説明

清掃用具

【課題】操作性に優れ、経済的に使用できる清掃用具を提供する。
【解決手段】ロール15に巻回された清掃シートSの清掃面を清掃対象面に擦り付けて、清掃対象面の汚れを拭き取る清掃用具100において、清掃シートSの表裏を反転させ、清掃シートSの表面と裏面を同時に一面に露出させて当該一面を清掃面とさせる反転機構を備え、ロール15から清掃シートSを任意の長さだけ繰り出すことが可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、床面等のゴミを除去するため、専用の治具に清掃シートを取り付けて払拭するタイプの清掃用具が普及しており、より経済性に優れた用具の開発が期待されている。
例えば、特許文献1には、巻回した長尺な清掃シートの一面を全て使用した後、裏面を使用することで表裏全面を利用可能とした掃除器が提案されている。
また、特許文献2には、長尺な清掃シートの表面の一部と裏面の一部とを一度に露出させて清掃面として利用し、清掃面が汚れたら新たな清掃面を送り出して利用する掃除器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−122058号公報
【特許文献2】特開平10−33444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1は、清掃シートの表面側から裏面側に清掃面を変更するのに清掃シートを反転する作業が別途必要なため、操作性が悪いという問題があった。
また、上記特許文献2では、清掃シートを送り出す場合には、機構上、清掃面全体の長さ分の清掃シートを送り出す必要があり、清掃面の一部しか汚れが付着していない場合であっても、清掃面全ての清掃シートを交換しなくてはならないため経済的でない、という問題があった。
【0005】
本発明の課題は、操作性に優れ、経済的に使用できる清掃用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
ロールに巻回された清掃シートの清掃面を清掃対象面に擦り付けて、清掃対象面の汚れを拭き取る清掃用具において、
前記清掃シートの表裏を反転させ、前記清掃シートの表面と裏面を同時に一面に露出させて当該一面を清掃面とさせる反転機構を備え、
前記ロールから前記清掃シートを任意の長さだけ繰り出すことが可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の清掃用具において、
前記清掃面として露出される清掃シートの表面と裏面の進行方向の長さが等しいことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の清掃用具において、
前記反転機構は、
前記ロールと、
前記ロールから繰り出された前記清掃シートを反転させるロール状部材と、を備え、
前記ロール状部材は清掃対象面に接触し、
前記ロール状部材の少なくとも一部は押圧によって変形可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の清掃用具において、
前記反転機構から送り出された後の前記清掃シートを切り取る切り取り部を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の清掃用具において、
前記反転機構から送り出された後の前記清掃シートを巻き取る巻き取り部を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の清掃用具において、
前記巻き取り部は、
清掃時に、前記清掃面と清掃対象面との間の摩擦により生じる巻き取り方向への力により巻き取る巻き取り機構を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の清掃用具において、
前記清掃シートに液体を塗布する塗布機構を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の清掃用具において、
前記清掃シートは、少なくとも3層構造となっており、
中間層に、液不透過性のシートを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の清掃用具において、
前記清掃シートは、表面と裏面とで異なる清掃機能を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、反転機構により、清掃シートを任意の長さだけ繰り出しながら、表面を清掃面として使用した清掃シートの裏面を清掃面として使用することができるため、清掃シートの表裏両面を無駄なく使用できると共に、反転作業を別途行う必要もない。従って、操作性に優れ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の清掃用具を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の清掃用具の断面模式図である。
【図3】繰り出し機構を示す拡大図である。
【図4】ブラシ体が潰れた状態を示す図である。
【図5】本発明に適用される清掃シートの断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の清掃用具の断面模式図である。
【図7】巻き取り機構を示す拡大図である。
【図8】本発明の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、発明の範囲は図示例に限られない。
【0018】
[第1実施形態]
本実施形態における清掃用具100を例示して説明する。
図1に示すように、清掃用具100は、長尺な柄11と、この柄11の先端部に結合された略コ字状の支持アーム12と、この支持アーム12の両側アーム部12Aに挟まれた状態で支軸部13を介して前後方向に揺動自在に支持されたフレーム14と、を備えている。
【0019】
図1、2に示すように、フレーム14の後部には、未使用の清掃シートSが巻回されたロール15が回転軸151を介して回動自在に支持され、フレーム14の前部には、ロール状のブラシ体16が回転軸161を介して回動自在に支持されている。
ロール15とブラシ体16とは、僅かな間隙を挟んで前後に平行に並べられて配置されている。
【0020】
ロール15は、回転軸151に不織布等からなる清掃シートSが巻回されて構成されている。ロール15は、図2の側面視において反時計回りに回転可能となっており、当該ロール15の底部から後部及び上部を通ってブラシ体16の底部に至るように清掃シートSを送り出し、清掃シートSを送り出すに従って次第にその径が小さくなる。
ブラシ体16は、回転軸161に樹脂等からなる繊毛が植毛されて構成されている。ブラシ体16は、図2の側面視において時計回りに回転可能となっており、当該ブラシ体16の底部から前部を通って上方に進行するようにロール15から搬送された清掃シートSを送り出す。
すなわち、本実施形態においては、ロール15及びブラシ体16は、反転機構として、清掃シートSの表裏を反転させ、その表面と裏面を同時に一面に露出させて当該一面を清掃面とさせる。
【0021】
ロール15の回転軸151には、フレーム14の両側部において第1歯車152が軸着されており、ブラシ体16の回転軸161には、フレーム14の両側部において第2歯車162が軸着されている。
第1歯車152と第2歯車162との間隙には、2つの歯車(第3歯車17a、第4歯車17b)が噛合して備えられている。
また、第1歯車152の中心軸には、フレーム14の側方に突出する摘み部153が設けられている。摘み部153は利用者の任意で回転されるものである。
【0022】
摘み部153、第1歯車152、第2歯車162、第3歯車17a、第4歯車17b、回転軸151、及び回転軸161、は、摘み部153が利用者の任意で回転された場合、清掃シートSを進行方向に繰り出すための繰り出し機構を構成する。
具体的には、摘み部153が利用者の任意で回転されると、第1歯車152と第2歯車162とが第3歯車17a、第4歯車17bを介して互いに連動して回転し、清掃シートSは、摘み部153の回転に応じた長さ分(任意の長さ分)だけその進行方向へ繰り出されることとなる。つまり、利用者は、摘み部153を回転させることでロール15から任意の長さの清掃シートSを送り出すことが可能となっている。
なお、繰り出し機構の構成としては、上記したものに限定されず、これ以外にも、例えば、ダイヤルやゴムベルト等を用いた各種方法を用いることができる。
【0023】
また、図3に示すように、第3歯車17aと第4歯車17bとの間には、その上端部が支軸部13に固定されたストッパー19の先端部が差し込まれるようになっている。
具体的に、フレーム14の両側部には、鉛直方向にその長手方向が沿うよう形成された楕円形状の孔溝18が設けられている。支軸部13は、孔溝18の上縁から鉛直方向に向かって備えられた弾性部材(図示省略。)によって上向きに付勢されつつ、この孔溝18の内部を上下動可能にフレーム14に支持されている。
従って、清掃時に、柄11の軸方向に操作力が加えられた場合、アーム12が支持部13を下方に押圧することによって、弾性部材の弾性力に抗して支軸部13がフレーム14の孔溝18内を下方向に可動する。これに伴って、ストッパー19が下方に移動し、ストッパー19先端部が第3歯車17aと第4歯車17bとの間に差し込まれるようになっている。
このストッパー19によって、第3歯車17aと第4歯車17bの回転を遮断することで、第1歯車152、第2歯車162、ひいてはロール15及びブラシ体16が回転するのが防がれる。従って、清掃時に、清掃シートSの清掃面がずれる等が生じることなく固定されるようになっている。
一方、柄11の軸方向の操作力が緩和された場合には、弾性部材の弾性復元力により支持部13がフレーム14の孔溝18内を上方向に可動する。これに伴って、ストッパー19先端部は第3歯車17aと第4歯車17bとの間から引き抜かれるため、上記の繰り出し機構によって、清掃シートSを送り出すことが可能となる。
【0024】
また、第2歯車162の径は、ブラシ体16のブラシ径より小さくなっており、ロール15の径の縮小に伴ってブラシ体の径が縮小した場合にも、フレーム14が清掃対象面に接触しないようになっている。
【0025】
ロール15とブラシ体16との上方であってフレーム14の上部には、ブラシ体16の底部から送り出された使用済みの清掃シートSを引き出す開口部20が設けられており、この開口部20は、当該開口部20を開閉可能な透明カバー21によって被覆されている。
また、開口部20の前縁部には、切り取り部としての鋸刃201が備えられており、清掃対象面の汚れを拭き取った後の使用済みの清掃シートSを任意の長さで切り出すことが可能となっている。
なお、切り取り機構は鋸刃に限定されるものではなく、これ以外にも、例えば、スライドカッター、ギロチン、シートを裂く起点となる突起等を設ける等、各種の方法で実現可能である。
【0026】
また、フレーム14の後部には、清掃シートSに液体を塗布する塗布機構としてのポンプユニット22が備えられている。
ポンプユニット22は、液体を収納した容器221と、当該容器221に圧力を付与する押圧ボタン222を備え、押圧ボタン222を押圧するたびに、吐出口223から液体が噴出されるように構成されている。
容器221に収納される液体としては、例えば、洗浄液、液体ワックス等、用途に応じて各種の液体が適用可能である。
例えば、容器221に清掃シートSに予め含浸された薬剤と反応する薬液を収納し、清掃シートSにポンプユニット22から液体を塗布した際に、発熱や吸熱、発泡、呈色等の反応による効果を持たせることもできる。
また、容器221に抗菌剤や消臭剤を含む薬液を収納し、菌が繁殖するのを防止する効果を持たせることもできる。
【0027】
ロール15に巻回された清掃シートSは、当該ロール15の底部から後部及び上部を通ってブラシ体16の底部に至り、ブラシ体16の底部から前部を通って上方の開口部20に引き出されるようになっている。
清掃シートSにおいて、ロール15及びブラシ体16の底部により上方から圧迫された領域は、清掃面を構成している。図4に示すように、ブラシ体16の下方の清掃面は、ロール15の径の縮小に伴って拡大する。
【0028】
ここで、清掃シートSの構成について詳述する。
本実施形態の清掃シートSは、表面層、中間層、裏面層の3層構造となっており、中間層が不透過性であって、表面層と裏面層とで異なる機能を有するように構成されている。
なお、清掃シートSには、所定間隔毎にミシン目(図示省略。)が設けられており鋸刃201により容易に切り取り易くなっている。
【0029】
具体的には、図5に示すように、清掃シートSは、2枚の不織布1、2と、2枚の不織布1、2の間に介在するフィルム3と、を備えて構成されている。
以下、図5において表面側の不織布1を表面層とし、裏面側の不織布2を裏面層とし、フィルム3を中間層として説明する。
【0030】
不織布1は、親水性を有する繊維を主体として構成されたシート材である。親水性を有する繊維の例としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、アクリル繊維等の親水性の合成繊維などが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
不織布2は、疎水性を有する繊維を主体として構成されたシート材である。疎水性を有する繊維の例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維や、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
フィルム3は、液不透過性を有し、液の透過を遮断する基材シートである。具体的には、フィルム3は、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等が使用される。
【0031】
このような清掃シートSは、フィルム3が水分の浸透を遮断するため、親水性の不織布1には予め液体を含有保持させウェットタイプの清掃シートとして用いる一方で、疎水性の不織布2はドライタイプの清掃シートとして用いることができるようになっている。従って、本実施形態の清掃シートSの表裏両面を使用可能な清掃用具100に適用した場合、表面の不職布1で水拭きした直後に、裏面の不織布2で乾拭きを行うことができるので拭き跡を残さないようにでき、好適である。
【0032】
なお、清掃シートSの表面層及び裏面層の構成は、例えば、親水度、摩擦係数、毛足の長さ、弾性、色彩や模様、繊維密度、繊維種類、粘着度、ぬれ方、及び吸収性能等を設定変更することで用途に応じて適宜選択される。例えば、表面層を疎水性の硬質な繊維層で形成してゴミを掻き出し、裏面層を粘性層で形成して掻き出したゴミを付着させるなどとすることができる。
【0033】
次に、清掃用具100における清掃動作について説明する。
本実施形態における清掃用具100の清掃動作としては、柄11の軸方向に加える操作力によってストッパー19が機能して清掃面が固定された状態で、清掃用具100を前後左右に移動させ、清掃対象面の払拭を行う。
清掃面が汚れて新しい面にする時は、下向きの操作力が緩和され、支軸部13が上向きに付勢されてストッパー19が解除された状態で透明カバー21を開け、摘み部153を回転させて使用済みの清掃シートSを開口部20から引き出した後、開口部20の鋸刃201によって使用済み清掃シートSをカットし、透明カバー21を閉じる。その後、清掃対象面の払拭を再開する。
【0034】
上記のように清掃面を新しい面とする場合、ロール15の底部においてその表面が清掃面として機能していた清掃シートSは、ロール15を一周した後にブラシ体16の底部に至り、再度その裏面が清掃面として機能することとなる。
また、ブラシ体16の底部において清掃面として使用された清掃シートSは、ブラシ体16の前部を通って開口部20へと送り出され、鋸刃201にてカットされることとなる。
【0035】
以上のように、本実施の形態による清掃用具100によれば、ブラシ体16により、清掃シートSを任意の長さだけ移動させながら、表面を清掃面として使用した清掃シートSの裏面を清掃面として使用することができるため、清掃シートSの表裏両面を無駄なく使用できると共に、反転作業を別途行う必要もない。従って、操作性に優れ、経済的である。
【0036】
また、清掃シートSを任意の長さ分だけ繰り出す繰り出し機構を備えることにより、清掃面が汚れて新しい面にする場合に、摘み部153を回転させるだけで順次新しい清掃面を送出させられるので、連続して清掃作業ができ、使い勝手が良好である。
また、使用済みの清掃シートSを切り取る鋸刃201を備えることにより、使用済みの清掃シートSを容易に切り取ることができるので、汚れの付着したシートを内部に長期保持することがなく、清掃用具を清潔に保つことができる。
【0037】
ブラシ体16は押圧によって変形可能に構成されているため、ロール15の径の縮小に応じて相対的に高い部分が適度に潰れ、フレーム14を清掃対象面に対して常に略平行に維持できるため使い勝手が良好である。
【0038】
また、清掃シートSは、表面層、中間層、裏面層の3層構造となっており、中間層が不透過性であって、表面層と裏面層とで異なる機能を有するように構成されているため、表裏面を用いる清掃用具100に3層構造の清掃シートを合わせて用いることで、より効果的な清掃を行うことができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の清掃用具200は、切り取り部の代わりに、使用済みの清掃シートを巻き取る巻き取り部を備えて構成されている。
【0040】
具体的に、図6に示すように、ロール15とブラシ体16との上には、巻き取り部として、これらに跨る巻き取りロール23が乗せられている。
図7に示すように、巻き取りロール23の回転軸231には、3つの歯車(第5歯車24a、第6歯車24b、第7歯車24c)が連結されており、第5歯車24a、第6歯車24b、第7歯車24c、巻き取りロール23、及び回転軸231により、巻き取り機構が構成されている。
巻き取りロール23は、ロール15とブラシ体16とが回転した場合に、これら3つの歯車に連動して前方向に回転し、ブラシ体16から送り出された清掃シートSを巻き取るようになっている。
なお、巻き取り機構の歯車の数はこれに限られるものではなく、適宜設定可能である。
なお、フレーム14の開口部20及び透明カバー21は、巻き取りロール23の出し入れ口として用いられ、使用済み清掃シートSを多量に巻き取った際に交換可能である。
【0041】
本実施形態における清掃用具200の清掃動作としては、第1実施形態と同様、柄11の軸方向に加える操作力によってストッパー19が機能し、清掃面が固定された状態で清掃用具200を前後左右に移動させ、清掃対象面の払拭を行う。
清掃面が汚れて新しい面にする時は、ストッパー19を解除した状態で摘み部153を回転させて使用済みの清掃シートSを巻き取りロール23に巻き取ることで新しい清掃面を露出させ、清掃対象面の払拭を再開する。
【0042】
以上のように、本実施の形態による清掃用具200によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるのは勿論のこと、使用済みの清掃シートSを内部に格納でき、未使用シートを全て使い終わった時点でまとめて交換できる。このため、ゴミを廃棄する手間を省くことができる。
なお、本実施形態においては、使用済み清掃シートSを巻き取るのに専用の巻き取りロール23を備えた構成について説明しているが、ブラシ体16自体に巻き取らせることとしても良い。
【0043】
(変形例)
第2実施形態の変形例として、ストッパー19を設けず、巻き取りロール23が、清掃面と清掃対象面との間の摩擦により生じる巻き取り方向への力により巻き取られるように構成することも可能である。
【0044】
すなわち、本変形例の清掃動作としては、清掃面を固定せずに、柄11の軸方向に加える操作力を一方向として清掃対象面の払拭を行う。つまり、清掃用具200を常時前進させることで清掃作業を行う。
清掃面は、清掃対象面との間の摩擦により巻き取りロール23に巻き取られ、常に清掃シートSの未使用部だけが清掃対象面に触れることとなる。
【0045】
このように構成することにより、常に清掃シートSの未使用部だけが清掃対象面に触れることとなるため、より衛生的に清掃を行うことができる。
なお、ストッパー19は、必要に応じてON/OFFの切換を行うことができるように構成しても良い。具体的には、例えば、ストッパー19を支軸部13を介して上向きに回転させてOFFとし、下向きに回転させてONとさせるようにすることができる。
【0046】
なお、上記第1、2実施形態においては、ロール15及びロール状のブラシ体16を用い、八の字状に清掃シートSを搬送させる構成を例示して説明したが、反転機構の形状や清掃シートSの搬送方向はこれに限定されない。
【0047】
例えば、図8(a)に示すように、ロール15から送り出された清掃シートSを扁平直方体形状の扁平部材5の底面に沿うよう搬送させ、この扁平部材5の側端部でバー6により反転させた後、扁平部材5の底面中心まで逆送させる構成としても良い。
また、図8(b)に示すように、間隙Hを備えて配置された2つの扁平直方体形状の扁平部材5、5を用い、清掃シートSを、一方の扁平部材5の下面から間隙Hを通って他方の扁平部材5の上面を経由し裏面に戻るように搬送させた構成としても良い。
このように、扁平直方体形状の扁平部材5を用いた場合、清掃面として露出される清掃シートの表面と裏面の進行方向の長さを等しくすることができ、新たな清掃面を繰り出した場合、清掃シートの未使用面だけが露出することとなり効果的に清掃作業を行うことができる。
また、扁平直方体形状の扁平部材5を用いた場合、底面が清掃面となるため、清掃対象物との接触面積を拡大することができ、より効果的に清掃作業を行うことができる。
【0048】
また、図8(c)に示すように、ロール15から送り出された清掃シートSの進行方向を変えず、セーラ等により途中で捻ることにより反転させることとしても良い。
また、図8(d)に示すように、清掃シートSをロール15の底部からブラシ体16の上部に向かって送り出すこととしても良い。
【0049】
また、上記第1、2実施形態においては、ロール状部材としてブラシ体16を用いた構成であるが、ロール状部材は必ずしもブラシ体16である必要はない。
具体的には、例えば、弾性材やスポンジ等で構成した場合であっても、ブラシ体と同様に、押圧によって容易に変形・復元可能であるため、清掃シートSの巻きだしによりロール15の太さが変動しても高低差を相殺することができる。
【0050】
なお、変形しない部材を用いた場合、両者ともロール形状であれば、清掃シートSの清掃面として露出された表面と裏面の進行方向の長さは、略等しくなり、新たな清掃面を繰り出した場合、清掃シートの未使用面だけが露出することとなり効果的に清掃作業を行うことができる。
【0051】
また、清掃シートSとして3層構造であるものを例示して説明したが、層の数に関わらず公知の清掃シートであれば何れも適用可能であるのは勿論である。すなわち、一層のシートであっても、3層以上のシートであっても良い。
【符号の説明】
【0052】
100、200 清掃用具
15 ロール(反転機構)
151 回転軸
152 第1歯車
153 摘み部
16 ブラシ体(ロール状部材、反転機構)
161 回転軸
162 第1歯車
17a 第2歯車
17b 第3歯車
19 ストッパー
20 開口部
201鋸刃(切り取り部)
22 ポンプユニット(塗布機構)
221 容器
222 押圧ボタン
223 吐出口
23 巻き取りロール(巻き取り部、巻き取り機構)
231 回転軸(巻き取り機構)
24a 第5歯車(巻き取り機構)
24b 第6歯車(巻き取り機構)
24c 第7歯車(巻き取り機構)
S 清掃シート
1 不織布(表面層)
2 不織布(裏面層)
3 フィルム(中間層)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールに巻回された清掃シートの清掃面を清掃対象面に擦り付けて、清掃対象面の汚れを拭き取る清掃用具において、
前記清掃シートの表裏を反転させ、前記清掃シートの表面と裏面を同時に一面に露出させて当該一面を清掃面とさせる反転機構を備え、
前記ロールから前記清掃シートを任意の長さだけ繰り出すことが可能に構成されていることを特徴とする清掃用具。
【請求項2】
前記清掃面として露出される清掃シートの表面と裏面の進行方向の長さが等しいことを特徴とする請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
前記反転機構は、
前記ロールと、
前記ロールから繰り出された前記清掃シートを反転させるロール状部材と、を備え、
前記ロール状部材は清掃対象面に接触し、
前記ロール状部材の少なくとも一部は押圧によって変形可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用具。
【請求項4】
前記反転機構から送り出された後の前記清掃シートを切り取る切り取り部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の清掃用具。
【請求項5】
前記反転機構から送り出された後の前記清掃シートを巻き取る巻き取り部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の清掃用具。
【請求項6】
前記巻き取り部は、
清掃時に、前記清掃面と清掃対象面との間の摩擦により生じる巻き取り方向への力により巻き取る巻き取り機構を備えることを特徴とする請求項5に記載の清掃用具。
【請求項7】
前記清掃シートに液体を塗布する塗布機構を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の清掃用具。
【請求項8】
前記清掃シートは、少なくとも3層構造となっており、
中間層に、液不透過性のシートを備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の清掃用具。
【請求項9】
前記清掃シートは、表面と裏面とで異なる清掃機能を有することを特徴とする請求項8に記載の清掃用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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