説明

混雑情報管理サーバ、混雑状況提供システム及び混雑状況提供プログラム

【課題】混雑を回避した経路選択に有用な情報を提供する。
【解決手段】敷地内の出入口を通過した通行者の通行履歴情報から生成された混雑情報をユーザに提供する混雑情報提供部54と、混雑情報を解析することにより現在地から目的地までの混雑度合いの最も少ない混雑回避ルートを求めてユーザに提供する混雑回避ルート提供部56と、ユーザにより指定された出発日時、出発地及び目的地に基づき混雑履歴情報を検索して、指定された出発日時において混雑度合いの最も少ない混雑回避ルートを予測してユーザに提供する予測混雑回避ルート提供部57と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑状況提供システム、特に敷地内における出入口の混雑状況に関する情報の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
工場やオフィスビルでは、朝の通勤時や昼食時、あるいは退社時にセキュリティゲート(入退門、入退館口等)やエレベータ(エレベータホール)等が混雑し、目的地とする移動先までの移動に必要以上に時間を要してしまう場合がある。このような混雑の状況を施設の利用者に知らせるために、例えば特許文献1には、ビルから出て行く人の人数とビルに入る人の人数との差を得て、ビル内の混雑状況に応じたメッセージを表示する技術が提案されている。また、特許文献2では、エレベータやエスカレータの運行データをもとにエレベータホール等の混雑状況を予測し提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−191795号公報
【特許文献2】特開2002−92487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、混雑の状況を通知するに留まり、混雑している出入口等を回避して移動するために役立つ情報を提供するものではなかった。
【0005】
本発明は、混雑を回避した経路選択に有用な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る混雑情報管理サーバは、敷地、敷地内の建物の各出入口に少なくとも設置された読取手段によって、いずれかの出入口を出入りする通行者が携帯する識別カードが読み取られることにより生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該通行者のユーザ識別情報、当該通行者が出入りした出入口を識別する出入口識別情報、及び当該通行者が出入口を出る若しくは入ったかを判別する通行種別情報を含む通行履歴情報を取得する手段と、前記通行履歴情報を解析することによって各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成する混雑情報生成手段と、ユーザからの目的地が少なくとも指定された経路検索要求に応じて、前記混雑履歴情報を解析することにより得られる予測混雑度合いを考慮して当該ユーザが出発地から目的地まで移動する予測混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する混雑回避経路提供手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報に、当該混雑情報が生成された日時を特定する日時情報を付加することにより混雑履歴情報を生成する混雑履歴情報生成手段と、ユーザからの出発地、目的地、及び出発日時若しくは到着日時が少なくとも指定された予測経路検索要求に応じて、前記混雑履歴情報を解析することにより、当該ユーザが出発地から目的地まで移動する経路のうち混雑度合いが最小となる予測混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する予測混雑回避経路提供手段を有することを特徴とする。
【0008】
また、前記予測経路検索要求に指定された出発地、目的地、及び出発日時若しくは到着日時に、当該予測経路検索要求に応じた日時を特定する日時情報を付加することにより検索履歴情報を生成する検索履歴情報生成手段を有し、前記予測混雑回避経路提供手段は、前記混雑履歴情報から得られる経路の混雑度合いに、前記検索履歴情報から得られる経路の検索回数を加味して予測混雑回避経路を特定することを特徴とする。
【0009】
また、前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報をユーザに提供する混雑情報提供手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、ユーザの識別情報と、当該ユーザへの配信する情報の種類と、当該ユーザへ情報を配信する日時が指定された配信日時情報と、当該情報の配信先が指定された配信先情報と、が対応付けされた配信情報を記憶する配信情報記憶手段と、配信日時情報から特定される日時に達したときに、当該配信日時情報に対応する配信先情報から特定された配信先へ、配信対象の情報を配信する自動配信手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る混雑状況提供システムは、敷地、敷地内の建物の各出入口に少なくとも設置された読取手段と、前記読取手段により、いずれかの出入口を出入りする通行者が携帯する識別カードが読み取られることにより生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該通行者のユーザ識別情報、当該通行者が出入りした出入口を識別する出入口識別情報、及び当該通行者が出入口を出る若しくは入ったかを判別する通行種別情報を含む通行履歴情報を記憶する手段と、前記通行履歴情報を解析することによって各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成する混雑情報生成手段と、前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報を記憶する混雑情報記憶手段と、ユーザからの目的地が少なくとも指定された経路検索要求に応じて、前記混雑情報を解析することにより得られる混雑度合いを考慮して当該ユーザが現在地から目的地まで移動する混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する混雑回避経路提供手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報に、当該混雑情報が生成された日時を特定する日時情報を付加することにより混雑履歴情報を生成する混雑履歴情報生成手段と、ユーザからの出発地、目的地、及び出発日時若しくは到着日時が少なくとも指定された予測経路検索要求に応じて、前記混雑履歴情報を解析することにより得られる予測混雑度合いを考慮して当該ユーザが出発地から目的地まで移動する予測混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する予測混雑回避経路提供手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る混雑状況提供プログラムは、コンピュータを、敷地、敷地内の建物の各出入口に少なくとも設置された読取手段によって、いずれかの出入口を出入りする通行者が携帯する識別カードが読み取られることにより生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該通行者のユーザ識別情報、当該通行者が出入りした出入口を識別する出入口識別情報、及び当該通行者が出入口を出る若しくは入ったかを判別する通行種別情報を含む通行履歴情報を取得する手段、前記通行履歴情報を解析することによって各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成する混雑情報生成手段、ユーザからの目的地が少なくとも指定された経路検索要求に応じて、前記混雑情報を解析することにより得られる混雑度合いを考慮して当該ユーザが現在地から目的地まで移動する混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する混雑回避経路提供手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、混雑を回避した経路選択に有用な情報を提供することができる。
【0015】
また、将来における混雑を回避した経路選択に有用な情報を提供することができる。
【0016】
また、将来における混雑を回避した経路選択に有用な情報を、蓄積した検索履歴情報を参照して生成することにより、提供する情報の信頼性を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施の形態における混雑状況提供システムの一例を示した全体構成図である。
【図2】本実施の形態においてカードリーダの設置位置の一例を示した概念図である。
【図3】本実施の形態においてカードリーダの設置位置の一例を示した概念図である。
【図4】本実施の形態における混雑情報管理サーバを形成するサーバコンピュータのハードウェア構成図である。
【図5】本実施の形態における混雑情報管理サーバのブロック構成図である。
【図6】本実施の形態における混雑判定情報記憶部に予め設定される混雑判定情報のデータ構成の一例を示した図である。
【図7】本実施の形態における通知先情報記憶部に登録されている通知先情報のデータ構成の一例を示した図である。
【図8】本実施の形態における自動配信情報記憶部に登録されている自動配信情報のデータ構成の一例を示した図である。
【図9】本実施の形態における情報提供処理を示したフローチャートである。
【図10】本実施の形態において、混雑情報をグラフィカルな表示にて提供する場合の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態における混雑状況提供システムの一例を示した全体構成図である。図1には、入退館管理サーバ10と、複数台のIDコントローラ20a,20bと、混雑情報管理サーバ50と、がLAN(Local Area Network)1で接続された構成が示されている。本実施の形態では、工場等の敷地内における通行者の入退館や出入口の混雑状況に関する情報を管理する場合を例にして説明する。入退館管理サーバ10は、工場等の敷地内における通行者の入退館を管理するためのシステムであり、混雑情報管理サーバ50は、敷地内に設けられている入退門やビルの入退館口の混雑状況を管理するためのシステムである。
【0020】
図1には、更に、工場利用者が工場内で使用するパーソナルコンピュータ(PC)5と携帯電話6等の携帯情報端末、工場利用者が工場外で使用するパーソナルコンピュータ(PC)7と携帯電話8等の携帯情報端末が示されている。これらの機器5〜8は、携帯電話通信網やインターネット等の公衆網9に接続されている。
【0021】
図2及び図3は、本実施の形態においてカードリーダの設置位置の一例を示した概念図である。工場への入門が許可されている従業員等には、社員証等の識別カードが配布され、従業員等は、工場の入退場するときや工場内を移動するときには識別カードを常時携帯する。工場の各入退門には、セキュリティゲート2が設置されており、そのセキュリティゲート2の外側には入側カードリーダ4aが、セキュリティゲート2の内側には出側カードリーダ4bが、それぞれ設置されている。IDコントローラ20aは、入退門毎に設けられ、対応するセキュリティゲート2、カードリーダ4a,4bを接続する。図1では、IDコントローラ20aを1台のみ図示した。また、工場内の各ビルの各入退館口及びビル内の各部屋には、電気錠3を備えた扉が設置されており、その扉の外側には入側カードリーダ4cが、その扉の内側には出側カードリーダ4dが、それぞれ設置されている。IDコントローラ20bは、電気錠3を備えた扉毎に設けられ、対応する扉、カードリーダ4c,4dを接続する。図1では、IDコントローラ20bを1台のみ図示した。
【0022】
なお、図2及び図3に例示したように、ビル内の扉のない部屋、階段、エレベータホール等の各スペースの出入口にも、入側カードリーダ4c及び出側カードリーダ4dを設置し、ビル利用者の通行を把握、管理できるようにしてもよい。
【0023】
以降の説明において、外側及び内側に設けられた各カードリーダ4a,4b,4c,4dは、設置位置が異なる以外、識別カードに記録されているデータを読み取るという同様の機能を有するので、説明の便宜上、区別する必要がない場合には、「カードリーダ4」と総称することにする。また、IDコントローラ20a,20bは、セキュリティゲート2あるいは扉に備えられた電気錠3を接続する点で異なる以外、同様の機能を有するので、説明の便宜上、区別する必要がない場合には、「IDコントローラ20」と総称することにする。個人情報記憶部21a,21bについても同様に総称する。更に、入退門や入退館口などカードリーダが設置され人の出入りが入退館管理サーバ10によって管理される地点を、本実施の形態では「出入口」と総称する。
【0024】
従業員等は、出入口を通過する際に、出入口に設置されたカードリーダ4に社員証等をかざす。カードリーダ4は、社員証等に記録されている識別情報を読み取ると、この読み取った識別情報をIDコントローラ20へ送信する。IDコントローラ20は、識別情報が送信されてくると、その識別情報と個人情報記憶部21に記憶されている個人情報とを照合し、ユーザ認証を行う。認証の結果、認証に成功すると、セキュリティゲート2等を解錠し、出入口の通過を許可する。そして、IDコントローラ20は、通行した日時、通行種別(進入あるいは退出)、通行したユーザの識別情報、氏名、所属等を含む通行情報を入退館管理サーバ10へ送信する。なお、通行種別は、入側カードリーダ4a,4cで社員証等が読み取られた場合は「進入」、出側カードリーダ4b,4dで社員証等が読み取られた場合は「退出」と設定される。このように、通行情報は、ユーザが出入口を通過するたびに生成され、入退館管理サーバ10へ送信される。
【0025】
入退館管理サーバ10は、IDコントローラ20から送られてくると、その通行情報に、IDコントローラ20の識別情報から特定できる通行した場所を特定する区画名称(例えば、入退門#1、入退館口#2等)を付加して通行履歴情報を生成し、通行履歴情報記憶部12に蓄積する。なお、以上の処理では、通行履歴情報記憶部12に蓄積する通行履歴情報は、上記のデータ構成にて生成されるが、例えば、時間や氏名、所属等の個人情報は入退館管理サーバ10側にて付加してもよい。
【0026】
以上説明した人の出入りを管理する機能は、IDコントローラ20とその接続機器及び入退館管理サーバ10で実現されるが、この機能は、従前の入退館管理システムをそのまま利用して実現してもよい。
【0027】
図4は、本実施の形態における混雑情報管理サーバ50を形成するサーバコンピュータのハードウェア構成図である。本実施の形態において混雑情報管理サーバ50を形成するサーバコンピュータは、従前から存在する汎用的なハードウェア構成で実現できる。すなわち、コンピュータは、図4に示したようにCPU31、ROM32、RAM33、ハードディスクドライブ(HDD)34を接続したHDDコントローラ35、入力手段として設けられたマウス36とキーボード37、及び表示装置として設けられたディスプレイ38をそれぞれ接続する入出力コントローラ39、通信手段として設けられたネットワークコントローラ40を内部バス41に接続して構成される。
【0028】
なお、性能的に差異はあるかもしれないが、入退館管理サーバ10及びIDコントローラ20もコンピュータで実現することから、そのハードウェア構成は、図4と同じように図示してよい。
【0029】
図5は、本実施の形態における混雑情報管理サーバ50のブロック構成図である。本実施の形態における混雑情報管理サーバ50は、情報取得部51、混雑情報生成部52、要求受付部53、混雑情報提供部54、混雑履歴情報生成部55、混雑回避ルート提供部56、予測混雑回避ルート提供部57、情報配信部58及び情報管理部59を有している。更に、各種情報の記憶手段として、通行履歴情報記憶部61、混雑判定情報記憶部62、混雑情報記憶部63、混雑履歴情報記憶部64、検索履歴情報記憶部65、システム設定情報記憶部66、通知先情報記憶部67及び自動配信情報記憶部68を有している。情報取得部51は、入退館管理サーバ10に記憶されている通行履歴情報を取得し、通行履歴情報記憶部61に保存する。通行履歴情報記憶部61の登録内容は、以降説明する混雑情報等の信頼性の観点から、通行履歴情報記憶部12と同じであることが望ましいので、情報取得部51は、通行履歴情報記憶部12に通行履歴情報が書き込まれるたびに、あるいは短い所定時間間隔にて通行履歴情報記憶部61に登録されていない通行履歴情報を入退館管理サーバ10から取得する。混雑情報生成部52は、通行履歴情報記憶部61及び混雑判定情報記憶部62を参照し、通行履歴情報を解析することによって、各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成して、混雑情報記憶部63に登録する。要求受付部53は、PC5,7あるいは携帯電話6,8から送られてくる各種情報の提供要求を受け付ける。混雑情報提供部54は、生成された混雑情報を情報提供要求元等へ提供する。混雑履歴情報生成部55は、混雑情報記憶部63に登録された混雑情報に、当該混雑情報が生成された日時を特定する日時情報を付加することにより混雑履歴情報を生成して、混雑履歴情報記憶部64に登録する。混雑回避ルート提供部56は、ユーザからの経路検索要求に応じて、混雑情報記憶部63及び混雑履歴情報記憶部64を参照し、混雑履歴情報を解析することにより得られる混雑度合いを考慮して当該ユーザが現在地から目的地まで移動する混雑回避経路(混雑回避ルート)を特定し提供する。予測混雑回避ルート提供部57は、ユーザからの予測経路検索要求に応じて、混雑履歴情報記憶部64及び検索履歴情報記憶部65を参照し、混雑履歴情報及び検索履歴情報を解析することにより得られる予測混雑度合いを考慮して当該ユーザが出発地から目的地まで移動する予測混雑回避経路(予測混雑回避ルートを特定し、当該ユーザへ提供する。情報配信部58は、希望者に対して混雑情報等を配信する。情報管理部59は、システム管理者等からの指示に従い、混雑判定情報記憶部62、システム設定情報記憶部66、通知先情報記憶部67及び自動配信情報記憶部68などのシステムが事前に用意しておくべき情報の登録、更新、削除等の保守管理を行う。
【0030】
図6は、本実施の形態における混雑判定情報記憶部62に予め設定される混雑判定情報のデータ構成の一例を示した図である。本実施の形態においては、各出入口が混雑しているかどうかを示す指標として混雑度合いを出入口毎に求めている。混雑判定情報記憶部62には、各出入口の混雑度合いを得るための閾値が出入口毎に予め設定されている。具体的には、混雑判定情報は、各出入口の識別情報である区画名称に、レベル毎(本実施の形態では3レベル)に設定したカードリーダ照合継続時間とカードリーダ照合間隔とを対応付けして構成される。なお、図6では、1つの出入口(扉#1)のみを設定例を示している。カードリーダ照合間隔というのは、このユーザ認証を行った時間間隔のことをいう。カードリーダ照合継続時間というのは、カードリーダ照合間隔が継続した時間長のことをいう。例えば、ユーザ認証を、1秒間隔で1分間連続して実行した場合と、5秒間隔で1分間連続して実行した場合とでは、前者の方が1分間に5倍の人が通過したと言える。つまり、前者の方が混雑していると判断できる。カードリーダ照合間隔とカードリーダ照合継続時間とにより所定時間内における通行量が算出できるが、混雑情報生成部52は、この混雑判定情報の設定に基づいて、レベル3の設定以上の通行量がある場合をレベル3、レベル2の設定以上レベル3の設定未満の通行量がある場合をレベル2、レベル1の設定以上レベル2の設定未満の通行量がある場合をレベル1、レベル1の設定に満たない場合をレベル0、と混雑度合いを求めることができる。この設定例では、レベル値が大きいほど混雑しているということになる。
【0031】
なお、ここでは、カードリーダ4から読み取った情報に基づく照合、つまりユーザ認証の実行に基づき混雑レベルを決定するが、これに限らず、例えば、カードリーダ4による識別カードの読取りの実行によって混雑レベルを得るようにしてもよい。また、本実施の形態では、レベル0〜3の4段階で混雑度合いを示すが、このレベル数は、この例に限定されるものではない。また、カードリーダ照合継続時間とカードリーダ照合間隔とは別の指標を用いて混雑度合いを得るようにしてもよい。
【0032】
システム設定情報記憶部66には、混雑履歴情報を生成する時間間隔が予め設定されており、混雑履歴情報生成部55は、システム設定情報記憶部66に設定された時間間隔にて混雑履歴情報を生成する。
【0033】
図7は、本実施の形態における通知先情報記憶部67に登録されている通知先情報のデータ構成の一例を示した図である。通知先情報は、ユーザを識別するユーザIDに、当該ユーザの氏名、パスワード、所属という個人情報に、情報の送付先を特定する送付先が対応付けして構成される。図7に示した例では、送付先として、メールアドレスが設定されているので、情報を提供する混雑情報提供部54等は、送付すべき情報を電子メールの添付ファイルとして配信することになる。その他にも情報をブラウザで閲覧できるように情報の格納先を特定するURL及びメールアドレスを送付先として設定してもよい。
【0034】
図8は、本実施の形態における自動配信情報記憶部68に登録されている自動配信情報のデータ構成の一例を示した図である。自動配信情報は、自動配信を希望するユーザを識別するユーザIDに、配信を希望する配信日時、各配信日時において配信を希望する情報の種類が指定される配信対象情報、当該情報の配信先が対応付けして構成される。なお、図8に例示したように、配信日時は複数の日時を設定してもよい。また、各配信日時において送信を希望する情報として、複数の種類を指定してもよく、また、配信先も複数箇所指定してもよい。
【0035】
混雑情報管理サーバ50における各構成要素51〜59は、混雑情報管理サーバ50を形成するコンピュータと、コンピュータに搭載されたCPU41で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、各記憶部61〜67は、混雑情報管理サーバ50に搭載されたHDD34にて実現する。あるいは、ネットワーク経由にてアクセス可能な他のコンピュータ上の記憶手段にて実現してもよい。
【0036】
また、本実施の形態で用いるプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。通信手段や記録媒体から提供されたプログラムはコンピュータにインストールされ、コンピュータのCPUがインストールプログラムを順次実行することで各種処理が実現される。
【0037】
次に、本実施の形態における混雑情報管理サーバ50の動作について説明する。
【0038】
前述したように、本実施の形態における情報取得部51は、通行履歴情報を入退館管理サーバ10から取得することで、通行履歴情報記憶部61を最新の状態にしておく。そして、本実施の形態では、混雑履歴情報を定期的に生成している。混雑情報は、ユーザからの情報送信要求に応じて、その都度生成するようにしてもよいが、同時期に複数の要求を受信すると、同じ処理を繰り返し実行することになるので、本実施の形態では、定期的に生成することにする。
【0039】
まず、混雑情報生成部52は、通行履歴情報記憶部61に蓄積されている通行履歴情報を解析することにより混雑情報を生成して混雑情報記憶部63に登録する。具体的には、混雑情報生成部52は、所定の周期にて、所定期間内に出入口を通過した通行者の人数を集計することで通行量を出入口毎に算出する。更に、混雑情報生成部52は、混雑判定情報記憶部62を参照し、出入口毎に、混雑度合いを示す指標として当該出入口の通行状況から混雑レベルを決定する。混雑情報生成部52は、通行履歴情報を解析することにより、所定期間内においてユーザ認証を行った時間間隔と、カードリーダ照合間隔、換言するとユーザ認証の実行が継続して行われたときの、その時間長とを求め、その求めた各値と、混雑判定情報記憶部62に予め設定される混雑判定情報とを比較することで、現時点における混雑レベルを決定する。このようにして、混雑情報生成部52は、区画名称から特定される出入口毎に、当該出入口を通過した通行者の人数と、混雑レベルとを対応付けして混雑情報を生成する。
【0040】
そして、混雑履歴情報生成部55は、混雑情報生成部52により混雑情報を生成されると、混雑情報が生成された日時を当該混雑情報に付加して混雑履歴情報を生成し、混雑履歴情報記憶部64に蓄積していく。このように、混雑履歴情報は、混雑情報が生成された時点における各出入口の混雑状況を示す情報として生成される。
【0041】
以上の混雑情報及び混雑履歴情報は、定期的な処理によって生成されるが、次に、ユーザからの要求に応じて混雑を回避した経路選択に有用な情報をユーザに提供する処理について図9に示したフローチャートを用いて説明する。
【0042】
要求受付部53がユーザから情報送信要求を受け付けると(ステップ101)、その要求送信元のユーザの認証を行う(ステップ102)。これは、情報送信要求に含まれているユーザID及びパスワードと通知先情報に設定されているユーザID及びパスワードとの照合により行う。ユーザ認証に成功すると、その受け付けた情報送信要求が混雑情報送信要求の場合(ステップ103でY)、混雑情報提供部54は、混雑情報を混雑情報記憶部63から読み出す(ステップ104)。全ての出入口に対応する混雑情報を読み出してもよいし、一部でもよい。一部の例としては、例えば、情報送信要求を発信する機器が測位機能としてGPS(Global Positioning System)機能が搭載された携帯電話6,8の場合、情報送信要求に当該ユーザの現在地を特定する位置情報を含めておき、混雑情報提供部54は、その位置情報から特定できる位置近傍の出入口に関する混雑情報を読み出すようにしてもよい。あるいは、出勤時間帯であれば、現在地から当該ユーザが目的地とする所属部署の所在場所までに通過する出入口を読み出すようにしてもよい。ユーザが敷地外にいるときには、各入退門から所属部署の所在場所までに通過する出入口を読み出すようにしてもよい。あるいは、昼食時であれば、当該ユーザの所属部署の場所から食堂までに通過する出入口を読み出すようにしてもよい。このように、ユーザの現在地や時間帯によって読み出す混雑情報を絞り込むようにしてもよい。
【0043】
以上のようにして混雑情報を取得すると、混雑情報提供部54は、混雑情報を要求元のユーザへ提供する(ステップ105)。混雑情報をグラフィカルな表示にて提供する場合の一例を図10に示す。
【0044】
図10では、工場全体の見取り図と、入退門とビルの入退館口とを表示し、更に混雑している出入口には、楕円を重ねて表示した例を示している。この楕円の大きさや表示色によって混雑レベルを表している。混雑情報送信要求が発せられたPC5,7や携帯電話6,8の画面に図10に例示した混雑情報を参照することにより、例えば、敷地外にいるユーザは、混雑している北門からの入門を避けて、東門を利用するという経路選択が可能になる。
【0045】
また、混雑情報の提供方法としては、文字情報、図10に例示したような画像情報を電子ファイル化して、電子メールの添付ファイルとしたり、画像情報の格納先情報(URL)を電子メールにて通知したりしてよい。提供方法は、予め決めておいてもよいし、通知先情報に設定可能にして、ユーザが希望する形式にて提供できるようにしてもよい。
【0046】
受け付けた情報送信要求が経路検索要求の場合(ステップ106でY)、混雑回避ルート提供部56は、混雑情報を混雑情報記憶部63から読み出す(ステップ107)。経路検索要求には、ユーザの現在地を特定する情報及び目的地が含まれているので、読み出す混雑情報は、現在地から目的地へ移動する間に通行する可能性のある出入口の混雑情報に限定してもよい。例えば、工場外からA館に移動する際のB館の情報は不要である。ユーザの現在地を特定する情報としては、GPS機能搭載の携帯電話6,8の場合は測位情報である。また、工場内設置のPC5からの経路検索要求に現在地を特定する情報が含まれていない場合、混雑回避ルート提供部56が他のシステムで管理されている個人情報等を検索してPC5の設置場所を取得してもよい。
【0047】
該当する混雑情報を取得すると、混雑回避ルート提供部56は、取得した混雑情報を解析、集計等の処理を行うことで、出発地とする現在地から目的地までの各経路の混雑度合いを算出する。そして、混雑度合いが最小となる経路を求める(ステップ108)。これは、各経路において出発地から目的地までの間に存在する各出入口の混雑レベルを集計していき、その集計値が最小値となる経路を、混雑度合いが最小となる経路として得る。この混雑度合いが最小となる経路を、本実施の形態では、「混雑回避ルート」と称している。なお、現在地から目的地の間の集計値を求める経路は、工場全体の地図情報を取得し、その中から処理対象とする経路を選択できるようにしてもよい。また、混雑回避ルートを求める際、階段とエレベータなどの移動に要する労力の差異を加味してもよい。
【0048】
例えば、労力の要する通路の場所に、その労力に比した負荷レベルを予め設定しておく。具体的には、エスカレータに比して自分の足で歩行する階段に大きい負荷レベルを付与しておく。あるいは、移動の労力が軽減される場所には負の負荷レベルを設定するようにしてもよい。そして、各経路の混雑度合いを求める際には、当該経路上に位置する移動に労力を要する場所に付与された負荷レベルを混雑レベルとして、混雑情報に含まれる混雑レベルに加算する。このように、移動に要する労力に応じた負荷レベルを経路の混雑度合いを算出する際に加味するために、各経路の混雑度合いを混雑情報に含まれる混雑レベルのみでなく、例示した負荷レベルやその他移動に要する負荷等を考慮した上で求めるようにしてもよい。
【0049】
以上のようにして、混雑回避ルートが得られると、混雑回避ルート提供部56は、混雑回避ルートを要求送信元のユーザへ提供する(ステップ109)。提供方法としては、混雑情報の場合と同様に、文字情報や画像情報にて提供してよい。
【0050】
なお、ステップ108において、混雑度合いが最小となる経路だけを求めるのではなく、求めた各経路の混雑度合いによって各経路に順位付けをしておき、ユーザへは、混雑度合いが最小となる経路だけでなく、混雑度合いが2番目に小さい経路、更に3番目に小さい経路など混雑度合いに小さい順に最小となる経路以外の複数の経路をも提供するようにしてもよい。提供する経路の数は、予め決めておいてもよいし、ユーザへ提供する混雑度合いの閾値を予め設定しておき、その閾値を下回る経路を提供するようにしてもよい。仮に、すべての経路が閾値以上であった場合には、その旨を通知して混雑回避ルートを提供しないようにしてもよいし、最小となる経路のみを提供するようにしてもよい。混雑回避ルート提供部56は、この複数の経路の提供を常に行うようにしてもよいし、ユーザからの指示に応じて提供するようにしてもよい。このことは、混雑回避ルートだけでなく、後述する予測混雑回避ルートにおいても同様である。
【0051】
また、受け付けた情報送信要求が予測経路検索要求の場合(ステップ110でY)、予測混雑回避ルート提供部57は、混雑履歴情報を混雑履歴情報記憶部64から、検索履歴情報を検索履歴情報記憶部65から、それぞれ読み出す(ステップ111)。予測経路検索要求には、出発地及び目的地が含まれているので、読み出す混雑履歴情報は、出発地から目的地へ移動する間に通行する可能性のある出入口の混雑情報に限定してもよい。例えば、工場外からA館に移動する際のB館の情報は不要である。GPS機能搭載の携帯電話6,8から発せられた予測経路検索要求など当該ユーザの現在地が特定できる場合において、出発地が指定されていない場合には、現在地を出発地としてもよい。また、予測経路検索要求には、出発日時若しくは目的地への到着日時が更に含まれており、予測混雑回避ルート提供部57は、この出発日時若しくは到着日時に近い時間を出発日時若しくは到着日時に設定されている検索履歴情報を選択してよい。
【0052】
ここで、後段の処理にて実行されるステップ114について先に説明することで、検索履歴情報記憶部65に蓄積される検索履歴情報のデータ構成について説明する。前述したように、ユーザからの予測経路検索要求を受け付けると、予測混雑回避ルート提供部57は、その予測経路検索要求を発したユーザの識別情報(ユーザID)及び氏名、予測経路検索要求において指定された検索条件、具体的には、出発地(現在地)、目的地及び出発日時若しくは到着日時に、予測経路検索要求に応じた日時を特定する日時情報付加して検索履歴情報を生成して検索履歴情報記憶部65に蓄積していく。なお、予測経路検索要求に応じた日時というのは、予測経路検索要求を受け付けた日時、あるいは予測経路検索要求に応じて検索結果(予測混雑回避ルート)が得られた日時など、受け付けた予測経路検索要求に基づき特定される日時であればよい。
【0053】
従って、前述したステップ111において予測混雑回避ルート提供部57が予測混雑回避ルートを得るために取得する検索履歴情報は、予測経路検索要求に指定された出発日時若しくは到着日時に近い時間を出発日時若しくは到着日時に設定されている検索履歴情報を読み出せばよい。
【0054】
以上のようにして、混雑履歴情報及び検索履歴情報を読み出すと、予測混雑回避ルート提供部57は、まず、過去の混雑の実績に基づく混雑履歴情報を解析することで、予測経路検索要求に指定された出発日時に出発地から目的地に向けて移動する差異に選択しうる各経路の混雑度合いを求める。なお、予測経路検索要求に到着日時が指定されている場合には、指定された到着日時と出発地及び目的地の位置・拒理関係から出発日時を推測し、その推測した出発日時に出発地から目的地に向けて移動するときの各経路の混雑度合いを求める。この処理の内容自体は、混雑回避ルート提供部56が混雑回避ルートが求める処理と同様でよい。混雑回避ルート提供部56においては、現時点が移動開始時点であるのに対し、予測混雑回避ルート提供部57においては、予測経路検索要求に指定された出発日時あるいは到着日時から推測した出発日時が移動開始時点となる。
【0055】
以上のようにして、予測混雑回避ルート提供部57は、過去の混雑の実績に基づく、出発日時時点における混雑度合いが得られると、その中から混雑度合いが最小となる経路を予測混雑回避ルートとして求める。
【0056】
ただ、例えば、目的地への到着日時に何らかのイベントが開始される場合、多くのユーザがイベントの開催場所を目的地とし、イベントの開始日時を到着日時として予測経路検索要求を発するかもしれない。この場合、過去の実績だけに基づくと、イベント開催場所まで移動しようとする人の通行量は、予測混雑回避ルートを求める際に反映されない。そこで、本実施の形態においては、過去の混雑の実績だけでなく、検索履歴情報を解析することによって将来における予測される通行量をも加味することで、検索対象とされる日時における混雑度合いをより正確に求めるようにした。なお、検索履歴情報を利用する場合、検索履歴情報の数は、検索数であって実際に移動する人数とは限らないので、混雑履歴情報より重みを小さくして各経路の混雑度合いを算出するようにするのがよい。
【0057】
このようにして、出発地から目的地までの経路のうち、過去に基づく混雑度合いと将来における予測される通行量に基づく混雑度合いの双方を考慮して出発日時時点における各経路の混雑度合いを算出し、その経路の中から混雑度合いが最小となる経路を予測混雑回避ルートとして求める(ステップ112)。
【0058】
予測混雑回避ルートを求めると、予測混雑回避ルート提供部57は、予測混雑回避ルートを要求送信元のユーザへ提供する(ステップ113)。提供方法としては、混雑回避ルートの場合と同様に、文字情報や画像情報にて提供してよい。
【0059】
そして、前述したように、予測混雑回避ルート提供部57は、その予測経路検索要求を発したユーザの識別情報(ユーザID)及び氏名、予測経路検索要求において指定された出発地、目的地及び出発日時若しくは到着日時に、予測経路検索要求を受け付けた日時を付加して検索履歴情報を生成して検索履歴情報記憶部65に登録する(ステップ114)。
【0060】
受け付けた情報送信要求が予測経路検索要求でない場合(ステップ110でN)、本実施の形態において処理対象としない情報を受信したということで、当該ユーザへ、その旨を示すエラーを通知する(ステップ115)。
【0061】
ところで、図9を用いて説明した処理では、ユーザからの要求に応じて各種情報を提供したが、本実施の形態における混雑情報管理サーバ50は、更に自動配信機能を有している。自動配信機能を実現するためにはまず、情報管理部59は、自動配信を希望するユーザからの所定の操作に応じて、図示しない自動配信設定画面を当該ユーザ使用のPC5,7あるいは携帯電話6,8に表示し、その画面を通じて自動配信情報を設定させる。そして、図8に例示したような自動配信情報がユーザ毎に設定される。
【0062】
情報配信部58は、自動配信情報記憶部68に登録されている自動配信情報の配信日時と、現在の日時とを常時比較し、現在の日時が自動配信情報に設定されている配信日時と合致するときには、配信対象情報に設定されている情報を提供する混雑情報提供部54または混雑回避ルート提供部56に指示することで、対応する配信先へ混雑情報または混雑回避ルートを送信させる。あるいは、情報配信部58は、送信対象の情報を混雑情報提供部54または混雑回避ルート提供部56から受け取って指定の配信先へ配信するようにしてもよい。
【0063】
本実施の形態では、以上説明したように工場の敷地内に適用した場合を例にして説明したが、例えば、オフィスビル等の建造物に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 LAN、2 セキュリティゲート、3 電気錠、4a,4c 入側カードリーダ、4b,4d 出側カードリーダ、5,7 PC、6,8 携帯電話、9 公衆網、10 入退館管理サーバ、12 通行履歴情報記憶部、20a,20b コントローラ、21a,21b 個人情報記憶部、31 CPU、32 ROM、33 RAM、34 ハードディスクドライブ(HDD)、35 HDDコントローラ、36 マウス、37 キーボード、38 ディスプレイ、39 入出力コントローラ、40 ネットワークコントローラ、41 内部バス、50 混雑情報管理サーバ、51 情報取得部、52 混雑情報生成部、53 要求受付部、54 混雑情報提供部、55 混雑履歴情報生成部、56 混雑回避ルート提供部、57 予測混雑回避ルート提供部、58 情報配信部、59 情報管理部、61 通行履歴情報記憶部、62 混雑判定情報記憶部、63 混雑情報記憶部、64 混雑履歴情報記憶部、65 検索履歴情報記憶部、66 システム設定情報記憶部、67 通知先情報記憶部、68 自動配信情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷地、敷地内の建物の各出入口に少なくとも設置された読取手段によって、いずれかの出入口を出入りする通行者が携帯する識別カードが読み取られることにより生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該通行者のユーザ識別情報、当該通行者が出入りした出入口を識別する出入口識別情報、及び当該通行者が出入口を出る若しくは入ったかを判別する通行種別情報を含む通行履歴情報を取得する手段と、
前記通行履歴情報を解析することによって各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成する混雑情報生成手段と、
ユーザからの目的地が少なくとも指定された経路検索要求に応じて、前記混雑情報を解析することにより得られる混雑度合いを考慮して当該ユーザが現在地から目的地まで移動する混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する混雑回避経路提供手段と、
を有することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【請求項2】
請求項1記載の混雑情報管理サーバにおいて、
前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報に、当該混雑情報が生成された日時を特定する日時情報を付加することにより混雑履歴情報を生成する混雑履歴情報生成手段と、
ユーザからの出発地、目的地、及び出発日時若しくは到着日時が少なくとも指定された予測経路検索要求に応じて、前記混雑履歴情報を解析することにより得られる予測混雑度合いを考慮して当該ユーザが出発地から目的地まで移動する予測混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する予測混雑回避経路提供手段と、
を有することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【請求項3】
請求項2記載の混雑情報管理サーバにおいて、
前記予測経路検索要求に指定された出発地、目的地、及び出発日時若しくは到着日時に、当該予測経路検索要求に応じた日時を特定する日時情報を付加することにより検索履歴情報を生成する検索履歴情報生成手段を有し、
前記予測混雑回避経路提供手段は、前記混雑履歴情報から得られる経路の混雑度合いに、前記検索履歴情報から得られる経路の検索回数を加味して予測混雑回避経路を特定することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【請求項4】
請求項1記載の混雑情報管理サーバにおいて、
前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報をユーザに提供する混雑情報提供手段を有することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【請求項5】
請求項1または4記載の混混雑情報管理サーバにおいて、
ユーザの識別情報と、当該ユーザへの配信する情報の種類と、当該ユーザへ情報を配信する日時が指定された配信日時情報と、当該情報の配信先が指定された配信先情報と、が対応付けされた配信情報を記憶する配信情報記憶手段と、
配信日時情報から特定される日時に達したときに、当該配信日時情報に対応する配信先情報から特定された配信先へ、配信対象の情報を配信する自動配信手段と、
を有することを特徴とする混雑情報管理サーバ。
【請求項6】
敷地、敷地内の建物の各出入口に少なくとも設置された読取手段と、
前記読取手段により、いずれかの出入口を出入りする通行者が携帯する識別カードが読み取られることにより生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該通行者のユーザ識別情報、当該通行者が出入りした出入口を識別する出入口識別情報、及び当該通行者が出入口を出る若しくは入ったかを判別する通行種別情報を含む通行履歴情報を記憶する手段と、
前記通行履歴情報を解析することによって各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成する混雑情報生成手段と、
前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報を記憶する混雑情報記憶手段と、
ユーザからの目的地が少なくとも指定された経路検索要求に応じて、前記混雑情報を解析することにより得られる混雑度合いを考慮して当該ユーザが現在地から目的地まで移動する混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する混雑回避経路提供手段と、
を有することを特徴とする混雑状況提供システム。
【請求項7】
請求項6記載の混雑状況提供システムにおいて、
前記混雑情報生成手段により生成された混雑情報に、当該混雑情報が生成された日時を特定する日時情報を付加することにより混雑履歴情報を生成する混雑履歴情報生成手段と、
ユーザからの出発地、目的地、及び出発日時若しくは到着日時が少なくとも指定された予測経路検索要求に応じて、前記混雑履歴情報を解析することにより得られる予測混雑度合いを考慮して当該ユーザが出発地から目的地まで移動する予測混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する予測混雑回避経路提供手段と、
を有することを特徴とする混雑状況提供システム。
【請求項8】
コンピュータを、
敷地、敷地内の建物の各出入口に少なくとも設置された読取手段によって、いずれかの出入口を出入りする通行者が携帯する識別カードが読み取られることにより生成される通行履歴情報であって、当該読取手段が識別カードを読み取った日時を特定する日時情報、当該読取手段が読み取った識別カードから特定される当該通行者のユーザ識別情報、当該通行者が出入りした出入口を識別する出入口識別情報、及び当該通行者が出入口を出る若しくは入ったかを判別する通行種別情報を含む通行履歴情報を取得する手段、
前記通行履歴情報を解析することによって各出入口の混雑度合いを示す混雑情報を生成する混雑情報生成手段、
ユーザからの目的地が少なくとも指定された経路検索要求に応じて、前記混雑情報を解析することにより得られる混雑度合いを考慮して当該ユーザが現在地から目的地まで移動する混雑回避経路を特定し、当該ユーザへ提供する混雑回避経路提供手段、
として機能させるための混雑状況提供プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−133628(P2012−133628A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285915(P2010−285915)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)