分、中央部分、及び、底部部分を備えて成り、
上記上側部分は、上記マルチウェル・プレートの上記頂面に対して結合されると共に、2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を備えて成り、
上記中央部分は、2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を有する実質的に矩形状の断面を有する、
頂面と、
対置された2つの短寸側壁、及び、対置された2つの長寸側壁と、
上記磁気的デバイス及び/又は加熱デバイスに対して当該マルチウェル・プレートを接触して載置すべく構成かつ配置された開口を備えて成る基部と、
を備えて成る。
【0068】
上記マルチウェル・プレートの好適実施形態において、1つの列内において隣り合う各容器は、上記実質的に矩形状の長寸側辺にて相互に結合される。
【0069】
好適には、上記マルチウェル・プレートは、隣り合う容器列間に配置された連続空間を備えて成る。該連続空間は、プレート形状の磁気的デバイスを収容すべく構成かつ配置される。好適実施形態において、上記容器の底部部分は球状底部を備えて成る。更に好適な実施形態において上記容器の底部部分は、上記中央部分と上記球状底部との間に配置された円錐状部分を備えて成る。
【0070】
好適実施形態において、上記頂面は複数のリブを備えて成り、これらのリブは上記容器の上記開口を囲繞する。好適には、上記容器の上記上側部分の一方の短寸側辺は凹所を備えて成り、該凹所は、上記リブから上記容器の内側へと延在する屈曲表面を備えて成る。
【0071】
更に、好適実施形態において、上記容器は丸み付けられた内側形状を備えて成る。
【0072】
処理ステーション又はインキュベータステーションに対する固定のために、上記基部は好適には、複数の凹所を備えて成る縁部を備えて成る。分析器のステーション上の掛止クリップは、上記凹所に係合することで、上記プレートをステーション上に固定し得る。
【0073】
好適実施形態において、上記容器は本質的に一定の壁厚を備えて成る。
【0074】
本発明の処理プレート101は好適には、単一構成要素式のプレートである。その頂面110は、複数の容器103を備えて成る(図7、図8)。各容器は、頂部における開口108を有すると共に、底端部112にて閉じられる。頂面110は、該頂面110に対して好適に高位とされたリブ104であって、容器103の開口108を囲繞するリブ104を備えて成る。これにより、プレート101の頂面110上へと落下し得る液体の小滴による容器103の内容物の汚染が阻止される。好適な処理プレートの図は、図5から図16に示される。
【0075】
処理プレート101の設置面積は好適には、ANSI SBS設置面積フォーマットに対応する基部の長さ及び幅を備えて成る。更に好適には、上記長さは127.76mm±0.25mmであり、且つ、上記幅は85.48mm±0.25mmである。故にプレート101は、対置された2つの短寸側壁109及び対置された2つの長寸側壁118を有する。処理プレート101は、操作器500と相互作用する型形状繋止要素106を備えて成る。処理プレート101は、正しい配向及び姿勢を維持し乍ら、高速にて迅速かつ安全に、把持され、搬送され、且つ、位置決めされ得る。好適には、把持のための型形状繋止要素106は、処理プレート101の上側の中央部分内、好適には上側の中央の1/3の部分内に配置される。このことは、処理プレート101の可能的な歪曲が型形状繋止要素106に対して僅かな影響のみを有し、且つ、プレート101の取り扱いが更に高信頼性である、という利点を有している。
【0076】
容器103の中央部分120は、実質的に矩形状の断面を有する(図14)。それらは、殆ど矩形状の長寸側辺118に沿い共通壁部113により分離される(図14)。これにより形成される容器103の列は、限られた利用可能スペースに関わらず、各容器が大きな容量、好適には4mlを有する、という利点を有する。別の利点は、本質的に一定の壁厚の故に、製造が非常に経済的なことである。更なる利点は、各容器103は相互に強化し合うことから、形状の高度の安定性が実現され得ることである。
【0077】
容器103の各列123の間には、連続空間121が配置される(図11、図12)。空間121は、磁石122又は加熱デバイス128を収容し得る(図13)。これらの磁石122、127及び加熱デバイス128は好適には、固体デバイスである。故に、磁石122、127が容器103の近傍にもたらされたとき、容器103内に保持され得る液体215中に含まれる磁性粒子216は、容器103に対して磁界を及ぼすことにより液体215から分離され得る。又は、容器103の内容物は、処理プレート101が加熱デバイス128上に載置されたとき、上昇されて制御された温度にてインキュベートされ得る。磁石122、127又は加熱デバイス128は固体とされ得ることから、大きなエネルギ密度が達成され得る。容器103の中央部分120の殆ど矩形の形状によれば、容器103と磁石122又は加熱デバイス128の接触表面を最適化して容器103へのエネルギ伝達を最適化することにより、容器壁109と平坦形状磁石122又は加熱デバイス128との間における接触も最適化される。
【0078】
上記容器の円錐状底部111の領域において、空間121は更に顕著であり、且つ、更なる磁石127を収容し得る。容器3の上側領域における大寸磁石122及び円錐状領域における小寸磁石127の組み合わせによれば、大容量又は小容量の液体215中の磁性粒子216の分離が許容される。故に小寸磁石127によれば、溶出物分注の間における磁性粒子216の隔離が更に容易とされる。これにより、磁性粒子216のペレットの死容積を減少することにより、最小限度の損失を以て、溶出物を分注することが可能である。更に、移し換えられた溶出物中の磁性粒子216の存在は、最小限とされる。
【0079】
容器103の上端部にて、該容器103の短寸側壁109の一方は、円周方向リブ104まで延在する試薬取入チャネル105を備えて成る(図5から図7)。上記試薬は、試薬取入チャネル105上へと分注されると共に、該チャネル105から容器103内へと排出される。故に、ピペット・ニードル80又は先端部3、4と、上記容器内に収容された液体との間の接触は阻止される。更に、容器103内に収容された別の液体215中へと直接的に供与されつつある液体から帰着する飛沫であって、ピペット・ニードル80又は先端部3、4又は近傍の容器103の汚染を引き起こし得る飛沫が阻止される。小容量の試薬を試薬取入チャネル105上へと順次的に分注した後で最大容量の別の試薬が追随すると、少量のみで加えられた上記試薬は完全に容器103内へと排出されることが確実とされる。故に、実施されるべき試験の精度を失わずに、小容量の試薬の分注が可能である。
【0080】
内側において、上記容器の底部111、112上で、その形状は円錐状111となり、球状底部112で終端する(図8)。矩形の中央部分120を含む上記容器の内側形状114は、丸み付けされる。容器103の球状底部112、丸み付けされた内側形状114、円錐状部分111、及び、精緻化表面の組み合わせは、処理プレート101における分析対象物の効果的な分離及び精製を促進する好適な流体挙動に繋がる。球状底部112によれば、分離された溶出物の本質的に完全な使用と、死容積の減少とが許容され、これにより、試薬の持ち越し又はサンプルの相互汚染が減少される。
【0081】
処理プレート101の基部129上の縁部は、処理ステーション201上の掛止クリップ124、又は、加熱デバイス128、又は、分析機器126との係合のために凹所107を備えて成る(図10、図15、図16)。凹所107に対する掛止クリップ124の係合によれば、処理ステーション201上での処理プレート101の位置決め及び固定が許容される。凹所107の存在によれば、掛止力は基部129に対して殆ど垂直に、処理プレート101に対して作用し得る。故に、側方に作用するのは小さな力のみが生じ得る。これにより、歪みの発生が低減されることから、処理プレート101の変形が低減される。上記の垂直な掛止力はまた、処理プレート101の一切の変形を回避することで、処理ステーション201内における球状底部111の更に正確な位置決めに繋がり得る。概略的に、分析器126内における処理プレート101と処理ステーション201又は加熱デバイス128との間の正確な接合によれば、死容積が減少されると共に、サンプルの相互汚染の虞れも減少される。
【0082】
分離ステーション
本発明の好適な態様には、容器内に収容された液体中の磁性粒子に結合した分析対象物を分離するデバイスが包含される。該デバイスは、当該マルチウェル・プレートの頂面における開口と閉塞された底部とを備える複数の容器を備えて成るマルチウェル・プレートを備えて成る。上記容器は、上側部分、中央部分及び底部部分を備えて成り、上記上側部分は、上記マルチウェル・プレートの上記頂面に対して結合されると共に、好適には2つの長寸側辺及び2つの短寸側辺を備えて成る。上記中央部分は、2つの長寸側辺を有する実質的に矩形状の断面を有し、上記各容器は列毎に整列される。隣り合う2つの列同士の間には、固定具上に取付けられた少なくとも一個の磁石を、少なくとも2つのZ位置において側壁に対して選択的に接触させるための連続空間が配置される。上記デバイスは更に、少なくとも一個の固定具を備えて成る磁気的分離ステーションを備えて成る。上記固定具は、磁界を生成する少なくとも一個の磁石を備えて成る。少なくとも一個の磁石を備えて成る上記少なくとも一個の固定具を、上記マルチウェル・プレートの各容器に関する少なくとも第1及び第2の位置の間において垂直に移動させる移動機構が存在する。好適には、上記容器の上記少なくとも2つのZ位置は、上記容器の側壁及び底部部分を備えて成る。上記少なくとも一個の磁石の磁界は好適には、該少なくとも一個の磁石が上記第1位置に在るときに、磁性粒子を、上記少なくとも一個の磁石の近傍である容器の内側面へと吸引する。上記磁界の効果は、上記少なくとも一個の磁石が上記第1位置に在るときよりも、上記少なくとも一個の磁石が上記第2位置にあるときの方が少ない。好適には、上記少なくとも一個の磁石を備えて成る上記固定具は、フレームを備えて成る。上記容器は、マルチウェル・プレート/処理プレートに基づいて記述された好適な特徴を有する。斯かる1つの好適な特徴は、上記容器の少なくとも一部分が、該容器の軸心に直交する実質的に矩形状の断面を有することである。
【0083】
上記第1位置において、上記少なくとも一個の磁石は上記容器の上記部分の近傍である。近傍とは、容器の内容物に磁界を及ぼす如く非常に接近しているか、又は、容器と物理接触するかのいずれかを意味すると理解される。
【0084】
上記分離ステーションは、上記マルチウェル・プレートを受容するフレームと、上記マルチウェル・プレートを取付ける掛止クリップとを備えて成る。好適には、上記分離ステーションは2つの形式の磁石を備えて成る。この好適実施形態は、以下において更に記述される。
【0085】
以下においては、各磁石が上記マルチウェル・プレートの容器に当接して押圧される如く、各磁石を備えて成る上記フレームに対して圧力を及ぼすスプリングを備えて成る第2の好適実施形態が記述される。
【0086】
上記第1磁石は好適には、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む大容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置される。上記第2磁石は好適には、上記容器内に保持されて磁性粒子を含む小容量の液体に対して磁界を及ぼすためにマルチウェル・プレートの容器と相互作用すべく構成かつ配置される。上記第1及び第2磁石は、異なるZ位置へと移動され得る。
【0087】
本発明は更に、分析対象物、好適には核酸を単離して精製する方法を包含する。該方法は、マルチウェル・プレートの容器内で分析対象物を磁性粒子に対して結合させる段階を備えて成る。上記容器は、上側開口、中央部分、及び、底部部分を備えて成る。次に、上記液体の大部分が、矩形状を有する上記中央部分へと上記容器の円錐状部分が遷移する区画の上方に配置されたとき、磁石を第2位置から第1位置へと移動させ、該第1位置においては上記中央部分に対して磁界を印加し、且つ、選択的に上記容器の底部部分に対して磁界を印加することにより、結合した物質は液体中に含まれる未結合の物質から分離される。上記磁性粒子は、洗浄溶液により選択的に洗浄され得る。上記液体の大部分が、矩形状を有する上記中央部分へと上記容器の円錐状部分が遷移する区画の下方に配置されたとき、小容量の液体は、上記容器の上記底部部分に対して磁界を選択的に印加することにより、上記磁性粒子から分離される。
【0088】
本明細書において上記された方法は好適には、段階c)と段階d)との間において、核酸を溶出する段階を付加的に備えて成る。好適には上記方法は、上記溶出物を、上記マルチウェル・プレートから第2のマルチウェル・プレートへと移し換える段階を備えて成る。更なる好適実施形態においては、段階b)において、第1形式の磁石は第2位置から第1位置へと移動されて上記容器の中央部分に対して磁界を印加し、且つ、選択的に、第2形式の磁石が上記容器の上記底部部分へと移動されて磁界を印加する。更に好適には、段階b)に対し、磁石が上記容器の上記中央部分へと移動され、且つ、該磁石は上記容器の上記底部部分へと、核酸を溶出するための第3位置へと移動される。
【0089】
本発明はまた、磁性粒子に対して結合した分析対象物を分離する磁気的分離ステーションにも関し、該分離ステーションは、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む大容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置された第1磁石と、マルチウェル・プレートの容器内に保持されて磁性粒子を含む小容量の液体に対して磁界を及ぼすために上記容器と相互作用すべく構成かつ配置された第2磁石とを備えて成り、且つ、上記第1及び第2の磁石は、異なるZ位置へと移動され得る。上記磁気的分離ステーションの好適実施形態は、本明細書中に記述される。
【0090】
好適実施形態において分離ステーション230は、少なくとも一個の磁石232、好適には、1つの列123における容器103の個数に等しい個数の磁石を備えて成る少なくとも一個の固定具231を備えて成る。好適には分離ステーション230は、本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101の列123の個数に等しい個数の固定具231を備えて成る。更に好適には、分離ステーション230には6個の固定具231が取付けられる。1つの固定具231には、少なくとも一個の磁石232が取付けられる。好適には、磁石232の個数は、1つの列123における容器103の個数に等しい。更に好適には、1つの固定具231には8個の磁石232が取付けられる。好適には、上記固定具231上には1つの形式の磁石232が含まれる。更に好適には、磁石232は、該磁石が容器と相互作用する側を容器に向けて配向して取付けられる。
【0091】
固定具231は基部233上に取付けられる。好適には、該取付けは可撓的である。基部233は、自身上に取付けられたスプリング234を備えて成る。スプリング234の個数は、基部233上に取付けられた固定具231毎に、少なくとも一個のスプリングである。上記基部は更に、上記スプリングの移動、故に、磁石232を備えて成る固定具231の移動を制限する面取り部236を備えて成る。好適には、各スプリング234の内のいずれか1つは、固定具231と相互作用すべく構成かつ配置される。更に好適には、スプリング234はヨーク・スプリングである。上記相互作用によれば、固定具231の水平移動が制御される。更に、分離ステーション230はフレーム235を備えて成る。固定具231を備える基部233は、上記第1実施形態の磁石232に対して本明細書において上記された移動機構により、フレーム235に対して接続される。
【0092】
好適には、基部233及び固定具231は垂直方向に(Z方向に)移動すべく構成かつ配置される。
【0093】
本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101は、分離ステーション230内へと挿入される。磁石232を備えて成る固定具231は、垂直方向に移動される。故に、いずれか1つの固定具232が、容器103の2つの列123の間の空間121内へと移動される。上記垂直移動により、固定具231上に取付けられた磁石232は容器103と接触せしめられる。Z位置は、容器103の内側における液体215の体積に依存して選択される。大きな体積に対し、磁石232は、容器103が殆ど矩形状である中央位置120において該容器103と接触する。液体215の大部分が容器103の中央部分120の下方に配置される小体積の液体215に対し、磁石232は好適には、容器103の円錐状部分111と接触する。
【0094】
いずれか1つのフレーム231の基部233には、スプリングが取付けられる(図18a)、b))。該スプリングは、磁石232を容器103に対して押圧する。これにより、磁気的分離の間における磁石232と容器103との間の接触が確実とされる。好適には、磁石232は、取入口105の下方に配置された側壁109上の容器103に接触する。このことは、分注により加えられた液体が、隔離された磁性粒子を越えて流れるという利点を有すると共に、上記粒子は再懸濁され且つ全ての容器内の全てのサンプルが同一的に処理されることが確実となる。
【0095】
この実施形態は特に、本明細書において上記されたマルチウェル・プレート101の容器103内に異なるレベルの液体215が収容されたときに、マルチウェル・プレート101内に含まれた液体215を磁性粒子216から分離するのに適している。
【符号の説明】
【0096】
29 ピペット先端部
101 マルチウェル・プレート/処理プレート
103 容器
122 磁石
216 磁性粒子
230 分離ステーション
801 カメラ
802 分注デバイス
803 LEDアレイ
804 LED
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固相粒子を含む懸濁物を、開放頂端部と閉塞底部とを有する容器内における液体に対して混合又は分離する段階と、
前記容器を光源によって照らす段階と、
前記光源によって照射された光を、前記容器の上方に配置された前記検出デバイスによって検出する段階とを含み、
検出された前記光が、前記液体中に存在する固相粒子の粒子分布の尺度である、
固相粒子を含む懸濁物の混合段階及び分離段階を監視する方法。
【請求項2】
前記粒子が磁性粒子又は磁化可能な粒子であり、且つ、当該方法が、混合段階に続いて前記容器から前記ピペット先端部を取出す段階を付加的に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合段階が、前記ピペット先端部によって吸引及び供与を行う段階を含み、当該方法が、混合段階に続いて前記容器から前記ピペット先端部を取出す段階を付加的に含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記分離段階が、前記容器を磁界に対して露出する段階を含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記光源が前記容器の下方に配置される請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記検出デバイスが前記分注ユニットの側部上に取付けられる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記検出段階が画像を獲得する段階を含み、且つ、前記画像が、データ削減方法を用いて処理されることで、削減された画像データを獲得する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記データ削減方法が処理アルゴリズムを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
判別アルゴリズムが、削減された画像データの値に従って試験結果をフラグ判定する請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
垂直方向に移動され得る磁石を備えた分離デバイスであって、複数の光源を備えた分離デバイスを有する分離ステーションと、
開放頂端部と閉塞底部とを有する少なくとも1つの容器であって、液体中における磁性粒子又は磁化可能な粒子を有する少なくとも1つの容器と、
前記液体中における前記磁性粒子を吸引して供与する分注ユニットと、
前記ピペット先端部が前記容器から離間移動されたときに前記容器の上方に配置される、好適にはCCDである検出デバイスとを具備し、
前記光源が前記容器を照らす、
分析システム。
【請求項11】
前記検出デバイスが前記分注ユニットの側部上に取付けられる請求項10に記載の分析システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの容器が1つのマルチウェル・プレートに含まれる請求項10又は11に記載の分析システム。
【請求項13】
前記複数の光源が前記少なくとも1つの容器の下方に配置され、好適には、前記複数の光源の内の1つの光源が、前記マルチウェル・プレートの前記各容器の内の任意の1つの容器の下方に配置される請求項12に記載の分析システム。
【請求項14】
前記液体中における前記磁性粒子の粒子分布を算出する制御ユニットを更に具備する請求項10乃至13のいずれか一項に記載の分析システム。
【請求項15】
前記制御ユニットが、前記検出デバイスによる前記粒子分布の測定内容に基づき、前記容器内に含まれた個別的な検査対象物であって無効である個別的な検査対象物を決定する請求項14に記載の分析システム。
【請求項1】
固相粒子を含む懸濁物を、開放頂端部と閉塞底部とを有する容器内における液体に対して混合又は分離する段階と、
前記容器を光源によって照らす段階と、
前記光源によって照射された光を、前記容器の上方に配置された前記検出デバイスによって検出する段階とを含み、
検出された前記光が、前記液体中に存在する固相粒子の粒子分布の尺度である、
固相粒子を含む懸濁物の混合段階及び分離段階を監視する方法。
【請求項2】
前記粒子が磁性粒子又は磁化可能な粒子であり、且つ、当該方法が、混合段階に続いて前記容器から前記ピペット先端部を取出す段階を付加的に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合段階が、前記ピペット先端部によって吸引及び供与を行う段階を含み、当該方法が、混合段階に続いて前記容器から前記ピペット先端部を取出す段階を付加的に含む請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記分離段階が、前記容器を磁界に対して露出する段階を含む請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記光源が前記容器の下方に配置される請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記検出デバイスが前記分注ユニットの側部上に取付けられる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記検出段階が画像を獲得する段階を含み、且つ、前記画像が、データ削減方法を用いて処理されることで、削減された画像データを獲得する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記データ削減方法が処理アルゴリズムを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
判別アルゴリズムが、削減された画像データの値に従って試験結果をフラグ判定する請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
垂直方向に移動され得る磁石を備えた分離デバイスであって、複数の光源を備えた分離デバイスを有する分離ステーションと、
開放頂端部と閉塞底部とを有する少なくとも1つの容器であって、液体中における磁性粒子又は磁化可能な粒子を有する少なくとも1つの容器と、
前記液体中における前記磁性粒子を吸引して供与する分注ユニットと、
前記ピペット先端部が前記容器から離間移動されたときに前記容器の上方に配置される、好適にはCCDである検出デバイスとを具備し、
前記光源が前記容器を照らす、
分析システム。
【請求項11】
前記検出デバイスが前記分注ユニットの側部上に取付けられる請求項10に記載の分析システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの容器が1つのマルチウェル・プレートに含まれる請求項10又は11に記載の分析システム。
【請求項13】
前記複数の光源が前記少なくとも1つの容器の下方に配置され、好適には、前記複数の光源の内の1つの光源が、前記マルチウェル・プレートの前記各容器の内の任意の1つの容器の下方に配置される請求項12に記載の分析システム。
【請求項14】
前記液体中における前記磁性粒子の粒子分布を算出する制御ユニットを更に具備する請求項10乃至13のいずれか一項に記載の分析システム。
【請求項15】
前記制御ユニットが、前記検出デバイスによる前記粒子分布の測定内容に基づき、前記容器内に含まれた個別的な検査対象物であって無効である個別的な検査対象物を決定する請求項14に記載の分析システム。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図3】
【公開番号】特開2012−2811(P2012−2811A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−131272(P2011−131272)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131272(P2011−131272)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]