説明

混合混練機並びに、混合混練機を使用してポリ(メタ)アクリレートを製造する方法

【課題】発生する高い剪断力に対して機械的に安定している軸を備えた、製造基準の混合混練機を提供する。
【解決手段】少なくとも2つの軸2,3を備えた混合混練機であって、これらの軸の表面においてウェブ5に混練棒4が配置されていて、軸がハウジング6によって取り囲まれており、該ハウジング6において、少なくとも1つの開口10が軸の上に形成され、かつ生成物排出のための少なくとも1つの開口11が形成されており、軸2,3が両端部において支承されていて、少なくとも1つの端部において駆動されおり、軸の構造が、軸における曲げの固有振動数と励起体振動数との絶対値の差を、曲げの固有振動数で割った値に100を掛けて得られる数値が少なくとも5であるように、構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの軸を備えていて、これらの軸の表面においてウェブに混練棒が配置されている混合混練機並びに、混合混練機を使用してポリ(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも2つの軸平行で回転する軸を備えた混合混練機であって、これらの軸の表面に、周面に混練棒を備えた円板面が設けられている混合混練機は、例えばEP-A0517068に基づいて公知である。混練棒は、一方の軸における混練棒が他方の軸における混練棒に係合するように、配置されている。異なっていてもよい軸の回転数に関連して、軸における混練棒の数は変えることができる。例えば回転数比が1:4の場合、主軸の周囲には8つの混練棒が配置されていて、2つの混練棒が、掃除軸とも呼ばれる第2の軸に配置されており、この第2の軸は、主軸よりも4倍速く回転する。
【0003】
混合及び混練の他に掃除軸の混練棒は、主軸をクリーニングするためにも働く。軸に生成物が固着したままになることを回避するために、軸はEP-A0603525に記載されているように、軸方向において往復振動運動可能に形成されていてもよい。
【0004】
混合混練機における生成物の改善された搬送を達成できるようにするために、混練棒が固定されているウェブは、軸方向においてずらされて又は軸の軸線に対して角度をなして配置されており、その結果ウェブによって螺旋状の通路が形成される。軸におけるウェブのこのような配置形式は例えばWO97/12666に基づいて公知である。
【0005】
WO-A2004/022608には、超吸収体を製造するための、表面に混練棒が配置されていて回転可能に支承された2つの軸を備えた混合混練機の使用が開示されている。超吸収体はこの場合ゲル状のポリマーである。重合は、均質なモノマー水溶液において又は不均質な油中水混合物において実施される。重合反応器として混合混練機を使用することによって、小さなゲル粒子が製造される。
【0006】
少なくとも3つのゾーンを有する反応器系において、モノマーを、吸水性で水不溶性のポリマーに重合することは、WO-A03/022896に記載されている。この場合第1ゾーンでは連続的にモノマーと開始剤と水とが、モノマーの重合が開始されるコンディション下において供給される。第2ゾーンには、モノマーの重合によって生ぜしめられるゲル相が存在し、第3ゾーンにおいてゲル相は粒状化される。
【0007】
WO-A01/38402には同様に、架橋された微細なゲル状の重合を連続的に製造する方法が開示されている。反応はこの場合、少なくとも2つの軸平行に回転する軸を備えた混合混練機において実施され、この場合軸には複数の混練兼搬送エレメントが設けられており、これらの混練兼搬送エレメントは、混合混練機の始端部に供給された物質を軸方向で混合混練機の終端部に搬送する。従来技術に基づいて公知の混合混練機における欠点としては次のことが挙げられる。すなわち公知の混合混練機では、設けられている必要な駆動装置によって重合に基づいて、ひいては生じる生成物粘ちゅう性に基づいて、大きな剪断力が混合混練機において発生することがあり、このような剪断力は、軸における亀裂形成や混練棒の損傷を惹起するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP-A0517068
【特許文献2】EP-A0603525
【特許文献3】WO97/12666
【特許文献4】WO-A2004/022608
【特許文献5】WO-A03/022896
【特許文献6】WO-A01/38402
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、発生する高い剪断力に対して機械的に安定している軸を備えた、製造基準の混合混練機を提供することである。本発明の別の課題は、連続的に長時間にわたって運転することができる、ポリ(メタ)アクリレートを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するために本発明の構成では、少なくとも2つの軸を備えた混合混練機であって、これらの軸の表面においてウェブに混練棒が配置されていて、軸がハウジングによって取り囲まれており、該ハウジングにおいて、少なくとも1つの開口が軸の上に形成され、かつ生成物排出のための少なくとも1つの開口が形成されており、さらに軸が、互いに同速度又は異なった速度でかつ同方向又は逆方向で回転可能であるように、両端部において支承されていて、少なくとも1つの端部において駆動される形式のものにおいて、軸の構造が、軸における曲げの固有振動数と励起体振動数との絶対値の差を、曲げの固有振動数で割った値に100を掛けて得られる数値が少なくとも5であるように、構成されている。
【0011】
前記別の課題は、本発明による混合混練機を使用してポリ(メタ)アクリレートを製造する方法によって解決される。
【0012】
本発明の特に有利な実施形態では、すべての特徴が同時に保証されている。
【0013】
混合混練機は有利には、少なくとも500l、さらに有利には少なくとも2000l、特に有利には少なくとも5000lの反応器容量を有している。
【発明の効果】
【0014】
2つの軸を備えた混合混練機では、1つの軸が主軸と呼ばれ、第2の軸は掃除軸と呼ばれる。そして主軸にも掃除軸にも混練棒が配置されており、これらの混練棒はそれぞれ任意の適宜な形状を有することができる。主軸において周囲に分配配置された混練棒の数は、この場合掃除軸における混練棒の数とは異なっていることができる。主軸と掃除軸とにおける混練棒の数が異なっている場合、主軸と掃除軸とは異なった回転数で駆動される。全周にわたって分配された数の少ない混練棒を有していてより速く回転する軸が、掃除軸と呼ばれる。回転数比は、例えばEP-A0517068に記載されているように、混練棒の数の比に関連している。軸は互いに同方向に駆動されても、逆方向に駆動されてもよい。
【0015】
軸の回転運動に基づいて、かつ軸に対して不均一に作用する力によって、軸は固有振動を励起される。不均一に作用する力は、例えば生成物を流動性の状態に粉砕することによって生じる。
【0016】
軸の振動励起は、軸の曲げ・固有振動数が励起体振動数に対して少なくとも5%の間隔、有利には少なくとも15%の間隔、特に有利には少なくとも20%の間隔を有していると、回避される。固有振動数はこの場合、軸構造体、軸材料及び軸強度によって生ぜしめられる。励起体振動数は、回転数と回転数の数倍とによって生ぜしめられる。
【0017】
亀裂形成を生ぜしめる、軸における応力発生の別の原因としては、完全にはクリーニングされない軸における生成物の固着(Anbacken)が挙げられる。軸の冷却によって、軸表面には凝縮層が形成され、この凝縮層によって生成物の固着が阻止される。軸の冷却は、軸に温度調節媒体を貫流させることによって行われる。温度調節媒体はこの場合有利には、最高で80℃、さらに有利には最高で40℃、特に有利には最高で20℃の流入温度を有している。
【0018】
温度調節媒体のための入口及び出口を軸の同じ側に配置することは、従来技術から公知である。温度調節媒体のための入口及び出口を軸の同じ側に配置することは、従来技術から公知である。このような配置形式は軸の複雑な構造を必要とする。それというのは、このような配置形式では、温度調節媒体はまず初めに軸全体を通して貫流されねばならず、次いで、軸の内部に位置する別の通路を介して再び戻されねばならないからである。この複雑な構造は多数の別の溶接シームを必要とし、これらの溶接シームは運転中に強く負荷され、かつ損傷を受けることがある。
【0019】
本発明による混合混練機の有利な構成では、温度調節媒体は軸の片側における入口を介して供給され、そして軸の他方の側における出口を介して排出される。冷却は有利には向流で行われる。つまり温度調節媒体は、生成物が排出される軸の側において供給される。温度調節媒体としては例えば水又は熱媒油が適している。
【0020】
有利な実施形態では、少なくとも1つの開口が、軸の上においてドームとしてハウジングに形成されている。従来技術に基づいて公知の混合混練機では、生成物はドームにおいて集められて焼き付けられる。これらの固着体は、ドームから再び混合混練機内に戻されるやいなや、混練棒及び軸に高められた剪断負荷を生ぜしめ、これによって再び亀裂形成の傾向が大きくなる。固着もしくは付着を回避するために、本発明の構成では、軸の上における少なくとも1つの開口が、押し退け体によって閉鎖されており、該押し退け体の、軸に向けられた側は、押し退け体と軸の混練棒との間に間隙が存在し、該間隙の間隙幅が有利には最大で混練棒とハウジングとの間の連続した間隙幅に相当するように、形成されている。
【0021】
有利な実施形態では、ハウジングにおいて軸の上に位置するドームを閉鎖する押し退け体に、出発物質供給のための少なくとも1つの通路が形成されている。液状の出発物質が供給されるか又は固体の出発物質が供給されるかによって、つまり供給される出発物質の容積流に関連して、出発物質供給のための通路は種々異なった大きさの横断面をもって構成される。固体供給のためには、特に有利な実施形態では、出発物質供給のための通路内に調量装置が受容されている。調量装置としては例えば、スクリュ、ダブルスクリュ、ベーン歯車又はその他の、当業者に知られている技術的な調量装置が適している。
【0022】
押し退け体は有利には次のように、すなわち押し退け体が押込み嵌合によって、軸の上における開口によってぴったりと受容され、その結果軸の上の開口と押し退け体との間におけるデッドゾーンの発生が回避されるように、形成されている。
【0023】
有利な実施形態では、出発物質供給のための少なくとも1つの通路が押し退け体内においてプラスチック表面を有している。そのために通路は、押し退け体を通して貫通案内されているプラスチック通路によって製造されているか、又は、通路はプラスチックによって被覆されている。適宜なプラスチックは例えばポリオレフィンが適しており、特にポリプロピレンが適している。
【0024】
押し退け体に少なくとも2つの通路が設けられている場合には、軸に向けられた開口は有利には互いに近くに配置されている。
【0025】
デッドゾーンにおいて生成物が集まり、重合してしまうことがあり、これにより混練棒及び軸の負荷は高められる。重合された生成物がデッドゾーンから完全混合領域に戻るやいなや、混練棒及び軸の負荷は高められる。
【0026】
混合混練機は有利には、生成物の十分な粉砕によってデッドゾーンにおける堆積物からの団塊の発生が回避されるように、運転される。このような団塊は例えば生成物排出のための開口の領域又は混合混練機の他の領域において発生することがある。粉砕は、混合混練機の充填率が増大するに連れて増大することが、分かっている。混合混練機の内部における充填率は、生成物排出のための開口の開口横断面によって調節することができる。例えば開口横断面を小さくすると、軸の回転数が一定でかつ生成物が同じ場合に、充填率が高まる。従って、生成物排出のための開口の開口横断面は有利には運転中に調節可能である。これによって、大きな時間のロスを要する混合混練機の始動・停止を繰り返すことなしに、充填率を調節することができる。
【0027】
開口横断面の調節は第1実施形態では、軸方向にシフト可能なフラップによって行われ、別の実施形態では、生成物排出のための開口の開口横断面は、接線方向にシフト可能なフラップによって調節される。さらに、軸方向及び接線方向に同時にシフト可能なフラップを使用することも可能である。接線方向においてシフト可能なフラップにおいて、生成物排出のための開口を閉鎖するための有利な方向は、下から上に向かってである。
【0028】
生成物排出のための開口は、主軸の側に配置されていても、掃除軸の側に配置されていても、又は混合混練機の端面に配置されていてもよい。生成物排出のための開口は有利には方形の横断面を有していて、10〜20°の範囲、有利には15〜20°の範囲、特に有利には15°である開放角度を有している。開放角の先端はこの場合、生成物排出のための開口が配置されている側において、軸の軸線上に位置している。生成物排出のための開口の下縁部は、開口横断面を調節するためのフラップが接線方向において移動可能である場合には、有利には上から鉛直線に対して30〜55°の範囲の角度にあり、この場合角度の先端は同様に、開口が配置されている側において、軸の軸線上に位置している。
【0029】
軸方向にシフト可能なフラップ又は接線方向にシフト可能なフラップの他に、生成物排出のための開口の開口横断面を、軸方向にシフト可能なフラップ及び接線方向においてシフト可能なフラップによって調節することも可能である。
【0030】
有利な実施形態では、生成物排出のための開口が、ハウジング壁に設けられていて運転中に可変の防壁によって形成される。この構成では防壁の高さによって、同様に混合混練機における充填率を調節することができる。この場合充填率はさらに、生成物処方、処理量及び回転数に関連している。防壁の上縁部は、生成物排出のための開口の下縁部を形成している。防壁の高さは有利には、運転中に防壁を接線方向にシフトさせることによって調節される。
【0031】
混合混練機の始動時に大きな剪断力が軸に伝達されることを回避するために、混合混練機は停止状態又は停止前に完全に空にされる。混合混練機が空にされない場合には、特にポリ(メタ)アクリレートの製造時には、生成物はさらに硬化し、これによって大きな団塊状の生成物の発生することがあり、これは新たな始動時にまず初めに粉砕されねばならない。このような団塊状の生成物は、混練棒の剪断応力及び混練棒が固定されているウェブの剪断応力を高める。混合混練機を空にできるようにするために、有利な実施形態では、生成物取出し側に排出開口が形成されている。排出開口は有利には、ハウジングにおいて中心軸線の下に設けられ、有利には少なくとも10000mm2、より有利には少なくとも40000mm2、特に有利には少なくとも80000mm2の横断面を有している。
【0032】
混合混練機の温度調節を可能にするために、ハウジングは有利には二重ジャケットをもって構成されているので、排出フラップは有利な実施形態では、生成物排出のための開口を形成する防壁に形成されている。それというのは、防壁は有利にはシングルの壁として形成されていて、二重ジャケットとして構成されていないからである。生成物排出のための開口には、有利には排出シャフトが接続されており、この排出シャフトの壁は、絶縁体もしくは断熱体を備えている。
【0033】
軸、ウェブ、混練棒及びハウジング並びに押し退け体のための材料としては、すべての高合金オーステナイト鋼、フェライト・オーステナイト複合材料、ニッケルベースの合金及びチタンが適している。適宜な材料の選択時に注意すべきことは、材料が、ポリ(メタ)アクリレートの製造時に生じるpH3〜10の範囲におけるpH値、有利にはpH5〜8の範囲におけるpH値に対して安定的であることである。
【0034】
本発明による構成を有する混合混練機は、架橋された微細なゲル状のポリ(メタ)アクリレートの製造のために使用することが好ましい。
【0035】
ポリ(メタ)アクリレート又はそれに類似するポリマーは、一般に
a)水溶性のモノエチレン性不飽和のモノマーと
b)モノマー(a)に対して0.001〜5モル%の、少なくとも2つのエチレン性不飽和の二重結合を有するモノマーと
c)モノマー(a)に対して0〜20モル%の、水不溶性のモノエチレン性不飽和のモノマーと
を、20〜80質量%の水溶液中で開始剤の存在下に0〜140℃の温度で共重合させることによって製造される。
【0036】
群(a)の水溶性のモノエチレン性不飽和のモノマーは、例えばエチレン性不飽和のC3〜C6−カルボン酸、それらのアミド並びに式
【化1】

[式中、R4は、C2〜C5−アルキレンを意味し、かつR1、R2、R3は、互いに無関係に水素、メチル、エチル又はプロピルを意味する]で示されるアミノアルコールとのエステルである。これらの化合物は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸並びに前記酸のアルカリ塩もしくはアンモニウム塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノネオペンチルアクリレート及びジメチルアミノネオペンチルメタクリレートである。塩基性のアクリレート及びメタクリレートは、強い鉱酸、スルホン酸又はカルボン酸との塩の形で又は第四級化された形で使用される。式Iの化合物についてのアニオンX-は、鉱酸あるいはカルボン酸の酸基であるか又は第四級化剤由来のメトスルフェート、エトスルフェート又はハロゲニドである。
【0037】
他の群(a)の水溶性モノマーは、N−ビニルピロリドン、アクリルアミドプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及び/又はビニルスルホン酸のアルカリ塩あるいはアンモニウム塩である。それらの他の酸も同様に、中和されていない形か、部分的にあるいは100%まで中和された形のいずれかで重合において使用することができる。群(a)の水溶性モノマーとしては、ジアリルアンモニウム化合物、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロリド又はジアリルピペリジニウムブロミド、N−ビニルイミダゾリウム化合物、例えばN−ビニルイミダゾール及び1−ビニル−2−メチルイミダゾールの塩もしくは第四級化生成物、並びにN−ビニルイミダゾリン、例えばN−ビニルイミダゾリン、1−ビニル−2−メチルイミダゾリン、1−ビニル−2−エチルイミダゾリンもしくは1−ビニル−2−n−プロピルイミダゾリンも適しており、それらも同様に、第四級化された形でか又は塩として重合において使用される。
【0038】
好ましい群(a)のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸並びに前記酸のアルカリ塩もしくはアンモニウム塩、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドである。これらのモノマーは、各々任意の比率で互いに共重合されうる。
【0039】
群(a)のモノマーの重合は、架橋剤(群(b)のモノマー)の存在下で実施される。該架橋剤は、少なくとも2つのエチレン性不飽和の二重結合を有する。
【0040】
好適な架橋剤は、例えばN,N′−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート及びポリエチレングリコールジメタクリレートであって、それぞれ分子量126〜8500、有利には400〜2000のポリエチレングリコールから誘導されるアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなるブロックコポリマーのジアクリレート及びジメタクリレート、2箇所あるいは3箇所でアクリル酸もしくはメタクリル酸でエステル化された多価アルコール、例えばグリセリンもしくはペンタエリスリトール、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、分子量126〜4000のポリエチレングリコールのポリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及び/又はジビニルエチレン尿素である。水溶性架橋剤、例えばN,N−メチレンビスアクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及び/又はジビニル尿素を使用することが好ましい。群(b)のモノマーは、モノマー(a)に対して0.001〜5モル%、有利には0.005〜0.5モル%の量で共重合において使用される。
【0041】
群(a)と(b)のモノマーの共重合は、コポリマーの性質の改変が望まれる場合には、付加的に更に群(c)のモノマーの存在下で実施してよい。群(c)のモノマーとしては、例えばヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルニトリル及び/又はメタクリルニトリルが該当する。更に、アクリル酸又はメタクリル酸と1〜18個の炭素原子を有する一価アルコールとのエステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、メタクリル酸の相応のエステル、フマル酸ジエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジブチルエステル、ビニルアセテート及びビニルプロピオネートが適している。群(c)のモノマーを水溶性のポリ(メタ)アクリレートの改変のために使用するのであれば、モノマー(a)に対して0.5〜20モル%、有利には2〜10モル%で使用される。
【0042】
水不溶性モノマーは、これらが共重合に際して一緒に使用される場合には、乳化剤を用いて水溶液中に微分散させてよい。好適な乳化剤は、例えばエトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化ヒマシ油、アルキル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルバイト、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル及びアルキルスルホン酸塩である。
【0043】
係る乳化剤は、モノマー(a)に対して0〜3質量%の量で使用される。
【0044】
重合は、場合により通常の重合調節剤の存在下で実施してよい。好適な重合調節剤は、例えばチオ化合物、例えばチオグリコール酸、メルカプトアルコール、例えば2−メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール及びメルカプトブタノール、ドデシルメルカプタン、ギ酸、アンモニア及びアミン、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、モルホリン及びピペリジンである。
【0045】
モノマー(a)、(b)と場合により(c)とは、20〜80質量%、有利には20〜50質量%、特に30〜45質量%の水溶液中で重合開始剤の存在下で互いに共重合される。重合開始剤としては、重合条件下で分解してラジカルとなるあらゆる化合物、例えばペルオキシド、ヒドロペルオキシド、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ化合物及びいわゆるレドックス触媒を使用することができる。水溶性の触媒を使用することが好ましい。多くの場合に、種々の重合開始剤の混合物、例えば過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムもしくはカリウムとからなる混合物を使用することが好ましい。過酸化水素とペルオキソ二硫酸ナトリウムとからなる混合物は、各々任意の比率で使用することができる。好適な有機ペルオキシドは、例えばアセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−アミルペルピバレート、t−ブチルペルピバレート、t−ブチルペルネオヘキサノエート、t−ブチルペルイソブチレート、t−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルイソノナノエート、t−ブチルペルマレエート、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペル−3,5,5−トリメチルヘキサノエート及びt−アミルペルネオデカノエートである。更なる適した重合開始剤は、アゾ開始剤、例えば2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス−(N,N−ジメチレン)イソブチルアミジンジヒドロクロリド、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル及び4,4′−アゾビス−(4−シアノ−吉草酸)である。上述の重合開始剤は、通常の量で、例えば重合されるべきモノマーに対して0.01〜5モル%、有利には0.1〜2モル%の量で使用される。
【0046】
レドックス触媒は、酸化性成分として少なくとも1種の前記のペル化合物と、還元性成分として、例えばアスコルビン酸、グルコース、ソルボース、アンモニウムもしくはアルカリ金属の亜硫酸水素塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、次亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩又は硫化物、金属塩、例えば第二鉄イオンもしくは銀イオン又はナトリウムヒドロキシメチルスルホキシレートとを含有する。レドックス触媒の還元性成分としては、アスコルビン酸又はピロ亜硫酸ナトリウムを使用することが好ましい。重合に際して使用されるモノマー量に対して、レドックス触媒系の還元性成分は1・10-5〜1モル%で、かつレドックス触媒の酸化性成分は1・10-5〜5モル%で使用される。レドックス触媒の酸化性成分の代わりに又は追加的に、1種又は複数種の水溶性のアゾ開始剤を使用してもよい。
【0047】
本発明による方法では、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸からなるレドックス系を使用することが好ましい。通常の態様においては、これらの成分は、モノマーに対して、1・10-2モル%の過酸化水素、0.084モル%のペルオキソ二硫酸ナトリウム、2.5・10-3モル%のアスコルビン酸で使用される。
【0048】
モノマー水溶液は、該開始剤を溶解もしくは分散させて含有してよい。しかしながら開始剤は、モノマー溶液とは別に、混合混練機に供給することもできる。
【0049】
モノマー溶液からは、重合前に残留酸素が取り除かれる。それは不活性ガスを用いてなされ、その際不活性ガスは、並流、向流又はその間の入射角で導入することができる。良好な完全混合は、例えばノズル、スタティックミキサもしくはダイナミックミキサ又は気泡塔を用いて達成することができる。
【0050】
モノマー溶液は同様に、不活性ガス流と一緒に反応器に導かれる。不活性ガスとしては、互いに無関係に、窒素、希ガス、例えばアルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、六フッ化硫黄又はこれらのガスの混合物を使用することができる。そのうえ、不活性ガスは、混合混練機中での化学反応によって完全に又は部分的に生成させることが可能である。不活性ガスとして窒素を使用することが好ましい。
【0051】
混合混練機の作動時に、硬化が完了したポリ(メタ)アクリレート残分によって混練棒とウェブに高い剪断力が伝わり、ひいては軸に対して高い剪断力が伝わるのを回避するために、好ましい一変法では、停止状態又は停止前に完全に排出フラップを介して混合混練機の中を空にする。
【0052】
好ましい一変法では、混合混練機は、作動時に出発材料の添加前に予熱される。その際加熱は、ハウジングを覆って行われる。このために、該ハウジングは、混合混練機の加熱のために温度調節媒体が流れる間隙を成す二重ジャケットを備えている。温度調節媒体としては、特に水蒸気、熱媒油又は溶融塩が適している。更に、その加熱は、温媒体を混合混練機中に添加することによって行うことができる。好適な媒体は、例えば温空気、温窒素又は水蒸気である。
【0053】
ポリ(メタ)アクリレートの改善された細砕は、まず混合混練機に出発材料としてのモノマーを添加し、そして好ましくはモノマーの99.5%までが反応してポリマーとなった位置で、更なる成分を固体粒子の形で添加することによって達成される。固体粒子としては、例えば微細な架橋された粉末状のポリ(メタ)アクリレートが適している。該ポリ(メタ)アクリレート粉末と、混合混練機中で製造される生成物とは、それらの化学組成の点で同一であることが特に好ましい。99.5%の反応後にゲルに固体粒子を添加することの他にも、あらゆる技術的な目的にかなった添加が可能である。固体粒子の添加によって凝集が妨げられるが、それは、生成物と固体粒子との間の摩擦力の大部分が細砕に寄与するためである。これによって、混練棒とウェブに対する剪断応力は低下し、こうして軸の負荷も減少し、こうして軸における亀裂形成が回避される。
【0054】
好ましい一変法では、前記固体粒子は、500μm、特に有利には300μmの最大粒度を有する。
【0055】
反応が完了したポリ(メタ)アクリレートが軸に堆積して、軸に粘着するのを回避するために、好ましい一変法においては、軸は、混合混練機の稼働の間に冷却される。その冷却によって、軸上に凝結膜が形成され、それがポリ(メタ)アクリレートと軸との粘着を妨げる。
【0056】
次に図面を参照しながら本発明を詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】混合混練機を断面して上から見た図である。
【図2】生成物排出のための開口の領域における混合混練機のハウジング区分を示す断面図である。
【図3】防壁に形成された生成物排出のための開口を、防壁における付加的な排出フラップと共に示す図である。
【図4】図4は、出発物質供給のための通路を備えた押し退け体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1に示されているように、混合混練機1は主軸2と掃除軸(Putzwelle)3とを有している。主軸2及び掃除軸3にはその全周にわたって混練棒4が分配配置されており、これらの混練棒4はウェブ5を介して主軸2もしくは掃除軸3と結合されている。図示の実施形態では、主軸2には、この主軸2の全周にわたって分配されて、8つの混練棒4が配置されている。主軸2とは異なり、掃除軸3には全周にわたってただ2つの混練棒4しか配置されていない。
【0059】
混練棒4は有利にはU字形に形成されていて、図1に示されているように、掃除軸3と主軸2とが隣接している側において互いに係合している。これによって掃除軸3により、主軸においてウェブの間に集められた材料が除去される。主軸に8つの混練棒4が全周にわたって分配配置かつ掃除軸に2つの混練棒4が配置されている図示の実施形態では、掃除軸3は主軸2の4倍の速度で回転する。これによって、掃除軸3の混練棒4が主軸2のすべての混練棒4と係合することが、保証される。主軸2に8つの混練棒4を備えかつ掃除軸3に2つの混練棒4を備えている図示の実施形態の他に、掃除軸3及び主軸2における混練棒4のその他の任意の組合せが可能である。主軸2及び掃除軸3における混練棒4の数に応じて、主軸2と掃除軸3との回転数比は調節される。
【0060】
主軸2及び掃除軸3はハウジング6によって取り囲まれている。混合混練機1の温度調節を可能にするために、ハウジング6は有利には二重ジャケットをもって構成されている。これによってハウジング内には間隙7が形成され、この間隙7は温度調節媒体によって貫流されることができる。
【0061】
両方の軸は有利にはモータ8及び伝動装置9を介して駆動されている。この伝動装置を介して軸2,3の速度が決定されている。このようにして、主軸2と掃除軸3とは互いに異なった速度で回転することができ、また主軸2と掃除軸2とは互いに同じ速度で回転することも可能であり、さらにまた主軸2と掃除軸3とを互いに同方向で運転することも又は逆方向で運転することも可能である。
【0062】
ハウジング6において主軸2及び掃除軸3の上には、破線で示された開口10が設けられている。これらの開口10を介して混合混練機1には、出発物質を供給することができる。また、混合混練機1において製造された生成物を、開口10を介してガス抜きすることも可能である。
【0063】
生成物取出しのために、ハウジング6には開口11が形成されている。生成物取出しのための開口11はこの場合有利には掃除軸3の側に配置されているが、しかしながらまた主軸2の側に配置されているような配置形式も可能である。
【0064】
主軸2及び掃除軸3を冷却するために、主軸2及び掃除軸3は温度調節媒体によって貫流される。符号12で示された矢印は、温度調節媒体が主軸2もしくは掃除軸3に供給される箇所を示している。符号13で示された箇所において、温度調節媒体は再び主軸2もしくは掃除軸3から取り出される。図示されているように掃除軸3もしくは主軸2を向流において温度調節する他に、両軸2,3を並流において温度調節することも可能である。並流による温度調節の場合には、温度調節媒体は、符号13で示された箇所における矢印方向とは逆向きに供給されて、符号12で示された箇所において取り出される。
【0065】
図2には、本発明のように形成された混合混練機1のハウジング区分が、生成物排出のための開口の領域において断面図で示されている。
【0066】
ハウジング6には有利には、中空軸として形成された掃除軸3及び主軸2が受容されている。出発物質供給は、軸2,3の上における開口10を介して行われ、これらの開口10は有利にはドーム20として形成されている。生成物取出しのために、ハウジング6には開口11が形成されている。この開口11は部分的に防壁(Wehr)14によって閉鎖されている。これによって開口横断面が減じられ、生成物排出のための開口のポジションはハウジング6の上1/3に決定されている。同時に排出開口の下縁部を形成している防壁14の終端縁部21は、鉛直方向に対して30〜55°の範囲の角度をおいて配置されている。生成物排出のための開口の開放角度βは、有利には10〜20°の範囲である。
【0067】
生成物排出のための開口の横断面積は、フラップ15によって調節することができる。そのためにフラップ15は、図2に示された実施形態では軸方向において摺動可能である。フラップ15の運動は駆動装置16を介して行われる。生成物排出のための開口の横断面積を介して、混合混練機1の充填率が調節される。開口横断面が小さければ小さいほど、生成物が同じで回転数が一定の場合に、充填率はより大きくなる。
【0068】
図2に示された実施形態では、防壁14の下側部分に排出フラップ17が設けられている。この排出フラップ17はハンドル19を用いてスピンドル18を介して操作される。排出フラップ17の開放されたポジションは破線で示されている。
【0069】
排出フラップ17を介して混合混練機1は、接続遮断時、つまりスイッチオフの時に空にすることができる。これによって、生成残留物が混合混練機1内に残ることが阻止される。特にポリ(メタ)アクリレートの製造時における残留物は、この残留物がさらに硬化して、新たな始動時に混練棒4及びウェブ5に対してより大きな剪断負荷を加えるような事態を生ぜしめる。 図2に示されているような、防壁14における排出フラップ17のポジションの他に、排出フラップ17はハウジング6において、その他の如何なる任意のポジションにおいても配置可能である。有利には排出フラップ17はハウジング6において生成物取出し側に配置されている。防壁14ひいては生成物排出のための開口並びに排出フラップ17は、ハウジング6において掃除軸3の側に配置されていても又は主軸2の側に配置されていてもよい。
【0070】
図3には、防壁と生成物排出のための開口とが平面図で示されている。
【0071】
図3に示された実施形態では排出フラップ17は防壁14に形成されている。排出フラップ17はハンドル17を用いて操作される。防壁14はハウジング6における開口を、生成物排出のための開口22だけがなお開放しているように、閉鎖している。生成物排出のための開口22はこの場合ハウジング6の上1/3に位置している。生成物排出のための開口22は図示の実施形態ではフラップ15によってさらに閉鎖されることができ、これによって開口横断面は減じられる。フラップ15は駆動装置16によって駆動される。
【0072】
生成物排出のための開口22の開口横断面が軸方向に可動のフラップ15によって調節される、図2及び図3に示された実施形態の他に、生成物排出のための開口22の開口横断面を接線方向に可動のフラップ15によって調節することも可能である。この場合接線方向のフラップは、上から開口を閉鎖することができる。有利な実施形態では、防壁14の終端縁部21は、生成物排出のための開口22の方向でシフトされることができ、これによって生成物排出のための開口22の開口横断面を小さくすることができる。
【0073】
図4には、開口10を閉鎖することができる押し退け体23が示されている。そのために押し退け体23はドーム20内に挿入され、有利にはフランジを介してドーム20とねじ結合される。重量及び材料を節減するために、押し退け体23は有利には中空体として形成されている。安定化のために、押し退け体23内には、リング状に閉じられた環状のリブ24が配置されている。押し退け体23を介して出発物質を供給できるようにするために、有利な実施形態では押し退け体23に通路25が形成されている。この通路25を介して混合混練機1には固形の又は液状の出発物質を供給することができる。通路25が図4に示されているように方向付けられている場合、出発物質は1つの軸の上において供給される。図示された斜めの経過の他に、通路25が押し退け体23内において鉛直方向に延びるような構成も可能である。1つの軸の上における供給箇所の他に、図示のように、供給箇所を両方の軸の間の真ん中に配置することも可能である。
【0074】
少量の液状出発物質を供給するために、押し退け体23内に、通路25に比べて小さな横断面を有する別の通路26が受容されているような構成も可能である。この別の通路26が混合混練機に開口しているポジションは、有利には、通路25の開口ポジションの近くである。
【0075】
別の有利な実施形態では、通路25及び別の通路26はプラスチック表面を備えている。
【符号の説明】
【0076】
1 混合混練機、 2 主軸、 3 掃除軸、 4 混練棒、 5 ウェブ、 6 ハウジング、 7 間隙、 8 モータ、 9 伝動装置、 10 開口、 11 開口、 12 温度調節媒体の供給部、 13 温度供給媒体の排出部、 14 防壁、 15 フラップ、 16 駆動装置、 17 排出フラップ、 18 スピンドル、 19 ハンドル、 20 ドーム、 21 終端縁部、 22 生成物排出のための開口、 23 押し退け体、 24 リブ、 25 通路、 26 通路、 α 角度、 β 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの軸(2,3)を備えた混合混練機であって、これらの軸の表面においてウェブ(5)に混練棒(4)が配置されていて、軸がハウジング(6)によって取り囲まれており、該ハウジング(6)において、少なくとも1つの開口(10)が軸の上に形成され、かつ生成物排出のための少なくとも1つの開口(11)が形成されており、さらに軸(2,3)が、互いに同速度又は異なった速度でかつ同方向又は逆方向で回転可能であるように、両端部において支承されていて、少なくとも1つの端部において駆動される形式のものにおいて、軸の構造が、軸における曲げの固有振動数と励起体振動数との絶対値の差を、曲げの固有振動数で割った値に100を掛けて得られる数値が少なくとも5であるように、構成されていることを特徴とする混合混練機。
【請求項2】
下記の構成(イ)〜(ハ)、すなわち、
(イ)少なくとも1つの軸が中空軸として形成されていて、温度調節媒体によって貫流されており、入口(12)が軸の一方の側に配置され、かつ出口(13)が軸の他方の側に配置されており、
(ロ)軸の上における少なくとも1つの開口が、押し退け体(23)によって閉鎖されており、該押し退け体(23)の、軸に向けられた側は、押し退け体(23)と軸の混練棒との間に間隙が存在し、該間隙の間隙幅が最大で混練棒とハウジングとの間の連続した間隙幅に相当するように、形成されており、
(ハ)生成物排出のための開口(11)の開口横断面が調節可能である
という構成のうちの少なくとも1つが設けられている、請求項1記載の混合混練機。
【請求項3】
前記数値が少なくとも15である、請求項1又は2記載の混合混練機。
【請求項4】
前記数値が少なくとも20である、請求項1又は2記載の混合混練機。
【請求項5】
軸の上における開口がドーム(20)としてハウジングに形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の混合混練機。
【請求項6】
生成物排出のための開口(11)が、防壁(14)としてハウジング壁に形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の混合混練機。
【請求項7】
生成物排出のための開口に排出シャフトが接続されていて、該排出シャフトの壁が絶縁体もしくは断熱体を備えている、請求項1から6までのいずれか1項記載の混合混練機。
【請求項8】
混合混練機が付加的な閉鎖可能な排出フラップ(17)を有しており、該排出フラップ(17)が少なくとも10000mm2の開口横断面を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の混合混練機。
【請求項9】
排出フラップ(17)が防壁(14)に形成されている、請求項8記載の混合混練機。
【請求項10】
押し退け体(23)に、出発物質供給のための少なくとも1つの通路(25,26)が形成されている、請求項2から9までのいずれか1項記載の混合混練機。
【請求項11】
出発物質供給のための通路(25)に調量装置が受容されている、請求項10記載の混合混練機。
【請求項12】
少なくとも1つの通路(25,26)がプラスチック表面を有している、請求項10又は11記載の混合混練機。
【請求項13】
押し退け体に少なくとも2つの通路(25,26)が設けられている場合に、これらの通路の、軸に向けられた開口が互いに近接して配置されている、請求項9から11までのいずれか1項記載の混合混練機。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載の混合混練機を使用してポリ(メタ)アクリレートを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−55887(P2012−55887A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209542(P2011−209542)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【分割の表示】特願2007−532859(P2007−532859)の分割
【原出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】