清掃用具及び該清掃用具における清掃部の製造方法
本発明は、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を提供することを目的とする。
本発明の清掃用具は、清掃部と柄部とからなり、清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしている。
本発明の清掃用具は、清掃部と柄部とからなり、清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具及び該清掃用具における清掃部の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等についた埃を取り除くための清掃用具としては、従来からハタキが用いられてきた。ハタキは、柄部の先端に複数の索状帯が取り付けられた構造を有し、前記索状帯で埃がついた対象物の表面をはたくことにより、埃を取り去るというものである。従って従来のハタキには拭き取るという機能がなかったので、埃を大気中に撒き散らすことなく取り去ることができなかった。
【0003】
このようなハタキの問題点を改良するために、拭き取り部とハタキ部を備えた清掃布を柄部の先端のヘッドに取り付けてなる清掃用具(特許文献1)や、柄部とヘッド部と清掃布からなり、ヘッド部の中央に本体部を構成すると共に、本体部の周辺に薄肉の可撓性部を形成してなるハンドワイパー(特許文献2)等が提案されている。
【0004】
しかしながら特許文献1に記載の清掃用具は、拭き取り部による汚れ拭き取り能力が十分ではなく、使い勝手も悪いものであった。また特許文献2に記載のハンドワイパーも、汚れ拭き取り能力が充分でないばかりか、狭い隙間における清掃を良好に行うことはできなかった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開平10−43115号公報
【特許文献2】特開2000−83883号公報
【発明の開示】
【0007】
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具である。
【0008】
本発明の清掃用具は、シート重ね合わせ体を折り曲げて対向するシート様繊維束の当節面を部分的に接合して嵩高部形成部を形成し、この嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体をさらに折り曲げて対面するシート様繊維束の当接面を接合して、嵩高部形成部の形成されている位置に一端側に開口した柄挿入口と柄挿入部を嵩高に形成するように構成している。このためこの清掃用具は、幅細な形状に形成することができ、したがって、幅狭い隙間にあるような塵や埃を効率よく掻き出すことが可能となる。また、この清掃用具は、清掃部に繊維を束ねたシート様繊維束を用いているから、幅狭な隙間の細い溝状部に埃が潜んでいても、そのような細い溝状部までシート様繊維束を構成する繊維を入り込ませ、その溝に潜む埃を効率よく掻き出し、汚れの拭き取り能力に優れる。
【0009】
また、この清掃用具は、シート重ね合わせ体を折り曲げることで柄挿入部を形成しており、柄挿入部となる部品を清掃部とは別途に製作して配設する必要がなく、清掃用具を構成する部品の数を低減させることができる。
【0010】
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、清掃部は、シート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを部分的に接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるようにシート様繊維束側を内側にして折り曲げられてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具である。
【0011】
この清掃用具によれば、上記したような幅細な形状に形成できて幅狭い隙間にあるような塵や埃を効率よく掻き出すことが可能となる効果や、構成する部品の数を低減させることができる効果に加え、シートに設けられた短冊状部により、シート様繊維束を構成する繊維では掻き出しきれない或る程度大きな埃を掻き出すことができ、一層汚れの拭き取り能力が向上する。
【0012】
本発明の清掃用具においては、シート様繊維束が、複数枚のシート様繊維束を重ねて形成されていてもよい。
この清掃用具によれは、シート様繊維束として、シート様繊維束を複数枚重ね合わせたものを用いることで、より多数の繊維によって効率よく埃を掻き出すことができる。
【0013】
本発明の清掃用具においては、シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太い繊維からなる第2シート様繊維束とを備えて構成されてもよい。
【0014】
この清掃用具では、シート様繊維束は、第1シート様繊維束と、この第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太い繊維からなる第2シート様繊維束とを備えており、第1シート繊維束と第2シート繊維束との間でコシの強さを違えるようにすることができる。すなわち、シート様繊維束を構成する繊維の太さが太くなるとコシが強くなるから、第2シート様繊維束のコシを強いものとすることができる。また、シート様繊維束を構成する繊維の太さが細いほど、シート様繊維束にした際に、その繊維束のきめが細かくなる。これらのことから、この清掃用具では、コシの強い第2シート様繊維束がより効率よく埃を掻き出し、きめの細かい第1シート様繊維束が、掻き出された埃を効率よく取り込むように機能することができ、効率的な清掃を行うことができる。
【0015】
本発明の清掃用具において、シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太く且つ短い繊維からなる第2シート様繊維束とを部分的に接合してなる構成を備えてもよい。
【0016】
シート様繊維束を構成する繊維の長さが短いと繊維のコシが強いものとなるなるから、第2シート様繊維束のコシを一層強いものとすることができる。
したがって、この清掃用具は、第1シート様繊維束を構成する構成繊維よりも第2シート様繊維束を構成する構成繊維のほうが、太くかつ短いためコシが強く、このコシの強い繊維が細かな隙間から埃をより強力に掻き出し、掻き出された埃を細い繊維が取り込むよう機能することができて、一層効果的な清掃を行うことができるとともに、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与することができる。
【0017】
本発明の清掃用具において、清掃部は、シート重ね合わせ体が折り曲げられて対面するシート様繊維体の間に、第1シート様繊維束及び/又は第2シート様繊維束とからなる繊維束体を介在させて、繊維束体とシート様繊維束とを互いに当接する位置で接合してなるものでもよい。
【0018】
この清掃用具によれば、嵩高状部の上端よりも上方に繊維束体を構成する繊維の先端が存在するように構成することができる。したがって、この清掃用具によれば、繊維束体によって嵩高状部よりも上方にある埃などを効率よく掻き出すことができるようになる。
【0019】
本発明の清掃用具において、シート重ね合わせ体は、シートに対してシート様繊維束を挟んで反対側の面を覆うように接合部の位置でシート体をシート様繊維束に接合してなるものでもよい。
この清掃用具によれば、シートとシート体とでシート様繊維束を挟持するため、シート様繊維束全体としての形態を安定化させ、清掃用具を全体としてまとまり良いものとすることができる。
【0020】
本発明の清掃用具において、シート様繊維束は、複数枚の第1シート様繊維束、及び/又は、複数枚の第2シート様繊維束を備えてもよい。
この清掃用具によれば、シート様繊維束を複数枚用いることで、より多数の繊維によって効率よく埃を掻き出すことができる。
【0021】
本発明の清掃用具において、シート様繊維束は、第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせて形成されていてもよい。
この清掃用具によれば、シート様繊維束は、第2シート様繊維束を構成する腰の強い太い繊維がより効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束を構成する細い繊維が掻き出された埃をより取り込むよう機能するため、清掃部は効果的に清掃を行うことができるものになる。また、このようなシート様繊維束は、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に効果的に寄与するよう機能できる。
【0022】
本発明の清掃用具において、シートは、不織布よりなるものでもよい。
この清掃用具は、シートが短冊状部を有するような場合、短冊状部を構成する不織布の繊維に、細かな埃を効率よく取り込むことができるようになる。そして、この清掃用具では、シートの短冊状部の配置位置の内側にシート様繊維束が配されており、シート様繊維束を構成する繊維が細かな埃を掻き出し、短冊状部を構成する不織布の繊維が、その掻き出された埃を効率よく取り込むことができる。
【0023】
また、本発明は、繊維をシート様に束ねたシート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを重ね合わせて部分的に接合してシート重ね合わせ体を形成し、次いでシート重ね合わせ体の接合部において、シート様繊維束が折り重なるように接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部となした後、短冊状部を有するシートが嵩高部形成部を包むように相対向するシート様繊維束側に折り返し、更にシート様繊維束側が内側となるように折り曲げ、シート様繊維束相互の当接面が接合するように、シート様繊維束と短冊状部を有するシートとを接合一体化することを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法である。
【0024】
この本発明における清掃部の製造方法によれば、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を容易に提供することができるようになる。
【0025】
さらに、本発明は、短冊状部を有するシート形成用の長尺なシートに短冊形成用の切れ目を入れる工程、上記短冊形成用の切れ目を入れた長尺なシートと、繊維をシート様に束ねた長尺なシート様繊維束と、シート様繊維束を支える基材シートとを順に重ね合わせて形成した長尺なシート重ね合わせ体を、シートの幅方向に沿って接合して接合部を形成する工程、接合部と接合部との間で長尺なシート重ね合わせ体を切断して清掃部形成用重ね合わせシートを得る工程、清掃部形成用重ね合わせシートにおける短冊状部を有するシートの前記接合部を挟む片側部分を切除するとともに、基材シートの前記接合部を挟む両側部分を切除し、次いで接合部に沿ってシート様繊維束が折り重なるように折り曲げ、接合部が筒状になるように接合して嵩高部形成部を形成する工程、嵩高部形成部を形成した清掃部形成用重ね合わせシートを、シート様繊維束側が内側となるように折り曲げてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて、嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を形成する工程、とからなることを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法である。
【0026】
この本発明における清掃部の製造方法によれば、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を容易に提供することができ、また、清掃用具が短冊状部を有するシートを備えるような場合、柄挿入部を嵩高に形成することを維持しつつも、柄挿入部の周囲をシート様繊維束が取り巻くように形成することができ、より頑丈な柄挿入部を形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の清掃用具の一例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の清掃用具の製造工程におけるシート重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図3】図2のI−I線断面図である。
【図4】本発明の清掃用具の製造工程におけるシート重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図5】本発明の清掃用具の製造工程におけるシート重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図6】本発明の清掃用具の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明の清掃用具の一例を示す分解斜視図である。
【図8】図7のII−II線に沿う縦断面図である。
【図9】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図10】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図11】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図12】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図14】本発明の清掃用具における清掃部の他の製造方法の工程略図である。
【図15A】図14のA矢視図である。
【図15B】図14のB矢視図である。
【図15C】図14のC矢視図である。
【図16】図15BのX-X線に沿う縦断面図である。
【図17】図15CのXI-XI線に沿う縦断面図である。
【図18】図17に示す清掃部形成用重ね合わせシートから、接合部を挟む片側の不織布と接合部を挟む両側の支持シートとをミシン目から切除した状態を示す縦断面図である。
【図19】図18に示す清掃部形成用重ね合わせシートを、接合部に沿って折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図20】図19に示す折り曲げた清掃部形成用重ね合わせシートの接合部に嵩高筒状の柄挿入部が形成されるように接合した状態を示す縦断面図である。
【図21】図20に示す柄挿入部を形成した清掃部形成用重ね合わせシートを折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図22A】本発明の清掃用具の柄部の一態様を示す正面図である。
【図22B】本発明の清掃用具の柄部の一態様の平面図である。
【図23】柄部の折り畳み状態における正面図である。
【図24A】柄部の折り曲げ機構部の縦断面図である。
【図24B】図22AのD−D線に沿う縦断面図である。
【図25A】柄部の他の例を示す態様を示す平面図である。
【図25B】図25Aの柄部のグリップ部を伸ばした状態を示す平面図である。
【図26A】図25AのE−E線に沿う縦断面図である。
【図26B】図26Aの突起が押し込まれた状態を示す縦断面図である。
【図27A】図25Aの柄部のグリップ部と支持棒との結合部を示す要部側面図である。
【図27B】図27Aのグリップ部のストッパーを移動させた状態を示す要部側面図である。
【図28A】図27Aのストッパー付近の要部縦断面図である。
【図28B】図27Bのストッパー付近の要部縦断面図である。
【図29A】図27A結合部付近の要部縦断面図である。
【図29B】図27B結合部付近の要部縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の清掃用具は、清掃部と柄部とからなり、清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するように構成している。
【0029】
清掃部に用いるシートとしては、紙、合成樹脂シート、不織布等が挙げられるが、不織布が好ましい。不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布等を用いることができるが、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布が好ましい。不織布を構成する繊維としては、天然繊維、合成繊維、複合繊維等が挙げられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が好ましい。不織布としては、坪量20g/m2〜100g/m2程度のものが好ましい。尚、熱融着性のない素材からなるシートの場合でも、ホットメルト型接着剤等の熱接着性材料がラミネートされることにより、熱融着によるシートとシート様繊維束との接合が可能となる。シートは、1枚に限らず、2枚以上を重ね合わせて用いることができる。
【0030】
シート様繊維束は、多数の繊維を束ねてシート様に形成したものであり、構成繊維が個々にばらけない程度に多数の繊維が纏められたものを用いることができるが、必要に応じて融着等により部分的に繊維相互が結合されているものでも良い。シート様繊維束は、例えば多数の長繊維をシート様に束ねたものを適宜間隔ごとに長手方向と直交する方向に接合した後、隣合う接合部の中間位置で切断する等の方法で得ることができる。
シート様繊維束を構成する繊維としては、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が好ましく、特に芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維は、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため好ましい。
【0031】
シート様繊維束を構成する繊維は0.01mm〜0.3mm程度の太さのものが使用される。シート様繊維束7は、太さが同一の繊維のみで構成されていても、太さが異なる2以上の繊維で構成されていても良く、同一種類の繊維のみで構成されていても、種類の異なる2以上の繊維で構成されていても良い。
シート様繊維束は、構成する繊維の太さ、種類が同一であるか異なるかにかかわらず、色の異なる繊維を用いて構成することができる。
【0032】
またシート様繊維束は、2枚以上を重ね合わせて用いることができる。
シート様繊維束が2枚以上重ね合わされて用いられる場合、太さ、繊維の色や種類の異なるシート様繊維束を適宜組み合わせて用いることができる。色の異なるシート様繊維束を重ねて用いると、本発明清掃用具の意匠性を向上することができる。繊維の太さや繊維の種類、色等の異なるシート様繊維束を複数枚重ねて用いる場合、重ね合わせる枚数に特に制限はないが、通常は2枚〜10枚が好ましい。
【0033】
清掃用具に複数枚のシート様繊維束が重ね合わされて用いられる場合、本発明の清掃用具においては、シート様繊維束が、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太く且つ短い繊維からなる第2シート様繊維束とを部分的に接合してなる構成を備えていてもよい。
【0034】
次に、そのような清掃用具につき、図面を参照にしつつ詳細に説明する。
図1は清掃部1と、柄部2とからなる本発明清掃用具の一例を示す分解斜視図である。
柄部2はグリップ部14と支持棒5を有し、清掃部1と柄部2とは、清掃部1の嵩高部形成部3位置の一端側に開口した柄挿入口4より、柄部2の支持棒5を嵩高部形成部3位置に形成された柄挿入部6内に挿入することで一体化される。尚、図1において45は、支持棒5が柄挿入部6から抜け落ちるのを防止するための滑り止め凸部である。
【0035】
清掃部1は、シート様繊維束7とシート9とにより構成されている。
【0036】
清掃部1において、図5に示すように、シート様繊維束7は、繊維を纏めてシート様に構成してなる第1シート様繊維束7aと、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも太さが太い(繊度が大きい)繊維を纏めてシート様に構成している第2シート様繊維束7bとを備える。こうすると、腰の強い太い繊維が埃を掻き出し、掻き出された埃を細い繊維が取り込むよう機能するため、効果的に清掃を行うことができる。
【0037】
第1シート様繊維束を構成する繊維の太さは、直径10μm〜50μmのものが好ましい。第2シート様繊維束を構成する繊維の太さは、第1シート様繊維束を構成する繊維の太さよりも太ければ良いが、直径60μm〜300μmのものであると、第2シート繊維束7bのコシが第1シート様繊維束7aよりも適度に強くなって好ましい。
【0038】
この清掃用具では、第1シート様繊維束7aと第2シート様繊維束7bは、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも、第2シート様繊維束7bを構成する繊維の方を短くして構成されている。
第2シート要繊維束7bを構成する繊維の長さは、第1シート様繊維束7aを構成する繊維の長さより短ければ良いが、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも1mm〜10mm程度短いことが好ましい。
【0039】
また、シート様繊維束7が第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせて構成される場合、シート様繊維束7は、第2シート様繊維束7bを構成する腰の強い太い繊維がより効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束7aを構成する細い繊維が掻き出された埃をより取り込むよう機能するため、清掃部1は効果的に清掃を行うことができるものになる。また、このようなシート様繊維束7は、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与するよう機能できるため好ましい。
【0040】
第1シート様繊維束7aを構成する繊維としては、上記したシート様繊維束と同様に、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が好ましく、特に芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維は、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため好ましい。第2シート様繊維束7bを構成する繊維としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、PBT等の熱可塑性の繊維等が用いられる。第1シート様繊維束7a、第2シート様繊維束7bは、同一種類の繊維のみで構成されていても、種類の異なる2以上の繊維で構成されていてもよく、また構成する繊維の種類や太さの異同に関係なく色の異なる繊維を用いて構成することができる。また第1シート様繊維束7a、第2シート様繊維束7bは、夫々2枚以上重ね合わせて用いられてもよい。
【0041】
清掃部1は、シート様繊維束7とシート9とを重ね合わせて形成されるシート重ね合わせ体において、シート様繊維束7とシート9との重なりあう領域部分に接合部10を形成し、このシート重ね合わせ体をシート9側を内側にして折り曲げて(図4)シート様繊維束7同士を対面させて接合部10に沿うように嵩高部形成部3を形成し、更に嵩高部形成部3を形成したシート重ね合わせ体を長手方向一端側を他端側へ更に折り曲げ、この折り曲げにより互いに対向するシート様繊維束7相互の当接面の嵩高部形成部3付近を接合して接合部11を形成して一体化されている(図5)。
【0042】
この清掃用具における清掃部1は、次のように製造できる。
図2、図3に示すように、シート様繊維束7と、シート9とを重ね合わせ、両者重なり合う領域の部分12の位置で接合する(便宜上、シート様繊維束7とシート9とを接合する部分12の領域を、斜線を付して示す。)。接合方法としては熱融着、接着、縫着等の方法が挙げられるが、シート様繊維束7とシート9が熱融着可能な素材から構成されている場合には、加熱ローラ等により加熱加圧することで容易に接合一体化が可能な熱融着により接合することが好ましい(以下、シート様繊維束7とシート9が熱融着可能な素材よりなるものとして説明する。)。シート様繊維束7とシート9とを接合する部分12は、シート様繊維束7の繊維方向と直交する方向に、シート様繊維束7の中心部を挟んだ部分に形成される。そして、図3に示すように、シート様繊維束7とシート9とが重ね合わさるとともに部分12で接合して、接合部10の形成されたシート重ね合わせ体13aが構成される。接合部10の形成されたシート重ね合わせ体13aは、シート9を内側に向けて折り曲げられるとともに、接合部10の形成される方向に沿うように嵩高部形成部3が形成される(図4)。
【0043】
次いでシート重ね合わせ体13bの長手方向一端側を他端側へ折り曲げてシート重ね合わせ体13cが形成され、この折り曲げにより対面するシート様繊維束7を互いに当接する位置で接合して接合部11を形成することで清掃部1が得られる。この場合、対面し合うシート様繊維束7を嵩高部形成部3近傍位置で互いに接合されることが好ましい(図5)。この際に熱融着法を採用すると、対面するシート様繊維束7相互間の他、シート様繊維束7とシート9との間を同時に接合することができる。
【0044】
また、本発明の清掃用具における清掃部1は、シート重ね合わせ体13bの長手方向一端側を他端側へ折り曲げてシート重ね合わせ体13cを形成する際、この折り曲げによって対面するシート様繊維束7の間に、第1シート繊維束7aや第2シート繊維束7bを重ね合わせてなる繊維束体70を、繊維束体70の少なくとも一方の繊維方向先端部が嵩高部形成部3より上方に位置するように介在させて構成してもよい(図6)。この場合、清掃部1は、嵩高部形成部3の上下いずれの方向にも第1シート様繊維束、第2シート様繊維束の繊維方向先端部が向くように構成しているため、清掃用具は、シート様繊維体7による塵や埃の捕捉と同時に、嵩高部形成部3よりも上方位置にある塵や埃を繊維束体70によって捕捉することができるものとなる。
なお、繊維束体70は、第1シート様繊維束7aと第2シート様繊維束7bの重ね合わせる枚数は限定されない。繊維束体70が、多数枚の第1シート様繊維束7aや第2シート様繊維束7bを重ね合わせてなる場合、清掃用具は、嵩高部形成部3よりも上側に、第1シート様繊維束7aや第2シート様繊維束7bの構成繊維が多数存在する状態を形成でき、嵩高部形成部3よりも上側にある塵や埃をより効率良く捕捉できる。
また、繊維束体70が、第1シート繊維束7aと第2シート繊維束7bとが交互に重ね合わさって構成していると、既述したように、シート様繊維束7は、第2シート様繊維束7bを構成する腰の強い太い繊維が効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束7aを構成する細い繊維が掻き出された埃を取り込むよう機能するため、清掃部1は効果的に清掃を行うことができるものになるため好ましい。
【0045】
また、本発明の清掃用具における清掃部1は、シート様繊維束7の外側にシート体を重ね合わせて構成しても良い。この場合、このシート体とシート9とでシート様繊維束7を挟み込むようにシート体を敷設してシート重ね合わせ体13aを形成するとともに、シート重ね合わせ体13aを上記同様に折り曲げることにより清掃部1を製造することができる。なお、シート体としては、不織布が好ましい。この場合、シート体とシート様繊維束7とシート9が熱融着されることで容易に接合一体化してシート重ね合わせ体13aを形成することができる。
この清掃部1は、シート体とシート9によってシート様繊維束7を挟み込むことによって、シート様繊維束7全体としての形態を安定化させ、清掃用具を全体としてまとまり良いものとすることができる。
【0046】
本発明の清掃用具における清掃部は、シートとして、一側辺に短冊状部を備えたものを用いてもよい。
次に、その場合における本発明の清掃用具について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0047】
清掃用具は、図7に示すように構成される。
図7は、本発明の清掃用具における他の実施例を示す分解斜視図である。
この清掃用具は、シート様繊維束7とシート9とを備えてなる清掃部1と、グリップ部14と支持棒5を有する柄部2とからなり、清掃部1の嵩高部形成部3位置の一端側に開口した柄挿入口4より、柄部2の支持棒5を嵩高部形成部3位置に形成された柄挿入部6内に挿入することで清掃部1と柄部2とを一体化可能に構成されている。図7において、45は、支持棒5が柄挿入部6から抜け落ちるのを防止するための滑り止め凸部である。
【0048】
この清掃用具における、清掃部1は、シート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合部10において部分的に接合して形成して接合部10を嵩高部形成部3としたシート重ね合わせ体を、シート様繊維束7側が内側になるように折り曲げ、相互に対面するシート様繊維束7の嵩高部形成部3付近に接合部11が設けられて一体化されている。
【0049】
この清掃用具においては、シート様繊維束7が、複数枚のシート様繊維束を重ねて形成されていてもよい。その場合、シート様繊維束7は、上記したように、多数の繊維からなる第1シート様繊維束7aと、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも太い繊維(繊度が大きい繊維)からなる第2シート様繊維束7bとを備えて構成されてもよい。また、上記したように、第1シート様繊維束を構成する繊維の太さは、直径10μm〜50μmのものが好ましく、第2シート様繊維束を構成する繊維の太さは、第1シート様繊維束を構成する繊維の太さよりも太ければ良いが、直径60μm〜300μmのものが好ましい。さらに、シート様繊維束7は、第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせて構成してもよい。この場合、シート様繊維束7は、第2シート様繊維束7bを構成する腰の強い太い繊維がより効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束7aを構成する細い繊維が掻き出された埃をより取り込むよう機能するため、清掃部1は効果的に清掃を行うことができるものになり、また、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与するよう機能できるため好ましい。
【0050】
この清掃用具の清掃部1においては、シート9における短冊状部8の長さは、20〜100mm程度、幅0.5〜5mm程度であることが好ましい。
短冊状部8を有するシート9は、1枚に限らず、2枚以上を重ね合わせて用いることができる。短冊状部8を有するシート9を複数枚重ね合わせて用いる場合、同一のシートを重ね合わせる場合に限らず、材質や色等の異なるシート9を重ねて用いることができる。シート9の重ね合わせ枚数には特に制限はないが、通常2枚〜5枚が好ましい。
【0051】
次に、この清掃用具における清掃部1の製造方法について説明する。
図9に示すように、シート様繊維束7と、一側辺に短冊状部8を有するシート9とを重ね合わせ、両者の重なり部の一部分12を接合する(便宜上、シート状繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合する部分12に斜線を付して示す。)。接合方法としては熱融着、接着、逢着等の方法が挙げられるが、シート様繊維束7、短冊状部8を有するシート9が熱融着可能な素材から構成されている場合には、加熱ローラ等により加熱加圧することで容易に接合一体化が可能な熱融着により接合することが好ましい。シート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合する部分12は、シート様繊維束7の繊維方向と直交する方向に、シート様繊維束7の中心部を挟んだ部分に相当する。次いで、図10に示すようにシート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9との重なり部の一部である部分12で接合したシート重ね合わせ体13aを、シート様繊維束7の繊維方向と直交する中心部付近において折り曲げてシート様繊維束7を対向させ、前記重なり部の一部12で接合形成された接合部10を嵩高部形成部3となしたシート重ね合わせ体13bを形成する。
【0052】
次いで図11に示すように、嵩高部形成部3を形成したシート重ね合わせ体13bにおける短冊状部8を有するシート9を嵩高部形成部3方向に折り曲げ、シート9の嵩高部形成部3との当接部を接合する。この際、熱融着法を採用すると、繊維束7における嵩高部形成部3の内面側も同時に接合される。シート9の嵩高部形成部3との当接部を接合した後、図12に示すようにシート9を嵩高部形成部3を包むように折り返してシート重ね合わせ体13cを形成する。このシート重ね合わせ体13cを、シート様繊維束7側が内側になるように折り曲げ(図13)、折り曲げたシート様繊維束7の当接面が接合されるように、シート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合一体化することで清掃部1が得られるが、シート様繊維束7当接面の嵩高部形成部3のすぐ近くの位置が接合されるように接合を行うことが好ましい。この際に熱融着法を採用すると、シート様繊維束7相互間、シート様繊維束と短冊状部8を有するシート9とを同時に接合することができる。
【0053】
次に、清掃部1の他の製造方法について説明する。図14は清掃部1を製造するための異なる方法の工程を示し、短冊状部を有するシートを3枚重ねた不織布で構成する例について説明する。
【0054】
図14において47a、47b、47cは長尺な不織布、48は長尺なシート状繊維束、49はシート様繊維束を支持するための長尺な基材シートを示す。基材シート49はシート状であれば特に材質に制限はないが、不織布が好ましい。各不織布47a、47b、47cは重ね合わせられて移送され、カットロール50によって不織布47a〜47cの重ね合わせ体51に、長手方向に沿った短冊状部形成用の複数の切れ目52が形成される(図15A)。カットロール50の周面には、切れ目52を形成するための刃が周面に沿って複数設けられているが、刃の欠損部を設けておくことにより、図15Aに示すように、不織布重ね合わせ体51に非連続状の切れ目52を形成することができる。非連続状の切れ目52を設けることにより、不織布重ね合わせ体51のシート形状が保たれる。次いで不織布重ね合わせ体51と、シート状繊維束48、基材シート49とを重ね合わせてシート重ね合わせ体53を形成するが、シート重ね合わせ体53を形成する前に、不織布重ね合わせ体51にミシン目ロール54によって、図15Bに示すようにミシン目55を形成しておくことが好ましい。また基材シート49にも、シート重ね合わせ体53を形成する前にミシン目ロール56によってミシン目57(図17)を設けておくことが好ましい。
【0055】
次いでシート重ね合わせ体53を構成する不織布47a〜47c、シート様繊維束48、基材シート49を幅方向に沿って接合し、図15Bに示すように接合部58を重ね合わせ体53の長手方向に間欠的に設ける。図15Aに示すように不織布重ね合わせ体51に非連続状の切れ目52を形成する場合、上記接合部58は切れ目非形成部60に設けることが好ましい。接合部58は、シールロール59によって加熱、加圧してヒートシールする方法で形成することが好ましい。尚、不織布重ね合わせ体51に設ける前記ミシン目55は、切れ目52の非形成部60の、接合部58の一方側に位置するように設けることが好ましい。また基材シート49に設けるミシン目57は、接合部58を挟む両側に位置するように形成することが好ましい。シート重ね合わせ体53を構成するシート様繊維束48の幅は、不織布47a〜47c及び基材シート49の幅よりも幅狭にしておくと、図16に示すように接合部端部58aにシート様繊維束48端部が露出することがなく、接合部58を嵩高筒状にして形成される柄挿入部6に、後述する柄部の支持棒を挿入する作業が容易となるため好ましい。
【0056】
接合部58を形成したシート重ね合わせ体53は、図15Cに示すように切断ロール61によって接合部58と接合部58との間で切断することにより、清掃部形成用重ね合わせシート62が形成される(図17)。次いで図18に示すように、清掃部形成用重ね合わせシート62の、不織布47a〜47cの接合部58を挟む片側部分をミシン目55より切除するとともに、基材シート49の接合部58を挟んだ両側部分をミシン目57より切除する。尚、図18において49aは、切除した基材シート49の残り部を示す。
【0057】
不織布47a〜47cの接合部58を挟む片側部分と、基材シート49の接合部58を挟む両側部分とを切除した清掃部形成用重ね合わせシート62は、図19に示すようにシート様繊維束48が折り重なるように接合部58に沿って折り曲げた後、図20に示すように接合部58が、嵩高筒状部63となるように接合して柄挿入部6を形成する。以上のようにして柄挿入部6を形成した後、図21に示すように、清掃部形成用重ね合わせシート62を、シート様繊維束48側が内側になるように折り曲げ、折り曲げ部相互を接合することにより、清掃部1を得ることができる。この製造方法と、先に示した第1の製造方法とでは、製造工程中で柄挿入部6を形成する順序は異なるが、得られる清掃部1に実質的な構造上の差異はない。
尚、上記した第2の方法は、3層の不織布47a〜47cと、1層のシート様繊維束48を重ね合わせる場合について説明したが、1層や2層であっても4層以上を重ねても良く、シート様繊維束48は2層以上重ねても良い。
【0058】
上記のようにして製造した清掃部1の柄挿入部6に、柄部2の支持棒5を挿入して清掃部1に柄部2を取り付けることにより、本発明の清掃用具が得られる。清掃部1は柄部2に対して着脱自在に取り付けられる。柄部2の材料として、プラスチック、金属、木材などを用いることができるが、軽量、安価な点でプラスチックが好ましい。プラスチックを材料として用いる場合、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が、成形が容易である点で好ましい。
【0059】
次に、柄部2の好ましい例について、図22A、図22B〜図29A、図29Bにより説明する。図22A、図22B〜図24A、図24Bは本発明の清掃用具の柄部2の好ましい態様の一例を示す。柄部2は支持棒5とグリップ部14とから構成される。柄部2に設けられている支持棒5、5の間隔は、柄挿入口4、4の間隔より広めに形成されていることが好ましい。このように構成されていると、支持棒5、5を柄挿入部6に挿入する際、支持棒5、5間隔は狭められ、柄挿入部6への挿入後は、支持棒5、5の復元力による外方への力が働き、支持棒5、5は柄挿入部6内に確実に保持され、清掃時に支持棒5、5が柄挿入部6から容易に離脱することはない。前記二つの支持棒5、5の外側には、図22A、Bに示すように、山形状の切欠部15が設けられている。該切欠部15の支持棒5先端側の切欠角度αは大きい角度が好ましく、また切欠部15のグリップ部14側の切欠角度βも大きい角度が好ましい。かかる切欠部15が設けられていると、二つの支持棒5、5を柄挿入部6に容易に挿入できると共に、支持棒5、5が柄挿入部6から離脱し難くなり、清掃時の柄挿入部6からの支持棒5、5の離脱を更に確実に防止することができる。
【0060】
柄部2は支持棒5とグリップ部14との間で折り曲げ可能であると共に、支持棒5とグリップ部14を伸ばした状態において両者が固定可能に構成されている。図24A、Bに示すように支持棒5の根元に受け部16が設けられ、グリップ部14の先端に挿入部17が設けられ、受け部16の内部に挿入部17と嵌合可能な凹部18が設けられ、受け部16に形成されている凹部18内の側壁19と側壁20に軸受穴21が設けられており、挿入部17の側壁22と側壁23に設けた軸24を軸受穴21に軸支することにより、グリップ部14が回転可能に構成されている。受け部16の天井25には係止突起26を設け、挿入部17の上面27には係止突起26と嵌合可能な係止凹部28を設ける。グリップ部14を軸24を中心に回転させて、挿入部17を凹部18内に入れ、且つ挿入部17の係止凹部28に凹部18内の係止突起26を嵌合させる。これによりグリップ部14と支持棒5が伸びた状態となる。上記とは反対方向にグリップ部14を回転させれば、係止突起26と係止凹部28との嵌合が外れてグリップ部14と支持棒5とを折り曲げて畳むことができる(図23)。
尚、受け部16をグリップ部14側に設け、挿入部17を支持部5側に設けてもよく、また係止突起26を挿入部17側に設け、係止凹部28を受け部16側に設けてもよい。
【0061】
図25A、Bは本発明清掃用具に用いられる柄部2の他の態様を示すものである。図25Aに示す態様の柄部2は、支持棒5の柄挿入部6からの抜けを防止するために上記例で示した切欠部15に変えて滑り止め凸部45を設けてある。この柄部2は、2本の支持棒5、5と、グリップ部14とが、結合部29において折り曲げ可能であるとともに、グリップ部14が伸長可能に構成されている。図25A、Bに示す柄部2におけるグリップ部14は、空隙を有する外装部46と、外装部46の空隙内に収納される芯部30とからなり、芯部30と外装部46が長手方向にスライド可能に構成され、外装部46と芯部30を長手方向にスライドさせることでグリップ部14が伸びて長くなるように構成されている。芯部30の長手方向の端部付近には突起31が設けられ、外装部46の長手方向両端部付近には上記突起31が嵌合する嵌合孔32、33が設けられている。図25Aに示すようにグリップ部14を縮めた状態においては、芯部30の突起31は外装部46の後端側の嵌合孔33に嵌合している。また図25Bに示すようにグリップ部14を伸ばして行くと、外装部46の先端側の嵌合孔32に芯部30の突起31が嵌合して固定される。突起31と嵌合孔32、33との嵌合により、グリップ部14は所定長さで固定される。グリップ部14を引き伸ばす場合、突起31と嵌合孔32との嵌合によってグリップ部14を引き伸ばしすぎて、外装部46から芯部30が外れてしまうのを防止できる。図26Aに示すように、芯部30の突起31が外装部46の嵌合孔32(あるいは33)に嵌合している状態では、芯部30に対して外装部46が簡単に動かないように係止されている。芯部30の端部の突起31を設けた部分の厚みは図26Bに示すように薄肉に形成され、グリップ部14を伸縮させる場合には、突起31を指で押すことで、突起31は外装部46内の空隙部に容易に押し込まれて突起31と嵌合孔32(或いは33)との係止状態が容易に解除され、芯部30と外装部46とを相互にスライドさせることが可能となる。
【0062】
図25A、Bに示す柄部2は、グリップ部14と支持棒5との結合部29において、折れ曲がって二つ折り状態とできるように形成され、使用時には両者が伸ばされた状態を維持して簡単に折り曲がることがないように折れ防止機能が設けられている。折れ防止機構は、図27A、Bに示すように、芯部30の長手方向にスライド可能に形成されたストッパー34と、支持棒5の結合部29の側壁36上部に延設された係止用爪片37とから構成され、ストッパー34に係止用爪片37が係止することで、使用時における柄部2の折れが防止される。図27Aに示すように、ストッパー34を芯部30の長手方向にスライドさせて結合部29に押し付けられた状態とし、係止用爪片37をストッパー34に係止させることにより、グリップ部14と支持棒5とを伸ばした状態でグリップ部14が回動しないように固定することができる。これに対し図27Bに示すように、ストッパー34をグリップ部14側にスライドさせると、ストッパー34への係止用爪片37の係止が解除され、結合部29の回転軸38を中心としてグリップ部14を回転させることが可能となり、ほぼ180°グリップ部14を回転させてコンパクトな二つ折り状態にすることができる。上記ストッパー34には、係止用爪片37との係止が外れる方向にスライドさせた際に、必要以上に移動しないように移動位置決め機構が形成されている。この移動位置決め機構は、例えば図28A、Bに示すように、芯部30の上面に突起39を設けるとともに、結合部29側が閉じた凹溝40をストッパー34に設け、前記突起39を凹溝40内でスライドできるようにすることで構成することができる。図28Bに示すように、グリップ部14を回転可能な状態とするため、ストッパー34を係止用爪片37との係止が外れる方向にスライドさせた場合、ストッパー34の凹溝40における結合部29側を閉じる係止壁41に突起39が当接して、ストッパー34はそれ以上スライドできない。
【0063】
図25A、Bに示す柄部2は、支持棒5とグリップ部14とを伸ばした状態において、両者が折れ曲がらないようにするため、図29A、Bに示すように、結合部29の底部42に半球状突起43を設けるとともに、芯部30に該半球状突起43を嵌合可能に支持する半球状凹部44を設け、グリップ部14と支持棒5を伸ばした状態では図29Aに示すように、結合部29の半球状突起43が芯部30の半球状凹部44に嵌まり込んだ状態となって固定されるようになっている。これに対し柄部2を折り畳む際には、図29Bに示すように、グリップ部14に少し大きな力を加えて回動させると、芯部材30の半球状凹部44と結合部底部42の半球状突起43との嵌合状態が外れて、グリップ部14を回動させて、支持棒5とグリップ部14とを二つ折り状態とすることができる。
【0064】
本発明の清掃用具における清掃部1は使い捨てタイプのものであり、使用後は清掃部1を柄部2より抜き出して新しい清掃部1と交換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等に着いた埃を除去するための清掃用具として家庭などで用いるのに有益である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具及び該清掃用具における清掃部の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等についた埃を取り除くための清掃用具としては、従来からハタキが用いられてきた。ハタキは、柄部の先端に複数の索状帯が取り付けられた構造を有し、前記索状帯で埃がついた対象物の表面をはたくことにより、埃を取り去るというものである。従って従来のハタキには拭き取るという機能がなかったので、埃を大気中に撒き散らすことなく取り去ることができなかった。
【0003】
このようなハタキの問題点を改良するために、拭き取り部とハタキ部を備えた清掃布を柄部の先端のヘッドに取り付けてなる清掃用具(特許文献1)や、柄部とヘッド部と清掃布からなり、ヘッド部の中央に本体部を構成すると共に、本体部の周辺に薄肉の可撓性部を形成してなるハンドワイパー(特許文献2)等が提案されている。
【0004】
しかしながら特許文献1に記載の清掃用具は、拭き取り部による汚れ拭き取り能力が十分ではなく、使い勝手も悪いものであった。また特許文献2に記載のハンドワイパーも、汚れ拭き取り能力が充分でないばかりか、狭い隙間における清掃を良好に行うことはできなかった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開平10−43115号公報
【特許文献2】特開2000−83883号公報
【発明の開示】
【0007】
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具である。
【0008】
本発明の清掃用具は、シート重ね合わせ体を折り曲げて対向するシート様繊維束の当節面を部分的に接合して嵩高部形成部を形成し、この嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体をさらに折り曲げて対面するシート様繊維束の当接面を接合して、嵩高部形成部の形成されている位置に一端側に開口した柄挿入口と柄挿入部を嵩高に形成するように構成している。このためこの清掃用具は、幅細な形状に形成することができ、したがって、幅狭い隙間にあるような塵や埃を効率よく掻き出すことが可能となる。また、この清掃用具は、清掃部に繊維を束ねたシート様繊維束を用いているから、幅狭な隙間の細い溝状部に埃が潜んでいても、そのような細い溝状部までシート様繊維束を構成する繊維を入り込ませ、その溝に潜む埃を効率よく掻き出し、汚れの拭き取り能力に優れる。
【0009】
また、この清掃用具は、シート重ね合わせ体を折り曲げることで柄挿入部を形成しており、柄挿入部となる部品を清掃部とは別途に製作して配設する必要がなく、清掃用具を構成する部品の数を低減させることができる。
【0010】
本発明は、清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、清掃部は、シート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを部分的に接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるようにシート様繊維束側を内側にして折り曲げられてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具である。
【0011】
この清掃用具によれば、上記したような幅細な形状に形成できて幅狭い隙間にあるような塵や埃を効率よく掻き出すことが可能となる効果や、構成する部品の数を低減させることができる効果に加え、シートに設けられた短冊状部により、シート様繊維束を構成する繊維では掻き出しきれない或る程度大きな埃を掻き出すことができ、一層汚れの拭き取り能力が向上する。
【0012】
本発明の清掃用具においては、シート様繊維束が、複数枚のシート様繊維束を重ねて形成されていてもよい。
この清掃用具によれは、シート様繊維束として、シート様繊維束を複数枚重ね合わせたものを用いることで、より多数の繊維によって効率よく埃を掻き出すことができる。
【0013】
本発明の清掃用具においては、シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太い繊維からなる第2シート様繊維束とを備えて構成されてもよい。
【0014】
この清掃用具では、シート様繊維束は、第1シート様繊維束と、この第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太い繊維からなる第2シート様繊維束とを備えており、第1シート繊維束と第2シート繊維束との間でコシの強さを違えるようにすることができる。すなわち、シート様繊維束を構成する繊維の太さが太くなるとコシが強くなるから、第2シート様繊維束のコシを強いものとすることができる。また、シート様繊維束を構成する繊維の太さが細いほど、シート様繊維束にした際に、その繊維束のきめが細かくなる。これらのことから、この清掃用具では、コシの強い第2シート様繊維束がより効率よく埃を掻き出し、きめの細かい第1シート様繊維束が、掻き出された埃を効率よく取り込むように機能することができ、効率的な清掃を行うことができる。
【0015】
本発明の清掃用具において、シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太く且つ短い繊維からなる第2シート様繊維束とを部分的に接合してなる構成を備えてもよい。
【0016】
シート様繊維束を構成する繊維の長さが短いと繊維のコシが強いものとなるなるから、第2シート様繊維束のコシを一層強いものとすることができる。
したがって、この清掃用具は、第1シート様繊維束を構成する構成繊維よりも第2シート様繊維束を構成する構成繊維のほうが、太くかつ短いためコシが強く、このコシの強い繊維が細かな隙間から埃をより強力に掻き出し、掻き出された埃を細い繊維が取り込むよう機能することができて、一層効果的な清掃を行うことができるとともに、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与することができる。
【0017】
本発明の清掃用具において、清掃部は、シート重ね合わせ体が折り曲げられて対面するシート様繊維体の間に、第1シート様繊維束及び/又は第2シート様繊維束とからなる繊維束体を介在させて、繊維束体とシート様繊維束とを互いに当接する位置で接合してなるものでもよい。
【0018】
この清掃用具によれば、嵩高状部の上端よりも上方に繊維束体を構成する繊維の先端が存在するように構成することができる。したがって、この清掃用具によれば、繊維束体によって嵩高状部よりも上方にある埃などを効率よく掻き出すことができるようになる。
【0019】
本発明の清掃用具において、シート重ね合わせ体は、シートに対してシート様繊維束を挟んで反対側の面を覆うように接合部の位置でシート体をシート様繊維束に接合してなるものでもよい。
この清掃用具によれば、シートとシート体とでシート様繊維束を挟持するため、シート様繊維束全体としての形態を安定化させ、清掃用具を全体としてまとまり良いものとすることができる。
【0020】
本発明の清掃用具において、シート様繊維束は、複数枚の第1シート様繊維束、及び/又は、複数枚の第2シート様繊維束を備えてもよい。
この清掃用具によれば、シート様繊維束を複数枚用いることで、より多数の繊維によって効率よく埃を掻き出すことができる。
【0021】
本発明の清掃用具において、シート様繊維束は、第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせて形成されていてもよい。
この清掃用具によれば、シート様繊維束は、第2シート様繊維束を構成する腰の強い太い繊維がより効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束を構成する細い繊維が掻き出された埃をより取り込むよう機能するため、清掃部は効果的に清掃を行うことができるものになる。また、このようなシート様繊維束は、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に効果的に寄与するよう機能できる。
【0022】
本発明の清掃用具において、シートは、不織布よりなるものでもよい。
この清掃用具は、シートが短冊状部を有するような場合、短冊状部を構成する不織布の繊維に、細かな埃を効率よく取り込むことができるようになる。そして、この清掃用具では、シートの短冊状部の配置位置の内側にシート様繊維束が配されており、シート様繊維束を構成する繊維が細かな埃を掻き出し、短冊状部を構成する不織布の繊維が、その掻き出された埃を効率よく取り込むことができる。
【0023】
また、本発明は、繊維をシート様に束ねたシート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを重ね合わせて部分的に接合してシート重ね合わせ体を形成し、次いでシート重ね合わせ体の接合部において、シート様繊維束が折り重なるように接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部となした後、短冊状部を有するシートが嵩高部形成部を包むように相対向するシート様繊維束側に折り返し、更にシート様繊維束側が内側となるように折り曲げ、シート様繊維束相互の当接面が接合するように、シート様繊維束と短冊状部を有するシートとを接合一体化することを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法である。
【0024】
この本発明における清掃部の製造方法によれば、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を容易に提供することができるようになる。
【0025】
さらに、本発明は、短冊状部を有するシート形成用の長尺なシートに短冊形成用の切れ目を入れる工程、上記短冊形成用の切れ目を入れた長尺なシートと、繊維をシート様に束ねた長尺なシート様繊維束と、シート様繊維束を支える基材シートとを順に重ね合わせて形成した長尺なシート重ね合わせ体を、シートの幅方向に沿って接合して接合部を形成する工程、接合部と接合部との間で長尺なシート重ね合わせ体を切断して清掃部形成用重ね合わせシートを得る工程、清掃部形成用重ね合わせシートにおける短冊状部を有するシートの前記接合部を挟む片側部分を切除するとともに、基材シートの前記接合部を挟む両側部分を切除し、次いで接合部に沿ってシート様繊維束が折り重なるように折り曲げ、接合部が筒状になるように接合して嵩高部形成部を形成する工程、嵩高部形成部を形成した清掃部形成用重ね合わせシートを、シート様繊維束側が内側となるように折り曲げてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて、嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を形成する工程、とからなることを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法である。
【0026】
この本発明における清掃部の製造方法によれば、狭い隙間における清掃にも充分な清掃能力を発揮できる清掃用具を容易に提供することができ、また、清掃用具が短冊状部を有するシートを備えるような場合、柄挿入部を嵩高に形成することを維持しつつも、柄挿入部の周囲をシート様繊維束が取り巻くように形成することができ、より頑丈な柄挿入部を形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の清掃用具の一例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の清掃用具の製造工程におけるシート重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図3】図2のI−I線断面図である。
【図4】本発明の清掃用具の製造工程におけるシート重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図5】本発明の清掃用具の製造工程におけるシート重ね合わせ体を示す斜視図である。
【図6】本発明の清掃用具の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】本発明の清掃用具の一例を示す分解斜視図である。
【図8】図7のII−II線に沿う縦断面図である。
【図9】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の一工程を示す斜視図である。
【図10】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図11】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図12】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図13】本発明の清掃用具における清掃部の製造方法の他の一工程を示す斜視図である。
【図14】本発明の清掃用具における清掃部の他の製造方法の工程略図である。
【図15A】図14のA矢視図である。
【図15B】図14のB矢視図である。
【図15C】図14のC矢視図である。
【図16】図15BのX-X線に沿う縦断面図である。
【図17】図15CのXI-XI線に沿う縦断面図である。
【図18】図17に示す清掃部形成用重ね合わせシートから、接合部を挟む片側の不織布と接合部を挟む両側の支持シートとをミシン目から切除した状態を示す縦断面図である。
【図19】図18に示す清掃部形成用重ね合わせシートを、接合部に沿って折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図20】図19に示す折り曲げた清掃部形成用重ね合わせシートの接合部に嵩高筒状の柄挿入部が形成されるように接合した状態を示す縦断面図である。
【図21】図20に示す柄挿入部を形成した清掃部形成用重ね合わせシートを折り曲げた状態を示す斜視図である。
【図22A】本発明の清掃用具の柄部の一態様を示す正面図である。
【図22B】本発明の清掃用具の柄部の一態様の平面図である。
【図23】柄部の折り畳み状態における正面図である。
【図24A】柄部の折り曲げ機構部の縦断面図である。
【図24B】図22AのD−D線に沿う縦断面図である。
【図25A】柄部の他の例を示す態様を示す平面図である。
【図25B】図25Aの柄部のグリップ部を伸ばした状態を示す平面図である。
【図26A】図25AのE−E線に沿う縦断面図である。
【図26B】図26Aの突起が押し込まれた状態を示す縦断面図である。
【図27A】図25Aの柄部のグリップ部と支持棒との結合部を示す要部側面図である。
【図27B】図27Aのグリップ部のストッパーを移動させた状態を示す要部側面図である。
【図28A】図27Aのストッパー付近の要部縦断面図である。
【図28B】図27Bのストッパー付近の要部縦断面図である。
【図29A】図27A結合部付近の要部縦断面図である。
【図29B】図27B結合部付近の要部縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の清掃用具は、清掃部と柄部とからなり、清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するように構成している。
【0029】
清掃部に用いるシートとしては、紙、合成樹脂シート、不織布等が挙げられるが、不織布が好ましい。不織布としては、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布等を用いることができるが、スパンボンド不織布、サーマルボンド不織布が好ましい。不織布を構成する繊維としては、天然繊維、合成繊維、複合繊維等が挙げられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が好ましい。不織布としては、坪量20g/m2〜100g/m2程度のものが好ましい。尚、熱融着性のない素材からなるシートの場合でも、ホットメルト型接着剤等の熱接着性材料がラミネートされることにより、熱融着によるシートとシート様繊維束との接合が可能となる。シートは、1枚に限らず、2枚以上を重ね合わせて用いることができる。
【0030】
シート様繊維束は、多数の繊維を束ねてシート様に形成したものであり、構成繊維が個々にばらけない程度に多数の繊維が纏められたものを用いることができるが、必要に応じて融着等により部分的に繊維相互が結合されているものでも良い。シート様繊維束は、例えば多数の長繊維をシート様に束ねたものを適宜間隔ごとに長手方向と直交する方向に接合した後、隣合う接合部の中間位置で切断する等の方法で得ることができる。
シート様繊維束を構成する繊維としては、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が好ましく、特に芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維は、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため好ましい。
【0031】
シート様繊維束を構成する繊維は0.01mm〜0.3mm程度の太さのものが使用される。シート様繊維束7は、太さが同一の繊維のみで構成されていても、太さが異なる2以上の繊維で構成されていても良く、同一種類の繊維のみで構成されていても、種類の異なる2以上の繊維で構成されていても良い。
シート様繊維束は、構成する繊維の太さ、種類が同一であるか異なるかにかかわらず、色の異なる繊維を用いて構成することができる。
【0032】
またシート様繊維束は、2枚以上を重ね合わせて用いることができる。
シート様繊維束が2枚以上重ね合わされて用いられる場合、太さ、繊維の色や種類の異なるシート様繊維束を適宜組み合わせて用いることができる。色の異なるシート様繊維束を重ねて用いると、本発明清掃用具の意匠性を向上することができる。繊維の太さや繊維の種類、色等の異なるシート様繊維束を複数枚重ねて用いる場合、重ね合わせる枚数に特に制限はないが、通常は2枚〜10枚が好ましい。
【0033】
清掃用具に複数枚のシート様繊維束が重ね合わされて用いられる場合、本発明の清掃用具においては、シート様繊維束が、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太く且つ短い繊維からなる第2シート様繊維束とを部分的に接合してなる構成を備えていてもよい。
【0034】
次に、そのような清掃用具につき、図面を参照にしつつ詳細に説明する。
図1は清掃部1と、柄部2とからなる本発明清掃用具の一例を示す分解斜視図である。
柄部2はグリップ部14と支持棒5を有し、清掃部1と柄部2とは、清掃部1の嵩高部形成部3位置の一端側に開口した柄挿入口4より、柄部2の支持棒5を嵩高部形成部3位置に形成された柄挿入部6内に挿入することで一体化される。尚、図1において45は、支持棒5が柄挿入部6から抜け落ちるのを防止するための滑り止め凸部である。
【0035】
清掃部1は、シート様繊維束7とシート9とにより構成されている。
【0036】
清掃部1において、図5に示すように、シート様繊維束7は、繊維を纏めてシート様に構成してなる第1シート様繊維束7aと、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも太さが太い(繊度が大きい)繊維を纏めてシート様に構成している第2シート様繊維束7bとを備える。こうすると、腰の強い太い繊維が埃を掻き出し、掻き出された埃を細い繊維が取り込むよう機能するため、効果的に清掃を行うことができる。
【0037】
第1シート様繊維束を構成する繊維の太さは、直径10μm〜50μmのものが好ましい。第2シート様繊維束を構成する繊維の太さは、第1シート様繊維束を構成する繊維の太さよりも太ければ良いが、直径60μm〜300μmのものであると、第2シート繊維束7bのコシが第1シート様繊維束7aよりも適度に強くなって好ましい。
【0038】
この清掃用具では、第1シート様繊維束7aと第2シート様繊維束7bは、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも、第2シート様繊維束7bを構成する繊維の方を短くして構成されている。
第2シート要繊維束7bを構成する繊維の長さは、第1シート様繊維束7aを構成する繊維の長さより短ければ良いが、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも1mm〜10mm程度短いことが好ましい。
【0039】
また、シート様繊維束7が第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせて構成される場合、シート様繊維束7は、第2シート様繊維束7bを構成する腰の強い太い繊維がより効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束7aを構成する細い繊維が掻き出された埃をより取り込むよう機能するため、清掃部1は効果的に清掃を行うことができるものになる。また、このようなシート様繊維束7は、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与するよう機能できるため好ましい。
【0040】
第1シート様繊維束7aを構成する繊維としては、上記したシート様繊維束と同様に、例えば綿、毛等の天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアクリル等の合成繊維、芯鞘型繊維、海島型繊維、サイドバイサイド型繊維等の複合繊維等が用いられるが、熱融着性のある合成繊維や複合繊維が好ましく、特に芯がポリプロピレン、鞘がポリエチレンからなる芯鞘型複合繊維は、鞘を構成するポリエチレンの優れた熱融着性と、芯を構成するポリプロピレンの腰の強さとを併せ持つため好ましい。第2シート様繊維束7bを構成する繊維としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、PBT等の熱可塑性の繊維等が用いられる。第1シート様繊維束7a、第2シート様繊維束7bは、同一種類の繊維のみで構成されていても、種類の異なる2以上の繊維で構成されていてもよく、また構成する繊維の種類や太さの異同に関係なく色の異なる繊維を用いて構成することができる。また第1シート様繊維束7a、第2シート様繊維束7bは、夫々2枚以上重ね合わせて用いられてもよい。
【0041】
清掃部1は、シート様繊維束7とシート9とを重ね合わせて形成されるシート重ね合わせ体において、シート様繊維束7とシート9との重なりあう領域部分に接合部10を形成し、このシート重ね合わせ体をシート9側を内側にして折り曲げて(図4)シート様繊維束7同士を対面させて接合部10に沿うように嵩高部形成部3を形成し、更に嵩高部形成部3を形成したシート重ね合わせ体を長手方向一端側を他端側へ更に折り曲げ、この折り曲げにより互いに対向するシート様繊維束7相互の当接面の嵩高部形成部3付近を接合して接合部11を形成して一体化されている(図5)。
【0042】
この清掃用具における清掃部1は、次のように製造できる。
図2、図3に示すように、シート様繊維束7と、シート9とを重ね合わせ、両者重なり合う領域の部分12の位置で接合する(便宜上、シート様繊維束7とシート9とを接合する部分12の領域を、斜線を付して示す。)。接合方法としては熱融着、接着、縫着等の方法が挙げられるが、シート様繊維束7とシート9が熱融着可能な素材から構成されている場合には、加熱ローラ等により加熱加圧することで容易に接合一体化が可能な熱融着により接合することが好ましい(以下、シート様繊維束7とシート9が熱融着可能な素材よりなるものとして説明する。)。シート様繊維束7とシート9とを接合する部分12は、シート様繊維束7の繊維方向と直交する方向に、シート様繊維束7の中心部を挟んだ部分に形成される。そして、図3に示すように、シート様繊維束7とシート9とが重ね合わさるとともに部分12で接合して、接合部10の形成されたシート重ね合わせ体13aが構成される。接合部10の形成されたシート重ね合わせ体13aは、シート9を内側に向けて折り曲げられるとともに、接合部10の形成される方向に沿うように嵩高部形成部3が形成される(図4)。
【0043】
次いでシート重ね合わせ体13bの長手方向一端側を他端側へ折り曲げてシート重ね合わせ体13cが形成され、この折り曲げにより対面するシート様繊維束7を互いに当接する位置で接合して接合部11を形成することで清掃部1が得られる。この場合、対面し合うシート様繊維束7を嵩高部形成部3近傍位置で互いに接合されることが好ましい(図5)。この際に熱融着法を採用すると、対面するシート様繊維束7相互間の他、シート様繊維束7とシート9との間を同時に接合することができる。
【0044】
また、本発明の清掃用具における清掃部1は、シート重ね合わせ体13bの長手方向一端側を他端側へ折り曲げてシート重ね合わせ体13cを形成する際、この折り曲げによって対面するシート様繊維束7の間に、第1シート繊維束7aや第2シート繊維束7bを重ね合わせてなる繊維束体70を、繊維束体70の少なくとも一方の繊維方向先端部が嵩高部形成部3より上方に位置するように介在させて構成してもよい(図6)。この場合、清掃部1は、嵩高部形成部3の上下いずれの方向にも第1シート様繊維束、第2シート様繊維束の繊維方向先端部が向くように構成しているため、清掃用具は、シート様繊維体7による塵や埃の捕捉と同時に、嵩高部形成部3よりも上方位置にある塵や埃を繊維束体70によって捕捉することができるものとなる。
なお、繊維束体70は、第1シート様繊維束7aと第2シート様繊維束7bの重ね合わせる枚数は限定されない。繊維束体70が、多数枚の第1シート様繊維束7aや第2シート様繊維束7bを重ね合わせてなる場合、清掃用具は、嵩高部形成部3よりも上側に、第1シート様繊維束7aや第2シート様繊維束7bの構成繊維が多数存在する状態を形成でき、嵩高部形成部3よりも上側にある塵や埃をより効率良く捕捉できる。
また、繊維束体70が、第1シート繊維束7aと第2シート繊維束7bとが交互に重ね合わさって構成していると、既述したように、シート様繊維束7は、第2シート様繊維束7bを構成する腰の強い太い繊維が効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束7aを構成する細い繊維が掻き出された埃を取り込むよう機能するため、清掃部1は効果的に清掃を行うことができるものになるため好ましい。
【0045】
また、本発明の清掃用具における清掃部1は、シート様繊維束7の外側にシート体を重ね合わせて構成しても良い。この場合、このシート体とシート9とでシート様繊維束7を挟み込むようにシート体を敷設してシート重ね合わせ体13aを形成するとともに、シート重ね合わせ体13aを上記同様に折り曲げることにより清掃部1を製造することができる。なお、シート体としては、不織布が好ましい。この場合、シート体とシート様繊維束7とシート9が熱融着されることで容易に接合一体化してシート重ね合わせ体13aを形成することができる。
この清掃部1は、シート体とシート9によってシート様繊維束7を挟み込むことによって、シート様繊維束7全体としての形態を安定化させ、清掃用具を全体としてまとまり良いものとすることができる。
【0046】
本発明の清掃用具における清掃部は、シートとして、一側辺に短冊状部を備えたものを用いてもよい。
次に、その場合における本発明の清掃用具について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0047】
清掃用具は、図7に示すように構成される。
図7は、本発明の清掃用具における他の実施例を示す分解斜視図である。
この清掃用具は、シート様繊維束7とシート9とを備えてなる清掃部1と、グリップ部14と支持棒5を有する柄部2とからなり、清掃部1の嵩高部形成部3位置の一端側に開口した柄挿入口4より、柄部2の支持棒5を嵩高部形成部3位置に形成された柄挿入部6内に挿入することで清掃部1と柄部2とを一体化可能に構成されている。図7において、45は、支持棒5が柄挿入部6から抜け落ちるのを防止するための滑り止め凸部である。
【0048】
この清掃用具における、清掃部1は、シート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合部10において部分的に接合して形成して接合部10を嵩高部形成部3としたシート重ね合わせ体を、シート様繊維束7側が内側になるように折り曲げ、相互に対面するシート様繊維束7の嵩高部形成部3付近に接合部11が設けられて一体化されている。
【0049】
この清掃用具においては、シート様繊維束7が、複数枚のシート様繊維束を重ねて形成されていてもよい。その場合、シート様繊維束7は、上記したように、多数の繊維からなる第1シート様繊維束7aと、第1シート様繊維束7aを構成する繊維よりも太い繊維(繊度が大きい繊維)からなる第2シート様繊維束7bとを備えて構成されてもよい。また、上記したように、第1シート様繊維束を構成する繊維の太さは、直径10μm〜50μmのものが好ましく、第2シート様繊維束を構成する繊維の太さは、第1シート様繊維束を構成する繊維の太さよりも太ければ良いが、直径60μm〜300μmのものが好ましい。さらに、シート様繊維束7は、第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせて構成してもよい。この場合、シート様繊維束7は、第2シート様繊維束7bを構成する腰の強い太い繊維がより効率よく埃を掻き出し、第1シート様繊維束7aを構成する細い繊維が掻き出された埃をより取り込むよう機能するため、清掃部1は効果的に清掃を行うことができるものになり、また、太い繊維が細い繊維相互の絡み合いの防止に寄与するよう機能できるため好ましい。
【0050】
この清掃用具の清掃部1においては、シート9における短冊状部8の長さは、20〜100mm程度、幅0.5〜5mm程度であることが好ましい。
短冊状部8を有するシート9は、1枚に限らず、2枚以上を重ね合わせて用いることができる。短冊状部8を有するシート9を複数枚重ね合わせて用いる場合、同一のシートを重ね合わせる場合に限らず、材質や色等の異なるシート9を重ねて用いることができる。シート9の重ね合わせ枚数には特に制限はないが、通常2枚〜5枚が好ましい。
【0051】
次に、この清掃用具における清掃部1の製造方法について説明する。
図9に示すように、シート様繊維束7と、一側辺に短冊状部8を有するシート9とを重ね合わせ、両者の重なり部の一部分12を接合する(便宜上、シート状繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合する部分12に斜線を付して示す。)。接合方法としては熱融着、接着、逢着等の方法が挙げられるが、シート様繊維束7、短冊状部8を有するシート9が熱融着可能な素材から構成されている場合には、加熱ローラ等により加熱加圧することで容易に接合一体化が可能な熱融着により接合することが好ましい。シート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合する部分12は、シート様繊維束7の繊維方向と直交する方向に、シート様繊維束7の中心部を挟んだ部分に相当する。次いで、図10に示すようにシート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9との重なり部の一部である部分12で接合したシート重ね合わせ体13aを、シート様繊維束7の繊維方向と直交する中心部付近において折り曲げてシート様繊維束7を対向させ、前記重なり部の一部12で接合形成された接合部10を嵩高部形成部3となしたシート重ね合わせ体13bを形成する。
【0052】
次いで図11に示すように、嵩高部形成部3を形成したシート重ね合わせ体13bにおける短冊状部8を有するシート9を嵩高部形成部3方向に折り曲げ、シート9の嵩高部形成部3との当接部を接合する。この際、熱融着法を採用すると、繊維束7における嵩高部形成部3の内面側も同時に接合される。シート9の嵩高部形成部3との当接部を接合した後、図12に示すようにシート9を嵩高部形成部3を包むように折り返してシート重ね合わせ体13cを形成する。このシート重ね合わせ体13cを、シート様繊維束7側が内側になるように折り曲げ(図13)、折り曲げたシート様繊維束7の当接面が接合されるように、シート様繊維束7と短冊状部8を有するシート9とを接合一体化することで清掃部1が得られるが、シート様繊維束7当接面の嵩高部形成部3のすぐ近くの位置が接合されるように接合を行うことが好ましい。この際に熱融着法を採用すると、シート様繊維束7相互間、シート様繊維束と短冊状部8を有するシート9とを同時に接合することができる。
【0053】
次に、清掃部1の他の製造方法について説明する。図14は清掃部1を製造するための異なる方法の工程を示し、短冊状部を有するシートを3枚重ねた不織布で構成する例について説明する。
【0054】
図14において47a、47b、47cは長尺な不織布、48は長尺なシート状繊維束、49はシート様繊維束を支持するための長尺な基材シートを示す。基材シート49はシート状であれば特に材質に制限はないが、不織布が好ましい。各不織布47a、47b、47cは重ね合わせられて移送され、カットロール50によって不織布47a〜47cの重ね合わせ体51に、長手方向に沿った短冊状部形成用の複数の切れ目52が形成される(図15A)。カットロール50の周面には、切れ目52を形成するための刃が周面に沿って複数設けられているが、刃の欠損部を設けておくことにより、図15Aに示すように、不織布重ね合わせ体51に非連続状の切れ目52を形成することができる。非連続状の切れ目52を設けることにより、不織布重ね合わせ体51のシート形状が保たれる。次いで不織布重ね合わせ体51と、シート状繊維束48、基材シート49とを重ね合わせてシート重ね合わせ体53を形成するが、シート重ね合わせ体53を形成する前に、不織布重ね合わせ体51にミシン目ロール54によって、図15Bに示すようにミシン目55を形成しておくことが好ましい。また基材シート49にも、シート重ね合わせ体53を形成する前にミシン目ロール56によってミシン目57(図17)を設けておくことが好ましい。
【0055】
次いでシート重ね合わせ体53を構成する不織布47a〜47c、シート様繊維束48、基材シート49を幅方向に沿って接合し、図15Bに示すように接合部58を重ね合わせ体53の長手方向に間欠的に設ける。図15Aに示すように不織布重ね合わせ体51に非連続状の切れ目52を形成する場合、上記接合部58は切れ目非形成部60に設けることが好ましい。接合部58は、シールロール59によって加熱、加圧してヒートシールする方法で形成することが好ましい。尚、不織布重ね合わせ体51に設ける前記ミシン目55は、切れ目52の非形成部60の、接合部58の一方側に位置するように設けることが好ましい。また基材シート49に設けるミシン目57は、接合部58を挟む両側に位置するように形成することが好ましい。シート重ね合わせ体53を構成するシート様繊維束48の幅は、不織布47a〜47c及び基材シート49の幅よりも幅狭にしておくと、図16に示すように接合部端部58aにシート様繊維束48端部が露出することがなく、接合部58を嵩高筒状にして形成される柄挿入部6に、後述する柄部の支持棒を挿入する作業が容易となるため好ましい。
【0056】
接合部58を形成したシート重ね合わせ体53は、図15Cに示すように切断ロール61によって接合部58と接合部58との間で切断することにより、清掃部形成用重ね合わせシート62が形成される(図17)。次いで図18に示すように、清掃部形成用重ね合わせシート62の、不織布47a〜47cの接合部58を挟む片側部分をミシン目55より切除するとともに、基材シート49の接合部58を挟んだ両側部分をミシン目57より切除する。尚、図18において49aは、切除した基材シート49の残り部を示す。
【0057】
不織布47a〜47cの接合部58を挟む片側部分と、基材シート49の接合部58を挟む両側部分とを切除した清掃部形成用重ね合わせシート62は、図19に示すようにシート様繊維束48が折り重なるように接合部58に沿って折り曲げた後、図20に示すように接合部58が、嵩高筒状部63となるように接合して柄挿入部6を形成する。以上のようにして柄挿入部6を形成した後、図21に示すように、清掃部形成用重ね合わせシート62を、シート様繊維束48側が内側になるように折り曲げ、折り曲げ部相互を接合することにより、清掃部1を得ることができる。この製造方法と、先に示した第1の製造方法とでは、製造工程中で柄挿入部6を形成する順序は異なるが、得られる清掃部1に実質的な構造上の差異はない。
尚、上記した第2の方法は、3層の不織布47a〜47cと、1層のシート様繊維束48を重ね合わせる場合について説明したが、1層や2層であっても4層以上を重ねても良く、シート様繊維束48は2層以上重ねても良い。
【0058】
上記のようにして製造した清掃部1の柄挿入部6に、柄部2の支持棒5を挿入して清掃部1に柄部2を取り付けることにより、本発明の清掃用具が得られる。清掃部1は柄部2に対して着脱自在に取り付けられる。柄部2の材料として、プラスチック、金属、木材などを用いることができるが、軽量、安価な点でプラスチックが好ましい。プラスチックを材料として用いる場合、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が、成形が容易である点で好ましい。
【0059】
次に、柄部2の好ましい例について、図22A、図22B〜図29A、図29Bにより説明する。図22A、図22B〜図24A、図24Bは本発明の清掃用具の柄部2の好ましい態様の一例を示す。柄部2は支持棒5とグリップ部14とから構成される。柄部2に設けられている支持棒5、5の間隔は、柄挿入口4、4の間隔より広めに形成されていることが好ましい。このように構成されていると、支持棒5、5を柄挿入部6に挿入する際、支持棒5、5間隔は狭められ、柄挿入部6への挿入後は、支持棒5、5の復元力による外方への力が働き、支持棒5、5は柄挿入部6内に確実に保持され、清掃時に支持棒5、5が柄挿入部6から容易に離脱することはない。前記二つの支持棒5、5の外側には、図22A、Bに示すように、山形状の切欠部15が設けられている。該切欠部15の支持棒5先端側の切欠角度αは大きい角度が好ましく、また切欠部15のグリップ部14側の切欠角度βも大きい角度が好ましい。かかる切欠部15が設けられていると、二つの支持棒5、5を柄挿入部6に容易に挿入できると共に、支持棒5、5が柄挿入部6から離脱し難くなり、清掃時の柄挿入部6からの支持棒5、5の離脱を更に確実に防止することができる。
【0060】
柄部2は支持棒5とグリップ部14との間で折り曲げ可能であると共に、支持棒5とグリップ部14を伸ばした状態において両者が固定可能に構成されている。図24A、Bに示すように支持棒5の根元に受け部16が設けられ、グリップ部14の先端に挿入部17が設けられ、受け部16の内部に挿入部17と嵌合可能な凹部18が設けられ、受け部16に形成されている凹部18内の側壁19と側壁20に軸受穴21が設けられており、挿入部17の側壁22と側壁23に設けた軸24を軸受穴21に軸支することにより、グリップ部14が回転可能に構成されている。受け部16の天井25には係止突起26を設け、挿入部17の上面27には係止突起26と嵌合可能な係止凹部28を設ける。グリップ部14を軸24を中心に回転させて、挿入部17を凹部18内に入れ、且つ挿入部17の係止凹部28に凹部18内の係止突起26を嵌合させる。これによりグリップ部14と支持棒5が伸びた状態となる。上記とは反対方向にグリップ部14を回転させれば、係止突起26と係止凹部28との嵌合が外れてグリップ部14と支持棒5とを折り曲げて畳むことができる(図23)。
尚、受け部16をグリップ部14側に設け、挿入部17を支持部5側に設けてもよく、また係止突起26を挿入部17側に設け、係止凹部28を受け部16側に設けてもよい。
【0061】
図25A、Bは本発明清掃用具に用いられる柄部2の他の態様を示すものである。図25Aに示す態様の柄部2は、支持棒5の柄挿入部6からの抜けを防止するために上記例で示した切欠部15に変えて滑り止め凸部45を設けてある。この柄部2は、2本の支持棒5、5と、グリップ部14とが、結合部29において折り曲げ可能であるとともに、グリップ部14が伸長可能に構成されている。図25A、Bに示す柄部2におけるグリップ部14は、空隙を有する外装部46と、外装部46の空隙内に収納される芯部30とからなり、芯部30と外装部46が長手方向にスライド可能に構成され、外装部46と芯部30を長手方向にスライドさせることでグリップ部14が伸びて長くなるように構成されている。芯部30の長手方向の端部付近には突起31が設けられ、外装部46の長手方向両端部付近には上記突起31が嵌合する嵌合孔32、33が設けられている。図25Aに示すようにグリップ部14を縮めた状態においては、芯部30の突起31は外装部46の後端側の嵌合孔33に嵌合している。また図25Bに示すようにグリップ部14を伸ばして行くと、外装部46の先端側の嵌合孔32に芯部30の突起31が嵌合して固定される。突起31と嵌合孔32、33との嵌合により、グリップ部14は所定長さで固定される。グリップ部14を引き伸ばす場合、突起31と嵌合孔32との嵌合によってグリップ部14を引き伸ばしすぎて、外装部46から芯部30が外れてしまうのを防止できる。図26Aに示すように、芯部30の突起31が外装部46の嵌合孔32(あるいは33)に嵌合している状態では、芯部30に対して外装部46が簡単に動かないように係止されている。芯部30の端部の突起31を設けた部分の厚みは図26Bに示すように薄肉に形成され、グリップ部14を伸縮させる場合には、突起31を指で押すことで、突起31は外装部46内の空隙部に容易に押し込まれて突起31と嵌合孔32(或いは33)との係止状態が容易に解除され、芯部30と外装部46とを相互にスライドさせることが可能となる。
【0062】
図25A、Bに示す柄部2は、グリップ部14と支持棒5との結合部29において、折れ曲がって二つ折り状態とできるように形成され、使用時には両者が伸ばされた状態を維持して簡単に折り曲がることがないように折れ防止機能が設けられている。折れ防止機構は、図27A、Bに示すように、芯部30の長手方向にスライド可能に形成されたストッパー34と、支持棒5の結合部29の側壁36上部に延設された係止用爪片37とから構成され、ストッパー34に係止用爪片37が係止することで、使用時における柄部2の折れが防止される。図27Aに示すように、ストッパー34を芯部30の長手方向にスライドさせて結合部29に押し付けられた状態とし、係止用爪片37をストッパー34に係止させることにより、グリップ部14と支持棒5とを伸ばした状態でグリップ部14が回動しないように固定することができる。これに対し図27Bに示すように、ストッパー34をグリップ部14側にスライドさせると、ストッパー34への係止用爪片37の係止が解除され、結合部29の回転軸38を中心としてグリップ部14を回転させることが可能となり、ほぼ180°グリップ部14を回転させてコンパクトな二つ折り状態にすることができる。上記ストッパー34には、係止用爪片37との係止が外れる方向にスライドさせた際に、必要以上に移動しないように移動位置決め機構が形成されている。この移動位置決め機構は、例えば図28A、Bに示すように、芯部30の上面に突起39を設けるとともに、結合部29側が閉じた凹溝40をストッパー34に設け、前記突起39を凹溝40内でスライドできるようにすることで構成することができる。図28Bに示すように、グリップ部14を回転可能な状態とするため、ストッパー34を係止用爪片37との係止が外れる方向にスライドさせた場合、ストッパー34の凹溝40における結合部29側を閉じる係止壁41に突起39が当接して、ストッパー34はそれ以上スライドできない。
【0063】
図25A、Bに示す柄部2は、支持棒5とグリップ部14とを伸ばした状態において、両者が折れ曲がらないようにするため、図29A、Bに示すように、結合部29の底部42に半球状突起43を設けるとともに、芯部30に該半球状突起43を嵌合可能に支持する半球状凹部44を設け、グリップ部14と支持棒5を伸ばした状態では図29Aに示すように、結合部29の半球状突起43が芯部30の半球状凹部44に嵌まり込んだ状態となって固定されるようになっている。これに対し柄部2を折り畳む際には、図29Bに示すように、グリップ部14に少し大きな力を加えて回動させると、芯部材30の半球状凹部44と結合部底部42の半球状突起43との嵌合状態が外れて、グリップ部14を回動させて、支持棒5とグリップ部14とを二つ折り状態とすることができる。
【0064】
本発明の清掃用具における清掃部1は使い捨てタイプのものであり、使用後は清掃部1を柄部2より抜き出して新しい清掃部1と交換することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、タンス等の家具、パソコンや照明器具等の電気製品、建物内部の壁、敷居、かも居等に着いた埃を除去するための清掃用具として家庭などで用いるのに有益である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、
清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、
清掃部は、シート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを部分的に接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるようにシート様繊維束側を内側にして折り曲げられてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具。
【請求項3】
シート様繊維束が、複数枚のシート様繊維束を重ねて形成されている請求項1または2記載の清掃用具。
【請求項4】
シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太い繊維からなる第2シート様繊維束とを備えることを特徴とする請求項3記載の清掃用具。
【請求項5】
シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太く且つ短い繊維からなる第2シート様繊維束とを部分的に接合してなる構成を備える請求項1記載の清掃用具。
【請求項6】
清掃部は、シート重ね合わせ体が折り曲げられて対面するシート様繊維体の間に、第1シート様繊維束及び/又は第2シート様繊維束とからなる繊維束体を介在させて、繊維束体とシート様繊維束とを互いに当接する位置で接合してなる請求項1または5記載の清掃用具。
【請求項7】
シート重ね合わせ体は、シートに対してシート様繊維束を挟んで反対側の面を覆うように接合部の位置でシート体をシート様繊維束に接合してなることを特徴とする請求項1記載の清掃用具。
【請求項8】
シート様繊維束は、複数枚の第1シート様繊維束、及び/又は、複数枚の第2シート様繊維束を備えている請求項4または5記載の清掃用具。
【請求項9】
シート様繊維束は、第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせてなる請求項8記載の清掃用具。
【請求項10】
シートは、不織布よりなる請求項1から9のいずれかに記載の清掃用具。
【請求項11】
繊維をシート様に束ねたシート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを重ね合わせて部分的に接合してシート重ね合わせ体を形成し、次いでシート重ね合わせ体の接合部において、シート様繊維束が折り重なるように接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部となした後、短冊状部を有するシートが嵩高部形成部を包むように相対向するシート様繊維束側に折り返し、更にシート様繊維束側が内側となるように折り曲げ、シート様繊維束相互の当接面が接合するように、シート様繊維束と短冊状部を有するシートとを接合一体化することを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法。
【請求項12】
短冊状部を有するシート形成用の長尺なシートに短冊形成用の切れ目を入れる工程、
上記短冊形成用の切れ目を入れた長尺なシートと、繊維をシート様に束ねた長尺なシート様繊維束と、シート様繊維束を支える基材シートとを順に重ね合わせて形成した長尺なシート重ね合わせ体を、シートの幅方向に沿って接合して接合部を形成する工程、
接合部と接合部との間で長尺なシート重ね合わせ体を切断して清掃部形成用重ね合わせシートを得る工程、
清掃部形成用重ね合わせシートにおける短冊状部を有するシートの前記接合部を挟む片側部分を切除するとともに、基材シートの前記接合部を挟む両側部分を切除し、次いで接合部に沿ってシート様繊維束が折り重なるように折り曲げ、接合部が嵩高筒状になるように接合して嵩高部形成部を形成する工程、
嵩高部形成部を形成した清掃部形成用重ね合わせシートを、シート様繊維束側が内側となるように折り曲げてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて、嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を形成する工程、とからなることを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法。
【請求項13】
接合は熱融着により行われる請求項11または12記載の清掃用具における清掃部の製造方法。
【請求項1】
清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、
清掃部は、シート様繊維束とシートとを接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるように折り曲げられて対向するシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
清掃部と柄部とからなる清掃用具であって、
清掃部は、シート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを部分的に接合して接合部を形成したシート重ね合わせ体を接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部を形成し、該嵩高部形成部を形成したシート重ね合わせ体が嵩高部形成部を対面させるようにシート様繊維束側を内側にして折り曲げられてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて形成され、前記嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を有し、嵩高部形成部内部に形成された柄挿入部に柄部の支持棒を挿入するようにしたことを特徴とする清掃用具。
【請求項3】
シート様繊維束が、複数枚のシート様繊維束を重ねて形成されている請求項1または2記載の清掃用具。
【請求項4】
シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太い繊維からなる第2シート様繊維束とを備えることを特徴とする請求項3記載の清掃用具。
【請求項5】
シート様繊維束は、多数の繊維からなる第1シート様繊維束と、第1シート様繊維束を構成する繊維よりも太く且つ短い繊維からなる第2シート様繊維束とを部分的に接合してなる構成を備える請求項1記載の清掃用具。
【請求項6】
清掃部は、シート重ね合わせ体が折り曲げられて対面するシート様繊維体の間に、第1シート様繊維束及び/又は第2シート様繊維束とからなる繊維束体を介在させて、繊維束体とシート様繊維束とを互いに当接する位置で接合してなる請求項1または5記載の清掃用具。
【請求項7】
シート重ね合わせ体は、シートに対してシート様繊維束を挟んで反対側の面を覆うように接合部の位置でシート体をシート様繊維束に接合してなることを特徴とする請求項1記載の清掃用具。
【請求項8】
シート様繊維束は、複数枚の第1シート様繊維束、及び/又は、複数枚の第2シート様繊維束を備えている請求項4または5記載の清掃用具。
【請求項9】
シート様繊維束は、第1シート様繊維束と第2シート様繊維束を交互に重ね合わせてなる請求項8記載の清掃用具。
【請求項10】
シートは、不織布よりなる請求項1から9のいずれかに記載の清掃用具。
【請求項11】
繊維をシート様に束ねたシート様繊維束と、短冊状部を有するシートとを重ね合わせて部分的に接合してシート重ね合わせ体を形成し、次いでシート重ね合わせ体の接合部において、シート様繊維束が折り重なるように接合部に沿うように折り曲げて嵩高部形成部となした後、短冊状部を有するシートが嵩高部形成部を包むように相対向するシート様繊維束側に折り返し、更にシート様繊維束側が内側となるように折り曲げ、シート様繊維束相互の当接面が接合するように、シート様繊維束と短冊状部を有するシートとを接合一体化することを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法。
【請求項12】
短冊状部を有するシート形成用の長尺なシートに短冊形成用の切れ目を入れる工程、
上記短冊形成用の切れ目を入れた長尺なシートと、繊維をシート様に束ねた長尺なシート様繊維束と、シート様繊維束を支える基材シートとを順に重ね合わせて形成した長尺なシート重ね合わせ体を、シートの幅方向に沿って接合して接合部を形成する工程、
接合部と接合部との間で長尺なシート重ね合わせ体を切断して清掃部形成用重ね合わせシートを得る工程、
清掃部形成用重ね合わせシートにおける短冊状部を有するシートの前記接合部を挟む片側部分を切除するとともに、基材シートの前記接合部を挟む両側部分を切除し、次いで接合部に沿ってシート様繊維束が折り重なるように折り曲げ、接合部が嵩高筒状になるように接合して嵩高部形成部を形成する工程、
嵩高部形成部を形成した清掃部形成用重ね合わせシートを、シート様繊維束側が内側となるように折り曲げてシート様繊維束相互の当接面が接合するように一体化されて、嵩高部形成部の一端側に開口した柄挿入口を形成する工程、とからなることを特徴とする清掃用具における清掃部の製造方法。
【請求項13】
接合は熱融着により行われる請求項11または12記載の清掃用具における清掃部の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【国際公開番号】WO2005/084514
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発行日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510706(P2006−510706)
【国際出願番号】PCT/JP2005/003571
【国際出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(395007060)
【Fターム(参考)】
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発行日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【国際出願番号】PCT/JP2005/003571
【国際出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(395007060)
【Fターム(参考)】
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