説明

添加剤をデリバリーするための組成物及び方法

本発明の態様は、一般に添加剤を消費するのに適した形態、特にソフトチューの形態で、生物にデリバリーするための組成物及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願)
本願は、2002年8月13日に出願された「添加剤をデリバリーするための新規な組成物及び方法」という発明の名称を有する仮出願第60/403,201号、および2002年12月16日に出願された「添加剤をデリバリーするための新規な組成物及び方法」という発明の名称を有する仮出願第60/433,677号の優先権を主張する。
【0002】
薬物デリバリーのためのチュアブル剤形(chewable dosage form)は公知の製薬技術である。咀嚼行為が有効活性成分の表面積を増大させ、消化管による吸収率を上昇させ得ることは製薬業界では公知である。チュアブル系は、局所効果及び/または全身吸収のために活性成分を口腔または咽頭域に対して局所的に利用できるようにしたい場合にも有利である。更に、チュアブル剤形は小児患者及び老年患者での薬物投与を容易にするためにも利用されている。チュアブル剤形の例は米国特許第6,387,381号明細書、同第4,284,652号明細書、同第4,327,076号明細書、同第4,935,243号明細書、同第6,270,790号明細書、同第6,060,078号明細書、同第4,609,543号明細書及び同第5,753,255号明細書に記載されている。
【0003】
嗜好性(味のよさ)及び“口当たり”は活性医薬または薬物の剤形、すなわちマトリックスを提供する際に考慮される重要な特性である。しかしながら、多くの医薬及び他の成分は苦かったりまずい味及び/または化合物がじゃりじゃりしたり粉っぽいために気に入らない口当たりを有している。こうした特性のために、前記活性成分はチュアブル剤形用の現在の技術に組み入れがたい。なぜならば、不愉快な味及び/または口当たりにより使用者のコンプライアンスを得にくいだろうからである。
【0004】
その結果、上記問題を解消すべく幾つかのアプローチが試されてきた。医薬または他の活性成分の味の悪さは適当な着香化合物及び/または甘味料を用いてマスクすることができる。活性成分のカプセル化も苦みや他の望ましくない味をマスクするのに役立ち得る。しかしながら、これらのアプローチは当業界で現在使用されている剤形の物理的状態を変えるものではない。例えば、通常、チュアブルビタミン錠は1つ以上の活性成分(例えば、ビタミン)、前記活性成分の味をマスクするための甘味料及び着香料、並びに結合剤(通常、微晶質セルロース)を含む圧縮コンパクト錠として製造されている。
【0005】
通常、チュアブル錠は、活性成分、着香料、結合剤等を含めた錠剤化成分の混合物を直接圧縮することにより製造されている。前記混合物を錠剤プレスのダイチャンバに送り、直接圧縮することにより錠剤に形成される。こうして製造された錠剤の硬度は使用した圧縮力に直接依存する。より簡単に噛み割れるソフト錠はプレタブレットミックスにアルギン酸のような崩壊剤を添加することにより製造され得る。或いは、ソフト錠はより少ない圧縮力を用いることにより形成され得る。いずれの場合も、得られる錠剤は柔らかく、脆く、壊れやすく、簡単に削れる。圧縮チュアブル錠は通常余り望ましくない口当たり、すなわち粉っぽさ、じゃりじゃり感及び乾いた粉の味を呈する。制酸錠、例えばペンシルバニア州ピッツバーグに所在のSmithKline Beecham Corp.製Tums(登録商標)及びニュージャージー州モリスプレインに所在のWarner Lambert製Rolaids(登録商標)が圧縮チュアブル錠の典型例である。
【0006】
デリバリーシステムに導入する前に活性成分の粒子を油脂で被覆することにより圧縮錠のじゃりじゃり感及び/または粉っぽさを減らそうとする試みがなされてきた。こうすると、粒子が口の中にある間の粒子のじゃりじゃり感または粉っぽさは油脂によりマスクされる。更に、錠剤の柔らかさも改善される。嚥下後、油脂は離れ、粒子は消化系で吸収され得る。しかしながら、プレタブレットミックスに油脂を添加すると、錠剤化成分がダイチャンバに粘着し、前記ミックス中に存在する結合剤の結合作用が低下することが起こり得る。従って、当業者は圧縮及びその後の生成物のロスを最低限にし得、または軽減し得るようなソフトチューの製造方法を模索している。
【0007】
チュアブルデリバリーシステムを与える他の技術はガムベースの使用を含む。ガムベースは、チャーイングガムの必須要素を構成する不溶性エラストマーである。このガムベースは通常1つ以上の甘味料と混合することにより菓子ガムを得ている。次いで、活性成分を含むコーティングを菓子ガムに施す。この剤形を噛むと、コーティングは口の中で破れたり溶解し、嚥下される。
【0008】
他のデリバリーシステムは層状の非均質構造の使用を含む。
【0009】
別のチュアブルデリバリーシステムはヌガータイプの噛む必要がある錠剤に基づいている。前記錠剤は通常コーンシロップ(または誘導体)のベースを用いている。前記錠剤は菓子として製造されている。すなわち、コーンシロップは水及び結合剤(例えば、大豆タンパク質)と一緒に調合されている。
【0010】
しかしながら、当業者は嗜好性の問題のために添加剤/活性成分の生物へのデリバリーに関する問題を経験している。複雑なガイドラインと取締り体制により、添加剤を含む味のよい組成物を調製及び/または製造することは非常に難しい。従って、当業者は味のよいフォーマットで添加剤を生物にデリバリーする方法及び/または組成物を探索している。
【0011】
1つの解決法は米国特許第6,387,381号明細書(以下、’381号明細書と呼ぶ)に記載されている。’381号明細書は、活性成分を運ぶために水分活性が0.6〜0.75であるような適当な比でデンプン、糖、脂肪、多価アルコール及び水を含むマトリッスで構成される押出し物を開示している。生成物マトリックスの水分活性は医薬品、栄養品またはビタミン−ミネラル複合体の活性成分に応じて増減され得る。クレームに記載されている生成物は添加剤を含む生成物に関し、押出し物は約10〜約50%のデンプン、本質的にスクロース、コーンシロップ及びソルビトールからなる甘味料(このうち、スクロースの量は少なくとも10%)及び少なくとも約5重量%の水を有し、組成物は約0.60〜約0.75のA及び柔らかで噛む必要のあるテキスチャーを有している。前記Aは添加剤の存在下で適当量の遊離水が存在し得るように調節される。しかしながら、この生成物は押出し物に限定されており、処方物の錠剤形態で利用されていない。
【発明の開示】
【0012】
本発明の態様は、添加剤をデリバリーするための新規組成物及び方法を提供する。各種実施態様において、添加剤は医薬品、栄養品、ビタミン、ミネラル及び充填剤からなる群から選択される。好ましい実施態様では、本発明のソフトチューは糖成分、デンプン成分、オイル成分及び添加剤成分を含む。より好ましい実施態様では、本発明の組成物は更に着香成分を含む。最も好ましい実施態様では、着香料はソフトチューの嗜好性を改善するように選択される。
【0013】
更に、本発明の態様は本発明のソフトチューを形成するための方法を含む。1実施態様では、本発明の方法は、形成されるソフトチュー及び/または打ち抜かれるソフトチューが押出し物でないようにソフトチューを形成機で形成することを含む。
【0014】
1実施態様では、本発明のソフトチューの成分はソフトチュー全体に均一に分散されている。本発明のソフトチューの別の実施態様では、前記ソフトチューがばらばらの層、セグメント及び/またはゾーンを有するように、成分は少なくとも部分的に分離している。
【0015】
本発明の更なる態様は、添加剤を生物に投与及び/またはデリバリーする方法を含み、その方法は適当量の添加剤を生物に投与及び/またはデリバリーするために生物の大きさに適合させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書中、用語「クッキー」、「ソフトチュー(soft chew)」及びその変形語は、食用組成物を意味し、指す。
【0017】
本明細書中、用語「糖」及びその変形語は少なくとも部分的に水分中に溶解し、非毒性であり、好ましくは望ましくない味覚効果を与えない任意のサッカライドを意味し、指す。更に、用語「糖」は「糖代用物」を含む。
【0018】
本明細書中、用語「糖代用物」及びその変形語は糖と同様の効果を生ずるが同等量の糖により生ずる効果と同一または同程度である必要はない化合物を意味し、指す。
【0019】
本明細書中、用語「寄生虫」及びその変形語は本明細書中に非限定的に例示されている医薬品により治療される生物の1つの種及び/または複数の種を意味し、指す。ウマ科、イヌ科、ネコ科、ウシ科、ヒツジ科、ヤギ科、イノシシ科の内部及び外部寄生虫には、シュードフィリデア及びシクロフィリディア条虫;桿線虫目、円形線虫目、蟯虫目、回虫目、旋尾線虫目及びエノプルス目の二生亜網吸虫線虫;ノミ目、双翅目、ハジラミ目、シラミ目及びクモの亜目(寄生するダニやマダニのトゲダニ、コナダニ、ケダニ及びマダニを含む)が含まれるが、これらに限定されない。ウマの寄生虫(他の種の寄生虫も考えられる)の非限定例には、
大型円虫[この例の中にはストロンギルス・ウルガリス(Strongylus vulgaris)、ストロンギルス・エデンタータス(S.edentatus)及びストロンギルス・エクイナス(S.equines)が含まれるが、これらに限定されない];小型円虫[この例の中には数種のベンゾイミダゾール類化合物に耐性のもの、トリオドントホルス(Triodontophorus spp.)、シアストーマム(Cyathostomum spp.)、シリコシルス(Cylicocylus spp.)、シリコステファヌス(Cylicostephanus spp.)及びシリコドントホルス(Cylicodontophorus spp.)が含まれるが、これらに限定されない];
蟯虫[この例の中にはオキシルス・エクイ(Oxyuris equi)が含まれるが、これに限定されない];
回虫[この例の中にはパラスカリア・エクオラム(Parascaris equorum)が含まれるが、これに限定されない];
毛虫[この例の中にはトリコストロンギルス・アクセイ(Trichostrongylus axei)が含まれるが、これに限定されない];
大型胃虫[この例の中にはハブロネマ・ムスカエ(Habronema muscae)が含まれるが、これに限定されない];
首蟯虫[この例の中にはオンコセルカ(Onchocerca spp.)が含まれるが、これに限定されない];
ボット[この例の中にはウマバエ(Gastrophilus spp.)が含まれるが、これに限定されない];
肺虫[この例の中にはディクチオカウルス・アーンフィールド(Dictyocaulus arnfieldi)が含まれるが、これに限定されない];
腸蟯虫[この例の中にはストロンギロイデス・ウェステリ(Strongyloides westeri)が含まれるが、これらに限定されない];
ハブロネマ(Habronema)やドラスキア(Draschia spp.)及び他の皮膚幼虫により引き起こされる夏胞子;及び
当業界で一般的な他の寄生虫
が含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、他の種の寄生虫も本発明の範囲に入ると具体的に考えられる。
【0020】
本明細書中、用語「デンプン状成分」は大量のデンプン及び/またはデンプン様物質を含む食物を意味する。デンプン状成分の例は穀物粒、穀物粒(例えば、コーン、オート麦、小麦、マイロ、押麦、コメ)を粉砕したときに得られる粗挽き粉または穀粉、及び穀物粒の各種粉砕副生物(例えば、飼料用小麦粉、小麦中等品粉、混合飼料、小麦ふすま、粗悪小麦粉、オート麦ひき割り、挽き割りとうもろこし飼料及び他の材料)である。デンプン状成分のソースとしてポテト、タピオカ等の塊茎状食物も含まれる。
【0021】
本明細書中、ソフトチューの成分のパーセントはソフトチューの全重量の%を意味し、指す。
【0022】
本明細書中、用語「糖成分」は糖または糖成分を意味し、指し、実際に乾燥しているか否かに関わらず乾燥成分と見做される。本明細書中、用語「糖成分」は糖または糖及び/または糖代用物成分を意味し、指し、実際に乾燥しているか否かに関わらず乾燥成分と見做される。本明細書中、用語「オイル成分」はオイルまたはオイル成分を意味し、指し、実際に液体であるか否かに関わらず液体成分と見なされる。本明細書中、用語「添加剤成分」は1つまたは複数の添加剤を意味し、指す。本明細書中、用語「乳化剤成分」は1つまたは複数の乳化剤、湿潤剤等を意味し、指し、実際に液体であるか否かに関わらず液体成分と見なされる。
【0023】
本発明の組成物の実施態様は、添加剤を生物にデリバリーするための食用デリバリービヒクルまたはソフトチューである。生物は任意の生物であり得る。特に考えられる生物には、家畜、ペット、飼育動物等が含まれ、その中にはウマ、雌ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、アヒル、鶏、イヌ、ネコ、ライオン、トラ、クマ、雄ウシ、水牛、魚、トリ、昆虫等が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
各種の実施態様において、添加剤は医薬品、栄養品、ビタミン、ミネラル及び充填剤からなる群から選択される。本発明のソフトチューは合理的レベルの添加剤をデリバリーして添加剤の所望効果を発揮する。各種の実施態様のソフトチューは生物にとって好ましい味であったり及び/または味がよかったりする。
【0025】
1実施態様において、本発明の組成物はデンプン成分、糖成分及びオイル成分を含む。各種の実施態様において、通常デンプン成分はソフトチューの約5〜約60%、糖成分はソフトチューの約5〜約75%、オイル成分はソフトチューの約1〜約40%を占める。デンプン成分、糖成分及び/またはオイル成分の%はソフトチューの最終用途及び所望コンシステンシーに依存して変更可能である。
【0026】
別の実施態様において、デンプン成分はソフトチューの約15〜約40%、糖成分はソフトチューの約15〜約60%、オイル成分はソフトチューの約5〜約30%を占める。
【0027】
別の実施態様において、デンプン成分はソフトチューの約25〜約35%、糖成分はソフトチューの約25〜約50%、オイル成分はソフトチューの約7〜約15%を占める。
【0028】
デンプンは任意のソース由来のデンプンからなり得、ソフトチューにおいて結合剤として作用し得る。1実施態様においてデンプン成分は誘導体化及び/または予ゼラチン化されている。好ましい実施態様では、デンプン成分は高度に誘導体化されている。誘導体化のためのベースデンプンとして機能し得る幾つかのデンプンには、レギュラーコーン、ろう様コーン、ポテト、タピオカ、コメ等が含まれる。デンプンに対する適当な種類の誘導体化剤には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、無水酢酸、無水コハク酸、及び食用に認可されている他のエステルまたはエーテルが含まれるが、これらに限定されず、前記物質は単独でまたは相互に組み合わせて添加される。
【0029】
各種の実施態様において、デンプン成分中のデンプンの予架橋は系のpH及び生成物を形成するために使用される温度に基づいて必要なことも必要でないこともある。。
【0030】
デンプン成分はデンプン状成分をも含み得る。デンプン状成分は形成ステップの前またはその間に所望マトリックス特性を得るようにゼラチン化または煮沸することができる。ゼラチン化デンプンを使用するならば加熱乃至煮沸せずに本発明の製品を製造したり本発明の方法を実施することができる。しかしながら、非ゼラチン化(非ゲル化)または非煮沸デンプンも使用することが可能である。
【0031】
糖成分は甘味料としても作用し得、糖から構成され得る。この糖には白砂糖、コーンシロップ、ソルビトール(溶液)、マルチトール(シロップ)、オリゴサッカライド、イソマルトオリゴサッカライド、フルクトース、ラクトース、グルコース、リカシン、キシリトール、ラクチトール、エリスリトール、マンニトール、イソマルトース、ポリデキストロース、ラフィノース、デキストリン、ガラクトース、スクロース、転化糖、ハニー、糖蜜、多価アルコール及び他の類似のサッカライドオリゴマーおよびポリマー、並びにその混合物を含むが含まれるが、これらに限定されない。更に、サッカリン、アスパルテートや他のジペプチド甘味料のような人工甘味料を存在させてもよく、シュガーレスにはソルビトール、マンニトールやキシリトールのような固体ポリオールが含まれ得る。上記した糖の一部の十分に確立されている各種ソースの例はコーンシロップ固体、マルトシロップ、水解コーンスターチ、ヒドロール(グルコース製造過程からのシロップ)、生サトウキビ、精製サトウキビ、甜菜糖等である。
【0032】
オイル成分は湿潤剤として作用し得、1つ以上のオイルから構成され得る。このオイルには天然脂及び合成脂が含まれるが、これらに限定されない。ソフトチュー中の成分として使用されるオイルは飽和または不飽和液体脂肪酸、そのグリセリド誘導体、植物または動物起源の脂肪酸誘導体またはその混合物が含まれる。典型的な動物油脂のソースは魚油、鶏脂、獣脂、チョイス白色グリース、プライムスチームラード及びその混合物である。しかしながら、他の動物脂もソフトチュー中に使用するのに適している。植物油脂の適当なソースは誘導パーム油、パーム水素化油、コーン胚水素化油、ヒマシ水素化油、綿実油、大豆油、オリーブ油、落花生油、パームオレイン油、カカオ脂、マーガリン、バター、ショートニング、パームステアリン油及びその混合物であり得る。更に、動物油脂または植物油脂の混合物もマトリックス中に使用するのに適している。
【0033】
他の各種の実施態様は更に着香成分を含む。1実施態様において、前記着香成分はソフトチューの嗜好性を改善及び/または変化させるためのものである。着香成分中に任意のフレーバーが使用され得る。着香成分のために適したフレーバーの例には、イチゴフレーバー、トゥッティフルッティフレーバー、オレンジフレーバー、バナナフレーバー、ミントフレーバー及びアップル糖蜜が含まれるが、これらに限定されない。アップル糖蜜着香成分の適当なソースはネブラスカ州シラキュース、ミッドランドストリース1887に所在のPharma Chemieの製品名スイートアップル糖蜜フレーバー(Sweet-Apple Molasses Flavoring)(製品コードPC−0555)である。
【0034】
各種の実施態様において、着香成分のための他のフレーバー、例えばフルーツ、ミート(この中にはポーク、ビーフ、チキン、フィッシュ、家禽等が含まれるが、これらに限定されない)、ベジタブル、チーズ、チーズ−ベーコン及び/または人工フレーバーが使用され得る。着香成分を用いる好ましい実施態様では、着香成分は組成物の嗜好性を向上させるように選択される。好ましいミートフレーバーはPharma Chemie製人工ビーフフレーバー(製品コードPC−0125)として市販されている。着香成分は通常ソフトチューを摂取するであろう生物に関する要件に基づいて選択される。例えば、ウマはアップルフレーバー成分を好み、イヌはミートフレーバー成分を好む。
【0035】
各種の実施態様は更に安定化剤及び/または滑沢剤成分を含む。1実施態様における適当な安定化剤成分はステアリン酸マグネシウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム等である。しかしながら、安定化剤成分は当業界で一般的であり、複数の成分の適当な混合物を使用してもよい。1実施態様において安定化剤成分はソフトチューの約0.0〜約3.0%を占める。別の実施態様において安定化剤成分はソフトチューの約0.5〜約1.5%を占める。
【0036】
各種の実施態様は更に乳化剤成分を含む。適当な乳化剤成分はグリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノステアレート、スクロース脂肪酸エステル、レシチン、ポリエチレングリコール、その混合物等である。しかしながら、乳化剤成分は当業界で公知であり、任意の乳化剤成分を使用し得る。通常、添加される乳化剤の量はソフトチューの粘着性に影響を与え得る。グリセリンの濃度が高ければ、ソフトチューはより粘着性となる。1実施態様において乳化剤成分はソフトチューの約0.0〜約40%を占める。別の実施態様において乳化剤成分はソフトチューの約5.0〜約30%を占める。別の実施態様において乳化剤成分はソフトチューの約10〜約20%を占める。
【0037】
各種の実施態様では組成物中に水分成分が存在する。1実施態様において水分成分は約0.0〜約15%を占める。別の実施態様において水分成分は約2.0〜約10%を占める。別の実施態様において水分成分は約5.0〜約7.5%を占める。
【0038】
各種の実施態様において添加剤成分が組成物に添加される。添加剤成分は経口投与され得る医薬品、栄養品、ビタミン、ミネラル及び/または充填剤からなる群から選択される。これに関して、添加剤成分は活性成分でも不活性成分であってもよい。
【0039】
医薬品の例には、イベルメクチン、フェンベンダゾール、ピペラジン、水酸化マグネシウム、スタノゾール、フロセミド、ペニシリン、アモキシシリン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、アセプロマジン、アスピリン、PROZAC、ZANTACS、BENADRYL、プラジカンテル、ピランテル、HOE 12073、住友化学−1638、ニテンピラム、スピノサッド及びオミピラゾールが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
本発明の各種の実施態様は複数の医薬品/添加剤を含むソフトチューを包含する。2つ以上の医薬品を含む実施態様の例には、イベルメクチンとオメプラゾール;フェンベンダゾール;フェンベンダゾールと交互に使用されるパモ酸ピランテル;フェンベンダゾール+プラジカンテル;イベルメクチン+パモ酸ピランテル;セラメクチン;ネコ用にプラジカンテル+パモ酸ピランテル;線虫及び条虫を防除するためのイヌ及びネコ用にミルベマイシン+プラジカンテル;イヌ、ネコ、ウマ、ウシにおいてフルオセミドとの組合せが含まれるが、これらに限定されない。別の実施態様では、プラジカンテルをエプシプランテルに、フェンベンダゾールをベンズイミダゾールに、イベルメクチンをマクロリド駆虫薬等に置換する。通常、処方物中の賦形剤が安定化剤の問題を引き起こさないかまたは組合せることにより不活性にならない限り錠剤として与えられる任意の薬物がソフトチュー中に使用可能である。具体的に意図される本発明のソフトチューは単一添加剤、二種添加剤、三種添加剤、四種添加剤などとして同定され得る。前記実施態様においてソフトチューは第1添加剤及び/または第2添加剤及び/または第3添加剤及び/または第4添加剤などを含む。従って、本発明の添加剤成分は1種以上の添加剤から構成され得る。好ましくは、無効の(non-operative)ソフトチューを生じないように相互に干渉しない添加剤を選択する。
【0041】
各種の実施態様において添加剤は被覆されている。任意の適当なコーティングを使用し得る。1実施態様では、添加剤と干渉しないコーティングが選択される。別の実施態様では、添加剤の消化時間を調節して添加剤の遊離を少なくとも部分的にコントロールし得るようにコーティングが選択される。適当なコーティングは当業界で一般的な医薬的に許容され得るコーティング及び/または栄養的に許容され得るコーティングであり得るが、これらに限定されない。
【0042】
栄養品、ビタミン、ミネラル等の例には、ビタミン類、例えばビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタンミC、ビタミンD、ビタンミE、ヒタミンK、ニコチンアミド、葉酸、パントテン酸カルシウム、ビオチン及びその混合物;ミネラルサプリメント、例えばカルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリセロリン酸マグネシウム、マンガン、カリウム、レシチン、鉄、銅、亜鉛、リン、ヒッポファエ・ラムノイデスエキス、花粉、ガルシニア、エキナセア、ジノセノシドエキス、イチョウエキス、ブルーベリー、サンザシエキス、ウコギエキス、アロエエキス、Cadrus marianusエキス、ピコリン酸クロム、グルコン酸カリウム、メチオニンアミノ酸、鉄、銅、亜鉛及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
充填剤の例には、炭水化物ソース、タンパク質ソース、酸化防止剤(例えば、Tenox 8)、ガム、着色剤、染料、顔料等が含まれるが、これらに限定されない。通常、任意の成分が充填剤として使用され得る。好ましい実施態様では、充填剤はソフトチューの嗜好性に悪影響を及ぼさないように選択される。
【0044】
本発明のソフトチューの形成方法の1実施態様は、デンプン成分、糖成分、オイル成分及び添加剤成分を混合するステップ;場合により組成物の少なくとも一部を加熱するステップ;及びソフトチューを形成するステップを含む。
【0045】
添加剤をソフトチュー中に存在させる場合には、添加剤成分を他の成分と一緒に混合してもまたは方法のその後のステップ及び/または時期に混合してもよい。別の実施態様では、成分を混合ドウを生ずるように完全に混合する。最も好ましい実施態様では、ドウ中に成分が均一に分散するまでドウを混合する。
【0046】
更なる実施態様で、上記方法は更に乳化剤成分を混合することを含む。前記乳化剤成分は、湿潤剤及び/または成型剤として作用するように選択され得る。1実施態様では、選択される成型剤はポリエチレングリコール(PEG)である。また、ソフトチューの所望コンシステンシーに依存して分子量の異なるPEGを使用してもよい。1実施態様では、PEG 3350を使用する。しかしながら、選択するPEGは選択事項であり、分子量は3350以上でも以下でもよい。
【0047】
本発明の方法は、更に安定化剤成分、着香成分及び/または充填剤成分を混合することを含み得る。
【0048】
1実施態様では、乾燥成分を混合し、液体成分を別々に混合する。1実施態様では、乾燥成分に混合し、添加する時にオイル成分及び乳化剤成分を十分な温度に加熱する。その後、液体成分及び乾燥成分を所望ドウが得られるまで一緒に混合する。しかしながら、成分をドウに混合及び/または加熱する方法は様々であり得る。更に、混合度も、各種実施態様においてドウが均一に混合されず、縞模様のままであるように変更してもよい。また、各種実施態様において本発明のドウはばらばらのゾーン及び/または層を有する。
【0049】
1実施態様では、添加剤成分は成分の混合中に添加される。別の実施態様では、添加剤成分は形成後ソフトチューに注入される。別の実施態様では、ドウは添加剤成分の周りに形成される。別の実施態様では、添加剤をアルコールまたは他の液体と混合及び/またはアルコールまたは他の液体に溶解させた後、本発明のドウ及び/または成分を添加する。別の実施態様では、添加剤成分を混合しながらドウにスプレーする。ドウに添加剤を混合する特定方法は、添加剤の安定性、添加剤の温度感受性等を含めた要件に依存し得る。好ましい実施態様では、添加剤はドウ中に均一に混合及び/または分散する。
【0050】
他の実施態様では、オイル成分を加熱した後で成分を混合する。
【0051】
次いで、ドウを突出し(knock out)により本発明のソフトチューに形成する。1実施態様では、ドウを加温したまま形成する。ドウは当業界で一般的な任意の手段または方法により、例えば手を用いるかまたは機械を用いてソフトチューに形成され得る。1実施態様では、ソフトチューがドウから形成されるように形成機またはパティ機が使用される。形成機の適当な例は米国特許第5,165,218号明細書、同第7,780,931号明細書、同第4,523,520号明細書及び同第3,887,964号明細書に例示されている。最も好ましい形成機はイリノイ州モケナに所在のFORMAX Food Machines製FORMAX機である。
【0052】
図2に本発明の組成物を形成する際に使用される形成機の具体例を例示する。この図2を参照して本発明のソフトチューを形成するための一般的な好ましい実施態様を説明する。通常、ドウ10をホッパー11に導入する。スクリュー12及びコンベヤー14により、ドウ10は供給スクリュー30を介してモールドプレート38に送られる。その後、ノックアウト32により本発明のソフトチューが形成される。図3に本発明のソフトチューを形成するために使用されるノックアウトの具体例を例示する。この図3を参照してソフトチュー40の好ましい実施態様を説明する。しかしながら、任意のサイズまたは形を有するノックアウトが使用され得る。ソフトチュー40はその後コンベヤー42に沿って送られる。ソフトチュー40を所望によりそのまま使用しても、包装してもよい。
【0053】
実施態様では、ドウ10は温かいうちにソフトチュー90に形成される。しかしながら、ドウ10を所望の温度でソフトチュー40に形成してもよい。
【0054】
本発明のソフトチューはいろいろなテキスチャー、脆さ、硬度等を有し得る。1実施態様ではソフトチューのテキスチャーは滑らかである。他の実施態様ではソフトチューのテキスチャーは粗い。図1aに本発明のソフトチューの実施態様を示す。この図1aには、均一に混合されたドウから形成されたソフトチュー1が例示されている。一方、図1bには2個以上のゾーンを有するソフトチュー2が例示されている。ドウが均一に混合されているか否かは添加剤の種類、ソフトチューのコンシステンシー等を含めた複数の要因に依存し得る。
【0055】
本発明の別の態様は添加剤の生物への導入方法である。生物の適当な例は家畜、ペット、飼育動物等であり、その中にはウマ、雌ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、アヒル、鶏、イヌ、ネコ、ライオン、トラ、クマ、雄ウシ、水牛、魚、トリ、昆虫等が含まれるが、これらに限定されない。1実施態様では、生物はウマであり、添加剤はイベルメクチン及び/または他の医薬品であり、虫に対するウマの治療方法は本発明のソフトチューを得、そのソフトチューをウマに与えることを含み、これによりウマが消費するとイベルメクチン及び/または他の医薬品が放出される。
【0056】
本発明のソフトチューに関する投与要件は確立されている獣医学パラメーターの範囲内で変更され、選択されなければならない。各種の実施態様において、生物にデリバリーされる用量は、1つのソフトチューが特定重量の生物に対して十分な添加剤を与えるとしてより多いまたはより少ない単位のソフトチューを生物に与えることにより調節され得る。
【0057】
本発明を特定の実施態様に関連して説明してきたが、更に修飾することが可能であり、本発明の請求の範囲は、本発明が属する当業界で公知または慣用の実地の範囲内に入り、現在存在するかまたはその後生ずるにかかわらず本明細書に記載されている必須要件に適用されるように本発明の開示内容をはずれるものを含めた、通常本発明の原理に従う本発明の変更、使用または改変を包含することを意図すると理解されたい。更に、本発明の実施態様を特定の寸法特性及び/または測定値で説明してきたが、本発明の原理を逸脱することなく寸法特性及び/または測定値を変化させることは可能であり、請求の範囲はこうした違いを包含することを意図すると理解されたい。更に、本明細書中に引用した全ての特許文献が本明細書中に参考として援用されている。
【0058】
本発明を更に理解するために下記の実施例を参照すべきである。
【実施例】
【0059】
本発明のソフトチューの嗜好性を試験するために以下のプラシーボ実験を実施した。
【0060】
実施例1a:ウマ用ソフトチュー
(成分の混合物)
プラシーボドウのバッチを以下の成分を用いて調製した。各成分の量をg/バッチで示す。添加剤は添加しなかった。
【0061】
【表1】

【0062】
成分を混合するために使用した方法は、以下の通りであった:
1.全ての成分を秤量した。
2.スイートアップル&糖蜜フレーバーからコーンスターチ、スクロース、ステアリン酸マグネシウムまでの全ての乾燥成分を20クォートHobartミキサーにおいてスピード1で約1分間混合して、均一なブレンドを生成した。
3.大豆油からグリセリン、Tenox 8までの液体成分をスチール製ビーカーにおいてスパチュラを用いて混合した。
4.次いで、ポリエチレングリコールをステンレス鋼製ビーカーにおいて60℃に加熱して、液体とした。
5.次いで、ステップ3からの液体をHobartミキサーに添加し、5分間混合して、湿った造粒ミックスを生成した。
6.次いで、ステップ4からの溶融PEGをHobartミキサーに添加し、15分間混合して、湿った造粒ミックスを生成した。
7.次いで、湿った造粒ミックスをFormax F6機に充填して、本発明のスクリューチューを得た。
【0063】
(ソフトチューの物理的特性)
上記のように製造したソフトチューは以下の一般的特性を有していた。
【0064】
【表2】

【0065】
(コントロールソフトチュー)
本発明のプラシーボソフトチューの嗜好性を比較するために、コントロールソフトチューを選択した。MRS.PASTURES’SOFT CHEWS FOR HORSESと同定される製品をコントロールとして選択した。このコントロールソフトチューはオート麦、小麦、ふすま、さとうきび糖蜜、押麦、リンゴ及び水を含んでいた。コントロールソフトチューの重量は10gであった。
【0066】
(嗜好性研究)
嗜好性研究を以下のように実施した:
1.20匹のウマに2日間にわたりプラシーボまたはコントロールを1日に2個与えて観察した。
2.2つの製品を各ウマに各日に与えた。プラシーボソフトチューは4個、コントロールソフトチューは1個与えた。各製品を2通りに与えた。第1は各試験ウマが消費のためにコントロールまたは本発明のソウトチューのいずれかを食べるかを自由に選択する環境とした。試験ウマが自由選択でソフトチューを嫌がったならば、ソフトチューをそのウマの飼料に入れてウマがソフトチューを消費するかを見た。
3.実験の偏りを除くために後日この研究を投与の順序を変えて繰り返した。
【0067】
試験ウマの100.0%が自由選択でコントロールを消費した。試験ウマの97.5%が自由選択で本発明のソフトチューを消費した。ソフトチューをウマ飼料中に入れると試験ウマの2.5%が本発明のソフトチューを消費した。従って、試験ウマの全てがソフトチューを消費した。この研究の結果は、本発明のソフトチューがウマにとって味がよいことを示している。
【0068】
実施例1b:イベルメクチンを含有するウマ用ソフトチュー
(成分の混合物)
活性成分/添加剤成分のドウのバッチを以下の成分を用いて調製した。各成分の量をg/バッチで示す。
【0069】
【表3】

【0070】
成分を混合するために使用した方法は、以下の通りであった:
1.全ての成分を秤量した。
2.スイートアップル&糖蜜フレーバーから始めてコーンスターチ、続いてスクロース、次にステアリン酸マグネシウムまでの全ての乾燥成分を20クォートHobartミキサーにおいてスピード1で約1分間混合して、均一なブレンドを生成した。
3.大豆油から始めてグリセリン、続いてTenox 8までの液体成分をスチール製ビーカーにおいてスパチュラを用いて混合した。
4.次いで、ポリエチレングリコールをステンレス鋼製ビーカーにおいて60℃に加熱して、液体とした。
5.次いで、ステップ3からの液体をHobartミキサーに添加し、5分間混合して、湿った造粒ミックスを生成した。
6.次いで、ステップ4からの溶融PEGをHobartミキサーに添加し、15分間混合して、湿った造粒ミックスを生成した。
7.次いで、湿った造粒ミックスをFormax F6機に充填して、本発明のスクリューチューを得た。
【0071】
(ソフトチューの物理的特性)
上記のように製造したソフトチューは、以下の一般的特性を有していた。
【0072】
【表4】

【0073】
(嗜好性研究)
試験ウマの100%が自由選択でコントロールを消費した。試験ウマの95.0%が自由選択で本発明のソフトチューを消費した。ソフトチューをウマ飼料中に入れると試験ウマの5.0%が本発明のソフトチューを消費した。従って、試験ウマの全てがソフトチューを消費した。この研究の結果は、添加剤を含有する本発明のソフトチューがウマにとって味がよいことを示している。
【0074】
実施例2:イヌ用ソフトチュー
(成分の混合物)
活性成分/添加剤成分を含有するドウのバッチを、以下の成分を用いて調製した。各成分の量をg/バッチで示す。添加剤は添加しなかった。
【0075】
【表5】

【0076】
成分を混合するために使用した方法は、以下の通りであった:
1.全ての成分を秤量した。
2.スイートアップル&糖蜜フレーバーから始めて、人工ビーフフレーバー、続いてコーンスターチ、次に複数の活性成分、次にスクロース、次にステアリン酸マグネシウムまでの全ての乾燥成分を20クォートHobartミキサーにおいてスピード1で約1分間混合して、均一なブレンドを生成した。
3.大豆油から始めて、グリセリン、続いてTenox 8までの液体成分をスチール製ビーカーにおいてスパチュラを用いて混合した。
4.次いで、ポリエチレングリコールをステンレス鋼製ビーカーにおいて60℃に加熱して、液体とした。
5.次いで、ステップ3からの液体をHobartミキサーに添加し、5分間混合して、湿った造粒ミックスを生成した。
6.次いで、ステップ4からの溶融PEGをHobartミキサーに添加し、10分間混合して、湿った造粒ミックスを生成した。
7.次いで、湿った造粒ミックスをFormax F6機に充填して、本発明のスクリューチューを得た。
【0077】
(ソフトチューの物理的特性)
上記のように製造したソフトチューは、以下の一般的特性を有していた。
【0078】
【表6】

【0079】
(コントロールソフトチュー)
本発明のソフトチューの嗜好性を比較するために、コントロールソフトチューを選択した。Novartis Animal Health Co.製Interceptor 23mg Flavor Tabletと同定される製品をコントロールとして選択した。コントロールは直接圧縮製品(960mg/錠)であった。
【0080】
(嗜好性研究)
嗜好性研究を以下のように実施した:
1.20匹のイヌをランダムに選択した。選択した犬種はラブラドール、シェットランジトープドッグ、コリー、ロットワイラー及び他の雑種を含んでいた。イヌの体重は20〜150ポンドであった。年齢は1〜14才であり、平均4.6才であった。イヌは雄及び雌等分に分けた。
2.各イヌに対して2日間にわたり1日に2個の製品を与えた。1つの製品は本発明のソフトチュー、別の製品はコントロールのInterceptor製品であった。40回試験した。
3.嗜好%(自由選択)、嗜好%(食物と一緒に)及び拒絶%の統計をとった。ソフトチューの結果では、イヌの85.0%が本発明のソフトチューを食べ(自由選択)、イヌの7.5%が本発明のソフトチューを(食物と一緒に)食べた。よって拒絶したイヌは7.5%にすぎなかった。コントロールのInterceptor製品の結果では、イヌの75.8%が本発明のソフトチューを食べ(自由選択)、イヌの21.7%が本発明のソフトチューを(食物と一緒に)食べた。よって拒絶したイヌは2.5%にすぎなかった。このように、本発明の実施態様であるソフトチューはコントロールよりもうまく機能し、自由選択で高率で受け入れられた。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1a】本発明の組成物の実施態様を例示する。
【図1b】本発明の組成物の代替的実施態様を例示する。
【図2】本発明の実施態様である組成物を形成する際に使用される形成装置の具体例を示す。
【図3】本発明の実施態様である組成物を形成するために使用されるノックアウトの具体例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.1〜約50%の着香成分、約5.0〜約60%のデンプン成分、約5.0〜約75%の糖成分、約1.0〜約40%のオイル成分及び第1添加剤を含み、含水率は約15%未満であり、ノックアウトにより形成したときに押出し物ではないソフトチュー。
【請求項2】
更に、約0.0〜約3.0%の安定化剤成分を含む請求項1に記載のソフトチュー。
【請求項3】
更に、約0.0〜約40%の乳化剤成分を含む請求項1に記載のソフトチュー。
【請求項4】
更に、第2添加剤を含む請求項1に記載のソフトチュー。
【請求項5】
更に、第3添加剤を含む請求項4に記載のソフトチュー。
【請求項6】
第1添加剤、第2添加剤及び第3添加剤のいずれかが医薬品、栄養品、ビタミン、ミネラル及び充填剤からなる群から選択される請求項5に記載のソフトチュー。
【請求項7】
着香成分がフルーツ、ミート、ベジタブル、チーズ、チーズ−ベーコン及び/または
人工フレーバーからなる群から選択される請求項1に記載のソフトチュー。
【請求項8】
第1添加剤、第2添加剤及び第3添加剤のいずれかが医薬品であり、前記医薬品がイベルメクチン、フェンベンダゾール、ピペラジン、水酸化マグネシウム、スタノゾール、フロセミド、ペニシリン、アモキシシリン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、アセプロマジン、アスピリン、PROZAC、ZANTACS、BENADRYL、プラジカンテル、ピランテル、HOE 12073、住友化学−1638、ニテンピラム、スピノサッド及びオミピラゾールからなる群から選択される請求項6に記載のソフトチュー。
【請求項9】
消費したときに生物が添加剤を摂取するように請求項1〜8に記載のソフトチューを生物に与えることを含む、少なくとも1つの添加剤の生物への導入方法。
【請求項10】
生物がウマ、雌ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、シカ、アヒル、鶏、イヌ、ネコ、ライオン、トラ、クマ、雄ウシ、水牛、魚、ヒト等からなる群から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
a.着香成分、デンプン成分、糖成分、オイル成分及び添加剤を混合して、ドウとするステップ、
b.前記ドウを加熱するステップ、及び
c.ソフトチューが押出し物でないようにノックアウトを用いてソフトチューを形成するステップ
を含むソフトチューの調製方法。
【請求項12】
成分を加熱するステップが混合前にオイル成分を加熱することを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ソフトチューを形成するステップがドウをホッパーからプレスに移動させることを含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
請求項1または請求項8に記載のソフトチューを生物に投与することを含む、添加剤の生物へのデリバリー方法。
【請求項15】
a.着香成分、デンプン成分、糖成分、オイル成分及び添加剤を混合して、ドウとするステップ、
b.前記ドウを加熱するステップ、及び
c.ソフトチューを突出すステップ
を含むソフトチューの形成方法。
【請求項16】
突出しステップをパティプレス機で実施する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ソフトチューが更に追加の添加剤を含む請求項15に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−510350(P2006−510350A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−528111(P2004−528111)
【出願日】平成15年8月13日(2003.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2003/025358
【国際公開番号】WO2004/014143
【国際公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願人】(394010986)アクゾ・ノベル・エヌ・ベー (31)
【Fターム(参考)】