説明

清掃具

【課題】床面等の被清掃面の清掃を行う際に、清掃シートに液剤を供給して適度な湿潤状態を安定して保持できると共に、液剤の入れ替えを簡単な操作で行うことができ、また新しい液剤が古い液剤と混合されるのを回避できる清掃具を提供する。
【解決手段】清掃ヘッド11と柄12とからなり、清掃ヘッド11に清掃シートを取着して用いる清掃具10であって、清掃ヘッド11に設けたカートリッジ係着手段13に徐放カートリッジ16が着脱交換可能に取り付けられ、該徐放カートリッジ16は液収容部14と液徐放部15とを備え、且つ該徐放カートリッジ16 が清掃ヘッド11に取り付けられた状態で、液徐放部15の端部15cと清掃ヘッド11の最下部とが清掃シートを介して被清掃面に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ヘッドと柄とからなり、清掃ヘッドに清掃シートを取着して用いる清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃ヘッドと柄とからなる清掃具であって、清掃ヘッドの清掃クッション部に例えば液体洗浄剤やワックス等の液剤を供給して、当該清掃クッション部や清掃クッション部に取着した清掃シートを湿った状態とすることにより、床面等の被清掃面の清掃や仕上げを効率良く行えるようにした清掃具が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0003】
ここで、特許文献1の清掃具は、清掃ヘッドに液剤を密封収容したボトルを設け、ボトルに圧力を加えることにより、吐出バルブを介して塗布用パッド(清掃クッション部)に液剤を供給して、液剤を床面等の被清掃面に塗布するものである。また、特許文献2の清掃具は、清掃ヘッドに清掃液貯留容器を設け、清掃液貯留容器に圧力を加えることにより、清掃液貯留容器から清掃ヘッドに取着した清掃シートに液剤を供給して、清掃シートを湿潤状態にするものである。さらに、特許文献3の清掃具は、清掃ヘッドの底面に設けた液体吸収性の材質からなる支持体に溜めた液剤を、清掃ヘッドに取着した清掃シートに供給して、清掃シートの湿った状態を保持するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−70205号公報
【特許文献2】特表2005−528941号公報
【特許文献3】特開平2−180237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、清掃クッション部や清掃シートを湿った状態として床面等の被清掃面の清掃や仕上げを行うようにした上記従来の清掃具では、特許文献1のものは、ボトルに圧力を加えた際に液剤を被清掃面に必要以上に塗布してしまう場合がある。またボトルに液剤を入れ替えて使用する際の操作に手間がかかると共に、異なる液剤を入れ替える場合には、交換後の液剤が、塗布用パッドに浸透した交換前の液剤と混合される。特許文献2の清掃具も、清掃液貯留容器に圧力を加えた際に液剤を被清掃面に必要以上に塗布してしまう場合があり、また清掃液貯留容器に異なる液剤を入れ替えて使用する際の操作に手間がかかる。特許文献3の清掃具は、液体吸収性の材質からなる支持体に液剤を溜める操作に手間がかかり、また異なる液剤を入れ替えて使用する際に、交換後の液剤が、支持体に浸透した交換前の液剤と混合される。
【0006】
本発明は、床面等の被清掃面の清掃や仕上げを行う際に、清掃シートに液剤を徐々に供給して適度な湿潤状態を安定して保持することができると共に、液剤の入れ替えを簡単な操作で行うことができ、また異なる液剤を入れ替えて使用する際に交換後の液剤が交換前の液剤と混合されるのを効果的に回避することのできる清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、清掃ヘッドと柄とからなり、清掃ヘッドに清掃シートを取着して用いる清掃具であって、前記清掃ヘッドに設けたカートリッジ係着手段に徐放カートリッジが着脱交換可能に取り付けられ、該徐放カートリッジは液収容部と液徐放部とを備え、且つ該徐放カートリッジが前記清掃ヘッドに取り付けられた状態で、前記液徐放部の端部と前記清掃ヘッドの最下部とが清掃シートを介して被清掃面に接触する清掃具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の清掃具によれば、床面等の被清掃面の清掃や仕上げを行う際に、清掃シートに液剤を徐々に供給して適度な湿潤状態を安定して保持することができると共に、液剤の入れ替えを簡単な操作で行うことができ、また異なる液剤を入れ替えて使用する際に、交換後の液剤が交換前の液剤と混合されるのを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具の(a)は要部側面図、(b)は(a)のA−Aに沿った要部上面図、(c)は要部底面図である。
【図2】(a)は徐放カートリッジを例示する部分破断側面図、(b)は(a)のB−Bに沿った断面図である。
【図3】徐放カートリッジの清掃ヘッドへの取り付け状況を説明する要部斜視図である。
【図4】カートリッジ係着手段の一例を説明する図3のC−Cに沿った断面図である。
【図5】カートリッジ係着手段の他の例を説明する図3のC−Cに沿った断面図である。
【図6】(a),(b)は、液補給タンクから徐放カートリッジの液収容部に液剤を補給する状況を説明する要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1(a)〜(c)に示す本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具10は、清掃ヘッド11に着脱交換可能に取着される使い捨て用の清掃シート(図示せず。)を液体洗浄剤やワックス等の液剤によって湿らせた状態で、例えば床面を被清掃面として清掃作業や仕上げ作業を行う際に用いられる。また、本第1実施形態の清掃具は、例えば家庭内の一回の清掃作業に必要な20〜50cc程度の液剤を、使用者の嗜好や清掃作業の種類等に応じて、その都度入れ替えつつ常時新しい状態で使用できるようにすると共に、香気や物性等の異なる液剤を適宜選定して、手軽に交換しながら使用できるようにするために採用されたものである。
【0011】
そして、本実施形態の清掃具10は、清掃ヘッド11と柄12とからなり、清掃ヘッド11に清掃シート(図示せず。)を取着して用いる清掃具であって、清掃ヘッド11に設けたカートリッジ係着手段13(図4,図5参照)に徐放カートリッジ16(図2(a),(b)参照)が着脱交換可能に取り付けられ、該徐放カートリッジ16は液収容部14と液徐放部15とを備え、且つ該徐放カートリッジ16が清掃ヘッド11に取り付けられた状態で、液徐放部15の端部15cと清掃ヘッド11の最下部とが清掃シートを介して被清掃面に接触するようになっている。尚、清掃ヘッド 11(清掃クッション部17)の底面17aが中央に突出した湾曲形状で形成されている場合や、清掃ヘッド11(清掃クッション部17)の底面17aが凹凸形状である場合には、清掃ヘッド11の最下部が、徐放カートリッジ16の端部15cと共に清掃シート(図示せず)を介して被清掃面に接触するようになっている。
【0012】
また、本実施形態では、清掃ヘッド11は、清掃クッション部17を備え、徐放カートッリッジ16の液徐放部15の端部15cが清掃時の清掃ヘッドへ11の押圧により清掃クッション部11の最下部と共に清掃シートを介して被清掃面に接触するようになっている。
【0013】
さらに、本実施形態では、徐放カートリッジ16は、清掃ヘッド11の一部であって清掃ヘッド11の下面側の凹部又は清掃ヘッド11の上面側から下面側に貫通する貫通穴として開口された領域に取り付けられ、好ましくは液収容部14が清掃ヘッド11の厚さtの中に納められた状態で清掃ヘッド11に取り付けられている。
【0014】
本実施形態では、清掃ヘッド11と柄12は、公知の各種のユニバーサルジョイント18を介して連結されていることにより、例えば合成樹脂製のパイプ部材からなる柄12は、清掃ヘッド11に対してその向きを前後方向での垂直面に沿って変えるだけでなく、前後左右の4方向へ変えることができると共に、360°のいずれの方向に対しても回動でき、しかも清掃ヘッド11のヘッド角を調整できるようなっている。
【0015】
本実施形態では、清掃ヘッド11は、略矩形平面形状を備えるように成形された合成樹脂製のヘッド本体19の下面側に、底面17aが概ね平坦な略矩形平面形状の弾性面となった清掃クッション部17を装着して形成される。ヘッド本体19の上面部の中央部分には、ユニバーサルジョイント18を介して柄12が連結しており、清掃時に柄12からの押圧を受けて、清掃クッション部17の底面17aは、清掃シートを介在させつつ被清掃面に適度な押圧力で押し付けられた状態で接触する。また、ヘッド本体19の上面部には、ジグザグ状のスリット20aやストレート状のスリット20bが形成された柔軟な弾性材料からなる公知のシート保持部20が、当該上面部の周縁部分に配置されて4箇所に設けられている。例えば下面側の清掃クッション部17を覆うようにして清掃シートを清掃ヘッド11に巻き付けた後に、清掃シートの端縁部を、スリット20a、20bを開いてシート保持部20に押し込むことにより、清掃シートが清掃ヘッド11に着脱交換可能に容易に取着されるようになっている。
【0016】
さらに、ヘッド本体19の上面部には、両端部にカートリッジ係着手段13を備えるカートリッジ係着溝21が、ユニバーサルジョイント18と、略矩形平面形状の一方の長辺に沿った部分に配設されたシート保持部20との間に配置されて、略矩形平面形状の長手方向の略全長に亘って開口形成されている。カートリッジ係着溝21は、清掃クッション部17を含めて清掃ヘッド11の厚さtを貫通して設けられる。これによって、カートリッジ係着溝21に着脱交換可能に取り付けられる徐放カートリッジ16の液徐放部15の端部15cが、清掃クッション部17の底面17aに臨むようにして、当該底面17aと面一又は略面一に配置される。
【0017】
本実施形態では、カートリッジ係着溝21に着脱交換可能に取り付けられる徐放カートリッジ16は、図2(a),(b)に示すように、係着蓋14aによって両端が閉塞されると共に、下端部に内側に折れ曲がった係止リブ14bを備える略倒立U字形の断面形状を有する管状タンク部分である合成樹脂製の液収容部14と、略T字形の断面形状を有する、例えばフェルト、連泡スポンジ、パルプ、不織布等からなる液徐放部15とによって構成される。液徐放部15は、略T字形の断面形状の天面部15aを、係止リブ14bに支持させて液収容部14の内部に配置すると共に、略T字形の断面形状の脚部15bを、両側の係止リブ14bの間から下方に突出させた状態で、液収容部14に取り付けられる。これらによって、徐放カートリッジ16は、側面から見た形状が帯板形状を有するように形成される。
【0018】
また、液収容部14の内部には、これの天端部の内側から下方に延設されて、サポートリブ14cが、液収容部14の軸方向に間隔をおいて複数設けられている。サポートリブ14cは、その先端を液徐放部15の天面部15aの天面に当接させて、清掃時に清掃ヘッド11に負荷される押圧力によって、液徐放部15が液収容部14の内部に過度に押し込まれるのを防止する。さらに、徐放カートリッジ16の液収容部14には、例えば20〜50cc程度の液剤が収容されており、収容された液剤を、液徐放部15を介して徐々に徐放できるようになっている。
【0019】
そして、本実施形態では、徐放カートリッジ16は、例えば封入袋に封止状態で個々に収容されており、清掃時には、封入袋を開封して徐放カートリッジ16を取り出した後に、図3に示すように、カートリッジ係着手段13を介してカートリッジ係着溝21に、装着固定する。
【0020】
徐放カートリッジ16を清掃ヘッド11のカートリッジ係着溝21に着脱交換可能に装着固定するためのカートリッジ係着手段13としては、例えば図4に示すように、カートリッジ係着溝21の両端に設けられた、係着凹部22aを有する板バネ状の係止爪22を用いることができる。すなわち、係着凹部22aの上方に突出して設けた操作リブ22bを介して、係止爪22を外側に弾性変形させつつ、徐放カートリッジ16をヘッド本体19の上方からカートリッジ係着溝21に挿入して、両端の係着蓋14aを両側の係着凹部22aに各々係着することにより、徐放カートリッジ16を清掃ヘッド11に着脱交換可能に容易に装着固定することができる。
【0021】
また、カートリッジ係着手段13として、例えば図5に示すように、カートリッジ係着溝21の両端に設けられた固定凹部23と、一方の固定凹部23の下部に設けられた、バネ等の付勢手段によって進退可能な係着突起24とからなるものを用いることもできる。すなわち、係着突起24を付勢手段による付勢力に抗して押し込んだ状態で、徐放カートリッジ16を清掃クッション部17の下方から、液収容部14の天端部が当接リブ25に当接するまでカートリッジ係着溝21に挿入して、両端の係着蓋14aを両側の固定凹部23に各々係着すると共に、係着突起24を付勢手段によって突出係止することにより、徐放カートリッジ16を清掃ヘッド11に着脱交換可能に容易に装着固定することができる。
【0022】
これらのカートリッジ係着手段13によって、徐放カートリッジ16は、図1(a)に示すように、液収容部14、及び液徐放部15の先端部分を除く部分が清掃ヘッド11の厚さtの中に納められた状態で、清掃ヘッド11に取り付けられる。また徐放カートリッジ16は、液徐放部15の先端15cが清掃クッション部17の底面17aと面一又は略面一に配置された状態で、矩形平面形状を備える清掃ヘッド11の長手方向に沿って、両端部を除く略全長に亘って取り付けられる。ここで、液徐放部15の端部15cは、無荷重の状態で清掃クッション部17の底面17aと面一又は略面一に配置されるが、液徐放部15の端部15cが、図1(a)に示すように、例えば清掃クッション部17の底面17aから下方への突出長sが、0mm<sで、s<2mmとなるように配置されることが好ましい。液徐放部15の端部15cが清掃クッション部17の底面17aから下方に僅かに出ていることにより、清掃ヘッド11への押圧力によって液徐放部15から徐放される液剤の量を調整することが可能となる。一方、清掃ヘッド11への押圧力がかかっても、液徐放部15の周囲に清掃クッション部17が存在するので、液徐放部15が潰れすぎることなく、適度な量の液剤の徐放を可能にする。
【0023】
また、液徐放部15の端部15cは、無荷重の状態で清掃クッション部17の底面17aよりも僅かに陥没した状態に配置することもできる。この場合には、清掃ヘッド11への押圧力によって清掃クッション部17が圧縮した際に、液徐放部15の端部15cが清掃クッション部17とともに清掃シートを介して被清掃面に接触可能となる程度に当該液徐放部15の端部15cを陥没させた状態で、徐放カートリッジ16を清掃ヘッド11に取り付ける。
【0024】
徐放カートリッジ16の液収容部14は、液徐放部15を介した液剤の徐放によって、収容された液剤が減少するため、内部が負圧化する場合がある。液収容部14の負圧化によって液剤の徐放が阻害されないように、徐放カートッリッジ16には、液収容部14に通じる外気置換用の構成としいて、孔、又は弁、その他の構成を採用する。これらの外気置換用の孔等は、液収容部14に設けるほか、液徐放部15の材質によっては、液徐放部15の微細な孔を通過させて外気を取り込むようにすることができる。
【0025】
上述の構成を備える本実施形態の清掃具10は、清掃ヘッド11に徐放カートリッジ16を装着固定した後、清掃クッション部17の底面17aを覆うようにして清掃シートを清掃ヘッド11に取り付けて、床面等を被清掃面とした清掃作業や仕上げ作業に用いられる。そして、本実施形態の清掃具10によれば、床面等の被清掃面の清掃や仕上げを行う際に、清掃シートに液剤を徐々に供給して適度な湿潤状態を安定して保持することができると共に、液剤の入れ替えを簡単な操作で行うことができ、また異なる液剤を入れ替える場合には、交換後の液剤が交換前の液剤と混合されるのを効果的に回避することができる。
【0026】
すなわち、本実施形態の清掃具10は、液収容部14と液徐放部15とを備える徐放カートリッジ16をカートリッジ係着手段13によって清掃ヘッド11に着脱交換可能に取り付け、且つ徐放カートリッジ16は、液徐放部15の端部15cが、清掃時の清掃ヘッド11への押圧により清掃クッション部17の底面17aの最下部と共に被清掃面に接触するので、液収容部14から液徐放部15に液剤を徐々に浸透させて、所定の時間、適度な湿度を清掃シートによる清掃面に安定した状態で与えることが可能になる。また液徐放部15の端部15cが清掃時の清掃ヘッド11への押圧により清掃クッション部17の底面17aの最下部と共に被清掃面に接触するので、清掃時の被清掃面からの圧力を清掃クッション部17の底面17aと共に液徐放部15が受けることになり、これによって液徐放部15に過度の圧力が負荷されなくなって、液剤が清掃シートによる清掃面に必要以上に染み出すのを効果的に防止することが可能になる。さらに、徐放カートリッジ16を清掃ヘッド11に着脱することによって、液剤の入れ替えを速やかに行うことが可能になる。さらにまた、徐放カートリッジ16は、液徐放部15ごと着脱されるので、床面等の汚れを吸着したり、磨耗したりした液徐放部15を容易に交換することができると共に、異なる液剤を交換しても、液徐放部15等において交換後の液剤が交換前の液剤と混ざるのを効果的に回避することが可能になる。
【0027】
また、本実施形態の清掃具10によれば、徐放カートリッジ16の少なくとも液収容部14が、清掃ヘッド11の厚さtの中に納められた状態で清掃ヘッド11に取り付けられているので、清掃ヘッド11をコンパクトに形成することが可能になる。
【0028】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、液収容部を清掃ヘッドの厚さの中に納めた状態で徐放カートリッジを清掃ヘッドに取り付ける必要は必ずしも無く、液収容部を清掃ヘッドの上方に突出させた状態で取り付けるようにしても良い。また、清掃ヘッドは矩形平面形状を備える必要は必ずしも無く、例えば、矩形形状の短辺部分を湾曲させる等の種々の変更が可能であり、清掃ヘッドの底面は、概ね平坦にする他、中央領域が突出した湾曲形状や、複数のリブや突起が設けられた凹凸形状を採用することができる。
【0029】
そして、徐放カートリッジを帯板形状に形成して、清掃ヘッドの長手方向に沿って一本のものとして直線状に取り付ける必要は必ずしも無く、長手方向に沿って複数に分割して取り付けたり、例えば千鳥状に配置して取り付けることもできるし、長手方向に沿いつつ斜めに延設させて配置することもできる。さらに、徐放カートリッジを清掃ヘッドの短手方向に配置したり、斜めに延設させて配置することもでき、また湾曲形状に配置して取り付けることもできる。ここで、長手方向に沿って配置とは、清掃ヘッドの長手方向に概ね平行な配置だけでなく、長手方向に対して斜めに配置されていても、配置された徐放カートリッジについて清掃ヘッドの長手方向に沿う長手方向成分を抽出すると、清掃ヘッドの短手方向に沿う短手方向成分よりも長くなる関係も含む。例えばジョイント部をずらして斜めに徐放カートリッジを配設し、ジョイントをはさんでV字形状をなすようにする配置も含まれる。
【0030】
さらに、図6(a),(b)に示すように、柄12や清掃ヘッド11のヘッド本体19に液補給タンク26a,26bを設け、配管27a,27bを介して、清掃ヘッド11に取り付けた徐放カートリッジ16の液収容部14に液補給タンク26a,26bから液剤を補給しながら、長時間にわたって被清掃面の清掃作業や仕上げ作業を行えるようにすることもできる。さらにまた、液収容部に液剤を収容していない状態で、液徐放部を乾式清掃に用いるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0031】
10 清掃具
11 清掃ヘッド
12 柄
13 カートリッジ係着手段
14 液収容部
14a 液収容部の係着蓋
14b 液収容部の係止リブ
15 液徐放部
15a 液徐放部の天面部
15b 液徐放部の脚部
15c 液徐放部の先端
16 徐放カートリッジ
17 清掃クッション部
17a 清掃クッション部の底面
18 ユニバーサルジョイント
19 ヘッド本体
20 シート保持部
21 カートリッジ係着溝
22 係止爪(カートリッジ係着手段)
22a 係着凹部(カートリッジ係着手段)
23 固定凹部(カートリッジ係着手段)
24 係着突起(カートリッジ係着手段)
25 当接リブ
t 清掃ヘッドの厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃ヘッドと柄とからなり、清掃ヘッドに清掃シートを取着して用いる清掃具であって、
前記清掃ヘッドは、清掃クッション部を備え、該清掃クッション部を含めて前記清掃ヘッドの厚さを貫通して設けられたカートリッジ係着溝に、カートリッジ係着手段を介して徐放カートリッジが取り付けられており、
該徐放カートリッジは液収容部と液徐放部とを備え、該液徐放部の端部は、無荷重の状態で清掃クッション部の底面と面一又は略面一に配置されており、該液徐放部の端部は、清掃時の前記清掃ヘッドへの押圧により前記清掃クッション部の最下部と共に清掃シートを介して被清掃面に接触する清掃具。
【請求項2】
前記液徐放部の端部は、無荷重の状態で前記清掃クッション部の底面から下方への突出長sが、0mm<sで、s<2mmとなるように配置される請求項1記載の清掃具。
【請求項3】
前記液徐放部の端部は、無荷重の状態で前記清掃クッション部の底面よりも陥没した状態に配置される請求項1記載の清掃具。
【請求項4】
前記徐放カートリッジは、帯板形状を有するように形成され、清掃ヘッドの長手方向に沿って取り付けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−147832(P2011−147832A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108066(P2011−108066)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【分割の表示】特願2006−356273(P2006−356273)の分割
【原出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】