混練装置
【課題】小型な構成で十分で均一な混練を効率良く行える混練装置を提供する。
【解決手段】回転軸3の外周にパドルPn(n=1〜17)を螺旋状に所定角度のピッチ90°間隔で並ぶように複数立設し、回転軸4の外周にパドルQnを螺旋状に所定角度のピッチ72°間隔で並ぶように複数立設して、回転軸3、4を互いに逆方向に不等速で回転させることにより、各パドルで混練物を混練しながら回転軸3、4に沿った一方向の搬送方向に搬送する。パドル面が混練物を送り方向に進める方向に向いた正相パドルと、パドル面が混練物を逆方向に戻す方向に向いた逆相パドルが設けられ、逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板18、20が取り付けられる。
【解決手段】回転軸3の外周にパドルPn(n=1〜17)を螺旋状に所定角度のピッチ90°間隔で並ぶように複数立設し、回転軸4の外周にパドルQnを螺旋状に所定角度のピッチ72°間隔で並ぶように複数立設して、回転軸3、4を互いに逆方向に不等速で回転させることにより、各パドルで混練物を混練しながら回転軸3、4に沿った一方向の搬送方向に搬送する。パドル面が混練物を送り方向に進める方向に向いた正相パドルと、パドル面が混練物を逆方向に戻す方向に向いた逆相パドルが設けられ、逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板18、20が取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混練物を混練する混練装置、更に詳しくは、それぞれ外周に撹拌部材としてのパドルを複数立設した2本の回転軸を互いに平行に設け、互いに逆方向に回転させることにより、パドルで混練物を混練する混練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の混練装置(ミキサー)は、例えば脱水汚泥、焼却あるいは集塵ダスト、セメントなどの固化剤混入ダスト、あるいは肥料などの粉体ないし粒体の混合、及び粉体ないし粒体に液体を加えての混練に使用される。
【0003】
このような混練装置は、例えば特許文献1に記載されており、この構成では、複数のパドルが螺旋状に並ぶように立設されている。そして、第1と第2の回転軸を互いに逆方向に回転させることにより、パドルで混練物を撹拌して混練しながら2本の回転軸に沿った一方向の搬送方向に搬送するようになっている。また、2本の回転軸の回転によって、それぞれのパドルの先端が相手の回転軸の外周面に近接するように構成される。そして2本の回転軸を不等速に回転させることにより、2本の回転軸のパドルが相手の回転軸の外周面に付着した混練物を掻き落すセルフクリーニングを行なえるようになっている。2本の回転軸のパドルは、全て、混練時にそれぞれの回転軸の回転に伴って混練物を搬送方向に押圧するように、回転軸の中心線に対して例えば45°程度の所定角度傾いた向きに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−157113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の混練装置の構成では、以下のような問題があった。
【0006】
粉体ないし粒体を混合する場合は問題ないが、粉体ないし粒体と液体を混練する場合には、その配合比によって、また液体の粘性が高いときなどに、粉体ないし粒体の一部分に液体が凝集して塊状のもの、いわゆるダマ(だま)になることがある。一旦ダマが発生すると、容易には解消できず、材料全体の均一な混練が阻害される場合がある。
【0007】
これに対して特許文献1のようなセルフクリーニングを行なう構成では、2本の回転軸の対向するパドルどうしが回転軸の所定回数の回転毎に接近、離間を繰り返す。そして対向するパドルどうしが最も接近するときに混練物を互いの間に挟むようにして押圧することにより、混練物中のダマを押しつぶすことが一応は可能である。
【0008】
しかし、このダマを押しつぶす作用が十分ではなかった。すなわち、2本の回転軸の対向するパドルどうしが最接近する際に互いの間に混練物を押圧する力に対して、パドル間の混練物がその性状によってはパドルの傾きに沿って混練物の搬送方向に逃げてしまい、押しつぶし効果が半減する場合がある。その場合、十分で均一な混練を行なうことができなくなる。
【0009】
また、混練物の材料の全部を一度に投入して混練し一度に排出するバッチ型の混練装置の場合は運転時間の調整で混練度合いの調整がある程度可能である。これに対して、混練物の材料を逐次連続的に投入しながら混練して連続的に排出する連続型の混練装置の場合は、混練物の材料の時間当たりの投入量によって装置内部での混練物の滞留時間(混練物の撹拌時間)が決定されるため、混練度合いの調整が限られていた。このため、混練装置の用途に応じて混練度合いを調整して効率良く混練を行うことが困難だった。
【0010】
更に、連続型の混練装置では、小型で大量処理が可能であるという利点がある。しかし、混練物の材料の噴流性が高い場合や、処理能力以上に混練物の材料を供給した場合に、投入された混練物の材料が混練されずにそのまま装置内を通過する現象、いわゆるショートパスが発生してしまい、混練が全く不十分にしか行われないことがある。
【0011】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、小型な構成で十分で均一な混練を効率良く行える混練装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第1の回転軸と、外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで、第1の回転軸の螺旋とは逆螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第2の回転軸とを筐体内で平行に配置して互いに不等速で逆方向に回転させ、混練物をパドルにより混練する混練装置であって、
前記複数のパドルは、パドル面が混練物を送り方向に進める方向に向いた正相パドルと、パドル面が混練物を逆方向に戻す方向に向いた逆相パドルとを含み、
前記逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板が取り付けられるので、ショートパスの発生を防止して、混練度を上げることができる。
【0014】
また、本発明によれば、パドルは、そのパドル面の螺旋に沿った方向に対する角度が調整できるように回転軸に取り付けられるので、混練装置の用途に応じて混練度合いを調整して効率良く混練を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】パドルを1条の螺旋に沿って配置した混練装置の筐体の上側の大部分を取り払った状態で示す上面図である(実施例1)。
【図2】同混練装置の筐体内の一方の回転軸に沿った側面図である。
【図3a】同混練装置の回転軸のパドルを設けた部分での回転軸に直交する断面図である。
【図3b】同混練装置の回転軸のロッドを設けた部分での断面図である。
【図4】実施例1の各回転軸のパドル配置を展開して示した説明図である。
【図5】回転軸の中心線に対する正相のパドルと逆相のパドルの傾きを示す説明図である。
【図6】パドルを2条の螺旋に沿って配置した混練装置の筐体の上側の大部分を取り払った状態で示す上面図である(実施例2)。
【図7】実施例2の各回転軸のパドル配置を展開して示した説明図である。
【図8】実施例2における回転軸の回転に応じて変化するパドル位置を示した説明図である。
【図9】実施例1における回転軸の回転に応じて変化するパドル位置を示した説明図である。
【図10】パドルを1条の螺旋に沿って配置した混練装置の他の実施例を示す上面図である(実施例3)。
【図11】実施例3の各回転軸のパドル配置を展開して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図を参照して、本発明を実施するための最良の形態の実施例を説明する。なお、実施例の混練装置について、粉体ないし粒体と液体の混練を行う場合を説明するが、その混練装置で粉体ないし粒体のみの混合、ないしは粉体ないし粒体にごく少量の液体を加えての混合も行えるものである。
【実施例1】
【0017】
図1〜図4は、本発明の実施例1による混練装置の構造を説明するもので、図1は混練装置の筐体の上側の大部分を取り払った状態で示す平面図、図2は混練装置の筐体内の一方の回転軸に沿った側面図、図3a、図3bは混練装置の回転軸のパドルを設けた部分とロッドを設けた部分での回転軸に直交する断面図、図4は各回転軸をA〜D(A〜E)の方向から見た時のパドルの配置を説明した図である。
【0018】
図1〜図4において、1は混練装置の筐体であり、ベースのフレーム2上に水平に設けられる。筐体1は、ここでは細長い直方体形状に形成されている。図2に示す左端部の上側には、不図示のホッパーから混練される混練物の材料(粉体ないし粒体)を筐体1内に投入(投下)するための投入口1aが設けられている。また右端部の下側には、投入された材料に液体を加えて混練した混練物を筐体1から不図示のコンベア上へ排出する(落下させる)ための排出口1bが設けられている。混練物は混練されながら、矢印で示したように、投入口1a側から排出口1b側へと右方向に搬送される。
【0019】
筐体1内には、その長手方向に沿って同じ径の2本の回転軸3、4が互いに平行に架設されており、図1中で筐体1の右端部外側に設けられた軸受部9と、筐体1の左端の外側近傍でフレーム2上に設けられた軸受部10によって回転可能に軸受されている。
【0020】
また、回転軸3、4の図1中の左端部でギアボックス11に挿通された部分にはギア12、13が固定されており、互いに噛合している。
【0021】
さらに回転軸3の図1中で左端は、軸受部10から外側に突出しており、その左端にスプロケット14が固定されている。また、フレーム2上にはモータ17が設けられ、その出力軸にはスプロケット16が固定されている。このスプロケット16とスプロケット14間にチェーン15が張り渡されている。
【0022】
モータ14の一方向への回転駆動力がスプロケット16、チェーン15及びスプロケット14を介して回転軸3に伝達されて回転軸3が一方向に回転し、さらに回転駆動力がギア12、13を介して回転軸4に伝達されて回転軸4が逆方向に回転する。回転軸3、4は、ギヤ12、13を介して、N:N−1、例えば5:4の回転数比で不等速で回転される。なお、回転軸3、4の混練時の回転方向は、図1、図3a、図3bに示すように、上方から見て互いの内側へ向かって回転する方向となっている。
【0023】
回転軸3、4のそれぞれの外周には撹拌部材としてのパドルP1〜P17、Q1〜Q17が立設されている。図1、図3aでは、図が煩雑になるので、一部のパドルのみ符号が付されて図示されている。各パドルP1〜P17、Q1〜Q17はいずれも同じ矩形の形をした平板で、それぞれの中央部に貫通穴(図ではほぼ円形で示されている)が形成されている。また、各パドルP1〜P17、Q1〜Q17は、それぞれの高さ(回転軸3、4の外周からの突出量)が回転軸3、4の外周面間の距離より僅かに小さく、各パドルの先端が回転軸の回転にしたがって相手側の回転軸の外周に近接し、回転軸に付着した混練物を掻き落として回転軸をセルフクリーニングできるようになっている。
【0024】
パドルP1〜P17は、回転軸3の外周に所定の螺旋ピッチで互いに回転軸3の回転方向に所定の角度ピッチずつずらして螺旋状に配置され、パドルQ1〜Q17は、回転軸4の外周に所定の螺旋ピッチで互いに回転軸4の回転方向に所定の角度ピッチずつずらして、パドルP1〜P17が形成する螺旋とは逆螺旋状に配置される。パドルP1〜P17の螺旋ピッチとパドルQ1〜Q17の螺旋ピッチの比は、回転軸3と4の回転数比と逆比になるように構成されており、例えば回転軸3と4の回転数比が、上述のように、5:4のときは、1L:1.25Lのように、逆比となっている。また、パドルP1〜P17の角度ピッチとパドルQ1〜Q17の角度ピッチの比は、回転軸3と4の回転数比と同比になるように構成されており、回転軸3と4の回転数比が、上述のように、5:4のときは、例えば、パドルP1〜P17の角度ピッチは90°、パドルQ1〜Q17の角度ピッチは72°のように、回転軸3と4の回転数比と同じ比となっている。
【0025】
また、各パドルP1〜P17、Q1〜Q17は、そのパドル面が混練物を送り方向に進める螺旋(送り螺旋)に沿った方向になる正相か、あるいはパドル面が回転軸の回転中心線に対して正相と対称な逆相となっていて、それぞれ各回転軸3、4の対向するパドル位置でのパドル面の相が同相となるように配列され、また、各パドルP1〜P17、Q1〜Q17は、それぞれ回転軸の軸方向に正相と逆相が所定の順序で周期的に繰り返されて配列されている。
【0026】
図4はこのようなパドルの展開配置を示すもので、中心には図1と同様な図が示されており、上部には、回転軸4をそれぞれ72°ずらしたA〜Eの方向から見たときのパドルの配置が、また下部には、回転軸3をそれぞれ90°ずらしたA〜Dの方向から見たときのパドルの配置が図示されている。
【0027】
図4から理解できるように、パドルPn、パドルQn(n=1〜17)でnが同じ数字のパドルはそれぞれ回転軸3、4の軸方向に見て軸端から同じ距離のところに配置されており、また、nの番号が1ずつ増加するにしたがって、パドルPn、パドルQnは軸方向に矢印で示す右側に所定距離離れた位置(次の一点鎖線で示す位置)で回転軸が所定の回転角度(角度ピッチ)回転した位置にそれぞれ取り付けられる。したがって、パドルP1とQ1が、一点鎖線で示したように、回転軸3、4の軸端から同じ距離で反対方向に対向する位置に取り付けられたとすると、パドルP2は右側に次に一点鎖線で示した位置で90°の角度ピッチ内側にずらした位置に取り付けられ、パドルQ2はパドルP2の配置される一点鎖線で示した同じ一点鎖線位置で72°の角度ピッチ内側にずらした位置に取り付けられる。同様にしてPn、Qn(n=3〜17)は、nの数字が1ずつ増加するにつれて、軸方向に所定距離離れた次の一点鎖線で示した位置でそれぞれ角度ピッチ90°、72°内側にずらした位置に取り付けられる。このような配置により、パドルP1〜P17は回転軸3に螺旋状に配置され、パドルQ1〜Q17は回転軸4にパドルP1〜P17が形成する螺旋とは逆螺旋状に配置され、それぞれ螺旋ピッチはそれぞれ回転軸3、4の回転数比5:4の逆比である1L:1.25Lとなる。また、各パドルPn、Qn(n=1〜17)は、nの番号が同じパドルの面は同じ相となっており、それぞれ回転軸3、4の軸方向に正相、逆相が所定の順序で、つまり図4で示したように、「正、正、逆、正、正、逆、正、正、逆…」というように、「正、正、逆」の相順序で周期的に繰り返されて配置される。なお、図4において、(P)は正相をとるパドルを、(R)は逆相をとるパドルを示している。また、混練装置1には、混練物を所定の高さまでせき止めるせき板18、19が設けられ、これらのせき板間に、サイドせき板20が複数設けられる。サイドせき板20は、筐体1内でせき板18と19の間の領域の複数箇所で、回転軸3、4の側方となる筐体1の左右の内側面から所定量だけ突出するように設けられ、回転軸3、4の側方で混練物を部分的にせき止める。
【0028】
また、回転軸3、4において排出口1b上に臨む端部には、複数のロッド7、8がそれぞれ回転軸3、4の円周線上に所定角度間隔で複数立設されている。前記角度の比も、回転数比がN:N−1、例えば5:4とし、例えばロッド7は90°間隔で4本、ロッド8は72°間隔で5本設けられる。このロッド7、8は混練時に回転軸3、4の排出口1b側の端部においてセルフクリーニングを行なうためである。
【0029】
また、筐体1内でせき板18の混練物搬送方向側の近傍には、混練物の材料に加えられる液体を筐体1内に注入するための配管(ノズル)21が設けられている。
【0030】
次に、本実施例の混練装置の混練動作について説明する。
【0031】
混練時には、モータ17の駆動により、回転軸3、4が、図1、図3aに示すように内回り方向に5:4の回転数比で不等速に逆回転され、投入口1aから混練物の材料(粉体ないし粒体)が筐体1内に投入される。
【0032】
回転軸3の螺旋は、回転軸3が図示の方向に回転すると、混練物を図1で右方向に送り搬送する螺旋形状となって送り螺旋となる。また回転軸4の螺旋は回転軸3とは逆螺旋であり、回転軸4は回転軸3と逆方向に回転するので、回転軸4の螺旋は、同様に送り螺旋となる。したがって、送り螺旋に沿った正相のパドルは、混練物を右方向に押しやり、また逆相のパドルは混練物を戻す方向に押しやる。
【0033】
この実施例では、各パドルPn、Qnは「正、正、逆」の相順序で周期的に繰り返されて配置されるので、混練物は「送り、送り、戻し」の作用を受け、また、全体としては正相のパドルが逆相のパドルより多いので、混練物はパドルにより攪拌されながら右方向に排出口1b側へ搬送される。なお、回転軸3、4の螺旋ピッチの比は回転軸3、4の回転数比の逆比となっているので、回転軸3、4による軸方向の搬送速度は理論上は同じとなる。
【0034】
また、パドルPnの角度ピッチとパドルQnの角度ピッチの比は、回転軸3、4の回転数比と同じ比になっているので、軸方向に見て同じ位置にあるパドルPn、Qn(nが同じ番号のパドル)は、回転軸3、4が回転しても衝突することはなく、また、回転軸3、4の回転に伴って各パドルの先端が相手側の回転軸の外周に近接するので、相手側の回転軸の外周面に付着した混練物を掻き落とし、回転軸をセルフクリーニングするとともに、対向する2枚のパドルが所定回転数の周期で互いに接近、離間する動作を繰り返し、パドル間で混練物の粉砕が行われる。
【0035】
ここで混練物中にダマが発生している場合、パドルPn、Qnの対向する2枚ずつどうしが最も接近するときに、混練物を互いの間に挟むようにして押圧することにより、ダマを押しつぶすことができる。ただし、このときの押圧力に対して、パドル間の混練物がその性状によってはパドルの傾きに沿って混練物の搬送方向またはその逆方向に逃げようとする。これに対してパドルPn、Qnの「正、正、逆」の相を繰り返す並びの順序により、正相のパドルと逆相のパドルが隣り合っている複数の箇所で混練物の搬送方向への流れが滞る。これにより、パドル間に挟まれて押圧される混練物が搬送方向またはその逆方向に逃げ難くなり、ダマの押しつぶし効果を高めることができる。また、搬送方向への流れが滞るため、混練物の材料の投入から混練物の排出までの滞留時間が長くなり、ダマの押しつぶし動作を含む撹拌動作を多数回、十分に行うことができ、ダマをなくして、十分で均一な混練が可能になる。また、連続型の装置として小型に構成しても、混練物の滞留時間を長くして十分で均一な混練を行うことができる。
【0036】
なお、正相のパドルを多くするほど混練物を搬送する搬送力が大きくなって、混練物の投入から排出までの滞留時間が短くなり、混練物の混練度が低くなる。また、逆相のパドルを多くするほど、混練物を搬送方向と逆方向に戻そうとする戻し力が大きくなって、混練物の滞留時間が長くなり、混練物の混練度が高くなる。
【0037】
また、パドルPn、Qnには、その中心部に貫通穴が形成されるので、対向するパドルどうしが互いの間に混練物を挟むようにして押圧するときに、回転軸3、4に作用する反力を低減することができる。さらに、パドル間の混練物が貫通穴を通過する際に、せん断力が作用し、混練を促進することができる。
【0038】
また、混練時において、筐体1内のせき板18、19間で回転軸3、4の外側を回転軸に沿って搬送方向に移動する混練物は、サイドせき板20が設けられていなければ、そのまま移動するので、回転軸3、4間を移動する混練物に比べて良く撹拌されず良く混練されない。しかし、サイドせき板20が設けられているため、外側を移動する混練物がサイドせき板20により阻止され、内側、すなわち回転軸3、4間側に移動するように導かれ、良く混練されることになる。すなわち、混練物全体の滞留時間を長くし、混練度を上げることができる。
【0039】
また、混練物の材料の噴流性が高い場合に、混練物の材料が回転軸3、4の外側を回転軸3、4に沿ってそのまま搬送方向に流れるのがサイドせき板20により複数箇所で阻止され、内側に移動し、混練されるので、ショートパスの発生を防止して、混練を十分に行うことができる。
【0040】
なお、各パドルPn(Qn)のパドルの取り付け方向を調整することにより、混練時の搬送力ないし戻し力を変化させることができる。例えば、図5に示したように、正相のパドル3a、逆相のパドル3bのパドル面の回転中心軸に対する傾きθを調節できるようにする。パドル面を螺旋に沿った方向、あるいはそれと直交する方向に調節することにより、混練時の搬送力ないし戻し力を最大にすることができ、パドル面を螺旋に沿った方向、あるいはそれと直交する方向から所定角度ずらすことにより、搬送力ないし戻し力を弱めるようにすることができる。なお、図5において矢印は混練物の搬送方向を示し、一点鎖線は回転中心軸を示す。
【実施例2】
【0041】
図6、図7は本発明の他の実施例を示すもので、パドルPn(n=1〜17)が配列された回転軸3の軸方向に見て軸端からパドルPnと同じ距離の位置で、回転軸3の同じ回転方向に各パドルPnからその角度ピッチのN倍の角度(例えばN=2として90°×2=180°)異なる角度位置に、パドルPnと同相のパドルPn’(n=1〜17)をそれぞれ設ける。図6、図7に示したように、軸方向に軸端から見て同じ位置にあるパドルP1とP1’;P2、P2’;P17、P17’などはいずれも正相で、180°の位相ずらして配置され、軸方向に同じ位置にあるパドルP3、P3’はそれぞれ逆相で、180°の位相ずらして配置される。
【0042】
このような配置により、パドルPnの並びが形成する螺旋を1条の螺旋とすると、パドルPn’の並びによりもう一条の螺旋が形成され、回転軸3の回転方向に所定角度(180°)位相がずれた、螺旋ピッチ並びに螺旋の方向が同じの2条の螺旋が形成される。
【0043】
同様に、パドルQn(n=1〜17)の配列された回転軸4の軸方向に見て軸端からパドルQnと同じ距離の位置で、回転軸4の同じ回転方向に各パドルQnからその角度ピッチのN倍の角度(例えばN=2として72°×2=144°)異なる角度位置に、パドルQnと同相のパドルQn’(n=1〜17)をそれぞれ設ける。図示の例では、軸方向に同じ位置にあるパドルQ1とQ1’;Q2、Q2’;Q17、Q17’などはいずれも正相で、144°の位相ずらして配置され、軸方向に同じ位置にあるパドルQ3、Q3’はそれぞれ逆相で、144°の位相ずらして配置される。
【0044】
このような配置により、パドルQnの並びが形成する螺旋を1条の螺旋とすると、パドルQn’の並びによりもう一条の螺旋が形成され、回転軸4の回転方向に所定角度(144°)位相がずれた、螺旋ピッチ並びに螺旋の方向が同じの2条の螺旋が形成される。
【0045】
なお、図7では、図の煩雑さを避けるために、図4で示したパドルPn、Qnは白で図示されており、他の条の螺旋に沿って配置されるパドルPn’、Qn’は黒で、正相のパドル面の場合は(正)で、逆相のパドル面の場合は(逆)で図示されている。
【0046】
この実施例での混練において、追加された他の条のパドルPn’、Qn’による混練物の混練並びに搬送は、パドルPn、Qnによる混練物の混練並びに搬送と同様であり、ダマの押しつぶし動作の頻度を2倍以上にすることができ、更にダマの押しつぶし効果を高めることができる。また、パドルによる撹拌回数を倍増させて、混練の仕上がり度合いを高め、より均一な混練を行える。
【0047】
この2条配置のパドルによる混練の効果が図8に図示されている。図8では、回転軸3の1回転ごとに、軸方向に同じ位置にある各パドルPn、Pn’;Qn、Qn’の位置関係が図示されており、k回転目(k=1〜6)において、回転軸3が90°ずつ回転した状態が(k−1)〜(k−4)で図示されている。回転軸3と4の回転数比は5:4であり、回転軸3が1回転する間に回転軸4は4/5回転し、回転軸3が6回転目になると、各パドルは1回転目と同じ位置になる。なお、図8において、Rn(n=1〜6)はn回転目を示す。
【0048】
回転軸3が1回転する間に回転軸4は1/5回転遅れるために、両軸には差速が生じ、そのため、一方の回転軸に配列したパドルにより他方の回転軸に配列したパドルのクリーニングが行われる。このパドルによる互いのクリーニングが行われる状態が、図8で一点鎖線の楕円で示されており、回転軸3が5回転する間に、8回行われる。このうち、細い一点鎖線で示した位置では、早いパドルPn(Pn’)が遅いパドルQn(Qn’)から逃げる状態となり、太い一点鎖線で示した位置では、早いパドルPn(Pn’)が遅いパドルQn(Qn’)を追いかける状態となる。
【0049】
図9は、実施例1の混練装置における図8と同様な図であり、各パドルPn、Qnは回転軸3、4において1条に配置されるだけなので、パドルによる互いのクリーニングが行われる回数は、一点鎖線の楕円で示したように、回転軸3が5回転する間に、2回しか行われず、実施例2に示すように2条配置によるクリーニング効果、並びにダマの押しつぶし効果、攪拌効果が優れていることが理解できる。
【0050】
また、各パドルの先端が回転軸の回転にしたがって相手側の回転軸の外周に近接し、回転軸に付着した混練物を掻き落として回転軸をセルフクリーニングする効果も、2条配置がより優れていることが理解できる。
【0051】
なお、以上で説明した実施例では、パドルを回転軸に2条の螺旋に沿って配置したが、3条、あるいは複数条の螺旋に沿って並ぶように立設するようにしてもよい。この場合、各条の螺旋はそれぞれ同じ螺旋ピッチで螺旋方向が同じであり、軸方向に同じ距離にある各条のパドルの相は同じにし、また各条の螺旋は、回転軸の回転方向にそれぞれ所定角度位相がずれているようにする。
【実施例3】
【0052】
図10、図11には、パドル面が回転軸3、4の軸方向に沿った方向になる平相のパドルが設けられ、軸方向に見て周期的な繰り返し順序が正相、平相、逆相の順序となる実施例が図示されている。図11において、(S)は平相のパドルを示す。
【0053】
実施例1での回転軸3の正相のパドルP2、P5、P8、P11、P14、P17と、回転軸4の正相のパドルQ2、Q5、Q8、Q11、Q14、Q17を平相としたもので、この実施例では、正相のパドルで送られた混練物は、次の平相のパドルを通過して次の逆相のパドルで押し戻されるので、混練物の搬送力は減少してしまう。搬送力が少なくなる分、攪拌する時間が長くなり、混練度合いは顕著に向上する。搬送力を増大するには、図5に示すように、正相のパドルをパドル面が螺旋に沿うように取り付け、逆相のパドルを戻し力が弱くなる方向に取り付けたり、平相のパドルを少し正相のパドル面の方向になるように取り付けるようにする。
【0054】
実施例3において、平相のパドルを省略して、軸方向に見て周期的な繰り返し順序が正相、逆相の順序となるようにすることもできる。
【0055】
また、軸方向に見て周期的な繰り返し順序を、正相、平相、平相の順序、あるいは正相、逆相、逆相の順序とすることもできる。
【0056】
また、第1と第2の回転軸の各パドルをすべて逆相とすることもできる。
【0057】
また、実施例3の各例において、実施例2に示すように、各パドルを2条、あるいはそれ以上の多条の螺旋配列とすることもできる。
【0058】
なお、以上説明した各実施例において、回転軸3、4は上から見て互いに逆方向に内側に回転する方向に回転されたが、互いに逆方向に外側に回転する方向に回転させることもできる。この場合には、搬送方向が逆方向になるので、各回転軸の正相のパドルと逆相のパドルを入れ替え、それぞれ逆螺旋状になるように取り付け、搬送方向が同じになるようにする。
【0059】
また、各実施例において、パドルの周期的な配列において、混練装置の排出口1b及び/又は液体(薬液)を注入するための配管(ノズル)21が設けられる領域では、周期的な配列を行わないようにして、例外的な配列とすることができる。例えば、実施例1で、「正相、正相、逆相」の周期的なパドル配列の場合、排出口1b、配管21が設けられる領域で、周期的な配列では、正相(あるいは逆相)となっていない場合、周期的な配列を崩して正相(あるいは逆相)とするようにすることもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 筐体
1a 投入口
1b 排出口
2 フレーム
3、4 回転軸
7、8 ロッド
9、10 軸受部
11 ギアボックス
12、13 ギア
14、16 スプロケット
15 チェーン
17 モータ
Pn、Pn’、Qn、Qn’パドル
【技術分野】
【0001】
本発明は、混練物を混練する混練装置、更に詳しくは、それぞれ外周に撹拌部材としてのパドルを複数立設した2本の回転軸を互いに平行に設け、互いに逆方向に回転させることにより、パドルで混練物を混練する混練装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の混練装置(ミキサー)は、例えば脱水汚泥、焼却あるいは集塵ダスト、セメントなどの固化剤混入ダスト、あるいは肥料などの粉体ないし粒体の混合、及び粉体ないし粒体に液体を加えての混練に使用される。
【0003】
このような混練装置は、例えば特許文献1に記載されており、この構成では、複数のパドルが螺旋状に並ぶように立設されている。そして、第1と第2の回転軸を互いに逆方向に回転させることにより、パドルで混練物を撹拌して混練しながら2本の回転軸に沿った一方向の搬送方向に搬送するようになっている。また、2本の回転軸の回転によって、それぞれのパドルの先端が相手の回転軸の外周面に近接するように構成される。そして2本の回転軸を不等速に回転させることにより、2本の回転軸のパドルが相手の回転軸の外周面に付着した混練物を掻き落すセルフクリーニングを行なえるようになっている。2本の回転軸のパドルは、全て、混練時にそれぞれの回転軸の回転に伴って混練物を搬送方向に押圧するように、回転軸の中心線に対して例えば45°程度の所定角度傾いた向きに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−157113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の混練装置の構成では、以下のような問題があった。
【0006】
粉体ないし粒体を混合する場合は問題ないが、粉体ないし粒体と液体を混練する場合には、その配合比によって、また液体の粘性が高いときなどに、粉体ないし粒体の一部分に液体が凝集して塊状のもの、いわゆるダマ(だま)になることがある。一旦ダマが発生すると、容易には解消できず、材料全体の均一な混練が阻害される場合がある。
【0007】
これに対して特許文献1のようなセルフクリーニングを行なう構成では、2本の回転軸の対向するパドルどうしが回転軸の所定回数の回転毎に接近、離間を繰り返す。そして対向するパドルどうしが最も接近するときに混練物を互いの間に挟むようにして押圧することにより、混練物中のダマを押しつぶすことが一応は可能である。
【0008】
しかし、このダマを押しつぶす作用が十分ではなかった。すなわち、2本の回転軸の対向するパドルどうしが最接近する際に互いの間に混練物を押圧する力に対して、パドル間の混練物がその性状によってはパドルの傾きに沿って混練物の搬送方向に逃げてしまい、押しつぶし効果が半減する場合がある。その場合、十分で均一な混練を行なうことができなくなる。
【0009】
また、混練物の材料の全部を一度に投入して混練し一度に排出するバッチ型の混練装置の場合は運転時間の調整で混練度合いの調整がある程度可能である。これに対して、混練物の材料を逐次連続的に投入しながら混練して連続的に排出する連続型の混練装置の場合は、混練物の材料の時間当たりの投入量によって装置内部での混練物の滞留時間(混練物の撹拌時間)が決定されるため、混練度合いの調整が限られていた。このため、混練装置の用途に応じて混練度合いを調整して効率良く混練を行うことが困難だった。
【0010】
更に、連続型の混練装置では、小型で大量処理が可能であるという利点がある。しかし、混練物の材料の噴流性が高い場合や、処理能力以上に混練物の材料を供給した場合に、投入された混練物の材料が混練されずにそのまま装置内を通過する現象、いわゆるショートパスが発生してしまい、混練が全く不十分にしか行われないことがある。
【0011】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、小型な構成で十分で均一な混練を効率良く行える混練装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、
外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第1の回転軸と、外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで、第1の回転軸の螺旋とは逆螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第2の回転軸とを筐体内で平行に配置して互いに不等速で逆方向に回転させ、混練物をパドルにより混練する混練装置であって、
前記複数のパドルは、パドル面が混練物を送り方向に進める方向に向いた正相パドルと、パドル面が混練物を逆方向に戻す方向に向いた逆相パドルとを含み、
前記逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板が取り付けられるので、ショートパスの発生を防止して、混練度を上げることができる。
【0014】
また、本発明によれば、パドルは、そのパドル面の螺旋に沿った方向に対する角度が調整できるように回転軸に取り付けられるので、混練装置の用途に応じて混練度合いを調整して効率良く混練を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】パドルを1条の螺旋に沿って配置した混練装置の筐体の上側の大部分を取り払った状態で示す上面図である(実施例1)。
【図2】同混練装置の筐体内の一方の回転軸に沿った側面図である。
【図3a】同混練装置の回転軸のパドルを設けた部分での回転軸に直交する断面図である。
【図3b】同混練装置の回転軸のロッドを設けた部分での断面図である。
【図4】実施例1の各回転軸のパドル配置を展開して示した説明図である。
【図5】回転軸の中心線に対する正相のパドルと逆相のパドルの傾きを示す説明図である。
【図6】パドルを2条の螺旋に沿って配置した混練装置の筐体の上側の大部分を取り払った状態で示す上面図である(実施例2)。
【図7】実施例2の各回転軸のパドル配置を展開して示した説明図である。
【図8】実施例2における回転軸の回転に応じて変化するパドル位置を示した説明図である。
【図9】実施例1における回転軸の回転に応じて変化するパドル位置を示した説明図である。
【図10】パドルを1条の螺旋に沿って配置した混練装置の他の実施例を示す上面図である(実施例3)。
【図11】実施例3の各回転軸のパドル配置を展開して示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図を参照して、本発明を実施するための最良の形態の実施例を説明する。なお、実施例の混練装置について、粉体ないし粒体と液体の混練を行う場合を説明するが、その混練装置で粉体ないし粒体のみの混合、ないしは粉体ないし粒体にごく少量の液体を加えての混合も行えるものである。
【実施例1】
【0017】
図1〜図4は、本発明の実施例1による混練装置の構造を説明するもので、図1は混練装置の筐体の上側の大部分を取り払った状態で示す平面図、図2は混練装置の筐体内の一方の回転軸に沿った側面図、図3a、図3bは混練装置の回転軸のパドルを設けた部分とロッドを設けた部分での回転軸に直交する断面図、図4は各回転軸をA〜D(A〜E)の方向から見た時のパドルの配置を説明した図である。
【0018】
図1〜図4において、1は混練装置の筐体であり、ベースのフレーム2上に水平に設けられる。筐体1は、ここでは細長い直方体形状に形成されている。図2に示す左端部の上側には、不図示のホッパーから混練される混練物の材料(粉体ないし粒体)を筐体1内に投入(投下)するための投入口1aが設けられている。また右端部の下側には、投入された材料に液体を加えて混練した混練物を筐体1から不図示のコンベア上へ排出する(落下させる)ための排出口1bが設けられている。混練物は混練されながら、矢印で示したように、投入口1a側から排出口1b側へと右方向に搬送される。
【0019】
筐体1内には、その長手方向に沿って同じ径の2本の回転軸3、4が互いに平行に架設されており、図1中で筐体1の右端部外側に設けられた軸受部9と、筐体1の左端の外側近傍でフレーム2上に設けられた軸受部10によって回転可能に軸受されている。
【0020】
また、回転軸3、4の図1中の左端部でギアボックス11に挿通された部分にはギア12、13が固定されており、互いに噛合している。
【0021】
さらに回転軸3の図1中で左端は、軸受部10から外側に突出しており、その左端にスプロケット14が固定されている。また、フレーム2上にはモータ17が設けられ、その出力軸にはスプロケット16が固定されている。このスプロケット16とスプロケット14間にチェーン15が張り渡されている。
【0022】
モータ14の一方向への回転駆動力がスプロケット16、チェーン15及びスプロケット14を介して回転軸3に伝達されて回転軸3が一方向に回転し、さらに回転駆動力がギア12、13を介して回転軸4に伝達されて回転軸4が逆方向に回転する。回転軸3、4は、ギヤ12、13を介して、N:N−1、例えば5:4の回転数比で不等速で回転される。なお、回転軸3、4の混練時の回転方向は、図1、図3a、図3bに示すように、上方から見て互いの内側へ向かって回転する方向となっている。
【0023】
回転軸3、4のそれぞれの外周には撹拌部材としてのパドルP1〜P17、Q1〜Q17が立設されている。図1、図3aでは、図が煩雑になるので、一部のパドルのみ符号が付されて図示されている。各パドルP1〜P17、Q1〜Q17はいずれも同じ矩形の形をした平板で、それぞれの中央部に貫通穴(図ではほぼ円形で示されている)が形成されている。また、各パドルP1〜P17、Q1〜Q17は、それぞれの高さ(回転軸3、4の外周からの突出量)が回転軸3、4の外周面間の距離より僅かに小さく、各パドルの先端が回転軸の回転にしたがって相手側の回転軸の外周に近接し、回転軸に付着した混練物を掻き落として回転軸をセルフクリーニングできるようになっている。
【0024】
パドルP1〜P17は、回転軸3の外周に所定の螺旋ピッチで互いに回転軸3の回転方向に所定の角度ピッチずつずらして螺旋状に配置され、パドルQ1〜Q17は、回転軸4の外周に所定の螺旋ピッチで互いに回転軸4の回転方向に所定の角度ピッチずつずらして、パドルP1〜P17が形成する螺旋とは逆螺旋状に配置される。パドルP1〜P17の螺旋ピッチとパドルQ1〜Q17の螺旋ピッチの比は、回転軸3と4の回転数比と逆比になるように構成されており、例えば回転軸3と4の回転数比が、上述のように、5:4のときは、1L:1.25Lのように、逆比となっている。また、パドルP1〜P17の角度ピッチとパドルQ1〜Q17の角度ピッチの比は、回転軸3と4の回転数比と同比になるように構成されており、回転軸3と4の回転数比が、上述のように、5:4のときは、例えば、パドルP1〜P17の角度ピッチは90°、パドルQ1〜Q17の角度ピッチは72°のように、回転軸3と4の回転数比と同じ比となっている。
【0025】
また、各パドルP1〜P17、Q1〜Q17は、そのパドル面が混練物を送り方向に進める螺旋(送り螺旋)に沿った方向になる正相か、あるいはパドル面が回転軸の回転中心線に対して正相と対称な逆相となっていて、それぞれ各回転軸3、4の対向するパドル位置でのパドル面の相が同相となるように配列され、また、各パドルP1〜P17、Q1〜Q17は、それぞれ回転軸の軸方向に正相と逆相が所定の順序で周期的に繰り返されて配列されている。
【0026】
図4はこのようなパドルの展開配置を示すもので、中心には図1と同様な図が示されており、上部には、回転軸4をそれぞれ72°ずらしたA〜Eの方向から見たときのパドルの配置が、また下部には、回転軸3をそれぞれ90°ずらしたA〜Dの方向から見たときのパドルの配置が図示されている。
【0027】
図4から理解できるように、パドルPn、パドルQn(n=1〜17)でnが同じ数字のパドルはそれぞれ回転軸3、4の軸方向に見て軸端から同じ距離のところに配置されており、また、nの番号が1ずつ増加するにしたがって、パドルPn、パドルQnは軸方向に矢印で示す右側に所定距離離れた位置(次の一点鎖線で示す位置)で回転軸が所定の回転角度(角度ピッチ)回転した位置にそれぞれ取り付けられる。したがって、パドルP1とQ1が、一点鎖線で示したように、回転軸3、4の軸端から同じ距離で反対方向に対向する位置に取り付けられたとすると、パドルP2は右側に次に一点鎖線で示した位置で90°の角度ピッチ内側にずらした位置に取り付けられ、パドルQ2はパドルP2の配置される一点鎖線で示した同じ一点鎖線位置で72°の角度ピッチ内側にずらした位置に取り付けられる。同様にしてPn、Qn(n=3〜17)は、nの数字が1ずつ増加するにつれて、軸方向に所定距離離れた次の一点鎖線で示した位置でそれぞれ角度ピッチ90°、72°内側にずらした位置に取り付けられる。このような配置により、パドルP1〜P17は回転軸3に螺旋状に配置され、パドルQ1〜Q17は回転軸4にパドルP1〜P17が形成する螺旋とは逆螺旋状に配置され、それぞれ螺旋ピッチはそれぞれ回転軸3、4の回転数比5:4の逆比である1L:1.25Lとなる。また、各パドルPn、Qn(n=1〜17)は、nの番号が同じパドルの面は同じ相となっており、それぞれ回転軸3、4の軸方向に正相、逆相が所定の順序で、つまり図4で示したように、「正、正、逆、正、正、逆、正、正、逆…」というように、「正、正、逆」の相順序で周期的に繰り返されて配置される。なお、図4において、(P)は正相をとるパドルを、(R)は逆相をとるパドルを示している。また、混練装置1には、混練物を所定の高さまでせき止めるせき板18、19が設けられ、これらのせき板間に、サイドせき板20が複数設けられる。サイドせき板20は、筐体1内でせき板18と19の間の領域の複数箇所で、回転軸3、4の側方となる筐体1の左右の内側面から所定量だけ突出するように設けられ、回転軸3、4の側方で混練物を部分的にせき止める。
【0028】
また、回転軸3、4において排出口1b上に臨む端部には、複数のロッド7、8がそれぞれ回転軸3、4の円周線上に所定角度間隔で複数立設されている。前記角度の比も、回転数比がN:N−1、例えば5:4とし、例えばロッド7は90°間隔で4本、ロッド8は72°間隔で5本設けられる。このロッド7、8は混練時に回転軸3、4の排出口1b側の端部においてセルフクリーニングを行なうためである。
【0029】
また、筐体1内でせき板18の混練物搬送方向側の近傍には、混練物の材料に加えられる液体を筐体1内に注入するための配管(ノズル)21が設けられている。
【0030】
次に、本実施例の混練装置の混練動作について説明する。
【0031】
混練時には、モータ17の駆動により、回転軸3、4が、図1、図3aに示すように内回り方向に5:4の回転数比で不等速に逆回転され、投入口1aから混練物の材料(粉体ないし粒体)が筐体1内に投入される。
【0032】
回転軸3の螺旋は、回転軸3が図示の方向に回転すると、混練物を図1で右方向に送り搬送する螺旋形状となって送り螺旋となる。また回転軸4の螺旋は回転軸3とは逆螺旋であり、回転軸4は回転軸3と逆方向に回転するので、回転軸4の螺旋は、同様に送り螺旋となる。したがって、送り螺旋に沿った正相のパドルは、混練物を右方向に押しやり、また逆相のパドルは混練物を戻す方向に押しやる。
【0033】
この実施例では、各パドルPn、Qnは「正、正、逆」の相順序で周期的に繰り返されて配置されるので、混練物は「送り、送り、戻し」の作用を受け、また、全体としては正相のパドルが逆相のパドルより多いので、混練物はパドルにより攪拌されながら右方向に排出口1b側へ搬送される。なお、回転軸3、4の螺旋ピッチの比は回転軸3、4の回転数比の逆比となっているので、回転軸3、4による軸方向の搬送速度は理論上は同じとなる。
【0034】
また、パドルPnの角度ピッチとパドルQnの角度ピッチの比は、回転軸3、4の回転数比と同じ比になっているので、軸方向に見て同じ位置にあるパドルPn、Qn(nが同じ番号のパドル)は、回転軸3、4が回転しても衝突することはなく、また、回転軸3、4の回転に伴って各パドルの先端が相手側の回転軸の外周に近接するので、相手側の回転軸の外周面に付着した混練物を掻き落とし、回転軸をセルフクリーニングするとともに、対向する2枚のパドルが所定回転数の周期で互いに接近、離間する動作を繰り返し、パドル間で混練物の粉砕が行われる。
【0035】
ここで混練物中にダマが発生している場合、パドルPn、Qnの対向する2枚ずつどうしが最も接近するときに、混練物を互いの間に挟むようにして押圧することにより、ダマを押しつぶすことができる。ただし、このときの押圧力に対して、パドル間の混練物がその性状によってはパドルの傾きに沿って混練物の搬送方向またはその逆方向に逃げようとする。これに対してパドルPn、Qnの「正、正、逆」の相を繰り返す並びの順序により、正相のパドルと逆相のパドルが隣り合っている複数の箇所で混練物の搬送方向への流れが滞る。これにより、パドル間に挟まれて押圧される混練物が搬送方向またはその逆方向に逃げ難くなり、ダマの押しつぶし効果を高めることができる。また、搬送方向への流れが滞るため、混練物の材料の投入から混練物の排出までの滞留時間が長くなり、ダマの押しつぶし動作を含む撹拌動作を多数回、十分に行うことができ、ダマをなくして、十分で均一な混練が可能になる。また、連続型の装置として小型に構成しても、混練物の滞留時間を長くして十分で均一な混練を行うことができる。
【0036】
なお、正相のパドルを多くするほど混練物を搬送する搬送力が大きくなって、混練物の投入から排出までの滞留時間が短くなり、混練物の混練度が低くなる。また、逆相のパドルを多くするほど、混練物を搬送方向と逆方向に戻そうとする戻し力が大きくなって、混練物の滞留時間が長くなり、混練物の混練度が高くなる。
【0037】
また、パドルPn、Qnには、その中心部に貫通穴が形成されるので、対向するパドルどうしが互いの間に混練物を挟むようにして押圧するときに、回転軸3、4に作用する反力を低減することができる。さらに、パドル間の混練物が貫通穴を通過する際に、せん断力が作用し、混練を促進することができる。
【0038】
また、混練時において、筐体1内のせき板18、19間で回転軸3、4の外側を回転軸に沿って搬送方向に移動する混練物は、サイドせき板20が設けられていなければ、そのまま移動するので、回転軸3、4間を移動する混練物に比べて良く撹拌されず良く混練されない。しかし、サイドせき板20が設けられているため、外側を移動する混練物がサイドせき板20により阻止され、内側、すなわち回転軸3、4間側に移動するように導かれ、良く混練されることになる。すなわち、混練物全体の滞留時間を長くし、混練度を上げることができる。
【0039】
また、混練物の材料の噴流性が高い場合に、混練物の材料が回転軸3、4の外側を回転軸3、4に沿ってそのまま搬送方向に流れるのがサイドせき板20により複数箇所で阻止され、内側に移動し、混練されるので、ショートパスの発生を防止して、混練を十分に行うことができる。
【0040】
なお、各パドルPn(Qn)のパドルの取り付け方向を調整することにより、混練時の搬送力ないし戻し力を変化させることができる。例えば、図5に示したように、正相のパドル3a、逆相のパドル3bのパドル面の回転中心軸に対する傾きθを調節できるようにする。パドル面を螺旋に沿った方向、あるいはそれと直交する方向に調節することにより、混練時の搬送力ないし戻し力を最大にすることができ、パドル面を螺旋に沿った方向、あるいはそれと直交する方向から所定角度ずらすことにより、搬送力ないし戻し力を弱めるようにすることができる。なお、図5において矢印は混練物の搬送方向を示し、一点鎖線は回転中心軸を示す。
【実施例2】
【0041】
図6、図7は本発明の他の実施例を示すもので、パドルPn(n=1〜17)が配列された回転軸3の軸方向に見て軸端からパドルPnと同じ距離の位置で、回転軸3の同じ回転方向に各パドルPnからその角度ピッチのN倍の角度(例えばN=2として90°×2=180°)異なる角度位置に、パドルPnと同相のパドルPn’(n=1〜17)をそれぞれ設ける。図6、図7に示したように、軸方向に軸端から見て同じ位置にあるパドルP1とP1’;P2、P2’;P17、P17’などはいずれも正相で、180°の位相ずらして配置され、軸方向に同じ位置にあるパドルP3、P3’はそれぞれ逆相で、180°の位相ずらして配置される。
【0042】
このような配置により、パドルPnの並びが形成する螺旋を1条の螺旋とすると、パドルPn’の並びによりもう一条の螺旋が形成され、回転軸3の回転方向に所定角度(180°)位相がずれた、螺旋ピッチ並びに螺旋の方向が同じの2条の螺旋が形成される。
【0043】
同様に、パドルQn(n=1〜17)の配列された回転軸4の軸方向に見て軸端からパドルQnと同じ距離の位置で、回転軸4の同じ回転方向に各パドルQnからその角度ピッチのN倍の角度(例えばN=2として72°×2=144°)異なる角度位置に、パドルQnと同相のパドルQn’(n=1〜17)をそれぞれ設ける。図示の例では、軸方向に同じ位置にあるパドルQ1とQ1’;Q2、Q2’;Q17、Q17’などはいずれも正相で、144°の位相ずらして配置され、軸方向に同じ位置にあるパドルQ3、Q3’はそれぞれ逆相で、144°の位相ずらして配置される。
【0044】
このような配置により、パドルQnの並びが形成する螺旋を1条の螺旋とすると、パドルQn’の並びによりもう一条の螺旋が形成され、回転軸4の回転方向に所定角度(144°)位相がずれた、螺旋ピッチ並びに螺旋の方向が同じの2条の螺旋が形成される。
【0045】
なお、図7では、図の煩雑さを避けるために、図4で示したパドルPn、Qnは白で図示されており、他の条の螺旋に沿って配置されるパドルPn’、Qn’は黒で、正相のパドル面の場合は(正)で、逆相のパドル面の場合は(逆)で図示されている。
【0046】
この実施例での混練において、追加された他の条のパドルPn’、Qn’による混練物の混練並びに搬送は、パドルPn、Qnによる混練物の混練並びに搬送と同様であり、ダマの押しつぶし動作の頻度を2倍以上にすることができ、更にダマの押しつぶし効果を高めることができる。また、パドルによる撹拌回数を倍増させて、混練の仕上がり度合いを高め、より均一な混練を行える。
【0047】
この2条配置のパドルによる混練の効果が図8に図示されている。図8では、回転軸3の1回転ごとに、軸方向に同じ位置にある各パドルPn、Pn’;Qn、Qn’の位置関係が図示されており、k回転目(k=1〜6)において、回転軸3が90°ずつ回転した状態が(k−1)〜(k−4)で図示されている。回転軸3と4の回転数比は5:4であり、回転軸3が1回転する間に回転軸4は4/5回転し、回転軸3が6回転目になると、各パドルは1回転目と同じ位置になる。なお、図8において、Rn(n=1〜6)はn回転目を示す。
【0048】
回転軸3が1回転する間に回転軸4は1/5回転遅れるために、両軸には差速が生じ、そのため、一方の回転軸に配列したパドルにより他方の回転軸に配列したパドルのクリーニングが行われる。このパドルによる互いのクリーニングが行われる状態が、図8で一点鎖線の楕円で示されており、回転軸3が5回転する間に、8回行われる。このうち、細い一点鎖線で示した位置では、早いパドルPn(Pn’)が遅いパドルQn(Qn’)から逃げる状態となり、太い一点鎖線で示した位置では、早いパドルPn(Pn’)が遅いパドルQn(Qn’)を追いかける状態となる。
【0049】
図9は、実施例1の混練装置における図8と同様な図であり、各パドルPn、Qnは回転軸3、4において1条に配置されるだけなので、パドルによる互いのクリーニングが行われる回数は、一点鎖線の楕円で示したように、回転軸3が5回転する間に、2回しか行われず、実施例2に示すように2条配置によるクリーニング効果、並びにダマの押しつぶし効果、攪拌効果が優れていることが理解できる。
【0050】
また、各パドルの先端が回転軸の回転にしたがって相手側の回転軸の外周に近接し、回転軸に付着した混練物を掻き落として回転軸をセルフクリーニングする効果も、2条配置がより優れていることが理解できる。
【0051】
なお、以上で説明した実施例では、パドルを回転軸に2条の螺旋に沿って配置したが、3条、あるいは複数条の螺旋に沿って並ぶように立設するようにしてもよい。この場合、各条の螺旋はそれぞれ同じ螺旋ピッチで螺旋方向が同じであり、軸方向に同じ距離にある各条のパドルの相は同じにし、また各条の螺旋は、回転軸の回転方向にそれぞれ所定角度位相がずれているようにする。
【実施例3】
【0052】
図10、図11には、パドル面が回転軸3、4の軸方向に沿った方向になる平相のパドルが設けられ、軸方向に見て周期的な繰り返し順序が正相、平相、逆相の順序となる実施例が図示されている。図11において、(S)は平相のパドルを示す。
【0053】
実施例1での回転軸3の正相のパドルP2、P5、P8、P11、P14、P17と、回転軸4の正相のパドルQ2、Q5、Q8、Q11、Q14、Q17を平相としたもので、この実施例では、正相のパドルで送られた混練物は、次の平相のパドルを通過して次の逆相のパドルで押し戻されるので、混練物の搬送力は減少してしまう。搬送力が少なくなる分、攪拌する時間が長くなり、混練度合いは顕著に向上する。搬送力を増大するには、図5に示すように、正相のパドルをパドル面が螺旋に沿うように取り付け、逆相のパドルを戻し力が弱くなる方向に取り付けたり、平相のパドルを少し正相のパドル面の方向になるように取り付けるようにする。
【0054】
実施例3において、平相のパドルを省略して、軸方向に見て周期的な繰り返し順序が正相、逆相の順序となるようにすることもできる。
【0055】
また、軸方向に見て周期的な繰り返し順序を、正相、平相、平相の順序、あるいは正相、逆相、逆相の順序とすることもできる。
【0056】
また、第1と第2の回転軸の各パドルをすべて逆相とすることもできる。
【0057】
また、実施例3の各例において、実施例2に示すように、各パドルを2条、あるいはそれ以上の多条の螺旋配列とすることもできる。
【0058】
なお、以上説明した各実施例において、回転軸3、4は上から見て互いに逆方向に内側に回転する方向に回転されたが、互いに逆方向に外側に回転する方向に回転させることもできる。この場合には、搬送方向が逆方向になるので、各回転軸の正相のパドルと逆相のパドルを入れ替え、それぞれ逆螺旋状になるように取り付け、搬送方向が同じになるようにする。
【0059】
また、各実施例において、パドルの周期的な配列において、混練装置の排出口1b及び/又は液体(薬液)を注入するための配管(ノズル)21が設けられる領域では、周期的な配列を行わないようにして、例外的な配列とすることができる。例えば、実施例1で、「正相、正相、逆相」の周期的なパドル配列の場合、排出口1b、配管21が設けられる領域で、周期的な配列では、正相(あるいは逆相)となっていない場合、周期的な配列を崩して正相(あるいは逆相)とするようにすることもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 筐体
1a 投入口
1b 排出口
2 フレーム
3、4 回転軸
7、8 ロッド
9、10 軸受部
11 ギアボックス
12、13 ギア
14、16 スプロケット
15 チェーン
17 モータ
Pn、Pn’、Qn、Qn’パドル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第1の回転軸と、外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで、第1の回転軸の螺旋とは逆螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第2の回転軸とを筐体内で平行に配置して互いに不等速で逆方向に回転させ、混練物をパドルにより混練する混練装置であって、
前記複数のパドルは、パドル面が混練物を送り方向に進める方向に向いた正相パドルと、パドル面が混練物を逆方向に戻す方向に向いた逆相パドルとを含み、
前記逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板が取り付けられることを特徴とする混練装置。
【請求項2】
前記せき板が、筐体の上部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の混練装置。
【請求項3】
前記せき板が、筐体の側部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の混練装置。
【請求項1】
外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第1の回転軸と、外周に撹拌部材としてのパドルを所定の螺旋ピッチで、第1の回転軸の螺旋とは逆螺旋状に所定の角度ピッチ間隔で並ぶように複数立設した第2の回転軸とを筐体内で平行に配置して互いに不等速で逆方向に回転させ、混練物をパドルにより混練する混練装置であって、
前記複数のパドルは、パドル面が混練物を送り方向に進める方向に向いた正相パドルと、パドル面が混練物を逆方向に戻す方向に向いた逆相パドルとを含み、
前記逆相パドルの混練物排出側に、混練物を部分的にせき止めるせき板が取り付けられることを特徴とする混練装置。
【請求項2】
前記せき板が、筐体の上部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の混練装置。
【請求項3】
前記せき板が、筐体の側部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の混練装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−39574(P2013−39574A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−249813(P2012−249813)
【出願日】平成24年11月14日(2012.11.14)
【分割の表示】特願2012−199037(P2012−199037)の分割
【原出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(594148520)株式会社新日南 (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月14日(2012.11.14)
【分割の表示】特願2012−199037(P2012−199037)の分割
【原出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(594148520)株式会社新日南 (11)
【Fターム(参考)】
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