説明

混練機

【課題】 使用後の混練槽の内部の清掃を容易に行えるようにする。
【解決手段】 混練槽4の内部に回転軸15が回転可能に設けられ、回転軸15に複数の混練部材45が設けられた混練機1であって、前記回転軸15を、混練槽4側に軸受22によって回転自在に支持される固定側軸部16と、複数の混練部材45が設けられた分割側軸部25とに分割可能に連結する。清掃の際に、回転軸15を、固定側軸部16と分割側軸部25とに分割することにより、分割側軸部25と一緒に混練部材45を混練槽4の内部から取り出すことができるので、それらが清掃の邪魔になるようなことはく、混練槽4の内部の清掃を容易に短時間を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の混練物を混練する混練機に関し、特に、混練物を混練する混練槽の使用後の清掃が容易な混練機に関する。
【背景技術】
【0002】
混練機には、各種のタイプのものがあり、例えば、生コンクリートの製造に用いられる横置きの二軸コンクリートミキサが一般に知られている。このコンクリートミキサは、内部に生コンクリートの材料であるセメント、骨材、水、混和剤等を受け入れる混練槽と、混練槽の内部に回転自在に設けられる一対の回転軸と、各回転軸に設けられる複数の混練アームと、各混練アームの先端に設けられる混練羽根とを備えている。
【0003】
そして、このような構成のコンクリートミキサの混練槽の内部にセメント、骨材、水、混和剤等を所定の配合比となるように所定量供給し、駆動源を作動させて、回転軸と一体に混練アーム及び混練羽根を回転させて、セメント、骨材、水、混和剤等を所定時間混練することにより、所望の流動性を有する生コンクリートを製造することができ、この生コンクリートを混練槽の底部の排出口から取り出すことにより、建築、土木材料等として使用することができる。
【0004】
ところで、上記のような混練機にあっては、次回の使用を可能にするために、使用後に混練槽の内部を清掃して、混練槽の内部の各部に付着した生コンクリートを取り除く作業が必要になる。
【0005】
このため、通常は、作業者が圧力水を混練槽の内部に向けて噴射させて、混練槽の内部の各部に付着した生コンクリートを取り除き、圧力水で取り除けない部分は、ハンマーやノミ等の道具を用いて叩きながら取り除いているが、混練槽の内部には、回転軸、混練アーム、混練羽根等が込み入った状態で配置されているため、その作業に多大な労力と時間を要し、作業者の負担も増大する。
【0006】
上記のような問題に対処するために、特許文献1には、洗浄水を高圧ポンプにより洗浄水回路を介してミキサ内に圧送し、この洗浄水を洗浄回路に接続したノズルを介してミキサ内に噴射させることにより、ミキサ内を洗浄するように構成したコンクリートミキサの洗浄方法が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、ミキサ内に洗浄用の細骨材(例えば、砂)を投入し、ミキサを回転させてミキサ内で洗浄用の細骨材を攪拌することにより、ミキサの内部の各部に付着した生コンクリートを擦り落とす方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−265710号公報
【特許文献2】特開2002−120641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の方法では、洗浄水を高圧で噴射させるために多量の水を消費するため、経済的な負担が増大する。また、洗浄用のノズルに生コンクリートが付着し、ノズルから洗浄水を噴射させることが困難になることがある。さらに、特許文献2の方法では、混練羽根の裏面等、細骨材と摩擦力を生じさせにくい部分では、付着した生コンクリートを十分に擦り落とすことができないため、それらの部分に付着して残っている生コンクリートを作業者が手作業で取り除く必要がある。
【0010】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みなされたものであって、使用後の混練槽の内部の清掃を容易に行うことができる混練機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、混練槽の内部に回転軸が回転可能に設けられ、該回転軸に複数の混練部材が設けられた混練機であって、前記回転軸を、前記混練槽側に軸受によって回転自在に支持される固定側軸部と、前記複数の混練部材が設けられた分割側軸部とに分割可能に連結したことを特徴とする。
【0012】
本発明の混練機によれば、回転軸を、混練槽側に軸受によって回転自在に支持される固定側軸部と、複数の混練部材が設けられた分割側軸部とに分割可能に連結したので、使用後に混練槽の内部を清掃する際に、回転軸を固定側軸部と分割側軸部とに分割することにより、混練槽の内部から分割側軸部と一緒に混練部材を取り出すことができる。従って、混練槽の内部には、回転軸の固定側軸部のみが存在することになるので、混練槽の内部のほぼ全体を開放させることができ、混練槽の内部の清掃を容易に行うことができる。
【0013】
また、本発明において、前記固定側軸部の端部に半円柱状の固定側連結部を設け、前記分割側軸部の両端部に前記固定側連結部と係合可能な半円柱状の分割側連結部を設け、前記固定側連結部と前記分割側連結部とを係合させた状態で、両者を分割可能に連結したこととしてもよい。
【0014】
本発明の混練機によれば、固定側軸部の端部の半円柱状の固定側連結部と、分割側軸部の両端部の半円柱状の分割側連結部とを互いに係合させ、この状態で両連結部を連結することにより、回転軸に所定のねじり強さを付与することができ、回転軸の回転の際に、固定側連結部と分割側連結部とが分離するのを防止できる。
【0015】
さらに、本発明において、前記固定側連結部又は前記分割側連結部の一方の係合面に少なくとも1本のねじ軸を立設し、該ねじ軸に対応する前記固定側連結部又は前記分割側連結部の他方の部分に貫通孔を設け、該貫通孔内を挿通させて該貫通孔から突出させた前記ねじ軸の部分にナットを螺合させて締め付けることにより、前記固定側連結部と前記分割側連結部とを分割可能に連結したこととしてもよい。
【0016】
本発明の混練機によれば、固定側連結部又は分割側連結部に設けたねじ軸を、分割側連結部又は固定側連結部に設けた貫通孔内を挿通させ、貫通孔から突出させたねじ軸の部分にナットを螺合させて締め付けることにより、固定側連結部と分割側連結部とを連結することができる。また、ねじ軸からナットを取り外すことにより、固定側連結部と分割側連結部とに分割することができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記固定側連結部に貫通孔を設け、該貫通孔に対応する分割側連結部の部分に貫通孔を設け、前記両貫通孔内にねじ軸を挿通させ、前記両貫通孔から突出させた前記ねじ軸の両端にナットを螺合させて締め付けることにより、前記固定側連結部と前記分割側連結部とを分割可能に連結したこととしてもよい。
【0018】
本発明の混練機によれば、固定側連結部の貫通孔及び分割側連結部の貫通孔内にねじ軸を挿通させ、両貫通孔から突出させたねじ軸の両端にナットを螺合させて締め付けることにより、固定側連結部と分割側連結部とを連結することができる。また、ねじ軸の両端からナットを取り外すことにより、固定側連結部と分割側連結部とに分割することができる。
【0019】
さらに、本発明において、前記固定側連結部の係合面には、凸部又は凹部が設けられ、前記分割側連結部の係合面には、前記凸部又は凹部と係合可能な凹部又は凸部が設けられていることとしてもよい。
【0020】
本発明の混練機によれば、固定側連結部の凸部又は凹部と、分割側連結部の凹部又は凸部を係合させることにより、回転軸に所定のねじり強さを付与することができ、回転軸を回転させる際に、固定側連結部と分割側連結部とが分離するのを防止できる。
【0021】
さらに、本発明において、前記固定側軸部の端部にキー溝を設け、前記分割側軸部の端部にキー溝を設け、前記固定側軸部の端部及び前記分割側軸部の端部に半割りのカップリングを被嵌させ、前記固定側軸部のキー溝及び分割側軸部のキー溝と前記カップリングのキー溝との間にキーを嵌合させて、前記半割りのカップリングをねじにより締め付けることにより、前記固定側軸部と前記分割側軸部とを分割可能に連結したこととしてもよい。
【0022】
本発明の混練機によれば、固定側軸部の端部の端面と分割側軸部の両端部の端面とを合致させ、固定側軸部の端部のキー溝と分割側軸部の両端部のキー溝との間にキーを嵌合させ、この状態で固定側軸部の端部及び分割側軸部の両端部に半割りのカップリングを被嵌させ、カップリングのキー溝に上記のキーを嵌合させ、カップリングをねじにより締め付けることにより、固定側軸部と分割側軸部とを連結することができる。また、カップリングからねじを取り外して、カップリングを2つに分割し、固定側軸部のキー溝及び分割側軸部のキー溝からキーを取り外すことにより、固定側軸部と分割側軸部とに分割することができる。
【発明の効果】
【0023】
以上、説明したように、本発明の混練機によれば、混練槽の内部に設けられる回転軸を、混練槽側に軸受によって回転自在に支持される固定側軸部と、混練部材が設けられた分割側軸部とに分割可能に連結したので、使用後に混練槽の内部を清掃する際に、回転軸を固定側軸部と分割側軸部とに分割することにより、混練槽の内部から分割側軸部と一緒に混練部材を取り出すことができる。従って、混練槽の内部を、回転軸の固定側軸部が存在するだけの状態とすることができるので、混練部材が清掃の邪魔になるようなことはなく、混練槽の内部の清掃を容易に短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による混練機の一実施の形態を示した正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1の上蓋を開放させた状態の平面図である。
【図5】混練羽根の平面図である。
【図6】混練羽根の平面図である。
【図7】混練羽根の平面図である。
【図8】図5及び図6の混練羽根と取付プレートとの関係を示した説明図である。
【図9】図7の混練羽根と取付プレートとの関係を示した説明図である。
【図10】図4のA部及びB部の拡大図であって、回転軸の固定側軸部と分割側軸部とを分割した状態を示した説明図である。
【図11】図10の回転軸の固定側軸部と分割側軸部とを連結した状態を示した説明図である。
【図12】固定側軸部と分割側軸部の分割、連結方法の変形例を示した説明図である。
【図13】固定側軸部と分割側軸部の分割、連結方法の変形例を示した説明図である。
【図14】固定側軸部と分割側軸部の分割、連結方法の変形例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4には、本発明による混練機の一実施の形態が示されている。本実施の形態の混練機1は、各種の混練物60の混練に適用可能なものであって、本実施の形態においては、混練物としての生コンクリート60(セメント、骨材、水、混和剤との混合物)の混練に適用している。
【0026】
本実施の形態の混練機1は、キャスター3によって移動可能に支持される基台2と、基台2の上部に設けられるとともに、内部に生コンクリート60を受け入れ可能な混練槽4と、混練槽4の内部に回転可能に設けられる一対の回転軸15、15と、各回転軸15に設けられる複数の混練アーム40と、各混練アーム40の先端に設けられる混練羽根45と、基台2の上部に設けられるとともに、各回転軸15を回転させる駆動源50とから構成されている。
【0027】
混練槽4は、前板5と後板6と2枚の側板7、7と底板8とからなる上部が開口された容器状をなすものであって、上部開口が混練槽4の内部に生コンクリート60の材料を供給する供給口9に形成されている。供給口9は、混練槽4の上部に設けられた上蓋11によって開閉可能に構成されている。
【0028】
混練槽4の底部には、混練槽4の内部から生コンクリート60を排出させる排出口10が設けられている。排出口10は、混練槽4の底部に設けられた下蓋12によって開閉可能に構成されている。下蓋12は、混練槽4の底部に設けられた支持軸13によって回転可能に支持され、この支持軸13の端部に連結されたレバー14を操作して、支持軸13を介して下蓋12を回転させることにより、混練槽4の底部の排出口10を開閉させることができる。
【0029】
一対の回転軸15、15は、混練槽4の内部に、水平かつ互いに平行をなすように所定の間隔をおいて設けられている。各回転軸15は、両端が混練槽4の前板5及び後板6を貫通して外方に突出し、その突出した部分が混練槽4の前板5及び後板6の外面側に設けられた軸受22によって回転自在に支持されている。
【0030】
各回転軸15は、図4、図10、及び図11に示すように、前板5及び後板6に設けられた軸受22によって回転自在に支持される2つの固定側軸部16、16と、混練槽4の内部に配置される分割側軸部25の3つの部材に分割可能に構成され、各回転軸15の分割側軸部25に混練部材としての混練アーム40及び混練羽根45が取り付けられている。各回転軸15を2つの固定側軸部16、16と分割側軸部25の3つの部材に分割することにより、混練槽4の内部から各回転軸15の分割側軸部25と一緒に混練アーム40及び混練羽根45を取り出すことができる。
【0031】
各回転軸15を2つの固定側軸部16、16と分割側軸部25の3つの部材に分割可能に構成するには、例えば、図10及び図11に示すように、各回転軸15の各固定側軸部16の端部の上半部を切り取って、その部分に半円柱状の固定側連結部17を設け、分割側軸部25の各端部の下半部を切り取って、その部分に半円柱状の分割側連結部26を形成する。
【0032】
そして、各固定側連結部17の上面18にねじ軸31を立設し、各ねじ軸31に対応する各分割側連結部26の部分に貫通孔28を設け、各固定側連結部17の上面18と各分割側連結部26の下面27とを合致させて、各固定側連結部17の各ねじ軸31を各分割側連結部26の貫通孔28内を挿通させ、貫通孔28から突出させた各ねじ軸31の部分にナット32を螺合させて締め付ける。
【0033】
このような構成とすることにより、各回転軸15を2つの固定側軸部16、16と分割側軸部26の3つの部材に分割可能に連結することができるので、メンテナンスの際に、各回転軸15を固定側軸部16と分割側軸部25とに分割し、混練槽4の内部から各分割側軸部25と一緒に混練アーム40及び混練羽根45を取り出すことができる。
【0034】
なお、図示はしないが、各固定側連結部17の上面に複数のねじ軸31を立設し、各ねじ軸31に対応する各分割側連結部26の部分にそれぞれ貫通孔28を設け、各ねじ軸31を各貫通孔28内を挿通させて、各貫通孔28から突出させた各ねじ軸31の部分にナット32を螺合させて締め付けるように構成してもよい。
【0035】
また、図示はしないが、各分割側連結部26の下面にねじ軸を立設し、各ねじ軸に対応する各固定側連結部17の部分に貫通孔を設け、各ねじ軸を各貫通孔内を挿通させて、各貫通孔から突出させた各ねじ軸の部分にナットを螺合させて締め付けるように構成してもよい。
【0036】
さらに、ねじ軸31を立設する代わりに、図12に示すように、各固定側連結部17に貫通孔19を設け、各固定側連結部17の貫通孔19に対応する各分割側連結部26の部分に貫通孔28を設け、各固定側連結部17の貫通孔19及び各分割側連結部26の貫通孔28内にねじ軸31を挿通させ、両貫通孔19、28から突出させたねじ軸31の両端にナット32を螺合させて締め付けるように構成してもよい。
【0037】
さらに、図13に示すように、各固定側連結部17の上面18又は各分割側連結部26の下面27の一方に凸部20を設け、各固定側連結部17の上面18又は各分割側連結部26の下面27の他方に凹部29を設け、凸部20と凹部29とを係合させた上で、ねじ軸31とナット32により、各固定側連結部17と各分割側連結部26とを連結するように構成してもよい。
【0038】
さらに、図14に示すように、各固定側軸部16の端部にキー溝21を設けるとともに、分割側軸部25の各端部にキー溝30を設け、各固定側軸部16と分割側軸部25の各端部の周囲に半割りのカップリング35を被嵌させ、各固定側軸部16の端部及び分割側軸部25の各端部のキー溝21、30とカップリング35のキー溝36との間にキー33を嵌合させ、半割りのカップリング35をねじ37によって締め付けることにより、各固定側軸部16の端部と分割側軸部25の各端部とを分割可能に連結してもよい。このような構成とすることにより、図10〜図13に示すように、各固定側軸部16の端部に半円柱状の固定側連結部17を設ける必要がなく、また、固定側軸部25の各端部に半円柱状の分割側連結部26を設ける必要がなくなる。
【0039】
さらに、図4に示すように、各固定側軸部16と分割側軸部25との連結部をカバー38で覆うように構成してもよい。このようなカバー38を設けることにより、各固定側軸部16と分割側軸部25との連結部に生コンクリート60が作用するのを防止できる。なお、カバー38は、混練槽4の前板5及び後板6の内面にねじ(図示せず)によって着脱可能に取り付けるように構成すればよい。
【0040】
各混練アーム40は、図4に示すように、棒状をなすものであって、各回転軸15の分割側軸部25表面に、中心軸が分割側軸部25の中心軸に対して所定の角度をなすように、各回転軸15の分割側軸部25の長手方向に所定の間隔ごとに複数箇所に一体に設けられている。
なお、本実施の形態においては、各混練アーム40は、その中心軸が各回転軸15の分割側軸部25の中心軸と直角をなすように、各回転軸15の分割側軸部25の表面に一体に設けられている。
【0041】
各混練アーム30の先端には、図4、図8及び図9に示すように、四角形板状の取付プレート41が溶接等によって一体に設けられるとともに、この取付プレート41には、複数箇所にねじ挿通孔42が設けられ、このねじ挿通孔42を利用することにより、取付プレート41に混練羽根45が着脱可能に取り付けられる。
【0042】
混練羽根45は、図4、図8に示すように、所定の形状の板状をなすものであって、取付プレート41のねじ挿通孔42に対応する部分にねじ挿通孔46が設けられている。図8及び図9に示すように、混練羽根45を取付プレート41に密着させ、この状態で混練羽根45のねじ挿通孔46と取付プレート41のねじ挿通孔42との間にねじ47を挿通させて、取付プレート41のねじ挿通孔42から突出させたねじ47の部分にワッシャ49を介してナット48を螺合させて締め付けることにより、取付プレート41に混練羽根45を取り付けることができる。
【0043】
本実施の形態においては、図5〜図7に示すように、形状の異なる3種類の混練羽根45を用い、図5及び図6に示す混練羽根45を分割側軸部25の両端部に取り付け、図7に示す混練羽根45を分割側軸部25の中央部分に取り付けている。
【0044】
駆動源50は、図1〜図4に示すように、駆動モータ51と減速機52とからなり、駆動モータ51の駆動軸と減速機52の入力軸との間にVベルト53が掛け渡され、減速機52の出力軸に駆動ギア54が取り付けられ、この駆動ギア54に各回転軸15の端部に取り付けられた従動ギア55のうちの一方が噛合されている。なお、両回転軸15、15の両従動ギア55、55は互いに噛合されている。
【0045】
そして、上記のような構成の混練機1の混練槽4の内部に、供給口9からセメント、骨材、水、混和剤等を所定の配合比となるように所定量供給し、駆動モータ51を駆動させて、Vベルト53、減速機52、駆動ギア54、及び従動ギア55、55を介して両回転軸15、15を回転させて、両回転軸15、15と一体に混練アーム40及び混練羽根45を回転させて、混練槽4の内部に供給したセメント、骨材、水、混和剤等を所定時間混練することにより、所望の流動性を有する生コンクリート60を製造することができる。
【0046】
そして、駆動モータ51を停止させて両回転軸15、15の回転を停止させ、レバー14を操作して、支持軸13を介して下蓋12を回転させて排出口10を開放させることにより、排出口10を介して混練槽4の内部から生コンクリート60を排出させることができる。
【0047】
また、生コンクリート60の製造が終了した後に、混練槽4の内部を清掃する場合には、各回転軸15のナット32を緩めてねじ軸31から取り外すことにより、各回転軸15を固定側軸部16と分割側軸部25とに分割し、両固定側軸部16、16間から分割側軸部25と一緒に混練アーム40及び混練羽根45を取り外し、混練槽4の外部に取り出す。これにより、混練槽4の内部には、各回転軸15の固定側軸部16の端部のみが突出した状態で配置されることになるので、各回転軸15の分割側軸部25及び混練アーム40及び混練羽根45が邪魔になるようなことはなく、混練槽4の内部の清掃を効率よく行うことができる。
【0048】
上記のように構成した本実施の形態の混練機1にあっては、混練アーム40及び混練羽根45を支持する回転軸15を、混練槽4の前板5及び後板6側の固定側軸部16と、混練槽4の内部側の分割側軸部25とに分割可能連結したに構成したので、生コンクリート60の製造に用いた場合に、生コンクリート60の製造後の混練槽4の内部の清掃を、各回転軸15を固定側軸部16と分割側軸部25とに分割し、混練槽4の内部から分割側軸部25と一緒に混練アーム40及び混練羽根45を取り出した状態で行うことができる。
【0049】
従って、混練槽4の内部を、各回転軸15の固定側軸部16の端部のみが突出した状態とすることができるので、混練槽4の内壁のほぼ全体を開放させることができ、混練槽4の内部の清掃作業を効率良く行うことができる。
【0050】
また、各回転軸15の分割側軸部25、混練アーム40、及び混練羽根45に生コンクリート60が固着しても、その固着した生コンクリート60の除去作業を混練槽4の外部で行うことができるので、その除去作業を効率良く行うことができる。
【0051】
さらに、混練槽4の内部に突出している固定側軸部16の端部に生コンクリート60が固着しても、混練槽4の内部のほぼ全体を開放させた状態とすることができるので、固着した生コンクリート60の除去作業を容易に行うことができる。
【0052】
なお、前記の説明においては、生コンクリート60を混練物として、生コンクリート60の混練に本発明の混練機1を適用したが、その他の各種の混練物60の混練に本発明の混練機1を適用してもよいものであり、その場合にも同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0053】
1 混練機
2 基台
3 キャスター
4 混練槽
5 前板
6 後板
7 側板
8 底板
9 供給口
10 排出口
11 上蓋
12 下蓋
13 支持軸
14 レバー
15 回転軸
16 固定側軸部
17 固定側連結部
18 上面
19 貫通孔
20 凸部
21 キー溝
22 軸受
25 分割側軸部
26 分割側連結部
27 下面
28 貫通孔
29 凹部
30 キー溝
31 ねじ軸
32 ナット
33 キー
35 カップリング
36 キー溝
37 ねじ
38 カバー
40 混練アーム
41 取付プレート
42 ねじ孔
45 混練羽根
46 ねじ挿通孔
47 ねじ
48 ナット
49 ワッシャ
50 駆動源
51 駆動モータ
52 減速機
53 Vベルト
54 駆動ギア
55 従動ギア
60 混練物(生コンクリート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
混練槽の内部に回転軸が回転可能に設けられ、該回転軸に複数の混練部材が設けられた混練機であって、
前記回転軸を、前記混練槽側に軸受によって回転自在に支持される固定側軸部と、前記複数の混練部材が設けられた分割側軸部とに分割可能に連結したことを特徴とする混練機。
【請求項2】
前記固定側軸部の端部に半円柱状の固定側連結部を設け、前記分割側軸部の両端部に前記固定側連結部と係合可能な半円柱状の分割側連結部を設け、前記固定側連結部と前記分割側連結部とを係合させた状態で、両者を分割可能に連結したことを特徴とする請求項1に記載の混練機。
【請求項3】
前記固定側連結部又は前記分割側連結部の一方の係合面に少なくとも1本のねじ軸を立設し、該ねじ軸に対応する前記固定側連結部又は前記分割側連結部の他方の部分に貫通孔を設け、該貫通孔内を挿通させて該貫通孔から突出させた前記ねじ軸の部分にナットを螺合させて締め付けることにより、前記固定側連結部と前記分割側連結部とを分割可能に連結したことを特徴とする請求項2に記載の混練機。
【請求項4】
前記固定側連結部に貫通孔を設け、該貫通孔に対応する分割側連結部の部分に貫通孔を設け、前記両貫通孔内にねじ軸を挿通させ、前記両貫通孔から突出させた前記ねじ軸の両端にナットを螺合させて締め付けることにより、前記固定側連結部と前記分割側連結部とを分割可能に連結したことを特徴とする請求項2に記載の混練機。
【請求項5】
前記固定側連結部の係合面には、凸部又は凹部が設けられ、前記分割側連結部の係合面には、前記凸部又は凹部と係合可能な凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の混練機。
【請求項6】
前記固定側軸部の端部にキー溝を設け、前記分割側軸部の端部にキー溝を設け、前記固定側軸部の端部及び前記分割側軸部の端部に半割りのカップリングを被嵌させ、前記固定側軸部のキー溝及び分割側軸部のキー溝と前記カップリングのキー溝との間にキーを嵌合させて、前記半割りのカップリングをねじにより締め付けることにより、前記固定側軸部と前記分割側軸部とを分割可能に連結したことを特徴とする請求項1に記載の混練機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−183506(P2012−183506A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49352(P2011−49352)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】