清掃を容易にするため大きく開口するヒンジを備えたモジュール
ベルト(100)は清掃性を向上するため、大きく締結部間隔を設けるように設計され、これにより隙間の数を減少する。モジュールの構造は一組の締結部を有することにより、荷重下にあるベルト(100)の望まれない弾力性を抑制する。締結部は隣接するモジュール(20)にある締結部により形成され、できる限りお互いに近接するように移動し一組の締結部間に間隔を設けた大きな開口を有することを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送ベルトに関し、特に、横方向回転ロッドにより回転可能に連結されたプラスチックのベルトモジュール列から構成されたモジュール式プラスチック搬送ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
モジュールベルトおよび、特に上部が平坦なモジュール式ベルトはベルトの搬送面で食材に直接、接しながら食材を輸送するために広く使用されている。そのような輸送用のベルトおよび均等物は、腐敗した残余物およびバクテリアで食材が汚染されることを回避するため、定期的に清掃されるべきである。
【0003】
モジュールは通常、食材に直接、接触することを認可されたプラスチックから構成される。モジュールは一般的には、きれいに清掃された表面であって、近接する滑らかな表面を有する。モジュールが互いに連結するヒンジは難しい主な領域である。ヒンジは一般的には、食材が貫通することができ、捕捉される隙間を有する。これら食材の残余堆積物は、除去することが難しい。この問題に取り組むため、ベルトモジュールがスプロケット周りに回動する際に、開口する円錐形の隙間を設けるように設計されている。1つのこのような構造は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第No.6,725,883号に示されている。その他の構造が、米国特許第No.5,706,934号に示されている。これらベルトの構造は更に、滑らかで平らな底面により特徴付けられており、この底面は、ベルトを形成するためモジュールを連結するのに必要とされる締結部のみが割り込んでいる。多くの場合、この型式のベルトはモジュール列につき、1以上のモジュールが煉瓦状に連接された(bricklayed)アッセンブリの中で使用される。これら煉瓦状に連接されたベルトは、モジュールの縁部が対向する所に小さな隙間を有する。これらの隙間を排除するためおよび清掃性の更なる改良のため米国特許第No.6,758,329号に示されるように、長いモジュールが使用されて、チェーン状のベルトを形成し、かつ、完全に煉瓦状に連接された配置を除外している。モジュール縁部間の隙間は排除されるが、これら長いモジュールは、等間隔に設けられ互いに係合する締結部間の多数の隙間に悩まされ、それ故にまだ、改良の余地がある。更なる改良が、一部の締結部を除去し、従って互いに係合する締結部の側面間にある隙間の数を削減することにより可能である。この構造はより少ないヒンジ締結部により、より良い清掃性を提供するが、ベルトの強度を低下する結果となる。強度の低下は、荷重を伝達する締結部の数が減少することだけによりもたらされるのではなく、締結部間の遠い距離によってももたらされる。そのような構造に伴う危険要因は、通常はプラスチックからなるヒンジピンにあり、このヒンジピンは広く等間隔に設けられた締結部間で湾曲し、荷重(張力)が掛かっていれば大きく撓み、安定感の低下したベルトになる。従って、ベルトモジュールの清掃性を改善する一方で、望ましいベルト張力を維持する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、独立請求項1によるベルトモジュールを提供することにより、上述した要求を満たす。独立請求項10は、本発明によるモジュール式搬送ベルトを規定する。好適な実施形態が、従属請求項から明らかになる。
【0005】
本発明の本質は、できる限り互いに近接するように移動し、間に間隔を設けた大きな開口を有する一組の締結部を備えることにより、荷重下にあるベルトの望まれない弾力性を抑制するベルトモジュールにある。
【0006】
本発明は図面に示されており、その中で同じ参照番号は、図面を通じて同じまたは同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施形態によるベルトモジュールの斜視図である。
【図2】図1に示すベルトモジュールから形成されたベルトの一部の上面図である。
【図3】図2に示すベルトの底面図である。
【図4】スプロケット周りに折れ曲がる図2のベルトの一部を示す斜視図である。
【図5】スプロケット周りに折れ曲がる図2のベルトの一部を示す他の斜視図である。
【図6】図3の拡大詳細図である。
【図7】図2のベルトの一部を示す拡大底面斜視図である。
【図8】上端を覆う表面が平らである図2のベルトの底面図である。
【図9】スプロケット周りに折れ曲がる図2のベルトの底面図である。
【図10A】図8の10−10線に沿う断面図である。
【図10B】図10Aのベルトの代案の実施形態である。
【図11】図9の11−11線に沿う断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態によるベルトモジュールの斜視図である。
【図13】図12のベルトモジュールから形成されたベルトの斜視図である。
【図14】図13に示すベルトの他の斜視図である。
【図15】スプロケット周りに折れ曲がる図13のベルトの底面図である。
【図16】図15に示すベルトの一部の拡大図である。
【図17】本発明の締結端部による代案の実施形態に係る部分底面図である。
【図18】本発明の他の実施形態によるベルトの上面図である。
【図19】図18のベルトの底面図である。
【図20】端から端まで可逆性のない本発明による代案の実施形態を示す底面図である。
【図21】閉じられた構造で真っ直ぐに移動している状態にある図18のベルトの端面図である。
【図22】スプロケット周りに回動する図18のベルトを示す端面図である。
【図23】平らな水平位置にある図18のベルトを示す拡大底面図である。
【図24】図18のベルトがスプロケットまたはドラム周りに回動している傾斜位置にある状態の拡大底面図である。
【図25】図23の一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1において、本発明のベルトモジュール20は、全体的に滑らかで平らな上部搬送面23を備えている。上部搬送面23は、矢印32で示されるベルトの移動方向に対し横方向に第1側端26から第2側端29まで延びている。上部搬送面23はまた、第1縁部38と、この第1縁部38と対向するように配置された第2縁部41とを備えている。第1縁部38および第2縁部41は、複数の締結端部と開口部により規定されている。第1縁部38はベルトの移動方向に対し横方向に延びる第1部位39を有する。第1部位39は、第1締結端部44まで延びている。第1締結端部44は上部搬送面23の一部を形成し、また円形終端部47を備えている。第1締結端部44は、横方向厚さを規定する一対の側壁50、53を有する。側壁53に隣接する締結端部44の側面には、上部搬送面23の範囲内に伸張開口部56が設けられている。この開口部56の対向端は、横方向厚さを規定する一対の側壁50および53を有する他の締結端部44により区切られている。締結端部44は、図2に示すベルト100を形成するように隣接するモジュールを枢動可能に接続するため、回転ロッド59を支持する横方向の回転ロッド開口部57(図10−11に最も示されている)を備えている。締結端部44と対向するモジュール20の側面には、対応開口部45が設けられている。隣接するモジュール20が図2に示すように挿入されると、締結端部44は開口部45と係合する。
【0009】
ベルトモジュール20はまた、延伸するプレート68を有する締結端部65を備えている。締結端部65およびプレート68は伸張開口部56よりも僅かに小さな幅を有し、これにより、隣接するモジュール20が挿入され回転ロッド59により接続されることで、スプロケット(図示せず)の周りに連接可能なベルト100を形成している。ベルトモジュール20はまた、幅広いプレート72に接続する締結端部70を包含する。締結端部70と幅広いプレート72は、図2および図3に示すように隣接するモジュール20の開口部75に係合する。
【0010】
図2を参照すると、ベルト100は、この開示に基づく当業者に公知なように、隣接するモジュール20を挿入し、横方向の回転ロッド開口部57(図3参照)を調心し、回転ロッド59(図3参照)を嵌合することで形成される。ベルト100は、ベルトモジュール20の間に食材が捕捉されるのを防止するため、最小限の隙間を有する近接する上面を形成している。ベルトモジュール20の側面にある締結端部44,65および70は、隣接するベルトモジュール20の対向側面にある対応する開口部45,69および75に挿入される。
【0011】
図3には、ベルト100の底部が示されている。長手方向リブ101が底面103に形成されている。負荷が掛かることによるベルトの望まれない弾力性を抑制するため、締結端部は可能な限りすぐ近くに配設されている。目的は、横断距離(transversal distance)Bを最小限に抑制することである。締結端部のこの形状により、回転ロッド59に作用するせん断力を締結端部間の大変小さな距離Bを包含する2枚の平面に集中させ、また、これによりロッドが撓むことを回避し、ベルトの弾力性を弱める。しかし、2つの隣接する締結部の締結間隔Aは、清掃を容易にするような十分な大きさにしておくべきである。締結間隔Aは、締結端部の傾斜する形状により生じる。締結部間の間隔Aは、隣接する締結端部の対向する側壁106,109により形成されている。これら側壁106,109は互いにほぼ平行であり、個々の締結端部にある他の側壁112,115に対して角度βを付けて設けられている。好適には角度βは約20°である。ベルト100が、スプロケットまたはドラム(図示せず)周りに回動するとき、ヒンジで連結された締結端部は回転ロッド59周りを回動し、ヒンジ間隔Aにより、いずれかの捕捉された残余物の開放を促進する。角度βが大きくなればなるほど、間隔Aは広くなる。傾斜側壁106,109と対向する側壁112,115は、ベルトの移動方向と平行であり、代案として、ここで説明されたことと同様に角度が付けられてもよい。対向する側壁の形状により締結形状を最適化するため、後方の締結端部で十分な締結厚さSを維持することができる。
【0012】
ベルト100の中央交差リブから前縁38、後縁41まで、モジュール20の底面は平坦であり、またはプレート形状の表面(図10Aおよび図11に最もよく示されている)が設けられている。このプレート形状の表面はベルトの移動方向に傾斜しており、締結端部間のベルト縁部で途切れている。図10Aに示すように、モジュール20のプレート形状部110は滑らかで僅かにくぼんだ背面を規定し、この背面はベルトの移動方向に対しモジュールを横切っている。
【0013】
図4から図5を参照すると、ベルト100がスプロケットまたはドラム周りに回動するとき、隙間120が隣接するモジュール20の縁部の間に形成されている。隙間120は、ベルト100がスプロケット周りに回動するときにヒンジ領域を清掃するための入口を提供する。
【0014】
図6では、モジュール間のピッチPは隣接するモジュール20上の、ベルトの移動方向にある同じポイント間の距離である。締結部間のピッチCは、隣接する締結端部上にある同じポイント間の最も長い距離である。締結端部の数を減らし、これにより間隔の数を減らすので、締結部間のピッチCはモジュール間のピッチPよりも大きい、または同等である。隙間120は、ベルト100が図6に示すように配置されるときに最大幅となる。図6において、ベルト100がスプロケットまたはドラム周りに回動するとき、ベルト100は回転ロッド59周りに回動する。締結間隔Aは、ベルト100がスプロケット周りに折れ曲がることにより広がる。
【0015】
図7には、底部斜視図が示されている。長手方向リブ101はモジュールの底面103から延び、スプロケット(図示せず)の歯部と係合するポイントが設けられている。長手方向リブ101は上壁123と、この上壁123の対向側から延びる一対の側壁126,129を備えている。側壁126および129は、モジュール20の底面103に向かって延びている。図示するように、側壁126および129はプレート形状部110と、リブ101から締結端部に向かって延びる滑らかな曲線状に交差している。代案として、側壁126および129はモジュール20の底面103まで延びてもよい。この底面103は、図10Bに示すように、および本開示に基づく当業者にとって公知なように、リブ101の基部と締結端部との間で平坦であってもよい。
【0016】
図8に、ベルト100の上部搬送面23が閉じられた状態のベルト100の底部を示す。ベルト100が直線軌道に沿って移動しているとき、隣接するモジュール20の間の隙間は最小であり、食材がベルト面を貫通することができるこの隙間が最小である。隣接するモジュールにある締結端部44の対向する側壁は、ベルトが図9に示すようにスプロケット周りに回動するときに拡大する締結間隔Aを規定する。
【0017】
図10Aに示すように、長手方向リブ101の側壁126,129は、曲線軌道に沿って締結端部まで延びるプレート形状部110と交差する。回転ロッド開口部57は長方形状に設けられており、モジュールの対向面にある回転ロッド開口部57が、同じおよび反対の角度に方向付けられている。結果として、回転ロッド周りに隙間が生じ、清掃を容易にする。図11に示すように、隙間はベルトがスプロケット周りを通過するときに拡大する。図10Bは、側壁172および174、上壁179を有し、平底面170まで延びている標準リブ178を備えた本発明の代案の実施形態を示す。
【0018】
図12から図16に、本発明の第2実施形態が示されている。ベルトモジュール200は、第1側端201と第2側端202とを備えている。上部搬送面205が前記側端201と202との間に延伸している。複数の第1締結端部203が、上部搬送面205から矢印215に示すベルトの移動方向に延びている。複数の第2締結端部209が前記と反対方向に延びている。複数の第1締結端部203が、隣接するモジュール200上の複数の第2締結端部209の間の空間に係合する。ベルトモジュール200は締結端部203,209の縁から延び、端部208と213とを有する板状伸張部207,220を備えている。この板状伸張部207,220は、隣接している締結端部203,209の間の約半分に延びるように採寸され、ベルト250がスプロケット周りに移動するときにジグザグ状の隙間を創出する。端部208の横方向幅Wもまた、当然に締結端部203の間の異なる割合の距離である。清掃特性はこの変形例でも同様であるが、それは締結端部への有利な成形および荷重配分からなる。締結端部227,229は側端201,202に、またはその近傍に配置されている。
【0019】
中央交差リブ230は、同様に横方向回転ロッド開口部235と間隔を隔てたモジュールの中心軸内にあり、どちらの側面からもオフセットしている。交差リブ230は、スプロケットと係合することによりベルトを駆動するように機能する。更にそれは、モジュールへのリンク結合を強固にし、搬送されるより重い積み荷の衝撃によりよく適合する。
【0020】
図13および図14において、回転ロッド254により連結されたモジュール200で構成されたベルト250は、スプロケット(図示せず)周りに移動するように示されている。隙間255は、板状伸張部207,220と、隣接する締結端部203,209間の開口部との間に開口している。
【0021】
図15および図16を参照すると、長手方向リブ270が底面273に形成されている。負荷が掛かることによるベルトの望まれない弾力性を抑制するため、締結端部は可能な限りすぐ近くに配設されている。目的は、横断距離Bを最小限に抑制することである。締結端部のこの形状により、回転ロッド254に作用するせん断力を締結端部間の大変小さな距離Bを包含する2枚の平面に集中させ、また、これによりロッドが撓むことを回避し、ベルトの弾力性を弱める。しかし、2つの隣接する締結部の締結間隔Aは、清掃を容易にするような十分な大きさにしておくべきである。締結間隔Aは、締結端部の傾斜する形状により生じる。締結部間の間隔Aは、隣接する締結端部の対向する側壁280,283により形成されている。これら側壁280,283は互いにほぼ平行であり、個々の締結端部にある他の側壁287,288に対して角度βを付けて設けられている。好適には角度βは約20°である。ベルト250が、スプロケットまたはドラム(図示せず)周りに回動するとき、ヒンジで連結された締結端部は回転ロッド254の周りを回動し、ヒンジ間隔Aにより、いずれかの捕捉された残余物の開放を促進する。角度βが大きくなればなるほど、間隔Aは広くなる。傾斜側壁287,288と対向する側壁280,283は、ベルトの移動方向と平行であり、代案として、ここで説明されたことと同様に角度が付けられてもよい。対向する側壁の形状により締結形状を最適化し、後方の締結端部で十分な締結厚さSを維持することができる。
【0022】
図17には、代案の実施形態が、全ての側壁292,294,296,298が互いに平行に配設されるように形成された締結端部と共に示されている。このような態様に側壁を配置することにより、締結端部の厚さTは底面上に均一に保たれている。
【0023】
図18から図25を参照すると、本発明による他の実施形態が示されている。図18には、一対の、端から端まで可逆的な(reversible)モジュール300,301が示されている。このようなモジュールは、特に幅の広いチェーンとして使用され、煉瓦状に連接されたベルトの同じ列にあるモジュール間の隙間を排除することができる。代案として、モジュール300,301は、煉瓦状に連接されたベルトを製造するために使用されてもよい。モジュール300,301は、第1側端307から第2側端309まで延びる閉じられた上面308を備えている。前縁部311は、隣接するモジュールの横方向部を受け入れるため、代案の横方向部314と開口部317とを有する。後縁部320は、連続する横方向部314および開口部317まで案内する凹部323を包含する。後縁部320から延び、締結端部303および306が2つ一組で第1面390により連結され配設されている。前縁部311から延び、締結端部304と305とが第2面393により連結されている。第1面390および第2面393は細長く、モジュール300,301の上面308と同一平面にある上面394を有する。従って、第1面390および第2面393は締結端部により両側で支持されている。この配置により、第1面390および第2面393には、大きな耐衝撃性が付与される。モジュール300,301には、長手方向リブ318(図19参照)が設けられてもよい。
【0024】
荷重が掛かるベルトの望まれない弾力性を抑制するために、幅広い間隔を設けた画一的な締結部は回避されている。それどころか、隣接するモジュール300,301(図19参照)にある締結端部303,305は、可能な限り互いに近接するように設けられている。大きな空間312が、1組の間に設けられ開口している。目的は、図25に示す横方向距離bを最小限まで、すなわち理想的にはゼロ近くまで抑制することである。この形状により、回転ロッド330に作用するせん断力を締結端部間の大変小さな距離bを包含する2枚の平面に集中させ、また、これによりロッドが撓むことを回避し、ベルトの弾力性を弱める。しかし、相互接続されたモジュール300,301の隣接または近接する締結部303,305の締結間隔A(図24および図25参照)は、清掃を容易にするような十分な大きさにしておくべきである。この特徴は、締結部の特別に角度付けられた形状により達成される。締結部間の切れ目は図25に示すように、角度βをなし、全体的に平行な関係にある。この角度は少なくとも20°であることが好ましい。ベルトがスプロケットまたはドラム(図示せず)の周りに移動するとき、ヒンジ締結部は回転ロッド330の周りを回動しヒンジ間隔Aが増加することで、いずれかの捕捉された残余物を開放する。角度βが大きくなればなるほど、間隔Aは広くなる。傾斜面340と対向する締結面335は、図16に関して上述したベルトの移動方向に平行であり、または代案として図25に最もよく示すものと同じように角度付けられてもよい。この差異により、締結部形状を最適化するため、後方締結端部360で十分な締結厚さSを保つ。締結部の後方端部360がモジュールプレートに接続する点から、背面355がベルトの移動方向に傾斜し、締結部間の縁部365で終端している。モジュールのこの板状部は、滑らかで僅かにくぼんだ背面355を規定し、この背面355が露出ロッド330の検査および清掃のための実現可能な最良の通路を提供する。隣接するように締結されたモジュール本体と対向する縁部365は、ベルトがスプロケットまたはドラム周りに移動するとき、クリーニング液およびヒンジ領域内に集積した残余物を簡単に移動させる通路のため、間隔Aを開口するように形作られている。
【0025】
図20には、端から端まで可逆性が無く、それゆえ煉瓦状に連接することができないモジュールの代案の実施形態が示されている。締結端部403,406,409,412を有する一対のモジュール400,401はそれぞれ、回転ロッド415により連結されている。モジュールが連結され、締結端部が挿入されるとき、締結端部は上述したように2つ一組で配設されている。
【0026】
本発明は所定の実施形態に関連付けて説明したが、発明の範囲を説明された特定の形状に限定する意図はなく、それどころか、添付特許請求の範囲に規定される発明の範囲に包含されるような代案、改良例および均等物に及ぶことを意図している。
【符号の説明】
【0027】
20,200,300,301,400,401 ベルトモジュール
23,205,308 上部搬送面
26,201,307 第1側端
29,202,309 第2側端
44,65,70,203,303,306,403,406 第1締結端部
44,65,70,209,304,305,409,412 第2締結端部
50,53 側壁
57 横方向回転ロッド開口部
59,254,330,415 回転ロッド
68,72,207,390 第1伸張プレート
68,72,220,393 第2伸張プレート
103,273 底面
394 表面
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送ベルトに関し、特に、横方向回転ロッドにより回転可能に連結されたプラスチックのベルトモジュール列から構成されたモジュール式プラスチック搬送ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
モジュールベルトおよび、特に上部が平坦なモジュール式ベルトはベルトの搬送面で食材に直接、接しながら食材を輸送するために広く使用されている。そのような輸送用のベルトおよび均等物は、腐敗した残余物およびバクテリアで食材が汚染されることを回避するため、定期的に清掃されるべきである。
【0003】
モジュールは通常、食材に直接、接触することを認可されたプラスチックから構成される。モジュールは一般的には、きれいに清掃された表面であって、近接する滑らかな表面を有する。モジュールが互いに連結するヒンジは難しい主な領域である。ヒンジは一般的には、食材が貫通することができ、捕捉される隙間を有する。これら食材の残余堆積物は、除去することが難しい。この問題に取り組むため、ベルトモジュールがスプロケット周りに回動する際に、開口する円錐形の隙間を設けるように設計されている。1つのこのような構造は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第No.6,725,883号に示されている。その他の構造が、米国特許第No.5,706,934号に示されている。これらベルトの構造は更に、滑らかで平らな底面により特徴付けられており、この底面は、ベルトを形成するためモジュールを連結するのに必要とされる締結部のみが割り込んでいる。多くの場合、この型式のベルトはモジュール列につき、1以上のモジュールが煉瓦状に連接された(bricklayed)アッセンブリの中で使用される。これら煉瓦状に連接されたベルトは、モジュールの縁部が対向する所に小さな隙間を有する。これらの隙間を排除するためおよび清掃性の更なる改良のため米国特許第No.6,758,329号に示されるように、長いモジュールが使用されて、チェーン状のベルトを形成し、かつ、完全に煉瓦状に連接された配置を除外している。モジュール縁部間の隙間は排除されるが、これら長いモジュールは、等間隔に設けられ互いに係合する締結部間の多数の隙間に悩まされ、それ故にまだ、改良の余地がある。更なる改良が、一部の締結部を除去し、従って互いに係合する締結部の側面間にある隙間の数を削減することにより可能である。この構造はより少ないヒンジ締結部により、より良い清掃性を提供するが、ベルトの強度を低下する結果となる。強度の低下は、荷重を伝達する締結部の数が減少することだけによりもたらされるのではなく、締結部間の遠い距離によってももたらされる。そのような構造に伴う危険要因は、通常はプラスチックからなるヒンジピンにあり、このヒンジピンは広く等間隔に設けられた締結部間で湾曲し、荷重(張力)が掛かっていれば大きく撓み、安定感の低下したベルトになる。従って、ベルトモジュールの清掃性を改善する一方で、望ましいベルト張力を維持する必要がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、独立請求項1によるベルトモジュールを提供することにより、上述した要求を満たす。独立請求項10は、本発明によるモジュール式搬送ベルトを規定する。好適な実施形態が、従属請求項から明らかになる。
【0005】
本発明の本質は、できる限り互いに近接するように移動し、間に間隔を設けた大きな開口を有する一組の締結部を備えることにより、荷重下にあるベルトの望まれない弾力性を抑制するベルトモジュールにある。
【0006】
本発明は図面に示されており、その中で同じ参照番号は、図面を通じて同じまたは同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施形態によるベルトモジュールの斜視図である。
【図2】図1に示すベルトモジュールから形成されたベルトの一部の上面図である。
【図3】図2に示すベルトの底面図である。
【図4】スプロケット周りに折れ曲がる図2のベルトの一部を示す斜視図である。
【図5】スプロケット周りに折れ曲がる図2のベルトの一部を示す他の斜視図である。
【図6】図3の拡大詳細図である。
【図7】図2のベルトの一部を示す拡大底面斜視図である。
【図8】上端を覆う表面が平らである図2のベルトの底面図である。
【図9】スプロケット周りに折れ曲がる図2のベルトの底面図である。
【図10A】図8の10−10線に沿う断面図である。
【図10B】図10Aのベルトの代案の実施形態である。
【図11】図9の11−11線に沿う断面図である。
【図12】本発明の第2実施形態によるベルトモジュールの斜視図である。
【図13】図12のベルトモジュールから形成されたベルトの斜視図である。
【図14】図13に示すベルトの他の斜視図である。
【図15】スプロケット周りに折れ曲がる図13のベルトの底面図である。
【図16】図15に示すベルトの一部の拡大図である。
【図17】本発明の締結端部による代案の実施形態に係る部分底面図である。
【図18】本発明の他の実施形態によるベルトの上面図である。
【図19】図18のベルトの底面図である。
【図20】端から端まで可逆性のない本発明による代案の実施形態を示す底面図である。
【図21】閉じられた構造で真っ直ぐに移動している状態にある図18のベルトの端面図である。
【図22】スプロケット周りに回動する図18のベルトを示す端面図である。
【図23】平らな水平位置にある図18のベルトを示す拡大底面図である。
【図24】図18のベルトがスプロケットまたはドラム周りに回動している傾斜位置にある状態の拡大底面図である。
【図25】図23の一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1において、本発明のベルトモジュール20は、全体的に滑らかで平らな上部搬送面23を備えている。上部搬送面23は、矢印32で示されるベルトの移動方向に対し横方向に第1側端26から第2側端29まで延びている。上部搬送面23はまた、第1縁部38と、この第1縁部38と対向するように配置された第2縁部41とを備えている。第1縁部38および第2縁部41は、複数の締結端部と開口部により規定されている。第1縁部38はベルトの移動方向に対し横方向に延びる第1部位39を有する。第1部位39は、第1締結端部44まで延びている。第1締結端部44は上部搬送面23の一部を形成し、また円形終端部47を備えている。第1締結端部44は、横方向厚さを規定する一対の側壁50、53を有する。側壁53に隣接する締結端部44の側面には、上部搬送面23の範囲内に伸張開口部56が設けられている。この開口部56の対向端は、横方向厚さを規定する一対の側壁50および53を有する他の締結端部44により区切られている。締結端部44は、図2に示すベルト100を形成するように隣接するモジュールを枢動可能に接続するため、回転ロッド59を支持する横方向の回転ロッド開口部57(図10−11に最も示されている)を備えている。締結端部44と対向するモジュール20の側面には、対応開口部45が設けられている。隣接するモジュール20が図2に示すように挿入されると、締結端部44は開口部45と係合する。
【0009】
ベルトモジュール20はまた、延伸するプレート68を有する締結端部65を備えている。締結端部65およびプレート68は伸張開口部56よりも僅かに小さな幅を有し、これにより、隣接するモジュール20が挿入され回転ロッド59により接続されることで、スプロケット(図示せず)の周りに連接可能なベルト100を形成している。ベルトモジュール20はまた、幅広いプレート72に接続する締結端部70を包含する。締結端部70と幅広いプレート72は、図2および図3に示すように隣接するモジュール20の開口部75に係合する。
【0010】
図2を参照すると、ベルト100は、この開示に基づく当業者に公知なように、隣接するモジュール20を挿入し、横方向の回転ロッド開口部57(図3参照)を調心し、回転ロッド59(図3参照)を嵌合することで形成される。ベルト100は、ベルトモジュール20の間に食材が捕捉されるのを防止するため、最小限の隙間を有する近接する上面を形成している。ベルトモジュール20の側面にある締結端部44,65および70は、隣接するベルトモジュール20の対向側面にある対応する開口部45,69および75に挿入される。
【0011】
図3には、ベルト100の底部が示されている。長手方向リブ101が底面103に形成されている。負荷が掛かることによるベルトの望まれない弾力性を抑制するため、締結端部は可能な限りすぐ近くに配設されている。目的は、横断距離(transversal distance)Bを最小限に抑制することである。締結端部のこの形状により、回転ロッド59に作用するせん断力を締結端部間の大変小さな距離Bを包含する2枚の平面に集中させ、また、これによりロッドが撓むことを回避し、ベルトの弾力性を弱める。しかし、2つの隣接する締結部の締結間隔Aは、清掃を容易にするような十分な大きさにしておくべきである。締結間隔Aは、締結端部の傾斜する形状により生じる。締結部間の間隔Aは、隣接する締結端部の対向する側壁106,109により形成されている。これら側壁106,109は互いにほぼ平行であり、個々の締結端部にある他の側壁112,115に対して角度βを付けて設けられている。好適には角度βは約20°である。ベルト100が、スプロケットまたはドラム(図示せず)周りに回動するとき、ヒンジで連結された締結端部は回転ロッド59周りを回動し、ヒンジ間隔Aにより、いずれかの捕捉された残余物の開放を促進する。角度βが大きくなればなるほど、間隔Aは広くなる。傾斜側壁106,109と対向する側壁112,115は、ベルトの移動方向と平行であり、代案として、ここで説明されたことと同様に角度が付けられてもよい。対向する側壁の形状により締結形状を最適化するため、後方の締結端部で十分な締結厚さSを維持することができる。
【0012】
ベルト100の中央交差リブから前縁38、後縁41まで、モジュール20の底面は平坦であり、またはプレート形状の表面(図10Aおよび図11に最もよく示されている)が設けられている。このプレート形状の表面はベルトの移動方向に傾斜しており、締結端部間のベルト縁部で途切れている。図10Aに示すように、モジュール20のプレート形状部110は滑らかで僅かにくぼんだ背面を規定し、この背面はベルトの移動方向に対しモジュールを横切っている。
【0013】
図4から図5を参照すると、ベルト100がスプロケットまたはドラム周りに回動するとき、隙間120が隣接するモジュール20の縁部の間に形成されている。隙間120は、ベルト100がスプロケット周りに回動するときにヒンジ領域を清掃するための入口を提供する。
【0014】
図6では、モジュール間のピッチPは隣接するモジュール20上の、ベルトの移動方向にある同じポイント間の距離である。締結部間のピッチCは、隣接する締結端部上にある同じポイント間の最も長い距離である。締結端部の数を減らし、これにより間隔の数を減らすので、締結部間のピッチCはモジュール間のピッチPよりも大きい、または同等である。隙間120は、ベルト100が図6に示すように配置されるときに最大幅となる。図6において、ベルト100がスプロケットまたはドラム周りに回動するとき、ベルト100は回転ロッド59周りに回動する。締結間隔Aは、ベルト100がスプロケット周りに折れ曲がることにより広がる。
【0015】
図7には、底部斜視図が示されている。長手方向リブ101はモジュールの底面103から延び、スプロケット(図示せず)の歯部と係合するポイントが設けられている。長手方向リブ101は上壁123と、この上壁123の対向側から延びる一対の側壁126,129を備えている。側壁126および129は、モジュール20の底面103に向かって延びている。図示するように、側壁126および129はプレート形状部110と、リブ101から締結端部に向かって延びる滑らかな曲線状に交差している。代案として、側壁126および129はモジュール20の底面103まで延びてもよい。この底面103は、図10Bに示すように、および本開示に基づく当業者にとって公知なように、リブ101の基部と締結端部との間で平坦であってもよい。
【0016】
図8に、ベルト100の上部搬送面23が閉じられた状態のベルト100の底部を示す。ベルト100が直線軌道に沿って移動しているとき、隣接するモジュール20の間の隙間は最小であり、食材がベルト面を貫通することができるこの隙間が最小である。隣接するモジュールにある締結端部44の対向する側壁は、ベルトが図9に示すようにスプロケット周りに回動するときに拡大する締結間隔Aを規定する。
【0017】
図10Aに示すように、長手方向リブ101の側壁126,129は、曲線軌道に沿って締結端部まで延びるプレート形状部110と交差する。回転ロッド開口部57は長方形状に設けられており、モジュールの対向面にある回転ロッド開口部57が、同じおよび反対の角度に方向付けられている。結果として、回転ロッド周りに隙間が生じ、清掃を容易にする。図11に示すように、隙間はベルトがスプロケット周りを通過するときに拡大する。図10Bは、側壁172および174、上壁179を有し、平底面170まで延びている標準リブ178を備えた本発明の代案の実施形態を示す。
【0018】
図12から図16に、本発明の第2実施形態が示されている。ベルトモジュール200は、第1側端201と第2側端202とを備えている。上部搬送面205が前記側端201と202との間に延伸している。複数の第1締結端部203が、上部搬送面205から矢印215に示すベルトの移動方向に延びている。複数の第2締結端部209が前記と反対方向に延びている。複数の第1締結端部203が、隣接するモジュール200上の複数の第2締結端部209の間の空間に係合する。ベルトモジュール200は締結端部203,209の縁から延び、端部208と213とを有する板状伸張部207,220を備えている。この板状伸張部207,220は、隣接している締結端部203,209の間の約半分に延びるように採寸され、ベルト250がスプロケット周りに移動するときにジグザグ状の隙間を創出する。端部208の横方向幅Wもまた、当然に締結端部203の間の異なる割合の距離である。清掃特性はこの変形例でも同様であるが、それは締結端部への有利な成形および荷重配分からなる。締結端部227,229は側端201,202に、またはその近傍に配置されている。
【0019】
中央交差リブ230は、同様に横方向回転ロッド開口部235と間隔を隔てたモジュールの中心軸内にあり、どちらの側面からもオフセットしている。交差リブ230は、スプロケットと係合することによりベルトを駆動するように機能する。更にそれは、モジュールへのリンク結合を強固にし、搬送されるより重い積み荷の衝撃によりよく適合する。
【0020】
図13および図14において、回転ロッド254により連結されたモジュール200で構成されたベルト250は、スプロケット(図示せず)周りに移動するように示されている。隙間255は、板状伸張部207,220と、隣接する締結端部203,209間の開口部との間に開口している。
【0021】
図15および図16を参照すると、長手方向リブ270が底面273に形成されている。負荷が掛かることによるベルトの望まれない弾力性を抑制するため、締結端部は可能な限りすぐ近くに配設されている。目的は、横断距離Bを最小限に抑制することである。締結端部のこの形状により、回転ロッド254に作用するせん断力を締結端部間の大変小さな距離Bを包含する2枚の平面に集中させ、また、これによりロッドが撓むことを回避し、ベルトの弾力性を弱める。しかし、2つの隣接する締結部の締結間隔Aは、清掃を容易にするような十分な大きさにしておくべきである。締結間隔Aは、締結端部の傾斜する形状により生じる。締結部間の間隔Aは、隣接する締結端部の対向する側壁280,283により形成されている。これら側壁280,283は互いにほぼ平行であり、個々の締結端部にある他の側壁287,288に対して角度βを付けて設けられている。好適には角度βは約20°である。ベルト250が、スプロケットまたはドラム(図示せず)周りに回動するとき、ヒンジで連結された締結端部は回転ロッド254の周りを回動し、ヒンジ間隔Aにより、いずれかの捕捉された残余物の開放を促進する。角度βが大きくなればなるほど、間隔Aは広くなる。傾斜側壁287,288と対向する側壁280,283は、ベルトの移動方向と平行であり、代案として、ここで説明されたことと同様に角度が付けられてもよい。対向する側壁の形状により締結形状を最適化し、後方の締結端部で十分な締結厚さSを維持することができる。
【0022】
図17には、代案の実施形態が、全ての側壁292,294,296,298が互いに平行に配設されるように形成された締結端部と共に示されている。このような態様に側壁を配置することにより、締結端部の厚さTは底面上に均一に保たれている。
【0023】
図18から図25を参照すると、本発明による他の実施形態が示されている。図18には、一対の、端から端まで可逆的な(reversible)モジュール300,301が示されている。このようなモジュールは、特に幅の広いチェーンとして使用され、煉瓦状に連接されたベルトの同じ列にあるモジュール間の隙間を排除することができる。代案として、モジュール300,301は、煉瓦状に連接されたベルトを製造するために使用されてもよい。モジュール300,301は、第1側端307から第2側端309まで延びる閉じられた上面308を備えている。前縁部311は、隣接するモジュールの横方向部を受け入れるため、代案の横方向部314と開口部317とを有する。後縁部320は、連続する横方向部314および開口部317まで案内する凹部323を包含する。後縁部320から延び、締結端部303および306が2つ一組で第1面390により連結され配設されている。前縁部311から延び、締結端部304と305とが第2面393により連結されている。第1面390および第2面393は細長く、モジュール300,301の上面308と同一平面にある上面394を有する。従って、第1面390および第2面393は締結端部により両側で支持されている。この配置により、第1面390および第2面393には、大きな耐衝撃性が付与される。モジュール300,301には、長手方向リブ318(図19参照)が設けられてもよい。
【0024】
荷重が掛かるベルトの望まれない弾力性を抑制するために、幅広い間隔を設けた画一的な締結部は回避されている。それどころか、隣接するモジュール300,301(図19参照)にある締結端部303,305は、可能な限り互いに近接するように設けられている。大きな空間312が、1組の間に設けられ開口している。目的は、図25に示す横方向距離bを最小限まで、すなわち理想的にはゼロ近くまで抑制することである。この形状により、回転ロッド330に作用するせん断力を締結端部間の大変小さな距離bを包含する2枚の平面に集中させ、また、これによりロッドが撓むことを回避し、ベルトの弾力性を弱める。しかし、相互接続されたモジュール300,301の隣接または近接する締結部303,305の締結間隔A(図24および図25参照)は、清掃を容易にするような十分な大きさにしておくべきである。この特徴は、締結部の特別に角度付けられた形状により達成される。締結部間の切れ目は図25に示すように、角度βをなし、全体的に平行な関係にある。この角度は少なくとも20°であることが好ましい。ベルトがスプロケットまたはドラム(図示せず)の周りに移動するとき、ヒンジ締結部は回転ロッド330の周りを回動しヒンジ間隔Aが増加することで、いずれかの捕捉された残余物を開放する。角度βが大きくなればなるほど、間隔Aは広くなる。傾斜面340と対向する締結面335は、図16に関して上述したベルトの移動方向に平行であり、または代案として図25に最もよく示すものと同じように角度付けられてもよい。この差異により、締結部形状を最適化するため、後方締結端部360で十分な締結厚さSを保つ。締結部の後方端部360がモジュールプレートに接続する点から、背面355がベルトの移動方向に傾斜し、締結部間の縁部365で終端している。モジュールのこの板状部は、滑らかで僅かにくぼんだ背面355を規定し、この背面355が露出ロッド330の検査および清掃のための実現可能な最良の通路を提供する。隣接するように締結されたモジュール本体と対向する縁部365は、ベルトがスプロケットまたはドラム周りに移動するとき、クリーニング液およびヒンジ領域内に集積した残余物を簡単に移動させる通路のため、間隔Aを開口するように形作られている。
【0025】
図20には、端から端まで可逆性が無く、それゆえ煉瓦状に連接することができないモジュールの代案の実施形態が示されている。締結端部403,406,409,412を有する一対のモジュール400,401はそれぞれ、回転ロッド415により連結されている。モジュールが連結され、締結端部が挿入されるとき、締結端部は上述したように2つ一組で配設されている。
【0026】
本発明は所定の実施形態に関連付けて説明したが、発明の範囲を説明された特定の形状に限定する意図はなく、それどころか、添付特許請求の範囲に規定される発明の範囲に包含されるような代案、改良例および均等物に及ぶことを意図している。
【符号の説明】
【0027】
20,200,300,301,400,401 ベルトモジュール
23,205,308 上部搬送面
26,201,307 第1側端
29,202,309 第2側端
44,65,70,203,303,306,403,406 第1締結端部
44,65,70,209,304,305,409,412 第2締結端部
50,53 側壁
57 横方向回転ロッド開口部
59,254,330,415 回転ロッド
68,72,207,390 第1伸張プレート
68,72,220,393 第2伸張プレート
103,273 底面
394 表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1側端(26,201,307)から第2側端(29,202,309)まで延び、上部搬送面(23,205,308)と底面(103,273)とを有する中間部材と、
横方向厚さ(S,T)を規定する一対の側壁(50,53)を有する第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)であって、該第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、前記中間部材からベルトの移動方向に延び、少なくとも1つの前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、該第1締結端部から延びる第1伸張プレート(68,72,207,390)を有し、該第1伸張プレート(68,72,207,390)は前記上部搬送面(23,205,308)と同一平面上にある表面(394)を有する、複数の第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)と、
横方向厚さを規定する一対の側壁を有する第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)であって、該第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)は前記中間部材から前記複数の第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)と反対方向に延び、少なくとも1つの第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)は該第2締結端部から延びる第2伸張プレート(68,72,220,393)を有し、該第2伸張プレート(68,72,220,393)は前記上部搬送面(23,205,308)と同一平面上にある表面(394)を有する、複数の第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)と、
を備え、
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、モジュール(20,200,300,301,400,401)がベルト(100,250)を形成するために挿入されるときに、隣接する前記モジュール(20,200,300,301,400,401)の前記第2締結端部間の開口(45,56,75,211,317)に嵌合することができ、前記隣接するモジュール(20,200,300,301,400,401)の第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)と第2締結端部とが横方向に互いに近接するように配設されていることを特徴とするベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項2】
前記第1締結端部(303,306,403,406)は前記第1伸張プレート(390)により連結された2つ一組で配設され、
前記第2締結端部(304,305,409,412)は前記第2伸張プレート(393)により連結された2つ一組で配設されたことを特徴とする請求項1に記載のベルトモジュール(300,301,400,401)。
【請求項3】
前記モジュール(20,200,300,301,400,401)は更に、長手方向リブ(101,178,230,270,318)を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項4】
前記モジュール(20,200,300,301)は、煉瓦状に連接可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301)。
【請求項5】
前記モジュール(20,200,300,301,400,401)は、チェーンを形成するために全幅にわたって延びていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項6】
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)および第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)は、互いにほぼ平行に設けられた側壁を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項7】
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)および第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)の側壁は、鋭角に設けられたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項8】
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、前記ベルトの移動方向に対して角度(β)に設けられたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項9】
前記角度(β)は15°から30°であることを特徴とする請求項8に記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項10】
前記角度(β)は約20°であることを特徴とする請求項9に記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項11】
一対の側壁(50,53)の間に延びる横方向回転ロッド開口部(57)を有する請求項1から10のいずれかに記載の第1ベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)と、
一対の側壁(50,53)の間に延びる横方向回転ロッド開口部(57)を有する請求項1から10のいずれかに記載の第2ベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)と、
挿入されたベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)の位置決めされた前記横方向回転ロッド開口部(57)を介して設けられた回転ロッド(59,254,330,415)と、
を備えたことを特徴とするモジュール搬送ベルト(100,250)。
【請求項1】
第1側端(26,201,307)から第2側端(29,202,309)まで延び、上部搬送面(23,205,308)と底面(103,273)とを有する中間部材と、
横方向厚さ(S,T)を規定する一対の側壁(50,53)を有する第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)であって、該第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、前記中間部材からベルトの移動方向に延び、少なくとも1つの前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、該第1締結端部から延びる第1伸張プレート(68,72,207,390)を有し、該第1伸張プレート(68,72,207,390)は前記上部搬送面(23,205,308)と同一平面上にある表面(394)を有する、複数の第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)と、
横方向厚さを規定する一対の側壁を有する第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)であって、該第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)は前記中間部材から前記複数の第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)と反対方向に延び、少なくとも1つの第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)は該第2締結端部から延びる第2伸張プレート(68,72,220,393)を有し、該第2伸張プレート(68,72,220,393)は前記上部搬送面(23,205,308)と同一平面上にある表面(394)を有する、複数の第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)と、
を備え、
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、モジュール(20,200,300,301,400,401)がベルト(100,250)を形成するために挿入されるときに、隣接する前記モジュール(20,200,300,301,400,401)の前記第2締結端部間の開口(45,56,75,211,317)に嵌合することができ、前記隣接するモジュール(20,200,300,301,400,401)の第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)と第2締結端部とが横方向に互いに近接するように配設されていることを特徴とするベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項2】
前記第1締結端部(303,306,403,406)は前記第1伸張プレート(390)により連結された2つ一組で配設され、
前記第2締結端部(304,305,409,412)は前記第2伸張プレート(393)により連結された2つ一組で配設されたことを特徴とする請求項1に記載のベルトモジュール(300,301,400,401)。
【請求項3】
前記モジュール(20,200,300,301,400,401)は更に、長手方向リブ(101,178,230,270,318)を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項4】
前記モジュール(20,200,300,301)は、煉瓦状に連接可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301)。
【請求項5】
前記モジュール(20,200,300,301,400,401)は、チェーンを形成するために全幅にわたって延びていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項6】
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)および第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)は、互いにほぼ平行に設けられた側壁を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項7】
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)および第2締結端部(44,65,70,209,304,305,409,412)の側壁は、鋭角に設けられたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項8】
前記第1締結端部(44,65,70,203,303,306,403,406)は、前記ベルトの移動方向に対して角度(β)に設けられたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項9】
前記角度(β)は15°から30°であることを特徴とする請求項8に記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項10】
前記角度(β)は約20°であることを特徴とする請求項9に記載のベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)。
【請求項11】
一対の側壁(50,53)の間に延びる横方向回転ロッド開口部(57)を有する請求項1から10のいずれかに記載の第1ベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)と、
一対の側壁(50,53)の間に延びる横方向回転ロッド開口部(57)を有する請求項1から10のいずれかに記載の第2ベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)と、
挿入されたベルトモジュール(20,200,300,301,400,401)の位置決めされた前記横方向回転ロッド開口部(57)を介して設けられた回転ロッド(59,254,330,415)と、
を備えたことを特徴とするモジュール搬送ベルト(100,250)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2010−534175(P2010−534175A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517248(P2010−517248)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000320
【国際公開番号】WO2009/012608
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(591270796)ハバシット アクチエンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000320
【国際公開番号】WO2009/012608
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(591270796)ハバシット アクチエンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】
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