説明

混雑状況管理システム、混雑状況管理装置、混雑状況管理方法、プログラム

【課題】高度な画像認識技術を必要とすることなく、店舗内の混雑状況を管理すること。
【解決手段】本発明は、店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理システムに適用される。本発明の混雑状況管理システムは、前記店舗内の床に配置された目印と、前記店舗内の床を撮影する撮影部と、前記撮影部により撮影された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗内の混雑状況を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアやスーパーは、多くの顧客が来店するため、店舗内の通路や売り場が非常に混雑する。
【0003】
最近は、店舗内の混雑状況を管理するための技術が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、店舗内を撮影し、撮影した画像から人体データを取得し、取得した人体データの数に基づいて、客数を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−065689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、店舗内を撮影した画像のうち、どの画像部分が人体データであるかを認識するための高度な画像認識技術が必要になるという課題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、高度な画像認識技術を必要とすることなく、店舗内の混雑状況を管理することができる混雑状況管理システム、混雑状況管理装置、混雑状況管理方法、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の混雑状況管理システムは、
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理システムであって、
前記店舗内の床に配置された目印と、
前記店舗内の床を撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出部と、を有する。
【0009】
本発明の混雑状況管理装置は、
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理装置であって、
前記店舗内の、目印が配置された床を撮影した画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出部と、を有する。
【0010】
本発明の混雑状況管理方法は、
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理装置が行う混雑状況管理方法であって、
前記店舗内の、目印が配置された床を撮影した画像を取得する取得ステップと、
前記取得された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出ステップと、を有する。
【0011】
本発明のプログラムは、
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理装置に、
前記店舗内の、目印が配置された床を撮影した画像を取得する手順と、
前記取得された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高度な画像認識技術を必要とすることなく、店舗内の混雑状況を管理することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の混雑状況管理システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示したPOS端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2に示した記憶部に記憶される混雑データの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0015】
図1に、本実施形態の混雑状況管理システムの構成を示す。なお、図1は、コンビニエンスストアやスーパー等の、ある店舗の様子を示している。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の混雑状況管理システムは、目印10と、撮影部となるCCD(Charge Coupled Device)カメラ20と、混雑状況管理装置となるPOS(Point of sale)端末30と、を有している。
【0017】
なお、図1において、点線で囲まれた範囲は、店舗内の各売り場の売り場範囲を示しており、例えば、図中のAは、雑誌の売り場範囲となる。また、点線で囲まれた売り場範囲以外は通路となる。
【0018】
目印10は、店舗内の床に予め配置されている。
【0019】
CCDカメラ20は、店舗内全体、特に、目印10が配置されている床全体を撮影可能な位置に固定して設置する。
【0020】
ここで、CCDカメラ20を通して認識される目印10の数は、店舗内に滞在する顧客の人数に応じて変化する。
【0021】
そこで、本実施形態においては、POS端末30は、CCDカメラ20を通して認識される目印10の数に応じて、店舗内の混雑度を算出する。
【0022】
図2に、POS端末30の構成を示す。
【0023】
POS端末30は、取得部31と、算出部32と、記憶部33と、を有している。
【0024】
取得部31は、CCDカメラ20に接続されており、CCDカメラ20が撮影した画像を取得する。
【0025】
算出部32は、取得部31が取得した画像中の床の画像部分において認識される目印10の数をカウントし、カウントした目印10の数を用いて店舗内の混雑度を算出する。
【0026】
ここで、記憶部33は、取得部31が取得する画像中のどの部分が各売り場の床の画像部分かを認識できる位置情報(例えば、画像中の各売り場の床の画像部分を、その画像中の位置で示した情報)を予め記憶している。
【0027】
これにより、算出部32は、店舗内の売り場毎に、その売り場の床の画像部分において認識される目印10の数をカウントし、カウントした目印10の数を用いてその売り場の混雑度を算出することができる。
【0028】
また、記憶部33は、店舗全体の目印10の総数と、店舗内の売り場毎の目印10の総数と、を予め記憶している。
【0029】
これにより、算出部32は、店舗内の混雑度として、以下の計算式により、店舗全体または売り場毎の混雑率を算出することができる。
【0030】
{1−(認識された目印10の数)/(目印10の総数)}×100[%]
算出部32は、店舗内の混雑度のデータを記憶部33に記憶する。
【0031】
以下、本実施形態の混雑状況管理システムにおける店舗内の混雑度の算出動作について説明する。ここでは、所定時間毎に、店舗内の売り場毎の混雑率を算出するものとする。
【0032】
POS端末30内では、取得部31は、所定時間毎(ここでは、1時間毎とする)に、CCDカメラ20が撮影した画像を取得する。
【0033】
次に、算出部32は、記憶部33に記憶された位置情報を参照して、取得部31が取得した画像中の各売り場の床の画像部分を確認する。
【0034】
そして、算出部32は、売り場毎に、その売り場の床の画像部分において認識される目印10の数をカウントし、カウントした目印10の数と記憶部33に記憶されたその売り場の目印10の総数とを用いて、その売り場の混雑率を算出する。
【0035】
その後、算出部32は、図3に示すように、時間のデータと対応付けて、売り場毎に、その売り場の目印10の総数、その売り場で認識された目印10の数、その売り場の混雑率のデータを、混雑データとして記憶部33に記憶する。
【0036】
上述したように本実施形態によれば、店舗内の床に目印10を予め配置し、店舗内の床をCCDカメラ20で撮影し、撮影した画像中の床の画像部分において認識される目印10の数をカウントし、カウントした目印10の数を用いて店舗内の混雑度を算出する。
【0037】
ここで、目印10は、図1に示した「+」マークのような単純な形状となるため、目印10を認識するために、特許文献1の人体データを認識するような高度な画像認識技術は必要ではない。
【0038】
そのため、店舗内の混雑状況を、高度な画像認識技術を必要とすることなく、管理することができるという効果が得られる。
【0039】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0040】
例えば、本実施形態においては、目印10を「+」マークとしたが、本発明はこれに限定されず、目印10は、例えば、「○」マークなどの単純な形状であっても良い。
【0041】
また、本実施形態においては、CCDカメラ20の設置台数は1台であったが、本発明はこれに限定されず、CCDカメラ20は複数台設置しても良い。この場合、各売り場の目印10の数は、1台のCCDカメラ20を通してカウントしても良いし、2台以上のCCDカメラ20を通してそれぞれカウントし、その平均をとっても良い。
【0042】
また、本発明のPOS端末30にて行われる方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムに適用してもよい。また、そのプログラムを記憶媒体に格納することも可能であり、ネットワークを介して外部に提供することも可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 目印
20 CCDカメラ
30 POS端末
31 取得部
32 算出部
33 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理システムであって、
前記店舗内の床に配置された目印と、
前記店舗内の床を撮影する撮影部と、
前記撮影部により撮影された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出部と、を有する混雑状況管理システム。
【請求項2】
前記算出部は、
前記店舗内の売り場毎に、前記撮影部により撮影された画像中の当該売り場の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて当該売り場の混雑度を算出する、請求項1に記載の混雑状況管理システム。
【請求項3】
前記算出部は、所定時間毎に、前記店舗内の混雑度を算出し、
前記所定時間毎に、前記算出部により算出された、前記店舗内の混雑度を記憶する記憶部をさらに有する、請求項1または2に記載の混雑状況管理システム。
【請求項4】
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理装置であって、
前記店舗内の、目印が配置された床を撮影した画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出部と、を有する混雑状況管理装置。
【請求項5】
前記算出部は、
前記店舗内の売り場毎に、前記取得部により取得された画像中の当該売り場の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて当該売り場の混雑度を算出する、請求項4に記載の混雑状況管理装置。
【請求項6】
前記算出部は、所定時間毎に、前記店舗内の混雑度を算出し、
前記所定時間毎に、前記算出部により算出された、前記店舗内の混雑度を記憶する記憶部をさらに有する、請求項4または5に記載の混雑状況管理装置。
【請求項7】
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理装置が行う混雑状況管理方法であって、
前記店舗内の、目印が配置された床を撮影した画像を取得する取得ステップと、
前記取得された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する算出ステップと、を有する混雑状況管理方法。
【請求項8】
前記算出ステップでは、前記店舗内の売り場毎に、前記取得された画像中の当該売り場の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて当該売り場の混雑度を算出する、請求項7に記載の混雑状況管理方法。
【請求項9】
前記算出ステップでは、所定時間毎に、前記店舗内の混雑度を算出し、
前記所定時間毎に、前記算出された、前記店舗内の混雑度を記憶する記憶ステップをさらに有する、請求項7または8に記載の混雑状況管理方法。
【請求項10】
店舗内の混雑状況を管理する混雑状況管理装置に、
前記店舗内の、目印が配置された床を撮影した画像を取得する手順と、
前記取得された画像中の床の画像部分において認識される目印の数をカウントし、カウントした目印の数を用いて前記店舗内の混雑度を算出する手順と、を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−8288(P2013−8288A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141784(P2011−141784)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)