説明

清掃用具、清掃用物品

【課題】 清掃対象の清掃に用いる清掃用具において、当該清掃用具の有効利用を図るのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係る清掃用具111は、刷毛部141と、刷毛部141に連接して配置された保持部121と、刷毛部141の連接部と保持部121の連接部との間に介在し、刷毛部141及び保持部121を互いに接着する接着剤161と、を含み、刷毛部141は、第1の方向10に延在する複数の繊維と、第1の方向10と交差する第2の方向20に沿って延在し、複数の繊維を溶着接合する第1接合部155とを備え、接着剤161を介して互いに接着された刷毛部141及び保持部121が剥離されるのに要する剥離力が、刷毛部141の第1接合部155で互いに溶着接合された複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃対象の清掃に用いる清掃用具の構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃対象の清掃をするためのシート状の清掃用具が種々提案されている。例えば、下記特許文献1には、繊維束等からなり主清掃部をなす刷毛部と、保持具等が挿入される被挿入部とを有する清掃用具が開示されており、この清掃用具では、これら刷毛部及び被挿入部が互いに積層されて強固に接合された一体化構造とされている。この清掃用具は、清掃作業に伴って刷毛部が汚れてきたら清掃用具ごと交換される構成とされており、殆ど汚れることのない被挿入部を有効利用するという使用形態は想定されていない。
一方で、下記特許文献2には、ゴミ等を捕捉する粘着テープを回転体のまわりに巻きつけて固定する粘着ローラー式の清掃用具が開示されている。この清掃用具は、清掃作業に伴って粘着テープが汚れてきたら当該粘着テープのみが交換可能とされる構成を有するが、本構成を下記特許文献1に記載の清掃用具に適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−29136号公報
【特許文献2】特開平10−262898号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、清掃対象の清掃に用いる清掃用具において、当該清掃用具の有効利用を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
【0006】
本発明に係る清掃用具は、清掃対象の清掃に用いられるものであり、第1の清掃体と、第1の清掃体に連接して配置された第2の清掃体と、第1の清掃体の連接部と第2の清掃体の連接部との間に介在し、第1の清掃体及び第2の清掃体を互いに接着する接着剤を少なくとも含む。この清掃用具は、一回使用を目安とした使い捨てタイプのものや、清掃対象から捕集したごみ、塵、埃などの捕集対象物を保持しつつ複数回の使用を目安として交換を行う使い捨てタイプのものであってもよいし、或いは洗濯などを行ったうえで繰り返し使用することが可能なタイプのものであってもよい。この清掃用具は、例えば、一戸建て、マンション、ビル、工場、車両等の室内、室外、屋外における被清掃領域(床面、壁面、窓、天井面、外壁面、柱、家具面、衣類、カーテン、ブラインド、寝具、照明、電気コード類、家電品等)や、人体の各構成部位を清掃するための清掃用具として構成され得る。これら各種の清掃領域は、平面として構成されてもよいし、或いは曲面、凹凸面、段差面として構成されてもよい。
【0007】
この清掃用具では、特に、第1の清掃体は、第1の方向に延在する複数の繊維と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在し、複数の繊維を溶着接合する繊維溶着接合領域とを備える。そして、接着剤を介して互いに接着された第1の清掃体及び第2の清掃体が剥離されるのに要する剥離力が、第1の清掃体の繊維溶着接合領域で互いに溶着接合された複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されている。
このような構成によれば、使用者の引っ張り荷重によって、第1の清掃体の繊維溶着接合領域での剥離力よりも弱い力で、第2の清掃体から第1の清掃体を剥離させることが可能となる。
【0008】
また清掃用具の更なる形態では、第1の清掃体は、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関し複数の繊維に積層された少なくとも1つの不織布シートを備え、当該不織布シートは、第1の清掃体の繊維溶着接合領域によって複数の繊維とともに溶着接合された構成であるのが好ましい。
このような構成によれば、第2の清掃体に接着される第1の清掃体を、複数の繊維に積層された少なくとも1つの不織布シートを用いて構築することが可能となる。
【0009】
また清掃用具の更なる形態では、第2の清掃体は、第1の方向に延在する複数の繊維と、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関し複数の繊維に積層された少なくとも1つの不織布シートと、第2の方向に沿って延在し、複数の繊維及び前記少なくとも1つの不織布シートを溶着接合する繊維溶着接合領域とを含むのが好ましい。そして、接着剤を介して互いに接着された第1の清掃体及び第2の清掃体が清掃体間溶着接合領域で剥離されるのに要する剥離力が、第2の清掃体の繊維溶着接合領域で互いに溶着接合された複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されている。
このような構成によれば、使用者の引っ張り荷重によって、第1の清掃体の繊維溶着接合領域での剥離力よりも弱い力で、且つ第2の清掃体の繊維溶着接合領域での剥離力よりも弱い力で、第2の清掃体から第1の清掃体を剥離させることが可能となる。
【0010】
また清掃用具の更なる形態では、更に、第2の清掃体のうち、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関して第1の清掃体と反対側に、第2の清掃体に連接して配置された第3の清掃体と、第2の清掃体の連接部と第3の清掃体の連接部との間に介在し、第2の清掃体及び第3の清掃体を互いに接着する第2の接着剤とを備え、第3の清掃体は、第1の方向に延在する複数の繊維と、第2の方向に沿って延在し、複数の繊維を溶着接合する繊維溶着接合領域を含むのが好ましい。そして、第2の接着剤を介して互いに接着された第2の清掃体及び第3の清掃体が剥離されるのに要する剥離力が、第3の清掃体の繊維溶着接合領域で互いに溶着接合された複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されている。
このような構成によれば、第3の清掃体の繊維溶着接合領域での剥離力よりも弱い力で、第2の清掃体から第3の清掃体を剥離させることが可能となる。
【0011】
また清掃用具の更なる形態では、第2の清掃体は、第1の方向及び第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関し互いに対向して配置された2つの不織布シートと、第1方向に関し第2の清掃体の繊維溶着接合領域を挟んで両側に延在し、2つの不織布シートを溶着接合する一対の不織布シート溶着接合領域と、繊維溶着接合領域と一対の不織布シート溶着接合領域のそれぞれとの間に形成された被挿入空間とを備える構成であるのが好ましい。
このような構成によれば、第2の清掃体の被挿入空間を、清掃用具を保持する手持ち式ホルダの保持部が挿入される領域として使用することができる。
【0012】
また本発明にかかる清掃用物品は、前記の清掃用具と、清掃用具の第2の清掃体に形成された被挿入空間に挿入可能な保持部を有する手持ち式ホルダとを備え、被挿入空間に手持ち式ホルダの保持部が挿入されてなる清掃用物品として構成される。これにより、清掃用具が手持ち式ホルダによって保持された状態での清掃作業が可能な清掃用物品が実現される。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、清掃対象の清掃に用いる清掃用具において、当該清掃用具の有効利用を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施の形態の清掃用物品100を構成する構成要素の斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態の清掃用具111を各積層要素に分解した状態の斜視図である。
【図3】図2中の清掃用具111の、第1の方向10及び第3の方向30によって規定される平面に関する断面構造を示す図である。
【図4】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図5】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図6】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図7】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図8】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図9】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図10】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図11】清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様を示す図である。
【図12】清掃用具111の変更例である清掃用具112を各積層要素に分解した状態の斜視図である。
【図13】図12中の清掃用具112の、第1の方向10及び第3の方向30によって規定される平面に関する断面構造を示す図である。
【図14】清掃用具111の変更例である清掃用具113を各積層要素に分解した状態の斜視図である。
【図15】図14中の清掃用具113の、第1の方向10及び第3の方向30によって規定される平面に関する断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明における「清掃用具」の一実施の形態である清掃用具を含む清掃用物品の構成を、図面を参照しつつ詳細に説明する。この清掃用物品は、清掃対象を清掃するための物品として構成される。典型的な清掃対象としては、一戸建て、マンション、ビル、工場、車両(自動車)等の室内、室外、屋外における被清掃領域(床面、壁面、窓、天井面、外壁面、柱、家具面、衣類、カーテン、ブラインド、寝具、照明、電気コード類、家電品等)や、人体の各構成部位における被清掃領域を含む清掃対象等が挙げられる。これら各種の清掃対象として、平面構造或いは立体構造のものが挙げられる。この場合、清掃対象における被清掃領域は、平面、曲面、凹凸面、段差面などとされる。
【0016】
本実施の形態の清掃用物品100を構成する構成要素の斜視図が図1に示される。図1に示すように、この清掃用物品100は、清掃用具111と、清掃用具111を保持するホルダ170に大別される。この清掃用物品100は、いわゆる「モップ」ない「ハンディモップ」しとも称呼される。
【0017】
清掃用具111は、清掃対象のごみ、埃、塵ないし汚れ等の捕集対象物を拭き取る拭き取り機能、捕集対象物を掃き取る掃き取り機構、或いは捕集対象物を掻き取る掻き取り機能を有する清掃体とされる。この清掃用具111は、販売時或いは未使用時にはシート状ないし平板状とされる一方、使用時には解されてシート厚み方向に関し嵩高な状態とされる。詳細については後述するが、この清掃用具111は、所定の長手方向(長辺の延在方向)に長尺状に延在するような平面視が長方形のシート体であって、それぞれが同様の平面形状を有する複数の層状体が互いに重ねられた積層構造を有する。ここでいう清掃用具111が、本発明における「清掃用具」に相当する。本実施の形態では、清掃用具111の短辺111aが延在する第1の方向(短辺方向)を図1中の矢印10で示しており、また清掃用具111の長辺111bが延在する第2の方向(第1の方向10と交差する長辺方向)を図1中の矢印20で示している。更に、これら第1の方向及び第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向を図1中の矢印30で示している。ここでいう第1の方向10、第2の方向20及び第3の方向30がそれぞれ、本発明における「第1の方向」、「第2の方向」及び「第3の方向」に相当する。
【0018】
なお、必要に応じては、この清掃用具111を、平面視が正方形、円形、楕円形、多角形等の他の形状の清掃体として構成することもできる。また、平面視が長方形ないし正方形とされたこの清掃用具111の隅部(角部)は、必要に応じて直角状或いは曲線状とされる。この清掃用具111は、一回使用を目安とした使い捨てタイプのものや、捕集対象物を保持しつつ複数回の使用を目安として交換を行う使い捨てタイプの清掃体として構成されてもよいし、或いは必要に応じて洗濯などを行ったうえで繰り返し使用することが可能なタイプの清掃体として構成されてもよい。
【0019】
ホルダ170は、上記構成の清掃用具111が着脱自在とされており、清掃作業時に清掃用具111が取り付けられる一方、保管時や清掃体交換時などにおいて清掃用具111が取り外される。このホルダ170は、それぞれが互いに連接するホルダ本体180及びハンドル部190からなる長尺状の部材として構成される。このホルダ170は、典型的には合成樹脂材料等の非金属材料によって構成されるのが好ましい。ここでいうホルダ170が、本発明における「手持ち式ホルダ」に相当する。
【0020】
ハンドル部190は、長尺状に延在するハンドル本体191を備える。このハンドル本体191は、使用者の手指によって把持される部位とされる。このハンドル部190は、ハンドル本体191の一方の端部とホルダ本体180の一方の端部とによって形成される接続部181を介してホルダ本体180に接続される。ハンドル部190のこの接続構造に関しては、ホルダ本体180及びハンドル部190(ハンドル本体191及び接続部181)の各々を別体構造として組み付け自在とする構成や、ホルダ本体180及びハンドル部190を接続部181とともに一体成型とする構成、また接続部181をホルダ本体180及びハンドル本体191のいずれか一方と一体成型とする構成などを適宜採用することができる。
【0021】
ホルダ本体180は、清掃用具111を着脱自在に保持する機能を有する部位とされる。このホルダ本体180には、左右一対の長尺状の保持体182,182が設けられている。これらの保持体182,182は、接続部181側の端部を固定端183とし、その反対側の端部を自由端184として、所定の間隔を空けて同一平面上にて平行に(並行して)延在する長尺状とされる。すなわち、ホルダ本体180は、その先端側が保持体182,182によって二股状に分かれたフォーク形状となっている。これら保持板182,182の断面形状に関しては、断面が長方形、正方形、円形、多角形のものを適宜採用することが可能である。
【0022】
また各保持体182には、突片185及び押え板186が設けられている。突片185は、各保持体182の外縁部182aから保持体外方へと突出している。この突片185は、各保持体182の長手方向に関し1または複数(図1では、各保持体182に2つ)設けられるのが好ましい。これにより、各保持体182のうち突片185が設けられた部位は、当該保持体の各部位のうち幅方向の長さが最も拡張された拡幅部とされる。押え板186は、両保持板182,182の間において前方へと延在するとともに、下側に向けて凸形状となるように湾曲して形成される板状部材として構成され、更にその下面に係止突部(図示省略)を備える。ここでいう保持体182,182が、本発明における「保持部」を構成する。
【0023】
各保持体182は、清掃用具111に形成された対応する挿入空間(後述する挿入孔111c)への挿入が可能とされており、この挿入空間への挿入状態において清掃用具111を保持する機能を有する。各保持体182は、その挿入状態において清掃用具111の挿入空間に密着状に摺接して嵌まり込み、清掃用具111に対する止着作用を発揮する。また、各保持体182は、その挿入状態において当該保持体の拡幅部である突片185が、清掃用具111に対する抜け止めとして作用する。更に、この挿入状態においては、押え板186が清掃用具111を上方から押えつけるとともに、その下面の係止突部が清掃用具111の抜け止めとして作用する。これにより、各保持体182の挿入状態では、清掃用具111がホルダ本体180によって抜け止めされつつ確実に保持されることとなる。
【0024】
なお、各保持体182の挿入動作の円滑化を図るべく、各保持体182の形状を適宜設定するのが好ましい。例えば、保持体の板幅方向の形状に関しては、各保持体182の板幅が固定端183と自由端184の間で一定とされた構成や、各保持体182の板幅が自由端184に向かうにつれて小さくなる構成などを採用することができる。また、例えば、保持体の板厚方向の形状に関しては、各保持体182の板厚が固定端183と自由端184の間で一定とされた構成や、各保持体182の板厚が自由端184に向かうにつれて小さくなる構成などを採用することができる。また、各保持体182の突片185及び押え板186を、必要に応じて省略することもできる。
【0025】
次に、上記清掃用具111の具体的な構造に関し、図1に加え更に図2及び図3を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図2には、図1に示す実施形態の清掃用具111を各積層要素に分解した状態の斜視図が示されており、また図3には、図2中の清掃用具111の、第1の方向10及び第3の方向30によって規定される平面に関する断面構造が示されている。
【0026】
図2及び図3に示すように、清掃用具111は、その構成要素として、保持部121及び刷毛部141を含む。なお、この図2では、便宜上、保持部121と刷毛部141とが完全に分離(剥離、ないし接合解除)された状態を示しているが、これら保持部121及び刷毛部141は、互いに重ねられて所定の接合形態によって剥離可能に接合されている。
【0027】
保持部121は、刷毛部141に剥離可能に接合されており、いずれも不織布からなるシート状の第1シート131及び第2シート132と、第1の方向10に延在する複数の繊維からなる一層の繊維束133とを含む。この保持部121は、第3の方向30に関し互いに重ねられた二層の第1シート131及び第2シート132、第2シート132側のシート面に重ねられた一層の繊維束133を有し、これら三層の構成要素が第1接合部135及び一対の第2接合部136,137によって互いに溶着接合(「融着接合」ともいう)されている。本明細書でいう「溶着接合」は、溶着(融着)による既知の接合形態であり、各構成要素に含まれる熱可塑性繊維に対し、ヒートシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の手段を作用させることにより生じる溶着作用に起因する。ここでいう保持部121が、本発明における「第2の清掃体」に相当する。また、この保持部121の第1シート131及び第2シート132によって本発明における「不織布シート」が構成され、この保持部121の繊維束133によって本発明における「複数の繊維」が構成される。
【0028】
第1接合部135は、清掃用具111の短辺(図1中の短辺111a)のほぼ中央部分を第2の方向20に沿って長尺状に延在する、三層に共通の接合領域として構成される。一方、第2接合部136,137は、第1接合部135を挟んでその両側に配置され、第1接合部135と概ね平行に長尺状に延在する、三層に共通の接合領域として構成される。これら接合部135,136,137は、第2の方向20に沿って連続して延在する1つの接合線や1つの接合点として構成されてもよいし、或いは第2の方向20に沿って断続的(非連続)に延在する複数の接合線または接合点として構成されてもよい。また、これら接合部135,136,137が接合線である場合、当該共通接合部の形状として、直線、破線、波線、ジグザグ線、曲線等、種々の形態を採り得る。ここでいう接合部135,136,137によって、本発明における「第2の清掃体の繊維溶着接合領域」が構成される。
【0029】
この保持部121では、図3に示すように、互いに重ねられた第1シート131及び第2シート132と、接合部135,136,137とによって区画される領域は、ホルダ170の各保持体182を挿入するための挿入孔111cとして構成される。この挿入孔111c形成する少なくとも一対の第2接合部136,137は、本発明における「一対の不織布シート溶着接合領域」に相当する。この挿入孔111cは、図2中の第2の方向20に沿って延在する空間部分として構成される。なお、この挿入孔111cを、各保持体182の挿入を許容する挿入孔以外の空間部分、例えばスリット、切り込み等によって形成される空間部分に置き換えることもできる。また、この挿入孔111cは、その全部または一部の延在方向が第2の方向20に合致する空間部分として、或いはその全部または一部の延在方向が第2の方向20に概ね合致する空間部分とされ得る。ここでいう挿入孔111cによって、本発明における「被挿入空間」が構成される。
【0030】
なお、この保持部121では、第2シート132の第2の方向20の長辺が、第1シート131の第2の方向20の長辺よりも長くなるように構成されるのが好ましい。これにより、第1シート131及び第2シート132が互いに重ねられた状態では、第2シート132のうち第1シート131よりも第2の方向20に延出した延出面が、ホルダ170の保持体182を後述する挿入孔111cへと円滑に誘導する機能を果たす。
【0031】
一方、刷毛部141は、不織布からなるシート状の第1シート151と、第1の方向10に延在する複数の繊維からなる繊維束152とを含む。繊維束152は、三層の繊維束構成部152a,152b,152cが第3の方向30に関し互いに重ねられることによって構成される。この刷毛部141は、一層の第1シート151の一方のシート面に、更に三層の繊維束構成部152a,152b,152cが重ねられ、これら四層の構成要素が第1接合部155によって互いに溶着接合(「融着接合」ともいう)されている。ここでいう刷毛部141が、本発明における「第1の清掃体」に相当する。また、この刷毛部141の第1シート151によって本発明における「不織布シート」が構成され、この刷毛部141の繊維束152によって本発明における「複数の繊維」が構成される。
【0032】
第1シート151は、第1の方向10に沿ってカットされた複数の短冊片(短冊部分)を備えるシートとして構成されるのが好ましい。このような構成の短冊片は、ごみを引っ掛けて捕捉し易く、また凹部に入り込んだごみを描き出し易い、清掃機能の高い構造として特に効果的である。なお、短冊片の形状に関しては、ジクザグ状、直線状、曲線状などのうちの単一種類或いは複数種類の形状を適宜用いることができる。
【0033】
第1接合部155は、清掃用具111の短辺(図1中の短辺111a)のほぼ中央部分を第2の方向20に沿って長尺状に延在する、四層に共通の接合領域として構成される。この第1接合部155は、清掃用具111の第3の方向30からの平面視で、保持部121の第1接合部135に概ね重なるように配置される。この第1接合部155は、連続した1つの接合線(直線、或いは曲線)として構成されてもよいし、或いは複数の接合点が第2の方向20に沿って断続的に配置されることによって構成されてもよい。ここでいう第1接合部155によって、本発明における「第1の清掃体の繊維溶着接合領域」が構成される。
【0034】
上記構成の保持部121及び刷毛部141は、接着剤161を介して互いに接着されて接合されている。具体的には、互いに連接する保持部121及び刷毛部141のうち、保持部121の連接部としての繊維束133と、刷毛部141の連接部としての繊維束152(繊維束構成部152c)との間に接着剤161(「接着剤層」ともいう)が介在している。この場合、接着剤161は、典型的には刷毛部141側に塗布することが可能とされ、使用者の引っ張り荷重(負荷)によって、溶着接合である接合部135〜137、155での剥離力よりも弱い力で保持部121から刷毛部141を剥離させることが可能な接着力を有する。従って、互いに接着された保持部121及び刷毛部141が接着剤161の塗布領域で剥離されるのに要する剥離力は、刷毛部141の第1接合部155で互いに溶着接合された複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さく、且つ保持部121の第1接合部135及び第2接合部136,137で互いに溶着接合された複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように設定されている。この接着剤161として、典型的には、エポキシ樹脂系接着剤(EVA)、ゴム系接着剤、オレフィン系接着剤を用いることができ、特にホットメルト接着剤であるのが好ましい。ここでいう接着剤161が、本発明における「接着剤」に相当する。
【0035】
上記接着剤161の配置については、清掃用具111の短辺(図1中の短辺111a)のほぼ中央部分、或いはその周辺部分を第2の方向20に沿って、また第2の方向20と交差する方向に沿って延在するよう当該接着剤161が配置されるのが好ましい。この接着剤161は、連続した1つの接着線(直線、或いは曲線)を含むよう構成されてもよいし、或いは複数の接着点が断続的(非連続)に配置されることによって構成されてもよい。具体的には、図4〜図11にはいずれも、清掃用具111の刷毛部141の第3の方向30からの平面視に関し、接着剤161の種々の配置態様が示されており、当該配置態様を適宜採用することが可能である。
【0036】
図4に示す例では、第1接合部155を挟んでその両側に接着剤161,161が配置されており、各接着剤161は、刷毛部141の両短辺の間を連続して直線状に延在する接続線を形成している。図5に示す例では、第1接合部155上に接着剤161が配置されるとともに、第1接合部155を挟んでその両側に接着剤161,161が配置されており、各接着剤161は、刷毛部141の両短辺の間を連続して直線状に延在する接続線を形成している。図6に示す例では、接着剤161が第1接合部155の延在方向に沿って複数箇所に配置され、各接着剤161は、第1接合部155に対して所定角度をなす接合線を形成している。図7に示す例では、接着剤161が第1接合部155の延在方向に沿って複数箇所に配置され、各接着剤161は、第1接合部155に対して第1の角度をなす接合線、或いは第1の角度とは異なる第2の角度をなす接合線を形成している。図8に示す例では、第1接合部155に沿って接着剤161が配置されており、当該接着剤161は、刷毛部141の両短辺の間を連続して曲線状に延在する接続線を形成している。図9に示す例では、第1接合部155に沿って一対の接着剤161,161が配置されており、各接着剤161は、刷毛部141の両短辺の間を連続して曲線状に延在する接続線を形成している。図10に示す例では、第1接合部155を挟んでその両側に複数の161が配置されており、各接着剤161は、刷毛部141の両短辺の間の仮想線上に形成された円形状の接合点を形成している。図11に示す例では、第1接合部155を挟んでその両側に複数の161が配置されており、各接着剤161は、刷毛部141の両短辺の間の仮想線上に形成された矩形状の接合点(或いは、断続して延在する接合線)を形成している。
【0037】
(不織布の構成)
上記構成の第1シート131、第2シート132及び第1シート151に関しては、いずれも典型的には熱溶融性繊維(熱可塑性繊維)からなるシート状の不織布を使用することができる。従って、これら第1シート131、第2シート132及び第1シート151は、「不織布シート」とも称呼される。この不織布は、機械的、化学的、熱的などの処理によって繊維を固着したり絡み合わせたりして作られるシート状の構成物であって、熱可塑性繊維を一部に含み接合が可能な不織布とされ、複数の短冊片を有する形状の不織布として構成される。熱可塑性繊維(熱溶融繊維)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を使用することができる。
【0038】
また、この不織布は、実用的な強度を備える10〜100g/mの熱可塑性繊維(PE/PET繊維,PE/PP繊維,PP/PP繊維)によって構成されるのが好ましい。この不織布としては、エアースルー法、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法、ポイントボンド法、メルトブロー法、ステッチボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法等により製造されたものを適宜使用することができる。ここでいう不織布が、本発明における「不織布」に相当する。なお、清掃時の掃き出し機能を向上させるためには、剛性の高い不織布を用いるのが好ましい。また、不織布に代えて或いは加えて、ウレタン、スポンジ、織布、ネット、ワリフなどの素材を短冊状に加工したものを用いることもできる。
【0039】
(繊維束の構成)
一方、繊維束133,152はいずれも、繊維による単一の繊維構造体や、繊維が長さ方向及び/または径方向にそろった繊維構造体(撚糸、紡績糸、複数の長繊維が部分的に接続された糸材など)、ないし当該繊維構造体の集合体とされ、熱可塑性繊維を一部に含み接合が可能な繊維体として構成される。各繊維体を形成する繊維とは、糸、織物などの構成単位であり、太さに比して十分な長さを持つ、細くてたわみやすい形態のものとして規定され、典型的には長い連続状の繊維が長繊維(フィラメント)とされ、短い繊維が短繊維(ステープル)とされる。当該繊維は、第1の方向10に長尺状に延在する構成とされる。繊維束133,152は、所定の平面や曲面による面構造を有するとともに、ある程度の厚みを有する立体形状として、或いは薄肉シート形状として構成されるのが好ましい。典型的にはPE、PP、PET、ナイロン、レーヨンなどを材質とし、実用上はトウを開繊することによって得られる長繊維(フィラメント)の集合体が、この繊維束133,152として多用される。この長繊維は、その繊度が0.5〜66dtexとされるのが好ましい。また、熱可塑性樹脂を含む繊維を用いる場合、少なくとも2種類以上の異なった融点の樹脂(例えば融点差が20℃以上の樹脂)を使用するのが好ましい。
【0040】
また、清掃時の掃き出し機能を向上させるためには、剛性の高い繊維、すなわち繊度が高い繊維を含む繊維束を用いるのが好ましい。また、この繊維束は、捲縮繊維を有する構成とされるのが好ましい。この場合、1インチあたりのクリンプ数が5〜30の倦縮繊維を用いるのが好ましい。ここでいう捲縮繊維は、所定の巻き縮み処理が付与された繊維として構成され、繊維同士が絡み易い構造とされる。このような捲縮繊維を用いると、繊維体がホルダ装着前の状態よりも嵩高となり、更に捲縮部分にごみを取り込み易い構造とされる。本構造は、特にトウ繊維から形成された捲縮繊維を用いることによって実現され得る。また、ごみ、塵、埃などを確実に吸着するべく、着塵油剤を含有する繊維を用いるのが好ましい。
【0041】
上記構成の清掃用具111によれば、保持部121及び刷毛部141が互いに接合され、刷毛部141が主清掃部をなす第1の清掃モードと、刷毛部141が保持部121から剥離され、保持部121が主清掃部をなす第2の清掃モードの少なくとも2つの清掃モードが実施可能とされる。即ち、第1の清掃モードでは、清掃用具111の刷毛部141が、実質的にゴミや埃を捕捉する捕捉領域を形成する一方、第2の清掃モードでは、清掃用具111の保持部121が、実質的にゴミや埃を捕捉する捕捉領域を形成することとなる。
【0042】
第1の清掃モードでは、刷毛部141は、繊維束152の複数の繊維が第1接合部155を固定端とし、第1の方向10に関する先端を自由端として解され、シート厚み方向(第3の方向30)に関し嵩高な状態とされる。そして、清掃用具111の清掃動作によって、刷毛部141の第1シート151及びその近傍の繊維束152によってゴミや埃が捕捉される。この清掃動作に伴って刷毛部141が汚れてきたら、使用者は任意のタイミングで刷毛部141を引っ張ることによって、保持部121から刷毛部141を剥離させることができる。これにより、第2の清掃モードで保持部121の繊維束133を露出させることができ、従来の清掃用具では使用し難かった保持部121の繊維束133を清掃に有効利用することができ合理的である。また、清掃用具111を使い切ったという充実感を使用者に付与することができる。
【0043】
一方、第2の清掃モードでは、保持部121は、繊維束133の複数の繊維が第2接合部136,137を固定端とし、第1の方向10に関する先端を自由端として解され、シート厚み方向(第3の方向30)に関し嵩高な状態とされる。そして、清掃用具111の清掃動作によって、保持部121の繊維束133によってゴミや埃が捕捉される。このとき、刷毛部141を剥離させることで清掃用具111の第3の方向30に関する全体厚みが薄くなるため、隙間等の狭所の清掃や、床面に清掃にも効果的に使用することができる。
【0044】
上記接着剤161に係る引っ張り荷重は、2〜10[N]に設定されるのが好ましく、更に好ましくは、5〜10[N]に設定される。引っ張り荷重が2[N]を上回る設定によって、第1の清掃モードでの清掃作業時に保持部121から刷毛部141が剥離するのを防止することができる一方、引っ張り荷重が10[N]を下回る設定によって、保持部121から刷毛部141が剥離し難い、或いは剥離できないと使用者が感じることがない。
【0045】
また、保持部121及び刷毛部141の接着構造に関しては、刷毛部141と接着剤161との接着力が、保持部121と接着剤161との接着力を上回るように構成されるのが好ましい。これにより、保持部121から刷毛部141を剥離させた際に接着剤161が刷毛部141側により多く残留し、その後の第2の清掃モードにおいて保持部121による清掃作業が円滑化されるとともに、当該剥離動作に伴って保持部121の繊維束133がそのまま起毛し易くなり、清掃作業に際し、繊維束133を起毛させてボリュームアップさせる操作を作業者が改めて行う必要がなく合理的である。
【0046】
上記構成の清掃用具111に関連して、保持部121や刷毛部141の構成を適宜変更することもできる。当該変更例については、図12〜図15が参照される。なお、これら図12〜図15において、図2及び図3中の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付しており、当該同一の構成要素についての説明は省略する。
【0047】
図12には、清掃用具111の変更例である清掃用具112を各積層要素に分解した状態の斜視図が示されており、また図13には、図12中の清掃用具112の、第1の方向10及び第3の方向30によって規定される平面に関する断面構造が示されている。
【0048】
図12及び図13に示すように、清掃用具112は、その構成要素として、保持部122及び刷毛部142を含む。この清掃用具112では、保持部122が清掃用具111の保持部121と同一の構成とされる一方、刷毛部142は、清掃用具111の刷毛部141とは異なる構成とされる。刷毛部142は、清掃用具111の刷毛部141に加えて更に、第1シート151と同様の不織布からなるシート状の第2シート153を含む。この第2シート153は、その短辺から外方へと第2の方向20に延出する掴み部153aを備える構成であるのが好ましい。この掴み部153aは、保持部122から刷毛部142を剥離させる作業に際し、作業者の容易な引っ張り操作を可能とする掴み領域として構成される。また、この第2シート153は、第1シート151と同様に、第1の方向10に沿ってカットされた複数の短冊片(短冊部分)を備えるシートとして構成されるのが好ましい。そして、第1シート151と第2シート153との間に繊維束152(三層の繊維束構成部152a,152b,152c)が重ねられた状態で、これら五層の構成要素が第1接合部155によって互いに溶着接合されている。ここでいう保持部122及び刷毛部142がそれぞれ、本発明における「第2の清掃体」及び「第1の清掃体」に相当する。
【0049】
上記構成の保持部122及び刷毛部142は、接着剤161を介して互いに接着されて接合されている。具体的には、互いに連接する保持部122及び刷毛部142のうち、保持部122の連接部としての繊維束133と、刷毛部142の連接部としての第2シート153との間に接着剤161が介在している。この場合、接着剤161は、使用者の引っ張り荷重によって保持部122から刷毛部142を剥離させることが可能な接着力を有する。
【0050】
上記構成の清掃用具112によれば、清掃用具111の場合と同様の作用効果を得ることができ、概して保持部122及び刷毛部142が互いに接合され、刷毛部142が主清掃部をなす第1の清掃モードと、刷毛部142が掴み部153a等を介して保持部122から剥離され、保持部122が主清掃部をなす第2の清掃モードの少なくとも2つの清掃モードが実施可能とされる。これにより、第2の清掃モードで、保持部122の繊維束133を露出させることができ、従来の清掃用具では使用し難かった保持部122の繊維束133を清掃に有効利用することができ合理的である。
【0051】
図14には、清掃用具111の変更例である清掃用具113を各積層要素に分解した状態の斜視図が示されており、また図15には、図14中の清掃用具113の、第1の方向10及び第3の方向30によって規定される平面に関する断面構造が示されている。
【0052】
図14及び図15に示すように、清掃用具113は、その構成要素として、保持部123と、一対の刷毛部143,143とを含む。この清掃用具113では、保持部123が清掃用具111の保持部121とは異なる構成とされ、また刷毛部143は、清掃用具111の刷毛部141と同一の構成とされる。保持部123は、清掃用具111の保持部121に加えて更に、繊維束133と同様の繊維束134を含む。そして、互いに重ねられた二層の第1シート131及び第2シート132の第2シート132側のシート面に一層の繊維束133が重ねられ、更に第1シート131側のシート面に一層の繊維束134が重ねられた状態で、これら四層の構成要素が第1接合部135及び一対の第2接合部136,137によって互いに溶着接合されている。また、一方の刷毛部143が保持部123の繊維束133に接着剤161を介して接着されており、他方の刷毛部143が保持部123の繊維束134に別の接着剤162を介して接着されている。この場合、接着剤161,162は、使用者の引っ張り荷重によって保持部123から一対の刷毛部143をそれぞれ剥離させることが可能な接着力を有する。接着剤162は所望の剥離性能が実現できれば良く、接着剤161と同一の接着剤であってもよいし、接着剤161と同種又は異種の接着剤であってもよい。ここでいう接着剤162が、本発明における「第2の接着剤」に相当する。また、ここでいう一方の刷毛部143が、本発明における「第1の清掃体」に相当し、他方の刷毛部143が、本発明における「第3の清掃体」に相当し、保持部123が、本発明における「第2の清掃体」に相当する。
【0053】
上記構成の清掃用具113によれば、清掃用具111の場合と同様の作用効果を得ることができ、概して保持部123及び刷毛部143,143が互いに接合され、刷毛部143,143が主清掃部をなす第1の清掃モードと、刷毛部143,143の少なくとも一方が保持部123から剥離され、保持部123が主清掃部をなす第2の清掃モードの少なくとも2つの清掃モードが実施可能とされる。これにより、第2の清掃モードで、保持部122の繊維束133及び134を露出させることができ、従来の清掃用具では使用し難かった保持部122の繊維束133及び134を清掃に有効利用することができ合理的である。
【0054】
上記構成の清掃用具111や、その変更例の清掃用具112,113においては、保持部及び刷毛部の構成要素の数や種類、配置順序等を必要に応じて適宜変更することもできる。刷毛部に関しては、上記構成の刷毛部141,142,143以外に、第1シート151又は第2シート153のみからなる第1の構成(例えば、刷毛部141の繊維束152を省略した構成)、繊維束152のみからなる第2の構成(例えば、刷毛部141の第1シート151を省略した構成)等を採用することもできる。保持部に関しては、上記構成の保持部121,122,123以外に、第1シート131又は第2シート132のみからなる第1の構成(例えば、保持部121の第1シート131又は第2シート132と繊維束133とを省略した構成)、第1シート131及び第2シート132のみからなる第2の構成(例えば、保持部121の繊維束133を省略した構成)、繊維束133又は繊維束134のみからなる第3の構成(例えば、保持部121の第1シート131及び第2シート132を省略した構成)、第1シート131又は第2シート132と、繊維束133又は繊維束134とからなる第4の構成(例えば、保持部121の第1シート131又は第2シート132を省略した構成)、第1シート131及び第2シート132と、繊維束133と、更なる短冊状の不織布シートとからなる第5の構成(例えば、保持部121に更に刷毛部141の第1シート151を追加した構成)等を採用することもできる。なお、保持部がホルダ170用の挿入孔111cを備えていない場合には、当該清掃用具をそのまま把持して清掃作業を行う形態が可能となる。
【符号の説明】
【0055】
100…清掃用物品
111,112,113…清掃用具
111a…短辺
111b…長辺
111c…挿入孔
121,122,123…保持部
131…第1シート
132…第2シート
133,134…繊維束
135…第1接合部
136,137…第2接合部
141,142,143…刷毛部
151…第1シート
152…繊維束
152a,152b,152c…繊維束構成部
153…第2シート
153a…掴み部
155…第1接合部
161,162…接着剤
170…ホルダ
180…ホルダ本体
181…接続部
182…保持体
182a…外縁部
183…固定端
184…自由端
185…突片
186…押え板
190…ハンドル部
191…ハンドル本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃対象の清掃に用いる清掃用具であって、
第1の清掃体と、
前記第1の清掃体に連接して配置された第2の清掃体と、
前記第1の清掃体の連接部と前記第2の清掃体の連接部との間に介在し、前記第1の清掃体及び前記第2の清掃体を互いに接着する接着剤と、
を含み、
前記第1の清掃体は、第1の方向に延在する複数の繊維と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在し、前記複数の繊維を溶着接合する繊維溶着接合領域とを備え、
前記接着剤を介して互いに接着された前記第1の清掃体及び前記第2の清掃体が剥離されるのに要する剥離力が、前記第1の清掃体の前記繊維溶着接合領域で互いに溶着接合された前記複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃用具であって、
前記第1の清掃体は、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関し前記複数の繊維に積層された少なくとも1つの不織布シートを備え、当該不織布シートは、前記第1の清掃体の前記繊維溶着接合領域によって前記複数の繊維とともに溶着接合された構成であることを特徴とする清掃用具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の清掃用具であって、
前記第2の清掃体は、前記第1の方向に延在する複数の繊維と、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関し前記複数の繊維に積層された少なくとも1つの不織布シートと、前記第2の方向に沿って延在し、前記複数の繊維及び前記少なくとも1つの不織布シートを溶着接合する繊維溶着接合領域と、
を含み、
前記接着剤を介して互いに接着された前記第1の清掃体及び前記第2の清掃体が剥離されるのに要する剥離力が、前記第2の清掃体の前記繊維溶着接合領域で互いに溶着接合された前記複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする清掃用具。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の清掃用具であって、
更に、前記第2の清掃体のうち、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関して前記第1の清掃体と反対側に、前記第2の清掃体に連接して配置された第3の清掃体と、前記第2の清掃体の連接部と前記第3の清掃体の連接部との間に介在し、前記第2の清掃体及び前記第3の清掃体を互いに接着する第2の接着剤と、
を備え、
前記第3の清掃体は、前記第1の方向に延在する複数の繊維と、前記第2の方向に沿って延在し、前記複数の繊維を溶着接合する繊維溶着接合領域を含み、
前記第2の接着剤を介して互いに接着された前記第2の清掃体及び前記第3の清掃体が剥離されるのに要する剥離力が、前記第3の清掃体の前記繊維溶着接合領域で互いに溶着接合された前記複数の繊維が剥離されるのに要する剥離力よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする清掃用具。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の清掃用具であって、
前記第2の清掃体は、前記第1の方向及び前記第2の方向のそれぞれに交差する第3の方向に関し互いに対向して配置された2つの不織布シートと、前記第1方向に関し前記第2の清掃体の前記繊維溶着接合領域を挟んで両側に延在し、前記2つの不織布シートを溶着接合する一対の不織布シート溶着接合領域と、前記繊維溶着接合領域と一対の不織布シート溶着接合領域のそれぞれとの間に形成された被挿入空間と、を備える構成であることを特徴とする清掃用具。
【請求項6】
請求項5に記載の清掃用具と、前記清掃用具の前記第2の清掃体に形成された前記被挿入空間に挿入可能な保持部を有する手持ち式ホルダとを備え、前記被挿入空間に前記手持ち式ホルダの前記保持部が挿入されてなる清掃用物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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