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混紡糸及びその製造方法並びに布及びその加工品
説明

混紡糸及びその製造方法並びに布及びその加工品

【課題】 シルク繊維独特の光沢感があり、布にしたときのドレープ性に優れ、軽い、強い、ネップが発生しにくい、適度な吸水性がある等の特徴を兼ね備えた、混紡糸、布及び布加工品を提供する。
【解決手段】 ポリエステル繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルと、レーヨン繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルと、シルク繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルとを混紡してなる混紡糸であって、混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が37〜70質量%、レーヨン繊維が27〜60質量%、シルク繊維が3〜20質量%を占めることを特徴とする混紡糸。この混紡糸を原糸とする布。この布を加工してなる布加工品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混紡糸及びその製造方法、並びに、その混紡糸を原糸とする布及びその加工品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル繊維とレーヨン繊維との混紡糸及びその混紡糸を原糸とする布は、古くからある。例えば特許文献1には、ポリエステル繊維と綿繊維との混紡糸における光沢に乏しいという欠点を解消するために、ポリエステル繊維とレーヨン繊維とを混紡して、絹様の光沢を有するようにした混紡糸が開示されている。しかし、その混紡糸を原糸とする布に、より一層の光沢を出す方法としては、布に後加工又は整理(熱圧力)でセットする方法しかなかった。この方法は手間がかかり、繊維が痛みやすい等の問題がある。
【0003】
また、シルク繊維とポリエステル繊維との混紡糸も知られている。例えば特許文献2には、ポリエステルフィラメントとシルク長繊維との混繊糸におけるドレープ性等が不十分という欠点を解消するために、平均繊維長が25〜40mmのシルク繊維と平均繊維長が25〜40mmのポリエステル繊維とを混紡して、ドレープ性等に優れた混紡糸が開示されている。しかし、この混紡糸を原糸とする布には、強度不足とネップが発生しやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−216936号公報
【特許文献2】特開平3−90640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、シルク繊維独特の光沢感があり、布のドレープ性に優れ、軽い、強い、ネップが発生しにくい、適度な吸水性がある等の特徴を兼ね備えた混紡糸、布及び布加工品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の混紡糸は、ポリエステル繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルと、レーヨン繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルと、シルク繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルとを混紡してなる混紡糸であって、混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が37〜70質量%、レーヨン繊維が27〜60質量%、シルク繊維が3〜20質量%を占めることを特徴とする。
【0007】
(2)本発明の混紡糸の製造方法は、ポリエステル繊維とレーヨン繊維とシルク繊維をそれぞれカット長45〜150mmに裁断してステープルにするステップと、
混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が37〜70質量%、レーヨン繊維が27〜60質量%、シルク繊維が3〜20質量%を占めるようにポリエステル繊維のステープルとレーヨン繊維のステープルとシルク繊維のステープルとを混合して混紡するステップとを含むことを特徴としている。
【0008】
(3)本発明の布は、前記混紡糸を原糸とすることを特徴とする。
【0009】
(4)本発明の布加工品は、前記布を加工してなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シルク繊維独特の光沢感があり、布にしたときのドレープ性に優れ、軽い、強い、ネップが発生しにくい、適度な吸水性がある等の特徴を兼ね備えた、混紡糸、布及び布加工品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の態様について説明する。
1.ポリエステル繊維
ポリエステル繊維は、軽い、強い、弾性に優れる、布のアイロンによる折り目が消えにくい等の特徴がある。ポリエステル繊維の種類は、特に限定されない。
【0012】
ポリエステル繊維のステープルの平均繊維長又はカット長(両者はほぼ等しい)を45〜150mmとするのは、45mm未満では強度不足とネップが発生しやすくなり、150mmを超えると綿紡績として精紡不可となるからである。
【0013】
ポリエステル繊維の平均繊度は、特に限定されないが、1〜3デニールであることが好ましい。
【0014】
配合比率については、混紡糸全体に対してポリエステル繊維が37〜70質量%を占めるようにする。上記ポリエステル繊維の特徴を適度に発揮した混紡糸の性状バランスを得るためである。
【0015】
2.レーヨン繊維
レーヨン繊維は、光沢がある、吸水性がある等の特徴がある。レーヨン繊維の種類は、特に限定されず、例えばビスコース・レーヨン繊維もキュプラモニウム・レーヨン繊維も含む。
【0016】
レーヨン繊維のステープルの平均繊維長又はカット長を45〜150mmとするのは、45mm未満では強度不足とネップが発生しやすくなり、150mmを超えると綿紡績として精紡不可となるからである。
【0017】
レーヨン繊維の平均繊度は、特に限定されないが、1〜3デニールであることが好ましい。
【0018】
配合比率については、混紡糸全体に対してレーヨン繊維が27〜60質量%を占めるようにする。上記レーヨン繊維の特徴を適度に発揮した混紡糸の性状バランスを得るためである。
【0019】
3.シルク繊維
シルク繊維は、種々の繊維のうちでも一番上品な独特の光沢がある、布にしわがよりにくく美しいドレープ(垂らした布の流れるようなひだ)が表現できる、手触りが柔らかである、強く丈夫である等の特徴がある。
生糸は国が定めた方法によって検査が行われ、全ての成績が優れているものを5Aとし、以下成績が低下するにしたがって4A、3A、2A、A、B、C、D、の8階級に分けて格付けが行われている。5Aは最良、Dにいくほどネップが発生する。シルク繊維独特の光沢感をより出すためには、5A〜A格を用いることが好ましい。B以下、Dにいくほど、落ち綿などのシルク繊維が入り込むことにより、光沢感を損なうおそれがある。
【0020】
シルク繊維のステープルの平均繊維長又はカット長を45〜150mmとするのは、45mm未満では強度不足となり、150mmを超えると綿紡績として精紡不可となるからである。上記各繊維の45〜150mmの範囲は、いわゆる2インチ紡(50〜57mmが中心)、3インチ紡(70〜85mmが中心)及び4インチ紡(90〜140mmが中心)を包含する。
【0021】
ポリエステル繊維及びレーヨン繊維にシルク繊維を均一に混紡するには、シルク繊維の平均繊維長(カット長)を、ポリエステル繊維及びレーヨン繊維の平均繊維長(カット長)に合わせることが好ましい。そこで、ポリエステル繊維の平均繊維長(カット長)とレーヨン繊維の平均繊維長(カット長)とシルク繊維の平均繊維長(カット長)は、これら3つのうちの最短のものに対して最長のものが5割以上長くないことが好ましく、3割以上長くないことがより好ましい。
【0022】
シルク繊維の平均繊度は、特に限定されないが、1〜3デニールであることが好ましい。
【0023】
配合比率については、混紡糸全体に対してシルク繊維が3〜20質量%を占めるようにする。上記シルク繊維の特徴を適度に発揮した混紡糸の性状バランスを得るためである。3質量%未満では、シルク繊維独特の光沢感とドレープ性が不足する。
【0024】
4.混紡糸
混紡糸の番手は、特に限定されないが、英国式綿番手換算で、単糸で20/1〜60/1、双糸で20/2〜60/2であることが好ましい。
混紡糸の撚数は、特に限定されないが、単糸で1インチ(25.4mm)当たり5〜40程度、双糸で上撚・下撚とも5〜40程度が好ましい。
【0025】
5.布
布は、上記混紡糸をシート状に加工したものの総称であり、そのうちの特定のものに限定されず、織物、編み物、レース等を例示できる。その織り方や編み方も特に限定されない。
【0026】
6.布加工品
布加工品は、特定の用途品に限定されず、衣服、シーツ、カーテン、テーブル掛け、ハンカチ、テープ等のあらゆる加工品を例示できる。
【実施例1】
【0027】
実施例1の混紡糸は、平均繊度1〜3デニールのポリエステル繊維の平均繊維長45〜60mmのステープルと、平均繊度1〜3デニールのレーヨン繊維の平均繊維長45〜60mmのステープルと、平均繊度1〜3デニールのシルク繊維の平均繊維長45〜60mmのステープルとを混紡してなる混紡糸である。配合比率(最終仕上がりの糸成分)は、混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が47〜70質量%、レーヨン繊維が27〜50質量%、シルク繊維が3〜15質量%を占めるものである。シルク繊維には5A〜A格が用いられている。混紡糸の番手は、英国式綿番手換算で、単糸で20/1〜60/1、双糸で20/2〜60/2である。
【0028】
この混紡糸は、次のステップからなる製造方法により製造することができる。
1.原料カットのステップ
原料のポリエステル繊維とレーヨン繊維とシルク繊維をそれぞれカット長45〜60mmにスエアカットしてステープルにする。このカットは、例えばアッテネーターカット機を用いて行うことができる。
【0029】
2.混紡ステップ
(1)混打綿:上記配合比率となるようにポリエステル繊維のステープルとレーヨン繊維のステープルとシルク繊維のステープルとを混合する。また、原料からゴミ、異物などを取り除く。また、混合された原料を均一の幅、厚さのシート状にする。
(2)梳綿:もつれてからんでいる繊維(原料)をほぐして平行に揃え、太い紐状のスライバーにする。
(3)練条:上記スライバーを複数束ねてこれを引き伸ばし、太さが均一で繊維の平行性を高めた繊維束をつくる。
(4)粗紡:上記繊維束を引き伸ばし、撚りをかけて粗糸にする。
(5)精紡:上記粗糸をさらに引き伸ばして所定の太さにするとともに、所定回数の撚りを加えて強度を持たせた混紡糸として仕上げる。
【0030】
この実施例1の混紡糸は、シルク繊維独特の光沢感があり、軽い、強い、適度な吸水性がある等の諸性質を兼ね備えている。そして、この混紡糸を原糸とする布及びこの布を加工してなる布加工品も、シルク繊維独特の光沢感を布表面にもち、ドレープ性に優れ、軽い、強い、ネップが発生しにくい、適度な吸水性がある等の特徴を兼ね備えている。特に、シルクのステープルの平均繊維長(カット長)が45mm以上あることから、糸強度が高く、毛玉やネップ等が発生しにくい。
【実施例2】
【0031】
実施例2の混紡糸は、平均繊度1〜3デニールのポリエステル繊維の平均繊維長70〜150mmのステープルと、平均繊度1〜3デニールのレーヨン繊維の平均繊維長70〜150mmのステープルと、平均繊度1〜3デニールのシルク繊維の平均繊維長70〜150mmのステープルとを混紡してなる混紡糸である。配合比率(最終仕上がりの糸成分)は、混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が37〜60質量%、レーヨン繊維が37〜60質量%、シルク繊維が7〜20質量%を占めるものである。その他の事項及び製造方法は実施例1と共通である。
【0032】
この実施例2の混紡糸、この混紡糸を原糸とする布及びこの布を加工してなる布加工品も、実施例1と同様の特徴を兼ね備えている。
【0033】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルと、レーヨン繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルと、シルク繊維の平均繊維長45〜150mmのステープルとを混紡してなる混紡糸であって、混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が37〜70質量%、レーヨン繊維が27〜60質量%、シルク繊維が3〜20質量%を占めることを特徴とする混紡糸。
【請求項2】
ポリエステル繊維とレーヨン繊維とシルク繊維をそれぞれカット長45〜150mmに裁断してステープルにするステップと、
混紡糸全体に対して、ポリエステル繊維が37〜70質量%、レーヨン繊維が27〜60質量%、シルク繊維が3〜20質量%を占めるようにポリエステル繊維のステープルとレーヨン繊維のステープルとシルク繊維のステープルとを混合して混紡するステップとを含むことを特徴とする混紡糸の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の混紡糸を原糸とする布。
【請求項4】
請求項3記載の布を加工してなる布加工品。

【公開番号】特開2013−104143(P2013−104143A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248011(P2011−248011)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(502450169)石慶毛織株式会社 (1)
【Fターム(参考)】