混合用アタッチメント
【課題】 高い粘度の薬剤を用いる場合でも、所望の時間内に剤残りが生じるのを抑制しつつ、所望の濃度で継続して薬剤を徐放させながら原水に混合できる混合用アタッチメントを提供する。
【解決手段】 原水主流路13と原水主流路14との間に介在して設けられ、薬剤収容室15に収容された混合用薬剤を流入口37を介して原水主流路13から流入した原水に混合しつつ、流出口39を介して原水主流路14に流出させる混合用アタッチメント10であって、薬剤収容室15には、流入口37から流出口39へ向かう水の流れの作用によって薬剤収容室15の内部で遊動する、比重の異なる2種類の流動子50a,50bが収容されている。また混合用アタッチメント10は、内側筒体16と外側筒体17とを有しており、内側筒体16の内側を原水主流路18とすると共に、内側筒体16と外側筒体17との間の中空部を薬剤収容室15としている。
【解決手段】 原水主流路13と原水主流路14との間に介在して設けられ、薬剤収容室15に収容された混合用薬剤を流入口37を介して原水主流路13から流入した原水に混合しつつ、流出口39を介して原水主流路14に流出させる混合用アタッチメント10であって、薬剤収容室15には、流入口37から流出口39へ向かう水の流れの作用によって薬剤収容室15の内部で遊動する、比重の異なる2種類の流動子50a,50bが収容されている。また混合用アタッチメント10は、内側筒体16と外側筒体17とを有しており、内側筒体16の内側を原水主流路18とすると共に、内側筒体16と外側筒体17との間の中空部を薬剤収容室15としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤収容室に収容された混合用薬剤を原水に混合しつつ、該原水と共に流出させる混合用アタッチメント、及び該混合用アタッチメントを一体として取り付けた薬剤散布器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばシャワー器具等の散布器具において、ホース等の管路を経て供給される原水に入浴剤等の薬剤を混合用薬剤として添加混合し、これらの混合用薬剤とともに原水を散布器具から散布できるようにしたアタッチメントが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のアタッチメントは、図6に示すように、外部容器60の内部に薬剤収容室としての内部容器61が設けられた2重構造を備えており、ホース等の管路や、各種の散布器具に取り付けて使用されるものである。そして、内部容器61には混合用薬剤が収容されており、内部容器61の入液口62に設けられたバルブ63を開閉して原水を内部に流入させ、流入した原水により混合用薬剤を溶解又は希釈しつつ常時開放の流出口64を介して原水を流出させて、原水流路65を通過する原水に合流させることにより、混合用薬剤が添加混合された状態で原水を散布器具から散布できるようにするものである。
【0004】
また、特許文献2に記載のアタッチメントは、内側筒体と外側筒体からなる二重構造を備え、内側筒体の内側を主通水路(原水流路)とすると共に、内側筒体と外側筒体との間を副通水路(薬剤収容室)とし、薬剤収容室の内部に水によって溶出する固形化された化粧剤を封入してなるものである。そして、特許文献2に記載のアタッチメントによれば、配水板の通水孔を介して薬剤収容室に原水を導入し、この導入した原水によって固形化された化粧剤を溶出させつつ常時開放の出口から排出して、主通水路を流れる原水と共に流下させるものである。
【特許文献1】特開平8−187454号公報
【特許文献2】実開平6−81389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、例えばシャワー器具に薬剤混合用のアタッチメントを取り付けて用いる場合、シャワー水に混合される薬剤を所望の濃度に保持しつつ、所望の時間継続して薬剤を徐放させるようにすることが好ましく、また薬剤収容室に収容された薬剤を、残すことなく所望の時間内にその略全部を使い切って、効率良く薬剤を散布できるようにすることが好ましい。
【0006】
しかしながら、従来の薬剤混合用のアタッチメントによれば、特に例えば2000〜30000mPa・sec程度の粘度の薬剤を薬剤収容室に収容して用いる場合や、薬剤収容室に流入する原水が低水量(3L/分以下)の場合、或いはパウダー入りの薬剤を用いる場合等においては、薬剤収容室内の薬剤が原水に混合し難くなり、特に流速が遅くなる薬剤収容室の壁面近傍部分の薬剤が、徐放されることなく剤残りを生じやすくなる。そして、このような薬剤の剤残りによって、アタッチメントが汚れて内部が見難くなると共に、薬剤の無駄を生じ、また予定していた所望の徐放時間を十分に確保できなくなって薬剤による効果が十分に得られなくなる。
【0007】
本発明は、例えば高い粘度の薬剤を用いる場合や、薬剤収容室に流入する原水が低水量の場合、或いはパウダー入りの薬剤を用いる場合でも、剤残りが生じるのを効果的に抑制して薬剤収容室に収容された混合用薬剤を効率良く使用できると共に、所望の濃度で所望の時間継続して薬剤を徐放させつつ原水に混合させることのできる混合用アタッチメント、及び該混合用アタッチメントを取り付けた薬剤散布器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原水主流路、分岐水路及び薬剤収容室を有する混合用アタッチメントであって、前記薬剤収容室には、前記分岐水路から流入する水の流れの作用によって当該薬剤収容室の内部で遊動する流動子が収容されている混合用アタッチメント、及び該混合用アタッチメントを一体として取り付けた薬剤散布器具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の混合用アタッチメント又は薬剤散布器具によれば、例えば高い粘度の薬剤を用いる場合や、薬剤収容室に流入する原水が低水量の場合、或いはパウダー入りの薬剤を用いる場合でも、剤残りが生じるのを効果的に抑制して薬剤収容室に収容された混合用薬剤を効率良く使用できると共に、所望の濃度で所望の時間継続して薬剤を徐放させつつ原水に混合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好ましい一実施形態に係る混合用アタッチメント10は、図1に示すように、例えば、散布器具であるシャワー器具11と、シャワー水供給ホース12との間に介在して取り付けられ、原水であるシャワー水に浴用薬剤、洗浄用薬剤、香料薬剤、スキンケア用薬剤等の薬剤を添加混合しつつ下流側のシャワー器具11に向けて流下させて、これらの薬剤が添加混合されたシャワー水によってシャワーを行うことを可能にし、シャワー器具11を薬剤散布器具としても用いることができるようにするために採用されたものである。すなわち、本実施形態の混合用アタッチメント10は、例えば合成樹脂からなり、例えば使用者が湯上り用としてシャワーを使用する際に、その都度、薬剤収容室15(図2参照)に所望量(薬剤の1回当たりの使用量が5〜25g)の混合用薬剤を注入充填し、入浴の仕上げとして、例えば10〜60秒間程度、混合用薬剤を徐放させつつシャワー水を身体に散水させ、当該混合用薬剤を身体に付着させて、これらの薬剤による効用が得られるようにすること目的として用いられるものである。
【0011】
そして、本実施形態の混合用アタッチメント10は、図2及び図3(a),(b)に示すように、シャワー水供給ホース12側の原水主流路(上流側流路)13とシャワー器具11側の原水主流路(下流側流路)14との間に介在して設けられ、薬剤収容室15に収容された混合用薬剤を流入口37(図3(b)参照)を介して原水主流路13から流入した原水に混合しつつ、当該混合用薬剤を希釈させた混合液を原水と共に流出口39(図3(b)参照)を介して原水主流路14に流出させるアタッチメントであって、薬剤収容室15には、流入口37から流出口39へ向かう水の流れの作用によって当該薬剤収容室15の内部で遊動する流動子50a,50bが収容されている。
【0012】
また、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、同心状に配置された内側筒体16と外側筒体17とを有しており、内側筒体16の内側は原水主流路18となっていると共に、内側筒体16と外側筒体17との間の円環状断面を有する中空部は、両端を上流側閉塞部19と下流側閉塞部20とで覆って薬剤収容室15となっている。
【0013】
さらに、本実施形態によれば、薬剤収容室15に収容される流動子50a,50bは、比重の異なる少なくとも2種類の流動子50a,50bからなり、薬剤収容室15に複数収容されている(本実施形態では、各2個、合計4個)。なお、本発明によれば、少なくとも2種類の流動子として、比重、形状、又は大きさが異なる流動子を用いることができ、これらの内の2要素又は3要素が共に異なる流動子であっても良い。
【0014】
本実施形態の混合用アタッチメント10を構成する内側筒体16は、円盤ドーナツ形状の上方基盤32と円盤ドーナツ形状の下方基盤33とによって上下の端部を支持された状態で固定され、内側の原水主流路18は、上方基盤32及び下方基盤33の中央貫通穴32a,33aを介して原水主流路14や原水主流路13と連通している。この内側筒体16の下部及び上部における周面が上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20によって覆われる部分には、上流側連通孔34及び下流側連通孔35が、当該内側筒体16の周壁を横方向に貫通するようにして、周方向Yの同じ位置に上下に配置されて各々形成されている(図3(a),(b)参照)。
【0015】
外側筒体17は、好ましくは透明な合成樹脂からなるスリーブ形状の部材であって、その下端部及び上端部において、内側筒体16との間に上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20を各々介在させて、内側筒体16に対して周方向Y(図5(b)参照)。に回転移動可能に取り付けられる。これによって、外側筒体17の内側には、当該外側筒体17と、内側筒体16と、上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20とによって囲まれる、円環状断面の薬剤収容室15が形成されることになる。
【0016】
なお、本実施形態によれば、外側筒体17には、これの下部における周面に薬剤収容室15への薬剤注入口23が開口形成され、この薬剤注入口23は水抜き口を兼ねると共に、外側筒体17の上部には、薬剤注入口23の垂直上方に位置して空気孔36が開口形成されている。そして、薬剤注入口23及び空気孔36を覆うようにして、これらと同時に合致可能なスライド注入口24及びスライド空気孔43を有する開閉スライド部材25が、外側筒体17の軸方向Xにスライド移動可能に取り付けられている(図5(a),(b)参照)。
【0017】
外側筒体17と内側筒体16との間に介在する上流側閉塞部19と下流側閉塞部20は、円盤ドーナツ形状の部材であって、下方基盤33と上方基盤32の薬剤収容室15側の内面に各々回転スライド可能に密着して取り付けられる。また上流側閉塞部19と下流側閉塞部20は、シール性を確保するためのO−リングを適宜の位置に介在させつつ、上流側閉塞部19と下流側閉塞部20の外周面を外側筒体17の内周面に各々接合一体化すると共に、これらの内周面を内側筒体16の外周面に各々回転スライド可能に密着させて取り付けられる。これによって上流側閉塞部19と下流側閉塞部20は、内側筒体16を中心とした周方向Yに、外側筒体17と一体となって回転移動することになる。
【0018】
また、上流側閉塞部19と下流側閉塞部20の内部には、これらの断面中央部分を同心状かつ円環状に貫通するようにして、原水流入路(分岐水路)21及び流出路(分岐水路)22が、周方向Yに沿って延設して各々形成されている。原水流入路21が形成された上流側閉塞部19には、内側筒体16の上流側連通孔34と合致することが可能な周方向Yの特定の位置に、内側筒体16の外周面を覆う当該上流側閉塞部19の内壁部分を貫通して、流入口37(図3(b)参照)が形成されている。また原水流入路21の天面壁部分を貫通して、収容室連通孔38が周方向Yに複数箇所開口形成されており、これらの収容室連通孔38を介して、原水流入路21から薬剤収容室15に原水を供給することができるようになっている。
【0019】
一方、流出路22が形成された下流側閉塞部20には、内側筒体16の下流側連通孔35と合致することが可能な周方向Yの特定の位置に、内側筒体16外周面を覆う当該下流側閉塞部20の内壁部分を貫通して、流出口39(図3(b)参照)が、流入口37と同じ方向に開口して形成されている。また流出路22の下面壁部分を貫通して、収容室連通孔40が周方向Yに複数箇所開口形成されており、これらの収容室連通孔40を介して、混合用薬剤を混入した原水を薬剤収容室15から流出路22に排出することができるようになっている。
【0020】
そして、本実施形態によれば、内側筒体16に対する上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20が一体となった外側筒体17の相対的な回転移動によって、図3(a)に示すような、上流側連通孔34及び下流側連通孔35と、流入口37及び流出口39とが互いにずれて原水流入路21及び流出路22が閉塞された状態と、図3(b)に示すような、上流側連通孔34及び下流側連通孔35と、流入口37及び流出口39とが互いに合致して原水流入路21及び流出路22が開放された状態とを切り替えて、原水流入路21及び流出路22の開閉操作を容易に行うことが可能になる。
【0021】
本実施形態によれば、薬剤収容室15の内部に収容される流動子50a,50bは、例えば直径が3〜10mmのプラスチック製の球状部材(固体状部材)であり、比重が例えば1.0の第1流動子と比重が例えば1.7の第2流動子とが、各々2個ずつ合計4個収容されている。
【0022】
ここで、本発明によれば、薬剤収容室の内部に配設される流動子の形状は、球形以外にも例えばタマゴ形、ビーズ形状、円筒(円柱)形状、円盤形状、矩形平板形状、立方体形状、六面体形状等、その他の種々の形状のもを用いることができる。また流動子は中実体または非中実体のいずれでも良く、薬剤収容室の内部で自由に移動できる程度の大きさとして、例えば最大外形寸法が3〜10mm程度の大きさを備えていると共に、その見掛比重が、薬剤収容室に収容される混合用薬剤、或いは薬剤収容室に流入する原水の比重の1〜3倍程度が好ましい。本発明の混合用アタッチメントに係わる流動子は、流入口から流出口へ向かう水の流れの作用によって、薬剤収容室の内部において、壁面に衝突したり流動子同士で衝突しながら上下左右にあばれるようにして自由に動く(遊動する)。
【0023】
また、本発明の混合用アタッチメントでは、用いる流動子の数が同じであれば、大きい流動子を用いた方が剤残り率が低くなる。なお、流動子の大きさと薬剤収容室の幅との関係について付記すると、例えば内側筒体16と外側筒体17との間のクリアランスC(図3(a),(b)参照)を6.3mm(最小部)〜6.54mmとした場合に、直径4mm(クリアランスCの60%)〜6mm(同95%)の球状の流動子50a,50bを用いると、剤残り率の低減が良好であり、流動子の大きさとしては好ましい範囲であった。
【0024】
さらに、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、薬剤収容室15に不規則な水の流れを生じさせる乱流発生手段を備えており、これによって、薬剤収容室15の内部の全体に亘って、流動子50a,50bをさらにランダムに遊動させることができるようになっている。すなわち、乱流発生手段は、例えば図4に示すように、周方向を向いた切欠き面51に周方向放流口52を開口形成した放流羽53を、周方向に180度ずらして2箇所に配置してなる螺旋流発生手段と、各切欠き面51から周方向に90度ずれた2箇所において、放流羽53の外周面に近接して上方に向けて開口形成された軸方向放流口54による軸方向放流手段とによって構成される。
【0025】
そして、螺旋流発生手段の周方向放流口52と軸方向放流手段の軸方向放流口54は、各々上流側閉塞部19の収容室連通孔38を介して原水流入路21と連通しており、流入口37及び流出口39が開放された際に原水流入路21に流入する原水の圧力によって、当該原水を螺旋方向と軸方向に向けて同時に放流させる。これによって、螺旋方向の流れと軸方向の流れとが混合された不規則な流れ(乱流)を、薬剤収容室15の内部に容易に生じさせることができるようになっている。
【0026】
また、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、図3(a),(b)及び図5(a),(b)に示すように、開閉スライド部材25を軸方向Xにスライド移動させて薬剤注入口23とスライド注入口24とを合致させた状態では(図3(a),図5(a)参照)、内側筒体16に対する外側筒体17の周方向Yへの回転移動を阻止し、外側筒体17を回転移動させて原水流入路21や流出路22が開放された状態では(図3(b),図5(b)参照)、開閉スライド部材25の軸方向Xへのスライド移動を阻止するロック機構を備えている。
【0027】
すなわち、開閉スライド部材25は、外側筒体17の下端縁部から下方に突出可能にスライド移動できるように取り付けられており、ロック機構は、この開閉スライド部材25と、外側筒体17の下方において開閉スライド部材25の下端部である下方突出部分25aを係止する切り欠き凹部26と、外側筒体17の上方に設けられた、遊嵌凸部27及びこの遊嵌凸部27を周方向Yにスライド移動可能に遊嵌する切り欠き凹溝28とによって構成される。そして、開閉スライド部材25の下方突出部分25aを切り欠き凹部26に係止した状態(図5(a)参照)で薬剤注入口23とスライド注入口24とを合致させ、この係止した状態を開放して遊嵌凸部27が切り欠き凹溝28の一方(右側)の端部に当接するまで外側筒体17を回転させることにより(図5(b)参照)、原水流入路21や流出路22を開放するようになっている。
【0028】
また、本実施形態によれば、外側筒体17は、当該外側筒体17の上方及び下方に設けられた上方環状突壁29と下方環状突壁30との間に配置されてこれらに対して周方向Yに回転可能に取り付けられており、切り欠き凹部26は、下方環状突壁30の上端縁部を切り欠いて形成され、切り欠き凹溝28は、上方環状突壁29の下端縁部を切り欠いて形成されている。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、外側筒体17の周面には、外側筒体17の軸方向Xに延設するスライド案内溝31が形成されており、開閉スライド部材25は、このスライド案内溝31に填め込まれて当該スライド案内溝31に沿って軸方向Xにスライド移動するようになっている。
【0030】
そして、上述の構成を有する本実施形態の混合用アタッチメント10が取り付けられたシャワー器具11を用いて、混合用薬剤を混合したシャワー水によるシャワーを行うには、まず薬剤収容室15に所望量の混合用薬剤を注入する作業を行う。すなわち、混合用アタッチメント10やシャワー器具11が一体として取り付けられた、図1に示す薬剤散布器具を手で把持し、例えば親指を開閉スライド部材25の隆起部25cに密着係止して、遊嵌凸部27が切り欠き凹溝28の左側端部に当接するまで外側筒体17を回転移動し、さらに開閉スライド部材25を下方にスライド移動して、下方突出部分25aを切り欠き凹部26に係止する。これによって、外側筒体17の薬剤注入口23及び空気孔36と、開閉スライド部材25のスライド注入口24及びスライド空気孔43とが合致するので、空気孔36から空気を排除しつつ、薬剤注入口23を介して薬剤収容室15へ、例えば2000〜30000mPa・sec程度の粘度を有する混合用薬剤をスムーズに注入してゆくことが可能になる。またこの注入作業の最中には、下方突出部分25aの切り欠き凹部26への係止によって、外側筒体17の回転移動が阻止されて、薬剤収容室15に原水を流入させることがない。なお、混合用薬剤の粘度の測定条件は、使用機器:BM型粘度計((株)東京什器製)、ローター:No.4、回転数:12rpm、測定時間:60秒、測定温度:25℃である。
【0031】
薬剤収容室15へ混合用薬剤を所望量注入したら、例えば上述と同様の親指の操作によって、開閉スライド部材25を、その上端部25bが切り欠き凹溝28の左側端部の上縁部分に当接するまで上方にスライド移動させる。これによって、外側筒体17の薬剤注入口23及び空気孔36と、開閉スライド部材25のスライド注入口24及びスライド空気孔43とがずれて、薬剤注入口23及び空気孔36が閉塞され、注入された混合用薬剤が薬剤収容室15から洩出することなく内部に収容された、薬剤散布までの待機状態となる。また、開閉スライド部材25を上方にスライド移動させた後に、これの下端部25aが切り欠き凹部26から周方向Yに外れるように外側筒体17を僅かに回転移動させることにより、かかる待機状態において、開閉スライド部材25が下方に移動して混合用薬剤が洩出するのを効果的に回避することが可能になる。
【0032】
このような待機状態から、使用者が、例えば入浴の仕上げとしてシャワー水と共に混合用薬剤を身体に散布する際には、例えばシャワーを行いつつ上述と同様の親指の操作によって、開閉スライド部材25の遊嵌凸部27が切り欠き凹溝28の右側端部に当接するまで外側筒体17を回転移動する。これによって、上流側連通孔34及び下流側連通孔35と流入口37及び流出口39とが互いに合致し、原水を薬剤収容室15に流入させると共に、混合用薬剤を原水に混合させて原水主流路14に流出させることが可能になり、例えば10〜60秒間、混合用薬剤が無くなるまでシャワー水と共に混合用薬剤を身体に散布することが可能になる。
【0033】
シャワーが終了したら、例えば上述と同様の親指の操作によって、外側筒体17を反対側に回転移動して遊嵌凸部27を切り欠き凹溝28の左側端部に当接させ、さらに下方突出部分25aが切り欠き凹部26に係止するまで開閉スライド部材25を下方にスライド移動させる。これによって、外側筒体17の薬剤注入口23及び空気孔36と、開閉スライド部材25のスライド注入口24及びスライド空気孔43とが合致して、混合用薬剤と入れ替わった原水が薬剤注入口23を介して薬剤収容室15から水抜き出され、薬剤収容室15へ混合用薬剤を注入してゆくことが可能な状態に復帰することになる。
【0034】
そして、本実施形態によれば、混合用薬剤として上述のような粘度の薬剤を使用する場合や、薬剤収容室15に流入する原水が低水量の場合であっても、剤残りが生じるのを抑制して薬剤収容室15に収容された混合用薬剤を効率良く使用できると共に、所望の濃度で所望の時間継続して薬剤を徐放させつつ、安定した状態で原水に混合させることが可能になる。
【0035】
すなわち、本実施形態によれば、流入口37から流出口39へ向かう水の流れの作用によって薬剤収容室15の内部で遊動する流動子50a,50bが収容されているので、これらの流動子50a,50bが薬剤収容室15の内部においてあばれるようにして上下左右に自由に動くことにより、例えば薬剤収容室15の壁面に衝突しながら、特に流速が遅くなる壁面近傍部分の薬剤を掻き落とすことによって、剤残りを抑制しつつ混合用薬剤を徐放させることが可能になる。
【0036】
また、本実施形態によれば、比重や形状等の異なる2種類の流動子50a,50bが薬剤収容室15に収容されているので、壁面近傍部分の薬剤を掻き落とす機能が顕著に発揮されることになる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、螺旋流発生手段と軸方向放流手段とからなる乱流発生手段を備えているので、薬剤収容室15の内部に不規則な水の流れを容易に形成することが可能になり、これによって、流動子50a,50bをさらにランダム且つあばれるように遊動させることが可能になり、上記の機能を、一層顕著に発揮させることが可能になる。
【0038】
また、薬剤収容室に収容される流動子は、1個のみを用いることもできるが、2個以上用いることがよい。その際、比重、形状、又は大きさのいずれかが異なる2種以上の流動子の組み合わせが更に良い。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の混合用アタッチメントは、シャワー水に浴用薬剤やスキンケア用薬剤等の身体用薬剤を混合して送り出すものに限定されることなく、シャワー器具以外のその他の薬剤散布器具に取り付けて、各種の液状、ゲル状、粒状、固形状等の家庭用消費薬剤や農業用薬剤等の薬剤を原水に混合するために採用することもできる。また、混合用アタッチメントは、シャワー器具とシャワー水供給ホースとの間に介在させて取り付ける必要は必ずしもなく、シャワー器具の外部から見えないように当該シャワー器具に内蔵させて取り付けることもできる。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
〔実施例1〜11〕
上記実施形態の混合用アタッチメントと同様の構成を備えるアタッチメントの薬剤収容室に、表1に示す種類及び数の流動子を収容した実施例1〜11の混合用アタッチメントを、図1に示すシャワー器具に各々取り付け、後述する測定方法によって、所定時間の散水後に薬剤収容室に収容された混合用薬剤の剤残り率(%)を測定した。なお、実施例1〜4は、螺旋流発生手段を設けることなく薬剤収容室において軸方向にのみ原水を放流するようにしたものであり、実施例5〜11は、螺旋流発生手段を設けて、薬剤収容室において螺旋方向及び軸方向に原水を放流するようにしたものである。剤残り率(%)の測定結果を表1に示す。
【0042】
〔比較例1,2〕
上記実施形態の混合用アタッチメントと同様の構成を備えるアタッチメントの薬剤収容室に流動子を収容しなかった比較例1,2の各混合用アタッチメントを、図1に示すシャワー器具に取り付け、後述する測定方法によって、所定時間の散水後に薬剤収容室に収容された混合用薬剤の剤残り率(%)を測定した。なお、比較例1は、螺旋流発生手段を設けることなく薬剤収容室において軸方向にのみ原水を放流するようにしたものであり、比較例2は、螺旋流発生手段を設けて、薬剤収容室において螺旋方向及び軸方向に原水を放流するようにしたものである。剤残り率(%)の測定結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
〔剤残り率の測定方法〕
実施例1〜11及び比較例1,2の混合用アタッチメントの各薬剤収容室に、粘度13000mPa・sec、比重0.93の着色した混合用薬剤を、12g充填収容した直後に、薬剤収容室を側面から写真撮影し、混合用薬剤によって覆われた収容室の内壁の投影面積を計測してその面積をAとする。シャワー水供給ホースから8L/分の流量で原水を各混合用アタッチメントに供給しつつ、原水流入路及び流出路を開放して、原水を薬剤収容室に表1に示す所定の時間通水させた後に、同様に薬剤収容室を側面から写真撮影し、溶け残った混合用薬剤によって覆われた部分の投影面積を計測してその面積をBとする。B/A×100(%)を溶け残り率とする。
【0045】
表1に示す剤残り率(%)の測定結果から明らかな様に、薬剤収容室に流動子を収容した本発明に係る実施例1〜11の混合用アタッチメントは、薬剤収容室に流動子を収容しなかった比較例1,2の混合用アタッチメントと比較して、10〜60秒程度の所望の時間内に、剤残りを顕著に少なくして混合用薬剤を効率良く原水に混合してゆくことができ、例えば湯上り用のシャワーを行うのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントをシャワー器具に取り付けて使用する状況を説明する側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントをシャワー器具に取り付けて構成される薬剤散布器具の断面図である。
【図3】(a)は、本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントの、薬剤収容室へ混合用薬剤を注入可能な状態を示す断面図、(b)は、本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントの、混合用薬剤を原水に混合可能な状態を示す断面図である。
【図4】螺旋流発生手段と軸方向放流手段とからなる乱流発生手段を例示する略示斜視図である。
【図5】(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントを示す側面図ある。
【図6】従来の混合用アタッチメントの一例を説明する部分破断側面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 混合用アタッチメント
11 シャワー器具
12 シャワー水供給ホース
13 上流側流路(原水主流路)
14 下流側流路(原水主流路)
15 薬剤収容室
16 内側筒体
17 外側筒体
18 原水主流路
19 上流側閉塞部
20 下流側閉塞部
21 原水流入路(分岐水路)
22 流出路(分岐水路)
23 薬剤注入口
24 スライド注入口
25 開閉スライド部材
25a 開閉スライド部材の下端部(下方突出部分)
25b 開閉スライド部材の上端部(上方突出部分)
26 切り欠き凹部
27 遊嵌凸部
28 切り欠き凹溝
29 上方環状突壁
30 下方環状突壁
31 スライド案内溝
32 上方基盤
33 下方基盤
34 上流側連通孔
35 下流側連通孔
36 空気孔
37 流入口
38 収容室連通孔
39 流出口
40 収容室連通孔
43 スライド空気孔
50a,50b 流動子
51 切欠き面
52 周方向放流口(螺旋流発生手段)
53 放流羽
54 軸方向放流口(軸方向放流手段)
X 軸方向
Y 周方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤収容室に収容された混合用薬剤を原水に混合しつつ、該原水と共に流出させる混合用アタッチメント、及び該混合用アタッチメントを一体として取り付けた薬剤散布器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばシャワー器具等の散布器具において、ホース等の管路を経て供給される原水に入浴剤等の薬剤を混合用薬剤として添加混合し、これらの混合用薬剤とともに原水を散布器具から散布できるようにしたアタッチメントが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のアタッチメントは、図6に示すように、外部容器60の内部に薬剤収容室としての内部容器61が設けられた2重構造を備えており、ホース等の管路や、各種の散布器具に取り付けて使用されるものである。そして、内部容器61には混合用薬剤が収容されており、内部容器61の入液口62に設けられたバルブ63を開閉して原水を内部に流入させ、流入した原水により混合用薬剤を溶解又は希釈しつつ常時開放の流出口64を介して原水を流出させて、原水流路65を通過する原水に合流させることにより、混合用薬剤が添加混合された状態で原水を散布器具から散布できるようにするものである。
【0004】
また、特許文献2に記載のアタッチメントは、内側筒体と外側筒体からなる二重構造を備え、内側筒体の内側を主通水路(原水流路)とすると共に、内側筒体と外側筒体との間を副通水路(薬剤収容室)とし、薬剤収容室の内部に水によって溶出する固形化された化粧剤を封入してなるものである。そして、特許文献2に記載のアタッチメントによれば、配水板の通水孔を介して薬剤収容室に原水を導入し、この導入した原水によって固形化された化粧剤を溶出させつつ常時開放の出口から排出して、主通水路を流れる原水と共に流下させるものである。
【特許文献1】特開平8−187454号公報
【特許文献2】実開平6−81389号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、例えばシャワー器具に薬剤混合用のアタッチメントを取り付けて用いる場合、シャワー水に混合される薬剤を所望の濃度に保持しつつ、所望の時間継続して薬剤を徐放させるようにすることが好ましく、また薬剤収容室に収容された薬剤を、残すことなく所望の時間内にその略全部を使い切って、効率良く薬剤を散布できるようにすることが好ましい。
【0006】
しかしながら、従来の薬剤混合用のアタッチメントによれば、特に例えば2000〜30000mPa・sec程度の粘度の薬剤を薬剤収容室に収容して用いる場合や、薬剤収容室に流入する原水が低水量(3L/分以下)の場合、或いはパウダー入りの薬剤を用いる場合等においては、薬剤収容室内の薬剤が原水に混合し難くなり、特に流速が遅くなる薬剤収容室の壁面近傍部分の薬剤が、徐放されることなく剤残りを生じやすくなる。そして、このような薬剤の剤残りによって、アタッチメントが汚れて内部が見難くなると共に、薬剤の無駄を生じ、また予定していた所望の徐放時間を十分に確保できなくなって薬剤による効果が十分に得られなくなる。
【0007】
本発明は、例えば高い粘度の薬剤を用いる場合や、薬剤収容室に流入する原水が低水量の場合、或いはパウダー入りの薬剤を用いる場合でも、剤残りが生じるのを効果的に抑制して薬剤収容室に収容された混合用薬剤を効率良く使用できると共に、所望の濃度で所望の時間継続して薬剤を徐放させつつ原水に混合させることのできる混合用アタッチメント、及び該混合用アタッチメントを取り付けた薬剤散布器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原水主流路、分岐水路及び薬剤収容室を有する混合用アタッチメントであって、前記薬剤収容室には、前記分岐水路から流入する水の流れの作用によって当該薬剤収容室の内部で遊動する流動子が収容されている混合用アタッチメント、及び該混合用アタッチメントを一体として取り付けた薬剤散布器具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の混合用アタッチメント又は薬剤散布器具によれば、例えば高い粘度の薬剤を用いる場合や、薬剤収容室に流入する原水が低水量の場合、或いはパウダー入りの薬剤を用いる場合でも、剤残りが生じるのを効果的に抑制して薬剤収容室に収容された混合用薬剤を効率良く使用できると共に、所望の濃度で所望の時間継続して薬剤を徐放させつつ原水に混合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の好ましい一実施形態に係る混合用アタッチメント10は、図1に示すように、例えば、散布器具であるシャワー器具11と、シャワー水供給ホース12との間に介在して取り付けられ、原水であるシャワー水に浴用薬剤、洗浄用薬剤、香料薬剤、スキンケア用薬剤等の薬剤を添加混合しつつ下流側のシャワー器具11に向けて流下させて、これらの薬剤が添加混合されたシャワー水によってシャワーを行うことを可能にし、シャワー器具11を薬剤散布器具としても用いることができるようにするために採用されたものである。すなわち、本実施形態の混合用アタッチメント10は、例えば合成樹脂からなり、例えば使用者が湯上り用としてシャワーを使用する際に、その都度、薬剤収容室15(図2参照)に所望量(薬剤の1回当たりの使用量が5〜25g)の混合用薬剤を注入充填し、入浴の仕上げとして、例えば10〜60秒間程度、混合用薬剤を徐放させつつシャワー水を身体に散水させ、当該混合用薬剤を身体に付着させて、これらの薬剤による効用が得られるようにすること目的として用いられるものである。
【0011】
そして、本実施形態の混合用アタッチメント10は、図2及び図3(a),(b)に示すように、シャワー水供給ホース12側の原水主流路(上流側流路)13とシャワー器具11側の原水主流路(下流側流路)14との間に介在して設けられ、薬剤収容室15に収容された混合用薬剤を流入口37(図3(b)参照)を介して原水主流路13から流入した原水に混合しつつ、当該混合用薬剤を希釈させた混合液を原水と共に流出口39(図3(b)参照)を介して原水主流路14に流出させるアタッチメントであって、薬剤収容室15には、流入口37から流出口39へ向かう水の流れの作用によって当該薬剤収容室15の内部で遊動する流動子50a,50bが収容されている。
【0012】
また、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、同心状に配置された内側筒体16と外側筒体17とを有しており、内側筒体16の内側は原水主流路18となっていると共に、内側筒体16と外側筒体17との間の円環状断面を有する中空部は、両端を上流側閉塞部19と下流側閉塞部20とで覆って薬剤収容室15となっている。
【0013】
さらに、本実施形態によれば、薬剤収容室15に収容される流動子50a,50bは、比重の異なる少なくとも2種類の流動子50a,50bからなり、薬剤収容室15に複数収容されている(本実施形態では、各2個、合計4個)。なお、本発明によれば、少なくとも2種類の流動子として、比重、形状、又は大きさが異なる流動子を用いることができ、これらの内の2要素又は3要素が共に異なる流動子であっても良い。
【0014】
本実施形態の混合用アタッチメント10を構成する内側筒体16は、円盤ドーナツ形状の上方基盤32と円盤ドーナツ形状の下方基盤33とによって上下の端部を支持された状態で固定され、内側の原水主流路18は、上方基盤32及び下方基盤33の中央貫通穴32a,33aを介して原水主流路14や原水主流路13と連通している。この内側筒体16の下部及び上部における周面が上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20によって覆われる部分には、上流側連通孔34及び下流側連通孔35が、当該内側筒体16の周壁を横方向に貫通するようにして、周方向Yの同じ位置に上下に配置されて各々形成されている(図3(a),(b)参照)。
【0015】
外側筒体17は、好ましくは透明な合成樹脂からなるスリーブ形状の部材であって、その下端部及び上端部において、内側筒体16との間に上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20を各々介在させて、内側筒体16に対して周方向Y(図5(b)参照)。に回転移動可能に取り付けられる。これによって、外側筒体17の内側には、当該外側筒体17と、内側筒体16と、上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20とによって囲まれる、円環状断面の薬剤収容室15が形成されることになる。
【0016】
なお、本実施形態によれば、外側筒体17には、これの下部における周面に薬剤収容室15への薬剤注入口23が開口形成され、この薬剤注入口23は水抜き口を兼ねると共に、外側筒体17の上部には、薬剤注入口23の垂直上方に位置して空気孔36が開口形成されている。そして、薬剤注入口23及び空気孔36を覆うようにして、これらと同時に合致可能なスライド注入口24及びスライド空気孔43を有する開閉スライド部材25が、外側筒体17の軸方向Xにスライド移動可能に取り付けられている(図5(a),(b)参照)。
【0017】
外側筒体17と内側筒体16との間に介在する上流側閉塞部19と下流側閉塞部20は、円盤ドーナツ形状の部材であって、下方基盤33と上方基盤32の薬剤収容室15側の内面に各々回転スライド可能に密着して取り付けられる。また上流側閉塞部19と下流側閉塞部20は、シール性を確保するためのO−リングを適宜の位置に介在させつつ、上流側閉塞部19と下流側閉塞部20の外周面を外側筒体17の内周面に各々接合一体化すると共に、これらの内周面を内側筒体16の外周面に各々回転スライド可能に密着させて取り付けられる。これによって上流側閉塞部19と下流側閉塞部20は、内側筒体16を中心とした周方向Yに、外側筒体17と一体となって回転移動することになる。
【0018】
また、上流側閉塞部19と下流側閉塞部20の内部には、これらの断面中央部分を同心状かつ円環状に貫通するようにして、原水流入路(分岐水路)21及び流出路(分岐水路)22が、周方向Yに沿って延設して各々形成されている。原水流入路21が形成された上流側閉塞部19には、内側筒体16の上流側連通孔34と合致することが可能な周方向Yの特定の位置に、内側筒体16の外周面を覆う当該上流側閉塞部19の内壁部分を貫通して、流入口37(図3(b)参照)が形成されている。また原水流入路21の天面壁部分を貫通して、収容室連通孔38が周方向Yに複数箇所開口形成されており、これらの収容室連通孔38を介して、原水流入路21から薬剤収容室15に原水を供給することができるようになっている。
【0019】
一方、流出路22が形成された下流側閉塞部20には、内側筒体16の下流側連通孔35と合致することが可能な周方向Yの特定の位置に、内側筒体16外周面を覆う当該下流側閉塞部20の内壁部分を貫通して、流出口39(図3(b)参照)が、流入口37と同じ方向に開口して形成されている。また流出路22の下面壁部分を貫通して、収容室連通孔40が周方向Yに複数箇所開口形成されており、これらの収容室連通孔40を介して、混合用薬剤を混入した原水を薬剤収容室15から流出路22に排出することができるようになっている。
【0020】
そして、本実施形態によれば、内側筒体16に対する上流側閉塞部19及び下流側閉塞部20が一体となった外側筒体17の相対的な回転移動によって、図3(a)に示すような、上流側連通孔34及び下流側連通孔35と、流入口37及び流出口39とが互いにずれて原水流入路21及び流出路22が閉塞された状態と、図3(b)に示すような、上流側連通孔34及び下流側連通孔35と、流入口37及び流出口39とが互いに合致して原水流入路21及び流出路22が開放された状態とを切り替えて、原水流入路21及び流出路22の開閉操作を容易に行うことが可能になる。
【0021】
本実施形態によれば、薬剤収容室15の内部に収容される流動子50a,50bは、例えば直径が3〜10mmのプラスチック製の球状部材(固体状部材)であり、比重が例えば1.0の第1流動子と比重が例えば1.7の第2流動子とが、各々2個ずつ合計4個収容されている。
【0022】
ここで、本発明によれば、薬剤収容室の内部に配設される流動子の形状は、球形以外にも例えばタマゴ形、ビーズ形状、円筒(円柱)形状、円盤形状、矩形平板形状、立方体形状、六面体形状等、その他の種々の形状のもを用いることができる。また流動子は中実体または非中実体のいずれでも良く、薬剤収容室の内部で自由に移動できる程度の大きさとして、例えば最大外形寸法が3〜10mm程度の大きさを備えていると共に、その見掛比重が、薬剤収容室に収容される混合用薬剤、或いは薬剤収容室に流入する原水の比重の1〜3倍程度が好ましい。本発明の混合用アタッチメントに係わる流動子は、流入口から流出口へ向かう水の流れの作用によって、薬剤収容室の内部において、壁面に衝突したり流動子同士で衝突しながら上下左右にあばれるようにして自由に動く(遊動する)。
【0023】
また、本発明の混合用アタッチメントでは、用いる流動子の数が同じであれば、大きい流動子を用いた方が剤残り率が低くなる。なお、流動子の大きさと薬剤収容室の幅との関係について付記すると、例えば内側筒体16と外側筒体17との間のクリアランスC(図3(a),(b)参照)を6.3mm(最小部)〜6.54mmとした場合に、直径4mm(クリアランスCの60%)〜6mm(同95%)の球状の流動子50a,50bを用いると、剤残り率の低減が良好であり、流動子の大きさとしては好ましい範囲であった。
【0024】
さらに、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、薬剤収容室15に不規則な水の流れを生じさせる乱流発生手段を備えており、これによって、薬剤収容室15の内部の全体に亘って、流動子50a,50bをさらにランダムに遊動させることができるようになっている。すなわち、乱流発生手段は、例えば図4に示すように、周方向を向いた切欠き面51に周方向放流口52を開口形成した放流羽53を、周方向に180度ずらして2箇所に配置してなる螺旋流発生手段と、各切欠き面51から周方向に90度ずれた2箇所において、放流羽53の外周面に近接して上方に向けて開口形成された軸方向放流口54による軸方向放流手段とによって構成される。
【0025】
そして、螺旋流発生手段の周方向放流口52と軸方向放流手段の軸方向放流口54は、各々上流側閉塞部19の収容室連通孔38を介して原水流入路21と連通しており、流入口37及び流出口39が開放された際に原水流入路21に流入する原水の圧力によって、当該原水を螺旋方向と軸方向に向けて同時に放流させる。これによって、螺旋方向の流れと軸方向の流れとが混合された不規則な流れ(乱流)を、薬剤収容室15の内部に容易に生じさせることができるようになっている。
【0026】
また、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、図3(a),(b)及び図5(a),(b)に示すように、開閉スライド部材25を軸方向Xにスライド移動させて薬剤注入口23とスライド注入口24とを合致させた状態では(図3(a),図5(a)参照)、内側筒体16に対する外側筒体17の周方向Yへの回転移動を阻止し、外側筒体17を回転移動させて原水流入路21や流出路22が開放された状態では(図3(b),図5(b)参照)、開閉スライド部材25の軸方向Xへのスライド移動を阻止するロック機構を備えている。
【0027】
すなわち、開閉スライド部材25は、外側筒体17の下端縁部から下方に突出可能にスライド移動できるように取り付けられており、ロック機構は、この開閉スライド部材25と、外側筒体17の下方において開閉スライド部材25の下端部である下方突出部分25aを係止する切り欠き凹部26と、外側筒体17の上方に設けられた、遊嵌凸部27及びこの遊嵌凸部27を周方向Yにスライド移動可能に遊嵌する切り欠き凹溝28とによって構成される。そして、開閉スライド部材25の下方突出部分25aを切り欠き凹部26に係止した状態(図5(a)参照)で薬剤注入口23とスライド注入口24とを合致させ、この係止した状態を開放して遊嵌凸部27が切り欠き凹溝28の一方(右側)の端部に当接するまで外側筒体17を回転させることにより(図5(b)参照)、原水流入路21や流出路22を開放するようになっている。
【0028】
また、本実施形態によれば、外側筒体17は、当該外側筒体17の上方及び下方に設けられた上方環状突壁29と下方環状突壁30との間に配置されてこれらに対して周方向Yに回転可能に取り付けられており、切り欠き凹部26は、下方環状突壁30の上端縁部を切り欠いて形成され、切り欠き凹溝28は、上方環状突壁29の下端縁部を切り欠いて形成されている。
【0029】
さらに、本実施形態によれば、外側筒体17の周面には、外側筒体17の軸方向Xに延設するスライド案内溝31が形成されており、開閉スライド部材25は、このスライド案内溝31に填め込まれて当該スライド案内溝31に沿って軸方向Xにスライド移動するようになっている。
【0030】
そして、上述の構成を有する本実施形態の混合用アタッチメント10が取り付けられたシャワー器具11を用いて、混合用薬剤を混合したシャワー水によるシャワーを行うには、まず薬剤収容室15に所望量の混合用薬剤を注入する作業を行う。すなわち、混合用アタッチメント10やシャワー器具11が一体として取り付けられた、図1に示す薬剤散布器具を手で把持し、例えば親指を開閉スライド部材25の隆起部25cに密着係止して、遊嵌凸部27が切り欠き凹溝28の左側端部に当接するまで外側筒体17を回転移動し、さらに開閉スライド部材25を下方にスライド移動して、下方突出部分25aを切り欠き凹部26に係止する。これによって、外側筒体17の薬剤注入口23及び空気孔36と、開閉スライド部材25のスライド注入口24及びスライド空気孔43とが合致するので、空気孔36から空気を排除しつつ、薬剤注入口23を介して薬剤収容室15へ、例えば2000〜30000mPa・sec程度の粘度を有する混合用薬剤をスムーズに注入してゆくことが可能になる。またこの注入作業の最中には、下方突出部分25aの切り欠き凹部26への係止によって、外側筒体17の回転移動が阻止されて、薬剤収容室15に原水を流入させることがない。なお、混合用薬剤の粘度の測定条件は、使用機器:BM型粘度計((株)東京什器製)、ローター:No.4、回転数:12rpm、測定時間:60秒、測定温度:25℃である。
【0031】
薬剤収容室15へ混合用薬剤を所望量注入したら、例えば上述と同様の親指の操作によって、開閉スライド部材25を、その上端部25bが切り欠き凹溝28の左側端部の上縁部分に当接するまで上方にスライド移動させる。これによって、外側筒体17の薬剤注入口23及び空気孔36と、開閉スライド部材25のスライド注入口24及びスライド空気孔43とがずれて、薬剤注入口23及び空気孔36が閉塞され、注入された混合用薬剤が薬剤収容室15から洩出することなく内部に収容された、薬剤散布までの待機状態となる。また、開閉スライド部材25を上方にスライド移動させた後に、これの下端部25aが切り欠き凹部26から周方向Yに外れるように外側筒体17を僅かに回転移動させることにより、かかる待機状態において、開閉スライド部材25が下方に移動して混合用薬剤が洩出するのを効果的に回避することが可能になる。
【0032】
このような待機状態から、使用者が、例えば入浴の仕上げとしてシャワー水と共に混合用薬剤を身体に散布する際には、例えばシャワーを行いつつ上述と同様の親指の操作によって、開閉スライド部材25の遊嵌凸部27が切り欠き凹溝28の右側端部に当接するまで外側筒体17を回転移動する。これによって、上流側連通孔34及び下流側連通孔35と流入口37及び流出口39とが互いに合致し、原水を薬剤収容室15に流入させると共に、混合用薬剤を原水に混合させて原水主流路14に流出させることが可能になり、例えば10〜60秒間、混合用薬剤が無くなるまでシャワー水と共に混合用薬剤を身体に散布することが可能になる。
【0033】
シャワーが終了したら、例えば上述と同様の親指の操作によって、外側筒体17を反対側に回転移動して遊嵌凸部27を切り欠き凹溝28の左側端部に当接させ、さらに下方突出部分25aが切り欠き凹部26に係止するまで開閉スライド部材25を下方にスライド移動させる。これによって、外側筒体17の薬剤注入口23及び空気孔36と、開閉スライド部材25のスライド注入口24及びスライド空気孔43とが合致して、混合用薬剤と入れ替わった原水が薬剤注入口23を介して薬剤収容室15から水抜き出され、薬剤収容室15へ混合用薬剤を注入してゆくことが可能な状態に復帰することになる。
【0034】
そして、本実施形態によれば、混合用薬剤として上述のような粘度の薬剤を使用する場合や、薬剤収容室15に流入する原水が低水量の場合であっても、剤残りが生じるのを抑制して薬剤収容室15に収容された混合用薬剤を効率良く使用できると共に、所望の濃度で所望の時間継続して薬剤を徐放させつつ、安定した状態で原水に混合させることが可能になる。
【0035】
すなわち、本実施形態によれば、流入口37から流出口39へ向かう水の流れの作用によって薬剤収容室15の内部で遊動する流動子50a,50bが収容されているので、これらの流動子50a,50bが薬剤収容室15の内部においてあばれるようにして上下左右に自由に動くことにより、例えば薬剤収容室15の壁面に衝突しながら、特に流速が遅くなる壁面近傍部分の薬剤を掻き落とすことによって、剤残りを抑制しつつ混合用薬剤を徐放させることが可能になる。
【0036】
また、本実施形態によれば、比重や形状等の異なる2種類の流動子50a,50bが薬剤収容室15に収容されているので、壁面近傍部分の薬剤を掻き落とす機能が顕著に発揮されることになる。
【0037】
さらに、本実施形態によれば、混合用アタッチメント10は、螺旋流発生手段と軸方向放流手段とからなる乱流発生手段を備えているので、薬剤収容室15の内部に不規則な水の流れを容易に形成することが可能になり、これによって、流動子50a,50bをさらにランダム且つあばれるように遊動させることが可能になり、上記の機能を、一層顕著に発揮させることが可能になる。
【0038】
また、薬剤収容室に収容される流動子は、1個のみを用いることもできるが、2個以上用いることがよい。その際、比重、形状、又は大きさのいずれかが異なる2種以上の流動子の組み合わせが更に良い。
【0039】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の混合用アタッチメントは、シャワー水に浴用薬剤やスキンケア用薬剤等の身体用薬剤を混合して送り出すものに限定されることなく、シャワー器具以外のその他の薬剤散布器具に取り付けて、各種の液状、ゲル状、粒状、固形状等の家庭用消費薬剤や農業用薬剤等の薬剤を原水に混合するために採用することもできる。また、混合用アタッチメントは、シャワー器具とシャワー水供給ホースとの間に介在させて取り付ける必要は必ずしもなく、シャワー器具の外部から見えないように当該シャワー器具に内蔵させて取り付けることもできる。
【実施例】
【0040】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
〔実施例1〜11〕
上記実施形態の混合用アタッチメントと同様の構成を備えるアタッチメントの薬剤収容室に、表1に示す種類及び数の流動子を収容した実施例1〜11の混合用アタッチメントを、図1に示すシャワー器具に各々取り付け、後述する測定方法によって、所定時間の散水後に薬剤収容室に収容された混合用薬剤の剤残り率(%)を測定した。なお、実施例1〜4は、螺旋流発生手段を設けることなく薬剤収容室において軸方向にのみ原水を放流するようにしたものであり、実施例5〜11は、螺旋流発生手段を設けて、薬剤収容室において螺旋方向及び軸方向に原水を放流するようにしたものである。剤残り率(%)の測定結果を表1に示す。
【0042】
〔比較例1,2〕
上記実施形態の混合用アタッチメントと同様の構成を備えるアタッチメントの薬剤収容室に流動子を収容しなかった比較例1,2の各混合用アタッチメントを、図1に示すシャワー器具に取り付け、後述する測定方法によって、所定時間の散水後に薬剤収容室に収容された混合用薬剤の剤残り率(%)を測定した。なお、比較例1は、螺旋流発生手段を設けることなく薬剤収容室において軸方向にのみ原水を放流するようにしたものであり、比較例2は、螺旋流発生手段を設けて、薬剤収容室において螺旋方向及び軸方向に原水を放流するようにしたものである。剤残り率(%)の測定結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
〔剤残り率の測定方法〕
実施例1〜11及び比較例1,2の混合用アタッチメントの各薬剤収容室に、粘度13000mPa・sec、比重0.93の着色した混合用薬剤を、12g充填収容した直後に、薬剤収容室を側面から写真撮影し、混合用薬剤によって覆われた収容室の内壁の投影面積を計測してその面積をAとする。シャワー水供給ホースから8L/分の流量で原水を各混合用アタッチメントに供給しつつ、原水流入路及び流出路を開放して、原水を薬剤収容室に表1に示す所定の時間通水させた後に、同様に薬剤収容室を側面から写真撮影し、溶け残った混合用薬剤によって覆われた部分の投影面積を計測してその面積をBとする。B/A×100(%)を溶け残り率とする。
【0045】
表1に示す剤残り率(%)の測定結果から明らかな様に、薬剤収容室に流動子を収容した本発明に係る実施例1〜11の混合用アタッチメントは、薬剤収容室に流動子を収容しなかった比較例1,2の混合用アタッチメントと比較して、10〜60秒程度の所望の時間内に、剤残りを顕著に少なくして混合用薬剤を効率良く原水に混合してゆくことができ、例えば湯上り用のシャワーを行うのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントをシャワー器具に取り付けて使用する状況を説明する側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントをシャワー器具に取り付けて構成される薬剤散布器具の断面図である。
【図3】(a)は、本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントの、薬剤収容室へ混合用薬剤を注入可能な状態を示す断面図、(b)は、本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントの、混合用薬剤を原水に混合可能な状態を示す断面図である。
【図4】螺旋流発生手段と軸方向放流手段とからなる乱流発生手段を例示する略示斜視図である。
【図5】(a),(b)は、本発明の一実施形態に係る混合用アタッチメントを示す側面図ある。
【図6】従来の混合用アタッチメントの一例を説明する部分破断側面図である。
【符号の説明】
【0047】
10 混合用アタッチメント
11 シャワー器具
12 シャワー水供給ホース
13 上流側流路(原水主流路)
14 下流側流路(原水主流路)
15 薬剤収容室
16 内側筒体
17 外側筒体
18 原水主流路
19 上流側閉塞部
20 下流側閉塞部
21 原水流入路(分岐水路)
22 流出路(分岐水路)
23 薬剤注入口
24 スライド注入口
25 開閉スライド部材
25a 開閉スライド部材の下端部(下方突出部分)
25b 開閉スライド部材の上端部(上方突出部分)
26 切り欠き凹部
27 遊嵌凸部
28 切り欠き凹溝
29 上方環状突壁
30 下方環状突壁
31 スライド案内溝
32 上方基盤
33 下方基盤
34 上流側連通孔
35 下流側連通孔
36 空気孔
37 流入口
38 収容室連通孔
39 流出口
40 収容室連通孔
43 スライド空気孔
50a,50b 流動子
51 切欠き面
52 周方向放流口(螺旋流発生手段)
53 放流羽
54 軸方向放流口(軸方向放流手段)
X 軸方向
Y 周方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水主流路、分岐水路及び薬剤収容室を有する混合用アタッチメントであって、
前記薬剤収容室には、前記分岐水路から流入する水の流れの作用によって当該薬剤収容室の内部で遊動する流動子が収容されている混合用アタッチメント。
【請求項2】
前記薬剤収容室には、比重、形状、又は大きさの異なる少なくとも2種類の前記流動子が収容されている請求項1に記載の混合用アタッチメント。
【請求項3】
内側筒体と外側筒体とを有し、前記内側筒体の内側を原水主流路とすると共に、前記内側筒体と前記外側筒体との間の中空部を、両端を上流側閉塞部と下流側閉塞部とで覆って前記薬剤収容室とした請求項1又は2に記載の混合用アタッチメント。
【請求項4】
不規則な水の流れを前記薬剤収容室に生じさせる乱流発生手段を備える請求項1〜3のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項5】
前記乱流発生手段は、流入口から流出口へ向かう螺旋流を生じさせる螺旋流発生手段と、流入口から原水を前記薬剤収容室の軸方向に放流する軸方向放流手段とからなる請求項1〜4のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項6】
前記薬剤収容室に収容される混合用薬剤の粘度が2000〜30000mPa・secである請求項1〜5のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項7】
薬剤散布器具に取り付けて使用される請求項1〜6のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の混合用アタッチメントを一体として取り付けた薬剤散布器具。
【請求項1】
原水主流路、分岐水路及び薬剤収容室を有する混合用アタッチメントであって、
前記薬剤収容室には、前記分岐水路から流入する水の流れの作用によって当該薬剤収容室の内部で遊動する流動子が収容されている混合用アタッチメント。
【請求項2】
前記薬剤収容室には、比重、形状、又は大きさの異なる少なくとも2種類の前記流動子が収容されている請求項1に記載の混合用アタッチメント。
【請求項3】
内側筒体と外側筒体とを有し、前記内側筒体の内側を原水主流路とすると共に、前記内側筒体と前記外側筒体との間の中空部を、両端を上流側閉塞部と下流側閉塞部とで覆って前記薬剤収容室とした請求項1又は2に記載の混合用アタッチメント。
【請求項4】
不規則な水の流れを前記薬剤収容室に生じさせる乱流発生手段を備える請求項1〜3のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項5】
前記乱流発生手段は、流入口から流出口へ向かう螺旋流を生じさせる螺旋流発生手段と、流入口から原水を前記薬剤収容室の軸方向に放流する軸方向放流手段とからなる請求項1〜4のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項6】
前記薬剤収容室に収容される混合用薬剤の粘度が2000〜30000mPa・secである請求項1〜5のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項7】
薬剤散布器具に取り付けて使用される請求項1〜6のいずれかに記載の混合用アタッチメント。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の混合用アタッチメントを一体として取り付けた薬剤散布器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−68702(P2006−68702A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258184(P2004−258184)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】
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