説明

清掃具

【課題】 簡易な構成になった人の手に支えられ物体の面に清掃するための清掃具を提供しようとする。
【解決手段】
従来の人の手に支えられ物体の表面を清掃するための清掃具にかわって、手の甲の側を覆う手の甲側部材と手の平の側を覆う手の平側部材とを有する第一部材と、弾性のある素材ででき輪状になった第二部材と、を備え、前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って接合されて手を挿入できる中空空間を形成し、前記第二部材が前記中空空間の手首に対応する場所に位置し、前記第二部材の輪状の形状の互いに離間した2箇所が前記手の甲側部材と前記手の平側部材の前記中空空間を形成する内面の左右均等に分ける箇所とに各々に接合する、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の手に支えられ物体の面に清掃するための清掃具にかかるものである。
【背景技術】
【0002】
物体の表面に洗浄したいことがある。
例えば、自動車のボデーの表面を洗剤液を用いて洗浄する。
一般には、清掃具に洗浄液を含ませて、手で保持した清掃具で自動車の表面をなぞる。
【0003】
自動車のボデーの塗装面を傷めない様に、清掃することが望まれる。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3109888号
【特許文献2】特開2000−116583号
【特許文献3】特開2003−052600号
【特許文献4】特開2007−029115号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた要望に鑑み案出されたもので、簡易な構成になった人の手に支えられ物体の面に清掃するための清掃具を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る人の手に支えられ物体の表面を清掃するための清掃具を、手の甲の側を覆う手の甲側部材と手の平の側を覆う手の平側部材とを有する第一部材と、弾性のある素材ででき輪状になった第二部材と、を備え、前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って接合されて手を挿入できる中空空間を形成し、前記第二部材が前記中空空間の手首に対応する場所に位置し、前記第二部材の輪状の形状の互いに離間した2箇所が前記手の甲側部材の前記中空空間を形成する内面の左右均等に分ける箇所と前記手の平側部材の前記中空空間を形成する内面の左右均等に分ける箇所とに各々に接合する、ものとした。
【0007】
上記本発明の構成により、第一部材が、手の甲の側を覆う手の甲側部材と手の平の側を覆う手の平側部材とを有する。第二部材が、弾性のある素材ででき輪状になったものである。前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って接合されて、手を挿入できる中空空間を形成する。前記第二部材が前記中空空間の手首に対応する場所に位置する。前記第二部材の輪状の形状の互いに離間した2箇所が前記手の甲側部材の前記中空空間を形成する内面の左右均等に分ける箇所と前記手の平側部材の前記中空空間を形成する内面の左右均等に分ける箇所とに各々に接合する。
その結果、手を第二部材の輪状の形状の中を通して前記中空空間に挿入すると清掃具が脱げにくく、さらに第一部材の輪郭でできた形状を維持して手の平の側で物体の表面を清掃できる。
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係る清掃具を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0009】
本発明の実施形態に係る清掃具は、前記手の甲側部材が表面を外側に露出した手の甲側外部材を有し、前記手の平側部材が天然または人工の毛皮の素材ででき毛のある面を外側に露出した手の平側外部材を有し、前記手の甲側外部材の外側に露出する表面と前記手の平側外部材の毛のある面とが接触する様に前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われて接合されている。
上記の実施形態の構成により、前記手の甲側部材の手の甲側外部材が、表面を外側に露出する。前記手の平側部材の手の平側外部材が、天然または人工の毛皮の素材ででき毛のある面を外側に露出する。前記手の甲側外部材の外側に露出する表面と前記手の平側外部材の毛のある面とが接触する様に前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われて接合されている。
その結果、手を前記中空空間に挿入して清掃具を物体の面に沿って移動すると、第一部材の手の平側部材と手の平側部材との接合した箇所が物体の表面に接触しにくくなり、物体の表面に傷をつけるのを抑制できる。
【0010】
本発明の実施形態に係る清掃具は、前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って僅かに手の甲の側の中心に寄った位置で縫われて接合されている。
上記の実施形態の構成により、前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って僅かに手の甲の側の中心に寄った位置で縫われて接合されている。
その結果、手を前記中空空間に挿入して前記手の平外部材の毛のある面を物体の面に沿って移動すると、第一部材の手の甲側部材が物体の表面に接触しにくくなり、物体の表面に傷をつけるのを抑制できる。
【0011】
本発明の実施形態に係る清掃具は、前記手の甲側部材が粗い編目状の素材ででき、前記手の平側部材が粗い編目状の素材ででき前記中空空間を形成する手の平側内部材を有する。
上記の実施形態の構成により、前記手の甲側部材が粗い編目状の素材でできる。前記手の平側部材の手の平側内部材が、粗い編目状の素材ででき、前記中空空間を形成する。
その結果、毛皮が液体を含んだときに、液体が粗い編目状の素材を通して排出されやすくなる。
【0012】
本発明の実施形態に係る清掃具は、前記第一部材が先端部に左右均等になる様に割れ目を設けられている。
上記の実施形態の構成により、前記第一部材が先端部に左右均等になる様に割れ目を設けられている。
その結果、前記割れ目の先端の幅が第一部材の幅より狭くなり、物体の狭い箇所を効率良く清掃できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る清掃具とは、その構成により、以下の効果を有する。
手首に対応する箇所を除いて手の輪郭に沿って連結された前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが中空空間を形成し、輪状の第二部材が中空空間の手首に対応する場所に位置し、第二部材の離間した2箇所を前記手の甲側部材と前記手の平側部材との左右均等に分けた箇所に各々に接合する様にしたので、手を第二部材の輪状の形状の中を通して前記中空空間に挿入すると清掃具が脱げにくく、さらに第一部材の形状を維持して手の平側部材で物体の表面を清掃できる。
また、前記手の甲側外部材の外側に露出する表面と毛皮でできた前記手の平側外部材の毛のある面とが接触する様に前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われて接合されている様にしたので、手を前記中空空間に挿入して清掃具を物体の面に沿って移動すると、第一部材の手の甲側部材と手の平側部材との接合した箇所が物体の表面に接触しにくくなり、物体の表面に傷をつけるのを抑制できる。
また、前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って僅かに手の甲の側の中心に寄った位置で縫われて接合されている様にしたので、手を前記中空空間に挿入して前記手の平外部材の毛のある面を物体の面に沿って移動すると、第一部材の手の甲側部材が物体の表面に接触しにくくなり、物体の表面に傷をつけるのを抑制できる。
また、前記手の甲側外部材が粗い編目状の素材ででき、前記手の平側部材の手の平側内部材が粗い編目状の素材ででき前記中空空間を形成する様したので、毛皮が液体を含んだときに、液体が粗い編目状の素材を通して排出されやすくなる。
また、前記第一部材が先端部に左右均等になる様に割れ目を設けられている様したので、前記割れ目の先端の幅が第一部材の幅より狭くなり、物体の狭い箇所を効率良く清掃できる。
従って、簡易な構成になった人の手に支えられ物体の表面を清掃するための清掃具を提供しようとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0015】
最初に、本発明の実施形態にかかる清掃具を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る清掃具の平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る清掃具の底面図である。図3は、本発明の実施形態に係る清掃具のA−A矢視図である。図4は、本発明の実施形態に係る清掃具のB−B断面図である。図5は、本発明の実施形態に係る清掃具の説明用平面図である。
【0016】
本発明の実施形態にかかる清掃具は、人の手に支えられ物体の表面を清掃するための道具であって、第一部材10と第二部材20とで構成される。
【0017】
第一部材10は、手の甲の側を覆う手の甲側部材11と手の平の側を覆う手の平側部材12とを有する。
手の甲側部材11と手の平側部材12とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って接合されて、手を挿入できる中空空間Hを形成する。
第一部材10が、先端部に左右均等になる様に割れ目Gを設けられていてもよい。
【0018】
手の甲側部材11が、表面を外側に露出した手の甲側外部材11aを有してもよい。
手の甲側外部材11aが、粗い編目状の素材でできた布状の部材である。
手の甲側外部材11aの裏面が、中空空間Hを形成してもよい。
【0019】
手の平側部材12が、手の平側外部材12aを有してもよい。手の平側外部材12aは、天然または人工の毛皮の素材ででき毛のある面を外側に露出した部材である。
例えば、毛皮はムートンである。
手の平側外部材12aの裏面が、中空空間Hを形成していてもよい。
また、手の平側部材12が、手の平側外部材12aと手の平内部材12bとを有してもよい。
手の平側内部材12bは、粗い編目状の素材ででき中空空間を形成する部材である。手の平側内部材12bの表面が、中空空間Hを形成する。
手の甲側外部材11aの外側に露出する表面と手の平側外部材12aの毛のある面とが接触する様に、手の甲側部材11と手の平側部材12とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われて接合されていてもよい。
図1と図4は、手の甲側外部材11aの外側に露出する表面と手の平側外部材12aの毛のある面とが接触する様に、手の甲側部材11と手の平側部材12とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われている様子を示している。
【0020】
手の甲側外部材11aの外側に露出する表面と手の平側外部材12aの毛のある面とが接触する様に、手の甲側部材11と手の平側部材12とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って手の甲の側の中心に寄った位置で縫われて接合されてもよい。
図5は、理解の容易のために、仮に手の平側外部材12aの表面から毛を除いた状態の清掃具を示す。
図5には、手の甲側部材11と手の平側部材12との接合した線である接合線13が手の輪郭に沿って手の甲の側の中心に寄った位置にあることを示されている。
【0021】
第二部材20は、弾性のある素材ででき輪状になった部材である。
例えば、第二部材20は、伸縮自在な弾性ひもを輪状にしたものである。
第二部材20が、中空空間Hの手首に対応する場所に位置する。
第二部材20の輪状の形状の互いに離間した2箇所が、手の甲側部材11の中空空間Hを形成する内面を左右均等に分ける箇所と手の平側部材12の中空空間Hを形成する内面を左右均等に分ける箇所とに各々に接合する。2箇所を除く残りの部分は、第一部材10に固定されていない。
図1と図3は、第一部材10と第二部材20との接合部30が、手首に対応する上下1対の箇所に設けられた縫い目であるのを示している。
【0022】
以下に、本発明の実施形態にかかる清掃具の使用方法を説明する。
自動車のボデーを洗浄する場合を例に説明する。
手を中空空間Hに差し込み、清掃具の第二部材の輪状の形状が手首に巻く様にする。
手の平側部材12に水、洗剤を含んだ水を含ませて、自動車のボデーの表面をなぞる。
【0023】
本発明の実施形態に係る清掃具は、その構成により、以下の効果を有する。
手首に対応する箇所を除いて手の輪郭に沿って連結された手の甲側部材11と手の平側部材12とが中空空間Hを形成し、輪状の第二部材20が中空空間Hの手首に対応する場所に位置し、第二部材20の離間した2箇所を手の甲側部材11と手の平側部材12との左右均等に分けた箇所に各々に接合する様にしたので、手首を第二部材20の輪状の形状の中を通して手を中空空間Hに挿入すると清掃具が脱げにくく、さらに第一部材10の形状を維持して手の平側部材12で物体の表面を清掃できる。
また、手の甲側外部材11aの外側に露出する表面と毛皮でできた手の平側外部材12aの毛のある面とが接触する様に手の甲側部材11と手の平側部材12とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われて接合されている様にしたので、手を中空空間Hに挿入して清掃具を物体の面に沿って移動すると、第一部材10の手の甲側部材11と手の平側部材12との接合した箇所が物体の表面に接触しにくくなり、物体の表面に傷をつけるのを抑制できる。
また、手の甲側部材11と手の平側部材12とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って僅かに手の甲の側の中心に寄った位置で縫われて接合されている様にしたので、手を中空空間Hに挿入して手の平側外部材12aの毛のある面を物体の面に沿って移動すると、第一部材の手の甲側部材が物体の表面に接触しにくくなり、物体の表面に傷をつけるのを抑制できる。
また、手の甲側部材11が粗い編目状の素材でできる様にしたので、毛皮が液体を含んだときに、液体が粗い編目状の素材を通して排出されやすくなる。
また、手の平側部材12の手の平側内部材12bが粗い編目状の素材ででき中空空間Hを形成する様したので、毛皮が液体を含んだときに、液体が粗い編目状の素材を通して排出されやすくなる。
また、第一部材10が先端部に左右均等になる様に割れ目Gを設けられている様したので、割れ目の先端の幅が第一部材の幅より狭くなり、物体の狭い箇所を効率良く清掃できる。
【0024】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
例えば、毛皮をムートンであるとして説明したがが、これに限定されず、毛皮は他の動物の毛皮でもよく、人工のものであってもよい。
また、第二部材20があることを前提にしたが、これに限定されず、第二部材20がなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る清掃具の平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る清掃具の底面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る清掃具のA−A矢視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る清掃具のB−B断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る清掃具の説明用平面図である。
【符号の説明】
【0026】
H 中空空間
G 割れ目
10 第一部材
11 手の甲側部材
11a 手の甲側外部材
12 手の平側部材
12a 手の平側外部材
12b 手の平側内部材
13 接合線
20 第二部材
30 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の手に支えられ物体の表面を清掃するための清掃具であって、
手の甲の側を覆う手の甲側部材と手の平の側を覆う手の平側部材とを有する第一部材と、
弾性のある素材ででき輪状になった第二部材と、
を備え、
前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って接合されて手を挿入できる中空空間を形成し、
前記第二部材が前記中空空間の手首に対応する場所に位置し、
前記第二部材の輪状の形状の互いに離間した2箇所が前記手の甲側部材の前記中空空間を形成する内面を左右均等に分ける箇所と前記手の平側部材の前記中空空間を形成する内面を左右均等に分ける箇所とに各々に接合する、
ことを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記手の甲側部材が表面を外側に露出した手の甲側外部材を有し、
前記手の平側部材が天然または人工の毛皮の素材ででき毛のある面を外側に露出した手の平側外部材を有し、
前記手の甲側外部材の外側に露出する表面と前記手の平側外部材の毛のある面とが接触する様に前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って縫われて接合されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
前記手の甲側部材と前記手の平側部材とが手首に対応する箇所を残して手の輪郭に沿って手の甲の側の中心に寄った位置で縫われて接合されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記手の甲側外部材が粗い編目状の素材ででき、
前記手の平側部材が粗い編目状の素材ででき前記中空空間を形成する手の平側内部材を有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の清掃具。
【請求項5】
前記第一部材が先端部に左右均等になる様に割れ目を設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−131211(P2010−131211A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310310(P2008−310310)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000227331)株式会社ソフト99コーポレーション (84)
【Fターム(参考)】